JP2001345266A - 半導体装置,その製造方法及び半導体基板の製造方法 - Google Patents

半導体装置,その製造方法及び半導体基板の製造方法

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JP2001345266A
JP2001345266A JP2001046005A JP2001046005A JP2001345266A JP 2001345266 A JP2001345266 A JP 2001345266A JP 2001046005 A JP2001046005 A JP 2001046005A JP 2001046005 A JP2001046005 A JP 2001046005A JP 2001345266 A JP2001345266 A JP 2001345266A
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semiconductor layer
semiconductor
semiconductor device
forming
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JP2001046005A
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Masahiro Ogawa
雅弘 小川
Kenji Orita
賢児 折田
Masahiro Ishida
昌宏 石田
Shinji Nakamura
真嗣 中村
Osamu Kondo
修 今藤
Masaaki Yuri
正昭 油利
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エピタキシャル成長により形成される半導体
層における格子欠陥数を低減する。 【解決手段】 Si基板51上に、第2のAlAs層5
9,第1のGaN層53第2のAlAs層60をエピタ
キシャル成長させる。第2のAlAs層60及び第1の
GaN層53をパターニングして、凹部53aと凸部5
3bとを形成した後、第1,第2のAlAs層59,6
0の表面部を酸化させて、酸化膜からなる底面,頂面エ
ピタキシャルマスク61,56を形成する。基板上に、
第2のGaN層57をエピタキシャル成長させると、凹
部53aの中央部の上方に位置する領域(欠陥領域R
a)にのみ第1のGaN層53から伝播した格子欠陥D
が存在し、その他の領域(低欠陥領域Rb)には第1の
GaN層53から伝播した格子欠陥Dはほぼ存在しな
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置、特に
青色レーザや高速動作用の電界効果トランジスタ等とし
て機能する窒化物半導体装置,その製造方法及び半導体
装置に用いられる半導体基板の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、窒化物半導体,特に窒化ガリ
ウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化イ
ンジウム(InN)に代表されるIII族窒化物からなる
化合物半導体層をレーザや電界効果トランジスタの活性
領域として利用したものが知られている。すなわち、窒
化物半導体のバンドギャップが広いことを利用して短波
長の光を発光するレーザ(例えば青色レーザ)を形成し
たり、窒化物半導体中におけるキャリアの移動度(走行
速度)が高いことを利用して高速動作する電界効果トラ
ンジスタを形成するなど、多くの技術が存在している。
【0003】図12は、窒化物半導体を利用した半導体
レーザである従来の半導体装置の断面である。図12に
おいては、結晶中の欠陥の構造を明瞭に示すため、断面
のハッチングは省略している。同図に示すように、n型
GaNで構成される基板101上に、n型GaN層11
1と、n型AlGaNクラッド層112と、n型GaN
光ガイド層113と、アンドープGaN活性層114
と、p型GaN光ガイド層115と、第1のp型AlG
aNクラッド層116と、開口を有する電流狭窄層11
7と、第2のp型AlGaNクラッド層118と、p型
GaNコンタクト層119とが、下方から順次エピタキ
シャル成長されている。また、基板101の下面にはn
側電極120が設けられ、p型GaNコンタクト層11
9の上面にはp側電極121が設けられている。
【0004】この半導体装置は、アンドープGaN活性
層114が窒化物半導体であるために、n側電極120
およびp側電極121に電圧を印加すると、アンドープ
GaN活性層114のうち電流狭窄層117の開口部の
下方に位置する能動領域114aにおいて、青色の光を
発振する半導体レーザ素子として使用することができ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の半導体装置では、以下のような不具合があった。図
12に示すように、基板101には、筋状に上下方向に
延びる格子欠陥D(特に転位)がもともと存在してい
る。なお、基板101内には、基板面に平行な方向に又
は斜め方向に延びる転位等の格子欠陥も存在するが、こ
れらの転位は、ここで説明する不具合の原因にはほとん
ど関係がないので、図示を省略している。そして、基板
101から各層を順次エピタキシャル成長させると、n
型GaNコンタクト層111,n型AlGaNクラッド
層112,…の成長とともに、格子欠陥も上方に延び
て、アンドープGaN活性層114のうち電流狭窄層1
17の開口部下方に位置している能動領域114aに達
している。
【0006】半導体レーザ素子においては、レーザ発振
を起こさせるには、能動領域114aに高電流を注入し
て反転状態にする必要がある。しかるに、このような高
電流が多数の格子欠陥を含む能動領域114aに注入さ
れると、能動領域114aにおいて格子欠陥が存在する
部分からレーザ発振機能の劣化が始まり、半導体レーザ
の寿命や信頼性を著しく低下させてしまうおそれがあっ
た。
【0007】上述のような欠陥の存在による不具合は、
半導体レーザ素子だけではなく、例えば高速動作する電
界効果トランジスタやショットキーダイオードなど、他
の半導体素子においても発生するおそれがある。たとえ
ば、電界効果トランジスタのゲート下方のチャネル領域
に多数の格子欠陥が存在すると、キャリアの移動度が低
下するため、トランジスタの性能が低下するおそれがあ
る。
【0008】このように、半導体レーザ素子の活性層や
トランジスタのチャネル領域等、半導体素子の能動領域
(キャリア走行領域)に存在する格子欠陥により、半導
体素子の性能劣化を招くおそれがあった。
【0009】本発明は、半導体装置の能動領域のにおけ
る格子欠陥数を低減し、信頼性が高く、高性能な半導体
装置,その製造方法および半導体装置に用いられる半導
体基板の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体装置は、
第1の半導体層を有する基板と、上記第1の半導体層に
設けられ、頂面と該頂面に交差する側面とを有する少な
くとも1つの凸部と、上記第1の半導体層のうち上記凸
部の頂面の少なくとも一部を覆い,上記側面の少なくと
も一部を開放して設けられ、上記第1の半導体層上への
半導体のエピタキシャル成長の抑制機能を有する被覆層
と、上記第1の半導体層の上にエピタキシャル成長によ
り設けられた第2の半導体層とを備え、上記第2の半導
体層のうち上記凸部の上方に位置する領域が能動領域と
して動作するものである。
【0011】これにより、以下の作用効果が得られる。
第1の半導体層の凸部の側面からエピタキシャル成長す
る半導体結晶は側面にほぼ垂直な方向に堆積されてい
く。そのとき、第1の半導体層の側面に露出している格
子欠陥は、第2の半導体層を構成する結晶内に組み込ま
