JP2001345617A - 固定型アンテナ取付装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】別部品の二次加工を必要とせず、機能的に耐久
性があり、且つ製造コストの安価な固定型アンテナ取付
装置を提供すること。 【解決手段】電子機器の本体ケース１に設けられたアン
テナ挿入孔に固定型アンテナ３を挿入したときに固定型
アンテナを固定するアンテナ保持手段を備え、アンテナ
保持手段は、先端がアンテナ挿入孔に突出され本体ケー
スと一体に成形された弾力性のある掛合爪５と、固定型
アンテナ３の掛合爪５の先端に対応する位置に設けられ
た凹形状部３ｄとからなり、固定型アンテナ３をアンテ
ナ挿入孔に挿入したときに掛合爪５が凹形状部３ｄに勘
合して固定型アンテナ３を固定するようにしたことによ
り、固定型アンテナ３をワンタッチで本体ケース１に挿
入することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、特に携帯無線電話
機等の電子機器に装備される送受信用の固定型アンテナ
取付装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の送受信用の固定型アンテ
ナ取付装置としては図４に示すようなものがあった。図
４に示す従来の固定型アンテナ取付装置は、送受信用の
固定型アンテナを携帯無線電話機の樹脂製ケースに取付
ける場合の固定型アンテナ取付装置の一例である。これ
によると、図４の（Ａ）は固定型アンテナ１０を樹脂製
ケース１１に挿入する前の状態を示し、図４の（Ｂ）は
固定型アンテナ１０を樹脂製ケース１１に挿入して固定
した状態を示す。詳細に説明すると、図４の（Ａ）およ
び（Ｂ）において、固定型アンテナ１０の固定基端部１
０ａには雄ネジ１０ｂが切られており、また、樹脂製ケ
ース１１側には雌ネジ１２ａが切られた金属製ホルダー
１２が固定されている。そして、固定型アンテナ１０を
金属製ホルダー１２に捩じ込むことにより、固定型アン
テナ１０を携帯無線電話機の樹脂製ケース１１に取付け
て完全に固定することができる。

【０００３】この金属製ホルダー１２の樹脂製ケース１
１に対する固定は、一般的に樹脂製ケース１１を成形す
る際に金属製ホルダー１２と一体に成形する、いわゆる
インサート一体成形法と、金属製ホルダー１２に熱や超
音波振動を与えて樹脂を溶融させ、金属製ホルダー１２
を挿入して固化することにより樹脂製ケース１１に金属
製ホルダー１２を固定するアウトサート法とがある。ま
た、他にも特開平１０−１７３４２０号公報に記載の内
容や、固定型アンテナを樹脂ケースに装着した後、挿入
基端部をネジで固定する方法なども一般的である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の固定型アンテナ取付装置において、インサート一体
成形法は、インサート部品（金属製ホルダー等）の自動
装着、部品間の位置規制等、金型構造の複雑化により高
価な金型費用を要するという問題があった。また、樹脂
製ケースを溶融させ金属部品（金属製ホルダー等）を挿
入して固定するアウトサート法は、固定型アンテナ取付
時に引き抜き強度や回転強度が弱いという問題があっ
た。さらに、固定型アンテナを樹脂製ケースに装着後、
挿入基端部をネジで固定する方法については、製造する
際に組立作業が発生する。上記いずれの方法も、二次的
な加工を行った後に固定型アンテナを樹脂製ケースに装
着するため製造コストが高くなるという問題があった。

【０００５】本発明は、上記従来の問題を解決するため
になされたもので、固定型アンテナを樹脂製ケースに取
り付けるために別部品の二次加工を必要とせず、機能的
に耐久性があり、且つ製造コストの安価な固定型アンテ
ナ取付装置を提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明における固定型ア
ンテナ取付装置は、電子機器の本体ケースに設けられた
アンテナ挿入孔に固定型アンテナを挿入して固定する固
定型アンテナ取付装置であって、前記本体ケースの部分
と前記固定型アンテナの部分とからなる前記固定型アン
テナを前記本体ケースに固定するアンテナ保持手段を備
えるという構成を有している。この構成により、二次加
工を必要とせず、固定型アンテナをワンタッチで本体ケ
ースに装着できるようになる。

【０００７】本発明における固定型アンテナ取付装置
は、前記アンテナ挿入孔の断面形状を円形以外の形状と
し、回転防止型にするという構成を有している。この構
成により、位置規定および回転防止機能を兼ね備えるこ
とができる。

