JP2001347406A - 偏心軸のチャック方法、および同装置 - Google Patents

偏心軸のチャック方法、および同装置

Info

Publication number
JP2001347406A
JP2001347406A JP2000175566A JP2000175566A JP2001347406A JP 2001347406 A JP2001347406 A JP 2001347406A JP 2000175566 A JP2000175566 A JP 2000175566A JP 2000175566 A JP2000175566 A JP 2000175566A JP 2001347406 A JP2001347406 A JP 2001347406A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shaft
conical surface
eccentric
universal joint
flange
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000175566A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Shirata
啓 白田
Masaaki Suzuki
正昭 鈴木
Masayuki Kuwata
雅之 桑田
Akira Yamaguchi
彰 山口
Masayuki Takahashi
征幸 高橋
Masanori Yamaguchi
政徳 山口
Toru Tachibana
亨 立花
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Micron Machinery Co Ltd
Original Assignee
Micron Machinery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Micron Machinery Co Ltd filed Critical Micron Machinery Co Ltd
Priority to JP2000175566A priority Critical patent/JP2001347406A/ja
Publication of JP2001347406A publication Critical patent/JP2001347406A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Gripping On Spindles (AREA)
  • Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)
  • Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 Vブロック6に対してクランク軸状偏心軸3
のクランクジャーナル3aを押しつけて位置ぎめしたと
き、そのクランクピン3bが主軸5の中心線X−Xと同
心となるように上記クランク軸状偏心軸をチャックす
る。 【解決手段】 前記の主軸5を分割して、テーパ嵌合部
10によって双方を結合するとともに、該テーパ嵌合部
10の中心線χ−χを、主軸5の中心線X−Xと平行
に、かつ、寸法eだけ偏心させる。上記テーパ嵌合部1
0はバネ手段15によって密着せしめられ、油圧シリン
ダ12により自在継手14を介して押動されて離間す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クランク軸状の偏
心軸を形成しているクランクピン(略称・ピン)と、ク
ランクジャーナル(略称・ジャーナル)との2種類の軸
の内の何れか片方の外周を研削するため、該片方の軸を
露出させた状態で他方の軸をチャックして、チャックさ
れていない軸が研削機の主軸に対して同心となるように
心合わせしてチャックする方法、および、上記の方法を
実施するに好適な装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6は、クランク軸状に偏心した軸を例
示したもので、(A),(B)はそれぞれ異なる従来例
の斜視図である。本図(A)に示したクランク軸状偏心
軸1は、クランクジャーナル1aとクランクジャーナル
1cとが同径,同心で、その中心線はχ−χ軸である。
クランクピン1bは上記クランクジャーナル1a,同1
cよりも大径で、その中心線X−Xは、前記中心線χ−
χに比して平行であり、寸法Eだけ偏心している。本図
6(B)に示したクランク軸状偏心軸2は、クランクジ
ャーナル2aとクランクジャーナル2cとが異径,同心
で、その中心線はχ−χ軸である。クランクピン2b
は、上記クランクピン2a,2cよりも大径で、その中
心線X−Xは、前記中心線χ−χに比して平行であり、
寸法E′だけ偏心している。例えば前記クランク軸状偏
心軸1のクランクピン1bの外周面を研削しようとする
と、このクランク軸状偏心軸1を研削機の主軸に取り付
けて、該クランクピン1bの中心線であるX−X軸周り
に回転させなければならない。すなわち、X−Xが主軸
と同心となるようにチャックしなければならないのであ
るが、この場合、クランクピン1bが被加工部であるか
ら、これを直接的に把持することはできない。そこで、
クランクジャーナル1a、もしくはクランクジャーナル
1cをチャックして主軸に取り付け、しかも、把持して
いないクランクピン1bを主軸に対して同心ならしめる
ように心合わせしなければならない。こうした問題は、
(B)図に示したクランク軸状偏心軸2のクランクピン
2bを研削するときにも発生する。本図6に示した例に
限らず、クランク軸状に偏心した軸の、ピンもしくはジ
ャーナルの何れかを研削する場合には前記のように難し
い心合せ把持(チャック)操作の必要を生じる。ピンお
よびジャーナルの両方を研削するにも、多くの場合、
a.ピンが主軸と同心となるように、ジャーナルをチャ
ックする操作と、b.ジャーナルが主軸と同心となるよ
うに、ピンをチャックする操作と、の両方の操作を順次
に行なわねばならない。なお、前記のジャーナルおよび
ピンは必ずしも円柱形であるとは限らず、テーパ状をな
している場合や、バレル状をなしている場合も有る。
【0003】図7は、クランクピンを主軸と同心ならし
めるように、上記主軸に対してクランクジャーナルを意
識的に偏心せしめて位置決めする従来技術を説明するた
めに示した模式図である。直交座標Y−Zの交点は、主
軸台4の主軸5の中心に位置していて、該主軸5の中心
線はX軸(紙面に垂直)である。位置決め操作の目標
は、クランクピン3bの中心線を上記X軸と一致せしめ
て、当該クランク軸状偏心軸3を主軸5に対して固定す
ることであるが、クランクピン3bの外周面が研削対象
の被加工物であるから、該クランクピン3bを露出させ
ておかねばならず、これをチャックすることはできな
い。そこで、Vブロック6を主軸5に装着し、このVブ
ロック6に対してクランクジャーナル3aを2本の平行
線P,P′で線接触させて位置決めするとともに、チャ
ックプランジャ7で押しつけてチャックする。主軸5に
対するVブロック6の取付けは、予め、「クランクジャ
ーナル3aが主軸5に対して寸法Eだけ偏心する位置」
となるように設定されている。以上の構成だけでは、V
ブロック6上に載置されたクランク軸状偏心軸3が、ク
ランクジャーナル3aを中心として回動し得るので、チ
ャックプランジャ7によってクランクジャーナル3aを
挟みつける前に、図示しない治具でクランクピン3bを
軽く挟みつけるなどして「クランクピン3bの中心線」
が「クランクジャーナル3aの中心線」の垂直下方に位
置するように回動姿勢を正す操作が必要であって、これ
については未公知の発明(特願平11−353306
号)が別途に出願されている。
【0004】以上が本願発明に関連する、公知および未
公知を合わせての先行技術の概要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前掲の図7に示した心
合わせ状態を、製図版の上で描いたり、寸法関係を計算
したりすることは、公知技術を適用して比較的容易に行
なうことができるが、これを工業生産面において実機に
ついて遂行するには、次のa,bのような困難が有る。 a.精密な研削を行なう場合、構成部材の製作誤差や取
付誤差の影響を受けるので、なかなか高精度でVブロッ
クを主軸に装着することが難しい。例えばVブロック取
付け用のボルトの締め加減による歪みを問題としなけれ
ばならないような超高精度(ミクロンオーダー)を追及
する場合は、クランクジャーナル3aに適正な偏心量E
を与え得るように、Vブロック6を主軸5に装着する作
業には、高度の熟練と多大の時間,労力とを必要とす
る。 b.被加工物であるクランク軸状偏心軸の仕様が変われ
ば、該被加工物の偏心量Eの変化に応じてVブロック6
の設置位置を変えねればならない。このため、仕様変更
の度ごとに、前記a項の作業を繰り返さなければなら
ず、作業能率の低下、加工コストの増加を招く。本発明
は上述の事情に鑑みて為されたものであって、クランク
