JP2001350281A - 電子写真感光体用塗工液 - Google Patents

電子写真感光体用塗工液

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JP2001350281A
JP2001350281A JP2000167509A JP2000167509A JP2001350281A JP 2001350281 A JP2001350281 A JP 2001350281A JP 2000167509 A JP2000167509 A JP 2000167509A JP 2000167509 A JP2000167509 A JP 2000167509A JP 2001350281 A JP2001350281 A JP 2001350281A
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coating liquid
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Michio Kimura
美知夫 木村
Kazukiyo Nagai
一清 永井
Junichiro Hashimoto
準一郎 橋本
Chiaki Tanaka
千秋 田中
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電荷輸送物質を含有する塗工液をステンレス
鋼を用いた塗工装置で長時間塗工して電子写真感光体を
形成しても経時品質の安定した塗工液であること。 【解決手段】 ステンレス鋼を用いた塗工装置で使用さ
れる電子写真感光体用塗工液であって、該塗工液が電荷
輸送物質を含有し、かつ、該塗工液の固形分に対して
0.2〜5重量%の吸着剤を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真感光体形成
用の塗工液に関し、さらに詳しくは電荷輸送物質を含有
する塗工液であって、経時品質の安定した電子写真感光
体形成用塗工液に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、有機光導電性材料を用いた電子写
真感光体は、その生産性、経済性、無公害性などの利点
から著しく進展し、複写機、プリンタ、ファクシミリな
どに広く使用されるようになった。
【0003】有機系の電子写真感光体は、ポリビニルカ
ルバゾール(PVK)に代表される光導電性樹脂、PV
K−TNF(2,4,7−トリニトロフルオレノン)に
代表される電荷移動錯体型、フタロシアニン−結着剤に
代表される顔料分散型、電荷発生物質と電荷輸送物質と
を組み合わせて用いる機能分離型の感光体が知られてお
り、特に機能分離型感光体は上述の利点を得やすく、ま
た特性的にも好ましいものが得られることから一般に利
用されている。
【0004】この機能分離型感光体には、導電性支持体
上に、電荷発生物質を含む電荷発生層と電荷輸送層を含
む電荷輸送層を積層した積層構成の感光層からなる感光
体と電荷発生物質と電荷輸送物質を一つの層に含む単層
の感光層によって構成された感光体とがあるが、いずれ
も浸漬塗工、スプレー塗工などの塗工方式によって形成
されるのが通常である。
【0005】上記塗工方式で用いられる塗工液は電荷発
生物質または電荷輸送物質と結着樹脂などを塗料化溶剤
中に溶解または分散することによって作製される。この
塗工液は塗工液自体の安定性が特に要求される。すなわ
ち塗工液が劣化などにより不安定であれば製品となる感
光体の品質に直接影響するからである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】感光層の塗工が上述の
浸漬塗工によって行われる場合、塗工装置は、例えば特
開平2−14770号公報記載のごとく、塗工槽、タン
ク、ポンプ等を配管で接続し、被塗布体を浸漬塗工する
時以外は塗工液が循環するように構成され、塗工槽、タ
ンク等は耐溶剤性、安全性の点からステンレス鋼が用い
られる。しかしながら、ステンレス鋼といえども特にハ
ロゲン系塗工溶媒を用いる電荷輸送物質を含む塗工液を
長時間塗工すると、ハロゲン系塗工溶媒中の遊離塩素イ
オン(Cl )によりステンレス鋼の不動態膜が局所的
に活性化され、孔食、隙間腐食が進行して塗工液中にイ
オン性不純物が溶出するため、塗工液の劣化が起こり、
塗工液の経時安定性を損ねてしまう。
【0007】本発明は、このような問題を解決するべく
なされたもので、電荷輸送物質を含む電子写真感光体用
塗工液をステンレス鋼を用いた塗工装置で長時間塗工を
行っても経時品質の安定した塗工液であること、また該
塗工液を繰り返し使用しても帯電安定性の優れた電子写
真感光体が得られること、さらに、該塗工液を繰り返し
使用しても画像欠陥の少ない電子写真感光体が得られる
ことをその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
について検討したところ、電荷輸送物質、結着樹脂、酸
化防止剤を含有する塗工液を長時間使用し続けた場合、
塗工液中にイオン性の不純物が増加すること、また、そ
の塗工液に純水を添加混合してイオン性不純物を抽出
し、その分別水の電導度を測定すると、特性の劣化した
塗工液の場合は新液と比べて明らかに電導度が高くなっ
ていることが認められた。電導度は5μS/cm以下で
あることが塗工液の経時品質の点から好ましいこと、さ
らにイオンクロマト分析により塩素イオン等の量が増加
していることが分かり、塗工液中に塩素イオン等を吸着
する物質を添加することを着想し、本発明に至った。す
なわち、本発明によれば、第一に、ステンレス鋼を用い
た塗工装置で使用される電子写真感光体用塗工液であっ
て、該塗工液が電荷輸送物質を含有し、かつ、該塗工液
の固形分に対して0.2〜5重量%の吸着剤を含有する
ことを特徴とする電子写真感光体用塗工液が提供され
る。
【0009】第二に、上記第一に記載した電子写真感光
体用塗工液において、上記吸着剤がシリカゲル、アルミ
ナ、合成ゼオライト、ケイ酸マグネシウム及び活性白土
からなる群から選択された少なくとも1種であることを
特徴とする電子写真感光体用塗工液が提供される。
【0010】第三に、上記第一または第二に記載した電
子写真感光体用塗工液において、上記吸着剤の粒径が5
μm以下であることを特徴とする電子写真感光体用塗工
液が提供される。
【0011】第四に、上記第一または第三に記載した電
子写真感光体用塗工液において、上記吸着剤が活性白土
であることを特徴とする電子写真感光体用塗工液が提供
される。
【0012】第五に、上記第一または第三に記載した電
子写真感光体用塗工液において、上記吸着剤がケイ酸マ
グネシウムであることを特徴とする電子写真感光体用塗
工液が提供される。
【0013】第六に、導電性支持体上に下引き層、電荷
発生層及び電荷輸送層がこの順序で積層された電子写真
感光体において、上記電荷輸送層が上記第一〜第五のい
ずれかに記載した電子写真感光体用塗工液により形成さ
れていることを特徴とする電子写真感光体が提供され
る。
【0014】第七に、導電性支持体上に下引き層及び感
光層がこの順序で積層された電子写真感光体において、
上記感光層が上記第一〜第五のいずれかに記載した電子
写真感光体用塗工液により形成されていることを特徴と
する電子写真感光体が提供される。
【0015】第八に、少なくとも電子写真感光体、帯電
