JP2001351635A - 2次電池用集電体の製造装置及び方法 - Google Patents

2次電池用集電体の製造装置及び方法

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JP2001351635A JP2001117712A JP2001117712A JP2001351635A JP 2001351635 A JP2001351635 A JP 2001351635A JP 2001117712 A JP2001117712 A JP 2001117712A JP 2001117712 A JP2001117712 A JP 2001117712A JP 2001351635 A JP2001351635 A JP 2001351635A
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Taiyu An
泰勇 安
Tokun Ri
東勲 李
Gakuhyun Ri
学▲ひゅん▼ 李
Yodan Kin
容男 金
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2次電池用集電体の製造装置及び製造方法
を提供する。 【解決手段】 集電体を製造する段階では、集電体の
元素材を用意して前処理し、元素材の開口孔パターンが
形成されたローラの間に元素材を通過させてその表面に
パターン形成用組成物を塗布し、これを乾燥、エッチン
グして開口孔を形成することにより集電体を完成する。
この集電体を製造する装置は、集電体の開口孔パターン
が形成されたメインローラと、これと結合されてそれら
の間に集電体が通過されるガイドローラと、前記メイン
ローラの下部に設けられてパターン部にパターン形成用
組成物を供給するパターン形成用の組成物貯蔵部とを含
む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、集電体に開口孔を
形成する目的での、2次電池用集電体の製造装置及び製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、2次電池は、充電及び放電が可能
な電池であって、ニッケル-カドミウム電池(Ni-C
d)、ニッケル-水素電池(Ni-MH)、リチウム2次
電池などがある。
【0003】このうち、リチウム2次電池は、ニッケル
-カドミウム電池やニッケル-水素電池と比較して単位重
量当たりのエネルギー密度に優れている点から、これに
対する需要が高まりつつある。このようなリチウム2次
電池は、電解液の種類によって液体電解質電池と固体電
解質電池とに大別できる。一般には、液体電解質を使用
する電池をリチウムイオン電池と呼び、高分子電解質を
使用する電池をリチウムポリマー電池と呼ぶ。
【0004】リチウム2次電池は正極板、セパレータ、
及び負極板が順次積層された電池部と、前記電池部を収
容するケースとを含む。正極板及び負極板は、集電体
と、集電体の表面に形成される活物質層とよりなってい
る。このとき、前記正極及び負極の集電体には、その両
面に形成される活物質同士のイオン伝導性を持つように
多数の開口孔が形成されている。
【0005】開口孔を形成させる方式によって、前記正
極及び負極の集電体は、プレス加工を通じて集電体に開
口孔を形成させる穿孔メタル型(punched metal type)
と、集電体に切欠け部を形成させ、これを両方向に延ば
して開口孔を形成させるエキスパンデッドメタル型と、
集電体をエッチングして開口孔を形成させるエッチング
メタル型(etched metal type)とに分類できる。
【0006】図1は、エッチング法により集電体を製造
する工程を示した工程手順図である。
【0007】これを参照して、従来の方法による集電体
の製造方法について簡略に説明すれば、下記の通りであ
る。
【0008】第一に、正極及び負極の集電体の原料物質
として用いられるアルミニウム箔や銅箔を用意する(S
10)。その後、金属箔を脱脂して表面に付いている不
純物を除去する(S20)。
【0009】次に、前記原料物質の一方の面に感光性フ
ィルムを貼り付ける(S30)。
【0010】感光性フィルムの貼り付けられた原料物質
の上部に開口孔に相応するパターンを持つフォトマスク
を整列し、紫外線を露光する(S40)。露光が完了し
た後、これを現像して、開口孔と同じパターンを感光性
フィルムに形成させる(S50)。
【0011】次に、前記原料物質上にエッチング液を均
一に塗布して開口孔を形成させる(S60)。その後、
残留する感光性フィルムを剥がし(S70)、これを適
切な温度で乾燥して所望の正極及び負極の集電体を完成
する(S80)。
【0012】ところで、従来の技術によれば、下記のよ
うな問題点があった。
【0013】前述のエッチングメタル型の場合には、ア
ルミニウム箔や銅箔などの正極及び負極の集電体の原料
物質の一方の面の全体に感光性フィルムを貼り付けて、
これを露光、現像、及びエッチングしなければならない
ため、製造工数が多く、製造コストも高い。また、エッ
チングにかかる時間が他の方式より長時間である事よ
り、生産収率の点からも有利であるとは言えない。
【0014】エキスパンデッドメタル型の場合には、集
電体に切欠け部を形成させた状態で、延伸方向と張力が
加えられる方向とが一致するため、集電体の延伸による
永久変形が起こってしまい、連続工程に基づく大量生産
には向いてない。さらに、これを所定の寸法に切断する
場合には、切断される端部でばり(burrs)が生じ、こ
れにより、正極板と負極板との間の短絡が引き起こされ
る恐れがある。
【0015】一方、穿孔メタル型の場合には、集電体の
原料物質が薄膜の金属箔であるため、開口孔を所望のよ
うに形成する際に変形の可能性がある。これにより、開
口孔の寸法が正しく調整されない場合には、後続する電
池の製造工程中に可塑剤の抽出が円滑になされなかった
り、或いはイオン伝導度が低下するという問題が生じ
る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑みて成されたものであり、その目的は、正極及び負極
の集電体の開口孔を効率良く形成する2次電池用集電体
