JP2001349893A - 免疫測定試薬 - Google Patents

免疫測定試薬

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JP2001349893A
JP2001349893A JP2000170783A JP2000170783A JP2001349893A JP 2001349893 A JP2001349893 A JP 2001349893A JP 2000170783 A JP2000170783 A JP 2000170783A JP 2000170783 A JP2000170783 A JP 2000170783A JP 2001349893 A JP2001349893 A JP 2001349893A
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antigen
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protein
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JP2000170783A
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English (en)
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Takayuki Akamine
隆之 赤峰
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料中に超微量存在する抗原を高感度かつ特
異的に測定することができると共に、B/F分離を必要
とせず汎用自動分析装置によって簡便に測定を行うこと
ができる免疫測定試薬を提供する。 【解決手段】 試料中の測定対象物質である抗原の量を
測定するための免疫測定試薬であって、前記抗原に対す
る抗体及び抗酵素抗体が結合されており、かつ抗体のF
c部分と特異的に結合できるタンパク質からなる担体
と、前記抗酵素抗体により活性が阻害される酵素と、前
記酵素の基質とを含むことを特徴とする免疫測定試薬。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、測定対象物質を高
感度かつ特異的に測定し得る免疫測定試薬に関する。
【0002】
【従来の技術】臨床検査の分野では、生体試料(血液、
尿など)を用いて種々の疾患の診断を行っているが、こ
れらを診断する方法として、種々の測定法が開発され利
用されている。これらの測定法の代表的方法として、酵
素反応を利用する生化学測定法や抗原抗体反応を利用す
る免疫測定法が挙げられる。近年においては、生体試料
中の成分を精度良く測定することが望まれ、特異性の高
い抗原抗体反応を利用した免疫測定法が盛んに用いられ
ている。
【0003】免疫測定法としては、免疫比濁法(TIA
法)、ラテックス比濁法(LIA法)、酵素免疫測定法
(EIA法)、放射免疫測定法(RIA法)などが挙げ
られ、目的に応じて使い分けされている。すなわち、生
体試料中に含まれている成分の量が比較的多い場合は、
TIA法やLIA法が使用されている。TIA法やLI
A法では、測定される生体試料中の成分としては、例え
ば、C反応性タンパク質(CRP)、抗ストレプトリジ
ン−O抗体(ASO)、フィブリン分解産物(FDP)
などが挙げられ、生体試料中の濃度として、数ng/m
l以上の場合に用いられる。これに対して、生体試料中
に含まれる成分の量が微量の場合は、EIA法やRIA
法が使用され、測定する生体試料中の成分としては、例
えば、αフェトプロティン(AFP)に代表される癌マ
ーカーやインシュリンに代表されるホルモンなどが挙げ
られ、生体試料中の濃度として、数ng/ml以下の場
合に用いられる。
【0004】さらに、近年、生体試料中の微量成分の測
定が重要視され、EIA法やRIA法などが益々利用さ
れてきている。しかしながら、TIA法やLIA法では
測定に要する時間が短く、操作が簡便で種々の自動分析
装置(以下、汎用自動分析装置という)へ適用可能であ
るのに比べ、EIA法やRIA法では反応時間が長く、
操作法が煩雑で、かつ使用する酵素や放射性同位元素の
種類が多岐にわたる。従って、EIA法やRIA法は、
特定の自動分析装置(以下、専用自動分析装置という)
においてのみ用いられることが多く、RIA法に至って
は放射性同位元素を利用するため特定の施設が必要とい
うような種々の問題がある。