軸状偏心軸を研削する研削機の主軸に対してVブロック
を、「該Vブロックによって挟み付けられる軸以外の軸
が主軸に対して同心となるように」、迅速容易に位置決
めできる技術を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに創作した本発明の基本的原理について、その実施形
態を模式化して描いた断面図である図1を参照して略述
すると次のとおりである。すなわち、Vブロック6に対
してクランク軸状偏心軸3のクランクジャーナル3aを
押しつけて位置ぎめしたとき、そのクランクピン3bが
主軸5の中心線X−Xと同心となるように、上記クラン
ク軸状偏心軸をチャックするため、前記の主軸5を分割
して、テーパ嵌合部10によって双方を結合するととも
に、テーパ嵌合部10の中心線χ−χを、主軸5の中心
線X−Xと平行に、かつ、寸法eだけ偏心させる。上記
テーパ嵌合部10はバネ手段15によって密着せしめら
れ、油圧シリンダ12により自在継手14を介して押動
されて離間する。
【0007】以上に説明した原理に基づいて請求項1に
係る発明方法の構成は、クランク軸状に偏心した軸の、
ピンとジャーナルとの何れか片方を把持して、上記ピン
とジャーナルとの何れか他方が研削機の主軸と同心にな
るように、該主軸に取り付けられたVブロックで位置決
めしてチャックする方法において、上記の主軸を、軸心
方向について2分割するとともに、分割された主軸を相
互にテーパ嵌合せしめ、かつ、上記のテーパ面の凹形円
錐面と凸形円錐面とを相互に偏心せしめ、分割された主
軸の内、凸形の円錐面を形成された側の端面に、前記ク
ランク軸状に偏心した軸を固定的に挟持する機構を設
け、前記凸形円錐面の頂部付近を小径軸状に延長せしめ
て、凹形円錐面の底部に設けた孔に挿通するとともに、
該小径軸部にバネ手段を設けて、前記テーパ嵌合部の凹
形円錐面に対して凸形円錐面を圧着せしめる方向の弾性
的な力を付勢し、かつ、分割された主軸のうち凹形円錐
面を形成された部材の、該凹形円錐面と反対側の端部付
近に、広義の油圧シリンダ機構を設けて、該油圧シリン
ダの伸縮力により前記小径軸状部分に押圧力を与えて、
前記バネ手段の弾性力を抗して、前記テーパ嵌合部の凸
形円錐面と凹形円錐面との圧着を解除し得るようにする
とともに、前記油圧シリンダの押圧力を、自在継手機構
を介して、前記小径軸状部に伝動し得るようにし、前記
油圧シリンダを作動せしめてテーパ嵌合部の圧着を解除
した状態で、偏心したテーパ嵌合部凸形円錐面と同凹形
円錐面とを相互に回動させて、主軸に対する「Vブロッ
クに把持されている円柱状部材」の偏心量を調節し、調
節した後、前記油圧シリンダを休止せしめて、テーパ嵌
合部をバネ手段により相互に圧着させることにより、テ
ーパ嵌合面の摩擦力で凸形円錐面と凹形円錐面との相対
的回動を阻止して前記の調節された状態を固定的に保持
することを特徴とする。以上に説明した請求項1の発明
方法によると、Vブロックによって位置ぎめ固定された
軸部材の、主軸に対する偏心量を迅速,容易、かつ高精
度で調節して、偏心軸を心合わせすることができる。上
述のようにして、例えばクランク軸状に偏心した被加工
物のクランクジャーナルの、主軸に対する偏心量を自在
に調節することができるので、この偏心量を「被加工物
のクランクジャーナルとクランクピンとの偏心量」に等
しからしめて相殺することにより、該被加工物のクラン
クピンを主軸に対して同心ならしめることができる。上
述の偏心量調節は、凹形円錐形の部材を凸形円錐形部材
に対して回転せしめることにより、「偏心テーパ面の、
偏心カムとしての機能」を働かせて行なわれるので、偏
心カムにおける「回動角を直線距離に変換する作用」を
利用して、精密な調節が可能である。例えば従来技術に
おけるがごとく、主軸の端面に対するVブロックの取付
位置を、直線方向にスライドさせて、ミクロンオーダー
の精度で調節する作業は、高度の熟練を多大の時間,労
力とを必要とするが、これに比して本請求項の発明にお
いて、例えばテーパ嵌合部の偏心量を2ミリメートルに
設定しておくと、該テーパ嵌合部を相対的に半回転回動
させることによって4ミリメートルの偏心量を調節する
ことになる。単純計算では回動角1度あたり22ミクロ
ンの偏心量調節であるが、本発明におけるテーパ嵌合部
の回動による偏心量変化は、回動角の正弦関数(もしく
は余弦関数)として生じるので、正弦カーブの傾斜が緩
やかな区域を利用することによってミクロン単位の偏心
量調節が確実に、かつ迅速,容易に行なわれる。偏心し
たテーパ嵌合部を回動させることによって心合わせ調節
を完了した後は油圧シリンダを休止させておけば良く、
上記テーパ嵌合部はバネ手段によって密着せしめられ、
摩擦力によって該テーパ嵌合部の相対的な回動が阻止さ
れるので、調節された状態が確実に保たれる。このよう
にして、同一仕様の被加工物については再調節する必要
が無く、また被加工物の仕様が変更されたときは迅速か
つ容易に、高精度で調節状態を修正することができる。
【0008】請求項2に係る発明方法の構成は、前記請
求項1の発明方法の構成要件に加えて、前記小径軸状の
延長部の先端にフランジを設けるとともに、前記油圧シ
リンダのピストンロッドの先端にフランジを設け、上記
双方のフランジを、中板を介して対向せしめ、かつ、上
記中板の表,裏それぞれに、相互にほぼ直交する溝もし
くは突条を形成するとともに、前記フランジの「中板に
形成された突条に対向する面」には、該突条と摺動自在
に嵌合する溝を設け、前記フランジの「中板に形成され
た溝に対向する面」には、該溝と摺動自在に嵌合する突
条を設けて、前記小径軸状延長部先端のフランジと、中
板と、ピストンロッド先端のフランジとによって前記の
自在継手機構を構成することを特徴とする。以上に説明
した請求項2の発明方法によると、請求項1に係る発明
方法を実施するに好適な自在継手機構を小形,軽量に、
しかも所要の機能を強度とを満たすように構成すること
ができる。広義の自在継手は公知の機械要素であるが、
本発明における自在継手は従来の自在継手とは異なる機
能を必要とする。機械用語辞典類において、「自在継手
は、ある角度で交わる軸の間で回転を伝達する軸継手で
ある」旨が記述されている。本発明における自在継手は
上記の定義に当てはまらないので、十字継手と呼ぶべき
かとも考えられるが、機械用語辞典類においては「軸継
手としての“十字継手”」の定義が明確でなく、例えば
工業教育研究会編の機械用語辞典において「十字継手」
の項には、配管用の十字継手のみ収録されている。本発
明における自在継手は平行で偏心している2軸間の回動
伝達と、上記2軸間の押圧力伝達との2つの機能が求め
られる。本請求項の発明によると、回動を伝動すべき2
軸に直交する面内にY座標とZ座標とを想定したとき、
溝と突条との摺動自在な2組の対偶がY−Z面と平行
に、かつ相互に直角に形成されるので、上記2組の対偶
の滑りによって偏心が吸収されて回動が伝達される。そ
して、片方のフランジに与えられた押圧力は、中板を介
して他方のフランジに伝達される。このようにして、本
請求項の自在継手機構は、分割された主軸のテーパ嵌合
部の偏心を吸収して回動を伝動し、かつ、油圧シリンの
押圧力を凸形円錐部材に伝達することができる。
【0009】請求項3に係る発明方法の構成は、前記請
求項2の発明方法の構成要件に加えて、前記突条の頂面
が前記溝の底面に対向している箇所に、複数個のボール
を、該突条および溝の長手方向に配列して介装し、前記
自在継手機構を構成している1対のフランジの片方が、
中板を介して他方のフランジを押圧したとき、フランジ
の端面と中板の板面とを直接的に接触せしめることな
く、前記突条の頂面と溝の底面との間で、ボールを介し
て押圧力を伝動せしめることにより、突条の頂面と溝の
底面との、長手方向の変位によって生じる摩擦を、ボー
ルのころがり摩擦ならしめて、前記1対のフランジ相互
の偏心を吸収することを特徴とする。以上に説明した請
求項3の発明は、前記請求項2に係る自在継手機構を更
に改良して、大きい押圧力に耐え、しかも偏心の吸収を
円滑に行なわしめ得るようにするためのものである。す
なわち、本請求項の構成によれば、Y−Z面に沿った突
条−溝対偶の滑りが油圧シリンダの押圧力を受けつつ行
なわれねばならないので、フランジと中板とを直接的に
面接触させて滑り摩擦を生じることの無いように、滑り
摩擦をころがり摩擦に変換した。これにより、強大な押
圧力を受けながら円滑に偏心を吸収することができ、か
つ、滑り面に高圧を受けないので早期に摩擦する虞れが
無く、優れた耐久性が得られる。回動力の伝達は、主と
して突条の側面と溝の側面との間で行なわれ、これらの
面を精密に嵌合させておけば回転の伝達についてガタを
生じる虞れが無い。
【0010】請求項4に係る発明方法の構成は、前記請
求項2もしくは請求項3の発明方法の構成要件に加え
て、前記のバネ手段を、複数個(望ましくは10個以上
の多数)の皿バネによって構成し、前記凹形円錐面の底
部に設けられる孔を段付透孔状に形成して、この段付透
孔に挿通された小径の延長軸に対して前記複数個の皿バ
ネを交互に重ね合わせて外嵌するとともに、上記多数の
