JP2001348906A - 溝掘削機、溝掘削機における溝壁形状表示方法および溝壁形状修正方法 - Google Patents
溝掘削機、溝掘削機における溝壁形状表示方法および溝壁形状修正方法Info
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Abstract
とを可能ならしめる溝掘削機を提供する。 【解決手段】 地中に溝を掘削する溝掘削機の溝掘削体
8に地中傾斜計11乃至14を、また地上部分に地上傾
斜計15を埋設し、これら傾斜計11乃至15からのア
ナログ傾斜信号を傾斜信号デジタル変換器31で変換し
たデジタル傾斜信号と、走行距離計21およびストロー
ク計22から溝掘削体8の横移動距離信号とをコンピュ
ータ32に入力し、このコンピュータ32により予め設
定したサンプリングタイムに対応した横移動距離毎の3
次元処理した傾斜データを横方向に累積し、これを溝壁
形状としてモニタ32aにリアルタイムで表示させる構
成にすれば、モニタ32aで溝壁形状を認識しなが溝掘
削機を操作することにより地中に溝壁の平坦度が優れた
溝を掘削することができる。
Description
る溝掘削機、溝掘削機における溝壁形状表示方法および
溝壁形状修正方法に関し、より詳しくは、地中により平
坦度が優れた高精度の溝壁を有する溝を掘削することを
可能ならしめるようにした溝掘削機、溝掘削機における
溝壁形状表示方法および溝壁形状修正方法の技術分野に
属する。
地中に溝を掘削する作業分野がある。このような溝は、
新規に建造物を建設するに際して、土圧や地下水から建
設作業現場を守る上において必要不可欠なものである
が、これら以外に、例えば単純に止水、軟弱地盤の改良
ならびに構造物の基礎を構築するためにも利用されてい
る。ところで、地中に溝を掘削するに際しては、従来か
ら、溝の溝壁の平坦度等が問題になっていた。そこで、
溝の溝壁の平坦度を向上させるために、種々の溝掘削機
が提案されている。
可能ならしめるようにした溝掘削機としては、例えば、
特開平11−93202号公報に開示されてなるものが
公知である。以下、この従来例に係る溝掘削機の構成
を、その模式的正面図の図5と、傾斜計である地中傾斜
計を連結ロッドでつないだ状態を示す図の図6(a)
と、溝掘削体を構成するカッタポストの断面平面図の図
6(b)と、各傾斜計およびデータ処理手段のブロック
図の図7と、データ処理手段で表示される画面の一例を
示す図の図8とを順次参照しながら、地中に鉛直な溝を
掘削する場合を例として説明する。
溝掘削機1は、地上面を走行する走行体2aと、この走
行体2aの上に配設された旋回体2bとからなる掘削装
置本体2を備えている。この掘削装置本体2を旋回体2
bには図示しないステイシリンダにより溝掘削機本体2
の移動方向と平行な支点を回動支点として回動される門
型フレーム3が設置されている。この門型フレーム3に
は、スライドシリンダ4aにより略水平方向(地面と平
行な横方向)にスライドするリーダ4が支持されてい
る。このリーダ4には、図示しない油圧シリンダによっ
て昇降される回転駆動装置7が取り付けられている。そ
して、この回転駆動装置7には原動スプロケット6bが
設けられ、この原動スプロケット6bは回転駆動装置7
により正逆駆動されるようになっている。
は、下方に延びるカッタポスト6aが連結されている。
このカッタポスト6aは、多数のエレメントが上下に連
結されたもので、その下端には自由回転する従動スプロ
ケット6cが取り付けられている。また、前記原動スプ
ロケット6bと従動スプロケット6cとの間に無端状の
掘削チェーン6dが掛装されることにより溝掘削体6が
構成されており、前記カッタポスト6aおよび回転駆動
装置7のハウジングにより、原動・従動スプロケット6
b,6cを回転可能に支持する溝掘削体フレームが構成
されている。前記掘削チェーン6dの表面には、多数の
掘削刃6eが設けられており、この掘削チェーン6dを
原動・従動スプロケット6b,6cと共に駆動しながら
地中で溝掘削体6を横方向に移動させることにより、そ
の進行方向に溝100を掘削することができるように構
成されている。
方向に並ぶ複数個(本例では4個である。)の地中傾斜
計11,12,13,14が配設され、そして走行体2