れて第2の半導体層内で凸部の側面にほぼ垂直な方向
に,つまり凸部から遠ざかるように延びる。したがっ
て、第2の半導体層のうち被覆層の上方など、凸部の側
面からエピタキシャル成長する結晶が側方に延びること
によって堆積された部分には、第1の半導体層の格子欠
陥が延びることはほとんどない。よって、第1の半導体
層のうち凸部の上方に位置する領域は低欠陥領域とな
り、この領域に能動領域を有する半導体装置の各種特性
が良好となる。たとえば、半導体レーザ素子では発光特
性の劣化が抑制され、電界効果トランジスタではキャリ
アの走行特性が改善される。
【0012】上記被覆層が、上記半導体層のうち上記凸
部の頂面以外の部分を覆っていることにより、第1の半
導体層内の格子欠陥が第2の半導体層内に伝播する確率
が低くなるので、より欠陥密度の小さい第2の半導体層
を有する半導体装置が得られる。
【0013】上記凸部は、少なくとも2つ設けられてお
り、上記被覆層は、上記少なくとも2つの凸部の間に形
成された凹部の底面の上をも覆っていることにより、第
2の半導体層内で凹部を挟む2つの凸部の各側面(凹部
の側面)から側面にほぼ垂直に延びる格子欠陥が凹部の
中央付近で集結し、ほぼ1つの筋にまとまってから上方
に延びる。一方、凹部の底面から第2の半導体層内に格
子欠陥が延びることはない。したがって、第2の半導体
層中の欠陥領域が極めて狭くなり、第2の半導体層全体
の欠陥密度をさらに低減することができる。
【0014】上記凸部は、複数個設けられていて、上記
凸部の頂面がストライプパターンを有していることによ
り、半導体レーザ素子に適したストライプ構造を有する
半導体装置が得られる。
【0015】その場合、上記被覆層もストライプパター
ンを有することが好ましい。
【0016】上記被覆層は、酸化物,窒化物及び金属の
うちいずれか1つから選ばれることができるが、特に、
上記被覆層は、酸化シリコン,窒化シリコン及びタング
ステンのうちいずれか1つから選ばれることが好まし
い。被覆層が酸化アルミニウムにより構成されているこ
とがより好ましい。
【0017】上記第1及び第2の半導体層は、いずれも
III 族窒化物により構成されていることが好ましい。
【0018】上記第1の半導体層のうち上記凸部の頂面
上に設けられた第3の半導体層をさらに備え、上記被覆
層が上記第3の半導体層の表面部が酸化されてなるもの
であることにより、第3の半導体層を構成する材料を適
宜選択すれば、被覆層と第1の半導体層との密着性を改
善することができる。したがって、半導体装置を製造す
る際の歩留まりの向上を図ることができる。
【0019】上記第3の半導体層は、Alを含む半導体
により構成されており、上記被覆層は、Alを構成元素
として含む酸化物により構成されていることにより、被
覆層と第1の半導体層との密着性が向上するので、半導
体装置の製造時の歩留まりの向上を図ることができる。
【0020】その場合、上記第3の半導体層は、例えば
AlAsなど、Alx Ga1-x As y1-y (0<x≦
1、0≦y≦1)により構成されていることがより好ま
しい。
【0021】上記第1の半導体層の直下方にAlを含む
下地半導体層をさらに備え、上記第1の半導体層の凸部
は、上記下地半導体層の上に孤立したメサ状の凸部であ
ってもよい。
【0022】その場合には、上記被覆層は、上記下地半
導体層のうち上記凸部に覆われていない底面領域をも覆
い、かつ、上記底面領域の上では上記下地半導体層の表
面部が酸化されてなるものであることにより、第2の半
導体層における欠陥密度がより小さくなる。
【0023】また、下地半導体層は、第3の半導体層と
同様の好ましい材料から選択することができる。
【0024】本発明の第1の半導体装置の製造方法は、
基板の第1の半導体層の上に、上記第1の半導体層上へ
の半導体のエピタキシャル成長の抑制機能を有する材料
からなる被覆層を形成する工程(a)と、上記被覆層及
び上記第1の半導体層をエッチングして、上記第1の半
導体層に頂面と該頂面に交差する側面とを有する少なく
とも1つの凸部を形成するとともに、上記少なくとも1
つの凸部の上に上記被覆層から形成された頂面エピタキ
シャルマスクを残す工程(b)と、上記工程(b)の後
に、上記第1の半導体層の上にエピタキシャル成長によ
り第2の半導体層を形成する工程(c)と、上記第2の
半導体層のうち上記凸部の上方に位置する領域を能動領
域として動作する半導体素子を形成する工程(d)とを
含んでいる。
【0025】この方法により、以下の作用効果が得られ
る。工程(c)において、第1の半導体層の凸部の側面
からエピタキシャル成長する半導体結晶は側面にほぼ垂
直な方向に堆積されていく。そのとき、第1の半導体層
の側面に露出している格子欠陥は、第2の半導体層を構
成する結晶内に組み込まれて第2の半導体層内で凸部の
側面にほぼ垂直な方向に,つまり凸部から遠ざかるよう
に延びる。したがって、第2の半導体層のうち頂面エピ
タキシャルマスクの上方など、凸部の側面からエピタキ
シャル成長する結晶が側方に延びることによって堆積さ
れた部分には、第1の半導体層の格子欠陥が延びること
はほとんどない。よって、第1の半導体層のうち凸部の
上方に位置する領域は低欠陥領域となり、この領域に能
動領域を有する半導体装置の各種特性が良好となる。た
とえば、発光特性の劣化の小さい半導体レーザ素子や、
キャリアの走行特性の優れた電界効果トランジスタが得
られる。
【0026】上記工程(b)では、少なくとも2つの凸
部を形成し、上記工程(b)の後で上記工程(c)の前
に、上記2つの凸部によって挟まれる凹部の底面上に底
面エピタキシャルマスクを形成する工程をさらに含むこ
とにより、欠陥密度がより小さい第2の半導体層を有す
る半導体装置が得られる。
【0027】上記工程(a)の後で上記工程(b)の前
に、エッチングマスク用膜を形成する工程と、上記工程
(a)の後で上記工程(b)の前に、上記エッチングマ
スク用膜をパターニングしてエッチングマスクを形成す
る工程とをさらに含み、上記工程(b)では、上記エッ
チングマスクを用いて、上記被覆層及び第1の導体膜の
エッチングを行なうことができる。
【0028】また、上記工程(a)では、上記被覆層と
して、上記第1の半導体層の選択エッチングが可能な材
料の膜を形成し、上記工程(b)では、上記被覆層をパ
ターニングしてエッチングマスクを形成した後、該エッ
チングマスクを用いて第1の半導体層をエッチングし、
上記工程(c)では、上記エッチングマスクをエピタキ
シャルマスクとして用いて第2の半導体層をエピタキシ
ャル成長させることもできる。
【0029】上記工程(a)では、上記被覆層としてS
iO2 膜を形成することにより、エピタキシャルマスク
の形成が容易となる。
【0030】本発明の第2の半導体装置の製造方法は、
基板の第1の半導体層の上にエッチングマスクを形成す
る工程(a)と、上記エッチングマスクを用いて上記第
1の半導体層をエッチングして、上記第1の半導体層に
上記エッチングマスクよりも寸法が小さい頂面と該頂面
に交差する側面とを有する少なくとも1つの凸部を形成
する工程(b)と、上記工程(b)の後に、上記第1の
半導体層の上にエピタキシャル成長により第2の半導体
層を形成する工程(c)と、上記第2の半導体層のうち
上記凸部の側面と凹部の底面の一部とに跨る領域を能動
領域として動作する半導体素子を形成する工程(d)と
を含んでいる。
【0031】この方法により、第1の半導体装置の製造
方法と同様に、第2の半導体層のうち第1の半導体層の
凸部の側面からエピタキシャル成長する結晶が側方に延
びて堆積される部分における格子欠陥数を低減すること
ができる。また、第1の半導体層の凸部の頂面から第2
の半導体層内いに伝播する格子欠陥は、凸部の頂面にほ
ぼ垂直な方向に延びるが、凸部の頂面の面積が縮小され
るので、第2の半導体層のうち凸部の側面と凹部の底面
の一部とに跨る領域における欠陥密度が小さくなる。よ