【０００８】本発明における固定型アンテナ取付装置
は、前記アンテナ保持手段が、先端が前記アンテナ挿入
孔に突出され前記本体ケースと一体に成形された弾力性
のある掛合爪と、前記掛合爪の先端に対応する前記固定
型アンテナの位置に設けられた凹形状部とからなり、前
記固定型アンテナを前記アンテナ挿入孔に挿入したとき
に前記掛合爪が前記凹形状部に勘合して前記固定型アン
テナを固定するという構成を有している。この構成によ
り、固定型アンテナを挿入した軸方向に固定型アンテナ
が抜けないようにすることができる。

【０００９】本発明における固定型アンテナ取付装置
は、前記アンテナ保持手段が、前記固定型アンテナに一
体に構成された弾力性のある掛合爪を具備し、前記固定
型アンテナを前記アンテナ挿入孔に挿入したときに前記
掛合爪が前記本体ケースに係合して前記固定型アンテナ
を固定するという構成を有している。この構成により、
固定型アンテナを挿入した軸方向に固定型アンテナが抜
けないようにすることができる。

【００１０】本発明における固定型アンテナ取付装置
は、前記本体ケース内に設けられた電子回路に接続され
前記固定型アンテナを介して送受信する接点端子を設
け、前記固定型アンテナの底面部には前記固定型アンテ
ナが前記本体ケースに挿入されたときに前記接点端子が
接触する接点部を設けるという構成を有している。この
構成により、固定型アンテナを本体ケースに挿入しただ
けで、電子機器の電子回路と固定型アンテナとを接続す
ることができる。

【００１１】本発明における固定型アンテナ取付装置
は、前記本体ケース内に設けられた電子回路に接続され
前記固定型アンテナを介して送受信する接点端子を設
け、前記固定型アンテナの側面部には前記固定型アンテ
ナが前記本体ケースに挿入されたときに前記接点端子が
接触する接点部を設けるという構成を有している。この
構成により、固定型アンテナを本体ケースに挿入しただ
けで、電子機器の電子回路と固定型アンテナとを接続す
ることができる。

【００１２】本発明における固定型アンテナ取付装置
は、前記本体ケースと前記アンテナ挿入孔に挿入された
固定型アンテナとの間に弾性部材を設けるという構成を
有している。この構成により、部品間のガタツキを防止
し、落下衝撃時の緩衝機能を有する構造とすることがで
きる。

【００１３】本発明における固定型アンテナ取付装置
は、前記電子機器が携帯電話無線機であるという構成を
有している。この構成により、二次加工を必要とせず、
固定型アンテナをワンタッチで本体ケースに装着できる
携帯電話無線機を構成することができる。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、図１ないし図３に基づき、
本発明の第１および第２の実施の形態を詳細に説明す
る。まず、図１の断面図を参照して、本発明の第１の実
施の形態における固定型アンテナ取付装置の構成を説明
する。図１において、固定型アンテナ３は電波の送受信
を行う送受信エレメント３ａと、樹脂成形材などにより
固定型アンテナ３の先端を閉塞したアンテナカバー３ｂ
と、送受信エレメント３ａの下端に設けられダイカスト
工法や切削工法などにより成形した金属あるいは金属を
樹脂等でコーティングしたアンテナ基端部３ｃとが一体
に結合して構成される。

【００１５】また、携帯電話無線機本体は、本体上ケー
ス１と本体下ケース２とによりカバーされ、本体上ケー
ス１には、挿入された固定型アンテナ３のアンテナ基端
部３ｃに設けられているアンテナ基端部凹形状部３ｄに
係合して固定型アンテナ３を係止するアンテナ保持手段
としてのケース掛合爪５が設けられる。さらに、携帯電
話無線機本体内に設けられたプリント配線基板６には板
バネ状の接点端子７が取り付けられて、挿入された固定
型アンテナ３のアンテナ基端部３ｃに設けられた接点部
（図示せず）と接触して固定型アンテナ３をプリント配
線基板６に電気的に接続するようにしている。

【００１６】次に、図１を参照して、本発明の第１の実
施の形態における固定型アンテナ取付装置の取付け動作
を説明する。固定型アンテナ３を本体上ケース１に取り
付ける際、まず、固定型アンテナ３と本体上ケース１の
取付面との間に、ゴム等の素材でできた弾性部材４が装
着され、若干の接圧をかけて固定型アンテナ３を本体上
ケース１の中に挿入すると、本体上ケース１の一部に構
成されているケース掛合爪５がスナップ等のばね性を働
かせて固定型アンテナ３を回避する。固定型アンテナ３
が所定の位置に達すると、ケース掛合爪５はアンテナ基
端部３ｃに設けられているアンテナ基端部凹形状部３ｄ
に嵌合してアンテナ基端部３ｃを固定することにより、
固定型アンテナ３の取り付けがワンタッチで行われる。