aには地上傾斜計15が配置されている。これら傾斜計
11乃至15は、走行体2aが走行する地面の傾き角度
をそれぞれ検出するものとなっている。これら傾斜計1
1乃至15には従来から知られている傾斜角センサ、例
えばひずみゲージ式センサ、ポテンショメータ式セン
サ、静電容量式センサ等を用いることができる。なお、
各傾斜計11乃至15は、溝掘削体6の進行方向と平行
な方向(図5では左右方向;以下「面内方向という。)
の傾斜角を検出するものであっても良いし、また溝掘削
体6の進行方向に対して直交する方向(図1では奥行き
方向;以下「面外方向」という。)の傾斜角を検出する
ものであっても良い。この従来例では両方向の傾斜角を
同時に検出する傾斜角センサが用いられている。
段の地中傾斜計11は、カッタポスト6aの下端近傍位
置に配設されており、この最下段の地中傾斜計11から
適当な間隔をおいて順に地中傾斜計12,13,14が
配設されている。これら地中傾斜計11乃至14は、図
6(a)に示すように、上下に延びる連結ロッド16を
介して上下に連結されて単一の傾斜計結合体をなしてお
り、各連結ロッド16の長さ寸法が地中傾斜計同志の離
間寸法となっている。そして、地中傾斜計同志を電気的
に接続する電線17が前記連結ロッド16に沿って配線
されている。
スト6aには、上下方向(図では奥行き方向)に延びる
エア等の供給孔18の他、これと平行に傾斜計挿入孔1
9が設けられており、この傾斜計挿入孔19内に、前記
図6(a)に示した傾斜計結合体が上から挿入されるこ
とにより、全ての地中傾斜計11乃至14がカッタポス
ト6a内に収納され、かつ所定の高さ位置に配設された
状態となっている。
は、図7に示すようなデータ処理手段40が配設されて
いる。このデータ処理手段40は、データロガー41と
パーソナルコンピュータ42とからなっている。前記デ
ータロガー41には、電線17を介して各地中傾斜計1
1乃至14が接続されると共に、地上傾斜計15も接続
され、所定のサンプリング時間が経過する度に各傾斜計
11乃至15の出力アナログ信号を取り込み、これら信
号をパーソナルコンピュータ42に入力可能な信号(傾
斜角に相当するデジタル信号)に変換して記録するよう
になっている。前記パーソナルコンピュータ42は、デ
ータロガー41に記録されたデータを整理し、整理した
データからカッタポスト6aの傾斜状態や撓み状態を割
り出してモニタ画面に時々刻々表示し、オペレータに認
識させるものである。
示画面の一例を、図8を参照しながら説明すると、モニ
タの表示画面には、深度数値(地面からの上下方向の距
離)51、内面方向におけるカッタポスト6aの撓み曲
線52、所定深度における面内方向および面外方向の傾
斜角(地面に対する相対的な傾斜角)53A,53B、
面内方向および面外方向へのカッタポスト6aの撓み量
54A,54Bの他、適時、運転操作の指示55や警告
が表示されるようになっている。従って、オペレータ
は、この表示画面により、現在のカッタポスト6aの傾
斜状態や撓み状態を一目で把握することができ、そして
現状に則した適切な運転操作を行うことにより、地中に
壁の平坦度が優れた高精度の溝を掘削することができ
る。
削機によれば、地中に鉛直度が優れた高精度の溝壁を掘
削することができるので、極めて有用であると考えられ
る。ところで、地中への溝の掘削工事において、鉛直度
がより高精度の溝壁を掘削するためには、溝壁の地中に
おける位置を明らかにする必要がある。しかしながら、
上記従来例に係る溝掘削機では掘削位置における壁の形
状を認識し得るものの、全体の溝壁形状を認識すること
ができない。
全体ではなく、穴単位でしか計測することができない。
勿論、穴一つ分の傾斜データを連続して溝壁全体の傾斜
として処理することも可能であるが、溝壁全体の傾斜デ
ータをリアルタイムに処理し得る機能を備えていない。
地中に鉛直度がより優れた高精度の溝壁を有する溝を掘
削するためには、溝掘削体の現在位置における溝壁の傾
斜だけでなく、溝壁の全体形状(傾斜の経歴)が必要で
あるにもかかわらず、全体の溝壁形状を把握することが
できないため、高精度の溝壁を有する溝の掘削が困難で
あるという解決すべき課題があった。
を把握することにより、より平坦度が優れた高精度の溝
