JP2001351597A - アルカリ蓄電池用セパレータおよびその製造方法 - Google Patents

アルカリ蓄電池用セパレータおよびその製造方法

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芳瑜 陳
Minoru Kurokuzuhara
実 黒葛原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】生産性およびサイクル特性等の電気的特性に優
れたアルカリ蓄電池用セパレータとその製造方法を提供
する。 【構成】本発明のアルカリ蓄電池用セパレータは、ポリ
オレフィン系不織布と親水性ポリマーとから成り、親水
性ポリマーが不織布繊維と少なくとも化学結合している
か又は3次元架橋体を形成し、該架橋体内に不織布繊維
が侵入している構造であることを特徴とする。本発明の
アルカリ蓄電池用セパレータの製造方法は、多官能の液
体状親水性モノマー又はモノマーの溶液を含浸した不織
布に電離放射線又は活性光線を照射することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、保液性に優れたア
ルカリ蓄電池用セパレータおよびその製造方法に関する
ものであって、放電特性、サイクル特性に優れたアルカ
リ蓄電池を実現するためのものである。
【0002】
【従来の技術】従来、アルカリ蓄電池のセパレータはポ
リアミド系不織布が一般的であった。しかしポリアミド
の存在は自己放電の原因の一つになっていることから敬
遠されている。さらに近年の小型高容量電池要求の高ま
りに伴い、直接起電反応に関与しないセパレータの薄形
化が検討され、薄形に適したポリオレフィン系不織布が
多く用いられるようになった。しかしながら、単にセパ
レータの厚みを薄くすると、セパレータが持つ空間容積
が減少し、これに伴い電解液の保液量が低下してしま
う。その結果電池の内部抵抗が上昇し、放電特性が低下
する。
【0003】電池の内部抵抗の上昇を抑制するために、
セパレータの目付量を減少させて、電解液を保持するた
めの空間容積を確保する必要がある。しかし、目付量が
低いとセパレータの隔離機能が低下し、電池構成時に、
正、負極が接触して、内部短絡が発生し易くなる。更に
保液性に乏しいポリオレフィン系不織布に押圧が加わる
と、保持されていた電解液が容易にしみ出てしまう。ア
ルカリ蓄電池においては充放電を繰り返すと、正極板と
負極板が膨潤する。極板が膨潤するとセパレータが押圧
されるため、ポリオレフィン系不織布から成るセパレー
タに保持されていた電解液が押し出されてしまう。本現
象を以下セパレータのドライ化という。従来のアルカリ
蓄電に於いてはセパレータのドライ化が原因で内部抵抗
が増大し、そのために短期に寿命になるという問題があ
った。
【0004】そのため、疎水性であるポリオレフィン系
不織布にコロナ放電処理、グラフト重合処理、スルホン
化処理などの表面改質を施すことよって親水性持たせる
方法が提案された。コロナ放電処理やグラフト重合処理
などの親水処理によって濡れ性が改善され、電解液を注
液した時に速やかに液がセパレータ内に浸透するように
なったが、保液性改善効果は小さかった。
【0005】さらにスルホン化処理したセパレータは自
己放電を抑制する効果に優れ、親水性の持続性が良いこ
とから注目されたが、現状では導入できるスルホン基の
量が1〜2%と少ないために電解液の浸透速さが非常に
遅い。また濃硫酸で処理する工程で繊維強度が低下する
ため不織布の強度を保持するためには目付量を大きくす
る必要がある。このため保液のための空間が小さくなる
欠点があった。
【0006】保液性を高める方策として、近年進歩の著
しい高吸水性ポリマーをセパレータに応用することも考
えられる。例えばセルロース系やポリアクリル酸系の不
織布の応用である。しかしこれらの材料は電解液を吸収
してゲル化し乾燥時に比べ強度が低下する。そのために
セパレータが具備すべき正極と負極の隔離機能が十分で
無いという欠点がある。
【0007】特開平11−260339公報には高吸液
性ポリマ−を不織布中に微細分散させたセパレータが提
案されている。本提案では高吸液性ポリマ−をマイクロ
カプセルにして分散させたり、ポリマーの溶液を塗布す