【0005】近年、生体試料中の微量成分の測定におい
ては、癌などの早期発見やエイズウイルスなどの感染初
期を診断するため、超微量でも測定できる方法が要望さ
れている。超微量測定が可能な手段としては、LIA法
やEIA法の変法または改良法など測定法自体の精度を
上げる手段と、LIA法やEIA法などは従来からの方
法で測定に使用する装置の性能を上げる手法に大別さ
れ、一部実用化されている。
【0006】測定法自体の精度を上げる手法としては、
LIA法の不溶性担体を着色する方法(特開平1−21
4760号公報)、EIA法の抗原または抗体を標識す
る物質として酵素の代わりに、発光物質を利用する方法
(特開平5−34346号公報)などが挙げられる。ま
た、装置の性能を上げる手法として、特開平3−167
475号公報に提案される方法がある。
【0007】しかしながら、これらのいずれの手法にお
いても、汎用自動分析装置への適用は不可能であり、専
用自動分析装置が必要という問題は解決されていない。
専用自動分析装置が必要な理由は、上述のように、EI
A法やRIA法に代表される微量成分の測定法では、反
応時間、操作法、使用する酵素や放射性同位元素の種類
などが測定法により種々異なることによる。さらに、こ
れら以外の大きな理由として、現在、開発または上市さ
れている微量成分の測定法では、B/F分離と呼ばれる
操作(Bは免疫反応等により結合した成分、Fは未反応
の成分)が必ず必要であるため、B/F分離操作のでき
ない汎用自動分析装置へは適用できず、B/F分離操作
のできる専用自動分析装置が必要となってくることによ
るものである。
【0008】最近、特開平5−249112号公報、特
開平7−179495号公報などにみられるように、B
/F分離の不必要な測定法も提案、開発されている。し
かしながら、感度不足や、測定時間が長いなどの問題に
より、専用自動分析装置が必要となったり、一部の汎用
自動分析装置にしか適用できないなどの問題がある。
【0009】一方、臨床検査の現場においては、超微量
分析を行うには高価な専用自動分析装置が必要で、かつ
設置場所を確保しなければならないため、汎用自動分析
装置による超微量成分の測定を望む声が大きい。
【0010】以上のように、現在、開発または上市され
ている超微量成分の測定は、ユーザーの強い要望がある
にもかかわらず、B/F分離操作が必要なため、専用自
動分析装置での測定に限られているという大きな問題点
がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術の問題点を解決するものであり、その目的は、試
料中に超微量存在する抗原を高感度かつ特異的に測定す
ることができると共に、B/F分離を必要とせず汎用自
動分析装置によって簡便に測定を行うことができる免疫
測定試薬を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
試料中の測定対象物質である抗原の量を測定するための
免疫測定試薬であって、前記抗原に対する抗体及び抗酵
素抗体が結合されており、かつ抗体のFc部分と特異的
に結合できるタンパク質からなる担体と、前記抗酵素抗
体により活性が阻害される酵素と、前記酵素の基質とを
含むことを特徴とする免疫測定試薬である。
【0013】請求項2記載の発明は、前記抗体のFc部
分と特異的に結合できるタンパク質が、プロテインAお
よび/またはプロテインGである請求項1記載の免疫測
定試薬である。
【0014】以下、本発明の詳細を説明する。
【0015】本発明により測定される測定対象物質とし
ては、生体試料中の抗原が挙げられ、例えばB型もしく
はC型肝炎由来抗原;HIV抗原;梅毒由来抗原;α−
フェトプロティンに代表される癌マーカー;インシュリ
ンに代表されるホルモン;オータコイドなどが挙げられ
るが、特にこれらに限定されるものではない。
【0016】本発明の免疫測定試薬において担体に結合
される抗体は、上記の測定対象物質の種類に応じて適宜
選択される。ただし、ポリクローナル抗体またはモノク
ローナル抗体の抗体種、あるいは由来の動物種等につい
ては特に限定されるものではない。
【0017】本発明に用いられる担体は、抗体のFc部
分と特異的に結合するタンパク質からなる。この様なタ
ンパク質を用いることにより、上記抗体及び後述の抗酵
素抗体を高い配向性でもって、Fc部分が表面に露出さ
れない状態で担体に結合させることができるので、非特
異反応を抑制することができる。
【0018】この様なタンパク質の中でも特に水溶性の