手段、画像露光手段、現像手段、転写手段、クリーニン
グ手段及び除電手段を具備してなる画像形成装置におい
て、上記電子写真感光体が上記第六または第七に記載し
た電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置
が提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。本発明の電子写真感光体用塗工液とは、少なくと
も電荷輸送物質を含有する塗工液であり、積層型感光体
の場合は電荷輸送層塗工液である。しかしがら、感光体
構成がより複雑で、例えば導電性支持体側から下引き
層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層のように4層構成
になっている場合において電荷輸送層ばかりでなく、保
護層にも電荷輸送物質が含有される場合もある。本発明
はそのような電荷輸送層以外の塗工液についても適用で
きる。
【0017】本発明の電子写真感光体用塗工液は、浸漬
塗工、スプレー塗工、リング塗工、カーテン塗工等の塗
工方法で塗工できるが、上述のように本発明の電子写真
感光体用塗工液は特に塗工槽、タンク等にステンレス鋼
を用いた塗工装置に適用される。すなわち、本発明の電
子写真感光体用塗工液によれば、そのような塗工装置で
長時間使用されても塗工液中にイオン性不純物の溶出が
少なく、塗工液の劣化を防止することができる。特開平
7−56385号公報に電荷輸送材料を有機溶媒に溶解
させて活性白土と接触させた後、処理液をろ過し、さら
にメタノールを加え、電荷輸送材料を結晶析出させて高
純度化し、電子写真感光体の高感度化を図る技術が記載
されているが、本発明の電子写真感光体用塗工液は、こ
れとは異なる。すなわち、ろ過、結晶析出により電荷輸
送材料中に活性白土はほとんど残留していないからであ
る。
【0018】本発明の電子写真感光体用塗工液は、電荷
輸送物質、結着樹脂及び吸着剤を主成分とし、これらを
適当な溶剤に溶解ないし分散して調製される、溶剤とし
てはテトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジク
ロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シ
クロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが
用いられる。また必要により可塑剤、レベリング剤、酸
化防止剤等を添加することもできる。
【0019】吸着剤としては、極性物質を吸着するもの
であればいずれの吸着剤でも使用できる。例えば合成ゼ
オライト、シリカゲル、活性アルミナ、活性白土、イオ
ン交換樹脂、合成吸着剤、ケイ酸マグネシウム、活性
炭、シリカ・マグネシア、シリカ・アルミナ、アミノケ
イ酸金属塩等及びこれらの混合物が使用できる。これら
の中でも活性白土、ケイ酸マグネシアが特に好ましい。
【0020】シリカゲルは従来公知のシリカゲルを使用
できるが、できるだけ高純度のものが望まれる。カラム
クロマト用として市販されているものが好ましく使用で
きる。例えば、シリカゲル60(メルク社製)やコーゲ
ル(和光純薬工業社製)、ミズカソープ(水澤化学社
製)等が使用できる。
【0021】アルミナも従来公知の活性アルミナを使用
できるが、できるだけ高純度のものが望まれる。シリカ
ゲルと同様にクロマト用として市販されているものが好
ましく使用できる。
【0022】活性白土としては一般に製造されているも
のが使用できる、例えば日本活性白土社や水澤化学工業
社等で製造販売されているものを使用できる。これらは
水分量、粉末度、遊離酸の程度、見かけ比重等により種
々の品種があるが、いずれの品種も使用することができ
る。一般に粉状の活性白土としては水分が12%以下ま
たは5%以下で遊離酸が2.5mgKOH/g以下で、
見かけ比重が0.40〜0.80のものが好適に使用さ
れる。また活性白土の原料としても使用されるモンモリ
ロナイトやハロイサイト等の粘度鉱物酸性白土を使用す
ることもできる。
【0023】ケイ酸マグネシウムとしてはフロリジル
(Floridin社製)、トミターAD600(富田
製薬社製)等として市販されているものを使用すること
ができる。
【0024】合成ゼオライトは商品名モレキュラーシブ
ス等の名称でよく知られており、孔径により3A、4
A、5A、10A等のグレードがある。本発明ではいず
れのグレードも使用可能である。なお、特開平4−30
4463号公報に電荷発生層用塗工液をモレキュラーシ
ーブで処理し、水分顔料を0.2%以下にすることによ
り塗膜欠陥の発生を防止することが記載されているが、
本発明とは発明の目的も構成も異なる。
【0025】吸着剤の粒径は10μm以下が好ましい。
10μm以上では該塗工液を用いて作製した電子写真感
光体の表面がザラツキ画像形成時、地汚れ等の画像欠陥
が発生してしまう。吸着剤の粒径を10μm以下にする
ための手段としては、ボールミル、アトライター、サン
ドミル、ビーズミル、振動ミル、円盤振動ミル、ペイン
トシェーカー、ジェットミル等の公知の分散法が挙げら
れる。使用するメディアの材質としてはジルコニア、ガ
ラス、アルミナ、メノウなどが挙げられるが、メディア
の材質についてはいずれのものも使用することが可能で
ある。また、作製された分散液に超音波処理を施しても
よい。
【0026】次に図面にそって本発明の電子写真感光体
用塗工液によって形成される電子写真感光体について説
明する。図1は電子写真感光体を表す断面図であり、導
電性支持体31上に電荷発生材料と電荷輸送材料を主成
分とする単層感光層33が設けられている。図2は導電
性支持体31上に電荷発生材料を主成分とする電荷発生
層35と電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層37と
が積層された構成をとっている。図3は導電性支持体3
1上に下引き層39、電荷発生層35、電荷輸送層3
7、保護層38とが積層された構成をとっている。
【0027】導電性支持体としては、体積抵抗1010
Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウ
ム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金等
の金属、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物を、
蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは
円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはア
ルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス
などの板及びそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で
素管化後、切削、超仕上げ、研磨などの表面処理をした
管などを使用することができる。また、特開昭52−3
6016号公報に開示されたエンドレス・ニッケルベル
ト、エンドレス・ステンレスベルトも導電性支持体31
として用いることができる。
【0028】この他、上記支持体上に導電性粉体を適当
