JP2001349213A - プラズマを用いてパティキュレート物質を反応消滅させるdpf装置 - Google Patents

プラズマを用いてパティキュレート物質を反応消滅させるdpf装置

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JP2001349213A
JP2001349213A JP2000171098A JP2000171098A JP2001349213A JP 2001349213 A JP2001349213 A JP 2001349213A JP 2000171098 A JP2000171098 A JP 2000171098A JP 2000171098 A JP2000171098 A JP 2000171098A JP 2001349213 A JP2001349213 A JP 2001349213A
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electrode
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Hideo Kawamura
英男 河村
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  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
  • Processes For Solid Components From Exhaust (AREA)
  • Filtering Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 このDPF装置は,フィルタで捕集されたパ
ティキュレート物質をプラズマエネルギを利用して反応
消滅させ,フィルタを再生する。 【解決手段】 このDPF装置は,フィルタ3に捕集さ
れたパティキュレート物質を金網4,6間で発生するプ
ラズマエネルギで反応消滅させ,フィルタ3を再生す
る。コントローラ10は,回転センサ18と負荷センサ
19によって検出されたエンジン運転状態の情報に応じ
てプラズマ発生装置のプラズマ電力を制御し,フィルタ
3に捕集されたパティキュレート物質を反応消滅させる
制御を行う。コントローラ10は,タイマ又は圧力セン
サ9,11によって予め決められたパティキュレート物
質の捕集量以上に応答してプラズマ発生装置で発生する
プラズマ電力を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,ディーゼルエン
ジンから排出される排気ガス中のパティキュレートを捕
集してプラズマを利用してパティキュレート物質を反応
消滅させるディーゼルパティキュレートフィルタ装置即
ちDPF装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来,エンジンの排気ガスを処理する排
気ガス処理装置は,排気管に配設したフィルタの面積を
大きく形成すると共にフィルタに対して加熱コイルを取
り付け,排気ガスに含まれるカーボン等のパティキュレ
ート物質をフィルタの前面部に堆積させて捕集し,次い
でフィルタに堆積したカーボンを加熱コイルを通電して
加熱してカーボンを加熱燃焼させて焼却し,フィルタを
再生している。
【0003】例えば,実開平1−144427号公報に
開示されたディーゼルパティキュレートフィルタ装置
は,排気ガスをフィルタ本体に通し,該フィルタ本体で
排気ガス中のカーボン,スモーク等のパティキュレート
を捕集し,フィルタ本体にパティキュレートが堆積して
目詰まりした場合に,フィルタ本体に排気ガスを流すの
を遮断し,別のフィルタ本体に排気ガスを流すように切
り換え,目詰まりしたフィルタ本体の下流側から空気を
送り込み,フィルタ本体を加熱して目詰まりしているパ
ティキュレートを焼却するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ディーゼルエンジンか
ら排出される排気ガス中には,カーボン,未燃燃料,H
C,SOX 等のパティキュレート物質即ちSPMが含ま