ものを用いるのが好ましい。具体的には、例えば、プロ
テインAやプロテインGが挙げられる。ただし、これら
のみに限定されるものではない。プロテインAやプロテ
インGは、天然物から得られたもの、遺伝子工学的手法
により得られたものの何れでもよいが、通常は遺伝子工
学的手法により得られたものを用いる。また、プロテイ
ンAまたはプロテインGの一方だけを用いてもよいし、
両者を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0019】抗酵素抗体は、後述の酵素に対する抗体で
あり、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体のいず
れの抗体種であってもよい。また、抗酵素抗体の製造方
法についても、公知の適宜の方法を用いることができ
る。ポリクローナル抗体の場合には、ウサギ、山羊、綿
羊などの動物に、使用する酵素を免疫して抗酵素抗体を
産生すればよい。モノクローナル抗体についても公知の
適宜の方法を用いて得ることができる。
【0020】上記のようにして得られた抗酵素抗体につ
いては、公知のクロマトグラフィーなどにより適宜精製
してもよい。場合によっては、特別の精製を行うことな
く得られた抗酵素抗体を用いてもよい。
【0021】上記抗体及び抗酵素抗体を担体に結合させ
る方法としては、使用する抗体及び抗酵素抗体の種類に
より異なるが、通常、抗体を含む溶液と抗酵素抗体を含
む溶液を、同時あるいは順次、担体を含む溶液に添加、
攪拌することにより、生物学的吸着によって抗体と抗酵
素抗体とを担体に結合させることができる。
【0022】前記結合反応時のpHは3〜10、液温は
2〜50℃とするのが好ましい。これは、pHがこの範
囲を外れると担体や抗体が変性してしまう問題があるた
めであり、また、温度については、2℃未満であると反
応速度が低下し所望の感度を有するものが得られにくく
なり、50℃を超えると、抗体や担体が変性してしまう
問題があるためである。
【0023】本発明に用いられる上記酵素としては、基
質と反応して吸光度変化を生じるものであれば特に限定
されない。例えば、パーオキシターゼ、アルカリフォス
ファターゼ、β−ガラクトシダーゼなどを例示すること
ができる。酵素には、天然物から得られたもの、あるい
は遺伝子工学的手法により得られたものなどがあるが、
いずれも使用可能である。通常、天然物から得られた酵
素を用いればよい。
【0024】上記酵素を測定に使用するに際しては、適
当な緩衝液などで希釈して用いる。緩衝液としては、特
に限定されず、例えば、リン酸緩衝液、トリス緩衝液、
グリシン緩衝液、Good緩衝液などが挙げられる。こ
れらの緩衝液は、使用する酵素や基質の特性を考慮して
適宜選択すればよい。
【0025】上記酵素を緩衝液に希釈した場合の使用時
の酵素の濃度については、0.001〜10IU/ml
が好ましいが、使用する酵素の種類により異なるため、
この範囲に限定されるものではない。
【0026】次に、本発明で用いられる基質は、使用す
る酵素と反応して吸光度変化を生じるものであれば、適
宜の基質が用いられる。例えば、酵素としてパーオキシ
ターゼを用いる場合には、基質として、o−フェニレン
ジアミンやピロガロールおよびトリンダー試薬、酵素と
してアルカリフォスファターゼを使用する場合には、基
質として、p−ニトロフェニルリン酸、酵素としてβ−
ガラクトシダーゼを用いる場合には、基質としてo−ニ
トロフェニル−β−D−ガラクトピラノシドなどが挙げ
られるが、特にこれらに限定されず、目的及び用途等に
応じて適宜選択すればよい。
【0027】上記基質は、通常、化学合成により製造さ
れたもの、あるいは市販されているものを用いる。測定
に使用するに際しては、基質を適当な緩衝液などに溶解
あるいは希釈して用いる。緩衝液としては、例えば、リ
ン酸緩衝液、トリス緩衝液、グリシン緩衝液、Good
緩衝液などが挙げられるが、特に限定されない。使用す
る酵素や基質の特性を考慮し、適宜の緩衝液を選択すれ
ばよい。
【0028】基質の使用時の濃度については、0.1〜
1000mMが好ましいが、特にこの範囲に限定される
わけではない。
【0029】[作用]本発明に係る免疫測定試薬を用い
た場合には、先ず、生体試料中の測定対象物質である抗
原に対する抗体と抗酵素抗体とが結合された担体と、測
定試料とが混合されることにより、抗体と試料中の抗原
とが反応し、凝集反応が生じる。この凝集反応の結果、
立体障害が起き、不溶性担体上の抗酵素抗体が失活し、
酵素阻害作用は弱まる。
【0030】すなわち、酵素阻害作用は、抗原抗体反応