って、この領域に能動領域を有する半導体装置の各種特
性が良好となる。たとえば、発光特性の劣化の小さい半
導体レーザ素子や、キャリアの走行特性の優れた電界効
果トランジスタが得られる。
【0032】上記工程(a)では、上記エッチングマス
クを、上記工程(b)におけるエッチング時にエッチン
グされて横寸法が縮小していく材料の膜から形成するし
てもよいし、上記工程(a)では、上記エッチングマス
クを、透光性を有する材料からなる膜から形成し、上記
工程(b)では、上記エッチングマスクの上方から上記
第1の半導体層に光を照射して、上記第1の半導体層の
エッチングマスク下方に位置する部分をエッチングする
ことにより、上記凸部の頂面の寸法を縮小してもよい。
とくに、上記工程(b)では、エッチング条件の選択に
より、上記凸部の側面の傾き角を所望の値に制御するこ
とができる。
【0033】本発明の第3の半導体装置の製造方法は、
基板上に、III 族窒化物からなる第1の半導体層を形成
する工程(a)と、上記第1の半導体層の上に、上記第
1の半導体層に対する密着機能を有する材料からなる第
2の半導体層を形成する工程(b)と、上記第2の半導
体層の上に、エッチングマスクを形成する工程(c)
と、上記エッチングマスクを用いて、上記第1及び第2
の半導体層をエッチングして、第1の半導体層に頂面と
該頂面に交差する側面とを有する少なくとも1つの凸部
を形成する工程(d)と、上記第1の半導体層の凸部の
頂面上に残存する第2の半導体層の上に頂面エピタキシ
ャルマスクを形成する工程(e)と、上記工程(e)の
後に、上記第1の半導体層の上にエピタキシャル成長に
より第3の半導体層を形成する工程(f)と、上記第3
の半導体層のうち上記凸部の上方に位置する領域を能動
領域として動作する半導体素子を形成する工程(g)と
を含んでいる。
【0034】この方法により、基本的には、上記第1の
半導体装置の製造方法と同じ作用効果が得られる。加え
て、この方法により、頂面エピタキシャルマスクと第1
の半導体層との密着性が向上するので、半導体装置の製
造時の歩留まりの向上を図ることができる。
【0035】上記工程(c)では、上記エッチングマス
クを、SiO2 膜をパターニングすることにより形成す
ることができる。
【0036】上記工程(c)を、塩素を含む反応性イオ
ンエッチングにより行なうことができる。
【0037】本発明の第4の半導体装置の製造方法は、
基板上に、Alを含む下地半導体層とIII 族窒化物から
なる第1の半導体層とを順次形成する工程(a)と、上
記第1の半導体層の上に、エッチングマスクを形成する
工程(b)と、上記エッチングマスクを用いて、上記第
1の半導体層をエッチングして、第1の半導体層に頂面
と該頂面に交差する側面とを有する少なくとも1つの凸
部を形成する工程(c)と、上記第1の半導体層の凸部
の頂面上に頂面エピタキシャルマスクを形成する工程
(d)と、上記工程(d)の後に、上記第1の半導体層
の上にエピタキシャル成長により第2の半導体層を形成
する工程(e)と、上記第2の半導体層のうち上記凸部
の上方に位置する領域を能動領域として動作する半導体
素子を形成する工程(f)とを含んでいる。
【0038】この方法により、基本的には上記第1の半
導体装置の製造方法と同じ作用効果が得られる。
【0039】上記工程(a)の後で上記工程(b)の前
に、上記第1の半導体層の上に上記第1の半導体層との
密着機能を有する材料からなる第3の半導体層を形成す
る工程をさらに含み、上記工程(b)では、上記第3の
半導体層の上に上記エッチングマスクを形成し、上記工
程(c)では、上記第3の半導体層の一部を上記凸部の
頂面上に残存させ、上記工程(d)では、上記第3の半
導体層の上記一部の上に上記頂面エピタキシャルマスク
を形成することにより、上述のように、半導体装置の製
造時における歩留まりの向上を図ることができる。
【0040】上記第3の半導体層がAlAs層である場
合には、上記工程(d)では、上記AlAs層の表面部
を酸化することにより、上記頂面エピタキシャルマスク
を形成することができる。
【0041】上記工程(c)では、上記下地半導体層が
露出するまで上記第1の半導体層のエッチングを行なっ
て、上記下地半導体層の上にメサ状の凸部を形成し、上
記下地半導体層の露出している表面部を酸化させて底面
エピタキシャルマスクを形成する工程をさらに含むこと
ができる。
【0042】本発明の半導体基板の製造方法は、結晶成
長用基板上のIII 族窒化物からなる第1の半導体層の上
に、エッチングマスクを形成する工程(a)と、上記エ
ッチングマスクを用いて、上記第1の半導体層をエッチ
ングして、上記第1の半導体層に、頂面と該頂面と交差
する側面とを有する少なくとも1つの凸部を形成する工
程(b)と、上記工程(b)の後に、上記第1の半導体
層の上にエピタキシャル成長により第2の半導体層を形
成する工程(c)と、上記結晶成長用基板を除去する工
程(d)とを含んでいる。
【0043】この方法により、本発明の半導体装置の製
造に適した半導体基板の提供を図ることができる。
【0044】上記工程(b)の後に、上記第1の半導体
層の凸部の頂面の上に、上記工程(c)のマスクとなる
頂面エピタキシャルマスクを形成する工程をさらに含む
ことができる。
【0045】上記結晶成長用基板が、基板とその上に形
成されたAlを含む下地半導体層とからなる場合には、
上記工程(b)では、上記下地半導体層が露出するまで
上記第1の半導体層のエッチングを行ない、頂面エピタ
キシャルマスクを、上記工程(c)の前に上記下地半導
体層の露出している表面部を酸化させることにより形成
することができる。
【0046】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)図1(a)〜
(f)は、本発明の第1の実施形態における半導体装置
の製造工程を示す断面図である。図2は、本発明の第1
の実施形態における半導体装置の断面図である。
【0047】まず、図1(a)に示す工程で、主面が
(0001)面であるn型のGaN基板(n型GaN
(0001)基板)からなる基板1を準備する。このと
き、一般に、基板1の内部には多数の筋状の格子欠陥D
が存在する。次に、基板1の上に、第1のマスク層とし
て、厚さ0.1μmのSiO2 膜2xを形成する。この
第1のマスク層に用いる材料は、後にエピタキシャルマ
スクとして機能するので、その上に半導体層が成長する
ことがなく、第1のマスク層をパターニングして開口部
を形成した後に、基板1のうち第1のマスク層の開口部
に露出している部分のみに半導体層が選択的に成長する
ものであればよい。具体的に、第1のマスク層の材料と
しては、本実施形態におけるSiO2 の他に、タングス
テン等の金属の酸化物、Si34 等の窒化物、又は金
属を用いることができる。
【0048】そして、第1のマスク層として、SiO2
膜2xの上に、シリコン窒化膜からなるエッチングマス
ク用膜を形成した後、エッチングマスク用膜をパターニ
ングして、SiO2 膜2xを覆う多数の線状部分からな
るストライプ状のエッチングマスク3を形成する。エッ
チングマスク3のストライプパターンを構成する各線状
部分の周期は10μmであり、各線状部分同士の間隔,
つまり各線状部分同士の間に存在する開口部の幅は2μ
mである。このストライプパターンの線状部分の幅およ
び各線状部分同士の間隔は、それぞれ1〜10μmであ
ることが好ましい。また、この線状部分の長さ方向は、
基板1を構成するGaN結晶の< 1 1 -20 >方向(A軸
方向)にほぼ平行な方向である。
【0049】そして、図1(b)に示す工程で、エッチ
ングマスク3を用いてSiO2 膜2xをパターニングし
て、エッチングマスク3の下方に頂面エピタキシャルマ
スク2を形成する。
【0050】次に、図1(c)に示す工程で、エッチン
グにより、基板1のうち頂面エピタキシャルマスク2及