の製造装置及び製造方法を提供するところにある。
【0017】本発明の他の目的は、製造コストの節減及
び生産性の向上のために、通常のグラビア印刷またはフ
レキソ印刷方法を利用することで、露光及び現像工程無
しに開口孔と同じ形状のパターンを集電体の原料物質に
直接印刷し、これにより、エッチング及び剥離が可能な
2次電池用集電体の製造装置及び製造方法を提供すると
ころにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の一側面による2次電池用集電体の製造方法
は、集電体の原料物質を用意する段階と、前記集電体の
原料物質を前処理する段階と、前記集電体に形成される
開口孔状のパターン部が形成されたローラの間に前記集
電体の原料物質を装入してその表面にパターン形成用組
成物を塗布する段階と、前記パターン形成用組成物をキ
ュアリングする段階と、前記集電体の原料物質をエッチ
ングして開口孔を形成する段階と、前記集電体の原料物
質上に残留するパターン形成用組成物を除去する段階
と、開口孔の形成された集電体を完成する段階とを含む
ことを特徴とする。
【0019】また、前記原料物質の表面にパターン形成
用組成物を塗布する段階では、前記集電体の原料物質の
一方の面にはパターン形成用組成物が開口孔の形成され
ない部分に限って部分的に塗布され、前記集電体の原料
物質の他方の面にはパターン形成用組成物が全面塗布さ
れることを特徴とする。
【0020】さらに、前記ローラのパターン部に残留す
るパターン形成用組成物は前記集電体の原料物質に転写
されることを特徴とする。
【0021】なおかつ、前記集電体の原料物質をエッチ
ングして開口孔を形成する段階では、パターン部を持つ
ローラによってパターン形成用組成物が塗布される集電
体の原料物質の面が下方に配置され、エッチング液は集
電体の原料物質の下方から上方へと噴射されることを特
徴とする。
【0022】本発明の他の側面による2次電池用集電体
の製造方法は、メインローラと、前記メインローラと回
転自在に結合されて、それらの間に装入される集電体の
原料物質に開口孔パターンが形成されるように案内する
ガイドローラと、前記メインローラの下部に設けられ
て、前記メインローラにパターン形成用組成物を供給す
るパターン形成用組成物貯蔵部とを含むことを特徴とす
る。
【0023】また、前記メインローラには、前記集電体
に形成された開口孔に相応する形状の開口孔パターンを
持つパターン部が形成されたことを特徴とする。
【0024】さらに、前記パターン部と接触し、前記パ
ターン部にパターン形成用組成物を供給し続けるインク
供給ローラがさらに設けられることを特徴とする。
【0025】なおかつ、開口孔パターンを持つ集電体の
原料物質の下部側には前記集電体の原料物質に向かって
下方から上方へとエッチング液を噴射するノズル部がさ
らに設けられることを特徴とする。
【0026】また、本発明による2次電池用集電体のパ
ターン形成用組成物は、主鎖形成用モノマーと耐酸性ア
クリル系モノマー(acryl-based monomer)との間の共
重合体である耐酸性ポリマーと、主鎖形成用モノマーと
耐水性アクリル系モノマーとの間の共重合体である耐水
性ポリマーと、着色剤と、架橋剤及び溶媒を含む。
【0027】さらに、本発明による集電体のパターン形
成用組成物は、主鎖形成用モノマーと、耐酸性アクリル
系モノマー、及び耐水性アクリル系モノマーとの間の共
重合体である水性アクリル樹脂と、着色剤と、架橋剤及
び溶媒とを含む。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、添付した図面に基づき、本
発明によるパターン形成用組成物を利用して集電体を製
造する方法と、その装置について詳細に説明する。
【0029】図2に示されたように、2次電池のうちリ
チウムポリマー電池10は、正極板11と、セパレータ
12及び負極板13が、多数連続して積層された電池部
を含む。
【0030】前記正極板11は薄膜のアルミニウム箔よ
りなる正極集電体11aと、前記正極集電体11aの少
なくとも一面に貼り付けられる正極シート11bとを含
む。前記正極シート11bはリチウム酸化物などの正極
活物質を主成分とし、導電材、可塑剤、結合剤などを補
助成分として製造される。
【0031】前記負極板13は薄膜の銅箔よりなる負極
集電体13aと、前記負極集電体13aの少なくとも一
方の面に貼り付けられる負極シート13bとを含む。前
記負極シート13bは炭素材などの負極活物質を主成分
とし、可塑剤、導電材、結合剤などを補助成分として製
造される。
【0032】前記多数枚の正極板11及び負極板13の
一辺に沿って正極タブ14及び負極タブ15が各々引き
出されており、これを極板別に集合させてV字状に曲げ
てその端部は正極端子16と、負極端子17とに溶接さ
れている。
【0033】このような電池部は、これを収容するため
の空間部19が設けられたケース18に収容可能であ
る。前記ケース18はパウチの形状を呈しており、上部
ケース18aと、このケース18aと一辺に沿って接合
され、残りの3辺は相互分離可能な下部ケース18bと
を含む。
【0034】本発明の特徴によれば、前記正極及び負極
集電体11a、13aは併設した装置によって、その全
面に開口孔11c、13cが形成される。
【0035】図3は、このような集電体に開口孔を形成
させる集電体の製造装置のうち、ローラユニット30を
示したものである。
【0036】この図に依れば、前記ローラユニット30
は、メインローラ31と、前記メインローラ31と回転
自在に相互に接触するガイドローラ32とを含む。
【0037】前記メインローラ31とガイドローラ32
との間には、図1に示された集電体11a、13aの原
料物質が通ることになる。
【0038】前記メインローラ31の中央には、その外
周面に沿ってパターン部300が形成されている。前記
パターン部300は、前記集電体11a、13aの原料
物質に対応する幅を持っている。前記パターン部300
は、前記集電体11a、13aの原料物質がメインロー
ラ31とガイドローラ32との間を通るとき、その一方
の面に開口孔11c、13cパターンを形成させる役目
をする。
【0039】このために、前記パターン部300には、