ることにより不織布中に保持させるとしている。しか
し、該保持方法に於いてはポリマ−が不織布に固定され
ていない。電解液を吸収した状態に於いて、ポリマーは
高粘度の液状を呈し流動性を発現する。このように流動
性を有するポリマーを、不織布に固定してない状態で保
持するセパレータに押圧が加わった場合、電解液を含ん
だポリマーは絞り出されてしまう。前記の如く電池内に
於いては、極板の膨潤によってセパレータに押圧が加わ
る。従って該セパレータを用いたアルカリ蓄電池に於い
ては、セパレータのドライ化を防止することができなか
った。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記従来技術
の問題点に鑑みなされたものである。特にサイクル性能
の良いアルカリ蓄電池の実現にとって必要な、電解液に
対する濡れ性と保液性に優れたアルカリ蓄電池用セパレ
ータを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第1は、ポリオ
レフィン系不織布の繊維とエーテルやエステル系、水酸
基含有分子等の親水性の構成単位が2つ以上連なった部
分(以下親水性分子鎖という)を有するポリマー(以下
親水性ポリマーという)とから成るアルカリ電池用セパ
レータであって、前記不織布の繊維と親水性ポリマー
が、少なくとも化学的に結合しているか又は該親水性ポ
リマーが3次元架橋体を形成しており、該架橋体内に不
織布の繊維が侵入した構造とすることによって前記課題
を解決しようとするものである。
【0010】本発明の第2は、液体であって末端に重合
性官能基を有し、前記親水性分子鎖を含むモノマー(以
下親水性モノマーという)又はその溶液を前記不織布に
含浸させ、電離放射線又は活性光線を照射させることに
より、前記本発明第1に記載のアルカリ蓄電池用セパレ
ータを得るための製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の第1は、少なくともポリ
オレフィン系の不織布を構成する繊維と前記親水性ポリ
マーとが化学結合しているか又は親水性ポリマーが3次
元架橋体を形成しており、該架橋体内に不織布の繊維が
侵入していることを特徴とするアルカリ蓄電池用セパレ
ータである。本構成により電解液に対する濡れ性、保液
性および隔離機能に優れたアルカリ蓄電池用セパレータ
が実現できる。本発明の第2は液体状の重合性親水性モ
ノマーを含浸した不織布に電子線等の電離放射線又は紫
外線等の活性光線を照射することによって、前記本発明
の第1に記載のアルカリ蓄電池用セパレータを得る。
【0012】本発明に適用できる前記親水性ポリマーに
含まれる親水性分子は特に限定されるものでは無いが、
耐アルカリ性や耐酸化性等化学的安定性に優れたエーテ
ル、エステル、炭酸エステル、水酸基含有分子等が挙げ
られる。高い保液性を得るためにはポリマー内の親水性
分子は少なくとも2〜3個、望ましくは5〜10個連な
った分子鎖を形成していることが望ましい。
【0013】本発明に於いて、前記親水性ポリマーは少
なくともポリオレフィン系不織布の繊維と化学的に結合
しているか又は3次元の架橋体を成し、該架橋体中に不
織布の繊維が侵入している構造である。親水性ポリマー
が不織布の繊維と化学的に結合している例に於いては、
親水性ポリマーと不織布繊維との結合点が繊維の表面に
偏り無く均一に分布していることが重要である。そのた
めには親水性ポリマーと不織布繊維とを結合させる反応
時に、不織布繊維とポリマーが隙間無く均一にコンタク
トしていることが不可欠である。それには反応物質の一
方が液体である方が良い。具体的には末端に官能基を持
つ液体状の親水性モノマー又はポリマーか又はその溶液
を不織布繊維とコンタクトさせる。容易に良好なコンタ
クトを得るには、反応する液体の粘土が低い方が良い。
【0014】また、親水性ポリマーを不織布繊維に強固
に固定するには、両者の結合点が多い方が良い。該結合
点を多くするには、親水性ポリマー分子が小さい方が良
い。このような観点からして、ポリマーを反応させるよ
りも液体状の親水性モノマーを不織布繊維にコンタクト
させた状態で重合させると同時に不織布繊維に化学的に
結合させることが望ましい。
