JP2002322009A - 殺菌用組成物及びその使用方法 - Google Patents

殺菌用組成物及びその使用方法

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JP2002322009A JP2001124351A JP2001124351A JP2002322009A JP 2002322009 A JP2002322009 A JP 2002322009A JP 2001124351 A JP2001124351 A JP 2001124351A JP 2001124351 A JP2001124351 A JP 2001124351A JP 2002322009 A JP2002322009 A JP 2002322009A
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Koji Nishigori
浩治 錦織
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MEDICOM BRAIN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い殺菌作用を有すると共に、人体に対して
無害であり、持続性があり安全性も高い新規な殺菌用組
成物を提供すること。より具体的には、飲食物や収穫後
の農作物に対して直接添加しても安全であり、かつ、食
器類、厨房用具や、トイレまわりの洗浄用などにも安全
に使用することが出来る殺菌用組成物を提供すること。
更に、この安全でかつ人体に対して無害な新規殺菌用組
成物を、病原性微生物の感染を予防するために使用する
こと、および食中毒の原因菌に対する殺菌剤または洗浄
剤もしくは清浄剤として使用する使用方法を提供するこ
と。 【解決手段】 プロタミンとポリリジンと柑橘系植物の
種子抽出成分とを含む殺菌用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食用でかつ不揮発
な成分のみからなる新規殺菌用組成物及びその使用方法
に関し、更に詳細には、制菌(静菌)作用を有する食用
でかつ不揮発な成分である物質を混合することにより作
成され、持続的な殺菌作用を示す新規殺菌用組成物であ
って、収穫後の農作物の消毒・殺菌などに直接使用して
も安全であるばかりでなく、食品や厨房、厨房用具、食
器類、布巾類、手指、皮膚等の殺菌、消毒・洗浄用にも
安心して使用することができる新規殺菌用組成物及びそ
の使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】収穫後の農作物や食品の変質・劣化は、
主に微生物がその中に増殖して変性させたり腐敗させた
りすることが原因となっている。腐敗等の変質は、収穫
後の農作物や食品の外観及び官能上に好ましくない変化
を起こすのみならず、その変質をもたらす微生物のなか
に病原性微生物が含まれる場合には、食中毒や感染症な
どの病気を引き起こすこともある。
【0003】かかる腐敗菌や病原性微生物の感染を予防
するには、その微生物の生育を抑制すること、あるいは
殺菌することが必要である。これには種々の方法があ
り、例えば、煮沸、高温、あるいは高圧による物理的手
段、ならびに、殺菌剤や化学療法剤等での化学的手段が
挙げられる。しかしながら、これらの殺菌方法は、その
対象物によっては利用できない場合が多く、特に人体に
直接接触し、または口から直接的または間接的に人体に
入るもの等には適用できないこともある。
【0004】現在食物の腐敗や食中毒の予防に用いられ
ている合成殺菌料(保存料)としては、例えば、次亜塩
素酸ナトリウム、ソルビン酸(塩)、安息香酸(塩)、
デヒドロ酢酸(塩)、パラオキシ安息香酸エステル、プ
ロピオン酸(塩)、グリシン等が使用されている。しか
しながら、これらの化学合成品ないし半合成品の成分か
らなる殺菌剤や化学療法剤は、人体への安全性や環境へ
の負荷の点から、使用する場合には様々な制約が課せら
れている。従って、収穫後の農作物や食品に対して使用
される殺菌剤は厳しい制約を受けるので、その種類も極
めて限られたものにならざるを得ないのが現状である。
【0005】また、収穫後の農作物や食品を保存する場
合には、腐敗を含めた劣化・変質を防ぐために腐敗菌等
の微生物の増殖を抑制することが必要である。腐敗菌等
の微生物の増殖は、その保存環境における温度条件に大
きく依存しており、通常、低温に保存することでその微
