JP2001350129A - 光変調装置 - Google Patents

光変調装置

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JP2001350129A
JP2001350129A JP2000171198A JP2000171198A JP2001350129A JP 2001350129 A JP2001350129 A JP 2001350129A JP 2000171198 A JP2000171198 A JP 2000171198A JP 2000171198 A JP2000171198 A JP 2000171198A JP 2001350129 A JP2001350129 A JP 2001350129A
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light modulation
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秀嘉 堀米
Mitsuteru Inoue
光輝 井上
Zaikei Cho
在慶 趙
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が簡単で、動作速度の大きな光変調装置
を実現する。 【解決手段】 光変調素子1は、光磁気材料よりなり、
それぞれ独立に磁化の方向が設定され、磁気光学効果に
より、入射する光に対して磁化の方向に応じた偏光方向
の回転を与える複数の磁化設定要素を含む磁化設定層1
1と、磁化設定層11の各磁化設定要素毎に対応するよ
うに設けられ、各磁化設定要素における磁化の方向を独
立に設定するための磁界を発生する複数の薄膜コイル1
2と、磁化設定層11と薄膜コイル12との間に設けら
れ、光を反射する反射層13とを備えている。駆動部2
は、磁化設定層11を、全ての磁化設定要素における磁
化の方向が上向きに揃った状態と、全ての磁化設定要素
における磁化の方向が下向きに揃った状態とに切り替え
る。2つの状態における光変調素子1の出射光は、検光
子5により、偏光方向の違いによって分離される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入射光を変調して
出射する光変調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コヒーレントな光を提供するレー
ザーは、光通信、加工あるいは理化学・科学分野におけ
る計測等の広範な領域で不可欠な光源となっている。レ
ーザーに求められる性質は、アプリケーションによって
異なるものの、いずれのアプリケーションでも、波長、
出力および変調に関する性質は重要視される。そのた
め、これらの性質に関してアプリケーションに応じた所
望の特性が得られるように、半導体レーザー、ガスレー
ザーあるいはロッドレーザー等の種々のレーザーが開発
されてきた。
【0003】レーザーの波長に関する性質については、
既に、アプリケーションに応じた所望の特性を得ること
が可能になってきている。すなわち、既に紫外域から赤
外域の広範な波長範囲のレーザー光が得られており、レ
ーザー光の波長領域の選択性は極めて大きい。
【0004】これに対し、レーザーの出力および変調に
関する性質については、同時に双方について所望の特性
を得ることが難しい。すなわち、高出力で変調可能なレ
ーザーを実現することは困難である。そのため、従来
は、半導体レーザーを用いる場合を除いてほとんどの場
合において、レーザーは光変調器あるいは光スイッチと
共に利用されている。このためレーザーを利用した種々
のアプリケーションの中で、光変調器あるいは光スイッ
チの重要性はレーザー本体と同様に極めて高い。
【0005】光通信や光情報記録を含む広範な情報通信
産業分野では、光変調器あるいは光スイッチは基幹デバ
イスとして極めて重要な役割を担っており、特に光通信
や光情報記録の分野では光変調器は不可欠になってい
る。
【0006】光変調器あるいは光スイッチの応用分野
は、上記情報通信産業分野以外にも、超高密度且つ高速
のLSI(大規模集積回路)の形成に不可欠な微細加工
分野およびファクトリーオートメーション産業分野や、
宇宙空間を含む多様な動作環境における超高速光センシ
ングや物理計測およびこれらを利用する環境保全産業分
野等もあり、広範で多岐にわたっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】光を変調する従来の装
置としては、音響光学(AO)変調器、電気光学(E
O)変調器、強誘電性液晶デバイスあるいはマイクロミ
ラーデバイス等がある。しかしながら、これらの装置に
は、いずれも、高価、動作速度が小さい、複雑な光学系
が必要、あるいは信号対雑音比が小さい等の欠点があっ
た。このように、現状では、レーザー本体の発展に比べ
て、光変調装置の研究開発は遅れている。
【0008】例えば、音響光学変調器は、比較的高速な
動作を実現できる。しかし、音響光学変調器は、超音波
によって弾性波を発生させ、この弾性波による屈折率分
布によって光を回折させるので、超音波の伝播速度の遅
れを無視できる程度の高速スイッチングを行なうには、
光を集光して小さく絞って入射させる必要があり、その
ため、光学系が複雑になるという欠点がある。
【0009】また、電気光学変調器は、高速動作が可能
であるが、電界を印可して駆動を行なうため、駆動のた
めに特別の高電圧が必要になるという欠点がある。電気
光学変調器は、更に、動作の繰り返し周波数が低いとい
う欠点や、価格が音響光学変調器に比べて高いという欠
点を持つ。そのため、電気光学変調器は、一般的な用途