【0015】電解液を吸収したポリマーの流動性発現を
抑えるためには、親水性ポリマーが3次元架橋体である
ことが望ましい。更に、該架橋体を不織布に固定するに
は前記の如く該3次元架橋体内に不織布繊維が侵入して
いる構造であることが望ましい。そのためには、多官能
であって小さいモノマー分子を不織布に含浸させてお
き、重合する方法がある。具体的には、多官能の親水性
モノマーを不織布に含浸させた後該モノマーを重合す
る。モノマーが不織布内に良好に含浸されるように、モ
ノマーの溶液を含浸することも有効である。親水性ポリ
マーを、基体である不織布にもっと強固に固定するに
は、親水性ポリマーから成る前記3次元架橋体内に不織
布繊維が侵入していると共に、親水性ポリマー分子の末
端が不織布繊維と化学的に結合していることが好まし
い。本発明の第2に記した方法によって、3次元架橋体
形成と化学結合の両方を兼ね備えたアルカリ蓄電池用セ
パレータを得ることができる。
【0016】本発明では末端にアクリレート等の官能基
を有し分子内に前記親水性分子鎖を有する、液体状の親
水性モノマーをポリオレフィン系不織布に含浸した状態
でモノマーを重合させると同時に不織布繊維に結合させ
る。含浸に用いるモノマーは例えばアルコール溶液と
し、該溶液中のモノマー濃度を規定することによって、
出来上がったセパレータの親水性分子鎖を含むポリマー
と不織布の重量比率を制御する。
【0017】本発明に於けるモノマーの重合および不織
布繊維への化学的結合の実現には、電子線(EB)等の
電離放射線や紫外線(UV)の照射を適用する。特にE
B照射は重合開始剤を必要としないこと、反応速度が極
めて速く所用反応時間が1秒以内と短い点等から生産性
に優れた方法である。
【0018】本発明に於いては、基体となるポリオレフ
ィン系不織布の厚さは30〜200μmで目付量は30
〜100g/mとする。その理由は下記の通りであ
る。厚さと目付量とは完全な相関関係には無いが、厚さ
が厚いほど目付量が大きい傾向にある。押さえない状態
で厚くても、目付量の小さいものは押さえられると薄く
なる。厚さが30μm未満または目付量が30g/m
未満の場合には、極群を組み立てた時に正極と負極が接
近しすぎるため短絡の発生が認められる。厚さが200
μmを超えるか又は坪量が100g/m を超えるもの
はセパレータ占有体積が大きくなるので容積効率が低く
なる。押圧を加えればセパレータを薄くすることができ
るが、不織布繊維の充填密度が高くなるため、親水性ポ
リマーおよび電解液保持のための空間容積が不足する結
果となり好ましく無い。
【0019】本発明に於いては、基体となる不織布の繊
維径に関しては特に限定するものではない。ただし、セ
パレータとしては繊維が均一に分布していることが望ま
しい。また、前記親水性ポリマ−を強固に固定するため
には、親水性ポリマーとの化学的結合の場となる繊維表
面の面積を大きくしてポリマーとの結合の機会を大きく
する方が良い。以上二つの目的のためには繊維径の小さ
い不織布が適している。繊維径数μmの分割繊維やメル
トブローン方式による繊維径1μm程度の極細繊維で構
成された不織布が好ましい。不織布の材質としてはポリ
エステル等他の材質も考えられるが、耐アルカリ性、耐
酸化性等化学的安定性に優れる点、さらに現状において
極細繊維が量産されている点に於いてポリオレフィンが
特に好ましい材料である。
【0020】本発明に於いては、親水性ポリマーの添加
量がポリオレフィン系の繊維に対して重量比で0.5重
量%以上50重量%以下とする。その理由は以下の如く
である。0.5重量%未満の場合、電解液への濡れ性が
悪く、且つ保液性が十分でないため、サイクル特性向上
の効果が得られない。また50重量%を超えた場合、電
解液を吸収して膨潤した親水性ポリマーが不織布繊維間
の空隙を塞いでしまい、過充電時に正極から発生する酸
素ガスが負極側に透過し難く、酸素ガス吸収を阻害する
という問題が生じる。
【0021】本発明によれば、親水性ポリマーは不織布
によって固定されている。従って従来提案のように不織
布繊維間の空間に単に吸水性ポリマーを保持させたもの
とは異なり、押圧が加わってもポリマーの移動が抑えら
れ、依然としてセパレータ内に均一に分布する。以上の
ように、本発明はポリオレフィン系の不織布によって親