【００１７】また、本体上ケース１に取り付けられた固
定型アンテナ３の送受信エレメント３ａと電気的に接続
されているアンテナ基端部３ｃの底面あるいは側面に設
けられた金属部または接点部と、プリント配線基板６に
接続されている板バネ状の接点端子７とが電気的に導通
される。

【００１８】次に、図２の（Ａ）および（Ｂ）の断面図
を参照して、本発明の第２の実施の形態における固定型
アンテナ取付装置の構成を説明する。ここで、図２の
（Ａ）は固定型アンテナ３を本体上ケース１に挿入する
前の状態を示し、図２の（Ｂ）は固定型アンテナ３を本
体上ケース１に挿入して固定した状態を示す。図２の
（Ａ）および（Ｂ）において、固定型アンテナ３は電波
の送受信を行う送受信エレメント３ａと、樹脂成形材な
どにより固定型アンテナ３の先端を閉塞したアンテナカ
バー３ｂと、送受信エレメント３ａの下端に設けられダ
イカスト工法や切削工法などにより成形した金属あるい
は金属を樹脂等でコーティングしたアンテナ基端部３ｃ
とが一体に結合して構成される。

【００１９】また、樹脂あるいは金属材料で成形された
アンテナ基端部３ｃには、アンテナ基端部３ｃとの間に
間隙８ｃをおいて、アンテナ基端部３ｃに一体に構成さ
れたアンテナ基端部掛合爪８ａが設けられ、固定型アン
テナ３を本体上ケース１に挿入したときに、アンテナ基
端部掛合爪８ａが本体上ケース１の一部に係合して固定
型アンテナ３が抜けないようにする。さらに、アンテナ
基端部３ｃには、その凹部（図示せず）に隣接して金属
ばね８ｂが設けられ、固定型アンテナ３を本体上ケース
１に挿入したときに（挿入時には、図２の（Ｂ）に点線
で示すように、金属ばね８ｂはアンテナ基端部３ｃの凹
部に入り、本体上ケース１を回避する）、金属ばね８ｂ
が本体上ケース１の一部に係合して固定型アンテナ３が
抜けないようにする。

【００２０】なお、アンテナ基端部掛合爪８ａまたは金
属ばね８ｂによりアンテナ保持手段を構成する。携帯電
話無線機本体は、本体上ケース１と本体下ケース２とに
よりカバーされ、携帯電話無線機本体内に設けられたプ
リント配線基板６には板バネ状の接点端子７が取り付け
られて、挿入された固定型アンテナ３のアンテナ基端部
３ｃの接点部と接触して固定型アンテナ３をプリント配
線基板６に電気的に接続するようにしている。

【００２１】次に、図２の（Ａ）および（Ｂ）を参照し
て、本発明の第２の実施の形態における固定型アンテナ
取付装置の取付け動作を説明する。固定型アンテナ３を
本体上ケース１に取り付ける際、まず、固定型アンテナ
３と本体上ケース１の取付面との間に、ゴム等の素材で
できた弾性部材４が装着され、若干の接圧をかけて固定
型アンテナ３を本体上ケース１の中に挿入すると、アン
テナ基端部３ｃに構成されているアンテナ基端部掛合爪
８ａおよび金属ばね８ｂがスナップ等のばね性を働かせ
て本体上ケース１を回避することにより固定型アンテナ
３が挿入される。固定型アンテナ３が所定の位置に達す
ると、アンテナ基端部掛合爪８ａおよび金属ばね８ｂは
そのばね性により復元し、本体上ケース１の一部に係合
して固定型アンテナ３が抜けないよう固定する。

【００２２】このようにして、本体上ケース１に対する
固定型アンテナ３の取り付けはワンタッチで行われる。
また、本体上ケース１に取り付けられた固定型アンテナ
３の送受信エレメント３ａと電気的に接続されているア
ンテナ基端部３ｃの底面あるいは側面の金属部と、プリ
ント配線基板６とは板バネ状の接点端子７により電気的
に導通される。

【００２３】なお、 第１および第２の実施の形態の場
合ともに、接点端子７はプリント配線基板６に取り付け
られるようにしているが、本体上ケース１または本体下
ケース２のいずれかに取り付けるよう構成してもよい。

【００２４】次に、図３を参照して、本体ケースの固定
型アンテナのアンテナ挿入孔の形状を説明する。本体上
ケース１には固定型アンテナ３を取り付けるためのアン
テナ挿入孔９が設けられる。このアンテナ挿入孔９は、
アンテナ挿入孔９にキー溝を設けてアンテナ位置を規定
するようにしている。しかし、アンテナ挿入孔９の形状
はキー溝形状のみでなく、円形状以外であればどのよう
な形状であっても良い。また、第１および第２の実施の
形態のどちらにもこのアンテナ挿入孔９の形状を適用す
ることができる。