壁を有する溝の掘削を可能ならしめる溝掘削機、溝掘削
機における溝壁形状表示方法および溝壁形状修正方法を
提供することである。
みてなされたものであって、従って、上記課題を解決す
るために、本発明の請求項1に係る溝掘削機が採用した
手段の特徴とするところは、掘削刃を有する無端状の掘
削チェーンを駆動しながら、傾斜角を検出する少なくと
も一つ以上の傾斜計が埋設されてなる溝掘削体を地中で
横方向に移動させ、その横移動方向に溝を掘削する溝掘
削機において、前記傾斜計から出力されるアナログ傾斜
信号をデジタル傾斜信号に変換するA/D変換器と、溝
掘削機本体の横移動距離を計測する走行距離計と、前記
A/D変換器から出力されるデジタル傾斜信号および前
記走行距離計から出力される前記移動距離信号とを受け
取って前記溝掘削体の横移動経過を3次元処理した傾斜
データを横方向に累積する演算器と、この演算器から出
力される累積された傾斜データを溝壁形状としてリアル
タイムで表示するモニタとからなる溝壁形状表示装置と
を備えてなるところにある。
た手段の特徴とするところは、請求項1に記載の溝掘削
機において、前記傾斜計の何れもが、溝壁と平行な横方
向および溝壁と直交する方向の前記溝掘削体の傾斜角を
同時に計測し得る機能を備えてなるところにある。
た手段の特徴とするところは、請求項1または2のうち
の何れか一つの項に記載の溝掘削機において、前記走行
距離計が、地面を転動する車輪の回転により溝掘削機本
体の横移動距離を計測するエンコーダを備えてなるとこ
ろにある。
溝壁形状表示方法の要旨は、掘削刃を有する無端状の掘
削チェーンを駆動しながら溝掘削体を地中で横方向に移
動させ、その横移動方向に溝を掘削するに際して、前記
溝掘削体の地中部分の溝の深度方向の傾斜を、溝掘削体
に設けた少なくとも一つ以上の傾斜計で計測し、計測に
より得られたアナログ傾斜信号をデジタル変換し、変換
されたデジタル傾斜信号を演算器に入力すると共に、こ
のデジタル傾斜信号の入力と並行して溝掘削機本体の横
移動距離信号を入力し、演算器により予め設定したサン
プリングタイムに対応した横移動距離毎の前記デジタル
傾斜信号を3次元処理して得られる溝壁の傾斜データを
横方向に累積し、累積した傾斜データを溝壁形状として
モニタにリアルタイムで表示することを特徴とするもの
である。
溝壁形状表示方法の要旨は、請求項4に記載の溝掘削機
における溝壁形状表示方法において、前記傾斜データ
を、演算器の記憶装置に記憶させ、記憶した傾斜データ
を、モニタにより溝壁形状として任意の時間に再表示す
るようにしたことを特徴とするものである。
溝壁形状表示方法の要旨は、請求項4または5のうちの
何れか一つの項に記載の溝掘削機における溝壁形状表示
方法において、前記傾斜計の設置位置に対応する深度以
外の深度の溝壁形状を、溝掘削体の剛性、撓み曲線から
推定演算し、任意の深度における溝壁形状を導出し得る
ようにしたことを特徴とするものである。
溝壁形状表示方法の要旨は、請求項4,5または6のう
ちの何れか一つの項に記載の溝掘削機における溝壁形状
表示方法において、前記傾斜データを演算器で処理し、
処理により得られた溝壁形状をプリンタにより印字出力
するようにしたことを特徴とするものである。
溝壁形状修正方法の要旨は、掘削刃を有する無端状の掘
削チェーンを駆動しながら溝掘削体を地中で横方向に移
動させ、その横移動方向に溝を掘削するに際して、前記
溝掘削体の地中部分の溝の深度方向の傾斜を、溝掘削体
に設けた少なくとも一つ以上の傾斜計で計測し、計測に
より得られたアナログ傾斜信号をデジタル変換し、変換
されたデジタル傾斜信号を演算器に入力すると共に、こ
のデジタル傾斜信号の入力と並行して溝掘削機本体の横
移動距離信号を入力し、演算器により予め設定したサン
プリングタイムに対応した横移動距離毎の前記デジタル
傾斜信号を3次元処理して得られる溝壁の傾斜データを
横方向に累積し、累積した傾斜データを溝壁形状として
モニタにリアルタイムで表示し、表示された溝壁形状に
基づいて溝掘削体を溝掘削機本体の中心方向または外方
向に傾斜させ、溝掘削体を溝壁に押付けながら横方向に
移動させて溝壁の傾斜面を削り取ることを特徴とするも
のである。
溝掘削機の概要を、その模式的正面図の図1と、図1の