には適さず、それほど広く普及していない。
【0010】また、最近開発された強誘電性液晶デバイ
スは、液晶製造技術を用いて大面積化が可能であるが、
応答時間がマイクロ秒のオーダーで、動作速度が小さい
という欠点を有する。また、強誘電性液晶デバイスで
は、オン状態を保持すると、焼き付け現象による素子破
損を生じる。そのため、駆動信号のデューティ比が極端
に大きいか極端に小さい用途、すなわち駆動信号が直流
に近くなる用途では、使用が困難であるという欠点を持
つ。
【0011】また、ディスプレイに用いられているマイ
クロミラーデバイスは、反射率が高く、比較的高速動作
が可能であるが、小さなミラー構造の回折現象により、
光利用効率を期待するほど高くすることができないとい
う欠点を有する。更に、マイクロミラーデバイスは、高
度な半導体製造プロセスによって製造される、構造が複
雑なマイクロマシーンであるため、製造コストが高いと
共に、機械的な駆動部分を有するので信頼性の面で問題
が残る。
【0012】以上説明したように、従来は、光変調器あ
るいは光スイッチとして用いられる光変調装置として、
機械的な構造あるいは光学系の構成が簡単で、広大な受
光面で動作が可能で、動作速度の大きな装置はなかっ
た。
【0013】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、構造が簡単で、動作速度の大きな光
変調装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の光変調装置は、
光磁気材料よりなり、それぞれ独立に磁化の方向が設定
され、磁気光学効果により、入射する光に対して磁化の
方向に応じた偏光方向の回転を与える複数の磁化設定要
素を含む磁化設定層と、磁化設定層の各磁化設定要素に
対応するように設けられ、各磁化設定要素における磁化
の方向を独立に設定するための磁界を発生する複数の磁
界発生素子と、入射光を変調して出射するために、磁界
発生素子を駆動して、磁化設定層の各磁化設定要素にお
ける磁化の状態を切り替える駆動手段とを備えたもので
ある。
【0015】本発明の光変調装置では、駆動手段によっ
て磁界発生素子が駆動されて、磁化設定層の各磁化設定
要素における磁化の状態が切り替えられ、これにより、
入射光が変調されて出射される。
【0016】本発明の光変調装置において、駆動手段
は、磁化設定層を、磁化設定要素における磁化の方向が
所定の一方向に揃った第1の状態と、磁化設定要素にお
ける磁化の方向が第1の状態における磁化の方向とは異
なる方向に揃った第2の状態とに切り替えてもよい。
【0017】また、本発明の光変調装置において、駆動
手段は、磁化設定層を、磁化設定要素における磁化の方
向が一方向に揃った第1の状態と、磁化設定要素におけ
る磁化の方向が互いに異なる2種類の領域が交互に格子
状に配列された第2の状態とに切り替えてもよい。
【0018】また、本発明の光変調装置において、磁界
発生素子は薄膜コイルであってもよい。
【0019】また、本発明の光変調装置において、磁界
発生素子は、磁化設定層における光の入射する面とは反
対側の面に隣接するように配置され、光変調装置は、更
に、磁化設定層と磁界発生素子との間に設けられ、光を
反射する反射層を備えていてもよい。この場合、磁界発
生素子は2つの導電路を介して通電されることにより磁
界を発生し、反射層は、導電性を有し、一方の導電路を
兼ねていてもよい。
【0020】また、本発明の光変調装置において、磁化
設定層は、更に、隣接する磁化設定要素の境界位置に設
けられ、磁壁の移動を抑止する磁壁移動抑止部を含んで
いてもよい。
【0021】また、本発明の光変調装置は、更に、軟磁
性材料よりなり、磁化設定層における磁界発生素子とは
反対側の面に隣接するように設けられ、磁界発生素子に
よって発生される磁界に対応する磁路の一部を形成する
軟磁性層を備えていてもよい。
【0022】また、本発明の光変調装置は、更に、軟磁
性材料よりなり、磁界発生素子における磁化設定層とは
反対側に配置され、磁界発生素子によって発生される磁
界に対応する磁路の一部を形成する磁路形成部を備えて
いてもよい。
【0023】また、本発明の光変調装置において、磁化
設定層は磁性ガーネット薄膜によって形成されていても
よいし、1次元磁性フォトニック結晶によって形成され
ていてもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。 [第1の実施の形態]始めに、図1を参照して、本発明
の第1の実施の形態に係る光変調装置の構成の概略につ
いて説明する。本実施の形態に係る光変調装置は、光変
調素子1と、この光変調素子1を駆動する駆動部2と、
この駆動部2を制御する制御部3とを備えている。光変
調素子1、駆動部2および制御部3は、ワンチップ化さ
れていてもよい。また、制御部3は、マイクロコンピュ
ータ等のコンピュータと、そのコンピュータに所定の機
能を発揮させるためのソフトウェアとで実現してもよ
い。
【0025】光変調素子1は、光磁気材料よりなり、そ
れぞれ独立に磁化の方向が設定され、磁気光学効果によ
り、入射する光に対して磁化の方向に応じた偏光方向の
回転を与える複数の磁化設定要素を含む磁化設定層11
と、この磁化設定層11の各磁化設定要素毎に対応する
ように設けられ、各磁化設定要素における磁化の方向を
独立に設定するための磁界を発生する複数の磁界発生素
子としての薄膜コイル12と、磁化設定層11と薄膜コ
イル12との間に設けられ、光を反射する反射層13と
を備えている。
【0026】次に、図2を参照して、光変調素子1の構
成について詳しく説明する。図2は、光変調素子1の要
部を示す断面図である。前述のように、光変調素子1
