JP2001346460A - 水耕栽培装置および方法 - Google Patents

水耕栽培装置および方法

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JP2001346460A JP2000173547A JP2000173547A JP2001346460A JP 2001346460 A JP2001346460 A JP 2001346460A JP 2000173547 A JP2000173547 A JP 2000173547A JP 2000173547 A JP2000173547 A JP 2000173547A JP 2001346460 A JP2001346460 A JP 2001346460A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】養液リサイクルにおける除菌用の目詰まりを抑
制して濾過膜の性能を長期間維持するとともに、養液の
成分組成の制御を容易にして、栽培の安定性を向上でき
る水耕栽培方法および装置を提供する。 【解決手段】予め用水精製装置16により、原水から、
微細粒子と、養液に不要な成分であるイオンとが除去さ
れるので、養液リサイクルにおける養液自体に、除菌用
の中空糸膜濾過装置44の目詰まりの原因となる微細粒
子や、養液の成分組成の制御を困難にするイオン類が含
まれないことから、養液リサイクルにおける除菌用の中
空糸膜濾過装置44の目詰まりの発生を抑制して、その
性能を長期間維持できるとともに、養液の成分組成の制
御を容易にできるので、栽培の安定性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、養液を養液循環路
で供給循環させて植物を栽培する水耕栽培装置および方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、水耕栽培において、養液を植
物に供給した後の排液を廃棄しようとして土壌中に排出
すると、養液コストが上昇するうえに、土壌汚染、地下
水汚染など環境上の問題が生じることから、この排液を
除菌することにより養液として再利用する養液リサイク
ルが行われている。この技術として、例えば、排液に含
まれる主にバクテリアや病原菌など植物の成長に弊害の
ある物質を濾過膜で濾過することにより除菌するものが
知られている(特開昭63−294717号公報、特開
平9−107826号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の養液リ
サイクル技術では、植物の成長に弊害のある物質を除菌
用の濾過膜に通して排液の除菌を行うことはできるが、
養液のベースとなる水が雨水、井戸水または水道水の場
合、これに含まれる微細粒子により濾過膜の目詰まりが
発生し易くなるうえに、植物が利用しない不要成分であ
るナトリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウム
イオンまたは塩素イオン等が含まれており、これら不要
成分が濾過膜を通過して、養液中に残るので、水と養分
を混合して養液を生成する際、養液の成分組成の制御が
困難になるという問題もあった。
【0004】本発明は、上記の問題点を解決して、養液
リサイクルにおける除菌用の濾過膜の目詰まりを抑制し
て濾過膜の性能を長期間維持するとともに、養液の成分
組成の制御を容易にして、栽培の安定性を向上できる水
耕栽培方法および装置を提供することを目的としてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の水耕栽培装置および方法は、養液を養液循
環路で供給循環させて植物を栽培するものであって、用
水精製装置により原水中のイオンを除去して養液のベー
スとなる用水を精製し、前記養液循環路で、前記用水精
製装置からの用水と養分を混合して養液を生成し、さら
に、前記養液を植物に供給した後の排液を中空糸膜濾過
装置により除菌するものである。
【0006】上記構成によれば、予め用水精製装置によ
り原水から微細粒子や養液に不要な成分であるイオン類
が除去されるので、養液リサイクルにおける養液自体
に、除菌用の中空糸膜濾過装置の目詰まりの原因となる
微細粒子や、養液の成分組成の制御を困難にするイオン
類が含まれないことから、養液リサイクルにおける除菌
用の中空糸膜濾過装置の目詰まりの発生を抑制して、そ
の性能を長期間維持できるとともに、養液の成分組成の
制御を容易にできるので、栽培の安定性が向上する。