開口孔11c、13cに相応する形状のパターン溝30
1がメッシュ状に形成されている。前記パターン部30
0は、グラビア印刷方式を適用するために、メインロー
ラ31に陰刻の形で加工されている。すなわち、前記パ
ターン部300の各パターン溝301は、前記メインロ
ーラ31の他の部分302よりも窪んで形成されてい
る。前記各パターン溝301は、図4で後述する所定量
のパターン形成用組成物42を一時的に貯蔵している。
前記パターン形成用組成物42は、集電体11a、13
aの原料物質が前記メインローラ31とガイドローラ3
2との間を通るときに転写可能である。
【0040】このとき、前記パターン部300は、前記
メインローラ31に直接的に形成しても良い。或いは、
前記メインローラ31の外周面に前記開口孔11c、1
3cに相応するパターンを持ったマスクを貼り付けても
良い。
【0041】また、前記ガイドローラ32は、前記パタ
ーン部300に集電体11a、13aを完全に密着可能
とする弾性力を有する素材、例えば、ゴムからなる。
【0042】一方、前記メインローラ31が回転しつ
つ、前記パターン形成用組成物貯蔵部41(図4参照)
から上がってくるパターン形成用組成物42は、パター
ン溝301が形成されてない部分にも付着してしまう。
これを放っておけば、前記集電体11a、13aの原料
物質に所望の開口孔パターンが形成されない。
【0043】このために、前記メインローラ31とガイ
ドローラ32とが噛み合って回転する部分の下方には、
前記パターン部300以外の部分302に付いているパ
ターン形成用組成物42を除去するためのスクレーパ3
3が設けられている。前記スクレーパ33は、前記メイ
ンローラ31のパターン部300以外の部分302に付
いているパターン形成用組成物42がそれ以上ローラ3
2の外周面に残留しないように、その端部33aが前記
メインローラ31に密着された状態を保っている。
【0044】以上のような構造を持つローラユニット3
0を用い、集電体11aの原料物質に開口孔11c、1
3cを形成する過程について述べると、下記の通りであ
る。
【0045】図4は、本発明の第1実施形態による集電
体11a、13aの原料物質に開口孔11c、13cを
形成させる装置を示したものであり、図5は、このよう
な開口孔11c、13cを形成する過程を製造装置別に
示したものであり、図6は、これを順次的に示した手順
図である。
【0046】これを参照すれば、先ず、正極及び負極の
集電体11a、13aの原料物質として用いられる薄膜
のアルミニウム箔や銅箔を用意する。通常、前記アルミ
ニウム箔や銅箔は、連続に供給可能であるように、供給
リール61に巻かれている(T10)。
【0047】次に、集電体11a、13aの原料物質の
表面に付いている油気、水分やホコリなどの不純物を除
去するために前処理ユニット62内に通し、水洗いや脱
脂を施す(T20)。
【0048】次に、前記集電体11a、13aの原料物
質の表面にパターン形成用組成物42を塗布する(T3
0)。
【0049】すなわち、メインローラ31とガイドロー
ラ32との間に、供給リール61から供給される集電体
11a、13aの原料物質を通す。このとき、メインロ
ーラ31には、パターン部300が形成されている。こ
のパターン部300には、集電体11a、13aに形成
される開口孔11c、13cのパターンが形成されてい
る。
【0050】前記メインローラ31は、その一部がパタ
ーン形成用組成物貯蔵部41に貯蔵されたパターン形成
用組成物42に常に浸された状態で回転可能である。こ
れにより、図7に示されたように、前記メインローラ3
1に形成されたパターン溝301には前記パターン形成
用組成物42が付き、前記パターン形成用組成物42は
前記集電体11a、13aの原料物質上に転写される。
このとき、望ましくは、前記パターン溝301の底面に
は、パターン形成用組成物42の貯蔵を容易にするため
の凹凸部301aが形成される。
【0051】一方、前記パターン溝301にパターン形
成用組成物42が一時的に貯蔵される場合、その以外の
部分302の表面にも前記組成物42が付く。これを除
去しなければ、前記集電体11a、13aの原料物質上
に所望の開口孔パターンが形成し難くなる。
【0052】この現象を防止すべく、前記メインローラ
31の長手方向に沿ってスクレーパ33が設けられてい
る。これにより、前記パターン溝301以外の部分30
2に付いているパターン形成用組成物42は除去可能に
なる。
【0053】また、前記メインローラ31のうち、パタ
ーン部300以外の部分に付くパターン形成用組成物4
2も、前記スクレーパ33によって除去されて、パター
ン形成用組成物貯蔵部41に再び回収可能である。
【0054】以上のような工程を通じて、前記集電体1
1a、13aの原料物質の一方の面には開口孔11c、
13cのパターンが形成される。また、前記パターンの
形成された原料物質の他方の面には、前記パターン形成
用組成物43が全面塗布される。
【0055】すなわち、前記集電体11a、13a原料
物質の一方の面には開口孔11c、13cを形成するパ
ターン形成用組成物42が選択的に塗布され、前記集電
体11a、13aの原料物質の他方の面には他のパター
ン形成用組成物塗布工程を通じてパターン形成用組成物
43が全面塗布される(図8A参照)。
【0056】前記パターン形成用組成物43を前記集電
体11a、13aの原料物質上に全面塗布する工程は、
前述したパターン形成用組成物42を原料物質上に選択
的に塗布するときに同時になされるか、或いは、この工
程の前後になされる。固体状態(フィルム状)のパター
ン形成用組成物を使用する場合には、望ましくは前記パ
ターン形成用組成物の塗布工程(T30)と共になさ
れ、液状のパターン形成用組成物43を使用する場合に
は、前記パターン形成用組成物の塗布工程(T30)の
前後になされる。
【0057】また、前記パターン形成用組成物42、4
3の厚さは3〜10μmであり、この範囲内で出来うる
限り厚く形成することがより好ましい。前記パターン形
成用組成物42、43の厚さが3μm未満の場合には耐
酸性が弱く、これに対し、10μmを超える場合には剥
離時間が長びくため、望ましくない。
【0058】次に、前記パターン形成用組成物42、4