は、磁化設定層11と、薄膜コイル12と、反射層13
とを備えている。
【0027】磁化設定層11には、隣接する磁化設定要
素の境界位置に、磁壁の移動を抑止する磁壁移動抑止部
11bが設けられている。磁壁移動抑止部11bは、例
えば図2に示したような突起でもよい。
【0028】図2において、符号11a0は磁化が下向
きの磁化設定要素を示し、符号11a1は磁化が上向き
の磁化設定要素を示している。
【0029】図3は、薄膜コイル12の平面図である。
図3において、符号11Aは1つの磁化設定要素の領域
を表している。
【0030】図2において、磁化設定層11の上側の面
が、光の入射する面になっている。磁化設定層11は、
少なくとも使用する光に対して透光性を有している。薄
膜コイル12は、反射層13を介して、磁化設定層11
における光の入射する面とは反対側の面に隣接するよう
に配置されている。
【0031】反射層13は、導電性を有している。各薄
膜コイル12の一方の端部、例えば内側の端部は、反射
層13に接続されている。各薄膜コイル12の他方の端
部、例えば外側の端部には、それぞれ端子14が接続さ
れている。反射層13は、薄膜コイル12に通電するた
めの2つの導電路のうちの一方を兼ねている。端子14
は、薄膜コイル12に通電するための2つの導電路のう
ちの他方を構成する。
【0032】光変調素子1は、更に、軟磁性材料よりな
り、薄膜コイル12における磁化設定層11とは反対側
に配置され、薄膜コイル12によって発生される磁界に
対応する磁路20の一部を形成する磁路形成部15を備
えている。薄膜コイル12、端子14および磁路形成部
15の周囲には、絶縁層16が形成されている。
【0033】光変調素子1は、更に、軟磁性材料よりな
り、磁化設定層11における薄膜コイル12とは反対側
の面に隣接するように設けられ、薄膜コイル12によっ
て発生される磁界に対応する磁路20の他の一部を形成
する軟磁性層17を備えている。軟磁性層17は、少な
くとも使用する光に対して透光性を有している。
【0034】各薄膜コイル12は、それぞれ、端子1
4、反射層13およびこれらに接続された配線によっ
て、各薄膜コイル12に独立に通電するための駆動部2
(図1参照)に接続されるようになっている。駆動部2
は、例えばナノ秒オーダーの周期で、正または負のパル
ス状の電流を薄膜コイル12に供給するようになってい
る。
【0035】磁化設定層11の各磁化設定要素は、例え
ば一辺が100μm程度の大きさとする。光変調素子1
における変調動作の可能な受光面は、例えば直径10m
m以上とする。
【0036】図4は磁化設定層11における印加磁界と
磁化との関係を表す磁気ヒステリシス曲線を示してい
る。図4に示したように、磁化設定層11は、大きな保
磁力Hc,−Hcを有している。そして、磁化設定層1
1は、正方向に磁化されているときには、絶対値がHc
を越える負の磁界が印加されると磁化の方向が反転し、
負方向に磁化されているときには、絶対値がHcを越え
る正の磁界が印加されると磁化の方向が反転する。薄膜
コイル12は、絶対値がHcを越える正または負の磁界
を発生する。
【0037】図5は軟磁性層17における印加磁界と磁
化との関係を表す磁気ヒステリシス曲線を示している。
図5に示したように、軟磁性層17の保磁力は極めて小
さく、小さな印加磁界によって容易に磁化の方向が反転
する。磁路形成部15の特性も、軟磁性層17と同様で
ある。
【0038】磁化設定層11の材料としては、磁気光学
効果を有する光磁気材料であればよいが、特に、磁性ガ
ーネット薄膜または1次元磁性フォトニック結晶を用い
るのが好ましい。
【0039】磁性ガーネット薄膜の代表的なものとして
は、希土類鉄系ガーネット薄膜がある。磁性ガーネット
薄膜を作製する方法としては、例えば、ガドリニウムガ
リウムガーネット(GGG)等の基板の上に、液相エピ
タキシャル成長法(LPE法)またはスパッタ法によっ
て単結晶の磁性ガーネット薄膜を形成する方法がある。
【0040】図6は、1次元磁性フォトニック結晶の構
造を示す説明図である。この1次元磁性フォトニック結
晶30は、磁性体層31の両面側に誘電体多層膜を形成
した構造を有している。磁性体層31の材料には、希土
類鉄ガーネットやビスマス置換希土類鉄ガーネット等が
用いられる。誘電体多層膜は、例えばSiO2膜32と
Ta25膜33を交互に積層して構成される。1次元磁
性フォトニック結晶30における層構造の周期は、使用
する光の波長オーダーである。この1次元磁性フォトニ
ック結晶30では、大きなファラデー回転角を得ること
が可能になる。
【0041】本発明の発明者の一人である井上は、平成
10年10月より、科学技術振興事業団さきがけ研究2
1「形とはたらき領域」で「磁性フォトニック結晶の構
造と機能」と題する個人研究を行なっている。この研究
の中で、極めて薄い磁性ガーネット薄膜を誘電体多層膜
でサンドイッチした1次元磁性フォトニック結晶中に強
い光局在状態が発現し、その結果、媒体の透過率および
ファラデー効果が著しく増大することを理論的に見出し
た。そして、井上は、この理論に基づいて、実際に1次
元磁性フォトニック結晶を作製し、光局在波長で90%
の透過率を有すると共に、150nm程度の極めて薄い
磁性ガーネット薄膜を用いているにも関わらず5°以上
のファラデー回転角を示す媒体の形成に成功した。この
ファラデー回転角は、バルク状磁性ガーネット薄膜の約
100倍に達する、極めて大きなものである。
【0042】なお、本実施の形態における光変調素子1
は、全ての構成要素をモノリシックに形成して製造して
もよいし、複数の部分に分けて形成した後、複数の部分
を組み合わせて製造してもよい。光変調素子1を複数の
部分に分けて形成する場合には、例えば、軟磁性層17