【0007】本発明の用水精製装置で使用される精製膜
としては、逆浸透(Reverse Osmosis) 膜(以下、RO膜
という)、イオン交換樹脂およびイオン交換膜などがあ
る。上記RO膜としては、酢酸セルロース系樹脂、ポリ
アミド系樹脂などの非対象膜、複合膜が用いられる。本
発明において、該RO膜はモジュール化されて濾過に使
用される。濾過方法、濾過条件、洗浄方法などに応じて
モジュールの形態を適宜選択することができる。例えば
スパイラル型、中空糸型、チューブ型等が用いられる。
【0008】本発明で使用される中空糸膜としては、ポ
リビニルアルコール系により親水化処理されたポリスル
ホン系樹脂、親水性高分子が添加されたポリスルホン系
樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアクリロニト
リル系樹脂、酢酸セルロース系樹脂、親水化処理された
ポリエチレン系樹脂などの親水性素材からなるものが、
高い親水性を有するためにSS成分(固形成分)の難付
着性、付着したSS成分の剥離性に優れている点で好ま
しいが、他の素材で構成された中空糸膜を用いることも
できる。例えば、ポリオレフィン系、ポリスルホン系、
ポリエーテルスルホン系、エチレン−ビニルアルコール
共重合体系、ポリアクリロニトリル系、酢酸セルロース
系、ポリフッ化ビニリデン系、ポリパーフルオロエチレ
ン系、ポリメタクリル酸エステル系、ポリエステル系、
ポリアミド系などの有機高分子系の素材で構成された中
空糸膜、セラミック系などの無機系の素材で構成された
中空糸膜などを使用条件、所望する濾過性能などに応じ
て選択することができる。有機高分子系の素材を使用す
る場合、30モル%以内の量で他成分を共重合したも
の、または30重量%以内の量で他の素材をブレンドし
たものであってもよい。
【0009】有機高分子系の中空糸膜を使用する場合、
中空糸膜の製造方法は特に限定されることはなく、素材
の特性および所望する中空糸膜性能に応じて、公知の方
法から適宜選択した方法を採用することができる。一般
的には溶融紡糸法、湿式紡糸法、乾湿式紡糸法などが採
用される。
【0010】本発明で使用される中空糸膜の孔径は、1
μm以下の範囲内であることが高い透水性を有すること
から好ましく、したがって、この中空糸膜は、精密濾過
膜または限外濾過膜の範疇に入る膜体である。上記孔径
は、濾過により細菌類を完全に除去可能な0.2μm以
下であることが特に好ましい。また、濾過効率が低下す
るおそれが小さいことから、0.001μm以上が好ま
しい。ここでいう平均孔径とは、コロイダルシリカ、エ
マルジョン、ラテックスなど粒子径が既知の各種基準物
質を中空糸膜で濾過した際、その90%が排除される基
準物質の粒子径をいう。孔径は均一であることが好まし
い。限外濾過膜であれば、上記のような基準物質に基づ
いて、孔径を求めることは不可能であるが、分子量が既
知の蛋白質を用いて同様の測定を行ったときに、分画分
子量として3000以上であることが好ましい。
【0011】中空糸膜の力学的性質およびモジュールと
しての膜面積の観点から、中空糸膜繊維の外径は200
〜3000μmの範囲内に設定することが好ましく、5
00〜2000μmの範囲内であることがより好まし
い。同様に中空糸膜の厚さは50〜700μmの範囲内
にあることが好ましく、100〜600μmの範囲内で
あることがより好ましい。
【0012】本発明において、該中空糸膜はモジュール
化されて濾過に使用される。濾過方法、濾過条件、洗浄
方法などに応じてモジュールの形態を適宜選択すること
ができ、例えば数十本から数十万本の中空糸膜を束ねて
モジュール内でU字型にしたもの、中空糸繊維束の一端
を適当なシール材により一括封止したもの、中空糸繊維
束の一端を適当なシール材により1本ずつ固定されてい
ない状態(フリー状態)で封止したもの、中空糸繊維束
の両端を開口したものなどが挙げられる。本発明の中空
糸膜モジュールとして、中空糸繊維束の一端を1本ずつ
フリー状態で封止した「片端フリー」タイプのモジュー
ルを採用することが、後述する逆洗の際にオゾンガスの
バブリング洗浄による膜表面洗浄効果が極めて高くな
り、さらに剥離したSS成分の排出が効率的に行われる
ことから、特に好ましい。
【0013】本発明において、中空糸膜を筒体に収納し
た中空糸膜エレメントの単数または複数が筐体内に固定
されるが、この固定の方法は特に限定されるものではな
い。例えば中空糸膜エレメントを筐体に接着しても良
く、カートリッジ型中空糸膜エレメントを筐体に金具な
どで固定しても良い。