れているが,SPMは,カーボン,炭化水素,SOX
の合成物であり,その大きさは,極めて大きい粒子から
小さいもの,具体的には,40μm〜0.1μmの粒径
の範囲であり,20μm程度のものが多く,これらのサ
イズのものが排気ガス中に分散している。特に,SPM
のサイズ中で,2.5μm以下の小さい粒径のものが,
環境上,喘息等人体に悪影響を与えるということで問題
とされている。
【0005】しかしながら,ディーゼルパティキュレー
トフィルタ装置即ちDPF装置で微粒子のSPMを捕集
する場合に,微粒子が繊維フィルタの繊維間の交差空間
を通り抜けて排出される恐れがあり,これらのフィルタ
によって完全に全ての微粒子を捕集することが極めて困
難である。そこで,これらの粒子径の小さなSPMをく
まなくを捕集することが,大気汚染を防止する上からも
大きな課題になっている。
【0006】また,DPF装置で捕集されたSPMは,
酸素が存在して約550〜600℃以上に加熱される
と,酸素と反応して容易に燃焼して焼却させることがで
きる。そこで,DPF装置には,フィルタ本体で捕集さ
れたSPMを加熱焼却してフィルタ本体を再生できる機
能を有する必要がある。フィルタ本体を再生するため,
フィルタ本体に排気ガスを流しながら金網に通電し,S
PMの燃焼状態に温度を昇温することが考えられる。し
かしながら,排気ガスの温度が低い状態ではSPMを燃
焼状態にすることは極めて困難である。また,フィルタ
をセラミックス繊維で作製した場合には,SPMが繊維
間に堆積される。セラミック繊維がランダムに積層され
たフィルタ用繊維間に堆積したSPMは三次元的に堆積
しているので,SPM間の隙間に堆積物が形成され易
く,繊維材の間を通って排気ガスが通過し易く,排気ガ
スに含まれている空気によってSPMの堆積物が着火燃
焼すると部分的に異常燃焼することになる。
【0007】ところで,プラズマは,放電電流であり,
気体間を自由に運動する正,負の荷電粒子群によってで
きる現象である。この正負の電子が物体と衝突した場
合,物質中の電子の励起又は離散によって物質はラジカ
ル化し,分離又は反応し易くなる。そこで,DPF装置
を,通電性のないセラミックス繊維を積層したフィルタ
本体とその両側に金網製の保持材とで構成し,全体とし
て襞状に折り曲げた筒体構造に形成し,更に,フィルタ
本体の両側の金網を電極に構成し,金網に高周波で高電
圧を負荷すると,両電極間にプラズマを発生させること
ができることになる。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は,上記
の問題を解決することであり,フィルタを構成するセラ
ミック繊維等の材料から構成したフィルタ本体をその両
側から金網で挟持し,フィルタ本体の両側の金網を電極
に構成し,エンジンの運転状態に応じて電極間に高周波
又は直流で高電圧を負荷させてプラズマを発生させ,プ
ラズマエネルギを利用してフィルタに捕集されている微
粒子等のパティキュレート物質即ちSPMを反応消滅さ
せるディーゼルパティキュレートフィルタ装置即ちDP
F装置を提供することである。
【0009】この発明は,エンジンから排出される排気
ガスが流れる排気管に組み込まれたケーシング内に配置
され且つ前記排気ガス中のパティキュレート物質を捕集
する非導電性セラミックス繊維製フィルタ,前記フィル
タの両面にそれぞれ配置された電気的に互いに絶縁され
た上流側と下流側との電極,前記電極間に高周波の断続
電流を高電圧で断続的に印加して前記電極間に高周波プ
ラズマを発生させるプラズマ発生装置,エンジン運転状
態を検出するセンサ,及び前記フィルタに捕集された前
記パティキュレート物質を前記プラズマによって反応消
滅させるため,前記センサによって検出された前記エン
ジン運転状態に応じて前記電極間に定電圧とパルス電圧
との繰り返しのプラズマ電力を制御するコントローラ,
から成るDPF装置に関する。
【0010】前記コントローラは,タイマによって予め
決められた所定の時間経過したこと及び/又は前記フィ
ルタに設けた圧力センサによって検出された前記パティ
キュレート物質が予め決められた捕集量以上に捕集され
たことに応答して前記プラズマ発生装置で発生する前記
プラズマ電力を制御するものである。