から反射層13までの部分と、他の部分とに分けてもよ
い。また、本実施の形態における光変調素子1の構成要
素は、全て半導体製造プロセスを用いて製造することが
可能である。
【0043】次に、本実施の形態に係る光変調装置の作
用について説明する。本実施の形態に係る光変調装置で
は、駆動部2によって、変調情報に従って選択的に、薄
膜コイル12に正または負のパルス電流が供給され、そ
の結果、薄膜コイル12によって磁化設定層11の各磁
化設定要素に対して独立に磁界が印加される。簡単な計
算によれば、尖頭値40mA程度のパルス電流を薄膜コ
イル12に供給することにより、薄膜コイル12の中心
部に100Oe程度のパルス状の磁界を発生させること
ができ、この磁界によって各磁化設定要素における磁化
を反転させることができる。
【0044】各磁化設定要素では、それまでの磁化の方
向と反対方向の磁界が印加されると、印加磁界と同じ方
向の磁化の磁区が生じ、この磁区が拡大する。この磁区
の拡大は、磁壁が磁壁移動抑止部11bに達すると停止
する。その結果、1つの磁化設定要素全体が印加磁界と
同じ方向の磁化となる。このようにして、薄膜コイル1
2によって磁化設定層11の各磁化設定要素に対して独
立に磁界を印加することにより、磁化設定層11の各磁
化設定要素における磁化の方向が独立に設定される。
【0045】軟磁性層17側より光変調素子1に入射し
た光は、軟磁性層17を通過した後、磁化設定層11を
通過する。この磁化設定層11を通過する光には、ファ
ラデー効果により、磁化設定層11の各磁化設定要素に
おける磁化の方向に応じた偏光方向の回転、すなわちフ
ァラデー回転が与えられる。例えば、磁化が上向きの磁
化設定要素11a1を通過する光の偏光方向が+θFだけ
回転されるとすると、磁化が下向きの磁化設定要素11
0を通過する光の偏光方向は−θFだけ回転される。
【0046】磁化設定層11を通過した光は、反射層1
3で反射され、再度、磁化設定層11と軟磁性層17を
通過し、光変調素子1より出射される。反射層13で反
射されてから磁化設定層11を通過する光には、反射層
13に達する前に磁化設定層11を通過する際と同様
に、ファラデー効果により、磁化設定層11の各磁化設
定要素における磁化の方向に応じた偏光方向の回転が与
えられる。従って、上述のように、磁化が上向きの磁化
設定要素11a1を通過する光の偏光方向が+θFだけ回
転され、磁化が下向きの磁化設定要素11a0を通過す
る光の偏光方向が−θFだけ回転されるとすると、磁化
設定要素11a1を往復で2回通過して光変調素子1よ
り出射される光の偏光方向は+2θFだけ回転され、磁
化設定要素11a0を往復で2回通過して光変調素子1
より出射される光の偏光方向は−2θFだけ回転され
る。本実施の形態では、偏光方向が+2θFだけ回転さ
れた後の光の偏光方向と、偏光方向が−2θFだけ回転
された後の光の偏光方向は同じ方向にならないようにす
る。本実施の形態において、2θFは5°以上、45°
以下が好ましい。
【0047】本実施の形態では、駆動部2は、制御部3
による制御の下で、薄膜コイル12を駆動して、磁化設
定層11を、全ての磁化設定要素における磁化の方向が
上向きに揃った状態と、全ての磁化設定要素における磁
化の方向が下向きに揃った状態とに切り替えるようにな
っている。この2つの状態のうちのどちらを、光が出力
されるオン状態とし、どちらを、光が出力されないオフ
状態としてもよいが、ここでは、全ての磁化設定要素に
おける磁化の方向が上向きに揃った状態をオン状態と
し、全ての磁化設定要素における磁化の方向が下向きに
揃った状態をオフ状態とする。
【0048】図1に示したように、光変調素子1に対す
る入射光101は、磁化設定層11を通過し、反射層1
3で反射し、再度、磁化設定層11を通過して出射され
る。
【0049】オン状態では、磁化設定層11を通過する
光には、磁化設定要素における磁化の方向に応じた偏光
方向の回転が与えられる。従って、光変調素子1の出射
光の光路上に、オン状態のときの出射光を選択的に通過
させる検光子5を配置すれば、この検光子5より、オン
状態における出力光102を得ることができる。
【0050】一方、オフ状態では、磁化設定層11を通
過する光には、オン状態とは逆方向に偏光方向の回転が
与えられる。その結果、光変調素子1の出射光の偏光方
向は、オン状態における出射光の偏光方向とは異なった
方向となる。従って、光変調素子1の出射光は検光子5
を通過せず、検光子5より出力光は得られない。
【0051】このように、本実施の形態に係る光変調装
置によれば、磁化設定層11の状態を切り替えることに
より、光変調素子1の出射光の偏光方向を切り替えるこ
とができる。そして、2つの状態における出射光を偏光
方向の違いによって分離することにより、容易に光の強
度を変調することができる。本実施の形態では、検光子
5によって、互いに偏光方向が異なるオン状態における
出射光とオフ状態における出射光とを分離することによ
り、理論的には60dB以上の消光比を得ることができ
る。
【0052】本実施の形態に係る光変調装置では、薄膜
コイル12によって磁化設定層11の各磁化設定要素に
おける磁化の方向を独立に設定することによって、磁化
設定層11の状態をオン状態とオフ状態とに切り替え
る。磁化設定層11の各磁化設定要素における磁化の方
向の切り替えは、数ナノ秒程度で行うことができる。し
かも、本実施の形態では、各磁化設定要素毎に薄膜コイ
ル12を設け、各磁化設定要素における磁化の方向を独
立に設定できるようにしているので、全ての磁化設定要
素における磁化の方向の設定を同時に行うことが可能で
ある。従って、本実施の形態に係る光変調装置では、光