な結着樹脂に分散して塗工したものも本発明における導
電性支持体31として用いることができる。この導電性
粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラッ
ク、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、
亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、IT
Oなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時
に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−
アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重
合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステ
ル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレ
ート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セ
ルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ボリビニルブチ
ラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、
ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコ
ーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹
脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。こ
のような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を
適当な溶剤、例えばテトラヒドロフラン、ジクロロメタ
ン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布
することにより設けることができる。
【0029】さらに適当な円筒基体上にポリ塩化ビニ
ル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン
(登録商標)等の素材に前記導電性粉体を含有させた熱
収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、導
電性支持体31として良好に用いることができる。
【0030】導電性支持体と感光層との間に設けられる
下引き層39は、接着性を向上する、モアレを防止す
る、上層の塗工性を改良する、残留電位を低減するなど
の目的で設けられる。下引き層39は一般に樹脂を主成
分とするが、これらの樹脂はその上の感光層が溶剤を用
いて塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して
耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような
樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリ
アクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロ
ン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹
脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ア
ルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目
構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、モア
レ防止を目的として酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸
化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示で
きる金属酸化物、あるいは金属硫化物、金属窒化物など
の微粉末を加えてもよい。これらの下引き層は適当な溶
媒、塗工法を用いて形成することができる。さらに本発
明における下引き層としてシランカップリング剤、チタ
ンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用し
て、例えばゾル−ゲル法等により形成した金属酸化物層
も有用である。この他に、本発明の下引き層には、Al
23を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン
(パリレン)等の有機物やSnO2、TiO2、ITO、
CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも
良好に使用できる。下引き層の膜厚は0.1〜5μmが
適当である。
【0031】次に、本発明における感光層は、単層型で
も積層型でもよいが、ここでは積層型について述べる。
はじめに、電荷発生層35について説明する。電荷発生
層35は、電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応
じてバインダー樹脂を用いることができる。
【0032】電荷発生物質としては、無機系材料と有機
系材料を用いることができる。無機系材料には、結晶セ
レン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン
−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物等が挙げられ
る。一方、有機系材料としては、例えば、金属フタロシ
アニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系
顔料、アズレニウム塩顔料、スクアリック酸メチン顔
料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニル
アミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を
有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ
顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジア
ゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有
するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有す
るアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ
顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キ
ノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及
びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフト
キノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジ
ゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙
げられる。これらの電荷発生物質は単独でまたは2種以
上の混合物として用いることができる。
【0033】電荷発生層35に必要に応じて用いられる
バインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、
エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコ
ーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリ
ビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、
ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドな
どが用いられる。これらのバインダー樹脂は、単独でま
たは2種以上の混合物として用いることができる。ま
た、必要に応じて電荷輸送物質を添加してもよい。ま
た、電荷発生層のバインダー樹脂として上述のバインダ
ー樹脂の他に、高分子電荷輸送物質が良好に用いられ
る。
【0034】電荷発生層35を形成するには、真空蒸着
法、グロー放電重合法、イオンプレーティング法、スパ
ッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が
用いられ、上述した無機系材料、有機系材料により良好
に形成できる。また、後述のキャスティング法によって
電荷発生層35を設けるには、上述した無機系もしくは
有機系電荷発生物質を、必要ならばバインダー樹脂と共
にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサ
ン、ジクロロメタン、ブタノン等の溶媒を用いてボール
ミル、アトライター、サンドミル等により分散し、分散
液を適度に希釈して塗布することにより形成することが
できる。塗布は浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコ
ート法などを用いて行うことができる。以上のようにし
て設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程
度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
【0035】次に電荷輸送層37は、帯電電荷を保持さ
せ、かつ、露光により電荷発生層35で発生分離した電
荷を移動させて保持していた帯電電荷と結合させること
を目的とする層である。本発明における電荷輸送層37
は本発明において主要な役割を果たす吸着剤を含有す
る。電荷輸送層は上記帯電電荷を保持させる目的を達成
するために電気抵抗が高いことが要求され、さらにま
た、保持していた帯電電荷で高い表面電位を得る目的を
達成するためには誘電率が小さく、かつ、電荷移動性が
良いことが要求される。
【0036】これらの要求を満足させるための電荷輸送
層37は、電荷輸送物質、結着樹脂及び吸着剤を主成分
として構成され、これらを適当な溶剤に溶解ないし分散
し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形
成される。溶剤としてはテトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、
ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケト
ン、アセトンなどが用いられる。また必要により可塑
剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもでき
る。
【0037】電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸
送物質とがある。電子輸送物質としては、例えばクロル
アニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラ
シアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フ
ルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フル
オレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、
2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−
トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン
−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェ
ン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電
子受容性物質が挙げられる。正孔輸送物質としては、以
下に示す電子供与性物質が挙げられる。例えばオキサゾ
ール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘
導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチル
アミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス(4−ベ
ンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセ
ン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン、α−フ
ェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾ
ール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベ
ンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフ
ェン誘導体などが挙げられる。これらの正孔輸送物質は
単独でまたは2種以上の混合物として用いることができ
る。
【0038】また、高分子電荷輸送物質は以下のような
構造を有する。 (a)カルバゾール環を有する重合体 例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、特開昭50−
82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開
昭54−11737号公報、特開平4−175337号
公報、特開平4−183719号公報、特開平6−23
4841号公報に記載の化合物等が例示される。 (b)ヒドラゾン構造を有する重合体 例えば、特開昭57−78402号公報、特開昭61−
20953号公報、特開昭61−296358号公報、
特開平1−134456号公報、特開平1−17916
4号公報、特開平3−180851号公報、特開平3−
180852号公報、特開平3−50555号公報、特