【0011】前記プラズマの発生によって前記フィルタ
に捕集された前記パティキュレート物質のカーボンが導
電体となり,前記導電体に前記パルス電圧による周波数
の変化によって誘電現象が発生し,前記誘電現象が高周
波振動によって前記カーボンが昇温し,燃焼焼却され
る。
【0012】前記フィルタに捕集されたすすが前記プラ
ズマによって発生する電子の衝突によって酸素と前記パ
ティキュレート物質がラジカル状態になり,その補助作
用によって前記パティキュレート物質が酸化反応して消
滅される。また,エンジン低負荷時には,前記上流側電
極に負電位をかけ,前記電極とその近傍をイオン化して
前記パティキュレート物質を帯電させ,そのイオン化に
より吸着された前記排気ガス中のすす即ちパティキュレ
ート物質とHCが高周波電源によって発生する前記プラ
ズマによる電子衝突によってパティキュレート物質とH
Cが酸化反応して消滅される。
【0013】前記フィルタを構成するフィルタ本体は,
セラミックス繊維材をランダムに積層してマット状積層
板状に形成されている。また,前記電極を構成する金網
は,絶縁性と耐久性を向上させるためジルコニア(Zr
2 ),アルミナ(Al2 3 ),窒化ケイ素(Si3
4 ),炭化ケイ素(SiC)等のセラミックスのコー
ティングやホウロウ処理によって絶縁的に被覆されてい
る。
【0014】また,前記フィルタは,積層された繊維フ
ィルタを襞状に折り曲げて全体として環状フィルタに形
成され,前記排気ガスが前記環状フィルタの外周側から
内周側へ送り込まれる。更に,前記プラズマ発生装置に
よって前記上流側電極と前記下流側電極とに印加する高
周波及び/又は直流の高電圧を発生させる電源は,前記
エンジンに設けられた発電機で発電された電力が使用さ
れる。
【0015】このDPF装置は,上記のように構成され
ているので,金網間に定電圧を印加してパティキュレー
ト物質に電荷を与えると,電荷によって吸着性が良くな
り,フィルタ又は金網に付着される。その状態で高周波
及び/又は高電圧の電源を負荷すると,フィルタに捕集
されたパティキュレート物質のカーボンが導電体とな
り,高電圧のパルス電圧による誘導電力により,導電体
に誘電現象が発生し,誘電現象が高周波振動によってカ
ーボンが昇温して排気ガス中の酸素と反応し消滅する。
【0016】このDPF装置は,繊維材から成るフィル
タの両側に電極を配置し,電極間に定電圧(例えば,3
0V→90V)をかけて,カーボン等のパティキュレー
ト物質に電荷を与える。更に,このDPF装置では,高
周波プラズマを電圧200V〜3000Vに設定し,1
MHZ 〜15MHZ 程度の周波数で発振させる。この
時,上流側の電極を−,下流側の電極を+にし,カーボ
ンに−の電荷を持たせると,排気ガスの流れが存在して
いても,下流側の電極に付着し,更に高周波,高電圧の
電流によって発生する電子励起により,カーボンがプラ
ズマによってラジカル(フリーラジカル,遊離基)状態
にされる。即ち,電極間に交流電圧,即ち,高周波のパ
ルス電圧をかけてフィルタ中にプラズマを発生させる
と,電子は混乱してパティキュレート物質の分子に衝突
し,励起,解離が進み,パティキュレート物質が不安定
状態のラジカルになり,同様に酸素分子もラジカルにな
る。そこで,C,H2 がラジカル状態になると,排気ガ
ス中に含まれるO2 と酸化反応し,CO2 ,H2 Oにな
る。
【0017】即ち,プラズマ雰囲気では,エネルギ密度
が高いので,C,HCはラジカル状態になって下記の反
応を容易に行うことができる。Cは電子を受けてラジカ
ル状態(C* )になり,また,排気ガス中に含まれる酸
素は電子を受けてラジカル状態(2O* )になり,カー
ボンは酸素と反応し易くなり,炭酸ガス(CO2 )に反
応し,カーボンが反応消滅する。 C+e→C* ,O2 +2e→2O* 従って,C* +2O* →CO2 +3e また,HCは,電子を受けてラジカル状態(H*
* )になり,また,排気ガス中に含まれる酸素は電子
を受けてラジカル状態(O* )になり,H* とC*はO
* と反応し易くなり,炭酸ガス(CO2 )と水(H
2 O)に反応し,ハイドロカーボンHCが反応消滅す