の凝集の度合いに応じて弱くなる。次に、第2の反応と
して、抗酵素抗体が、その活性に応じて酵素の働きを阻
害するので、系中に存在する酵素は、抗酵素抗体の活性
に応じて失活する。
【0031】最後に、第3の反応として、基質を添加す
ることより、酵素と基質の反応により発色するので、そ
の度合いを測定することにより、測定対象物質である抗
原の量を検出することができる。
【0032】本発明においては、上記第1〜第3の反応
が、いずれも、生体試料中の抗原の量に依存した反応で
あるため、LIA法に比べて高感度に抗原を測定するこ
とができ、さらに煩雑なB/F分離を省略することがで
きる。
【0033】なお、上記第1〜第3の反応は、別段階で
行われる必要はなく、従って前記測定試薬についても、
3種類に分けておく必要はなく、適当な条件を選ぶこと
により、1または2種類の試薬の組み合わせとしてもよ
く、あるいは3種類以上の試薬の組み合わせとしてもよ
い。
【0034】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例及び比較例
を挙げることにより、本発明をより詳細に説明する。
【0035】[実施例1]試薬及び材料 担体:プロテインA(遺伝子組み換えタンパク質、和光
純薬社製) 担体溶解用緩衝液:50mMの第1リン酸ナトリウムと
50mMの第2リン酸ナトリウムをpH7.0となるよ
うに混合したもの 抗ヒトHBs抗原ウサギ抗体:ウサギ血清からアフィニ
ティカラムにより特異的イムノグロブリン分画にまで精
製したもの 抗体希釈用緩衝液:上記担体溶解用緩衝液に同じ 抗西洋ワサビペルオキシダーゼポリクローナル抗体:モ
ルモット血清から硫安沈殿によりイムノグロブリン分画
にまで精製したもの 酵素液(R3液):西洋ワサビペルオキシダーゼ(25
7U/ml、東洋紡社製)を上記担体溶解用緩衝液にて
5U/mlに希釈したもの 基質液(R4液):1mM N−エチル−N−(2−ヒ
ドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシ
アニリン(同仁化学社製)、1mM 4−アミノアンチ
ピリン(和光純薬社製)、20mM過酸化水素水(三徳
化学社製)を等量混合したもの 検体希釈用緩衝液(R1液):上記担体溶解用緩衝液
に、ウシ血清アルブミン(Fraction V、Miles Corp. 社
製)を1%(w/v)になるように添加したものに、ポ
リエチレングリコール6000(平均分子量7500、
和光純薬社製)を1%(w/v)になるように添加した
もの 標準HBs抗原:HBs抗原を0、10、25、50、
75、100IU/ml濃度で含むヒト血清 HBs抗原陽性血清:10IU/ml付近の力価を持つ
HBs抗原陽性ヒト血清 HBs抗原陰性血清:正常ヒト血清
【0036】プロテインA試薬の調製 プロテインA50mgを担体溶解用緩衝液10mlに溶
解させ、プロテインA溶液(5mg/ml)を得た。抗
ヒトHBs抗原ウサギ抗体及び抗西洋ワサビペルオキシ
ダーゼポリクローナル抗体については、それぞれタンパ
ク質濃度が100μg/mlとなるように上記抗体希釈
用緩衝液で希釈し、抗体液とした。上記プロテインA溶
液(5mg/ml)800μlを25℃のインキュベー
タ中でマグネチックスターラーを用いて攪拌しつつ、こ
こに、上記2種の抗体液を、それぞれ100μlずつ素
早く添加し、25℃で1時間攪拌した。
【0037】次に、混合液をゲル濾過用カラム(HiP
rep 16/60 Sephacryl S−300 H
R、ファルマシア社製)にアプライし、未結合の抗体及
び担体と抗体の結合した担体とに分離した。
【0038】検量線の作成 上記プロテインA試薬と、酵素液及び基質液からなる本
発明の免疫測定試薬を用い、日立製作所製、生化学用自
動分析装置7170型を用い、以下の要領で標準HBs
抗原の測定を行った。上記自動分析装置における測定に
際しては、で得られたプロテインA試薬をそのままR
2液とした。測定条件は以下のとおりである。
【0039】 検体容量 20μl 検体希釈用希釈液(R1液) 180μl プロテインA試薬(R2液) 20μl 酵素液(R3液) 20μl 基質液(R4液) 20μl 測定波長 570nm 測定温度 37℃ 試薬の投入順序は、自動分析装置のセルに入れた検体に
R1液を投入し、1分後にR2液、その4分後にR3
液、その5分後にR4液を投入した。基質液(R4液)
を添加してから約75秒後の吸光度と、約730秒後の
吸光度の差(ΔOD570nm)を測定した。この吸光