皿バネを、段付透孔の段付部と、自在継手のフランジと
の間に圧縮介装することを特徴とする。以上に説明した
請求項4の発明方法によると、テーパ嵌合部の凹形円錐
面と凸形円錐面との間に所要の押圧力を付与するための
バネ手段が、小形,軽量,かつ安価に構成され、しか
も、見掛けのバネ定数の大きいバネ手段が得られ、その
上、バネの取付荷重の増減調節が容易である。すなわ
ち、例えば所要のバネ特性を有するコイルバネを入手し
ようとすると、当該研削機に適したコイルバネを設計製
作しなければならず、既製品を利用することは極めて困
難である。これに比して皿バネは、適宜の既製品を用い
て、所要のバネ特性を得ることが容易である。すなわ
ち、市販されている多種類の規格品の皿バネを適宜に選
定して、重ね合わせて用いる枚数を加減することによっ
て所望のバネ特性を得ることが容易に可能である。その
上、平座金を噛ませたり、皿バネの枚数を増減したりし
て、迅速かつ容易に取付荷重を微細に調節できる。しか
も、所望のコイルスプリングを特別に製作するのに比べ
て、規格品の皿バネを購入すると著しく安価である。
【0011】請求項5に係る発明方法の構成は、前記請
求項1ないし請求項4の何れかの発明方法の構成要件に
加えて、前記のクランク軸状に偏心した軸のピンとジャ
ーナルとの偏心量をEとし、前記テーパ嵌合部の凹形円
錐面と凸形円錐面とが密着した状態における円錐面の中
心線と、前記主軸との偏心量をeとし、上記テーパ嵌合
部の凹形円錐面と凸形円錐面との相対的な回転角位置の
基準を定めて「該基準の状態からの回動角度θ」と、
「前記Vブロックで位置ぎめされた軸の中心線の、主軸
主心線に対する偏心量」との関係を予め計算により、も
しくは実測によってe,E,θの関数として求めてお
き、被加工物であるクランク軸状偏心軸の偏心量Eに応
じて、テーパ嵌合部の回動角θを調節して、前記クラン
ク軸状偏心軸の「Vブロックで位置ぎめされていない
軸」が主軸に対して同心となるように心合わせすること
を特徴とする。以上に説明した請求項5の発明方法によ
ると、テーパ嵌合部の凹形円錐と凸形円錐との相対的な
回動角度θを予め定められた値ならしめることによっ
て、Vブロックに対して被加工物を当接せしめる必要無
く、また該被加工物の偏心軸の位置を直接的に計測する
ことなく、該被加工物のクランクピンまたはクランクジ
ャーナルを主軸に対して同心に心合わせすることができ
る。クランク軸状偏心軸の被加工物である円柱状部分と
主軸との偏心量は、直線距離によって表されるが、本請
求項の発明によれば、上記の直線距離を直接的に計測す
ることなく、テーパ嵌合部の回動角を所定の角度ならし
める操作によって、上記偏心量をゼロならしめることが
できる。前記テーパ嵌合部の相対的な回動角度は、これ
を自動的に制御することが容易な物理量である。この故
に、本請求項の方法は自動化するに適している。その
上、前記の相対的な回動角度は、調節した後に固定する
ことが容易であるから、調節された状態を確実に保持す
ることができる。
【0012】請求項6に係る発明装置の構成は、研削機
の主軸に対して、Vブロックで位置ぎめされた被加工物
を固定するチャック装置において、前記の主軸が長手方
向について分割されるとともに、テーパ嵌合されてい
て、上記テーパ嵌合部の凸形円錐面を一体的に形成され
た部材にVブロックが装着されており、かつ、上記テー
パ嵌合部の凹形円錐面の中心線と凸形円錐面の中心線と
が、主軸の中心線に対して偏心していて、上記テーパ嵌
合している凹,凸双方の部材を相互に密着せしめる方向
の弾性力を付勢するバネ手段と、該凹,凸双方の部材を
相互に離間せしめる方向の押動力を与える油圧アクチュ
エータと、上記油圧アクチュエータの押動力を凸形円錐
状部材に伝動する自在継手と、を具備していることを特
徴とする。以上に説明した請求項6の発明装置による
と、Vブロックによって位置ぎめ固定された軸状部材
の、主軸に対する偏心量を迅速,容易、かつ高精度で調
節して、偏心軸を心合わせすることができる。上述のよ
うにして、例えばクランク軸状に偏心した被加工物のク
ランクジャーナルの、主軸に対する偏心量を自在に調節
することができるので、この偏心量を「被加工物のクラ
ンクジャーナルとクランクピンとの偏心量」に等しから
しめて、相殺することにより、該被加工物のクランクピ
ンを主軸に対して同心ならしめることができる。上述の
偏心量調節は、凹形円錐形の部材を凸形円錐形部材に対
して回転せしめることにより、「偏心テーパ面の、偏心
カムとしての機能」を働かせて行なわれるので、偏心カ
ムにおける「回動角を直線距離に変換する作用」を利用
して、精密な調節が可能である。例えば従来技術におけ
るがごとく、主軸の端面に対するVブロックの取付位置
を、直線方向にスライドさせて、ミクロンオーダーの精
度で調節する作業は、高度の熟練と多大の時間,労力と
を必要とするが、これに比して本請求項の発明におい
て、例えばテーパ嵌合部の偏心量を2ミリメートルに設
定しておくと、該テーパ嵌合部を相対的に半回転回動さ
せることによって4ミリメートルの偏心量を調節するこ
とになる。単純計算では回動角1度あたり22ミクロン
の偏心量調節であるが、本発明におけるテーパ嵌合部の
回動による偏心量変化は、回動角の正弦関数(もしくは
余弦関数)として生じるので、正弦カーブの傾斜が緩や
かな区域を利用することによってミクロン単位の偏心量
調節が確実に、かつ迅速,容易に行なわれる。偏心した
テーパ嵌合部を回動させることによって心合わせ調節を
完了した後は油圧シリンダを休止させておけば良く、上
記テーパ嵌合部はバネ手段によって密着せしめられ、摩
擦力によって該テーパ嵌合部の相対的な回動が阻止され
るので、調節された状態が確実に保たれる。このように
して、同一仕様の被加工物については再調節する必要が
無く、また被加工物の仕様が変更されたときは迅速かつ
容易に、高精度で調整状態を修正することができる。
【0013】請求項7に係る発明装置の構成は、前記請
求項6の発明装置の構成要件に加えて、前記の自在継手
が、偏心して対向する2本の軸と、それぞれの軸の対向
端に取り付けられたフランジと、2枚のフランジの間に
介装された中板とによって形成され、かつ、上記中板の
片側の面には、板面のほぼ中心を通る突条または溝が設
けられるとともに、該中板の他側の面には、前記の突条
または溝に対してほぼ直交する突条または溝が設けられ
ており、前記のフランジが「前記中板の突条を設けられ
た側」に対向している面には、該溝に対して摺動自在に
嵌合する溝が形成されており、前記のフランジが「前記
中板の、溝を設けられた側」に対向している面には、該
溝に対して摺動自在に嵌合する突条が形成されているこ
とを特徴とする。以上に説明した請求項7の発明装置に
よると、請求項6に係る発明装置を実施するに好適な自
在継手機構を小形,軽量に、しかも所要の機能と強度と
を満たすように構成することができる。広義の自在継手
は公知の機械要素であるが、本発明における自在継手は
従来の自在継手とは異なる機能を必要とする。本発明に
おける自在継手は平行で偏心している2軸間の回動伝達
と、上記2軸間の押圧力伝達との2つの機能が求められ
る。本請求項の発明によると、回動を伝動すべき2軸に
直交する面内にY座標とZ座標とを想定したとき、溝と
突条との摺動自在な2組の対偶がY−Z面と平行に、か
つ相互に直角に形成されるので、上記2組の対偶の滑り
によって偏心が吸収されて回動が伝達される。そして、
片方のフランジに与えられた押圧力は、中板を介して他
方のフランジに伝達される。このようにして、本請求項
の自在継手機構は、分割された主軸のテーパ嵌合部の偏
心を吸収して回動を伝動し、かつ、油圧シリンダの押圧
力を凸形円錐部材に伝達することができる。
【0014】請求項8に係る発明装置の構成は、前記請
求項6もしくは請求項7の発明装置の構成要件に加え
て、前記のテーパー嵌合部を離間せしめる方向の押動力
を与える油圧アクチュエータが、「前記主軸の軸心に沿
って設けられ、前記の自在継手を収納された孔」に対し
て摺動自在に嵌合され、該自在継手に対してプッシャと
して作用する軸部材と、上記の軸部材に設けられた外フ
ランジ形の伝動フランジと、上記軸部材に外嵌され、上
記伝動フランジに当接する内フランジを有する中空ピス
トンと、を具備していることを特徴とする。以上に説明
した請求項8の発明装置によると、中空ピストン方式と
採ったため、主軸の実質的な長さ寸法を延長せしめるこ
と無く、かつ、回転部材である主軸の動バランスを崩す
こと無く、テーパ嵌合部を密着せしめているバネ手段の
弾性力に抗し得る、好適な押動力を得ることができる。
油圧シリンダ機構には各種の形成が有って、それぞれ長
短が有るので一概には比較できないが、例えば最もポピ
ュラーな片側ピストンロッド方式(ピストンロッドがピ
ストンに固着され、ピストンの受圧最大面積はシリンダ
内腔面積に等しい)に比較して、全長は短く、最大伸縮
力は小さく、作動ストロークが短いという特性傾向を有
している。本発明における油圧シリンダの役目は、バネ
手段の弾性力に抗してテーパ嵌合部の密着を解除すれば
足り、大きいストロークを必要としないし、油圧プレス