る。 HC+e→H* +C* ,O2 +2e→2O* 従って,4H* +4C* +5O* →2H2 O+2CO2
+5e
【0018】即ち,フィルタの両側の金網の電極間に高
周波の断続高電圧を負荷させ,電極間にプラズマ状態が
連続して発生させるので,フィルタに捕集された電極間
に存在する微粒子のパティキュレート物質(SPM)
は,プラズマエネルギによってラジカル状態になり,パ
ティキュレート物質が電子e- ,e+ を放出し,HCは
2 OとCO2 に反応変化し,CはCO2 に反応変化
し,排気ガス中のパティキュレート物質が反応消滅され
る。例えば,金網をヒータに構成した場合には,金網で
の熱が伝播し,SPM,ブラックカーボンに着火し,パ
ティキュレート物質が燃焼するが,本発明のように,金
網を電極に構成してプラズマを発生させる場合には,正
負イオンの混在による振動がSPMにエネルギを与えて
反応するので,パティキュレート物質の反応開始が確実
に発生する。パティキュレート物質が一旦ラジカル状態
になると,排気ガス中のO2 と反応するので,Cは酸化
し,HCも酸化する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下,図面を参照して,この発明
によるDPF装置の実施例を説明する。図1はこの発明
によるDPF装置の一実施例を示す概略説明図,図2は
図1のDPF装置におけるフィルタの繊維製フィルタ本
体と電極を形成する金網との関係を示す概略説明図,図
3はプラズマ発生装置に印加する電圧の関係であって
(A)が一方向のパルス電圧の例を示し,(B)が交流
電源による交流パルス電圧の例を示す概略説明図,図4
はセラミックス繊維と金網との関係を示す概略説明図,
図5はプラズマ発生回路における高周波発振器を示す回
路図,及び図6はプラズマ発生回路における断続器を示
す回路図である。
【0020】このディーゼルパティキュレートフィルタ
装置(以下,DPF装置という)は,エンジンを構成す
る燃焼室からの排気ガスを排出する排気管23に組み込
まれ,排気ガス中に含まれる浮遊微粒子即ちパティキュ
レート物質(SPM)をフィルタ3で捕集し,フィルタ
3に捕集されたパティキュレート物質を,プラズマ発生
装置を構成するプラズマ発生回路1によって発生したプ
ラズマによって排気ガス中のO2 と酸化反応させて消滅
させると共に,パティキュレート物質の一部は着火燃焼
して焼却し,排気ガスを浄化する。フィルタ3は,ケー
シング2の入口12側が支持バー24によって支持さ
れ,出口13側がフィルタ端部を閉鎖する中央部に通口
22を備えた遮蔽プレート17で支持されている。
【0021】フィルタ3は,排気管23に組み込まれた
ケーシング2内に上流側排気ガス通路14と下流側排気
ガス通路15を形成するように配置されている。フィル
タ3は,例えば,全体として襞状に折り曲げられた積層
された繊維フィルタを全体として環状フィルタに形成さ
れ,表面積が大きくなる形状に形成され,上流側がフィ
ルタ上流端面が遮蔽プレート16で閉鎖され,下流側が
中央部に形成された下流側排気ガス通路15に通口22
が整合した状態でフィルタ下流端面を遮蔽プレート17
で閉鎖されている。従って,排気管23を流れる排気ガ
スは,入口12から支持バー24間の通口とフィルタ3
の外周側の上流側排気ガス通路14を通ってフィルタ3
を通過して内周側の下流側排気ガス通路15へ排出さ
れ,次いで,出口13から排気管23へ排出される。エ
ンジンから排出される排気ガスは,フィルタ3を通過す
る際にフィルタ3において排気ガス中に含まれるカーボ
ン,スモーク,HC,SOX 等のパティキュレート物質
が捕集される。
【0022】コントローラ10は,フィルタ3に排気ガ
スを流す際に,フィルタ3の上流側に設けられた圧力セ
ンサ9と下流側に設けられた圧力センサ11からのパテ
ィキュレート物質の捕集状態,及び回転センサ18と負
荷センサ19からのエンジンの運転状態に応答して,プ
ラズマ発生装置1によるプラズマの発生状態を調整し,
パティキュレート物質の反応消滅及び着火燃焼させて焼
却する制御をする。
【0023】このDPF装置は,主として,非導電性セ
ラミックス繊維材から成るフィルタ本体5,フィルタ本
体5の両面にそれぞれ配置された電気的に互いに絶縁さ