【0014】好ましくは、前記養液循環路に、前記養液
を植物に供給した後の排液と前記混合タンクからの養液
とを選択的に前記中空糸膜濾過装置に通して、排液もし
くは養液の除菌を行わせる切換手段を備えている。した
がって、排液の除菌を行わないときには混合タンク内の
養液の除菌を行うので、除菌効果の高い養液を植物に供
給することができるとともに、除菌用の中空糸膜濾過装
置の有効利用を図ることができる。
【0015】さらに、好ましくは、前記中空糸膜濾過装
置内の中空糸膜に、前記用水精製装置により精製された
用水を、濾過方向とは逆方向に通過させることで中空糸
膜を洗浄する逆洗用通路を設ける。このように清浄な用
水で逆洗することにより、中空糸膜表面の微生物汚染を
防ぎ、中空糸膜の目詰まりを抑制することができるか
ら、中空糸膜濾過装置の性能を一層長期間維持でき、栽
培の安定性が向上する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る
水耕栽培装置の構成図を示す。本装置は、養液を養液循
環路Rで供給循環させて植物を栽培するものであり、養
液のベースとなる用水を精製するための用水精製装置で
ある逆浸透膜濾過装置(RO膜モジュール)16をもつ
用水生成部2を備え、養液循環路Rに、混合タンク4
と、栽培ベッド6と、排液タンク8と、例えば精密濾過
(Micro Filtration)膜または限外濾過(Ultra Filtratio
n)膜を構成する中空糸膜44aが内蔵された中空糸膜濾
過装置(以下、中空糸膜モジュール)44を設けた除菌
装置10とを備えている。上記養液循環路Rは、混合タ
ンク4から養液を導出し、中空糸膜モジュール44を経
て混合タンク4に戻す通路である。
【0017】上記用水生成部2は、原水(例えば雨水、
井戸水、水道水またはそれらの混合水)を貯める貯水槽
12と、原水に対して粗い前濾過を行うプレフィルタ1
4と、原水からナトリウムイオン、カルシウムイオン、
マグネシウムイオンまたは塩素イオン等のイオンを除去
して養液のベースとなる用水を精製する逆浸透膜濾過装
置(RO膜モジュール)のような16とを備えている。
原水は、貯水槽12からプレフィルタ14へは原水ポン
プ13により、プレフィルタ14からRO膜モジュール
16へはブースタポンプ15により、それぞれ送り出さ
れる。生成された用水は、後述する養液コントローラ2
2の制御信号に基づいて、電磁弁のような切換弁V1の
作動により、混合タンク4への供給または供給の停止が
行われる。なお、中空糸膜モジュール44の逆洗時に
は、除菌装置10への用水の供給または供給の停止が行
われる。
【0018】上記混合タンク4は、上記RO膜モジュー
ル16からの用水と、養分ストック24に貯められたミ
ネラル等の各養分を混合して養液を生成する。混合タン
ク4には養液モニタ21が設けられており、図示しない
水位センサ、温度センサ、pHセンサ、EC(Electric
Conductivity,電気伝導度) センサ等により、混合タン
ク4内の養液の状態を検出する。pHセンサにより養液
のpH濃度が、ECセンサにより電気伝導度から養液の
イオン濃度が検出される。養液コントローラ22によ
り、混合タンク4内に、この濃度検出に応じて、用水生
成部2から用水が、養分ストック24から養分が必要量
だけ供給される。その他の検出信号は、図示しない装置
全体の制御コントローラに入力されて、装置全体の制御
に用いられる。
【0019】給液ポンプ23は、混合タンク4内の養液
を、末端が封止された供給管26に送る。この供給管2
6の外周部には複数の貫通孔が設けられ、養液は、この
貫通孔からチューブ28を介して、植物1を栽培する栽
培ベッド6に供給される。栽培ベッド6は、例えばロッ
クウールからなる鉢3を保持し、鉢3内の植物1の根を
養液に浸漬させて、植物1に養液を吸い上げさせる。
【0020】上記排液タンク8は、前記混合タンク4か
らの養液を植物1に供給した後の栽培ベッド6からの排
液を貯める。排液タンク8内には排液モニタ31が設け
られており、水位センサにより、排液タンク8内の排液
の水位を検出する。水位センサ31は、排液の水位L
1,L2を検出する。排液コントローラ32により、こ
の水位検出に応じて、排液が排液タンク8から除菌装置
10に排出される。その他の検出信号は、図示しない装
置コントローラに入力されて、装置全体の制御に用いら
れる。
【0021】除菌装置10は、排液タンク8からの排液
と混合タンク4からの養液とを切り換えて導入するため
の切換弁V2と、ポンプ41と、導入された上記廃液も
しくは養液に対して粗い前濾過を行うプレフィルタ42