【００２５】

【発明の効果】本発明における固定型アンテナ取付装置
は、上記のように構成され、特に固定型アンテナまたは
本体ケースに、固定型アンテナを本体ケースに固定する
掛合爪を一体に設けて固定型アンテナを固定するように
したことにより、回転強度や引き抜き強度が強く、従来
のような二次加工を必要としないため、製造コストが安
価な固定型アンテナ取付装置を実現することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施の形態における固定型アン
テナ取付装置の構成を示す断面図、

【図２】本発明の第２の実施の形態における固定型アン
テナ取付装置の構成を示す断面図であり、（Ａ）は固定
型アンテナ挿入前を示す図、（Ｂ）は固定型アンテナ挿
入後を示す図、

【図３】本体ケースの固定型アンテナを取付けるアンテ
ナ挿入孔の形状を示す図、

【図４】従来の携帯電話無線機の固定型アンテナ取付装
置を示す断面図であり、（Ａ）は固定型アンテナ挿入前
を示す図、（Ｂ）は固定型アンテナ挿入後を示す図。

【符号の説明】

１ 本体上ケース ２ 本体下ケース ３、１０ 固定型アンテナ ３a 送受信エレメント ３b アンテナカバー ３c アンテナ基端部 ３d アンテナ基端部凹形状部 ４ 弾性部材 ５ ケース掛合爪 ６ プリント配線基板 ７ 接点端子 ８ａ アンテナ基端部掛合爪 ８ｂ 金属ばね ８ｃ 間隙 ９ アンテナ挿入孔 １０ａ 固定型アンテナ固定基端部 １０ｂ 雄ネジ １１ 樹脂性ケース １２ 金属製ホルダー １２ａ 雌ネジ

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】電子機器の本体ケースに設けられたアンテ
   ナ挿入孔に固定型アンテナを挿入して固定する固定型ア
   ンテナ取付装置であって、前記本体ケースの部分と前記
   固定型アンテナの部分とからなる前記固定型アンテナを
   前記本体ケースに固定するアンテナ保持手段を備えるこ
   とを特徴とする固定型アンテナ取付装置。
2. 【請求項２】前記アンテナ挿入孔の断面形状を円形以外
   の形状とし、回転防止型としたことを特徴とする請求項
   １記載の固定型アンテナ取付装置。
3. 【請求項３】前記アンテナ保持手段は、先端が前記アン
   テナ挿入孔に突出され前記本体ケースと一体に成形され
   た弾力性のある掛合爪と、前記掛合爪の先端に対応する
   前記固定型アンテナの位置に設けられた凹形状部とから
   なり、前記固定型アンテナを前記アンテナ挿入孔に挿入
   したときに前記掛合爪が前記凹形状部に勘合して前記固
   定型アンテナを固定することを特徴とする請求項１また
   は２記載の固定型アンテナ取付装置。
4. 【請求項４】前記アンテナ保持手段は、前記固定型アン
   テナに一体に構成された弾力性のある掛合爪を具備し、
   前記固定型アンテナを前記アンテナ挿入孔に挿入したと
   きに前記掛合爪が前記本体ケースに係合して前記固定型
   アンテナを固定することを特徴とする請求項１または２
   記載の固定型アンテナ取付装置。
5. 【請求項５】前記本体ケース内に設けられた電子回路に
   接続され前記固定型アンテナを介して送受信する接点端
   子を設け、前記固定型アンテナの底面部には前記固定型
   アンテナが前記本体ケースに挿入されたときに前記接点
   端子が接触する接点部を設けることを特徴とする請求項
   １ないし４のいずれかに記載の固定型アンテナ取付装
   置。
6. 【請求項６】前記本体ケース内に設けられた電子回路に
   接続され前記固定型アンテナを介して送受信する接点端
   子を設け、前記固定型アンテナの側面部には前記固定型
   アンテナが前記本体ケースに挿入されたときに前記接点
   端子が接触する接点部を設けることを特徴とする請求項
   １ないし４のいずれかに記載の固定型アンテナ取付装
   置。
7. 【請求項７】前記本体ケースと前記アンテナ挿入孔に挿
   入された固定型アンテナとの間に弾性部材を設けたこと
   を特徴とする請求項１ないし６のいずれかに記載の固定
   型アンテナ取付装置。
8. 【請求項８】前記電子機器は携帯電話無線機であること
   を特徴とする請求項１ないし７のいずれかに記載の固定
   型アンテナ取付装置。