A矢視図の図2と、溝壁形状表示装置のブロック図の図
3と、溝壁表示イメージ図の図4とを参照しながら、地
中に鉛直な溝を掘削する場合を例として説明する。但
し、本実施の形態に係る溝掘削機自体の主要構成につい
ては従来例に係る溝掘削機と同構成であるから、同一の
ものならびに同一機能を有するものには同一符号を付
し、かつ同一名称を以て説明する。
この溝掘削機1は、地上面を走行する走行体2aと、こ
の走行体2aの上に配設された旋回体2bとからなる掘
削装置本体2を備えている。この掘削装置本体2を旋回
体2bにはステイシリンダ4により溝掘削機本体2の移
動方向と平行な回動支点ピン3bを回動支点として回動
される門型フレーム3が設置されている。この門型フレ
ーム3にはスライドシリンダ6により略水平方向(地面
と平行な横方向)にスライドして往復動するリーダ5が
支持されている。
ダにより昇降される回転駆動装置7が取り付けられてい
る。そして、この回転駆動装置7には原動スプロケット
8bが設けられ、この原動スプロケット8bは回転駆動
装置7により正逆駆動されるようになっている。勿論、
従来例と同様に、前記スライドシリンダ6のロッドのス
トローク長がストローク計(図3参照)22により計測
され、後述する溝壁形状表示装置に入力されるようにな
っている。
は、上方に延びるカッタポスト8aが連結されている。
このカッタポスト8aは、多数のエレメントが上下に連
結されたもので、その下端には自由回転する従動スプロ
ケット8cが取り付けられている。また、前記原動スプ
ロケット8bと従動スプロケット8cとの間に無端状の
掘削チェーン8dが掛装されることにより溝掘削体8が
構成されており、前記カッタポスト8aおよび回転駆動
装置7のハウジングにより、原動・従動スプロケット8
b,8cを回転可能に支持する溝掘削体フレームが構成
されている。前記掘削チェーン8dの表面には、多数の
掘削刃8eが設けられており、この掘削チェーン8dを
原動・従動スプロケット8b,8cと共に駆動しながら
地中で溝掘削体8を横方向に移動させることにより、そ
の進行方向に溝を掘削することができるように構成され
ている。
方向に並ぶ複数個(本例の場合は4個である。)の地中
傾斜計11,12,13および14が配設されると共
に、走行体2aには地上傾斜計15が配置されている。
これら傾斜計11乃至15は、走行体2aが走行する地
面の傾き角度をそれぞれ検出するものとなっている。こ
れら傾斜計11乃至15としては、従来例と同様に、従
来から知られている傾斜角センサ、例えばひずみゲージ
式センサ、ポテンショメータ式センサ、静電容量式セン
サ等を用いることができる。以上の説明から良く理解さ
れるように、溝掘削機1それ自体および傾斜計11乃至
15の配設状態は従来例と全く同じである。そして、こ
れら傾斜計11乃至15は、溝掘削体8の進行方向と平
行な横方向の面内方向と、溝掘削体8の進行方向に対し
て直交する方向の面外方向との傾斜角を同時に検出する
機能を有しており、これら傾斜計11乃至15により計
測された溝壁のアナログ傾斜信号は、後述する溝壁形状
表示装置に入力されるようになっている。
って溝掘削体8の面内方向と面外方向とを同時に計測す
ることによって、下記のような効果を得ることができ
る。即ち、これら傾斜計11乃至15による面内方向の
計測結果は、掘削中の溝壁の切羽断面のより硬い地盤に
カッタポスト8aが押付けられているということを知る
ことにより、より効率の良い掘削方法を選択することが
できるということや、スライドシリンダ6の水平方向の
推力よって発生するカッタポスト8aの水平方向のたわ
みを定量的に知ることに役立ち、そして面外方向の計測
結果は、溝壁の形状を精度良く管理するために必要な情
報となるが、これらを同時に得ることができるから、よ
り平坦度が優れた高精度の溝壁を有する溝を能率良く掘
削することを可能にするという効果が生じることとな
る。
述する構成になる走行距離計21が取り付けられてい
る。この走行距離計21は、地面を転動する車輪と、こ
の車輪の回転により前記溝掘削機本体2の横移動距離を
計測する周知のエンコーダと、このエンコーダに前記車
輪の回転を伝達するチェーンと、前記エンコーダが取り
付けられると共に、前記車輪を回転可能に支持するケー