びエッチングマスク3の開口部に露出している領域を掘
り下げる。その結果、基板1の途中に底面を有する凹部
1aが形成され、各凹部1a同士の間に凸部1bが残さ
れる。凹部1aと凸部1bとの境界部となる側面は、G
aN結晶が有する結晶面によるエッチング異方性によっ
て頂面と交差する面(例えばR面( 1 -1 0 2 )など)
となる。両者間の段差,つまり凹部1aの深さ(凸部1
bの高さ)は、約2μmである。ここでは、基板1の主
面(凹部の底面)に垂直な線と側面に垂直な線とのなす
角(側面と主面とのなす角でもある)の大きさを、以
下、側面の傾き角という。
【0051】ここで、基板1をエッチングする方法とし
ては、H3 PO4 ,HCl等の酸や、KOH,NaOH
等のアルカリを用いたウェットエッチングがある。ま
た、BCl3 等のガスを用いたドライエッチングを行な
ってもよい。
【0052】次に、図1(d)に示す工程で、エッチン
グマスク3を除去した後に、頂面エピタキシャルマスク
2を残した状態で、有機気相金属エピタキシャル成長法
(以下、MOVPE法という)を用い、凹部1aの底面
と側面との上に、GaN結晶ををエピタキシャル成長さ
せる。その際、in-situ ドープにより、n型不純物(例
えばSi)をGaN結晶内に導入することにより、n型
GaN層11を形成する。
【0053】−エピタキシャル成長に伴う格子欠陥の伝
播過程−ここで、このエピタキシャル成長の際、基板1
内の格子欠陥Dであって凹部1aの底面及び側面に露出
しているものは、n型GaN層11のエピタキシャル成
長につれてn型GaN層11の内部に伝播する。そし
て、n型GaN層11内において、凹部1aの側面(凸
部1bの側面)及び凹部1aの底面から伝播した格子欠
陥Dは、n型GaN層11が堆積するにつれて、n型G
aN層11内の凹部1aの中央部に位置する狭い領域に
集結する。その理由は、以下の通りである。凹部1aの
側面からエピタキシャル成長するGaN結晶の成長方向
が側面に対してほぼ垂直な方向になるために、凹部1a
の側面からエピタキシャル成長するGaN結晶の成長方
向が中央側に傾いた方向になる。このため、基板1内の
筋状の格子欠陥Dのうち凹部1aの側面からn型GaN
層11内に伝播する(入り込む)ものは、凸部1bの側
面にほぼ垂直な方向に延びる。一方、基板1内の筋状の
格子欠陥Dのうち凹部1aの底面からn型GaN層11
内に伝播するものは、凹部1aの中央付近に向かってほ
ぼ垂直方向に延びるので、凹部1aの底面から延びる格
子欠陥Dと凹部1aの両側の側面から延びる格子欠陥D
とがn型GaN層11内における凹部1aの中央部に集
結することになる。
【0054】なお、基板1の主面が(0001)面であ
る場合、凹部1aの底面上では最稠密面である(000
1)面からのエピタキシャル成長速度が遅いので、特
に、格子欠陥Dがn型GaN層11における凹部1aの
中央付近に速やかに集結することになる。
【0055】一方、頂面エピタキシャルマスク2からは
GaN結晶が成長しないが、凸部1bの側面から側面に
ほぼ垂直な方向に成長したGaN結晶がさらに側方に延
びることによって、頂面エピタキシャルマスク2の表面
に沿ってGaN結晶が堆積されていく。このとき、エピ
タキシャル成長の前に、凸部1bの側面に露出している
格子欠陥Dがあったとしても、この格子欠陥Dはn型G
aN層11内を凸部1bの側面に垂直な方向に伝播する
ので、n型GaN層11のうち,凸部1bの側面から側
面にほぼ垂直な方向に成長したGaN結晶がさらに側方
に延びることによって堆積された部分には、基板1内の
格子欠陥Dが伝播することはほとんどないと考えられ
る。
【0056】n型GaN層11のエピタキシャル成長が
さらに進むと、図1(e)に示すように、n型GaN層
11における凹部1aの中央付近に集結した多くの格子
欠陥Dが合体して、最終的に1つの筋にまとまる。ま
た、頂面エピタキシャルマスク2の側面を覆うGaN結
晶が、さらに頂面エピタキシャルマスク2の上面をも覆
うように、横方向に延びる。このとき、上述のように、
n型GaN層11のうち,凸部1bの側面から側面にほ
ぼ垂直な方向に成長したGaN結晶がさらに側方に延び
ることによって堆積された部分には、基板1内の格子欠
陥Dが伝播することはほとんどないと考えられる。
【0057】n型GaN層11のエピタキシャル成長が
さらに進むと、図1(f)に示すように、n型GaN層
11が基板1の凹部1aと凸部1bの上の全面を覆い、
かつ、n型GaN層11の上面がほぼ平坦になる。この
とき、n型GaN層11の上部(特に表面部)において
は、凹部1aの中央部の上方に位置する領域にのみ基板
1から伝播した格子欠陥Dが存在し、その他の領域には
基板1から伝播した格子欠陥Dはほぼ存在しない。つま
り、n型GaN層11には、基板1の凹部1aの中央部
の上方に位置する欠陥領域Raと、その他の格子欠陥の
少ない領域すなわち低欠陥領域Rbとが存在している。
【0058】なお、図1(a)〜(f)は、半導体装置
の1つの断面における構造を示しているので、図1
(f)に示す工程における構造を上方からみた場合(平
面図)には、欠陥領域Raが基板1の凹部1aの中央部
付近(言い換えると、頂面エピタキシャルマスク2同士
の間のほぼ中間位置)に沿って存在することになる。
【0059】−半導体レーザ素子の構造− 次に、図2に示すように、MOVPE法(エピタキシャ
ル成長法)を利用して、n型GaN層11の上に、厚さ
1μmのn型AlGaNクラッド層12(AlとGaの
混晶比は10:90)と、厚さ0.3μmのn型GaN
光ガイド層13と、InGaN多重量子井戸活性層14
と、厚さ0.05μmのp型GaN光ガイド層15と、
厚さ0.05μmの第1のp型AlGaNクラッド層1
6とを順次形成する。ここで、InGaN多重量子井戸
活性層14は、厚さ3nmのInGaN障壁層(図示せ
ず。InとGaの混晶比は3:97)と厚さ6nmのI
nGaN井戸層(図示せず。InとGaの混晶比は1
5:85)とにより構成されている。
【0060】次に、第1のp型AlGaNクラッド層1
6上に、幅2μmの開口17aを有する厚さ0.5μm
の電流狭窄層17を形成する。そして、nGaN多重量
子井戸活性層14のうち電流狭窄層17の開口17aの
下方に位置する領域が、半導体レーザ素子の能動領域1
4aとなる。このとき、電流狭窄層17の開口17a
が、下地の第1のp型AlGaNクラッド層16におけ
る低欠陥領域Rb上に位置するように、電流狭窄層17
を形成する。これにより、半導体レーザ素子の能動領域
14a内における格子欠陥Dの数を低減することがで
き、能動領域14aのレーザ発振機能の劣化を抑制し
て、半導体レーザ素子の信頼性の向上を図ることができ
る。
【0061】ここで、本実施形態においては、電流狭窄
層17の材料として、第1のp型AlGaNクラッド層
16とは逆の導電型であるn型のAlGaNを用いてい
る。ただし、電流狭窄層17の材料として、AlGaN
以外の窒化物半導体,例えばGaN等を用いてもよく、
AlN,SiO2 等の絶縁体を用いることもできる。窒
化物半導体を用いる場合は、電流狭窄層17の導電型
は、第1のp型AlGaNクラッド層16とは逆の導電
型あるいは高抵抗型であればよい。
【0062】そして、電流狭窄層17上に、厚さ1μm
の第2のp型AlGaNクラッド層18(AlとGaの
混晶比は10:90)、厚さ0.1μmのp型GaNコ
ンタクト層19を順次形成する。さらに、基板1にはn
側電極20を、p型GaNコンタクト層19にはp側電
極21をそれぞれ取り付ける。
【0063】この構造において、n側電極20とp側電
極21との間に電圧を印加することにより、InGaN
多重量子井戸活性層14内の能動領域14aが発光す
る。
【0064】このとき、n型AlGaNクラッド層1
2,n型GaN光ガイド層13,InGaN多重量子井