におけるが如き強大な押圧力を必要としないので、中空
ピストン方式の短所が実用上の欠点とならない。そし
て、中空ピストンの動きを「内,外形フランジの当接」
を介して取り出すので、適宜のクリアランスを設けてア
イドルストロークを設定することができ、バネの弾性力
に抗してテーパ嵌合部を、いわゆる「オン・オフ操作」
するに適している。
【0015】請求項9に係る発明装置の構成は、前記請
求項7の発明装置の構成要件に加えて、前記自在継手を
構成している突条の頂面と溝の底面との間に、上記の突
条や溝の長手方向に配列された複数個のボールが介装さ
れていて、前記のフランジと中板との、突条や溝を設け
られていない面が相互に当接することなく、前記のボー
ルを介して押動力が伝動され、かつ、該ボールの転動に
よって偏心が吸収されるようになっていることを特徴と
する。以上に説明した請求項9の発明は、前記請求項7
に係る自在継手機構を更に改良して、大きい押圧力に耐
え、しかも偏心の吸収を円滑に行なわしめ得るようにす
るためのものである。すなわち、本請求項の構成によれ
ば、Y−Z面に沿った突条−溝対偶の滑りが油圧シリン
ダの押圧力を受けつつ行なわねればならないので、フラ
ンジと中板とを直接的に面接触させて滑り摩擦を生じる
ことの無いように、滑り摩擦をころがり摩擦に変換し
た。これにより、強大な押圧力を受けながら円滑に偏心
を吸収することができ、かつ、滑り面に高圧を受けない
ので早期に摩耗する虞れが無く、優れた耐久性が得られ
る。回動力の伝達は、主として突条の側面と溝の側面と
の間で行なわれ、これらの面を精密に嵌合させておけば
回転の伝達についてガタを生じる虞れが無い。
【0016】請求項10に係る発明の構成は、前記請求
項6ないし請求項9の何れかの発明装置の構成要件に加
えて、前記のバネ手段が、同心状に重ね合わされた多数
の皿バネより成り、前記主軸のテーパ嵌合部の凹形円錐
面の底部に段付透孔が穿たれるとともに、凸形円錐面の
頂部を延長する形に小径の軸状部材が一体的に連設され
ていて、上記小径の延長軸に外嵌された多数の皿バネ
が、前記段付透孔の段付面と、前記自在継手との間に圧
縮介装されていることを特徴とする。以上に説明した請
求項10の発明装置によると、テーパ嵌合部の凹形円錐
面と凸形円錐面との間に所要の押圧力を付与するための
バネ手段が、小形,軽量,かつ安価に構成され、しか
も、見掛けのバネ定数の大きいバネ手段が得られ、その
上、バネの取付荷重の増減調節が容易である。すなわ
ち、例えば所要のバネ特性を有するコイルバネを入手し
ようとすると、当該研削機に適したコイルバネを設計製
作しなければならず、既製品を利用することは極めて困
難である。これに比して皿バネは、適宜の既製品を用い
て、所要のバネ特性を得ることが容易である。すなわ
ち、市販されている多種類の規格品の皿バネを適宜に選
定して、重ね合わせて用いる枚数を加減することによっ
て所望のバネ特性を得ることが容易に可能である。その
上、平座金を噛ませたり、皿バネの枚数を増減したりし
て、迅速かつ容易に取付荷重を微細に調節できる。しか
も、所望のコイルスプリングを特別に製作するのに比べ
て、規格品の皿バネを購入すると著しく安価である。
【0017】請求項11に係る発明装置の構成は、前記
請求項6ないし請求項10の何れか1つの発明装置の構
成要件に加えて、前記テーパ嵌合部の凹形円錐面と凸形
円錐面とを相互に離間せしめた状態で、自在継手を介し
て凸形円錐部材の回動を制御する手段と、凹形円錐部材
の回動角を直接的もしくは間接的に検出する手段と、上
記回動角検出手段の出力信号に基づいて、前記凹形円錐
部材を、度単位もしくはそれ以上の精度で制御しつつ回
転駆動する手段と、を具備していることを特徴とする。
以上に説明した請求項11の発明装置によると、クラン
ク軸状の偏心部材のクランクピンもしくはクランクジャ
ーナルの何れか片方をVブロックに挟みつけて固定した
状態で、上記クランクピンもしくはクランクジャーナル
の何れか他方を主軸と同心ならしめる心合わせ操作を、
自動的に行なうことができる。本請求項11の装置は、
凸形円錐部材の回動を停止させた状態で、凹形円錐部材
の回動角度を読み取るように構成されている。その反対
ではいけないのであって、その理由は次のとおりであ
る。
【0018】クランク軸状偏心部材を挟みつけて固定す
るVブロックが、凸形円錐部材に装着されているから、
該Vブロックを基準の姿勢で静止させた状態で偏心量を
調節するには本請求項11のように、凸形円錐部材の回
動を拘束した状態で凹形円錐部材の回動を制御せざるを
得ない。こうした観点から、本請求項の構成は合理的で
あり、合理的であるから無理が無く、自動的に、しかも
高精度の心合わせを可能ならしめる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の原理を説明する
ために示した模式的な断面正面図である。ただし、模式
化して描いてあるから、実施形態における実体を写実的
に表した断面投影図ではない。実施形態の実態的な断面
図とその構造とについては、図2を参照して後に述べ
る。本図1において符号3を付した部材は、前掲の図7
に示したクランク軸状の偏心軸であって、クランクジャ
ーナル3aとクランクピン3bとは平行をなし、かつ偏
心している。Vブロック6、およびチャッククプランジ
ャ7は、前掲の図7に示したのと同様ないし類似の構成
部材である。主軸5は、ベアリング8により、ケース9
に対して回転自在なように支承されていて、その中心線
はX−Xである。
【0020】上記の主軸5は、X−X方向(長手方向に
相当)に分割され、テーパ嵌合部10を介して装着接続
されている。10aは、上記テーパ嵌合部を形成してい
る凹形の円錐面、10bは同じく凸形の円錐面である。
上記テーパ嵌合部を形成している凹形円錐部材と同凸形
円錐部材とが相互に密着した状態において、その円錐面
の中心線はχ−χであり、前記主軸の中心線X−Xと平
行をなし、かつ、図示の寸法eだけ偏心している。本図
1の状態では、テーパ中心線χ−χが主軸中心線X−X
の下方に位置しているが、主軸5がこの状態から180
度回動すると、テーパ中心線χ−χが主軸中心線X−X
の上方に、距離eを介して位置することになる。上記テ
ーパ嵌合部10を相互に密着させて、凹,凸双方の円錐
部材が相対的に回動できないようにして主軸5を180
度回動させると、凸形円錐部材に装着されているVブロ
ック6は図示の姿勢に比して倒立することになるが、後
に説明するようにして、前記凹,凸双方の円錐形部材が
相対的に回動できるようにするとともに、凸形円錐部材
がケース9に対して回動しないように拘束した状態で、
主軸5を180度回動させても、やはり中心線χ−χは
中心線X−Xの上方に位置するようになる。同様に、テ
ーパ嵌合部を相対的回動可能ならしめるとともに、凸形
円錐部材の回動を拘束した状態で、主軸5を90度回動
させると、本図1(垂直断面図)において中心線χ−χ
は中心線X−Xと重なる。
【0021】前記テーパ嵌合部10の凸形円錐面10b
の頂部(小径側)は、中心線χ−χと同心に延長されて
小径の軸11を形成している。ここに小径とは、凹形円
錐面10aの小径部(いわばテーパ穴の底部)の径より
も大きくない意である。一方、主軸5の、Vブロック6
を装着された端部と反対側の端部に油圧シリンダ12が
設けられていて、そのピストンロッド12aは主軸中心
線X−Xに沿ってテーパ嵌合部10に向かっている。1
3は、上記油圧シリンダ12に対して作動油圧を供給し
ている油圧回転継手(スイベルジョイント)である。本
図1は、構造、機能を読み取り易いように片ピストンロ
ッド形の油圧シリンダ12を描いたが、油圧シリンダの
形式は、これに限定されるものではない。本実施形態に
おいては、後掲の図2に示すように中空ピストン形を用
いた。本発明において油圧シリンダとは広義のものであ
って、油圧アクチュエータ全部を総称する意である。前
記の油圧シリンダ12を、水圧シリンダに替えたり、空
気圧シリンダに替えたりしても、さらには電磁駆動手段
をもって代替しても、以下に述べる機能を果たすことが
できる。従って、機構学的に油圧シリンダと等価、もし
くは類似の駆動用機器は、本発明において油圧シリンダ
と見做すものとする。前記の小径延長軸11と油圧シリ
ンダピストンロッド12aとは、自在継手14を介して
互いに平行に、かつ寸法eだけ段違い状に偏心して対し
ている。本発明において自在継手とは、段違い状に偏心
して対向する2軸の間で、回動力と押圧力とを伝達し得
る機器をいい、図3ないし図5を参照して、後に詳しく
説明する。前記の主軸5にはプーリ16が装着されてい
て、駆動モータ17により、タイミングベルトを介して
回転駆動されるようになっている。上記主軸の回転角度
は、角度検出用エンコーダ18により、図外の自動制御
装置に入力される。Vブロック位置ぎめ治具6bは、V
ブロック位置ぎめ突起6aに係合して、Vブロック6の
姿勢を特定の状態に制御する。すなわち、テーパ嵌合部
10の凸形円錐部材の中心線χ−χの、主軸中心線X−
Xに対する回転角位置θを、基準の状態(例えばχ−χ