と、この排液もしくは養液を除菌する上記中空糸膜モジ
ュール44と、中空糸膜モジュール44に逆洗水を供給
する逆洗用中空糸膜モジュール46およびシリンダポン
プ48からなる逆洗装置45と、中空糸膜モジュール4
4を逆洗する際に用いられるオゾン発生装置52および
コンプレッサー54とを備えている。上記プレフィルタ
42および中空糸膜モジュール44は、養液循環路Rの
一部を形成する循環通路R4に配置され、上記逆洗装置
45は、ポンプ41とその下流のプレフィルタ42との
間で循環通路R4から分岐して中空糸膜モジュール44
の濾過側に接続された逆洗用通路R5に配置されてい
る。
【0022】また、上記養液循環路Rには、混合タンク
4からの養液を栽培ベッド6に送る通路R1が設けられ
ており、さらに、栽培ベッド6からの排液を排液タンク
8から除菌装置10へ排出する通路R2と、混合タンク
4からの養液をそのまま除菌装置10へ排出する通路R
3とが設けられている。切換弁V2のような切換手段
は、排液コントローラ32の制御信号に基づいて、上記
排液タンク8から通路R2を介して排出される排液と、
前記混合タンク4から通路R3を介して排出される養液
とを選択的に除菌装置10に通して、排液もしくは養液
の除菌を行わせる。
【0023】本発明において、養液が混合タンク4、栽
培ベッド6、排液タンク8および通路R2を通って、除
菌装置10で除菌され、再び混合タンク4に戻る循環ル
ートをAルートと呼び、養液が混合タンク4および通路
R3を通って、そのまま除菌装置10で除菌され、再び
混合タンク4に戻る循環ルートをBルートと呼ぶ。
【0024】また、上記養液循環路Rには、何らかの事
故で除菌装置10の運転が不可能になった場合に備え
て、排液タンク8からの排液を、通路R2を介して開閉
弁V3およびポンプ25により混合タンク4に戻すルー
トも設けられている。
【0025】上記構成の装置は、以下のように、動作す
る。まず、用水生成部2で、RO膜モジュール16によ
り、原水に含まれる微細粒子のほか、ナトリウムイオ
ン、カルシウムイオン、マグネシウムイオンおよび塩素
イオン等のイオン類が大部分除去されて、養液のベース
となる用水が生成される。したがって、予めRO膜モジ
ュール16により原水が高度に精製されるので、養液リ
サイクルにおける養液自体に、除菌装置10の中空糸膜
モジュール44の目詰まりの原因となる微細粒子や、混
合タンク4における養液の成分組成の制御を困難にする
イオン類が実質上含まれないことになる。これにより、
養液リサイクルにおける除菌用の中空糸膜モジュール4
4の目詰まりの発生を抑制して、その性能を長期間維持
できるとともに、養液の成分組成の制御が容易にできる
ので、栽培の安定性が向上する。
【0026】つぎに、養液コントローラ22の制御によ
り、上記RO膜モジュール16からの用水と、養分スト
ック24からのミネラル等の各養分とが混合タンク4内
で混合されて養液が生成される。生成された養液は通路
R1を介して栽培ベッド6に送られる。養液が植物1に
供給され、その利用後の排液は排液タンク8に集められ
る。
【0027】排液タンク8内の水位レベルがL1以上L
2以下の間では、排液コントローラ32の制御に基づい
て、切換弁(切換手段)V2の切り換えにより、Aルー
トが選択され、集められた排液は、排液タンク8から通
路R2を通って、除菌装置10へ送液され、除菌され
る。すなわち、実線の矢印で示すように、除菌装置10
の切換弁V4、開閉弁V5を作動させて、排液は、ポン
プ41によりプレフィルタ42に送られ、中空糸膜モジ
ュール44に通されて膜濾過されて除菌される。除菌さ
れた排液は、切換弁V6を通って再び混合タンク4へ送
られる。
【0028】排液タンク内の水位レベルがL1未満のと
きは、切換弁(切換手段)V2の切り換えにより、Bル
ートが選択されて、排液タンク8からの送液は停止さ
れ、混合タンク4内の養液が通路R3を通って、除菌装
置10へ送液される。同様に、除菌装置10で除菌さ
れ、除菌された排液は、再び混合タンク4へ送られる。
【0029】このように、中空糸膜モジュール44は、
排液タンク8からの排液の除菌を行わないときには、切
換手段V2の切り換えにより、混合タンク4からの養液
の除菌を行う。したがって、排液の除菌を行わないとき
には混合タンク内の養液はこの除菌通路を循環すること
になって、除菌効果の高い養液を植物に供給することが
できるとともに、除菌用の中空糸膜モジュール44の有
効利用を図ることができる。例えば、Aルートによる養
液循環が間欠的に、1日に4回、1回に1時間程度行わ