ス状ブラケットと、このケース状ブラケットに突設さ
れ、前記溝掘削機本体2に取り付けられた取付ブラケッ
トに回動可能に取り付けられて、前記車輪を地面に転接
させ、かつ地面から離反させる回動アームとから構成さ
れている。そして、この走行距離計21により計測され
た溝掘削機本体2の横移動距離信号は、後述する構成に
なる溝壁形状表示装置に入力されるようになっている。
用すると、溝掘削機1の外方位置に特別な付帯設備を設
けるまでもなく、溝掘削機本体2の横移動距離を計測す
ることができるので、溝掘削機1の移動距離計測の準備
作業の容易化効果がある。但し、この走行距離計21の
場合には、溝掘削機本体2の横移動距離の計測の継続に
より累積誤差が生じてしまうので、毎日補正する必要が
ある。なお、この走行距離計21の車輪を地面に転接さ
せ、かつ地面から離反させる撥ね上げ式にしたのは、工
事現場内をただ移動する場合には、溝掘削機本体2の横
移動距離を計測する必要がないからである。
1では、車輪と、この車輪の回転から横移動距離を計測
するエンコーダとを備えた走行距離計21を採用してい
るが、これ以外に、例えば溝掘削機本体2にプリズムタ
ーゲットを設け、溝掘削機1の外方位置に自動追尾測距
儀を配置して、自動追尾測距儀によりプリズムターゲッ
トまでの距離と角度とからプリズムターゲットの3次元
位置を計測するという自動追尾システムを採用すること
ができる。また、溝掘削機本体2にGPSアンテナを設
け、溝掘削機1の外方位置にGPSアンテナ(基準局)
を配置すると共に、このGPSアンテナ(基準局)によ
りGPS衛星から信号を受けて、前記GPSアンテナの
位置を計測することにより溝掘削機本体2の3次元運動
を高精度に計測するGPS位置計測システムを採用する
ことができる。このような自動追尾システムやGPS位
置計測システムを採用することにより、溝掘削機本体2
の横移動距離を極めて高精度で計測することができると
いう効果がある。
cには、前記各傾斜計11乃至15のそれぞれにより計
測された溝壁のアナログ傾斜信号、ストローク計22に
より計測されたスライドシリンダ6のロッドのストロー
ク長、および走行距離計21により計測された溝掘削機
本体2の横移動距離信号が入力される溝壁形状表示装置
30が配設されている。この溝壁形状表示装置30は、
A/D変換器31と、モニタ32aを備えた演算器であ
るパーソナルコンピュータ(以下、コンピュータとい
う。)32とから構成されている。
1乃至14が電線17を介して接続され、地上傾斜計1
5が電線17′を介して接続されている。そして、これ
ら傾斜計11乃至15から入力される溝壁のアナログ傾
斜信号はA/D変換器31によりデジタル傾斜信号に変
換されてコンピュータ32に入力されるようになってい
る。また、このコンピュータ32には、前記デジタル傾
斜信号の入力と並行して、走行距離計21により計測さ
れた溝掘削機本体2のアナログ走行距離信号およびスト
ローク計22により計測されたスライドシリンダ6の伸
縮ロッドのアナログストローク長信号のそれぞれが、距
離信号変換器(A/D変換器である。)23によりデジ
タル変換されてデジタルストローク長信号として入力さ
れるようになっている。
サンプリングタイムに対応した溝掘削体8の横移動距離
毎に、前記デジタル傾斜信号を溝壁の傾斜データとして
3次元処理すると共に、3次元処理により得られた傾斜
データを横方向に累積する。そして、横方向に累積され
た傾斜データは掘削された溝の横壁形状としてモニタ3
2aにリアルタイムで表示されるように構成されてい
る。さらに、横方向に累積された傾斜データはデータ記
憶装置40に記憶されると共に、必要に応じてコンピュ
ータ32に取り込んで、モニタ32aに再表示させるこ
とができるように構成されている。これにより、オペレ
ータは時々刻々変化する全体の溝壁形状を認識すること
ができ、また溝掘削終了後に全体の溝壁形状の良否を確
認することができる。なお、この実施の形態では、モニ
タ32aがコンピュータ32と一体的に構成されている
が、独立した構成であっても良い。
のとおり、掘削中の溝の溝壁形状や既設の溝の溝壁形状
をモニタ32aに表示させることができるように構成さ
れているが、前記コンピュータ32に周知のプリンタ
(図示省略)を接続し、溝壁形状のモニタ25aによる