戸活性層14,p型GaN光ガイド層15及びp型Al
GaNクラッド層16,電流狭窄層17,第2のp型A
lGaNクラッド層18及びp型GaNコンタクト層1
9内に、n型GaN層11内の格子欠陥Dが結晶のエピ
タキシャル成長と共に伝播していくので、各層のうち基
板1の凹部1aの中央部の上方に位置する領域が格子欠
陥Dのある欠陥領域Raとなり、その他の領域が格子欠
陥の少ない領域すなわち低欠陥領域Rbとなる。
【0065】したがって、本実施形態の半導体装置(半
導体レーザ素子)により、電流狭窄層17の開口17a
が低欠陥領域Rb上に位置しているので、InGaN多
重量子井戸活性層14のうち開口17aの下方に位置し
ている能動領域14aにおける格子欠陥Dの密度を減少
させることができる。そのため、半導体レーザ素子の寿
命と信頼性との向上を図ることができる。
【0066】次に、本実施形態における半導体装置およ
び従来の半導体装置に対して行なったライフテストの結
果を説明する。このライフテストは、温度100℃で多
数の半導体レーザ素子が発振するレーザ光の出力を一定
にさせるものである。従来の半導体レーザ素子において
は、ライフテスト開始後1000時間で約半数が動作不
能となった。残り半数の半導体レーザ素子においても動
作電流が平均で50%増加する等、レーザ発振機能の著
しい劣化が見られた。一方、本実施形態における半導体
レーザにおいては、ライフテスト開始1000時間後で
も全数が動作し、動作電流の上昇は平均で2%であっ
た。このように、本実施形態の半導体装置においては、
信頼性が向上した。
【0067】(第2の実施形態)図3(a)〜(c)
は、本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造
工程を示す断面図である。図3(a),(b),(c)
は、それぞれ図1(c)及び(f)に示す工程に相当す
る工程のみを表しており、図1(a),(b),
(d),(e)に示す工程に相当する工程については、
第1の実施形態と基本的に同じであるので図示を省略し
ている。
【0068】本実施形態においては、図3(a)に示す
工程で、基板1の表面に凹部1aと凸部1bを形成す
る。このときに行なう処理は、第1の実施形態における
図1(a)〜(c)の工程における処理と同じである。
ただし、図3(a)においては、図1(c)に示すエッ
チングマスク3が除去された状態が示されている。
【0069】次に、図3(b)に示す工程で、各凹部1
aの底面の表面上に、SiO2 からなる厚さ0.1μm
の底面エピタキシャルマスク4を形成する。底面エピタ
キシャルマスク4に用いる材料は、その上に半導体層が
成長することがなく、基板1のうち底面エピタキシャル
マスク4によって覆われていない部分(具体的には凹部
1aの側面)の上のみに半導体が選択的に成長するもの
であればよい。具体的に、底面エピタキシャルマスク4
の材料としては、本実施形態におけるSiO2の他に、
タングステン等の金属の酸化物、Si34 等の窒化
物、又は金属を用いることができる。
【0070】次に、図3(c)に示す工程で、MOVP
E法を用い、凹部1aと凸部1bの上にn型GaN層1
1をエピタキシャル成長させる。n型GaN層11がエ
ピタキシャル成長を開始した直後には、頂面エピタキシ
ャルマスク3及び底面エピタキシャルマスク4の上にG
aN結晶は成長しない。そして、凸部1bの側面(凹部
1aの側面)からのみGaN結晶が成長する。その際、
頂面エピタキシャルマスク3の表面が凸部1bの側面か
ら成長したGaN結晶によって覆われる経過は、第1の
実施形態において説明したとおりである(図1(d)及
び(e)参照)。
【0071】一方、第1の実施形態とは異なり、本実施
形態においては、凸部1bの側面から成長したGaN結
晶が底面エピタキシャルマスク4の上面に沿ってGaN
結晶がエピタキシャル成長する。そのために、凹部1a
の底面において露出していた格子欠陥Dはn型GaN層
11内に伝播することなく、凹部1aの側面に露出して
いた格子欠陥Dのみがn型GaN層11内に伝播する。
そして、第1の実施形態において説明したように、凸部
1bの側面から成長したGaN結晶に取り込まれた格子
欠陥Dは、側面にほぼ垂直な方向に延びてn型GaN層
11のうち凹部1aの中央部に位置する部分に集結し、
1つの筋にまとまる。
【0072】したがって、第1の実施形態と同様に、n
型GaN層11のうち凹部1aの中央部付近の領域にの
み基板1から伝播した格子欠陥Dが存在し、その他の領
域には基板1から伝播した格子欠陥Dはほぼ存在しな
い。つまり、n型GaN層11には、基板1の凹部1a
の中央部の上方に位置する欠陥領域Raと、その他の格
子欠陥の少ない領域すなわち低欠陥領域Rbとが存在し
ている。
【0073】そして、最終的には、n型GaN層11が
凹部1aと凸部1bの上の全面を覆い、n型GaN層1
1の上面は平坦になる。このとき、n型GaN層11の
表面に存在する格子欠陥Dは、凹部1aの中央部の上方
に位置する欠陥領域Rbのみに存在し、その他の領域で
ある低欠陥領域Rbにはほとんど格子欠陥Dが存在しな
い。
【0074】その後、第1の実施形態と同様に、n型G
aN層11の上に、図2に示すn型AlGaNクラッド
層12,n型GaN光ガイド層13,InGaN多重量
子井戸活性層14,p型GaN光ガイド層15,p型A
lGaNクラッド層16,電流狭窄層17,第2のp型
AlGaNクラッド層18及びp型GaNコンタクト層
19を順次形成した後、基板1にはn側電極20を、p
型GaNコンタクト層19にはp側電極21をそれぞれ
取り付ける。このとき、n型GaN層11における欠陥
領域Ra及び低欠陥領域Rbは上方に延びて、そのまま
各層に伝播する。これにより、半導体レーザ素子を作製
する。そして、図2に示すn型GaN層11を本実施形
態におけるn型GaN層の構造で置き換えたときに、電
流狭窄層17の開口17aが、下地の第1のp型AlG
aNクラッド層16における低欠陥領域Rb上に位置す
るように、電流狭窄層17を形成することにより、半導
体レーザ素子の能動領域14a内における格子欠陥Dの
数を低減することができ、能動領域14aのレーザ発振
機能の劣化を抑制して、半導体レーザ素子の信頼性の向
上を図ることができる。
【0075】なお、本実施形態の半導体装置において
は、n型GaN層11のうち凹部1aの中央部付近にお
ける格子欠陥Dの密度が、エピタキシャル成長の開始後
速やかに小さくなるので、nGaN層11の厚みを第1
の実施形態よりも薄くすることができる。また、本実施
形態では、第2の実施形態よりも低欠陥領域Rbの範囲
を狭くすることができるという効果も期待することがで
きる。
【0076】次に、第2の実施形態における半導体装置
に対しても、第1の実施形態と同様のライフテストを行
なった。その結果、本実施形態における半導体レーザに
おいては、ライフテスト開始1000時間後でも全数が
動作し、動作電流の上昇は平均で2%であった。このよ
うに、本実施形態においても、第1の実施形態と同様
に、半導体装置の信頼性が向上した。
【0077】(第3の実施形態)図4(a)〜(c)
は、本発明の第3の実施形態における半導体装置の製造
工程を示す断面図である。
【0078】まず、図4(a)に示す工程で、主面が
(0001)面であるn型のGaN基板(n型GaN
(0001)基板)からなる基板1を準備する。このと
き、一般に、基板1の内部には多数の筋状の格子欠陥D
が存在する。次に、基板1の上に、エッチングマスク用
膜を形成した後、エッチングマスク用膜をパターニング
して、基板1を覆う多数の線状部分からなるストライプ
状のエッチングマスク3を形成する。このエッチングマ
スクに用いる材料は、基板1のエッチング時に、エッチ
ングマスク自体もある程度エッチングされる材料であれ
ばよい。具体的に、エッチングマスクの材料としては、
レジストを用いることができる。また、エッチングマス