水性ポリマーを固定することにより、濡れ性、保液性に
優れたアルカリ蓄電池用セパレータを提供するものであ
る。
【0022】以下、本発明の詳細についてニッケル水素
蓄電池を例にとり説明するが、本発明はこれに限定され
るものではない。また親水性ポリマーまたはその元の材
料である親水性モノマーの組成および構造は下記に示す
ものに限定されるものでは無い。また以下の例では10
%のアルコール溶液を用いたが、モノマーの濃度は結合
させようとするポリマーの比率によって調整すればよ
い。
【0023】
【実施例】(実施例1)基体となる不織布には、厚さ1
00μm、目付量が60g/m、繊維径4μmのポリ
プロピレン製分割繊維不織布を用いた。また親水性ポリ
マーの元になるモノマーには(化1)の構造式で示され
るモノマーを用いた。ここで、mとnは少なくとも2な
いし3、望ましくは5〜10のエーテル分子鎖を有し、
両末端にアクリレート基を有する2官能親水性モノマー
を1対9の重量割合でエタノールに溶解させ、この溶液
にポリオレフィン系分割繊維不織布を浸漬させ、不織布
を剥離フィルムで挟み、余分な液を絞り取った後、加速
電圧200kV、照射線量50kGyで、電子線照射を
行った。電子線照射したポリオレフィン系繊維不織布に
含まれるエタノールを蒸発除去させて、繊維に10重量
%の親水性分子鎖含有ポリマーを形成させた。
【0024】
【化1】
【0025】(実施例2)(化2)で示される構造式に
於いてm1,m2,m3が3、n1,n2、n3が1、
k1、k2、k3が3であるエーテル分子鎖を有し末端
にアクリレート基を有する3官能親水性モノマーを1対
9の重量割合でエタノールに溶解させ、実施例1同様本
溶液を含浸したポリオレフィン系分割繊維不織布に電子
線を照射し、繊維に10重量%のエーテル官能基を含む
親水性ポリマーを形成させた。前記ポリマーの組成が異
なる以外は実施例と同様にセパレータを形成した。
【0026】
【化2】
【0027】(実施例3)(化3)で示される構造式に
於いてmが4、nが5の分子内にエステル分子鎖を有
し、両末端にアクリレート基を有する2官能親水性モノ
マーを1対9の重量割合でエタノールに溶解させ、実施
例1と同様に本溶液を含浸したポリオレフィン系分割繊
維不織布に電子線照射し、繊維に10重量%の鎖状カー
ボネート親水基を含む親水性ポリマーを形成させた。
【0028】
【化3】
【0029】(実施例4)実施例1と同様にしてエーテ
ル分子鎖を有する両末端にアクリレート基を有するモノ
マーの溶液に重合開始剤としてアゾビスイソブチロニト
リルを添加したアルコール溶液を含浸したポリオレフィ
ン系分割繊維不織布に紫外線(UV)を照射して、実施
例1と同様に繊維に10重量%の高吸液性ポリマーを形
成させた。
【0030】(比較例1)コロナ放電処理したポリオレ
フィン系分割繊維不織布を比較例1とした。 (比較例2)スルホン化処理したポリオレフィン系分割
繊維不織布を比較例2とした。
【0031】 上記実施例1〜4と比較例1、2のポリ
オレフィン系繊維不織布からなるセパレータの特性を評
価した。
【0032】(セパレータ評価) 1、電解液吸収速度の測定 5×5cm大きさの試料のセパレータを1枚採取した。
図2に示すように、試料1を上部有孔金具4とくぼみ3
を有する下部金具2の間に固定した。メスピペット5内
に貯えた濃度が30%の水酸化カリウム水溶液6を一滴
(約0.04ml)、高さ2〜3cmの位置から試料1
上に自然落下させた。試料が水酸化カリウム水溶液を完
全吸収するまでの所要時間を測定した。
【0033】2、保液率 5×5cm大きさの試料のセパレータを1枚採取し、該
試料の重量(W)を計り、30%水酸化カリウム溶液に1
時間浸漬したのち液中から引き上げ、鋭角部をしたにし
て10分間放置後の重量(W1)を計り、保持率は[(W1
−W)/W]×100%で求めた。
【0034】3、遠心保液率 一旦電解液を吸収したセパレータに遠心力をかけて液を
振り切った後の保液率を液保持力の尺度とした。5×5
cm大きさの試料のセパレータを1枚採取し、該試料の
重量(W)を計り、30%水酸化カリウム溶液に1時間浸
漬したのち液中から引き上げ、遠心分離機の容器に入
れ、1000prad遠心分離速度で10分間かけた後