3の形成された集電体11a、13aの原料物質をキュ
アリングユニット63でキュアリングする(T40)。
このとき、キュアリングの温度は60〜140℃であ
り、キュアリングにかかる時間は10〜20秒である。
【0059】前記パターン形成用組成物42、43のキ
ュアリングが完了すれば、パターンの形成された原料物
質上にノズル64を通じてエッチング液を均一に塗布す
るエッチング工程を行う(T50)。本発明において、
望ましくは、エッチング液としては塩化鉄(FeC
)を使用し、エッチング温度は約30〜50℃であ
り、エッチング処理時間は約30秒〜1分である。
【0060】このとき、前記集電体11a、13aの原
料物質は、パターン形成用組成物42の塗布部分が下方
に向かうように配置され、前記ノズル64は、その下部
に少なくとも一つ配置されている。これは、図9Aに示
されたように、集電体11a、13aの原料物質の上方
にパターン形状にパターン形成用組成物42が塗布され
た面が配置され、その反対側にパターン形成用組成物4
3が全面塗布された面がくるように配置した後、前記集
電体11a、13aの原料物質の上部からエッチング液
を噴射する場合には、エッチング中にエッチング液が前
記集電体11a、13aの下部に全面塗布されているパ
ターン形成用組成物43上に溜り、貯留現象が生じて、
図9Bのように、エッチング面にひびが生じ、断面部の
内側に浸食する現象が生じる問題点を解決するためであ
る。特に、前記集電体11a、13aの原料物質は薄膜
であるため、浸食現象が極めて強い。このため、集電体
11a、13aの原料物質の下部側にノズル64を設け
る必要がある。
【0061】すなわち、図8Aに示されたように、前記
集電体11a、13aの原料物質の下部からノズル64
を通じてエッチング液が下方から上方へと噴射される場
合には、前述した問題点を解決できる。エッチング工程
中に、エッチング液は前記集電体11a、13aの原料
物質に衝突して自重により下方に落とされて貯留現象が
生じなくなり、前述した集電体11a、13aの原料物
質への浸食現象が未然に防止可能となる。これにより、
図8Bに示されたように、前記集電体11a、13aの
原料物質には開口孔11c、13cパターンが形成され
る。
【0062】原料物質上に開口孔11c、13cパター
ンが形成されれば、第1洗浄ユニット65を通過させて
水洗いを行う。次に、剥離剤を含むノズル66を通じて
前記集電体11a、13aの原料物質上に残留するパタ
ーン形成用組成物42、43を溶解させて除去する(T
60)。このとき、望ましくは、剥離剤としては、約4
%のNaOH水溶液を使用する。
【0063】前記パターン形成物組成物42、43が溶
解された後には、前記集電体11a、13aの原料物質
を第2洗浄ユニット67に通過させて、水洗いを行う。
【0064】これらの工程完了後、前記集電体11a、
13aの原料物質により、別途後処理工程を加えても良
い。例えば、銅箔の場合には、酸化防止処理を施すこと
により、製品に必要とされる性能も確保できる。次に、
パターンの形成された前記アルミニウム箔や銅箔は、収
容リール68に巻き戻される。場合によっては、アルミ
ニウム箔や銅箔は所定の長さに切断して包装することも
ある。
【0065】これにより、図8Cに示されたように、前
記集電体11a、13aの原料物質上には所望の大きさ
の開口孔11c、13cが形成され、集電体11a、1
3aが完成する(T70)。
【0066】図10は、本発明の第2実施形態による集
電体11a、13aの原料物質に開口孔11c、13c
を形成する装置を示したものである。
【0067】ここで、前述した図面での参照番号は、同
一の機能をする同一の部材のことを表わす。
【0068】これを参照すれば、供給リール61上に巻
取られた集電体11a、13aが第1支持ローラ110
を回し、ガイドローラ32とメインローラ31との間を
通った後、再び第2支持ローラ120を通って最終的に
収容リール68に巻かれることが分かる。
【0069】また、前記メインローラ31と隣接して、
インク供給ローラ130が回転自在に結合されている。
前記メインローラ31及びガイドローラ32は、図示は
していないが、両方とも支持体によって回転自在に支持
されている。前記インク供給ローラ130は、その外周
面のうち下部の一部がパターン形成用組成物貯蔵部41
に貯蔵されたパターン形成用組成物42に沈積されてい
る。従って、前記インク供給ローラ130が回転する場
合には、前記パターン形成用組成物42が継続してイン
ローラ31に供給されるような構成がなされている。
【0070】一方、前記メインローラ31の外周面には
パターン部100が形成されており、前記パターン部1
00はインク供給ローラ130と接触している。これに
より、前記インク供給ローラ130の回転に伴い上がっ
てきたパターン形成用組成物42は、継続してメインロ
ーラ31に供給できる構造である。前記パターン部10
0は前記集電体11a、13aの原料物質の幅に対応
し、集電体11a、13aの開口孔に相応するパターン
を持つように形成されている。このとき、前記パターン
部100は、フレキソ印刷方式を適用するために陽刻の
形で加工されている。すなわち、前記パターン部100
のパターンは、他の部分よりも凸状に形成されている。
このパターンの表面は、パターン形成用組成物42が浸
される部分である。
【0071】前記メインローラ31とガイドローラ32
との間を通過した集電体11a、13aの前方には、前
記集電体11a、13aの方向を変え得る第2支持ロー
ラ120が設けられており、前記第2支持ローラ120
の前方の下部には少なくとも一つのノズル64が設けら
れている。前記ノズル64を通じては、エッチング液が
前記集電体11a、13aに向かって噴射可能である。
【0072】前述のような構造を持つ装置を用い、集電
体11a、13aの原料物質に開口孔11c、13cを
形成させる過程について述べると、下記の通りである。
【0073】先ず、集電体11a、13aは、供給リー
ル61上に巻かれており、前記供給リール61が巻き出
され、これを前処理ユニット(図示せず)に導き、表面
を洗浄する。前処理後に、前記集電体11a、13a
は、第1支持ローラ110を回ってメインローラ31と
ガイドローラ32との間に導かれる。