開平5−310904号公報、特開平6−234840
号公報に記載の化合物等が例示される。 (c)ポリシリレン重合体 例えば、特開昭63−285552号公報、特開平1−
88461号公報、特開平4−264130号公報、特
開平4−264131号公報、特開平4−264132
号公報、特開平4−264133号公報、特開平4−2
89867号公報に記載の化合物等が例示される。 (d)トリアリールアミン構造を有する重合体 例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−ア
ミノポリスチレン、特開平1−134457号公報、特
開平2−282264号公報、特開平2−304456
号公報、特開平4−133065号公報、特開平4−1
33066号公報、特開平5−40350号公報、特開
平5−202135号公報に記載の化合物等が例示され
る。 (e)その他の重合体 例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特
開昭51−73888号公報、特開昭56−15074
9号公報、特開平6−234836号公報、特開平6−
234837号公報に記載の化合物等が例示される。
【0039】本発明に使用される電子供与性基を有する
重合体は、上記重合体だけでなく、公知単量体の共重合
体や、ブロック重合体、グラフト重合体、スターポリマ
ーや、また、例えば特開平3−109406号公報に開
示されているような電子供与性基を有する架橋共重合体
等を用いることも可能である。
【0040】また、本発明に用いられる高分子電荷輸送
物質として、さらに有用なトリアゾールアミン構造を有
するポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステル、
ポリエーテルとしては以下に記載の化合物が例示され
る。例えば、特開昭64−1728号公報、特開昭64
−13061号公報、特開昭64−19049号公報、
特開平4−11627号公報、特開平4−225014
号公報、特開平4−230767号公報、特開平4−3
20420号公報、特開平5−232727号公報、特
開平7−56374号公報、特開平9−127713号
公報、特開平9−222740号公報、特開平9−26
5197号公報、特開平9−211877号公報、特開
平9−304956号公報等がある。
【0041】また、電荷輸送層に併用できるバインダー
樹脂としては、ポリカーボネート(ビスフェノールAタ
イプ、ビスフェノールZタイプ)、ポリエステル、メタ
クリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、塩化ビニ
ル、酢酸ビニル、ポリスチレン、フェノール樹脂、エポ
キシ樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、アルキ
ッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルカルバゾール、
ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリア
クリレート、ポリアクリルアミド、フェノキシ樹脂など
が用いられる。これらのバインダー樹脂は単独でまたは
2種以上の混合物として用いることができる。電荷輸送
層の膜厚は5〜100μm程度が適当である。
【0042】電荷輸送層には上述のように酸化防止剤が
必要に応じて用いられるが、該酸化防止剤としては、例
えば以下のものが使用される。 モノフェノール系化合物:2,6−ジ−t−ブチル−p
−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6
−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル
−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート、3−t−ブチル−4−ヒドロキ
シアニソールなど。 ビスフェノール系化合物:2,2′−メチレン−ビス−
(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′
−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、4,4′−チオビス−(3−メチル−6−t
−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス−
(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)など。 高分子フェノール化合物:1,1,3−トリス−(2−
メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブ
タン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3′,5′
−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート]メタン、ビス[3,3′−ビス(4′−ヒド
ロキシ−3′−t−ブチルフェニル)ブチリックアシ
ド]グリコールエステル、トコフェノール類など。 パラフェニレンジアミン類:N−フェニル−N′−イソ
プロピル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−s
ec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル
−N− sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、
N,N′−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミ
ン、 N,N′−ジメチル− N,N′−ジ−t−ブチル
− p−フェニレンジアミンなど。 ハイドロキノン類:2,5−ジ−t−オクチルハイドロ
キノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデ
シル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−
5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニ
ル)−5−メチルハイドロキノンなど。 有機硫黄化合物類:ジラクリル−3,3′−チオプロピ
オネート、ジステアリル−3,3′−チオジプロピオネ
ート、ジテトラデシル−3,3′−チオジプロピオネー
トなど。 有機リン化合物類:トリフェニルホスフィン、トリ(ノ
ニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、
トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
【0043】可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジ
オクチルフタレートなどの一般的な樹脂の可塑剤として
使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は
結着樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適