生物の増殖を抑制し、腐敗を防止することができる。し
かしながら、低温での保存には限界がある。また、腐敗
菌等の微生物の増殖を抑制する物質が開発され既に製品
化されているが、これら制菌(静菌)剤は、一般に病原
性微生物や腐敗菌等を殺菌する作用は、有していたとし
ても弱いものでしかない。従って、これら制菌(静菌)
剤を用いて収穫後の農作物や食品を保存したとしても、
その保存条件や保存期間によっては混入する微生物によ
り腐敗や品質の劣化を引き起こす可能性がある。
【0006】かかる制菌(静菌)あるいは殺菌作用を有
するもののうち、収穫後の農作物や食品にも添加して使
用できるのは、人類がこれまで食習慣のある動植物から
抽出したものが好ましいが、人間に対する毒性がなく、
食品の味、香りや食感等の官能上の変化をもたらさない
ものでなくてはならない。
【0007】現在、収穫後の農作物や飲食品などに直接
使用することができて、腐敗を防止すると共に、病原性
細菌の感染をも予防する目的で、多く用いられているも
のに、エタノール製剤及び次亜塩素酸ナトリウム製剤が
ある。しかしながら、エタノール製剤及び次亜塩素酸ナ
トリウム製剤は両者とも、主成分であるエタノール及び
次亜塩素酸の揮発性が高いことが致命的な欠陥となって
いる。即ち、(1)主成分が揮発してしまうので、作用
が一時的であり持続しない、(2)揮発に伴い、臭いを
発散するので食品の官能上の変化をもたらす、(3)次
亜塩素酸の場合、揮発による人体や環境への悪影響があ
る、及び(4)エタノールの場合には引火の危険性もあ
る、等の問題点である。
【0008】エタノール及び次亜塩素酸ナトリウム以外
に、現在、厚生省が認可している「化学的合成品以外の
食品添加物リスト」に記載されている天然物起源の制菌
(静菌)作用を有するものは8品目があり、この他に
「日持ち向上剤」に分類される数種の天然物がある。か
かる「化学的合成品以外の食品添加物リスト」に記載さ
れている天然物起源の制菌あるいは静菌作用を有するも
のとして、最も多く使用されているものの一つとしてプ
ロタミンがある。
【0009】プロタミンは、雄魚の生殖腺である精巣い
わゆる「しらこ」中で成熟した精子のDNAと結合して
いる強塩基性の単純タンパク質である。プロタミンはタ
ンパク質としては比較的低分子であり、加熱により変成
や凝固はしない。食品添加物して使用されるプロタミン
は、主にサケやニシンの「しらこ」から得られるもの
で、水溶液はアルカリ性を呈し、等電点は約pH10〜
12である。プロタミンは,耐熱性細菌や乳酸菌に対し
て抗菌作用を示す(野崎一彦、月刊フードケミカル、N
o.8,50−57(1999))が、その殺菌効果は
それほど強くはない。
【0010】この他に製品化されている物質として、ポ
リリジンと呼ばれる物質が知られている。ポリリジン
は、食品添加物としてその工業的製造法が確立されてい
る。ポリリジンは、天然に見いだされたアミノ酸ポリマ
ーであって、必須アミノ酸の一つであるL−リジンのε
位のアミノ基とカルボキシル基とがペプチド結合をし
て、直鎖状に結合したポリアミノ酸である。このε−ポ
リリジンを構成するアミノ酸は、L−リジンのみであ
り、重合度は25〜35で分子量は約5、000であ
る。このL−ポリリジンは、ストレプトマイセス属に属
する微生物を好気的に培養することによって得ることが
できる(平木純、J.Antibact.Antifu
ng.Agents,Vol.23,No.6.pp.
349−354,1996)。
【0011】ポリリジンは、細菌類においてはグラム陽
性及び陰性を含む種々の細菌に対して比較的低濃度で増
殖を抑制すると共に、酵母に対しても比較的高い増殖抑
止効果が認められる。その上、ポリリジンは、ある程度
の菌の不活性化効果を有していると言われているが、そ
の不活性化効果は、殺菌作用といえる程度のものとは認
められない。
【0012】他方、グレープフルーツなどの柑橘類の種
子から抽出した柑橘類種子抽出成分が食品添加剤として
承認されている。この柑橘類種子抽出物は、加工食品に
添加してその保存性を向上すると共に、原材料を浸漬処
理することによってその原材料の保有菌の増殖を抑制を
することができるとされている。また、かかる柑橘類種
子抽出物は、天然抗菌剤として広く利用することが可能
で、抗菌繊維、抗菌紙などとしても応用されている。し
かしながら、この柑橘類種子抽出物の抗菌作用は、強い
殺菌力を有しているとは認められない。
【0013】このように、収穫後の農作物や食品などに
直接使用することができて、その適用したものの腐敗を