ク3の線状部分の長さ方向は、基板1を構成するGaN
結晶の< 1 1-2 0 >方向(A軸方向)にほぼ平行な方向
である。
【0079】次に、図4(b-1)に示す工程で、エッチ
ングにより、基板1のうちエッチングマスク3の開口部
に露出している領域を掘り下げる。その結果、基板1の
主面に線状に延びる凹部1aが形成され、各凹部1a同
士の間に凸部1bが残される。凹部1aと凸部1bとの
境界部となる側面は斜面であり、両者間の段差,つまり
凹部1aの深さ(凸部1bの高さ)は、約2μmであ
る。
【0080】基板1をエッチングする方法としては、H
3 PO4 ,HCl等の酸や、KOH,NaOH等のアル
カリを用いたウェットエッチングがある。また、BCl
3 等のガスを用いたドライエッチングを行なってもよ
い。
【0081】ここで、基板1の主面(凹部の底面)に垂
直な線と側面に垂直な線とのなす角(側面と主面とのな
す角でもある)の大きさを、側面の傾き角αとすると、
エッチングマスク3の材料や、エッチング剤やエッチン
グ温度等のエッチング条件を選択することで、図4(b
-1)に示すように凹部1aの側面の傾き角αを90°未
満にすることができる。つまり、エッチングマスク2が
基板1の主面に平行な方向にエッチングされる速度と、
基板1が基板1の主面に垂直な方向にエッチングされる
速度との比により、側面の傾き角αが定まる。そして、
図4(a)に示す状態で、当初パターニングされたとき
のエッチングマスク3の幅をW1とすると、図2(b-
1)に示す状態でのエッチングマスク3の幅W2は、当
初の幅W1よりも小さくなっている。
【0082】ただし、エッチングマスク3を構成する材
料の選択、もしくはエッチング条件の選択により、基板
1のエッチング時にエッチングマスクがエッチングされ
ないように処理することもできる。その場合、図4(b
-2)に示すように、エッチング終了後におけるエッチン
グマスク3の幅W2は当初の幅W1と同じであり、凹部
1aの側面の傾き角αは90°である。
【0083】次に、図4(c)に示す工程で、エッチン
グマスク3を除去した後、MOVPE法を用いて、基板
1の上にn型GaN層11をエピタキシャル成長させ
る。このとき、基板1の凹部1aの底面及び側面に露出
していた格子欠陥は、第1の実施形態と同様の作用によ
り、n型GaN層11のエピタキシャル成長につれて、
凹部1aの中央部に集結し、ほぼ1つの筋状の格子欠陥
Dにまとまる。一方、基板1の凸部1bの頂面に露出し
ていた格子欠陥Dは、nGaN層11内をそのまま上方
に伝播する。
【0084】そして、最終的には、n型GaN層11が
基板1の凹部1aと凸部1bとを覆い、かつ、n型Ga
N層11の上面がほぼ平坦になる。このとき、n型Ga
N層11の上部には、凹部1aの中央部の上方に位置す
る第1の欠陥領域Ra1と、凸部1bの頂面の上方に位
置する第2の欠陥領域Ra2とに、基板1から伝播した
格子欠陥Dが存在する。その他の領域,特に、凸部1b
の側面と凹部1aの底面の一部とに跨る領域は、基板1
から伝播した格子欠陥Dがほぼ存在しない低欠陥領域R
bとなっている。
【0085】その後、第1の実施形態と同様に、n型G
aN層11の上に、図2に示すn型AlGaNクラッド
層12,n型GaN光ガイド層13,InGaN多重量
子井戸活性層14,p型GaN光ガイド層15,p型A
lGaNクラッド層16,第2のp型AlGaNクラッ
ド層18及びp型GaNコンタクト層19を順次形成し
た後、基板1にはn側電極20を、p型GaNコンタク
ト層19にはp側電極21をそれぞれ取り付ける。この
とき、n型GaN層11における欠陥領域Ra及び低欠
陥領域Rbは上方に延びて、そのまま各層に伝播する。
これにより、半導体レーザ素子を作製する。そして、図
2に示すn型GaN層11を本実施形態におけるn型G
aN層の構造で置き換えたときに、電流狭窄層17の開
口が、下地の第1のp型AlGaNクラッド層16にお
ける低欠陥領域Rb上に位置するように、電流狭窄層1
7を形成することにより、半導体レーザ素子の能動領域
14a内における格子欠陥Dの数を低減することがで
き、能動領域14aのレーザ発振機能の劣化を抑制し
て、半導体レーザ素子の信頼性の向上を図ることができ
る。
【0086】本実施形態では、図4(b-1)又は(b-
2)に示す工程で、エッチングマスクの材料,エッチン
グ剤,エッチング条件などの選択により、基板1の凹部
1aの側面の傾き角αを任意に制御することができる。
そして、エピタキシャルマスクを用いることなく、エッ
チングの際にエッチングマスクの面積を縮小していくこ
とにより、n型GaN層11に広い低欠陥領域Rbを確
保することができる。例えば図4(b-1)に示すエッチ
ングマスク3の幅W2を極めて小さくすると、図4
(c)に示す第2の欠陥領域Ra2を極めて狭くして、
低欠陥領域Rbを広く確保することができる。
【0087】また、図4(b-2)に示すように、凸部1
bの側面の傾き角αを90°とした場合、あるいは側面
の傾き角αを90°に近い角度にした場合には、凸部1
bの側面に垂直な方向に成長するGaN結晶と、凹部1
aの底面から成長するGaN結晶とがすぐに合体するの
で、格子欠陥Dが速やかに1つの筋にまとまることで、
n型GaN層11の凹部1aの上方に位置する領域にお
ける格子欠陥Dの数をより効果的に低減することができ
る。なお、側面の傾き角αが90°の場合には、凸部1
bの側面に基板1内の格子欠陥Dが露出していることは
ほとんどないと考えられるので、格子欠陥Dの数をより
効果的に低減することができる。その場合、図4(a)
に示す工程におけるエッチングマスク3のパターニング
時の幅W1を小さくしておくことにより、基板1の凸部
1bの上方に位置する領域の格子欠陥Dの数を低減する
ことができる。
【0088】次に、第3の実施形態における半導体装置
に対しても、第1の実施形態と同様のライフテストを行
なった。その結果、本実施形態における半導体レーザに
おいては、ライフテスト開始1000時間後でも全数が
動作し、動作電流の上昇は平均で2%であった。このよ
うに、本実施形態においても、第1の実施形態と同様
に、半導体装置の信頼性が向上した。
【0089】(第4の実施形態)図5(a)〜(c)
は、本発明の第4の実施形態における半導体装置の製造
工程を示す断面図である。
【0090】まず、図5(a)に示す工程で、主面が
(0001)面であるn型のGaN基板(n型GaN
(0001)基板)からなる基板1を準備する。このと
き、一般に、基板1の内部には多数の筋状の格子欠陥D
が存在する。次に、基板1の上に、エッチングマスク用
膜を形成した後、エッチングマスク用膜をパターニング
して、基板1を覆う多数の線状部分からなるストライプ
状のエッチングマスク3を形成する。このエッチングマ
スクに用いる材料は、基板1のエッチング時に、エッチ
ングマスクがエッチングされない材料で、かつ、後述す
る基板1のエッチング工程に用いる光に対して半透明で
あるものであればよい。具体的に、エッチングマスクの
材料としては、SiO2 を用いることができる。また、
エッチングマスク3の線状部分の長さ方向は、基板1を
構成するGaN結晶の< 1 1 -2 0 >方向(A軸方向)に
ほぼ平行な方向である。
【0091】次に、図5(b)の上図に示す工程で、光
を基板1の表面に照射する。光の強度は基板1の表面に
おいて、図5(b)の下図に示すような分布となる。図
5(b)の下図において、横軸は基板1の上面の横方向
位置を表し、縦軸は基板1の上面における光の強度(任
意単位)を表している。このとき、エッチングマスク3
が半透明であるため、エッチングマスク3の開口部だけ
でなくエッチングマスク3で覆われている基板1の部分
にも光が透過する。
【0092】そして、光を基板1の上面に照射しなが
ら、基板1をエッチングする。このエッチングの際、基