表示と並行して、このプリンタにより印字出力する構成
にすることもできる。また、本実施の形態にかかる溝掘
削機1では、カッタポスト8aに4つの地中傾斜計11
乃至14が埋設されているが、地中傾斜計は1つであっ
ても良く、また5つ以上であっても良いので、地中傾斜
計の埋設数に限定されるものではない。
にただ1つの地中傾斜計が埋設されてなる構成の場合
は、コンピュータ32に対して溝掘削体8のカッタポス
ト8aの剛性、撓み曲線から前記地中傾斜計の設置位置
に対応する溝の深度以外の深度の溝壁形状を推定演算
し、任意の深度における溝壁形状を導出し得る機能を付
与すれば良いものである。
中に溝を掘削する場合は、従来例と同様に、先ず溝掘削
機1を目的とする定位置に固定し、掘削チェーン8dを
土砂等を掻上げる方向に駆動しながら溝掘削体8を地中
に建込み、溝掘削体8が所定深さに到達すると、掘削チ
ェーン8dを駆動したまま、例えばスライドシリンダ6
をロッドを伸長させることにより溝掘削体8をリーダ5
と共に地面と並行な横方向に水平移動させ、前記スライ
ドシリンダ6のロッドのストローク長に対応する長さの
溝を掘削する。次いで、スライドシリンダ6のロッドの
縮小作動に合わせて溝掘削機本体2を溝掘削方向に移動
させると共に所定位置に固定した後、掘削チェーン8d
を土砂等を掻上げる方向に駆動しながら、例えばスライ
ドシリンダ6のロッドを伸長作動させることにより溝掘
削体8をリーダ5と共に地面と並行な横方向に水平移動
させるという繰返しによって地中に長い溝を掘削する。
て、溝掘削体8の地中部分の溝の深度方向の傾斜が、そ
のカッタポスト8aに埋設されたなる地中傾斜計11乃
至14によって計測され、計測されたアナログ傾斜信号
がA/D変換器31に入力され、そしてこのA/D変換
器31によりデジタル傾斜信号に変換されてコンピュー
タ32に入力される。一方、このデジタル傾斜信号の入
力と並行して、走行距離計21およびストローク計22
により計測された溝掘削体8のアナログ横移動距離信号
が距離信号変換器23により変換されてデジタル横移動
距離信号として入力される。
21とストローク計22との2つの距離計を用いるよう
にしたのは、上記のとおり、スライドシリンダ6のロッ
ドの伸長作動による溝掘削体8の横移動と、スライドシ
リンダ6がストロークエンドになった後の溝掘削機1の
自走による横移動との繰返しによって溝を掘削するとい
う掘削方法を採用しているからである。
からデジタル傾斜信号が、また距離信号変換器23から
デジタル横移動距離信号が入力されると、このコンピュ
ータ32は、予め設定されたサンプリングタイムに対応
した溝掘削体8の横移動距離毎の前記デジタル傾斜信号
を3次元処理して得られる溝壁の傾斜データを横方向に
累積する。
ータが、図4において示すように、掘削開始から現在掘
削中に至るまでの溝全体の予め設定されたサンプリング
タイムに対応した横移動距離毎の溝壁の傾斜として、つ
まり掘削開始から現在掘削中に至るまでの溝全体の溝壁
形状としてモニタ32aにリアルタイムで表示されるの
で、オペレータは時々刻々変化する全体の溝壁形状を認
識しながら溝掘削機1を操作して地中に溝を掘削するこ
とができる。つまり、溝壁の平坦度が高精度になるよう
に溝掘削機1を操作することができる。
記憶装置40から横方向に累積された溝壁の傾斜データ
をコンピュータ32に取り込むと共に、取り込んだ傾斜
データを溝壁形状としてモニタ32aに表示させ、また
はプリンタにより溝壁形状を印字出力させることによ
り、全体の溝壁形状の平坦度の良否をチェックする。そ
して、もし溝壁形状を修正する必要がある場合には、溝
掘削機1を溝掘削開始位置に戻した後、モニタ32aに
表示された溝壁形状、または印字出力された溝壁形状に
基づいて、溝掘削体8を溝掘削機本体2の中心方向また
は外方向に傾斜させながら、また溝掘削体8を溝壁に押
付けながら横方向に移動させて掘削済の溝の溝壁の傾斜
面を削り取ることより、より平坦度が優れた溝壁を有す
る高精度の溝を掘削することができる。
しては、地中に溝を掘削する場合と同様に、スライドシ
リンダ6のロッドの伸長作動による溝掘削体8の横移動
と、スライドシリンダ6がストロークエンドになった後
の溝掘削機1の自走による横移動とが繰返される。