防止すると共に、病原性細菌の感染をも予防できる殺菌
力を有する製品を開発することは、食品衛生上から極め
て有用であり、かかる製品の開発が永らく要請されてい
た。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記要請に応えるべ
く、特に、病原性微生物の感染を予防するために高い殺
菌作用を有すると共に、人体に対して無害であり、持続
性があり安全性も高い新規な殺菌用組成物を提供するこ
とを課題とする。また、より具体的には、収穫後の農作
物に直接使用することができると共に、食品や食器類、
厨房用具、厨房、トイレまわり、等の殺菌及び洗浄/清
浄用にも安全に使用することができる、高い殺菌作用を
有する新規な殺菌用組成物を提供することを目的として
いる。
【0015】
【課題を解決する手段】前述した目的を達成するために
鋭意研究努力した結果、本発明者らは、食品添加物とし
て認められている天然物起源の物質で、不揮発性で制菌
作用ないし弱い殺菌作用しか認められていない物質を組
み合わせた結果、驚くべきことに、ある特定の物質の組
み合わせにより極めて高い殺菌作用を有する殺菌用組成
物が得られることを見出して、この発明を完成するに至
った。
【0016】前記目的を達成するために、本発明は、食
用でありかつ不揮発性の、プロタミン、ポリリジン、及
び柑橘系植物の種子抽出成分とからなることを特徴とす
る殺菌用組成物を提供する。更に、上記殺菌用組成物
を、特に、病原性微生物の感染を防止するために使用す
ることによって、本発明の目的を達成することができ
る。具体的には、上記殺菌用組成物を、収穫後の農作物
に直接使用すると共に、食品や食器類、厨房用具、厨
房、トイレまわり、等の殺菌及び洗浄浄用にも使用する
ことで、上記目的を達成することができる。
【0017】即ち、本発明は以下の発明を包含する。 (1)プロタミンとポリリジンと柑橘系植物の種子抽出
成分とを含む殺菌用組成物。 (2)前記(1)記載の殺菌用組成物を用いる収穫後の
農作物の殺菌方法。 (3)前記(1)記載の殺菌用組成物を用いる食品、厨
房、厨房用具、食器、布巾、又は皮膚の殺菌方法。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明による殺菌用組成物は、プ
ロタミンとポリリジンと柑橋系植物の種子抽出成分とを
含有する。本発明に使用することができるプロタミンと
しては、各種の雄魚の「しらこ」タンパクから得たもの
であるが、特に、サケやニシンの「しらこ」から得られ
る食品保存料として使用できるものが望ましい。
【0019】本発明に使用するポリリジンとしては、リ
ジンがペプチド結合によって重合したポリアミノ酸であ
ればいずれも使用可能であり、特に天然に見出されたア
ミノ酸ポリマーであり、かつ、L−リジンのε位のアミ
ノ基とカルボキシル基とがペプチト結合によって直鎖状
に結合したε−ポリリジンであって、天然系食品保存料
として使用できるものが好ましい。本発明で使用する柑
橘系植物としては、グレープフルーツ、夏蜜柑、レモ
ン、カボス、スダチ、蜜柑、イヨカン、オレンシ、マン
ダリン、ハッサク、ネーブル、ポンカン等が挙げられる
が、グレープフルーツが特に好ましい。
【0020】かかる柑橘系植物の果実の種子からの抽出
成分としては、脂肪酸とフラボノイドを主成分とした抽
出物が好ましく、特に、グレープフルーツの果実の種子
から抽出した脂肪酸とフラボノイドを主成分とした天然
成分であり、かつ、天然系食品添加物として認められる
グレードのものが好ましい。
【0021】本発明において使用する柑橘系植物の種子
抽出成分は、上記柑橘系植物の種子から従来の方法によ
って抽出することができる。この方法として、例えば、
圧搾や溶媒抽出等の方法が挙げられる。圧搾の方法で
は、一般の圧搾機を用いて柑橘系植物の種子からエキス
を絞り出し、市販のデカンター等で分離して上記天然成
分を取り出すことができる。また、溶媒抽出して得られ
るエキスは、柑橘系植物の種子をボールミルやホモジナ
イザー等の粉砕機によって粉砕した後、水やエタノール
等の人体に対して無害でかつ安全な溶剤を用いて混合
し、抽出や濾別などの方怯によって分離製造することが
できる。また、添加した水分やアルコール分は蒸発等に
よって取り除き、溶剤をほとんど除去して濃縮エキス
(抽出成分含量60重量%以上)とし、その濃縮エキスの
状態で使用することもできる。
【0022】本発明による殺菌用組成物は、天然系食品
保存料もしくは添加剤として使用することができる成分