変調素子1の全体の応答時間を、磁化設定要素単位の応
答時間と同様に数ナノ秒程度とすることが可能となり、
極めて大きな動作速度を得ることが可能となる。
【0053】また、本実施の形態に係る光変調装置で
は、磁化設定層11の全ての磁化設定要素における磁化
の方向の設定を同時に行うことが可能であることから、
上述のような大きな動作速度を実現しながら、変調動作
の可能な受光面として、直径10mm以上の広大な受光
面を実現することが可能になる。
【0054】また、本実施の形態に係る光変調装置で
は、磁化設定層11の全ての磁化設定要素における磁化
の方向の設定を同時に行うことが可能であることから、
コヒーレントな光のまま、変調することができる。
【0055】また、本実施の形態に係る光変調装置は、
直流(周波数ゼロ)から数百MHzの周波数領域までの
広範な駆動周波数領域で動作可能である。
【0056】また、本実施の形態における光変調素子1
は、機械的な駆動部分のない簡単な構造であると共に、
液晶のような流動体を含まないので、信頼性が高い。ま
た、本実施の形態における光変調素子1は、構造が簡単
で、半導体製造プロセスを用いて量産が可能であるの
で、マイクロデバイス化が容易であると共に、製造コス
トを低減することができる。このことは、本実施の形態
に係る光変調装置の普及と標準化に有利である。
【0057】また、本実施の形態における光変調素子1
では、反射層13が、薄膜コイル12に通電するための
2つの導電路のうちの一方を兼ねているので、構造を簡
単にすることができる。
【0058】また、本実施の形態における光変調素子1
では、磁化設定要素の状態を切り替えるための薄膜コイ
ル12が、磁化設定層11における光の入射する面とは
反対側の面に対して反射層13を介して隣接するように
配置されているので、薄膜コイル12が変調される光に
影響を与えることがない。
【0059】また、本実施の形態における光変調素子1
では、薄膜コイル12によって、磁化設定層11の各磁
化設定要素における磁化の方向を設定するための磁界を
発生するようにしたので、磁化設定要素における磁化を
反転させるための電流を小さくすることができる。
【0060】また、本実施の形態における光変調素子1
では、薄膜コイル12によって発生される磁界に対応す
る磁路20の一部を形成する軟磁性層17と磁路形成部
15とを備えているので、磁束を有効に絞ることができ
る。その結果、光変調素子1では、薄膜コイル12によ
って発生される起磁力を有効に、磁化設定要素における
磁化の設定のために利用することができる。
【0061】また、本実施の形態における光変調素子1
では、薄膜コイル12を駆動しなければ、磁化設定層1
1の各磁化設定要素における磁化の状態は保持されるの
で、光変調素子1によって変調情報を保持することがで
きる。
【0062】本実施の形態に係る光変調装置は、以下の
ような広範な分野での利用が可能である。
【0063】(1)超大規模情報記憶分野 情報通信分野で必須とされる超大規模情報記憶を実現す
るには、テラバイトの記憶容量を持つ光ディスクの実現
が望まれている。このような光ディスクの形成には、光
ディスクの原盤作製装置等において大出力レーザー光を
超高速に変調することが必要になる。本実施の形態に係
る光変調装置は、このような変調に適している。
【0064】(2)光通信分野 光通信分野では、高度の波長選択性を有し、且つ線幅が
極めて安定に選択されるチューナブル・レーザーが要求
される。本実施の形態に係る光変調装置は、このような
レーザーの出力光の変調に適している。
【0065】(3)超精密微細加工・ファクトリーオー
トメーション分野 本実施の形態に係る光変調装置は、広大な受光面で動作
が可能であることから、超精密加工制御用の光スイッチ
や、精密制御を行なうファクトリーオートメーションで
用いられる高出力レーザー用の光スイッチに適してい
る。
【0066】(4)物理計測・センシング分野 本実施の形態に係る光変調装置は、光センシングによる
物理計測に不可欠な光変調装置や、大規模且つ大面積の
光干渉計測用の光スイッチに適している。
【0067】(5)宇宙空間における利用 本実施の形態に係る光変調装置における光変調素子1の
構成要素は、紫外線や宇宙線に対して耐性が大きいの
で、本実施の形態に係る光変調装置は、宇宙空間での利
用が可能である。
【0068】[第2の実施の形態]次に、本発明の第2
の実施の形態に係る光変調装置について説明する。本実
施の形態に係る光変調装置の基本的な構成は、第1の実
施の形態と同様である。ただし、本実施の形態では、磁
化設定層11の各磁化設定要素の大きさを、後述するよ
うに回折格子を構成可能な大きさ、例えば一辺がミクロ
ンオーダーからサブミクロンオーダーの大きさとする。
【0069】また、本実施の形態では、駆動部2は、制
御部3による制御の下で、薄膜コイル12を駆動して、
磁化設定層11を、磁化設定要素における磁化の方向が
一方向に揃った状態(本実施の形態において、オン状態
と言う。)と、磁化設定要素における磁化の方向が互い
に異なる2種類の領域が、1方向または直交する2方向
に交互に格子状に配列された状態(本実施の形態におい
て、オフ状態と言う。)とに切り替えるようになってい
る。
【0070】次に、本実施の形態に係る光変調装置の作
用について説明する。磁化設定層11の磁化設定要素に
おける磁化の方向が一方向に揃ったオン状態では、光変
調素子1の各磁化設定要素からの出射光は全て、偏光方
向が入射光の偏光方向に対して同じ角度だけ回転された
光となっている。従って、オン状態では、光変調素子1
の入射光は、偏光方向が回転されるだけで、回折されず
に光変調素子1より出射される。
【0071】これに対し、オフ状態では、磁化設定層1