板1をエッチングする速度は、照射した光の強度に比例
する。一方、基板1のうちエッチングマスク3の開口部
に位置する部分だけでなく、エッチングマスク3で覆わ
れている部分にも光が透過している。つまり、基板1の
うちエッチングマスク3の開口部に位置する部分だけで
なく、エッチングマスク3で覆われている部分において
も、エッチングが可能な状態に変化している。
【0093】なお、このような光照射を利用したエッチ
ング方法として、例えば、KOH溶液等を電解液に用い
た電気化学的エッチング等が考えられる。
【0094】その結果、図5(c)に示すように、エッ
チングを行なうと、基板1の表面に凹部1aと凸部1b
とが形成されるが、凹部1aがエッチングマスク3の下
方にまで食い込んだ状態となる。このとき、基板1にお
けるエッチングマスク3の開口部に位置する部分とエッ
チングマスク3で覆われている部分とに照射される光の
強度比により、各部分におけるエッチング速度比が定ま
る。従って、エッチングマスク3の透過率やエッチング
剤やエッチング温度等のエッチング条件等を調整するこ
とにより、凹部1aと凸部1bとの境界にある側面の傾
き角α,つまり凹部1aのエッチングマスク3下方への
食い込み幅を制御することができる。
【0095】その後、第3の実施形態と同様に、エッチ
ングマスク3を除去した後、MOVPE法を用いて、基
板1の上にn型GaN層11をエピタキシャル成長させ
る。このとき、基板1の凹部1aの底面及び側面に露出
していた格子欠陥は、第1の実施形態と同様の作用によ
り、n型GaN層11のエピタキシャル成長につれて、
凹部1aの中央部に集結し、ほぼ1つの筋状の格子欠陥
Dにまとまる。一方、基板1の凸部1bの頂面に露出し
ていた格子欠陥Dは、nGaN層11内をそのまま上方
に伝播する。
【0096】そして、最終的には、n型GaN層11が
基板1の凹部1aと凸部1bとを覆い、かつ、n型Ga
N層11の上面がほぼ平坦になる。このとき、第3の実
施形態における図4(c)に示すと同様に、n型GaN
層11の上部には、凹部1aの中央部の上方に位置する
第1の欠陥領域Ra1と、凸部1bの頂面の上方に位置
する第2の欠陥領域Ra2とに、基板1から伝播した格
子欠陥Dが存在する。その他の領域は、基板1から伝播
した格子欠陥Dがほぼ存在しない低欠陥領域Rbとなっ
ている。
【0097】その後、第1の実施形態と同様に、n型G
aN層11の上に、図2に示すn型AlGaNクラッド
層12,n型GaN光ガイド層13,InGaN多重量
子井戸活性層14,p型GaN光ガイド層15,p型A
lGaNクラッド層16,第2のp型AlGaNクラッ
ド層18及びp型GaNコンタクト層19を順次形成し
た後、基板1にはn側電極20を、p型GaNコンタク
ト層19にはp側電極21をそれぞれ取り付ける。この
とき、n型GaN層11における欠陥領域Ra及び低欠
陥領域Rbは上方に延びて、そのまま各層に伝播する。
これにより、半導体レーザ素子を作製する。そして、図
2に示すn型GaN層11を本実施形態におけるn型G
aN層の構造で置き換えたときに、電流狭窄層17の開
口が、下地の第1のp型AlGaNクラッド層16にお
ける低欠陥領域Rb上に位置するように、電流狭窄層1
7を形成することにより、半導体レーザ素子の能動領域
14a内における格子欠陥Dの数を低減することがで
き、能動領域14aのレーザ発振機能の劣化を抑制し
て、半導体レーザ素子の信頼性の向上を図ることができ
る。
【0098】本実施形態では、図5(c)に示す工程
で、エッチングマスクの材料,エッチング剤,エッチン
グ条件などの選択により、基板1の凸部1bの側面の傾
き角αを任意に制御することができる。したがって、第
3の実施形態と同様に、格子欠陥Dがより集約するよう
に、凹部1aと凸部1bの側面の傾き角を適宜制御でき
る。そのため、欠陥をさらに減少させることができる。
【0099】次に、第4の実施形態における半導体装置
に対しても、第1の実施形態と同様のライフテストを行
なった。その結果、本実施形態における半導体レーザに
おいては、ライフテスト開始1000時間後でも全数が
動作し、動作電流の上昇は平均で2%であった。このよ
うに、本実施形態においても、第1の実施形態と同様
に、半導体装置の信頼性が向上した。
【0100】(第5の実施形態)図6(a)〜(d)
は、本発明の第5の実施形態における半導体装置の製造
工程を示す断面図である。
【0101】図6(a)に示す工程で、(111)面を
主面とする厚さ300μmのSi基板51を準備する。
まず、Si基板51を有機溶剤により洗浄した後、MO
VPECVD装置(図示せず)の反応炉内にあるサセプ
タ上に設置する。反応炉内に水素ガスを流しながら、S
i基板51を1000℃,30分間加熱することによ
り、Si基板51上の酸化物を除去する。
【0102】次に、反応炉内で、Si基板51の温度を
1000℃に保ち、トリメチルアルミニウム(Al(C
33 、以下TMAと記す)、アンモニア(NH3
を供給することにより、厚さ50nmAlNバッファ層
52をエピタキシャル成長させる。
【0103】その後、トリメチルガリウム(Ga(CH
33 、以下TMGと記す)、NH 3 を供給し、AlN
バッファ層52の上に、厚さ3μmの第1のGaN層5
3をエピタキシャル成長させる。第1のGaN層53の
厚さは、第1のGaN層53に凹凸の段差を形成できる
程度の厚さであればよい。具体的に、第1のGaN層5
3の厚さは、好ましくは100nm以上、さらに好まし
くは1〜5μmとする。なお、以下、Si基板51上に
何らかの層が形成されたものを単に「基板」という。
【0104】基板の温度を500℃まで下げ、アルシン
(AsH3 ),TMAを供給し、第1のGaN層53上
に、厚さ100nmの第1のAlAs層54を成長す
る。第1のAlAs層54の厚さは、酸化膜を形成する
のに差し支えのない程度の厚さであればよい。具体的
に、第1のAlAs層54の厚さは、好ましくは5〜5
00nm、さらに好ましくは50〜200nmとする。
【0105】次に、基板をMOVPE反応炉内から取り
出し、スパッタ法を用いて、第1のAlAs層54上に
厚さ100nmのSiO2 膜を形成する。SiO2 膜の
形成法は特に限定するものではなく、真空蒸着法,化学
的気相成長(以下CVDという)法などを用いてもよ
い。次いで、フォトリソグラフィー及びドライエッチン
グにより、SiO2 膜をパターニングして、エッチング
マスク55を形成する。このエッチングマスク55は、
ストライプ幅5μm,ストライプ間隔5μmの周期的ス
トライプパターンを有している。エッチングマスク55
のストライプパターンを構成する各線状部分の幅は5μ
mであり、各線状部分同士の間隔,つまり各線状部分同
士の間に存在する開口部の幅は5μmである。この線状
部分の長さ方向は、基板1を構成するGaN結晶の< 1
1 -2 0 >方向(A軸方向)にほぼ平行な方向である。
【0106】次に、図6(b)に示す工程で、基板をエ
ッチング装置内に投入し、反応性イオンエッチングによ
り、第1のAlAs層54及び第1のGaN層53のう
ちエッチングマスク55の開口部に露出している領域を
掘り下げる。その結果、第1のAlAs層54を貫通し
て第1のGaN層53の途中に底面を有する凹部53a
が形成され、各凹部53a同士の間に凸部53bが残さ
れる。凹部53aと凸部53bとの境界部となる側面は
斜面であり、両者間の段差,つまり凹部53aの深さ
(凸部53bの高さ)は、約2μmである。第1のGa
N層53上に凹部53aと凸部53bとからなる段差が
形成される。このときの段差の深さは2μmである。こ
こで、反応性イオンエッチングにおけるエッチングガス
としては、例えばBCl3 やCCl4 等の塩素を含むガ
スを用いるのがよい。本実施形態においては、BCl3
とN2 との混合ガス(混合比BCl3 :N2 =2:1)
を流量約0.010(l/m)で流し、エッチング装置