当である。
【0044】電荷輸送層中にレベリング剤を添加しても
構わない。レベリング剤としては、ジメチルシリコーン
オイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコー
ンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有する
ポリマーアルイハオリゴマーが使用され、その使用量は
バインダー樹脂100重量部に対して0〜1重量部が適
当である。
【0045】保護層38は、結着樹脂中に金属または金
属酸化物の微粒子を分散した層である。結着樹脂として
は可視光、赤外光に対して透明で電気絶縁性、機械的強
度、接着性に優れたものが望ましい。保護層の結着樹脂
としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニル
モノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、
フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリア
ミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、
ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカー
ボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、
ポリメチルペンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレン
オキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブ
タジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が
挙げられる。金属酸化物としては、酸化チタン、酸化ス
ズ、チタン酸カリウム、TiO,TiN、酸化亜鉛、酸
化インジウム、酸化アンチモン等が挙げられる。保護層
にはその他、耐摩耗性を向上する目的でポリテトラフル
オロエチレンのようなフッ素樹脂、シリコーン樹脂及び
これらの樹脂に無機材料を分散したもの等を添加するこ
とができる。保護層の形成法としては通常の塗布法が採
用される。なお、保護層の厚さは0.1〜10μm程度
が適当である。
【0046】次に感光層が単層構成の場合について述べ
る。キャスティング法で単層感光層を設ける場合、多く
は電荷発生物質と低分子並びに高分子電荷輸送物質を適
当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥するこ
とにより形成できる。電荷発生物質並びに電荷輸送物質
には、前出の材料を用いることができる。
【0047】図4は、本発明の電子写真感光体用塗工液
を用いて形成した電子写真感光体を具備する画像形成装
置の模式的断面図である。図中11は本発明の電子写真
感光体用塗工液を用いて形成した電子写真感光体であ
る。まず、帯電装置12により、感光体11は帯電す
る。感光体11が帯電した後、イメージ露光13を受
け、露光された部分で電荷が発生し、感光体表面に静電
潜像が形成される。感光体表面に形成されたトナー像
は、転写ローラ16により紙などの転写部材15へ転写
され、定着ユニット19を通過してハードコピーとな
る。電子写真感光体11上の残留トナーはクリーニング
ユニット17により除去され、残留電荷は除電ランプ1
8で除かれて、次の電子写真サイクルに移る。本発明の
画像形成装置は、帯電部、現像部、クリーニング等のユ
ニットが一体構成となっているプロセスカートリッジを
構成してもよい。プロセスカートリッジにすることによ
り取り付け、取り外しなどが簡便となる。
【0048】
【実施例】次に、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。ただし、本発明は以下の実施例によって限定
されるものではない。なお、実施例中、部はすべて重量
部を表わす。
【0049】実施例1 下記組成の混合物をボールミルポットにとり、φ10m
mのアルミナボールを使用して72時間ボールミリング
し、下引き層用塗工液を作製した。これをφ30mmの
アルミドラム状支持体上に浸漬塗布し、135℃で25
分間乾燥して、膜厚2.5μmの下引き層を形成した。 酸化チタン(石原産業社製CR−60) 40.5部 メラミン樹脂 15部 (大日本インキ化学工業社製ベッコライトM6401−50) メチルエチルケトン(関東化学社製) 31.7部 次に、下記構成の混合物をボールミルポットに取り、φ
10mmのSUSボールを使用し、48時間ボールミリ
ングした後、さらにシクロヘキサノン51.3部とメチ
ルエチルケトン131.3部を加え、電荷発生層塗工液
を調製した。この塗工液を浸漬塗工により下引き層上に
塗工後、130℃で20分間乾燥し、厚さ0.12μm
の電荷発生層を形成した。 下記構造式(I)の電荷発生物質 2部
【化1】 ポリビニルブチラール樹脂(積水化学社製エスレックBLS) 1部 シクロヘキサノン(関東化学社製) 80部 次いで、下記構成の混合物をボールミルポットに取り、
φ10mmのジルコニアボールを使用し、12時間ボー
ルミリングした。 アルミナ(水澤化学社製アルミナMGA) 0.18部 ポリカーボネート(帝人化成社製C−1400) 2.5部 ジクロロメタン(関東化学社製) 44部 上記ミリングの後、ミリング液を取り出し、下記材料を
加え、混合攪拌し電荷輸送物質を溶解させて電荷輸送層
塗工液を調製した。この塗工液を上記電荷発生層上に浸
漬塗工後、110℃で20分間乾燥し、厚さ25μmの
電荷輸送層を形成した。 ポリカーボネート樹脂(帝人化成社製C−1400) 7.5部 ジクロロメタン(関東化学社製) 44部 下記構造式(II)の電荷輸送物質(リコー製) 8部
【化2】 3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール (東京化成社製)0.04部 シリコーンオイル(信越化学社製KF−50) 0.0002部 上記浸漬塗工は、特開平2−14770号公報等に記載
されている塗工装置と同形で、ステンレス製塗工槽、タ
ンク、ポンプ等を配管で接続し、浸漬塗工時以外は塗工
液を循環するよう構成された小型の実験用塗工装置を用
いて約3ヶ月間塗工液を循環した。塗工後の液循環開始
時点、約3ヶ月間液循環後のサンプルをそれぞれ1A,
1Bとする。なお、3ヶ月間で溶媒の蒸発による塗工液
の固化が起きないように適宜溶媒のジクロロメタンを追
加して塗工液の液循環を行った。
【0050】実施例2 実施例1において、吸着剤のアルミナ(水澤化学社製ア
ルミナMGA)をシリカゲル60(メルク社製)に変え
た以外は実施例1と全く同様にして電荷輸送層塗工液の
調製、電荷輸送層の塗工、塗工液の液循環を行い、電子
写真感光体を作製した。塗工液の液循環開始時点、約3
ヶ月間液循環後のサンプルをそれぞれ2A、2Bとす
る。
【0051】実施例3 実施例1において、吸着剤のアルミナ(水澤化学社製ア
ルミナMGA)をシリカ−アルミナ(水澤化学社製NG
ND)0.36部に変えた以外は実施例1と全く同様に
して電荷輸送層塗工液の調製、電荷輸送層の塗工、塗工
液の液循環を行い、電子写真感光体を作製した。塗工液