度の差を10,000倍したものを吸光度変化量とし
た。標準HBs抗原の力価と、上記吸光度変化量との関
係による検量線を求め、図1に示した。図1において、
縦軸は570nmにおける上記吸光度変化量を、横軸は
血清中のHBs抗原力価(IU/ml)を示す。
【0040】HBs抗原陽性血清の測定 の検量線の作成の項における検体として、標準HBs
抗原液20μlの代わりに、HBs抗原陽性血清20μ
lを用いたことを除いては、と同様にして吸光度変化
量を求めた。得られた吸光度変化量を上記検量線に当て
はめ、HBs抗原陽性血清中のHBs抗原力価を求め
た。なお、HBs抗原陽性血清としては、6種の検体
(検体A〜F)を用意し、各検体について測定を5回繰
り返し、その平均値と変動係数(CV)(%)とを求め
た。結果を下記の表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】HBs抗原陰性血清の測定 上記検量線の作成の項における検体として、標準HB
s抗原液20μlの代わりに、HBs抗原陰性血清20
μlを用いたことの他は、項と同様にして吸光度変化
を求めた。得られた吸光度変化量を上記検量線に当ては
めて、HBs抗原陰性血清中のHBs抗原力価を求め
た。なお、HBs抗原陰性血清としては、50検体につ
いて測定し、力価が2.0を超えるものと超えないもの
の割合を求めた。結果を表2に示した。
【0043】
【表2】
【0044】[比較例1]試薬及び材料 ラテックス:10%(w/v)ポリスチレンラテックス
(粒径0.05μm、積水化学工業社製) ラテックス希釈用緩衝液:50mMの第1リン酸ナトリ
ウムと50mMの第2リン酸ナトリウムをpH7.0と
なるように混合したもの 抗ヒトHBs抗原ウサギ抗体:ウサギ血清からアフィニ
ティカラムにより特異的イムノグロブリン分画にまで精
製したもの 抗体希釈用緩衝液:上記ラテックス希釈用緩衝液に同じ 抗西洋ワサビペルオキシダーゼポリクローナル抗体:モ
ルモット血清から硫安沈殿によりイムノグロブリン分画
にまで精製したもの 酵素液(R3液):西洋ワサビペルオキシダーゼ(25
7U/ml、東洋紡社製)を上記ラテックス希釈用緩衝
液にて5U/mlに希釈したもの 基質液(R4液):1mM N−エチル−N−(2−ヒ
ドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシ
アニリン(同仁化学社製)、1mM 4−アミノアンチ
ピリン(和光純薬社製)、20mM過酸化水素水(三徳
化学社製)を等量混合したもの ブロッキング用緩衝液:上記ラテックス希釈用緩衝液に
ウシ血清アルブミン(Fraction V、Miles Corp. 社製)
を1%(w/v)になるように添加したもの 検体希釈用緩衝液(R1液):ブロッキング用緩衝液
に、ポリエチレングリコール6000(平均分子量75
00、和光純薬社製)を1%(w/v)になるように添
加したもの 標準HBs抗原:HBs抗原を0、10、25、50、
75、100IU/ml濃度で含むヒト血清 HBs抗原陽性血清:10IU/ml付近の力価を持つ
HBs抗原陽性ヒト血清 HBs抗原陰性血清:正常ヒト血清
【0045】ラテックス試薬の調製 ポリスチレンラテックス1容に、ラテックス希釈用緩衝
液2容を添加し、3.3%(w/v)ラテックス液を得
た。抗ヒトHBs抗原ウサギ抗体及び抗西洋ワサビペル
オキシダーゼポリクローナル抗体については、それぞれ
タンパク質濃度が100μg/mlとなるように上記抗
体希釈用緩衝液で希釈し、抗体液とした。上記3.3%
ラテックス液300μlを25℃のインキュベータ中で
マグネチックスターラーを用いて攪拌しつつ、ここに、
上記2種の抗体液を、それぞれ100μlずつ素早く添
加し、25℃で1時間攪拌した。
【0046】次に、ブロッキング用緩衝液を0.5ml
添加し、25℃にて1時間攪拌した。しかる後、混合液
を15℃、18,000rpmで20分間遠心分離し
た。得られた沈殿にブロッキング用緩衝液2mlを添加
し、上記と同様にして再度遠心分離し、沈殿を洗浄し
た。この洗浄操作を3回行った。沈殿にブロッキング用
緩衝液2mlを添加し、よく攪拌した後、超音波破砕機
にて分散処理を行い、固形分0.25%(w/v)のラ
テックス試薬を得、4℃で保存した。
【0047】検量線の作成 上記ラテックス試薬と、酵素液及び基質液からなる比較
例1の免疫測定試薬を用い、日立製作所製、生化学用自
動分析装置7170型を用い、以下の要領で標準HBs
抗原の測定を行った。上記自動分析装置における測定に