1において、磁化設定要素における磁化の方向が上向き
の領域と磁化設定要素における磁化の方向が下向きの領
域とが交互に格子状に配列される。このオフ状態では、
磁化が上向きの領域からの出射光は偏光方向が入射光の
偏光方向に対して+2θFだけ回転され、磁化が下向き
の領域からの出射光は偏光方向が入射光の偏光方向に対
して−2θFだけ回転されたものとなる。従って、オフ
状態では、偏光方向が+2θFだけ回転された光同士が
干渉すると共に、偏光方向が−2θFだけ回転された光
同士が干渉するため、磁化設定層11は回折格子として
作用する。本実施の形態において、2θ Fは5°以上、
90°以下が好ましい。
【0072】オフ状態において、0次回折光は、オン状
態における光変調素子1の出射光と同一方向に進む。ま
た、0次回折光の偏光方向は入射光の偏光方向と一致し
ている。一方、±1次回折光は、0次回折光の進行方向
に対して、所定の角度θをなす方向に進む。また、±1
次回折光の偏光方向は入射光の偏光方向に対して直交し
ている。オフ状態における各領域の配置のピッチ(空間
周期)をd、光の波長をλとすると、これらと上記角度
θとの関係は、以下の式(1)によって表される。
【0073】d=λ/sinθ …(1)
【0074】上記式(1)より、所望の角度θに応じて
各領域の配置のピッチdを決定することができる。
【0075】なお、磁化設定要素における磁化の方向が
上向きの領域と磁化設定要素における磁化の方向が下向
きの領域は、それぞれ1列の磁化設定要素によって形成
してもよいし、複数列の磁化設定要素によって形成して
もよい。
【0076】ここで、図7を参照して、オフ状態におけ
る磁化設定層11が回折格子として作用することについ
て詳しく説明する。図7は、オフ状態における磁化設定
層11の状態と磁化設定層11を通過する光の偏光方向
の変化を示している。図7に示した磁化設定層11で
は、磁化設定要素における磁化の方向が上向きの領域4
1aと磁化設定要素における磁化の方向が下向きの領域
41bとが1方向に交互に格子状に配列されている。図
7では、領域41a,41bの配列方向をX方向とし、
領域41a,41bの長手方向をY方向とし、X方向お
よびY方向に直交する方向をZ方向としている。
【0077】ここで、磁化設定層11にY方向に直線偏
光した光が入射するものとする。図7において、符号5
1A,51Bは、それぞれ、領域41a,41bに入射
する光を表している。一点鎖線の楕円内の矢印は、偏光
方向を表している。領域41a,41bを通過した後の
光52A,52Bの偏光方向は、ファラデー効果によっ
て、互いに反対方向に所定角度ずつ回転されている。従
って、光52A,52Bには、同じ大きさのY方向の偏
光成分と、互いに反対方向のX方向の偏光成分とが生じ
ている。図7において、符号54Aは磁化設定層11の
通過直後の光において正のX方向の偏光成分を有する部
分を表し、符号54Bは磁化設定層11の通過直後の光
において負のX方向の偏光成分を有する部分を表してい
る。
【0078】光52A,52BにおけるY方向の偏光成
分の大きさは等しいので、磁化設定層11を通過した光
のうちの0次回折光にはY方向の偏光成分のみが現れ
る。一方、光52A,52BにおけるX方向の偏光成分
は互いに反対方向になっているので、光52Aのうちの
X方向の偏光成分同士が干渉し、光52BのうちのX方
向の偏光成分同士が干渉する。従って、磁化設定層11
を通過した光の±1次回折光にはX方向の偏光成分のみ
が現れる。
【0079】なお、ここまでは、光が磁化設定層11を
1回通過する場合について説明したが、光が磁化設定層
11を往復で2回通過する場合は、偏光方向の回転角度
が2倍になるだけで、原理的には上記の説明と同様のこ
とが言える。
【0080】次に、図8ないし図11を参照して、本実
施の形態に係る光変調装置の使用方法と作用の一例につ
いて説明する。図8はオン状態における光変調素子1に
対する入射光と光変調素子1からの出射光の状態を示
し、図9はオン状態における光変調素子1の磁化設定層
11における磁化の状態を示している。また、図10は
オフ状態における光変調素子1に対する入射光と光変調
素子1からの出射光の状態を示し、図11はオフ状態に
おける光変調素子1の磁化設定層11における磁化の状
態を示している。
【0081】本例では、図8および図10に示したよう
に、光変調素子1における光の入射側に、偏光ビームス
プリッタ21を配置している。この偏光ビームスプリッ
タ21は、光変調素子1の入射側の面に対して45°を
なす偏光ビームスプリッタ面21aを有している。この
偏光ビームスプリッタ面21aは、P偏光の光を通過さ
せ、S偏光の光を反射する。P偏光とは偏光方向が入射
面(図8および図10における紙面)に平行な直線偏光
であり、S偏光とは偏光方向が入射面に垂直な直線偏光
である。本例では、偏光ビームスプリッタ21に対し
て、光変調素子1の入射側の面に対して平行な方向よ
り、入射光101としてS偏光の光を入射させる。
【0082】図8および図9に示したオン状態では、S
偏光の入射光101は、偏光ビームスプリッタ面21a
で反射されて、光変調素子1に入射し、磁化設定層11
を通過し、反射層13で反射され、再度、磁化設定層1
1を通過して、偏光ビームスプリッタ21に戻ってく
る。光変調素子1からの戻り光は、偏光方向が回転され
ているため、P偏光成分を有している。このP偏光成分
は、偏光ビームスプリッタ面21aを通過して、オン状
態における出力光102となる。
【0083】図10および図11に示したオフ状態で
は、S偏光の入射光101は、偏光ビームスプリッタ面
21aで反射されて、光変調素子1に入射し、磁化設定