で、かつ不揮発性のものから構成されていることから、
人体に対して一切無害であり、かつ長期使用しても効果
の低下が少なく安全であることから、病原性微生物を含
む各種細菌からの感染を予防する目的であればいかなる
分野においても使用することができる。従って、上記殺
菌用組成物は、収穫後の農作物や食品など人体に口から
直接摂取されるものに対しても使用することができる。
その他、トイレまわり等の各種用具に対して使用可能で
あることは勿論のこと、食器類、厨房用具等の口に直接
的あるいは間接的に接触する各種用具にも使用可能であ
り、さらには手指等の皮膚表面の殺菌、消毒及び洗浄等
の目的で用いることもできる。本発明による上記殺菌用
組成物は、殺菌剤としての他に洗浄剤、除菌剤、消毒
剤、抗カビ剤、防カビ剤等として種々の形態で使用可能
であり、その使用対象によって異なる形態で使用するこ
とができる。更に、本発明による上記殺菌用組成物は、
上記に加えて、広く一般工業用天然抗菌剤として、工業
用途全般の抗菌コートとして各種抗菌処理にも使用する
ことができる。
【0023】また、本発明による上記殺菌用組成物を収
穫後の農作物等や食品等に直接使用する場合には、溶液
や懸濁液等の液体の形状で使用するのが一般的である
が、使用対象によっては固体の形状で使用することもで
きる。本発明による上記殺菌用組成物は、収穫後の農作
物や食品等の使用対象に応じた適切な形態で、使用対象
に一切制約されることなく使用することができ、例えば
殺菌、消毒しようとする対象物に本発明の殺菌用組成物
を散布、塗布することにより、又は該対象物を本発明の
殺菌用組成物に浸漬する等の方法により使用することが
できる。溶液の形状で使用する場合、溶媒としては純水
等の水、生理食塩水、各種緩衝液、及びそれらに適当な
濃度のエタノール若しくはイソプロピルアルコール等を
含んだもの等が挙げられる。
【0024】本発明による殺菌用組成物における上記プ
ロタミン、ポリリジン、及び柑橘系植物の種子抽出成分
の量も、上記殺菌用組成物の使用対象あるいは形態等に
よって異なり、特に限定されるものではない。例えば、
上記殺菌用組成物を液体状で収穫後の農作物や食品等に
使用する場合には、上記プロタミン、ポリリジン、及び
柑橘系植物の種子抽出成分の殺菌用組成物中の量は、そ
れぞれ、以下に示す通りである。プロタミンの量は、一
般的には、約0.001〜1重量%、好ましくは0.0
05〜0.5重量%、更に好ましくは0.0l〜0.1
重量%である。ポリリジンの量は、一般的には、約0.
01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%、更
に好ましくは0.l〜1重量%であり、柑橘系植物の種
子抽出成分の量は、濃縮エキスとして、上記殺菌用組成
物に対して、一般的には約0.001〜1重量%、好ま
しくは0.005〜0.5重量%、更に好ましくは0.
01〜0.4重量%である。更に、これら、プロタミ
ン、ポリリジン、及び柑橘系植物の種子抽出成分との相
対的な量にしても、特に限定されるものではなく、使用
形態、使用対象等によって適宜変えることができる。
【0025】本発明による殺菌用組成物には、その使用
目的などによって、種々の添加剤を更に含んでいてもよ
く、例えば、pHを調節するのが望ましい場合には、酸
やアルカリでpHを適宜調節することができる。実際に
は、プロタミン、ポリリジン、及び柑橘系植物の果実種
子抽出成分は、中性ないしアルカリ性を示すので、pH
を調節する目的では専ら酸を用いることになる。この場
合にも、本発明の目的である、高い殺菌作用を有すると
共に人体に対して無害であり、持続性があり安全性も高
い新規な殺菌用組成物を提供することに合致するべく、
酸としては各種有機酸を用いることが望ましい。特に好
ましくは、クエン酸を用いることが望ましい。高浸透圧
を調節するのが望ましい場合には、浸透圧調節剤で浸透
圧を適宜調節することもできる。この場合にも、本発明
の目的に合致するように、食塩やショ糖を用いることが
特に望ましい。
【0026】
【実施例】本発明について、実施例により更に具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。 (実施例1)(殺菌・抗菌試験) 下の表1に示すように、下記成分をそれぞれ所定量秤量
し、混合して所定量の水で希釈して殺菌用組成物を得
た。
【0027】
【表1】
【0028】上記組成からなる殺菌用組成物について、
主に食中毒の原因菌である大腸菌(O-157)、黄色ブド