がX−Xの垂直下方)ならしめるように位置ぎめするこ
とができる。図2は、前掲の図1に模式図を示した実施
形態における要部断面の拡大詳細図であり、油圧シリン
ダとバネ手段との構造機能を説明するために示したもの
で、ピストンおよびその関連部材にのみハッチングを付
し、その他の構成部材のハッチングは省略してある。図
に符号14を付して示したのは、先に述べた自在継手で
あり、その具体的な構造は図3〜図5を参照して後に詳
しく述べる。上記自在継手14は、テーパ嵌合部の凸形
円錐部材と一体的に連設された小径延長軸11と、後に
詳述するプッシャ側の軸22との間に介装され、これら
双方の軸を接続している。
【0022】前記小径延長軸11が挿通されている段付
透孔の段付面と自在継手14との間に、バネ手段として
の多数の皿バネ15Pが圧縮介装されている。これによ
り、テーパ嵌合部の凸形円錐部材は図の右方に向けて弾
性力を付勢され、凹形円錐面10aに密着押圧され、摩
擦力によって中心線χ−χ周りの回動を阻止されるよう
になっている。上記多数の皿バネ15Pは、小径延長軸
11に外嵌され、交互に重ね合わされている。皿バネが
交互に重ね合わされるとは、その凸側と凸側を対向さ
せ、凹側と凹側とを対向させるように互い違いに重ね合
わせる意である。皿バネをこのように用いることによ
り、小形,軽量かつ安価に、バネ定数の大きいバネ手段
を構成することができ、特に、その取付荷重を任意に調
節することができる。油圧シリンダ手段は、上記皿バネ
15Pの弾性力に抗して、テーパ嵌合部の凸形円錐部材
を凹形円錐面10aから離間せしめて摩擦力を解消せし
めるために設けられる。本実施形態においては、前記皿
バネ15Pを交互に重ね合わせる枚数を調節して、テー
パ嵌合部の調整が狂う虞れの無い程度の必要押圧力に、
適宜の安全係数を乗じてバネ手段を構成した。
【0023】一方、上記バネ手段を圧縮してテーパ嵌合
を解除するための油圧シリンダ機構を、以下に述べるよ
うにして構成した。テーパ嵌合を解除するための作動ス
トロークは大きいことを必要とせず、偏心テーパが偏心
カムとして機能するように、摩擦の原因である押圧力を
消失せしめれば足りる。それ以上にテーパ嵌合部を離間
せしめると、偏心カムにガタを生じる形となり、心合わ
せ精度を低下せしめるので却って有害である。図2にお
いて符号22を付して示した部材は、自在継手14を介
して皿バネ15Pを押圧するプッシャとして機能する軸
部材である。中空ピストン19は、上記プッシャ機能軸
22に外嵌されていて、内フランジを一体に形成されて
いる。上記中空ピストン19の内フランジは、前記プッ
シャ機能軸に形成された外フランジ形の伝動フランジ2
0に対向している。中空ピストン19の重心は主軸5の
中心線X−X上に位置しているので、その動バランスを
崩さない。前記中空ピストン19が油圧力を受けると、
図の左方に移動し、前記伝動フランジ20を介してプッ
シャ機能軸22を左方に押動する。この押動は、自在継
手14を介して小径長軸11に伝動され、皿バネ15P
を圧縮してテーパ嵌合部の凹形円錐面10aと同凸形円
錐面10bとの間に微小なクリアランスを生ぜしめる。
この操作は、プーリ16により主軸5の回転駆動を休止
した状態で行なわれる。これにより、該テーパ嵌合部は
偏心カムとして機能し得る状態となる。
【0024】中空ピストン19によって図の左方に押動
されたプッシャ機能軸22は、ストッパ面29の当接に
よって停止せしめられる。上記ストッパ面29は、ケー
ス9に固定された部材と、プッシャ機能軸に固着された
フランジ状部材fとの当接面である。この面が油圧力に
よって押圧されるので、摩擦力によってプッシャ機能軸
22の回動が制動される。プッシャ軸22の回動が阻止
されると、自在継手14および小径延長軸11を介し
て、テーパ嵌合部の凸形円錐部材の回動が阻止される。
(図1,2を併せて参照)前記凸形円錐部材の回動が阻
止されると、クランク軸状偏心軸3を位置ぎめ挟持して
いるVブロック6の回動が停止せしめられる。
【0025】この状態で、主軸5の凹形円錐面側を回動
させると、先に述べたようにしてクランクピン3bの中
心線がχ−χ軸の周りに回動するので、該χ−χがX−
X軸と一致した所でテーパ嵌合部の回動を停止し、中空
ピストン19に対する油圧供給を断ち、皿バネ15Pの
弾性力によってテーパ嵌合部を密着させて調整済みの状
態を保持する。前述のようにして、「クランクピン3b
の中心線が主軸5の中心線X−Xと一致した状態」を求
める操作は、直接的にクランクピン3bの中心位置を検
出しつつ行なう必要が無く、基準状態にする回動角θ
(既述)を角度検出用コンコーダ18を介して検知し、
図外の自動制御装置により駆動モータ17を作動せしめ
て、自動的に行なうことができる。
【0026】図3は、前掲の図2に示した実施形態にお
ける自在継手の詳細を説明するための分解斜視図であ
る。1対の溝付きフランジ23が設けられ、片方の溝付
きフランジは前記の小径延長軸11に、他方の溝付きフ
ランジは前記のプッシャ機能を有する軸22に、それぞ
れ取り付けられている。この例では、プッシャ機能軸2
2が比較的太くて、溝付きフランジ23とほぼ等径であ
るため、該溝付きフランジ23は外見上、フランジ
(鍔、ないし、出っ張った縁)という印象を受けない
が、本発明においては「軸端に装着され、軸心に直交す
る面を有する部材」を、フランジと総称する。上記1位
の溝付きフランジ23の相互を、突条付き中板24を挟
んで対向せしめる。上記突条付き中板24の平行な板面
の片側には、板面の中央を通る突条24aが形成されて
おり、その他方の側には、前記の突条24aに対して直
交する突条24bが形成されている。上記の突条付き中
板24の突条24aは、溝付きフランジ23の溝23a
に対して、長手方向の摺動自在に嵌合している。さら
に、突条24aの頂部と、溝23aの底部との間に、複
数個のボール27が、突条24aの長手方向に(従って
溝23aについても、その長手方向に)、配列されて介
装されている。これにより、プッシャ機能軸22と小径
延長軸11とが平行をなして偏心していても、プッシャ
機能軸22と小径延長軸11との回動が相互に連結され
る。すなわち、プッシャ機能軸22の回転が制動されて
いれば、小径延長軸11は回らない。さらに、プッシャ
機能軸22が突条付き中板24を押動すると、その押動
は小径延長軸11に伝動される。上記の伝動は、ボール
27を介して行なわれるので、プッシャ機能軸22と小
径延長軸11との偏心は、該ボール27の転動によって
吸収され、この自在継手14の機能(偏心の吸収と、押
動の伝達)が円滑に果たされる。
【0027】図4は、前掲の図3と異なる実施形態にお
ける自在継手の構造を説明するための分解斜視図であ
る。本例においては、フランジ側に凸条25aを設けて
突条付きフランジ25を構成し、かつ、中板側に溝26
a、これに直交する溝26bとを設けてある。
【0028】そして、上記の突条25aの頂面と溝26
a,26bの底面との間に、それぞれボール27を介装
することにより、前掲の図3に示した実施形態における
と同様の作用,効果が得られる。図5は、前掲の図3,
図4と更に異なる実施形態における自在継手の構造を示
す分解斜視図である。本実施形態(図5)は、中板の中
央よりも左半部は図3の実施形態と同様の構造であり、
右半は図4の実施形態と同様である。このように構成し
ても前記の実施形態(図3,図4)におけると同様の作
用,効果が得られ、回動と押動との双方を伝達すること
ができる。
【0029】
【発明の効果】以上に本発明の実施形態を挙げてその構
成・機能を明らかならしめたように、請求項1の発明方
法によると、Vブロックによって位置ぎめ固定された軸
部材の、主軸に対する偏心量を迅速,容易、かつ高精度
で調節して、偏心軸を芯合わせすることができる。上述
のようにして、例えばクランク軸状に偏心した被加工物
のクランクジャーナルの、主軸に対する偏心量を自在に
調節することができるので、この偏心量を「被加工物の
クランクジャーナルとクランクピンとの偏心量」に等し
からしめて相殺することにより、該被加工物のクランク
ピンを主軸に対して同心ならしめることができる。上述
の偏心量調節は、凹形円錐形の部材を凸形円錐形部材に
対して回転せしめることにより、「偏心テーパ面の、偏
心カムとしての機能」を働かせて行なわれるので、偏心
カムにおける「回動角を直線距離に変換する作用」を利
用して、精密な調節が可能である。例えば従来技術にお
けるがごとく、主軸の端面に対するVブロックの取付位
置を、直線方向にスライドさせて、ミクロンオーダーの
精度で調節する作業は、高度の熟練と多大の時間,労力
とを必要とするが、これに比して本請求項の発明におい
て、例えばテーパ嵌合部の偏心量を2ミリメートルに設
定しておくと、該テーパ嵌合部を相対的に半回転回動さ
せることによって4ミリメートルの偏心量を調節するこ
とになる。単純計算では回動角1度あたり22ミクロン
の偏心量調節であるが、本発明におけるテーパ嵌合部の
回動による偏心量変化は、回動角の正弦関数(もしくは
余弦関数)として生じるので、正弦カーブの傾斜が緩や
かな区域を利用することによってミクロン単位の偏心量