【0074】前記メインローラ31の外周面にはパター
ン部100の各パターンが陽刻に形成されていて、イン
ク供給ローラ130の外周面に付いているパターン形成
用組成物42が前記パターン部100に転写される。こ
こで、前記インク供給ローラ93は、その外周面の一部
が常にパターン形成用組成物貯蔵部41内に貯蔵された
パターン形成用組成物42に浸されており、前記インク
供給ローラ130の回転に従い前記メインローラ31ま
でこれが伝えられる。一方、集電体11a、13aの一
面は前記パターン部100の形状によって部分塗布さ
れ、その他の面は全面塗布される。
【0075】このとき、図11に示されたように、前記
パターン部100の各パターンは前記メインローラ31
の外周面から突出した形を持ち、その表面にパターン形
成用組成物42が付着することになる。これにより、前
記パターン形成用組成物42は、前記集電体11a、1
3aの原料物質上に転写される。
【0076】前記メインローラ31及びガイドローラ3
2を通過し、パターン形成用組成物42の塗布過程が完
了すれば、前記集電体11a、13aは第2支持ローラ
120を回った後、キュアリング工程を行うことにな
る。
【0077】このとき、キュアリング温度は60〜14
0℃であり、キュアリングにかかる時間は10〜20秒
である。キュアリング工程後には、パターンの形成され
た原料物質上にノズル64を通じてエッチング液を均一
に塗布するエッチング工程が行われる。このとき、前記
ノズル64は集電体11a、13aの下部に少なくとも
一つ配置されている。前記ノズル64を通じてエッチン
グ液が下方から上方へと噴射される。
【0078】エッチングにより開口孔パターンが形成さ
れれば、前記集電体11a、13aの原料物質上に残留
するパターン形成用組成物42を剥離して除去する。次
に、前記集電体11a、13aは収容リール68に再び
巻かれて貯蔵される。
【0079】ここで、エッチング後、パターン形成用組
成物42が溶解された後には、該当する素材により、別
途の後処理工程を加えられる。これにより、前記集電体
11a、13aの原料物質上には所望の寸法の開口孔1
1c、13cが形成されて、集電体11a、13aが完
成される。
【0080】一方、本発明による2次電池用集電体のパ
ターン形成用組成物は、主鎖形成用モノマーと耐酸性ア
クリル系モノマーとの間の共重合体である耐酸性ポリマ
ーと、主鎖形成用モノマーと耐水性アクリル系モノマー
との間の共重合体である耐水性ポリマーと、着色剤と、
架橋剤及び溶媒を含む。
【0081】また、本発明による集電体のパターン形成
用組成物は、主鎖形成用モノマー、耐酸性アクリル系モ
ノマー、及び耐水性アクリル系モノマーとの間の共重合
体である水性アクリル樹脂と、着色剤と、架橋剤及び溶
媒を含む。
【0082】さらに、集電体のパターン形成用組成物
は、グラビア印刷若しくはフレキソ印刷方法を用い、露
光、現像などの工程無しに集電体上に製品の形状を直接
印刷し、エッチング及び剥離が可能な組成物である。こ
のように、本発明の組成物を構成する各成分及びこれら
を用いて組成物を製造する方法についてより詳細に説明
する。
【0083】本発明の組成物は、主鎖形成用モノマーと
耐酸性アクリル系モノマーとの間の共重合の結果で得ら
れた耐酸性ポリマーと、主鎖形成用モノマーと耐水性ア
クリル系モノマーとの間の共重合の結果で得られた耐水
性ポリマーと、着色剤と、架橋剤及び溶媒を含む。
【0084】このとき、耐酸性ポリマーは、耐酸性には
優れているが、耐アルカリ性に関しては普通か若しくは
乏しい。これは、主鎖形成用モノマー50〜70重量部
と耐酸性アクリル系モノマー30〜50重量部の共重合
の反応によって形成される。
【0085】そして、耐水性ポリマーとは、耐アルカリ
性には優れ、耐水性は普通である樹脂を表し、主鎖形成
用モノマー60〜90重量部と耐酸性アクリル系モノマ
ー10〜40重量部との共重合反応によって形成され
る。
【0086】ここで、主鎖形成用モノマーは、ポリマー
の基本骨格を形成するものであって、芳香族ビニル単量
体5〜75重量部と、アルキル(メタ)アクリレート2
0〜55重量部とを使用する。ここで、芳香族ビニル単
量体の具体的な化合物の例としてスチレンなどがあり、
アルキル(メタ)アクリレートの具体的な化合物の例と
しては、メチルメタクリレート、メチルアクリレートな
どがある。
【0087】そして、前記耐酸性アクリル系モノマー
は、分子内に-COOH基などを含むアクリル酸(メ
タ)アクリレート(acrylic(meth)acrylate)を使用す
る。耐水性アクリル系モノマーとしては、主鎖が芳香族
ビニルアクリレートよりなり、この分子内に-OH基を
持っている化合物であって、ヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレートを使用する。
【0088】ここで、ヒドロキシアルキル(メタ)アク
リレートの具体的な化合物の例として、ヒドロキシエチ
ルアクリレートと、ヒドロキシプロピルアクリレート
と、ヒドロキシエチルメタクリレートなどがある。
【0089】前記耐酸性ポリマー及び耐水性ポリマーの
混合重量比は、好ましくは、1:4〜4:1である。も
し、耐水性ポリマーに対する耐酸性ポリマーの含量が前
記範囲を超える場合には集電体の表面に腐食を引き起こ
し、耐酸性ポリマーの含量が前記範囲未満である場合に
は耐酸性が低くなるために望ましくない。そして、前記
耐酸性ポリマー及び耐水性ポリマーの総含量は1〜90
重量部であることが好ましく、更に好ましくは40〜6
0重量部である。ここで、ポリマーの総含量が1重量部
未満である場合には耐酸性が弱く、90重量部を超える
場合には印刷適性が低くなるため望ましくない。
【0090】好ましくは、前記耐酸性ポリマー及び耐水
性ポリマーの重量平均分子量は、10、000〜数百萬
である。そして、好ましくは、前記ポリマーのガラス転
移温度は、−40〜90℃である。
【0091】前記耐酸性及び耐水性ポリマーを架橋させ
るための架橋剤としては、最も望ましくは、アジリジン
を使用する。これは、エッチングマスクパターン層の低
温での硬化が可能であるからである。架橋剤の含量は
0.5〜5重量部であり、架橋剤の含量が0.5重量部