ウ球菌、サルモネラ菌、腸炎ビブリオ菌、及びリステリ
ア菌、並びに伝染性病原菌であるコレラ菌に対する抗菌
・抗菌作用を試験した。使用した菌は、大腸菌[Escher
ichia coli O-157:H45(ベロ毒素非産生株)]、黄色
ブドウ球菌[Staphylococcus aureus (AO型毒素産生
株)]、サルモネラ菌[Salmonella enterotidis]、腸
炎ビブリオ菌[Vibrio parahaemolyticus]、リステリ
ア菌[Listeria monocytogenes]、コレラ菌[Vibrio c
holerae]である。これらの各培養菌液を滅菌生理食塩
水で希釈して、菌数2 x 104/mlとしたものを試験用菌液
とした。上記殺菌用組成物5mlと各試験用菌液5mlとを混
合し、30℃の恒温水槽中に静置した。静置後5分、30
分、60分後に1mlづつシャーレにとり、標準寒天培地で3
7℃で48時間培養し、菌数を測定した。
【0029】対照としては、滅菌生理食塩水5mlに各試
験用菌液5mlを混合したものを用いて同様に操作した。
その結果は、以下の表2に示す通りであった。ここで示
した組成からなる殺菌用組成物は、食中毒の原因菌であ
る大腸菌、黄色ブドウ球菌、サルモネラ及びビブリオ菌
に対して、迅速かつ強力な殺菌作用を示した。
【0030】
【表2】
【0031】(実施例2)(殺菌・抗菌作用の持続性試
験) 更に、実施例1で示した殺菌用組成物の殺菌作用につい
てその持続作用について検討した。市販のタオル地の布
巾(10 x 10 cmに切ったもの)を加熱滅菌し、各布巾に
雑菌培養液(菌数1.7 x 104/ml)を1 mlずつ添加した。
雑菌を付加した各布巾をそれぞれ以下のように処理し
た。
【0032】実施例1で示した殺菌用組成物中に雑菌を
付加した布巾を5分間浸し、軽く絞った後、直後、24及
び48時間後の布巾中に付着している菌数を測定した。対
照例として、滅菌水、市販次亜塩素酸製剤、及び70%エ
タノールをそれぞれ用い、各対照液の中に雑菌を付加し
た布巾を5分間浸し、以後は同様の操作を行い、布巾中
の菌数を測定した。
【0033】その結果は、以下の表3に示す通りであっ
た。実施例1で示した組成からなる殺菌用組成物は、布
巾に付着した雑菌を迅速に減らし、その効果は24ないし
48時間後まで持続した。一方、市販次亜塩素酸製剤及び
70%エタノールでの処理は、一時的には布巾に付着した
菌数を減らすことができたが、24時間後及び48時間後に
は出発菌数以上の菌数が残存することになった。この原
因は、次亜塩素やエタノールは揮発してしまい効力が失
われるが、本発明の殺菌用組成物では、成分の揮発はな
く効力が持続するものと思われる。
【0034】
【表3】
【0035】(実施例3)(抗カビ作用) これらの殺菌作用に加えて、本発明の殺菌用組成物の、
カビに対する抗カビ作用を検討した。本組成物の抗カビ
作用を調べるために、カビに対する最小発育阻止濃度
(MIC)を調べた。供試カビとして、クロコウジカビ(A
spergillus nigerFERM S-1)と、クロカワカビ(Claudo
sporium claudosporides FERM S-8)を用いて、実施例
1で示した組成物のMICを、MIC測定法(24ウェル寒天
法)によって測定した。つまり、本組成物を所定希釈度
に希釈して、その希釈液をポテトデキストロース寒天培
地に接種し、25±1℃の温度で5日間培養して、明確な阻
止を示したウエルをMICと判定した。対照としては滅菌
生理食塩水を用いた。その結果を表4(クロコウジカ
ビ)と表5(クロカワカビ)に示す。
【0036】
【表4】
【0037】
【表5】
【0038】表4及び表5の結果から、本発明による組
成物は、カビに対しても抗カビ作用を有し、クロコウジ
カビとクロカワカビに対する最小発育阻止濃度(MIC)
は、それぞれ1/8倍と1/2倍希釈濃度であることが判明
した。以上の結果より、本発明による組成物は、種々の
細菌ばかりでなく、カビに対しても有効であることが判
明した。
【0039】(実施例4)(収穫後の農作物に対する殺
菌・抗菌および抗カビ作用) 次に、実施例1で示した殺菌用組成物について、実際の
収穫後の農作物に対する殺菌・抗菌および抗カビ作用を
検討した。 (収穫したイチゴでの作用)収穫したイチゴを1群40個
ずつ、2群(群I及び群II)に群分けをした。群Iのイチ
ゴは何も処理をしないで、群IIのいちごは実施例1の殺
菌用組成物溶液中に5分間浸漬した後、いずれも室温に