調節が確実に、かつ迅速,容易に行なわれる。偏心した
テーパ嵌合部を回動させることによって心合わせ調節を
完了した後は油圧シリンダを休止させておけば良く、上
記テーパ嵌合部はバネ手段によって密着せしめられ、摩
擦力によって該テーパ嵌合部の相対的な回動が阻止され
るので、調節された状態が確実に保たれる。このように
して、同一仕様の被加工物については再調節する必要が
無く、また被加工物の仕様が変更されたときは迅速かつ
容易に、高精度で調節状態を修正することができる。
【0030】請求項2の発明方法によると、請求項1に
係る発明方法を実施するに好適な自在継手機構を小形,
軽量に、しかも所要の機能を強度とを満たすように構成
することができる。
【0031】本発明における自在継手は平行で偏心して
いる2軸間の回動伝達と、上記2軸間の押圧力伝達との
2つの機能が求められる。本請求項の発明によると、回
動を伝達すべき2軸に直交する面内にY座標をZ座標と
を想定したとき、溝と突条との摺動自在な2組の対偶が
Y−Z面と平行に、かつ相互に直角に形成されるので、
上記2組の対偶の滑りによって偏心が吸収されて回動が
伝達される。そして、片方のフランジに与えられた押圧
力は、中板を介して他方のフランジに伝達される。この
ようにして、本請求項の自在継手機構は、分割された主
軸のテーパ嵌合部の偏心を吸収して回動を伝動し、か
つ、油圧シリンダの押圧力を凸形円錐部材に伝達するこ
とができる。
【0032】請求項3の発明は、前記請求項2に係る自
在継手機構を更に改良して、大きい押圧力に耐え、しか
も偏心の吸収を円滑に行なわしめ得るようにするための
ものである。
【0033】すなわち、本請求項の構成によれば、Y−
Z面に沿った突条−溝対偶の滑りが油圧シリンダの押圧
力を受けつつ行なわれねばならないので、フランジと中
板とを直接的に面接触させて滑り摩擦を生じることの無
いように、滑り摩擦をころがり摩擦に変換した。これに
より、強大な押圧力を受けながら円滑に偏心を吸収する
ことができ、かつ、滑り面に高圧を受けないので早期に
摩耗する虞れが無く、優れた耐久性が得られる。回動力
の伝達は、主として突条の側面と溝の側面との間で行な
われ、これらの面を精密に嵌合させておけば回転の伝達
についてガタを生じる虞れが無い。
【0034】請求項4の発明方法によると、テーパ嵌合
部の凹形円錐面と凸形円錐面との間に所要の押圧力を付
与するためのバネ手段が、小形,軽量、かつ安価に構成
され、しかも、見掛けのバネ定数の大きいバネ手段が得
られ、その上、バネの取付荷重の増減調節が容易であ
る。すなわち、例えば所要のバネ特性を有するコイルバ
ネを入手しようとすると、当該研削機に適したコイルバ
ネを設計製作しなければならず、既製品を利用すること
は極めて困難である。これに比して皿バネは、適宜の既
製品を用いて、所要のバネ特性を得ることが容易であ
る。すなわち、市販されている多種類の規格品の皿バネ
を適宜に選定して、重ね合わせて用いる枚数を加減する
ことによって所望のバネ特性を得ることが容易に可能で
ある。その上、平座金を噛ませたり皿バネの枚数を増減
したりして、迅速かつ容易に取付荷重を微細に調節でき
る。しかも、所望のコイルスプリングを特別に製作する
のに比べて、規格品の皿バネを購入すると著しく安価で
ある。
【0035】請求項5の発明方法によると、テーパ嵌合
部の凹形円錐と凸形円錐との相対的な回動角θを予め定
められた値ならしめることによって、Vブロックに対し
て被加工物を当接せしめる必要無く、また該被加工物の
偏心軸の位置を直接的に計測することなく、該被加工物
のクランクピンまたはクランクジャーナルを主軸に対し
て同心に心合わせすることができる。クランク軸状偏心
軸の被加工部である円柱状部分と主軸との偏心量は、直
線距離によって表されるが、本請求項の発明によれば、
上記の直線距離を直接的に計測することなく、テーパ嵌
合部の回動角を所定の角度ならしめる操作によって、上
記偏心量をゼロならしめるることができる。前記テーパ
嵌合部の相対的な回動角度は、これを自動的に制御する
ことが容易な物理量である。この故に、本請求項の方法
は自動化するに適している。その上、前記の相対的な回
動角度は、調節した後に固定することが容易であるか
ら、調節された状態を確実に保持することができる。
【0036】請求項6の発明装置によると、Vブロック
によって位置ぎめ固定された軸状部材の、主軸に対する
偏心量を迅速,容易、かつ高精度で調節して、偏心軸を
心合わせすることができる。上述のようにして、例えば
クランク軸状に偏心した被加工物のクランクジャーナル
の、主軸に対する偏心量を自在に調節することができる
ので、この偏心量を「被加工物のクランクジャーナルと
クランクピンとの偏心量」に等しからしめて相殺するこ
とにより、該被加工物のクランクピンを主軸に対して同
心ならしめることができる。偏心したテーパ嵌合部を回
動させることによって心合わせ調節を完了した後は油圧
シリンダを休止させておけば良く、上記テーパ嵌合部は
バネ手段によって密着せしめられ、摩擦力によって該テ
ーパ嵌合部の相対的な回動が阻止されるので、調節され
た状態が確実に保たれる。このようにして、同一仕様の
被加工物については再調節する必要が無く、また被加工
物の仕様が変更されたときは迅速かつ容易に、高精度で
調整状態を修正することができる。
【0037】請求項7の発明装置によると、請求項6に
係る発明装置を実施するに好適な自在継手機構を小形,
軽量に、しかも所要の機能と強度とを満たすように構成
することができる。本発明における自在継手は平行で偏
心している2軸間の回転伝達と、上記2軸間の押圧力伝
達とが求められる。本請求項の発明によると、回動を伝
達すべき2軸に直交する面内にY座標とZ座標とを想定
したとき、溝と突条との摺動自在な2組の対偶がY−Z
面と平行に、かつ相互に直角に形成されるので、上記2
組の滑り対偶によって偏心が吸収されて回動が伝達され
る。そして、片方のフランジに与えられた押圧力は、中
板を介して他方のフランジに伝達される。請求項8の発
明装置によると、中空ピストン方式を採ったため、主軸
の実質的な寸法を延長せしめること無く、かつ、回転部
材である主軸の動バランスを崩すこと無く、テーパ嵌合
部を密着せしめているバネ手段の弾性力に抗し得る、好
適な押動力を得ることができる。本発明における油圧シ
リンダの役目は、バネ手段の弾性力に抗してテーパ嵌合
部の密着を解除すれば足り、大きいストロークを必要と
しないし、油圧プレスにおけるが如き強大な押圧力を必
要としないので、中空ピストン方式の短所が実用上の欠
点とならない。
【0038】請求項9の発明は、前記請求項7に係る自
在継手機構を更に改良して、大きい押圧力に耐え、しか
も偏心の吸収を円滑に行なわしめ得るようにするための
ものである。すなわち、本請求項の構成によれば、Y−
Z面に沿った突条−溝対偶の滑りが油圧シリンダの押圧
力を受けつつ行なわれねばならないので、フランジと中
板とを直接的に面接触させて滑り摩擦を生じることの無
いように、滑り摩擦をころがり摩擦に変換した。これに
より、強大な押圧力を受けながら円滑に偏心を吸収する
ことができ、かつ、滑り面に高圧を受けないので早期に
摩耗する虞れが無く、優れた耐久性が得られる。回動力
の伝達は、主として突条の側面と溝の側面との間で行な
われ、これらの面を精密に嵌合させておけば回転の伝達
についてガタを生じる虞れが無い。
【0039】請求項10の発明方法によると、テーパ嵌
合部の凹形円錐面と凸形円錐面との間に所要の押圧力を
付与するためのバネ手段が、小形,軽量、かつ安価に構
成され、しかも、見掛けのバネ定数の大きいバネ手段が
得られ、その上、バネの取付荷重の増減調節が容易であ
る。すなわち、例えば所要のバネ特性を有するコイルバ
ネを入手しようとすると、当該研削機に適したコイルバ
ネを設計製作しなければならず、既製品を利用すること
は極めて困難である。これに比して皿バネは、適宜の既
製品を用いて、所要のバネ特性を得ることが容易であ
る。すなわち、市販されている多種類の規格品の皿バネ
を適宜に選定して、重ね合わせて用いる枚数を加減する
ことによって所望のバネ特性を得ることが容易に可能で
ある。その上、平座金を噛ませたり皿バネの枚数を増減
したりして、迅速かつ容易に取付荷重を微細に調節でき
る。しかも、所望のコイルスプリングを特別に製作する
のに比べて、規格品の皿バネを購入すると著しく安価で
ある。
【0040】請求項11の発明装置によると、クランク
軸状の偏心部材のクランクピンもしくはクランクジャー
ナルの何れか片方のVブロックに挟みつけて固定した状
態で、上記クランクピンもしくはクランクジャーナルの
何れか他方を主軸と同心ならしめる心合わせ操作を、自
動的に行なうことができる。
【0041】本請求項11の装置は、凸形円錐部材の回
動を停止させた状態で、凹形円錐部材の回動角度を読み
取るように構成されている。その反対ではいけないので
あって、その理由は次のとおりである。クランク軸状偏
心部材に挟みつけて固定するVブロックが、凸形円錐部
材に装着されているから、該Vブロックを基準の姿勢で
静止させた状態で偏心量を調節するには本請求項11の