の液循環開始時点、約3ヶ月間液循環後のサンプルをそ
れぞれ3A、3Bとする。
【0052】実施例4 実施例1において、吸着剤のアルミナ(水澤化学社製ア
ルミナMGA)を活性白土(和光純薬社製)に変えた以
外は実施例1と全く同様にして電荷輸送層塗工液の調
製、電荷輸送層の塗工、塗工液の液循環を行い、電子写
真感光体を作製した。塗工液の液循環開始時点、約3ヶ
月間液循環後のサンプルをそれぞれ4A、4Bとする。
【0053】実施例5 実施例1の電荷輸送層塗工液の調製において、 ケイ酸マグネシウム(Floridin社製フロリジル)0.77部 ポリカーボネート樹脂(帝人化成社製C−1400) 2.5部 ジクロロメタン(関東化学社製) 44部 からなる混合物をボールミルポットに取り、φ10mm
のジルコニアボールを使用し、18時間ボールミリング
した後、ミリング液を取り出し、 ポリカーボネート樹脂(帝人化成社製C−1400) 7.5部 ジクロロメタン(関東化学社製) 44部 下記構造式(II)の電荷輸送物質(リコー製) 7部
【化3】 3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール (東京化成社製)0.04部 シリコーンオイル(信越化学社製KF−50) 0.0002部 を加え、混合攪拌し電荷輸送物質を溶解させて、電荷輸
送層塗工液を調製した以外は実施例1と全く同様にして
電子写真感光体を作製した。塗工液の液循環開始時点、
約3ヶ月間液循環後のサンプルをそれぞれ5A、5Bと
する。
【0054】実施例6 実施例5において、吸着剤のケイ酸マグネシウム( F
loridin社製フロリジル)をトミターAD600
(富田製薬)0.68部に変えた以外は実施例1と全く
同様にして電荷輸送層塗工液の調製、電荷輸送層の塗
工、塗工液の液循環を行い、電子写真感光体を作製し
た。塗工液の液循環開始時点、約3ヶ月間液循環後のサ
ンプルをそれぞれ6A、6Bとする。
【0055】実施例7 実施例1において、吸着剤のアルミナ(水澤化学社製ア
ルミナMGA)を活性白土(和光純薬)0.36部、ボ
ールミリング時間を48時間に変えた以外は実施例1と
全く同様にして電子写真感光体を作製した。塗工液の液
循環開始時点、約3ヶ月環液循環後のサンプルをそれぞ
れ7A、7Bとする。
【0056】実施例8 実施例1において、吸着剤のアルミナ(水澤化学社製ア
ルミナMGA)をケイ酸マグネシウム( Florid
in社製フロリジル)36部、ボールミリング時間を4
8時間に変えた以外は実施例1と全く同様にして電子写
真感光体を作製した。塗工液の液循環開始時点、約3ヶ
月間液循環後のサンプルをそれぞれ8A、8Bとする。
【0057】実施例9 実施例1と全く同様にしてφ30mm、長さ352mm
のアルミドラム状支持体上に膜厚25μmの下引き層を
形成した。次に、下記構成の混合物をボールミルポット
に取り、φ10mmのSUSボールを使用し48時間ボ
ールミリングした。 下記構造式(III)の電荷発生物質 0.8部
【化4】 テトラヒドロフラン(関東化学社製) 40部 上記ミリング後、ミリング液を取り出し、下記材料を加
え、混合攪拌し、電荷輸送物質を溶解させて分散液Iを
調製した。 ポリカーボネート樹脂(帝人化成社製TS−2050) 75部 ジクロロメタン(関東化学社製) 44部 下記構造式(II)の電荷輸送物質(リコー製) 8部
【化5】 3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール (関東化成社製)0.04部 シリコーンオイル(信越化学社製KF−50) 0.0002部 また、下記構成の混合物をボールミルポットに取り、φ
10mmのジルコニアボールを使用し、12時間ボール
ミリングして吸着剤分散液を調製した。 アルミナ(水澤化学社製アルミナMGA) 0.32部 ポリカーボネート樹脂(帝人化成社製C−1400) 2.5部 ジクロロメタン(関東化学社製) 44部 上記分散液Iと上記吸着剤分散液を混合攪拌して感光層
塗布液を調製した。この感光層塗布液を上記下引き層上
に浸漬布後、110℃で20分間乾燥し、厚さ25μm
の感光層を形成した。塗工液の液循環は実施例1と全く
同様にして行った。液循環開始時点、約3ヶ月間液循環
後のサンプルをそれぞれ9A、9Bとする。
【0058】実施例10 実施例9において、吸着剤のアルミナ(水澤化学社製ア
ルミナMGA)0.54部に変えた以外は実施例1と全
く同様にして感光層塗布液の調製、塗工、塗工液の液循
環を行い電子写真感光体を作製した。塗工液の液循環開
始時点、約3ヶ月間液循環後のサンプルをそれぞれ10
A、10Bとする。
【0059】比較例1 実施例1において、アルミナ(水澤化学社製アルミナM
GA )0.18部を除いた以外は実施例1と全く同様
にして電荷輸送層塗工液の調製、電荷輸送層の塗工、塗
工液の液循環を行い、電子写真感光体を作製した。塗工
液の液循環開始時点、約3ヶ月環液循環後のサンプルを
それぞれC1A、C1Bとする。
【0060】比較例2 実施例1において、アルミナ(水澤化学社製アルミナM
GA )を1.8部に変えた以外は実施例1と全く同様
にして電荷輸送層塗工液の調製、電荷輸送層の塗工、塗
工液の液循環を行い、電子写真感光体を作製した。塗工
液の液循環開始時点、約3ヶ月間液循環後のサンプルを
それぞれC2A、C2Bとする。
【0061】比較例3 実施例1において、アルミナ(水澤化学社製アルミナM
GA )0.18部、ポリカーボネート樹脂(帝人化成
社製C−1400)25部、ジクロロメタン(関東化学
社製)44部からなる混合物のボールミルポット分散時
間を1時間に変えた以外は実施例1と全く同様にして電
荷輸送層塗工液の調製、電荷輸送層の塗工、塗工液の液
循環を行い、電子写真感光体を作製した。塗工液の液循
環開始時点、約3ヶ月間液循環後のサンプルをそれぞれ
C3A、C3Bとする。
【0062】比較例4 実施例9において、アルミナ(水澤化学社製アルミナM
GA )0.32部を除いた以外は実施例9と全く同様
にして感光層塗工液の調製、塗工及び塗工液の液循環を
行い、電子写真感光体を作製した。塗工液の液循環開始
時点、約3ヶ月間液循環後のサンプルをそれぞれC4
A、C4Bとする。
【0063】上記実施例1ないし実施例8、比較例1な
いし比較例3の電荷輸送層塗工液及び実施例9、実施例
10及び比較例4の吸着剤分散液中の吸着剤平均粒径を
遠心式自動粒度測定装置(堀場製作所製Cape−70
0)で測定した。また、塗工液の液循環開始時点、約3
ヶ月間液循環後電荷輸送層塗工液に塗工液中の固形分重
量に対して8.82倍の純水を加えて混合攪拌して得ら
れる分別水の電導度をポータブル電導度計(柴田科学社
製ECT−101)を用いて測定し、塗工液中に発生し
たイオン性不純物量を推定した。なお、塗工液に加えた
純水の電導度は0.56μS/cmであった。結果を表
1に示す。
【0064】また、このようにして作製した実施例1な
いし実施例8、比較例1ないし比較例3の電子写真感光
体をソフトローラー帯電の反転現像方式デジタル複写機
(リコー製イマジオMF250)に取り付け、約5万枚
の印字を行った。
【0065】電位の測定 帯電電位VD、露光後電位VIは、現像ローラをはずし
て表面電位計を取り付け内部パターンで白紙、黒ベタ画
像を印字させることにより測定した。 画像評価 画像評価は白紙を印字した画像中の黒ポチ数評価により