れた電極を構成する上流側金網4と下流側金網6,上流
側金網4と下流側金網6との間に電極端子7,8を通じ
て高周波の断続電流を高電圧で断続的に印加して金網
4,6との間に高周波プラズマを発生させるプラズマ発
生装置(プラズマ発生回路1 ),エンジン運転状態を検
出する回転センサ18と負荷センサ19,及びセンサ1
8,19によって検出されたエンジン運転状態の情報に
応じてプラズマ発生装置のプラズマ電力を制御してフィ
ルタ本体4に捕集されたパティキュレート物質を反応消
滅させるコントローラ10から構成されている。
【0024】コントローラ10は,タイマによって予め
決められた所定の時間経過及び/又は前記フィルタに設
けた圧力センサ9,11によって検出されたパティキュ
レート物質が予め決められた捕集量以上に応答してプラ
ズマ発生装置で発生するプラズマ電力を制御するもので
ある。図3の(A)又は(B)に示すように,金網4,
6間に定電圧Vを印加して金網4,6間に高周波プラズ
マの発生によって,フィルタ本体5に捕集されたパティ
キュレート物質のカーボンが導電体となり,導電体にな
ったカーボンは金網4,6間に図3の(A)に示す一方
向の高いパルス電圧VMAX 又は図3の(B)に示すパル
ス交流電圧VMAX が印加され,周波数に変化が発生する
ことによって,誘電現象が発生し,誘電現象が高周波振
動によってカーボンが昇温して反応焼却される。
【0025】フィルタ3に捕集されたすすがプラズマに
よって発生する電子の衝突によって酸素とパティキュレ
ート物質がラジカル状態になり,その補助作用によって
パティキュレート物質が酸化反応して消滅される。例え
ば,エンジン高負荷時には,フィルタ3に捕集されたす
すが高周波プラズマの補助作用によって酸化反応して焼
却される。また,エンジン低負荷時には,イオン化して
プラズマ電極とその近傍に吸着された排気ガス中のC及
びHCが高周波プラズマによる電子衝突による反応によ
ってHCが酸化反応して消滅される。
【0026】フィルタ3は,例えば,耐熱性,耐腐食性
に優れた非導電性のセラミックス繊維をランダムに積層
したフェルト材に成形したフィルタ本体5と,フィルタ
本体5の両側を挟み込んで固定した耐熱性で耐腐食性を
有するNi,Cr等を含む金網4,6とから構成されて
いる。この時,金網6と隣接する金網6とが短絡しない
ように,金網6と隣接する金網6との間にジルコニア
(ZrO2 ),アルミナ(Al2 3 ),窒化ケイ素
(Si3 4 ),炭化ケイ素(SiC)等のセラミック
スの絶縁材が介在されている。フィルタ3は,上記の襞
付き筒形状の他に,円筒形等の筒状,平板状,波状等の
形状に構成することもできる。フィルタ3を構成する材
料は,例えば,SiCで被覆されたSi3 4 ,及び/
又はSiC(Si−C−O,Si−Ti−C−O,Si
−C)のセラミックス繊維,及び/又はカーボンやアル
ミナをSiCで被覆した繊維をランダムに積層した不織
布で形成され,セラミック繊維の繊維径は,例えば,5
〜15μm程度であり,長さは30〜150mm程度で
ある。また,フェルト状に積層したセラミックス繊維材
は,例えば,その厚さが3〜5mm程度に形成されてい
る。
【0027】このDPF装置では,電極は金網4,6か
ら形成されている。このDPF装置は,排気ガス流れの
フィルタ本体5の上流側面に接して電極を構成する上流
側金網4,下流側面に接して電極を構成する下流側金網
6を配置し,上流側金網4と下流側金網6とを電気的に
絶縁すると共に高周波の電流を高電圧で断続的に印加し
て上流側金網4即ち電極と下流側金網6即ちの電極との
間にプラズマを発生させ,プラズマによってフィルタ3
に捕集されたパティキュレート物質を反応させると共に
着火燃焼させて消滅させるものである。また,金網4,
6は,セラミックスコーティングやホウロウ処理によっ
て絶縁的に被覆され,フィルタ3に捕集されたパティキ
ュレート物質で通電状態になるのを防止している。ま
た,金網4,6は,縦線と横線とが交差して積層され,
縦線と横線との間で電圧差が発生しないように,縦線と
横線との交差部の一部で交互に接続されている。電極を
金網4,6に構成することによって,プラズマ発生領域