ように、凸形円錐部材の回動を拘束した状態で凹形円錐
部材の回動を制御せざるを得ない。こうした観点から、
本請求項の構成は合理的であり、合理的であるから無理
が無く、自動的に、しかも高精度の心合わせを可能なら
しめる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明するために示した模式的な
断面正面図である。ただし、模式化して描いてあるか
ら、実施形態における実体を写実的に表した断面投影図
ではない。
【図2】前掲の図1に模式図を示した実施形態における
要部断面の拡大詳細図であり、油圧シリンダとバネ手段
との構造機能を説明するために示したもので、ピストン
およびその関連部材にのみハッチングを付し、その他の
構成部分のハッチングは省略してある。
【図3】前掲の図2に示した実施形態における自在継手
の詳細を説明するための分割斜視図である。
【図4】前掲の図3と異なる実施形態における自在継手
の構造を説明するための分割斜視図である。
【図5】前掲の図3,図4と更に異なる実施形態におけ
る自在継手の構造を示す分割斜視図である。
【図6】クランク軸状に偏心した軸に例示したもので、
(A),(B)はそれぞれ異なる従来例の斜視図であ
る。
【図7】クランクピンを主軸と同心ならしめるように、
上記主軸に対してクランクジャーナルを意識的に偏心せ
しめて位置決めする従来技術を説明するために示した模
式図である。
【符号の説明】
1…クランク軸状偏心軸、1a…クランクジャーナル、
1b…クランクピン、2…クランク軸状偏心軸、2a…
クランクジャーナル、2b…クランクピン、3…クラン
ク軸状偏心軸、3a…クランクジャーナル、3b…クラ
ンクピン、4…主軸台、5…主軸、6…Vブロック、6
a…位置ぎめ突起、6b…位置決め治具、7…チャック
プランジャ、8…ベアリング、9…ケース、10…テー
パ嵌合部、10a…凹形円錐面、10b…凸形円錐面、
12…油圧シリンダ、12a…ピストンロッド、13…
回転継手、14…自在継手、15…バネ手段、16…プ
ーリ、17…駆動モータ、18…主軸の回転角度検出用
エンコーダ、19…中空ピストン、20…外フランジ形
の伝動フランジ、21…油圧供給パイプ、22…プッシ
ャとして機能する軸、23…溝付きフランジ、23a…
溝、24…突条付き中板、24a…突条、24b…直交
突条、25…突条付きフランジ、25a…突条、26…
溝付き中板、26a…溝、27…ボール、28…溝・突
条付き中板、28a…突条、28b…直交溝、29…ス
トッパ面、X…主軸の中心線に一致せしめられるクラン
クピンの中心線、χ…テーパ嵌合部の中心線と一致せし
められるクランクジャーナルの中心線、E,E′…クラ
ンクピンとクランクジャーナルとの偏心量、e…主軸と
テーパ嵌合部との偏心量、θ…テーパ嵌合部の相対的回
動角度。
フロントページの続き (72)発明者 桑田 雅之 山形県山形市蔵王上野578番地の2 ミク ロン精密 株式会社内 (72)発明者 山口 彰 山形県山形市蔵王上野578番地の2 ミク ロン精密 株式会社内 (72)発明者 高橋 征幸 山形県山形市蔵王上野578番地の2 ミク ロン精密 株式会社内 (72)発明者 山口 政徳 山形県山形市蔵王上野578番地の2 ミク ロン精密 株式会社内 (72)発明者 立花 亨 山形県山形市蔵王上野578番地の2 ミク ロン精密 株式会社内 Fターム(参考) 3C032 NN08 3C034 AA01 BB72 CB08 DD20 3C043 AC21 CC03 DD05

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フランク軸状に偏心した軸の、ピンとジ
    ャーナルとの何れか片方を把持して、上記ピンとジャー
    ナルとの何れか他方が研削機の主軸と同心なるように、
    該主軸に取り付けられたVブロックで位置ぎめしてチャ
    ックする方法において、 上記の主軸を、軸心方向について2分割するとともに、
    分割された主軸を相互にテーパ嵌合せしめ、かつ、上記
    のテーパ面の凹形円錐面と凸形円錐面とを相互に偏心せ
    しめ、 分割された主軸の内、凸形の円錐面を形成された側の端
    面に、前記クランク軸状に偏心した軸を固定的に挟持す
    る機構を設け、 前記凸形円錐面の頂部付近を小径軸状に延長せしめて、
    凹形円錐面の底部に設けた孔に挿通するとともに、該小
    径軸部にバネ手段を設けて、前記テーパ嵌合部の凹形円
    錐面に対して凸形円錐面を圧着せしめる方向の弾性的な
    力を付勢し、 かつ、分割された主軸のうち凹形円錐面を形成された部
    材の、該凹形円錐面と反対側の端部付近に、広義の油圧
    シリンダ機構を設けて、該油圧シリンダの伸縮力により
    前記小径軸状部分に押圧力を与えて、前記バネ手段の弾
    性力に抗して、前記テーパ嵌合部の凸形円錐面と凹形円
    錐面との圧着を解除し得るようにするとともに、 前記油圧シリンダの押圧力を、自在継手機構を介して、
    前記小径軸状部に伝動し得るようにし、 前記油圧シリンダを作動せしめてテーパ嵌合部の圧着を
    解除した状態で、偏心したテーパ嵌合部凸形円錐面と同
    凹形円錐面とを相互に回動させて、主軸に対する「Vブ
    ロックに把持されている円柱状部材」の偏心量を調節
    し、 調節した後、前記油圧シリンダを休止せしめて、テーパ
    嵌合部をバネ手段により相互に圧着させることにより、
    テーパ嵌合面の摩擦力で凸形円錐面と凹形円錐面との相
    対的回動を阻止して前記の調節された状態を固定的に保
    持することを特徴とする、偏心軸のチャック方法。
  2. 【請求項2】 前記小径軸状の延長部の先端にフランジ
    を設けるとともに、 前記油圧シリンダのピストンロッドの先端にフランジを
    設け、 上記双方のフランジを、中板を介して対向せしめ、 かつ、上記中板の表,裏それぞれに、相互にほぼ直交す
    る溝もしくは突条を形成するとともに、 前記フランジの「中板に形成された突条に対向する面」
    には、該突条と摺動自在に嵌合する溝を設け、 前記フランジの「中板に形成された溝に対向する面」に
    は、該溝と摺動自在に嵌合する突条を設けて、 前記小径軸状延長部先端のフランジと、中板と、ピスト
    ンロッド先端のフランジとによって前記の自在継手機構
    を構成することを特徴とする、請求項1に記載した偏心
    軸のチャック方法。
  3. 【請求項3】 前記突条の頂面が前記溝の底面に対向し
    ている箇所に、複数個のボールを、該突条および溝の長
    手方向に配列して介装し、 前記自在継手機構を構成している1対のフランジの片方
    が、中板を介して他方のフランジを押圧したとき、フラ
    ンジの端面と中板の板面とを直接的に接触せしめること
    なく、 前記突条の頂面と溝の底面との間で、ボールを介して押
    圧力を伝動せしめることにより、 突条の頂面と溝の底面との、長手方向の変位によって生
    じる摩擦を、ボールのころがり摩擦ならしめて、前記1
    対のフランジ相互の偏心を吸収することを特徴とする、
    請求項2に記載した偏心軸のチャック方法。
  4. 【請求項4】 前記のバネ手段を、複数個(望ましくは
    10個以上の多数)の皿バネによって構成し、 前記凹形円錐面の底部に設けられる孔を段付透孔状に形
    成して、この段付透孔に挿通された小径の延長軸に対し
    て前記複数個の皿バネを交互に重ね合わせて外嵌すると
    ともに、 上記多数の皿バネを、段付透孔の段付部と、自在継手の
    フランジとの間に圧縮介装することを特徴とする、請求
    項2または請求項3に記載した偏心軸のチャック方法。
  5. 【請求項5】 前記のクランク軸状に偏心した軸のピン
    とジャーナルとの偏心量をEとし、 前記テーパ嵌合部の凹形円錐面と凸形円錐面とが密着し
    た状態における円錐面の中心線と、前記主軸との偏心量
    をeとし、 上記テーパ嵌合部の凹形円錐面と凸円錐面との相対的な
    回転角位置の基準を定めて「該基準の状態からの回動角
    度θ」と、「前記Vブロックで位置ぎめされた軸の中心
    線の、主軸中心線に対する偏心量」との関係を予め計算
    により、もしくは実測によって、e,E,θの関数とし
    て求めておき、 被加工物であるクランク軸状偏心軸の偏心量Eに応じ
    て、テーパ嵌合部の回動角θを調節して、前記クランク
    軸状偏心軸の「Vブロックで位置ぎめされていない軸」
    が主軸に対して同心となるように心合わせすることを特
    徴とする、請求項1ないし請求項4の何れかに記載した
    偏心軸のチャック方法。
  6. 【請求項6】 研削機の主軸に対して、Vブロックで位
    置ぎめされた被加工物を固定するチャック装置におい
    て、 前記の主軸が長手方向について分割されるとともに、テ
    ーパ嵌合されていて、上記テーパ嵌合部の凸形円錐面を
    一体的に形成された部材にVブロックが装着されてお