の重量(W2)を計り、遠心保液率は[(W2−W)/W]×
100%で求めた。
【0035】4、通気度 セパレータをフラジール型通気度試験機にて通気度を測
定した。前記セパレータの物性測定結果を表1に示す
【0036】
【表1】
【0037】表1に示した如く、実施例1〜4の本発明
に係るセパレータは比較例と比べて電解液の吸収が速
く、生産性に優れた性質を有する。また、保液性を示す
尺度とした遠心法による保液率に於いて高い値を有して
いる。前記ガス吸収能に影響する酸素ガス透過性を示す
尺度とした通気性において親水性ポリマーを付与しない
比較例と同等の値を有している。
【0038】(電池の特性評価)前記実施例1〜4と比
較例1、2のセパレータを用いて、水酸化ニッケル正極
と水素吸蔵合金負極とを組み合わせ、1500mAhの
AAサイズ円筒型ニッケル水素蓄電池を作製した。図1
に電池1の説明図を示す。帯状の正極3、負極4および
セパレータ5が積層された極群が電槽2内に収納されて
いる。上部開口部2aには絶縁性ガスケットを介して正
極端子兼蓋8が配置され密閉されている。正極集電端子
9と正極端子8は封口板7を経由して電気的に接続され
ている。電解液には比重が1.28の水酸化カリウム水
溶液を用いた。
【0039】 前記実施例1〜4記載のセパレータを適
用した電池をそれぞれ電池A、電池B、電池C、電池D
とする。比較例1と2記載のセパレータを適用した電池
をそれぞれ電池E、電池Fとする。該電池を初期化成
後、温度20℃に於いて、1500mAの定電流による
充放電サイクル試験を実施した。
【0040】 結果を図2に示す。図2に示すように、
本発明に係る実施例電池A〜Dの間には特性に殆ど差が
無く、特性を示す曲線は一本に重なった。実施例電池の
特性を比較例電池E、Fの特性と比べると、充放電サイ
クルの経過に伴う容量低下が小さい。本発明電池に於い
ては、前記の如くセパレータのドライ化が抑制されたた
めサイクル性能が向上したと考えられる。
【0041】
【発明の効果】上述のように、本発明の請求項1によれ
ば、セパレータの電解液に対する濡れ性及び保液性が向
上する。これにより電解液の吸収が速くなり生産性が向
上するとともに、セパレータのドライ化に起因するアル
カリ蓄電池の早期寿命を防止できるようになった。本発
明の請求項2によれば、均質で保液性に優れたアルカリ
蓄電池用セパレータを高能率で製造することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る円筒形アルカリ蓄電池の説明図で
ある
【図2】電解液吸収速度測定用治具の説明図である。
【図3】本発明に係る実施例電池A〜Dと比較例電池
E、Fのサイクル数と放電容量の関係を示す図である。
【符号の説明】
5 セパレータ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィン系繊維から成る不織布と親
    水性分子鎖を有するポリマーとから成るアルカリ蓄電池
    用セパレータであって、前記親水性分子鎖を有するポリ
    マーが少なくとも不織布の繊維と化学的に結合している
    か又は3次元架橋体を形成しており、該架橋体内に前記
    不織布の繊維が侵入していることを特徴とするアルカリ
    蓄電池用セパレータ。
  2. 【請求項2】親水性分子鎖を有する重合性液体状モノマ
    ー又は該モノマーを含む溶液を前記不織布に含浸させ、
    電離放射線又は活性光線を照射してモノマーを重合する
    と同時に不織布繊維に結合させるか又は前記3次元架橋
    体を形成することを特徴とする請求項1記載のアルカリ
    蓄電池用セパレータの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN1328801C (zh) * 2004-02-25 2007-07-25 张华康 胶体铅酸蓄电池隔板及其制备方法
KR101277612B1 (ko) 2011-09-22 2013-06-21 가부시키가이샤 히타치세이사쿠쇼 전기 화학 소자용 세퍼레이터, 그 제조 방법 및 전기 화학 소자
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