を増大させ,プラズマ発生を促進できる。プラズマの発
生により,パティキュレート物質が電子e- ,e+ を放
出し,排気ガス中のハイドロカーボンHCはH2 OとC
2 に変化し,排気ガス中のカーボンCはCO2 に変化
すると共に,パティキュレート物質の一部は着火し燃焼
して焼却される。
【0028】プラズマ発生装置は,例えば,プラズマ発
生回路1によってプラズマを発生させるものであり,上
流側金網4が電源即ちバッテリを備えた高周波発振器2
0(図5)と断続器21(図6)によって交流発電機か
ら発電された高電圧が制御されるように,交流発電機に
接続され,また,下流側金網6がアースに接続されてい
る。交流発電機で発電された電圧は,トランスで所定の
高電圧に昇圧され,整流コイルによって整流され,次い
で,高周波発振器20の出力で断続器21が制御され,
断続器21によって制御された高周波で高電圧の電圧が
上流側金網4と下流側金網6との間に印加され,上流側
金網4と下流側金網6との間のフィルタ本体5の領域に
プラズマを発生させる。
【0029】高周波発振器20は,例えば,図5に示す
高周波発振回路によって高周波が発振されるものであ
り,バッテリ28からの電圧が可変抵抗器35で調整さ
れ,該電圧がR−C回路29を通じて水晶発振子27を
通じてベース電圧がトランジスタ26のベースに入力さ
れる。トランジスタ26のベースにベース電圧が入力さ
れると,バッテリ28からの電流はトランジスタ26を
通ってコンデンサ33から高周波が端子から出力34と
して信号が発信される。図5に示す高周波発振回路にお
いて,符号30,31,32はコンデンサであり,符号
37はダイオード付きコンデンサであり,符号38,3
9,40は抵抗である。
【0030】高周波発振器20で発生した高周波を断続
制御する断続器21は,例えば,図6に示す高周波断続
回路に形成されている。高周波断続回路は,電源即ちバ
ッテリ36からの電流はトランジスタ41を通って端子
から出力44が出される。高周波発振器20の高周波発
振回路から発信された出力34の信号は,高周波断続回
路の入力50に印加され,トランジスタ42のベース電
圧として入力される。バッテリ36は,交流発電機,ト
ランス及び整流コイルから構成されている。トランジス
タ42にベース電圧が入力されると,トランジスタ41
にベース電圧が入力され,バッテリ36からの高電圧が
トランジスタ41を通って高周波で高電圧の断続電流が
端子から出力44が出される。出力44を出す端子は,
上流側金網4と下流側金網6とである。図6の高周波断
続回路において,符号43はトランジスタを示し,符号
45,46,47,49は抵抗である。即ち,交流発電
機から出力された交流の電圧はトランスと整流コイルで
直流の高電圧に調整され,次いで高電圧は断続器21で
制御された高周波の出力信号によって制御され,上流側
金網4と下流側金網6との間に印加され,プラズマを発
生させる。
【0031】プラズマ発生装置によって上流側金網4と
下流側金網6とに印加する高周波で高電圧を発生させる
電源即ちバッテリは,エンジンに設けられた発電機で発
電された電力が使用される。発電機の電力は,プラズマ
発生装置1におけるトランス33で高電圧にし,該高電
圧を整流コイルで整流し,そこで,高周波発振器20に
より発信された信号によってオン・オフ作動するパワー
トランジスタ41,42,43を有する断続器21の出
力により交番電力にされ,高周波で高電圧が上流側金網
4と下流側金網6に印加され,プラズマが発生する。
【0032】コントローラ10は,フィルタ3に予め決
められた所定量以上のパティキュレートが捕集されたこ
とに応答して上流側金網4と下流側金網6と間でプラズ
マを発生させ,上流側金網4と下流側金網6との間のフ
ィルタ本体5に捕集されたパティキュレート物質を反応
消滅させて,フィルタ本体5を再生するように制御す
る。フィルタ3へのパティキュレートの捕集量は,コン
トローラ10によって排気ガス圧を検出する圧力センサ
9,11で検出された圧力の圧力比を演算するか,又
は,フィルタ流動抵抗を検出するセンサ等で検出するこ
とができる。フィルタ本体5を再生する時には,フィル
タ3の下流側から浄化され且つ大気開放された圧力一定
