JP2001348596A

JP2001348596A - 洗浄剤組成物

Info

Publication number: JP2001348596A
Application number: JP2000173435A
Authority: JP
Inventors: Katsuyuki Takano; 勝幸高野
Original assignee: Kao Corp
Current assignee: Kao Corp
Priority date: 2000-06-09
Filing date: 2000-06-09
Publication date: 2001-12-18

Abstract

(57)【要約】【課題】優れた殺菌性ないし抗菌性と洗浄力を有し、
人体や環境に対する安全性が高く、特に農産物や乳幼児
用の哺乳瓶の洗浄において有効な洗浄剤組成物を提供す
る。【解決手段】（ａ）モノグリセリン脂肪酸エステル、
ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エス
テル、ショ糖脂肪酸エステル及びプロピレングリコール
脂肪酸エステルから選ばれる１種以上の界面活性剤、
（ｂ）ポリリジン並びに（ｃ）リン酸塩、メタリン酸
塩、ピロリン酸塩及びトリポリリン酸塩から選ばれる１
種以上のリン含有化合物を含有する洗浄剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、農産物の洗浄や乳
幼児用の哺乳瓶の洗浄に適した洗浄剤組成物に関する。

【０００２】

【従来の技術】野菜や果物といった農産物は、生産や流
通の段階で農薬、ワックスコーティング、微生物などで
表面が汚染される場合がある。このため、人体に対する
安全性の面から、これらの汚染物を洗浄及び殺菌するこ
とによって除去する必要がある。食品を洗浄する場合、
洗浄剤を水ですすぎ流しても洗浄剤を食品表面から完全
に除去することは困難なため、可食性の成分のみからな
る洗浄剤を用いることが望ましい。

【０００３】また、哺乳瓶など、抵抗力の弱い乳幼児が
頻繁に口にするような物品を洗浄及び殺菌する場合に
も、可食性の成分のみから構成される洗浄剤を使用する
ことが望ましい。

【０００４】このような目的のため、特開平７−１８８
６９６号公報に中性系液体洗浄剤組成物が提案されてい
るが、より優れた殺菌・抗菌性と安全性を有する洗浄剤
が望まれていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、人体
に対する安全性が高く、乳幼児がよく口にする哺乳瓶な
どの乳幼児用食器、野菜や果物などの農産物に対して有
効な殺菌・抗菌性を有する洗浄剤組成物を提供すること
にある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、（ａ）モノグ
リセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステ
ル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル
及びプロピレングリコール脂肪酸エステルから選ばれる
１種以上の界面活性剤〔以下（ａ）成分という〕、
（ｂ）ポリリジン〔以下（ｂ）成分という〕並びに
（ｃ）リン酸塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩及びトリ
ポリリン酸塩から選ばれる１種以上のリン含有化合物
〔以下（ｃ）成分という〕を含有する洗浄剤組成物に関
する。

【０００７】

【発明の実施の態様】本発明の組成物は、（ａ）成分と
して、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン
脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂
肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルか
ら選ばれる１種以上の界面活性剤を含有する。上記界面
活性剤は、本発明の洗浄剤組成物中に好ましくは０．１
〜２０重量％（以下、単に％と記す）、特に好ましくは
０．２〜１０％配合される。十分な洗浄力を得るために
０．１％以上が好ましく、洗浄力のヌル付き感や濯ぎ性
の観点から２０％以下が好ましい。

【０００８】本発明に用いる（ｂ）成分のポリリジン
は、α−ポリリジン、ε−ポリリジンのいずれも使用す
ることができるが、本発明では安全性の面からε−ポリ
リジンを使用することが好ましい。上記ポリリジンはス
トレプトマイセス（Ｓｔｒｅｐｔｏｍｙｃｅｓ）属の微
生物を培養することによって得られ、人体にとって必須
アミノ酸であるリジンが縮合してできたポリペプチドで
ある。ポリリジンとしては、遊離状のもの、無機酸塩、
有機酸塩のいずれも使用することができ、また、取り扱
いを容易にするために賦形剤や増量剤で加工されたもの
を使用することもできる。ポリリジンの縮合度は好まし
くは１０〜１００、より好ましくは２０〜８０である。
上記ポリリジンは殺菌・抗菌性の点から、本発明の洗浄
剤組成物中０．０００１〜１％配合され、特に０．００
０５〜０．５％が好ましい。