地中傾斜計が埋設されてなる構成の場合にはコンピュー
タ32に、溝掘削体8、つまりカッタポスト8aの剛
性、撓み曲線から前記地中傾斜計の設置位置に対応する
溝の深度以外の深度の溝壁形状を推定演算し、任意の深
度における溝壁形状を導出し得る機能が付与されるが、
溝の深さ10mの場合について、カッタポスト8aに4
つの地中傾斜計が埋設されてなる本実施の形態に係る構
成の場合と、1つの地中傾斜計が埋設されてなる構成の
場合とについて比較試験を行った。その結果、溝壁の平
坦度に係る両者の相違は2cm程度であり、カッタポス
ト8aに1つの地中傾斜計が埋設されてなる構成の場合
にあっても十分実用に供し得ることを確認した。
り地中に鉛直な溝を掘削する場合を例として説明した
が、この溝掘削機1ではステイシリンダ4のロッドを縮
小作動させて溝掘削体8を所定の角度範囲内で傾斜させ
たまま横移動させることにより傾斜溝を掘削することが
でき、本発明の技術的思想は鉛直な溝の掘削だけに適用
されるものではないので、上記実施の形態によって本発
明の技術的思想の範囲が限定されるものではない。
乃至3に係る溝掘削機によれば、溝掘削体の地中部分の
溝の深度方向の傾斜が、溝掘削体に設けた少なくとも一
つ以上の傾斜計で計測され、計測されたアナログ傾斜信
号がA/D変換器でデジタル傾斜信号に変換されて演算
器に入力される。一方、これと並行して、走行距離計に
より計測された溝掘削体の横移動距離信号が演算器に入
力される。すると、演算器により、予め設定されたサン
プリングタイムに対応した溝掘削体の横移動距離毎の溝
壁の傾斜データが横方向に累積され、この累積された傾
斜データが溝壁形状としてモニタにリアルタイムで表示
されるので、オペレータは時々刻々変化する全体の溝壁
形状をモニタで認識しながら溝掘削機を操作して溝壁の
平坦度が高精度の溝を掘削することができる。
溝壁形状表示方法によれば、前記溝掘削体の地中部分の
溝の深度方向の傾斜を、溝掘削体に設けた少なくとも一
つ以上の傾斜計で計測され、計測により得られたアナロ
グ傾斜信号がデジタル傾斜信号に変換されて演算器に入
力され、これと並行して溝掘削機本体の横移動距離信号
が入力され、演算器により予め設定したサンプリングタ
イムに対応した横移動距離毎の溝壁の傾斜データが横方
向に累積され、累積された傾斜データが溝壁形状として
モニタにリアルタイムで表示されるので、オペレータは
時々刻々変化する全体の溝壁形状をモニタで認識しなが
ら溝掘削機を操作して溝壁の平坦度が高精度の溝を掘削
することができる。
溝壁形状表示方法によれば、溝の溝壁の傾斜データが、
演算器の記憶装置に記憶され、記憶された傾斜データを
モニタにより溝壁形状として任意の時間に再表示するこ
とができるので、掘削済の溝の溝壁の平坦度を何時でも
確認することができ、また本発明の請求項7に係る溝掘
削機における溝壁形状表示方法によれば、傾斜データを
演算器により処理し、処理により得られた溝壁形状をプ
リンタにより印字出力することができるので、印字出力
されたプリントにより掘削済の溝の溝壁の平坦度を何時
でも確認することができる。
溝壁形状表示方法によれば、傾斜計の設置位置に対応す
る深度以外の深度の溝壁形状を、溝掘削体の剛性、撓み
曲線から推定演算し、任意の深度における溝壁形状を導
出し得るように構成されていて、傾斜計の配設数を少な
くすることができるので、溝掘削機のコストを低減する
ことができる。
溝壁形状修正方法によれば、モニタに表示された溝壁形
状に基づいて溝掘削体を溝掘削機本体の中心方向または
外方向に傾斜させ、溝掘削体を溝壁に押付けながら横方
向に移動させて溝壁の傾斜面を削り取ることにより溝壁
の平坦度が高精度になり、より溝壁の平坦度が優れた溝
を掘削することができる。
面図である。
のブロック図である。
図である。
傾斜計を連結ロッドでつないだ状態を示す図であり、図
6(b)は溝掘削体を構成するカッタポストの断面平面
図である。
のブロック図である。
面の一例を示す図である。
…旋回体,2c…運転室,3…門型フレーム,4…ステ
イシリンダ,5…リーダ,6…スライドシリンダ,7…
回転駆動装置,8…溝掘削体,8a…カッタポスト,8
b…原動スプロケット,8c…従動スプロケット,8d
…掘削チェーン,8e…掘削刃,11,12,13,1