未満の場合には耐化学性が低下し、5重量部を超える場
合には貯蔵安全性及び印刷適性の悪化いう問題が生じ
る。
【0092】本発明は、ポリマーと架橋剤との架橋反応
を行うとき、架橋反応性を促進するために硫酸、ステア
リン酸及びその誘導体などの酸触媒、2級または3級ア
ミン類、マンガン、バリウム、亜鉛などの金属含有塩な
どを触媒として使用する。ここで、その含量は、0.1
〜1重量部である事が好ましい。
【0093】前記着色剤は、パターン形成用組成物の識
別性を良好にするために加えるものであって、有機顔
料、無機顔料、染料などを使用する。そして、着色剤の
使用含量は1〜20重量部である。
【0094】本発明の溶媒としては、炭化水素系、ハロ
ゲン化炭化水素、アルコール、エーテル系、ケトン系、
エステル系、ポリアルコール系、脂肪酸、窒素化合物、
硫黄、リン含有化合物、無機溶剤を使用可能で、その含
量は5〜80重量部である事が望ましい。
【0095】本発明の集電体のパターン形成用組成物に
は、この組成物層の塗膜形成の温度を下げつつ、形成に
かかる時間を短くし、しかも表面の状態を改善するため
に、各種の添加剤を加える。ここで、添加剤としては、
均染剤(例えば、シリコン、高融点のケトン及びエステ
ル)、発泡剤(例えば、アゾジカーボンアミド(ADC
A))、消泡剤などを使用し、その使用含量は5重量部
以下である。もし、5重量部を超える場合には表面張力
の違いで塗膜の形成が不可能となる。また、裏移り現
象、眼窩(eyehole)及びへこみ(cratering)現象が生
じ、再塗装が困難となり、相分離が起こる事で望ましい
とは言えない。
【0096】また、本発明によるさらに他の集電体のパ
ターン形成用組成物は、下記の組成を持つ。
【0097】すなわち、本発明の組成物は、主鎖形成用
モノマー、耐酸性アクリル系モノマーと耐水性アクリル
系モノマーとの間の共重合体である水性アクリル樹脂
と、着色剤と、架橋剤及び溶媒を含む。場合によって
は、前記水性アクリル樹脂の製造時にエチレン変性不飽
和単量体をさらに加えたりもする。
【0098】前記主鎖形成用モノマーの含量は25〜1
30重量部であり、耐酸性アクリル系モノマーの含量は
1〜40重量部であり、耐水性アクリル系モノマーの含
量は1〜40重量部である。ここで、主鎖形成用モノマ
ーは、芳香族ビニルモノマー5〜75重量部と、アルキ
ル(メタ)アクリレート20〜55重量部とで構成され
る。
【0099】望ましくは、前記水性アクリル樹脂は、酸
価が30〜250であり、ガラス転移温度は−40℃〜
90℃である。そして、水性アクリル樹脂の重量平均分
子量は10、000〜数百萬であり、その含量は1〜8
0重量部、特に、40〜60重量部である事が好まし
い。ここで、水性アクリル樹脂の含量が1重量部未満で
ある場合には耐酸性が弱いのに対し、80重量部を超え
る場合には印刷適性が不良となり、望ましいとは言えな
い。
【0100】前記架橋剤の含量は1〜10重量部であ
り、溶媒の含量は5〜80重量部である。
【0101】以下、本発明によるパターン形成用組成物
42の製造方法を、下記の実施例を挙げて詳細に説明す
るが、本発明が下記の実施例のみに限定されることはな
い。
【0102】実施例1 スチレン5重量部とメチルメタクリレート25重量部と
アクリル酸アクリレート20重量部に水50重量部を加
え、重合触媒であるベンゾイルパーオキシド(BPO)
2重量部を加えた後、85℃で重合反応を6時間進行さ
せ、耐酸性ポリマー(重量平均分子量:30−80万)
を合成した。
【0103】これとは別に、スチレン20重量部とメチ
ルメタクリレート25重量部とヒドロキシプロピルアク
リレート0.5重量部に水50重量部及びメタクリル酸
5重量部を加え、重合触媒であるBPO2重量部を加え
た後、85℃で重合反応を6時間行い、耐水性ポリマー
(重量平均分子量:30−80万)を合成した。
【0104】前記耐酸性ポリマー20重量部及び耐水性
ポリマー28重量部を混合した後、ここに架橋剤として
アジリジン3重量部と顔料8重量部と架橋触媒であるア
ミノメチルプロパン0.3重量部とワックス1重量部と
水及びエタノールの混合溶媒38重量部を加えて混合
し、パターン形成用組成物を製造した。
【0105】前記パターン形成用組成物を用い、下記の
方法に従い、銅集電体を製造した。
【0106】銅集電体の原料物質の表面を脱脂した後、
原料物質の開口孔パターンが形成されたローラの間に銅
集電体を通過させて、銅集電体の表面に前記組成物を塗
布した。後に、これを120℃で乾燥した後、前記集電
体の両表面に全体的にエッチング液であるFeCl
噴射してエッチングを行った。その後、約4%のNaO
H水溶液を用いて集電体上に残留するパターン形成用組
成物を除去することにより、開口孔の形成された銅集電
体を完成した。
【0107】実施例2 ヒドロキシエチルアクリレート0.3重量部とスチレン
13重量部とメチルメタクリル酸アクリレート26重量
部とアクリル酸アクリレート10重量部とメチルアクリ
ル酸アクリレート2.5重量部とエチレン変性不飽和モ
ノマーであるアロニックスM305(Toagosei
社製)2重量部に水45重量部を加え、重合触媒である
BPO3重量部を加えた後、85℃で重合反応を5時間
進行させ、水性アクリル樹脂を合成した。
【0108】前記水性アクリル樹脂(重量平均分子量:
30−80万)48重量部に、架橋剤であるアジリジン
3重量部と顔料8重量部と架橋触媒であるアミノメチル
プロパン0.3重量部とワックス1重量部と水及びエタ
ノールの混合溶媒40重量部を加えた後、架橋反応を進
行させ混合してパターン形成用組成物を製造した。ま
た、この組成物を用い、実施例1の方法と同様にして銅
集電体を完成した。
【0109】比較例1 ポリアミド樹脂(重量平均分子量:10−30万)25
重量部とニトロセルロース40重量部とマレイン酸樹脂
20重量部及び顔料(イエローD−581)10重量部
を混合して、従来のグラビア印刷用組成物を製造した。
また、この組成物を用い、実施例1の方法と同様にして
銅集電体を完成した。
【0110】比較例2 NCO基を有するウレタン樹脂70重量部とアクリルポ
リオール20重量部と顔料(イエローD−581)10
重量部を混合してグラビア印刷用組成物を製造した。ま