【０００９】本発明の洗浄剤組成物は、洗浄力を相乗的
に高める目的で（ｃ）成分としてリン酸塩、メタリン酸
塩、ピロリン酸塩及びトリポリリン酸塩から選ばれる１
種以上のリン含有化合物を含有する。塩は、カリウム
塩、ナトリウム塩又はアンモニウム塩が好ましい。リン
含有化合物は食品添加物として認められているものを使
用することが好ましく、例えば「１３５９９の化学商
品」（１９９９年度版、化学工業日報社）を参考にする
ことができる。

【００１０】具体的にはリン酸塩としては、リン酸二水
素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウ
ム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸
一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸三アン
モニウム等が挙げられる。

【００１１】また、メタリン酸塩としては、メタリン酸
カリウム、メタリン酸ナトリウム等が挙げられる。

【００１２】また、ピロリン酸塩としては、酸性ピロリ
ン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ピロリン酸ナト
リウム等が挙げられる。

【００１３】また、トリポリリン酸塩としては、トリポ
リリン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム等が挙げ
られる。

【００１４】本発明の組成物は、（ｃ）成分を、洗浄力
向上の点から、Ｐ₂Ｏ₅換算で０．０１〜５％、特に０．
１〜５％含有することが好ましい。

【００１５】また、本発明の洗浄剤組成物には、洗浄性
もしくは殺菌・抗菌性をさらに高める目的で、更に
（ｄ）成分としてエタノール、グリセリン、プロピレン
グリコール及びポリエチレングリコールから選ばれる１
種以上の溶剤を配合することが好ましい。上記溶剤の配
合量は、本発明の洗浄剤組成物中０．１〜２５％、好ま
しくは０．２〜２０％である。

【００１６】本発明の洗浄剤組成物は、手肌や食品の表
面に対して穏和であるように、２５℃におけるｐＨが
５．０〜９．０の範囲内にあることが望ましく、特に
６．０〜８．０の範囲内にあることが望ましい。ｐＨの
調整は酸剤として、硫酸、塩酸の他食品に添加すること
が認められているクエン酸、コハク酸等の有機酸やアル
カリ剤として水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどの
他に重曹などのアルカリ金属炭酸塩によって調整するこ
とができる。

【００１７】本発明の洗浄剤組成物中には、組成物の洗
浄力及び殺菌・抗菌性を損なわない範囲で、アラビアゴ
ム、デキストラン、プルラン、アラビノガラクタン、カ
ルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガ
ム、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウ
ム、カゼインナトリウム等の増粘剤を用いることができ
る。

【００１８】また、本発明の洗浄剤組成物中には、生地
臭を抑えたり賦香させる目的で各種香料を用いることが
できる。香料としては天然香料、植物精油、もしくは食
品への添加が認可されている合成香料の中から選ぶこと
が好ましい。上記香料の配合量は、洗浄後の残香が極力
抑えられるように、洗浄剤組成物中に０．５％以下であ
ることが好ましい。

【００１９】また、その他の任意成分として色素、酸化
防止剤、防腐剤、防かび剤等を添加することができる
が、これらの化合物としては食品への添加が認可されて
いるものを用いることが好ましい。

【００２０】本発明の洗浄剤組成物の残部は水であり、
組成物中の比率は５０〜９９．５％、更に６０〜９９％
が好ましい。

【００２１】本発明の洗浄剤組成物は、各成分を前記濃
度で含有する組成物に直接被洗浄物を浸す、各成分を前
記濃度で含有する組成物を手動式スプレー装置、特にト
リガー式容器やミストタイプの容器に充填し、被洗浄物
の表面に直接スプレーする、等の方法で農産物等の被洗
浄物の表面に本発明の組成物を接触させたのち、下記操
作１〜操作３の少なくともいずれかを行う洗浄方法に用
いられる。操作１：流水下ですすぎ洗いする。操作２：手、スポンジ、タオルなどで農産物表面をこす
ったあと流水ですすぎ洗いする。操作３：溜め水の中で振り洗いする。

【００２２】

【発明の効果】本発明によれば、優れた殺菌・抗菌性と
洗浄力を有し、人体や環境に対する安全性が高く、特に
農産物や乳幼児用の哺乳瓶の洗浄において有効な洗浄剤
組成物が得られる。