の排気ガスを上流側へポンプによって再循環させ,再生
用の酸素を供給すると共に上流側金網4,6で発生した
プラズマによってフィルタ3に捕集されているパティキ
ュレート物質を加熱焼却することができる。
【0033】また,コントローラ10は,回転センサ1
8で検出されたエンジン回転数,及び負荷センサ19で
検出されたエンジン負荷の運転状態に応じてエンジンで
発生する排気ガス中のパティキュレート物質の発生量が
変化するが,発生したパティキュレート物質の量や,フ
ィルタ3の捕集されたパティキュレート物質の量に応じ
てプラズマ発生装置1を制御し,プラズマの発生状態を
制御し,排気ガス中のパティキュレート物質を常に良好
に消滅させ,フィルタ3を再生する。例えば,プラズマ
発生装置1は,エンジン負荷が部分負荷時及び始動直後
の冷却水温度が低い時に,電極の金網4,6に印加して
プラズマを発生させ,パティキュレート物質の消滅を促
進し,HCの酸化を促進させる。
【0034】
【発明の効果】この発明によるDPF装置は,上記のよ
うに構成されているので,ディーゼルエンジンから排出
される排気ガスに含まれたパティキュレート物質がフィ
ルタによって捕集され,捕集されたパティキュレート物
質はプラズマエネルギを利用して反応酸化して消滅させ
ると共に,着火燃焼して焼却され,フィルタが再生され
る。プラズマ発生装置は,フィルタを挟み込んだ上流側
金網と下流側金網と間に高周波で高電圧を印加し,フィ
ルタの領域にプラズマを発生させる。従って,フィルタ
に排気ガスが流れていたとしても,パティキュレート物
質が電荷現象とプラズマによる電子作用とによって酸化
反応するものであり,吹き消え等を発生させる加熱燃焼
と異なり,パティキュレート物質を常時酸化反応させて
消滅させることができる。また,上流側金網と下流側金
網と間のフィルタの領域に存在するパティキュレート物
質,特に,問題となる0.25μm以下の小さい粒径の
パティキュレート物質をプラズマエネルギによって反応
消滅したり,場合によっては,着火燃焼し,クリーンな
排気ガスに浄化でき,健康を害するような環境汚染等を
引き起こすことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるDPF装置の一実施例を示す概
略説明図である。
【図2】図1のDPF装置におけるフィルタの繊維製フ
ィルタ本体と電極を形成する金網との関係を示す概略説
明図である。
【図3】プラズマ発生装置に印加する電圧の関係を示
し,(A)は一方向のパルス電圧の例を示し,(B)は
交流電源によるパルス電圧を示す概略説明図である。
【図4】セラミックス繊維と金網との関係を示す概略説
明図である。
【図5】プラズマ発生回路における高周波発振器を示す
回路図である。
【図6】プラズマ発生回路における断続器を示す回路図
である。
【符号の説明】
1 プラズマ発生回路 2 ケーシング 3 フィルタ 4 上流側金網 5 フィルタ本体 6 下流側金網 9,11 圧力センサ 10 コントローラ 14 上流側排気ガス通路 15 下流側排気ガス通路 23 排気管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G090 AA02 BA01 DA00 DA04 DA18 DA20 4D019 AA01 BA05 BB03 BB13 BC12 CA03 CB04 CB06 DA10 4D058 JA02 JA12 JB04 JB06 JB25 MA41 MA51 MA52 MA54 NA02 NA04 SA08 4G075 AA27 AA37 AA62 BA06 BD14 CA02 CA47 EC21 FA03 FA12 FB02 FB04 FC06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンから排出される排気ガスが流れ
    る排気管に組み込まれたケーシング内に配置され且つ前
    記排気ガス中のパティキュレート物質を捕集する非導電
    性セラミックス繊維製フィルタ,前記フィルタの両面に
    それぞれ配置された電気的に互いに絶縁された上流側と
    下流側との電極,前記電極間に高周波の断続電流を高電