れる場合、混合タンク4内の養液は、残りの時間をBル
ートで循環して、除菌され続けることになる。
【0030】なお、何らかの事故で除菌装置10の運転
が不可能になった場合、例えば排液タンク8の水位レベ
ルがL2を越えるような緊急時の場合、通路R2に設け
られた開閉弁V3を作動させてポンプ25により排液が
混合タンク4に戻される。
【0031】上記中空糸膜モジュール44の逆洗時に
は、用水生成部2で生成された用水が用いられる。この
不純物質を含まない用水を用いることにより、原水に比
較して逆洗効果が高くなる。中空糸膜モジュール44の
逆洗は、例えば特開平7−68258号公報に記載の方
法に従って行われる。すなわち、まず切換弁V1が切り
換えられて、用水は破線の矢印で示すように、切換弁V
4を通じて除菌装置10に導入される。導入された用水
は、開閉弁V5およびV10が閉じ、V9が開いた状態
で、ポンプ41により加圧されて、切換弁V8を通じて
逆洗用中空糸膜濾過装置46によりさらに精製され、つ
いで、逆洗シリンダー48の上部滞留部に供給される。
この際の圧力により、逆洗シリンダー48のシリンダー
が下方に移動し、逆洗水が貯留される。つづいて、開閉
弁V10およびV11を開いた状態で切換弁V8を切り
換え、用水を逆洗シリンダー下部に導入すると、この圧
力によりシリンダーが上方に移動し、先の工程で貯留し
た逆洗水が、開閉弁V10および切換弁V6を通じて中
空糸膜モジュールの濾液側に供給され、中空糸膜44a
に、その濾過方向とは逆方向に通過することによって、
中空糸膜44aを逆洗する。中空糸膜44aを通過した
逆洗水は開閉弁V11より系外へ排出される。
【0032】上記用水による中空糸膜モジュール44の
逆洗と同時または逆洗後に、オゾン発生器52から発生
したオゾンガスがコンプレッサー54により加圧した加
圧空気と混合され、開閉弁V12を作動させて、中空糸
膜モジュール44内に加圧されたオゾンガスが気泡で入
り、バブリングが行われて、中空糸膜表面に付着したS
S成分などが洗い流される。通常は、逆洗水として中空
糸膜濾過した養液を使用するが、図1に示すように用水
を用いることにより、有効成分を含む貴重な養液を系外
に排出することなく逆洗を行うことが可能となる。また
オゾンガスを含む気泡によりバブリング洗浄を行うこと
により、膜に付着した細菌類などの有機物が分解除去さ
れるため、中空糸膜の再生効果を顕著に高めることが可
能となり、中空糸膜モジュール44の性能をより長時間
維持することが可能となる。
【0033】この実施形態では、AルートとBルートに
よる養液循環を、切換手段V2の切り換えにより、交互
に行っているが、Bルートによる養液循環を行わない
で、Aルートによる養液循環のみを行うようにしてもよ
い。
【0034】
【実施例】以下、本発明を具体的に実施例を用いて説明
するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるもの
ではない。 〔実施例1〕図1の装置において、用水精製装置2のR
O膜モジュールとして、東レ株式会社製のSRL710
(商品名:スパイラル型、イオン除去率99.8%)を
2本使用し、また除菌装置10のMF膜モジュールとし
て、親水化処理したポリスルホン製の中空糸膜モジュー
ルである株式会社クラレ製キャラクタ10(商品名:孔
径0.1ミクロン、膜面積0.7m2 )を1本使用し、
さらにオゾン発生器52には、プラズマ共振型放電方式
を用い、発生オゾンガス濃度を140ppmに設定し
た。
【0035】図1の装置を用いて、除菌装置10のMF
膜モジュールを膜差圧0.04MPaの定圧濾過で運転
しながら、Aルートによる養液循環を1日に4回、1回
に10分間行い、Aルートによる養液循環を行わないと
きには、Bルートによる養液循環を行いながら、26日
間にわたりトマトの栽培を行った。なお、MF膜モジュ
ールの逆洗は、6時間毎に1回実施したが、26日運転
後のMF膜モジュールの流量は、初期の97%以上を保
持していた。試験期間中の排液タンクおよび混合タンク
中の一般細菌数および真菌数の変化を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】トマトのロックウール栽培において、根腐
れイチョウ病などの重大な病気を引き起こす真菌は、混
合タンク内では完全に除去されており、養液のリサイク
ルを行う上で最も重要な病原菌の除去は十分に行われて
いた。一方混合タンク内の一般細菌数は、完全には除去
されていないものの、排液タンク内の一般細菌数に比較