【００２３】

【実施例】実施例下記の表１に示す組成物を調製し、下記の試験方法及び
評価基準によって評価を行った。結果を表１に示す。

【００２４】（１）ワックス洗浄力試験２００ｍｌの丸底ガラスフラスコをＥｘｔｒａｎＭＡ
０１（メルク社製）の５％水溶液に１２〜２４時間浸漬
した後、蒸留水で十分にすすぐ。丸底フラスコを５０℃
で２４時間乾燥した後、２５℃で２時間静置する。この
時の丸底フラスコの重量（ｇ）を小数点以下４位まで測
定する（Ａ）。丸底フラスコの外面にワックス〔フレッ
シュガードＬＳ−１００、コニシ（株）製〕を１００
±１０ｍｇ塗布し、２５℃で１２〜４時間乾燥させる。
この時の丸底フラスコの重量（ｇ）を小数点以下４位ま
で測定する（Ｂ）。Ｔ９５トリガー（キャニオン（株）
製）で洗浄剤組成物を５回ストローク分ワックス部分に
均一に噴霧し、手で１０秒間なるべく均一な力で擦り洗
いをした後、２５℃の流水（水道水、３Ｌ／ｍｉｎ）で
１０秒間すすぐ。洗浄後の丸底フラスコを５０℃で２４
時間乾燥した後、２５℃で２時間静置する。この時の丸
底フラスコの重量（ｇ）を少数点以下４位まで測定する
（Ｃ）。次式により、ワックス洗浄率を算出する。洗浄率（％）＝［（Ｃ−Ａ）／（Ｂ−Ａ）］×１００同じ洗浄剤の組成で洗浄力試験をそれぞれ５回行い、最
大値及び最小値を除いた３点の平均値を洗浄率とする。
洗浄率の値により以下の評点で洗浄率（表中、洗浄力と
して表す）を評価した。 ○：ワックス洗浄率７０％以上 △：ワックス洗浄率５０％以上７０％未満 ×：ワックス洗浄率５０％未満。

【００２５】（２）殺菌・抗菌性試験供試菌としては大腸菌（Ｅｓｃｈｅｒｉｃｈｉａｃｏ
ｌｉ：ＩＦＯ３９７２）と黄色ブドウ球菌（Ｓｔａｐｈ
ｙｌｏｃｏｃｃｕｓａｕｒｅｕｓＩＦＯ１２７３２）
を用いた。殺菌・抗菌性試験は、表１に示す組成の原液
２ｍｌ中に１０ ⁸〜１０⁹個の細菌浮遊液５０μｌを加え
よく混合した後、放置時間を５分、１０分、１５分と違
えることで殺菌・抗菌性の違いを調べた。放置後、その
洗浄液を０．１ｍｌ採取して０．９ｍｌのＬＰ希釈液中
に加えて十分混合し、洗浄液の菌への影響を低下させ、
次いでこの混合液をＳＣＤＬＰ寒天培地上に塗布し、大
腸菌は３７℃で２４時間、黄色ブドウ球菌は３７℃で４
８時間培養する。培養後の生育したコロニー数を数え
る。なお殺菌試験は同じ洗浄剤の組成で、異なる放置時
間に対しそれぞれ同時に５回ずつ行われ（５回×３）、
各放置時間の５つの実験結果のうち３つのコロニー数が
１０以下となる放置時間を調べ、以下の評点で殺菌・抗
菌性を評価した（表中、殺菌力として表す）。なお、前
記規定以外の実験条件の詳細は、防菌防黴ハンドブック
（日本防菌防黴学会編、技報堂出版）のｐ６８６に記載
されている浮遊試験法（定量的検査法）に従う。 ○：放置時間が５分、１０分、１５分のいずれも、大腸
菌も黄色ブドウ球菌もコロニー数が１０以下になる △：放置時間が１０分及び１５分でコロニー数が１０以
下になるが、５分では大腸菌も黄色ブドウ球菌も１０以
下にならない。 ×：放置時間が５分、１０分及び１５分のいずれにおい
ても大腸菌も黄色ブドウ球菌もコロニー数が１０以下に
ならない。

【００２６】

【表１】

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】（ａ）モノグリセリン脂肪酸エステル、
ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エス
テル、ショ糖脂肪酸エステル及びプロピレングリコール
脂肪酸エステルから選ばれる１種以上の界面活性剤、
（ｂ）ポリリジン並びに（ｃ）リン酸塩、メタリン酸
塩、ピロリン酸塩及びトリポリリン酸塩から選ばれる１
種以上のリン含有化合物を含有する洗浄剤組成物。
【請求項２】更に（ｄ）エタノール、グリセリン、プ
ロピレングリコール及びポリエチレングリコールから選
ばれる１種以上の溶剤を含有する請求項１記載の洗浄剤
組成物。
【請求項３】２５℃におけるｐＨが５．０〜９．０の
範囲内にある請求項１又は２記載の洗浄剤組成物。
【請求項４】農産物用である請求項１〜３の何れか１
項記載の洗浄剤組成物。
【請求項５】乳幼児用の哺乳瓶用である請求項１〜３
の何れか１項記載の洗浄剤組成物。