放置し、処理直後、3時間後、6時間後、および24時間後
にそれぞれ10個ずつのイチゴを採取し、同量の滅菌生理
食塩水を加えてホモジナイズした。このようにして処理
を行った各試料中の一般生菌数および大腸菌群数を、そ
れぞれ、標準寒天培地およびデオキシコーレイト寒天培
地上で37℃、24時間培養することによりコロニー法によ
り測定した。その結果を以下の表6に示す。本発明の殺
菌組成物は、イチゴに付着している一般細菌および大腸
菌群を、迅速かつ長時間にわたり抑制することが可能で
あった。
【0040】
【表6】
【0041】(収穫したマンゴーでの作用)収穫したマ
ンゴーを1群30個ずつ、合計で約5Kgになるようにして4
群に群分けした。各群のマンゴーを以下の表7に示すよ
うに処理し、処理後12日間室温にて保存し、炭そ病およ
び柄末の腐れの有無を観察し、発現の割合を%で表示し
た。炭そ病および柄末の腐れは、カビ類であるColletor
ichum属あるいはDiplodia属の菌類によって惹き起こさ
れると考えられている。
【0042】
【表7】
【0043】その結果を以下の表8に示す。本発明の殺
菌用組成物は、収穫後のマンゴーに対して、発生する炭
そ病および柄末の腐れを有意に抑制することが可能であ
った。この作用は、現在用いられている既存の農薬の作
用に比較しても同等あるいはそれ以上であった。
【0044】
【表8】
【0045】ここで示した結果は、高い抗菌・殺菌作用
および抗カビ作用を有し、人体に対して無害であり、持
続性があり安全性も高い新規な殺菌用組成物により、収
穫後の農作物に対して直接添加できることを示してい
る。これは、既存農薬の環境や人体に与える悪影響が問
題になっている現在、環境や人体に与える負荷の少ない
本発明の殺菌用組成物が、収穫後の農作物の処理に極め
て有用であることを示している。
【0046】
【発明の効果】本発明による殺菌用組成物は、上述のよ
うに、プロタミンとポリリジンと柑橘系植物の種子抽出
成分とを含み、これらの成分はいずれも天然食品添加物
として認められているものであり、人体にとっては無害
でありかつ安全であることは勿論、口から人体中に入っ
たとしても無害でありかつ安全であるという極めて大き
な利点がある。
【0047】また、上記各成分はいずれも不揮発性であ
り、従来用いられているエタノール製剤や次亜塩素酸製
剤のもつ重大な欠陥を克服して、安全で作用が持続する
という大きな利点がある。更には、本発明による殺菌用
組成物は、食中毒の原因菌として特に問題となる諸細菌
に対して殺菌作用があることも別の極めて大きな利点で
ある.また、この発明による殺菌用組成物は、上記成分
を単に混合するだけでよく、製造上も極めて簡単である
という利点もある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A23L 3/3463 A61K 35/60 A61K 35/60 35/78 K 35/78 A61P 17/00 101 38/00 C11D 3/48 A61P 17/00 101 A23B 7/156 // C11D 3/48 A61K 37/02 Fターム(参考) 4B021 LA44 LW02 MC01 MC02 MK05 MK23 MP02 4B069 AA04 HA11 KA01 KB03 KC17 KC28 4C088 AB62 AC04 BA09 BA10 BA14 BA18 CA02 CA05 CA06 CA17 MA02 MA17 MA21 MA34 MA55 MA63 NA05 NA06 ZB35 4H003 BA12 DA01 DA02 DA17 EB08 EB13 EB38 EB43 EB44 ED02 FA34 4H011 AA02 AA03 BA01 BA06 BB06 BB19 BB22 BC06 DH11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロタミンとポリリジンと柑橘系植物の
    種子抽出成分とを含む殺菌用組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の殺菌用組成物を用いる収
    穫後の農作物の殺菌方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の殺菌用組成物を用いる食
    品、厨房、厨房用具、食器、布巾、又は皮膚の殺菌方
    法。
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