層11を通過し、反射層13で反射され、再度、磁化設
定層11を通過して、光変調素子1より出射される。こ
こで、オフ状態では、光変調素子1より0次回折光11
0と+1次回折光111と−1次回折光112とが出射
される。0次回折光110は、偏光ビームスプリッタ2
1に入射するが、S偏光の光であるため、偏光ビームス
プリッタ面21aで反射される。+1次回折光111と
−1次回折光112は、P偏光の光であるが、入射光の
方向に対して角度θの方向に進み、偏光ビームスプリッ
タ21に入射しない。従って、オフ状態では、偏光ビー
ムスプリッタ面21aを通過して出射される出力光はな
い。
【0084】以上説明したように、本実施の形態に係る
光変調装置では、磁化設定層11の状態をオン状態とオ
フ状態とに切り替えることにより、出射光の進行方向を
切り替えることができ、これにより、容易に光の強度を
変調することができる。
【0085】本実施の形態に係る光変調装置では、オフ
状態における光変調素子1の出射光のうちの0次回折光
の偏光方向は、オン状態における光変調素子1の出射光
の偏光方向とは異なっているので、オフ状態における上
記0次回折光とオン状態における光変調素子1の出射光
とを、図8および図10に示した偏光ビームスプリッタ
21等によって容易に確実に分離することができる。従
って、本実施の形態に係る光変調装置によれば、100
dB以上の消光比を得ることが可能である。
【0086】また、本実施の形態に係る光変調装置は、
オン状態における光変調素子1の出射光と、オフ状態に
おける光変調素子1からの±1次回折光とを用いて、光
変調素子1の出射光の進行方向を切り替えることができ
るので、光路を切り替える光スイッチとしても利用する
ことができる。
【0087】なお、本実施の形態において、磁化設定層
11のうち、オフ状態において磁化を上向きとする領域
と磁化を下向きとする領域のうちの一方の領域のみを、
イオン打ち込み等の方法によって他方の領域よりも高い
保磁力となるようにしておき、オン状態とオフ状態とで
磁化の方向が反転しないようにしてもよい。この場合に
は、他方の領域のみが、オン状態とオフ状態とで磁化の
方向が反転することになる。
【0088】本実施の形態におけるその他の構成、作用
および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0089】なお、本発明は、上記実施の形態に限定さ
れず、種々の変更が可能である。例えば、薄膜コイル1
2は複数の層で構成してもよい。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし1
1のいずれかに記載の光変調装置によれば、駆動手段に
よって磁界発生素子を駆動して、磁化設定層の各磁化設
定要素における磁化の状態を切り替えることによって光
を変調するようにしたので、構造が簡単で、動作速度の
大きな光変調装置を実現することができるという効果を
奏する。
【0091】また、請求項2記載の光変調装置によれ
ば、駆動手段は、磁化設定層を、磁化設定要素における
磁化の方向が所定の一方向に揃った第1の状態と、磁化
設定要素における磁化の方向が第1の状態における磁化
の方向とは異なる方向に揃った第2の状態とに切り替え
るようにしたので、第1の状態と第2の状態とで出射光
の偏光方向を切り替えることができ、2つの状態におけ
る出射光を偏光方向の違いによって分離することによ
り、容易に光を変調することができるという効果を奏す
る。
【0092】また、請求項3記載の光変調装置によれ
ば、駆動手段は、磁化設定層を、磁化設定要素における
磁化の方向が一方向に揃った第1の状態と、磁化設定要
素における磁化の方向が互いに異なる2種類の領域が交
互に格子状に配列された第2の状態とに切り替えるよう
にしたので、第1の状態と第2の状態とで、出射光の進
行方向を切り替えることができ、これにより、容易に光
の強度を変調することができるという効果を奏する。
【0093】また、請求項5または6記載の光変調装置
によれば、磁界発生素子は、磁化設定層における光の入
射する面とは反対側の面に隣接するように配置され、光
変調装置は、更に、磁化設定層と磁界発生素子との間に
設けられ、光を反射する反射層を備えているので、磁界
発生素子が変調される光に影響を与えることがないとい
う効果を奏する。
【0094】また、請求項6記載の光変調装置によれ
ば、磁界発生素子は2つの導電路を介して通電されるこ
とにより磁界を発生し、反射層は、導電性を有し、一方
の導電路を兼ねているので、光変調装置の構造を簡単に
することができるという効果を奏する。
【0095】また、請求項8記載の光変調装置によれ
ば、更に、軟磁性材料よりなり、磁化設定層における磁
界発生素子とは反対側の面に隣接するように設けられ、
磁界発生素子によって発生される磁界に対応する磁路の
一部を形成する軟磁性層を備えたので、磁界発生素子に
よって発生される起磁力を有効に、磁化設定要素におけ
る磁化の設定のために利用することができるという効果
を奏する。
【0096】また、請求項9記載の光変調装置によれ
ば、更に、軟磁性材料よりなり、磁界発生素子における
磁化設定層とは反対側に配置され、磁界発生素子によっ
て発生される磁界に対応する磁路の一部を形成する磁路
形成部を備えたので、磁界発生素子によって発生される
起磁力を有効に、磁化設定要素における磁化の設定のた
めに利用することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る光変調装置の
構成の概略を示す説明図である。
【図2】図1における光変調素子の要部を示す断面図で
ある。
【図3】本発明の第1の実施の形態における薄膜コイル
の平面図である。