際しては、で得られた固形分0.25%(w/v)の
ラテックス試薬をそのままR2液とした。測定条件は以
下のとおりである。
【0048】 検体容量 20μl 検体希釈用希釈液(R1液) 180μl ラテックス試薬(R2液) 20μl 酵素液(R3液) 20μl 基質液(R4液) 20μl 測定波長 570nm 測定温度 37℃ 試薬の投入順序は、自動分析装置のセルに入れた検体に
R1液を投入し、1分後にR2液、その4分後にR3
液、その5分後にR4液を投入した。基質液(R4液)
を添加してから約75秒後の吸光度と、約730秒後の
吸光度の差(ΔOD570nm)を測定した。この吸光
度の差を10,000倍したものを吸光度変化量とし
た。標準HBs抗原の力価と、上記吸光度変化量との関
係による検量線を求め、図2に示した。図2において、
縦軸は570nmにおける上記吸光度変化量を、横軸は
血清中のHBs抗原力価(IU/ml)を示す。
【0049】HBs抗原陽性血清の測定 の検量線の作成の項における検体として、標準HBs
抗原液20μlの代わりに、HBs抗原陽性血清20μ
lを用いたことを除いては、と同様にして吸光度変化
量を求めた。得られた吸光度変化量を上記検量線に当て
はめ、HBs抗原陽性血清中のHBs抗原力価を求め
た。なお、HBs抗原陽性血清としては、6種の検体
(検体A〜F)を用意し、各検体について測定を5回繰
り返し、その平均値と変動係数(CV)(%)とを求め
た。結果を上記の表1に示す。
【0050】HBs抗原陰性血清の測定 上記検量線の作成の項における検体として、標準HB
s抗原液20μlの代わりに、HBs抗原陰性血清20
μlを用いたことの他は、項と同様にして吸光度変化
を求めた。得られた吸光度変化量を上記検量線に当ては
めて、HBs抗原陰性血清中のHBs抗原力価を求め
た。なお、HBs抗原陰性血清としては、50検体につ
いて測定し、力価が2.0を超えるものと超えないもの
の割合を求めた。結果を表2に示した。
【0051】表1の結果より、本発明の免疫測定試薬を
用いると、比較例と同程度に、10IU/ml以下の微
量な力価の血清も測定可能であることが分かる。また、
表2の結果より、本発明の免疫測定試薬を用いると、陰
性血清の非特異反応をほとんど無くせることが分かる。
【0052】
【発明の効果】本発明は以上の構成からなるので、試料
中に抗原が微量しか存在しない場合であっても、高感度
に測定することができる。また、煩雑なB/F分離を必
要としないので、汎用自動分析装置にも適用可能な免疫
測定試薬を提供することができる。さらに、測定対象物
質に対する抗体及び抗酵素抗体が高い配向性でもって、
Fc部分が表面に露出されない状態で担体に結合されて
いるので、非特異反応の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で作成された検量線を示す図。
【図2】比較例1で作成された検量線を示す図。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料中の測定対象物質である抗原の量を
    測定するための免疫測定試薬であって、 前記抗原に対する抗体及び抗酵素抗体が結合されてお
    り、かつ抗体のFc部分と特異的に結合できるタンパク
    質からなる担体と、 前記抗酵素抗体により活性が阻害される酵素と、 前記酵素の基質とを含むことを特徴とする免疫測定試
    薬。
  2. 【請求項2】 前記抗体のFc部分と特異的に結合でき
    るタンパク質が、プロテインAおよび/またはプロテイ
    ンGである請求項1記載の免疫測定試薬。
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KR20210093014A (ko) * 2020-01-17 2021-07-27 재단법인대구경북과학기술원 접착성 발색체를 이용한 효소 면역반응 비색 검출 시스템

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210093014A (ko) * 2020-01-17 2021-07-27 재단법인대구경북과학기술원 접착성 발색체를 이용한 효소 면역반응 비색 검출 시스템
KR102292506B1 (ko) 2020-01-17 2021-08-24 재단법인대구경북과학기술원 접착성 발색체를 이용한 효소 면역반응 비색 검출 시스템

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