して約1/2〜1/5にまで低減された。開放系の水耕
栽培においては、細菌類の空中からの混入を完全には抑
止できないと考えられる。
【0038】〔実施例2〕実施例1において、膜差圧除
菌装置10のMF膜モジュールとして、ポリスルホン製
の中空糸膜モジュールである株式会社クラレ製キャラク
タ10(孔径0.1ミクロン、膜面積0.7m2 )を1
本使用し、膜差圧0.04MPaの定圧濾過方式で運転
した。26日運転後のMF膜モジュールの流量は、初期
の85%にまで低下していた。親水性または親水化処理
した膜の方が濾過の対象となる菌類などが付着しにく
く、長期間安定的に運転を継続することが可能であるこ
とが分かった。
【0039】〔比較例〕実施例1において、除菌装置1
0を停止し、通路R2に設けられた開閉弁V3およびポ
ンプ25を作動させて、排液タンクに貯留された養液を
直接混合タンク内へ循環させながら、同様にトマトの栽
培を行った。この間のロックウール中の真菌数の変化
を、実施例1の結果と比較しながら表2を示す。
【0040】
【表2】
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、予め用
水精製装置により原水から微細粒子や養液に不要な成分
であるイオン類が除去されるので、養液リサイクルにお
ける養液自体に、除菌用の中空糸膜濾過装置の目詰まり
の原因となる微細粒子や、養液の成分組成の制御を困難
にするイオン類が含まれないことから、養液リサイクル
における除菌用の中空糸膜濾過装置の目詰まりの発生を
抑制して、その性能を長期間維持できるとともに、養液
の成分組成の制御を容易にできるので、栽培の安定性が
向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る水耕栽培装置を示す
構成図である。
【符号の説明】
1…植物、4…混合タンク、16…逆浸透膜濾過装置
(用水精製装置)、44…中空糸膜濾過装置、44a…
中空糸膜、R…養液循環路、R5…逆洗用通路、V2…
切換手段(切換弁)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐瀬 勘紀 茨城県つくば市松代4丁目11番1号 (72)発明者 三浦 勤 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内 (72)発明者 加藤 直之 東京都中央区日本橋3丁目8番2号 株式 会社クラレ内 (72)発明者 山陰 和正 東京都大田区北馬込2丁目1番6号 Fターム(参考) 2B314 MA26 PA03 PA11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 養液を養液循環路で供給循環させて植物
    を栽培する水耕栽培装置であって、 原水中のイオンを除去して、養液のベースとなる用水を
    精製する用水精製装置を備え、 前記養液循環路に、 前記用水精製装置からの用水と養分を混合して養液を生
    成する混合タンクと、 前記養液を植物に供給した後の排液を除菌する中空糸膜
    濾過装置とを備えている水耕栽培装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記中空糸膜濾過装置は精密濾過膜または限外濾過膜か
    らなり、その孔径は1μm以下である水耕栽培装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、さらに、 前記養液循環路に、前記養液を植物に供給した後の排液
    と前記混合タンクからの養液とを選択的に前記中空糸膜
    濾過装置に通して、排液もしくは養液の除菌を行わせる
    切換手段を備えた水耕栽培装置。
  4. 【請求項4】 請求項1,2または3において、さら
    に、 前記中空糸膜濾過装置内の中空糸膜に、前記用水精製装
    置により精製された用水を、濾過方向とは逆方向に通過
    させることで中空糸膜を洗浄する逆洗用通路を備えた水
    耕栽培装置。
  5. 【請求項5】 養液を養液循環路で供給循環させて植物
    を栽培する水耕栽培方法であって、 用水精製装置により原水中のイオンを除去して養液のベ
    ースとなる用水を生成し、 前記養液循環路で、前記用水精製装置からの用水と養分
    を混合して養液を生成し、さらに、 前記養液を植物に供給した後の排液を中空糸膜濾過装置
    により除菌する水耕栽培方法。
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