    圧で断続的に印加して前記電極間に高周波プラズマを発
    生させるプラズマ発生装置,エンジン運転状態を検出す
    るセンサ,及び前記フィルタに捕集された前記パティキ
    ュレート物質を前記プラズマによって反応消滅させるた
    め,前記センサによって検出された前記エンジン運転状
    態に応じて前記電極間に定電圧とパルス電圧との繰り返
    しのプラズマ電力を制御するコントローラ,から成るD
    PF装置。
  2. 【請求項2】 前記コントローラは,タイマによって予
    め決められた所定の時間経過したこと及び/又は前記フ
    ィルタに設けた圧力センサによって検出された前記パテ
    ィキュレート物質が予め決められた捕集量以上に捕集さ
    れたことに応答して前記プラズマ発生装置で発生する前
    記プラズマ電力を制御することから成る請求項1に記載
    のDPF装置。
  3. 【請求項3】 前記プラズマの発生によって前記フィル
    タに捕集された前記パティキュレート物質のカーボンが
    導電体となり,前記導電体に前記パルス電圧による周波
    数の変化によって誘電現象が発生し,前記誘電現象が高
    周波振動によって前記カーボンが昇温し,燃焼焼却され
    ることから成る請求項1に記載のDPF装置。
  4. 【請求項4】 前記フィルタに捕集されたすすが前記プ
    ラズマによって発生する電子の衝突によって酸素と前記
    パティキュレート物質がラジカル状態になり,その補助
    作用によって前記パティキュレート物質が酸化反応して
    消滅されることから成る請求項1に記載のDPF装置。
  5. 【請求項5】 エンジン低負荷時には,前記上流側電極
    に負電位をかけ,前記電極とその近傍をイオン化して前
    記パティキュレート物質を帯電させ,そのイオン化によ
    り吸着された前記排気ガス中のすすとHCが前記プラズ
    マによる電子衝突によって前記すすと前記HCが酸化反
    応して消滅されることから成る請求項1に記載のDPF
    装置。
  6. 【請求項6】 前記フィルタを構成するフィルタ本体
    は,セラミックス繊維材をランダムに積層してマット状
    積層板状に形成されていることから成る請求項1に記載
    のDPF装置。
  7. 【請求項7】 前記電極を構成する金網は,絶縁性と耐
    久性を向上させるためジルコニア,アルミナ,窒化ケイ
    素,炭化ケイ素等のセラミックスのコーティングやホウ
    ロウ処理によって絶縁的に被覆されていることから成る
    請求項1に記載のDPF装置。
  8. 【請求項8】 前記フィルタは,積層された繊維フィル
    タを襞状に折り曲げて全体として環状フィルタに形成さ
    れ,前記排気ガスが前記環状フィルタの外周側から内周
    側へ送り込まれることから成る請求項1に記載のDPF
    装置。
  9. 【請求項9】 前記プラズマ発生装置によって前記上流
    側電極と前記下流側電極とに印加する高周波で高電圧を
    発生させる電源は,前記エンジンに設けられた発電機で
    発電された電力が使用されることから成る請求項1に記
    載のDPF装置。
  10. 【請求項10】 前記上流側電極と前記下流側電極を構
    成する金網には,それぞれ両端に電極端子を設け,前記
    電極端子は隔絶して配置されていることから成る請求項
    1に記載のDPF装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009226269A (ja) * 2008-03-19 2009-10-08 Saga Univ フィルタ処理装置
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KR20140035528A (ko) * 2011-08-12 2014-03-21 에미텍 게젤샤프트 퓌어 에미시온스테크놀로기 엠베하 배기 가스 후처리 장치의 이온화 장치를 제어하는 방법

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