4…地中傾斜計,15…地上傾斜計,17,17′…電
線,21…走行距離計,22…ストローク計,23…距
離信号変換器,30…溝壁形状表示装置,31…A/D
変換器,32…コンピュータ,32a…モニタ,40…
データ記憶装置。
Claims (8)
- 【請求項1】 掘削刃を有する無端状の掘削チェーンを
駆動しながら、傾斜角を検出する少なくとも一つ以上の
傾斜計が埋設されてなる溝掘削体を地中で横方向に移動
させ、その横移動方向に溝を掘削する溝掘削機におい
て、前記傾斜計から出力されるアナログ傾斜信号をデジ
タル傾斜信号に変換するA/D変換器と、溝掘削機本体
の横移動距離を計測する走行距離計と、前記A/D変換
器から出力されるデジタル傾斜信号および前記走行距離
計から出力される前記移動距離信号とを受け取って前記
溝掘削体の横移動経過を3次元処理した傾斜データを横
方向に累積する演算器と、この演算器から出力される累
積された傾斜データを溝壁形状としてリアルタイムで表
示するモニタとからなる溝壁形状表示装置とを備えてな
ることを特徴とする溝掘削機。 - 【請求項2】 前記傾斜計の何れもが、溝壁と平行な横
方向および溝壁と直交する方向の前記溝掘削体の傾斜角
を同時に計測し得る機能を備えてなることを特徴とする
請求項1に記載の溝掘削機。 - 【請求項3】 前記走行距離計が、地面を転動する車輪
の回転により溝掘削機本体の横移動距離を計測するエン
コーダを備えてなることを特徴とする請求項1または2
のうちの何れか一つの項に記載の溝掘削機。 - 【請求項4】 掘削刃を有する無端状の掘削チェーンを
駆動しながら溝掘削体を地中で横方向に移動させ、その
横移動方向に溝を掘削するに際して、前記溝掘削体の地
中部分の溝の深度方向の傾斜を、溝掘削体に設けた少な
くとも一つ以上の傾斜計で計測し、計測により得られた
アナログ傾斜信号をデジタル変換し、変換されたデジタ
ル傾斜信号を演算器に入力すると共に、このデジタル傾
斜信号の入力と並行して溝掘削機本体の横移動距離信号
を入力し、演算器により予め設定したサンプリングタイ
ムに対応した横移動距離毎の前記デジタル傾斜信号を3
次元処理して得られる溝壁の傾斜データを横方向に累積
し、累積した傾斜データを溝壁形状としてモニタにリア
ルタイムで表示することを特徴とする溝掘削機における
溝壁形状表示方法。 - 【請求項5】 前記傾斜データを、演算器の記憶装置に
記憶させ、記憶した傾斜データを、モニタにより溝壁形
状として任意の時間に再表示するようにしたことを特徴
とする請求項4に記載の溝掘削機における溝壁形状表示
方法。 - 【請求項6】 前記傾斜計の設置位置に対応する深度以
外の深度の溝壁形状を、溝掘削体の剛性、撓み曲線から
推定演算し、任意の深度における溝壁形状を導出し得る
ようにしたことを特徴とする請求項4または5のうちの
何れか一つの項に記載の溝掘削機における溝壁形状表示
方法。 - 【請求項7】 前記傾斜データを演算器で処理し、処理
により得られた溝壁形状をプリンタにより印字出力する
ようにしたことを特徴とする請求項4,5または6のう
ちの何れか一つの項に記載の溝掘削機における溝壁形状
表示方法。 - 【請求項8】 掘削刃を有する無端状の掘削チェーンを
駆動しながら溝掘削体を地中で横方向に移動させ、その
横移動方向に溝を掘削するに際して、前記溝掘削体の地
中部分の溝の深度方向の傾斜を、溝掘削体に設けた少な
くとも一つ以上の傾斜計で計測し、計測により得られた
アナログ傾斜信号をデジタル変換し、変換されたデジタ
ル傾斜信号を演算器に入力すると共に、このデジタル傾
斜信号の入力と並行して溝掘削機本体の横移動距離信号
を入力し、演算器により予め設定したサンプリングタイ
ムに対応した横移動距離毎の前記デジタル傾斜信号を3
次元処理して得られる溝壁の傾斜データを横方向に累積
し、累積した傾斜データを溝壁形状としてモニタにリア
ルタイムで表示し、表示された溝壁形状に基づいて溝掘
削体を溝掘削機本体の中心方向または外方向に傾斜さ
せ、溝掘削体を溝壁に押付けながら横方向に移動させて
溝壁の傾斜面を削り取ることを特徴とする溝掘削機にお
ける溝壁形状修正方法。
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