行った。 現像バイアス 現像バイアスは600(−V)に設定した。 黒ポチ 黒ポチはカラーイメージプロセッサー(日本アビオニク
ス社製SPICCA)を用いて大きさと個数を測定し、
1cm当たりのφ0.05mm以上の黒ポチ数により
判定した。黒ポチ評価の判定基準を表2に示す。なお、
判定における◎、○、△は実用上特に問題のないこと
を、×の場合は実用に適さないことを意味する。 その他の評価 実施例9、実施例10及び比較例4の電子写真感光体
は、デジタル複写機(リコー製イマジオMF250)を
ブラス帯電に改造し、露光のためのレーザ光強度の変
更、現像バイアスを600(V)に設定、印字用トナー
極性の変更を行った後、評価を行った。結果を表3に示
す。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
【表3】
【0069】
【表4】
【0070】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明は、ステ
ンレス鋼を用いた塗工装置で使用される電子写真感光体
用塗工液であって、電荷輸送物質を含有する塗工液中に
該塗工液の固形分に対して0.2〜5重量%の吸着剤を
含有させるものであり、この構成によれば、電荷輸送物
質を含有する塗工液の長時間使用によって発生する塗工
液中のイオン性不純物が吸着剤によって吸着され、それ
により塗工液を繰り返し使用しても品質の安定した電子
写真感光体を形成することができる塗工液を得ることが
できる。
【0071】請求項2の発明は、上記電子写真感光体用
塗工液における吸着剤がシリカゲル、アルミナ、合成ゼ
オライト、ケイ酸マグネシウム及び活性白土のいずれか
少なくとも1種とするものであり、これらによれば塗工
液中のイオン性不純物の吸着を良好に行うができる。
【0072】請求項3の発明は、上記吸着剤の粒径を5
μm以下に規制するものであり、これにより、形成され
る電子写真感光体の表面のザラツキを防止し、かつ、画
像形成時地汚れなどの画像欠陥の発生を防止することが
できる。
【0073】請求項4の発明は、上記吸着剤が活性白土
であるとするもので、これによれば上述した吸着剤の中
でも特に優れた吸着効果が得られる。
【0074】請求項5の発明は、上記吸着剤がケイ酸マ
グネシウムであるとするもので、これによっても優れた
吸着効果を得ることができる。
【0075】請求項6の発明は、導電性支持体上に下引
き層、電荷発生層及び電荷輸送層がこの順序で積層され
た電子写真感光体において、電荷輸送層を請求項1〜5
のいずれかに記載した電子写真感光体用塗工液により形
成するもので、劣化のない電荷輸送層塗工液が使用され
るため地汚れや黒ポチのない経時品質の安定した電子写
真感光体を得ることができる。
【0076】請求項7の発明は、導電性支持体上に下引
き層及び感光層がこの順序で積層された、単層構成の電
子写真感光体において、感光層を請求項1〜5いずれか
に記載した電子写真感光体用塗工液により形成するもの
で、これによれば劣化のない感光層塗工液が使用される
ため、上記積層型感光体の場合と同様、経時品質の安定
した電子写真感光体を得ることができる。
【0077】請求項5の発明は、少なくとも電子写真感
光体、帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段、
クリーニング手段及び除電手段を具備してなる画像形成
装置において、電子写真感光体として請求項6または5
記載の電子写真感光体を用いるもので、これにより経時
品質の安定した画像形成を行うことができる画像形成装
置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子写真感光体の一例を示す概略断面図。
【図2】電子写真感光体の別の例を示す概略断面図。
【図3】電子写真感光体のさらに別の例を示す概略断面
図。
【図4】画像形成装置の一例を示す概略断面図。
【符号の説明】
31 導電性支持体 33 感光層 35 電荷発生層 37 電荷輸送層 38 表面保護層 39 下引き層 11 感光体 12 帯電装置 13 イメージ露光 14 現像ローラ 15 転写部材 16 転写ローラ 17 クリーニングユニット 18 除電ランプ 19 定着ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 準一郎 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 田中 千秋 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H068 AA14 CA06 CA33 CA54 CA60 EA16

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステンレス鋼を用いた塗工装置で使用さ
    れる電子写真感光体用塗工液であって、該塗工液が電荷
    輸送物質を含有し、かつ、該塗工液の固形分に対して
    0.2〜5重量%の吸着剤を含有することを特徴とする
    電子写真感光体用塗工液。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電子写真感光体用塗工液
    において、前記吸着剤がシリカゲル、アルミナ、合成ゼ
    オライト、ケイ酸マグネシウム及び活性白土からなる群
    から選択された少なくとも1種であることを特徴とする
    電子写真感光体用塗工液。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の電子写真感光体
    用塗工液において、前記吸着剤の粒径が5μm以下であ
    ることを特徴とする電子写真感光体用塗工液。
  4. 【請求項4】 請求項1または3記載の電子写真感光体
    用塗工液において、前記吸着剤が活性白土であることを
    特徴とする電子写真感光体用塗工液。
  5. 【請求項5】 請求項1または3記載の電子写真感光体
    用塗工液において、前記吸着剤がケイ酸マグネシウムで
    あることを特徴とする電子写真感光体用塗工液。
  6. 【請求項6】 導電性支持体上に下引き層、電荷発生層
    及び電荷輸送層がこの順序で積層された電子写真感光体
    において、前記電荷輸送層が請求項1〜5記載のいずれ
    かの電子写真感光体用塗工液により形成されていること
    を特徴とする電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 導電性支持体上に下引き層及び感光層が
    この順序で積層された電子写真感光体において、前記感
    光層が請求項1〜5記載のいずれかの電子写真感光体用
    塗工液により形成されていることを特徴とする電子写真
    感光体。
  8. 【請求項8】 少なくとも電子写真感光体、帯電手段、
    画像露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段
    及び除電手段を具備してなる画像形成装置において、前
    記電子写真感光体が請求項6または7記載の電子写真感
    光体であることを特徴とする画像形成装置。
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