【図4】図2に示した磁化設定層における印加磁界と磁
化との関係を表す磁気ヒステリシス曲線を示す特性図で
ある。
【図5】図2に示した軟磁性層における印加磁界と磁化
との関係を表す磁気ヒステリシス曲線を示す特性図であ
る。
【図6】1次元磁性フォトニック結晶の構造を示す説明
図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る光変調装置の
作用を説明するための説明図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る光変調装置の
オン状態における光変調素子に対する入射光と光変調素
子からの出射光の状態を示す説明図である。
【図9】図8に示したオン状態における光変調素子の磁
化設定層における磁化の状態を示す説明図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る光変調装置
のオフ状態における光変調素子に対する入射光と光変調
素子からの出射光の状態を示す説明図である。
【図11】図10に示したオフ状態における光変調素子
の磁化設定層における磁化の状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1…光変調素子、2…駆動部、3…制御部、11…磁化
設定層、12…薄膜コイル、13…反射層、14…端
子、15…磁路形成部、16…絶縁層、17…軟磁性
層。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H079 AA03 BA02 DA13 DA22 EB18 HA15 KA05 KA06 2K002 AB04 AB09 BA11 CA02 GA10 HA09

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光磁気材料よりなり、それぞれ独立に磁
    化の方向が設定され、磁気光学効果により、入射する光
    に対して磁化の方向に応じた偏光方向の回転を与える複
    数の磁化設定要素を含む磁化設定層と、 前記磁化設定層の各磁化設定要素に対応するように設け
    られ、各磁化設定要素における磁化の方向を独立に設定
    するための磁界を発生する複数の磁界発生素子と、 入射光を変調して出射するために、前記磁界発生素子を
    駆動して、前記磁化設定層の各磁化設定要素における磁
    化の状態を切り替える駆動手段とを備えたことを特徴と
    する光変調装置。
  2. 【請求項2】 前記駆動手段は、前記磁化設定層を、磁
    化設定要素における磁化の方向が所定の一方向に揃った
    第1の状態と、磁化設定要素における磁化の方向が前記
    第1の状態における磁化の方向とは異なる方向に揃った
    第2の状態とに切り替えることを特徴とする請求項1記
    載の光変調装置。
  3. 【請求項3】 前記駆動手段は、前記磁化設定層を、磁
    化設定要素における磁化の方向が一方向に揃った第1の
    状態と、磁化設定要素における磁化の方向が互いに異な
    る2種類の領域が交互に格子状に配列された第2の状態
    とに切り替えることを特徴とする請求項1記載の光変調
    装置。
  4. 【請求項4】 前記磁界発生素子は薄膜コイルであるこ
    とを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の光
    変調装置。
  5. 【請求項5】 前記磁界発生素子は、前記磁化設定層に
    おける光の入射する面とは反対側の面に隣接するように
    配置され、光変調装置は、更に、前記磁化設定層と前記
    磁界発生素子との間に設けられ、光を反射する反射層を
    備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに
    記載の光変調装置。
  6. 【請求項6】 前記磁界発生素子は2つの導電路を介し
    て通電されることにより磁界を発生し、前記反射層は、
    導電性を有し、一方の導電路を兼ねていることを特徴と
    する請求項5記載の光変調装置。
  7. 【請求項7】 前記磁化設定層は、更に、隣接する磁化
    設定要素の境界位置に設けられ、磁壁の移動を抑止する
    磁壁移動抑止部を含むことを特徴とする請求項1ないし
    6のいずれかに記載の光変調装置。
  8. 【請求項8】 更に、軟磁性材料よりなり、前記磁化設
    定層における前記磁界発生素子とは反対側の面に隣接す
    るように設けられ、前記磁界発生素子によって発生され
    る磁界に対応する磁路の一部を形成する軟磁性層を備え
    たことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載
    の光変調装置。
  9. 【請求項9】 更に、軟磁性材料よりなり、前記磁界発
    生素子における前記磁化設定層とは反対側に配置され、
    前記磁界発生素子によって発生される磁界に対応する磁
    路の一部を形成する磁路形成部を備えたことを特徴とす
    る請求項1ないし7のいずれかに記載の光変調装置。
  10. 【請求項10】 前記磁化設定層は磁性ガーネット薄膜
    によって形成されていることを特徴とする請求項1ない
    し9のいずれかに記載の光変調装置。
  11. 【請求項11】 前記磁化設定層は1次元磁性フォトニ
    ック結晶によって形成されていることを特徴とする請求
    項1ないし9のいずれかに記載の光変調装置。
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