た、この組成物を用い、実施例1の方法と同様にして銅
集電体を完成した。
【0111】比較例3 ポリビニルクロライド60重量部とマレイン酸樹脂30
重量部及び顔料(イエローD−581)10重量部を混
合してグラビア印刷用組成物を製造した。この組成物を
用い、実施例1の方法と同様にして銅集電体を完成し
た。
【0112】比較例4 グリシジルメタクリレート60重量部及びエポキシ樹脂
をマレイン酸で変性させた高分子(エポキシ樹脂中の-
OH基及びマレイン酸の-COOH基をエステル反応し
て作った樹脂であって、2重結合を持つ樹脂)30重量
部、及び顔料(イエローD−581)10重量部を混合
してグラビア印刷用組成物を製造した。また、この組成
物を用い、実施例1の方法と同様にして銅集電体を完成
した。
【0113】前記実施例1-2及び比較例1-4に従い銅
集電体を製造するとき、パターン形成用組成物及びグラ
ビア印刷用組成物の特性を下記の方法によって評価し、
評価の結果を1、2、3、4、5で示した。ここで、1
は不良な状態であり、5は良好な状態である。また、1
から5に行くほど、より良好な状態になる。
【0114】(1)銅集電体の原料物質及び組成物のコ
ーティング層間における接着力 印刷面にスクラッチテープを接着させてから瞬間的に剥
がすとき、テープに、パターン形成用組成物よりなるコ
ーティング層が転移されるかどうかを試験するスクラッ
チテープの剥離試験によって評価する。
【0115】(2)耐化学性 25℃でエッチング液であるFeClに3分間沈積さ
せた後、銅集電体上に形成されたパターン形成用組成物
の状態を調べて評価する。
【0116】(3)剥離性 35-40℃で剥離液である4%のNaOH水溶液に約
2分間浸した後の状態を評価してパターン形成用組成物
の剥離容易性の程度を評価する。
【0117】(4)印刷適性 印刷物の形態(円形や角形の状態)を判読し、これを元
のデザインと比較して目視判定する。
【0118】(5)耐水性 40-50℃のイオン交換水に10分〜60分間沈積さ
せて、組成物よりなるコーティング層の剥離の程度を比
較する。
【0119】前記銅集電体の原料物質と組成物との間の
接着力、耐化学性、剥離性、印刷適性及び耐水性の評価
の結果は、下記表1に示されている。
【0120】
【表1】
【0121】前記表1から、実施例1及び2の場合に
は、従来の技術により、グラビア印刷用組成物を用いて
集電体を製造する場合(比較例1-4)と比較して、耐
化学性にはより優れており、集電体の原料物質との接着
力、剥離性、印刷適性及び耐水性はほぼ同じ水準であっ
た。
【0122】また、前記実施例1及び2により集電体を
製造すれば、集電体の表面に感光性フィルムを貼り付
け、それを露光し、現像するという工程を経なくても済
むので、製造工数が格段に減り、作業の速度も速くなっ
た。
【0123】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の2次電池用
集電体の製造装置及び製造方法は、正極板及び負極板に
用いられる正極及び負極の集電体に開口孔を形成させる
とき、開口孔パターンの形成されたローラの間に集電体
を通過させてパターンを転写させ、これをエッチングし
て開口孔を形成させることにより、下記のような効果が
得られる。
【0124】第一に、感光性フィルムなどの物質を集電
体の表面に貼り付けて露光、現像及びエッチングすると
いうような開口孔の形成行程を採らず、開口孔パターン
が形成されたローラを用いてパターン形成用組成物を転
写させる方式を採用することで、高価な感光性フィルム
などの原料物質の消耗がない。また、露光及び現像する
工程が省かれるので、製造工数が減り、生産収率の側面
から有利である。
【0125】第二に、リールタイプの集電体を所望の寸
法に切断するとき、エキスパンデッドメタルを使用すれ
ば、その端部で頻繁に生じていたばりが全く見られず、
正極板と負極板間の短絡を未然に防止できる。
【0126】第三に、集電体の開口孔に関し所望する大
きさを形成可能となり、その結果、後続する電池の製造
工程の一つである可塑剤の抽出工程が円滑になされる。
【0127】第四に、エッチング工程中に、エッチング
液を集電体の下部からノズルを通じて噴射させることに
より、集電体の断面部での浸食現象が防止できる。
【0128】第五に、パターン形成用組成物から形成さ
れた開口孔パターンは集電体の原料物質との接着力、耐
化学性、耐水性、印刷適性に優れているだけでなく、剥
離し易い。
【0129】本発明は図面に示された一実施形態を参考
として説明されたが、これは単なる例示的なものに過ぎ
ず、この技術分野における通常の知識を有した者なら、
これより各種の変形及び均等な他の実施形態が可能であ
ることは言うまでもない。よって、本発明の真の技術的
な保護範囲は請求範囲内の技術的な思想によって定まる
べきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の2次電池用集電体を製造する工程を示し
た手順図である。
【図2】通常の2次電池の一部を拡大して示した拡大斜
視図である。
【図3】本発明の第1実施例による集電体の製造装置の
うち、ローラユニットを示した斜視図である。
【図4】図3のローラユニットを示した側面図である。
【図5】図3の集電体の原料物質に開口孔パターンを形
成する一連の過程を示した模式図である。
【図6】図3及び4の集電体を製造する工程を示した手
順図である。
【図7】図3及び4の集電体の原料物質に開口孔パター
ンが形成される状態を部分的に拡大した側面図である。
【図8】本発明の一実施例による集電体の原料物質に開
口孔を形成する過程を示したものであって、A、B及び
Cからなり、Aは、パターン形成用組成物が塗布された
集電体の原料物質にエッチングする状態を示した断面図
であり、Bは、Aの集電体の原料物質をエッチングした
後の状態を示した断面図であり、Cは、Bの集電体の原
料物質に開口孔が形成された後の状態を示した断面図で
ある。
【図9】本発明の他の実施例による集電体の原料物質に
開口孔を形成させる過程を示したものであって、A及び
Bからなり、Aは、パターン形成用組成物が塗布された
集電体の原料物質にエッチングする状態を示した断面図
であり、Bは、図9Aの集電体の原料物質をエッチング