    り、 かつ、上記テーパ嵌合部の凹形円錐面の中心線と凸形円
    錐面の中心線とが、主軸の中心線に対して偏心してい
    て、 上記テーパ嵌合している凹,凸双方の部材を相互に密着
    せしめる方向の弾性力を付勢するバネ手段と、該凹,凸
    双方の部材を相互に離間せしめる方向の押動力を与える
    油圧アクチュエータと、上記油圧アクチュエータの押動
    力を凸形円錐状部材に伝動する自在継手と、を具備して
    いることを特徴とする、偏心軸のチャック装置。
  7. 【請求項7】 前記の自在継手が、偏心して対向する2
    本の軸と、それぞれの軸の対向端に取り付けられたフラ
    ンジと、2枚のフランジの間に介装された中板とによっ
    て形成され、 かつ、上記中板の片側の面には、板面のほぼ中心を通る
    突条または溝が設けられるとともに、該中板の他側の面
    には、前記の突条または溝に対してほぼ直交する突条ま
    たは溝が設けられており、 前記のフランジが「前記中板の、突条を設けられた側」
    に対向している面には、該突条に対して摺動自在に嵌合
    する溝が形成されており、 前記のフランジが「前記中板の、溝を設けられた側」に
    対向している面には、該溝に対して摺動自在に嵌合する
    突条が形成されていることを特徴とする、請求項6に記
    載した偏心軸のチャック装置。
  8. 【請求項8】 前記のテーパー嵌合部を離間せしめる方
    向の押動力を与える油圧アクチュエータが、 「前記主軸の軸心に沿って設けられ、前記の自在継手を
    収納された孔」に対して摺動自在に嵌合され、該自在継
    手に対してプッシャとして作用する軸部材と、 上記の軸部材に設けられた外フランジ形の伝動フランジ
    と、 上記軸部材に外嵌され、上記伝動フランジに当接する内
    フランジを有する中空ピストンと、を具備していること
    を特徴とする、請求項6もしくは請求項7に記載した偏
    心軸のチャック装置。
  9. 【請求項9】 前記自在継手を構成している突条の頂面
    と溝の底面との間に、上記の突条や溝の長手方向に配列
    された複数個のボールが介装されていて、 前記のフランジと中板との、突条や溝を設けられていな
    い面が相互に当接することなく、前記のボールを介して
    押動力が伝動され、かつ、該ボールの転動によって偏心
    が吸収されるようになっていることを特徴とする、請求
    項7に記載した偏心軸のチャック装置。
  10. 【請求項10】 前記のバネ手段が、同心状に重ね合わ
    された多数の皿バネより成り、 前記主軸のテーパ嵌合部の凹形円錐面の底部に段付透孔
    が穿たれるとともに、凸形円錐面の頂部を延長する形に
    小径の軸状部材が一体的に連設されていて、 上記小径の延長軸に外嵌された多数の皿バネが、前記段
    付透孔の段付面と、前記自在継手との間に圧縮介装され
    ていることを特徴とする、請求項6ないし請求項9の何
    れかに記載した偏心軸のチャック装置。
  11. 【請求項11】 前記テーパ嵌合部の凹形円錐面と凸形
    円錐面とを相互に離間せしめた状態で、自在継手を介し
    て凸形円錐部材の回動を制動する手段と、 凹形円錐部材の回動角を直接的もしくは間接的に検出す
    る手段と、 上記回動角検出手段の出力信号に基づいて、前記凹形円
    錐部材を、度単位もしくはそれ以上の精度で制御しつつ
    回転駆動する手段と、を具備していることを特徴とす
    る、請求項6ないし請求項10の内の何れかに記載した
    偏心軸のチャック装置。
JP2000175566A 2000-06-07 2000-06-07 偏心軸のチャック方法、および同装置 Pending JP2001347406A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000175566A JP2001347406A (ja) 2000-06-07 2000-06-07 偏心軸のチャック方法、および同装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000175566A JP2001347406A (ja) 2000-06-07 2000-06-07 偏心軸のチャック方法、および同装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001347406A true JP2001347406A (ja) 2001-12-18

Family

ID=18677425

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000175566A Pending JP2001347406A (ja) 2000-06-07 2000-06-07 偏心軸のチャック方法、および同装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001347406A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101033762B1 (ko) 2009-05-07 2011-05-09 현대중공업 주식회사 크랭크샤프트 가공 장비용 플렉서블 컨트롤 조인트
JP2013158905A (ja) * 2012-02-01 2013-08-19 Roehm Gmbh 締付チャック
JP2018529533A (ja) * 2015-09-02 2018-10-11 ヴィーランツ ユーピーエムティー 高精度工作機械用のチャック
CN109249051A (zh) * 2018-11-28 2019-01-22 宜昌市蓝德光电机械有限公司 定位涨紧装置
CN110328602A (zh) * 2019-06-28 2019-10-15 安徽信息工程学院 一种用于汽车连杆曲轴孔珩磨的定位夹具

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101033762B1 (ko) 2009-05-07 2011-05-09 현대중공업 주식회사 크랭크샤프트 가공 장비용 플렉서블 컨트롤 조인트
JP2013158905A (ja) * 2012-02-01 2013-08-19 Roehm Gmbh 締付チャック
JP2018529533A (ja) * 2015-09-02 2018-10-11 ヴィーランツ ユーピーエムティー 高精度工作機械用のチャック
CN109249051A (zh) * 2018-11-28 2019-01-22 宜昌市蓝德光电机械有限公司 定位涨紧装置
CN110328602A (zh) * 2019-06-28 2019-10-15 安徽信息工程学院 一种用于汽车连杆曲轴孔珩磨的定位夹具

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5377549A (en) Alignment device and method of aligning
JP2001347406A (ja) 偏心軸のチャック方法、および同装置
JP3098236B1 (ja) ロータリジョイントの軸受け構造
JP3446921B2 (ja) ワーク把持装置
JP2016535683A (ja) 工具研削盤のスピンドル
CN108318347B (zh) 一种纸或纸板短距压缩强度测试装置
CN219767394U (zh) 一种可保障弹体加工同轴度的机床夹具
US11858061B2 (en) Tooling for retaining a blade during friction welding thereof to a rotor element of an aircraft turbomachine
CN113681465B (zh) 一种半球型轴承零件内孔高精度磨削装卡装置及方法
CN110640492A (zh) 一种套筒类零件装夹装置和方法
JPH0747199Y2 (ja) 加圧装置
CN220533548U (zh) 一种用于车床加工不规则零件的装置
JPH03501406A (ja) プリローディングクランプ
JP5134524B2 (ja) ロータ振れ調整治具
CN117367720B (zh) 一种丝杠螺母副静动刚度一体化通用测试装置及方法
JPH071211Y2 (ja) 旋盤のチャック
TWI810959B (zh) 熱壓設備
JPH0425307A (ja) チャック装置
JP7093991B2 (ja) 回転軸のブレーキ装置及びそのブレーキ装置を備えたインデックステーブル
CN211778651U (zh) 一种零背隙自动对中气动刹车装置
CN218927509U (zh) 居中夹紧定位机构
JPS61157866A (ja) ねじ山付きスピンドルの軸受け装置
KR20120043866A (ko) 인덱스 드라이브 장치
JPH03178725A (ja) フローティングホルダ
JPH09264395A (ja) ボールねじの予圧装置