した後の状態を示した断面図である。
【図10】本発明の第2実施例による集電体の原料物質
に開口孔パターンを形成させる装置を示した斜視図であ
る。
【図11】図10の集電体の原料物質に開口孔パターン
が形成される状態を部分的に拡大した側面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H017 AA03 BB06 BB08 BB14 BB16 BB19 HH01 HH05

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2次電池用集電体を製造するための方法
    であって、 集電体の原料物質を用意する過程と、 前記集電体の前記原料物質を前処理する過程と、 前記集電体に形成される開口孔状のパターン部を有する
    2つのローラの間に前記集電体の前記原料物質を装入し
    て、その表面にパターン形成用組成物を塗布する過程
    と、 前記パターン形成用組成物をキュアリングする過程と、 前記集電体の前記原料物質をエッチングして開口孔を形
    成する過程と、 前記集電体の前記原料物質上に残留する前記パターン形
    成用組成物を除去する過程と、 前記開口孔の形成された前記集電体を完成する過程とを
    含むことを特徴とする2次電池用集電体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記原料物質の表面に前記パターン形成
    用組成物を塗布する過程に於いて、前記集電体の原料物
    質の一方の面には前記パターン形成用組成物が前記開口
    孔の形成されない部分に限り部分的に塗布され、前記集
    電体の原料物質の他方の面には前記パターン形成用組成
    物が全面塗布されることを特徴とする請求項1に記載の
    2次電池用集電体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ローラの前記パターン部に残留する
    前記パターン形成用組成物は、前記集電体の前記原料物
    質に転写されることを特徴とする請求項2に記載の2次
    電池用集電体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記集電体の前記原料物質をエッチング
    して前記開口孔を形成する過程に於いて、前記パターン
    部を有する前記ローラによって前記パターン形成用組成
    物が塗布される前記集電体の前記原料物質の面が下方に
    配置され、エッチング液は前記集電体の前記原料物質の
    下方から上方へと噴射されることを特徴とする請求項1
    に記載の2次電池の集電体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記集電体のエッチングは、巻返し方式
    で行われることを特徴とする請求項4に記載の2次電池
    用集電体の製造方法。
  6. 【請求項6】 2次電池用集電体を製造するための装置
    であって、 メインローラと、 前記メインローラと回転自在に結合され、それらの間に
    装入される集電体の原料物質に開口孔パターンが形成さ
    れるように導くガイドローラと、 前記メインローラの下部に設けられ、前記メインローラ
    にパターン形成用組成物を供給するパターン形成用組成
    物貯蔵部とを含むことを特徴とする2次電池用集電体の
    製造装置。
  7. 【請求項7】 前記メインローラは、前記集電体に形成
    された開口孔に類似する形状を有するパターン部を含む
    ことを特徴とする請求項6に記載の2次電池用集電体の
    製造装置。
  8. 【請求項8】 前記パターン部と接触し、前記パターン
    部に前記パターン形成用組成物を供給し続ける前記イン
    ク供給ローラがさらに設けられることを特徴とする請求
    項6に記載の2次電池用集電体の製造装置。
  9. 【請求項9】 前記開口孔パターンを有する前記集電体
    の前記原料物質の下部側に、前記集電体の前記原料物質
    に向かって下方から上方へとエッチング液を噴射するノ
    ズル部がさらに設けられることを特徴とする請求項6に
    記載の2次電池用集電体の製造装置。
  10. 【請求項10】 前記パターン形成用組成物は、主鎖形
    成用モノマーと耐酸性アクリル系モノマーとの間の共重
    合体である耐酸性ポリマー、主鎖形成用モノマーと耐水
    性アクリル系モノマーとの間の共重合体である耐水性ポ
    リマー、着色剤、架橋剤及び溶媒を含むことを特徴とす
    る請求項6に記載の2次電池用集電体の製造装置。
  11. 【請求項11】 前記耐酸性ポリマー及び耐水性ポリマ
    ーの総含量は1〜90重量部であり、前記着色剤の含量
    は1〜20重量部であり、前記架橋剤の含量は0.5〜
    50重量部であり、前記溶媒の含量は5〜80重量部で
    あることを特徴とする請求項6に記載の2次電池用集電
    体の製造装置。
  12. 【請求項12】 前記主鎖形成用モノマーが芳香族ビニ
    ルモノマー5〜75重量部及びアルキル(メタ)アクリ
    レート20〜55重量部を含み、前記耐酸性アクリル系
    モノマーがアクリル酸(メタ)アクリレートであり、前
    記耐水性アクリル系モノマーがヒドロキシアルキル(メ
    タ)アクリレートであることを特徴とする請求項6に記
    載の2次電池用集電体の製造装置。
  13. 【請求項13】 前記耐酸性ポリマーにおいて、前記主
    鎖形成用モノマーの含量が70〜95重量部であり、前
    記耐酸性アクリル系モノマーの含量が5〜30重量部で
    あり、前記耐水性ポリマーにおいて、前記主鎖形成用モ
    ノマーの含量が70〜99重量部であり、前記耐水性ア
    クリル系モノマーの含量が1〜30重量部であり、前記
    耐酸性ポリマーと前記耐水性ポリマーの総含量は1〜9
    0重量部であることを特徴とする請求項6に記載の2次
    電池の集電体の製造装置。
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