内のガス圧力を67Paとしている。その後、選択的エ
ッチングにより、エッチングマスク55を除去する。
【0107】なお、エッチングにより凹部53aと凸部
53bとの段差を形成する場合、第3の実施形態におい
て説明したように、側面の傾き角が90°となる形状で
も、傾き角が90°未満の順メサ型の断面形状でも、傾
き角が90°を越える逆メサ型の断面形状であってもよ
い。つまり、凹部53aの断面形状は、第1のGaN層
53上に半導体層が形成できる形状であればよく、図6
(b)に示す形状には限定されない。ここでは、基板1
の主面(凹部の底面)に垂直な線と側面に垂直な線との
なす角(側面と主面とのなす角でもある)の大きさを、
以下、側面の傾き角という。第3の実施形態において説
明したように、側面の傾き角は、エッチング液やエッチ
ング温度などのエッチング条件を選択することで、任意
に制御することができる。
【0108】次に、図6(c)に示す工程で、水蒸気下
で400℃,30分間の熱処理を行い、第1のAlAs
層54の表面部を酸化させて、第1のAlAs層54の
上に酸化膜からなる頂面エピタキシャルマスク56を形
成する。このとき、第1のAlAs層54の酸化速度は
極めて速いので、第1のAlAs層54以外の層は酸化
されていないとみなすことができる。
【0109】次に、図6(d)に示す工程で、MOVP
E法を用い、頂面エピタキシャルマスク56を含む第1
のGaN層53の上に第2のGaN層57を形成する。
このとき、Al酸化物である酸化膜からなる頂面エピタ
キシャルマスク56の上にはGaN結晶がエピタキシャ
ル成長することはない。つまり、頂面エピタキシャルマ
スク56は、第2のGaN層57の成長を抑制する成長
抑制層として機能している。
【0110】このとき、第2のGaN層57の上部(特
に表面部)においては、凹部53aの中央部の上方に位
置する領域にのみ第1のGaN層53から伝播した格子
欠陥Dが存在し、その他の領域には第1のGaN層53
から伝播した格子欠陥Dはほぼ存在しない。つまり、第
2のGaN層57には、第1のGaN層53の凹部53
aの中央部の上方に位置する欠陥領域Raと、その他の
格子欠陥の少ない領域すなわち低欠陥領域Rbとが存在
している。
【0111】この方法により、第1のGaN層53の凸
部53bの上に第1のAlAs層54が形成され、頂面
エピタキシャルマスク56は、この第1のAlAs層5
4を酸化することにより形成されているので、下地(第
1のAlAs層54)との密着性もよい。つまり、第1
の実施形態のごとく、GaNからなる基板の上にSiO
2 からなる頂面エピタキシャルマスクを設けた場合に比
べ、下地との密着性の向上を図ることができる。そのた
め、第2のGaN層57を形成する工程において頂面エ
ピタキシャルマスク56が剥がれるのを有効に防止する
ことができ、第2のGaN層57の製造歩留まりの向上
を図ることができる。
【0112】特に、頂面エピタキシャルマスク56の下
地として、第1のGaN層53の上に酸化されやすい第
1のAlAs層54を設けているので、酸化処理の際
に、第1のGaN層53の凹部53aの底面や側面など
の露出している部分を酸化することなく、頂面エピタキ
シャルマスク56を容易に形成することができる。
【0113】その場合、特に、酸素を構成元素として含
むガスである水蒸気を用いて、第1のAlAs層54の
少なくとも表面を酸化しているので、酸化膜からなる頂
面エピタキシャルマスク56を容易に形成することがで
きる。
【0114】また、この方法において、塩素を含む反応
性イオンエッチングにより、第1のGaN層53および
第1のAlAs層54を除去するようにしているので、
第1のGaN層53および第1のAlAs層54を容易
に除去でき、かつ、望ましい形状にすることができる。
【0115】−エピタキシャル成長に伴う格子欠陥の伝
播過程−次に、頂面エピタキシャルマスク56が形成さ
れた後に、MOVPEにより、第2のGaN層57が形
成される過程について説明する。図7(a)〜(c)
は、第2のGaN層57のエピタキシャル成長の初期か
ら最終段階までの過程を示す断面図である。
【0116】図7(a)に示すように、第2のGaN層
57の成長初期段階においては、第1のGaN層53の
内部に存在する格子欠陥Dであって凸部53bの側面
(凹部53aの側面)及び凹部53aの底面に露出して
いるものが、第2のGaN層57の成長につれて第2の
GaN層57の内部にまで伝播する。そして、第2のG
aN層57が堆積するにつれて、凹部53aの底面及び
両側面から伝播した格子欠陥Dは、第2のGaN層57
内の凹部53aの中央部に位置する狭い領域に集結す
る。その理由は、以下の通りである。凹部53aの側面
からエピタキシャル成長するGaN結晶の成長方向が側
面に対してほぼ垂直な方向になるために、凹部53aの
側面からエピタキシャル成長するGaN結晶の成長方向
が中央側に傾いた方向になる。このため、第1のGaN
層53内の格子欠陥Dのうち凹部53aの底面から第2
のGaN層57内に伝播するものは、凹部53aの中央
付近に向かってほぼ垂直に延びる。一方、第1のGaN
層53内の筋状の格子欠陥Dのうち凸部53bの側面か
ら第2のGaN層57内に伝播するものは、側面にほぼ
垂直な方向に延びるので、凹部53aの底面から延びる
格子欠陥Dと両側の各凸部53bの各側面から延びる格
子欠陥Dとが第2のGaN層57内における凹部53a
の中央部に集結することになる。
【0117】なお、第1のGaN層53の主面が(00
01)面である場合、凹部53aの底面上では最稠密面
である(0001)面からのエピタキシャル成長速度が
遅いので、特に、格子欠陥Dが第2のGaN層57内に
おおける凹部53aの中央付近に速やかに集結すること
になる。
【0118】一方、頂面エピタキシャルマスク56から
はGaN結晶が成長しないが、凸部53bの側面から側
面にほぼ垂直な方向に成長したGaN結晶がさらに側方
に延びることによって、頂面エピタキシャルマスク56
の表面に沿ってGaN結晶が堆積されていく。このと
き、エピタキシャル成長の前に、凸部53bの側面に露
出している格子欠陥Dがあったとしても、この格子欠陥
Dは第2のGaN層57内を凸部53bの側面に垂直な
方向に伝播するので、第2のGaN層57のうち,凸部
53bの側面から側面にほぼ垂直な方向に成長したGa
N結晶がさらに側方に延びることによって堆積された部
分には、第1のGaN層53内の格子欠陥Dが伝播する
ことはほとんどないと考えられる。
【0119】第2のGaN層57のエピタキシャル成長
がさらに進むと、図7(b)に示すように、第2のGa
N層57における凹部53aの中央付近に集結した多く
の格子欠陥Dが合体して、最終的に1つの筋にまとま
る。また、頂面エピタキシャルマスク56の側面を覆う
GaN結晶が、さらに頂面エピタキシャルマスク56の
上面をも覆うように、横方向に延びる。このとき、上述
のように、第2のGaN層57のうち,凸部53bの側
面から側面にほぼ垂直な方向に成長したGaN結晶がさ
らに側方に延びることによって堆積された部分には、第
1のGaN層53内の格子欠陥Dが伝播することはほと
んどないと考えられる。
【0120】第2のGaN層57のエピタキシャル成長
がさらに進むと、図7(c)に示すように、第2のGa
N層57が第1のGaN層53の凹部53aと凸部53
bの上の全面を覆い、かつ、第2のGaN層57の上面
がほぼ平坦になる。このとき、第2のGaN層57の上
部(特に表面部)においては、凹部53aの中央部の上
方に位置する領域にのみ第1のGaN層53から伝播し
た格子欠陥Dが存在し、その他の領域には第1のGaN
層53から伝播した格子欠陥Dはほぼ存在しない。つま
り、第2のGaN層57には、第1のGaN層53の凹
部53aの中央部の上方に位置する欠陥領域Raと、そ
の他の格子欠陥の少ない領域すなわち低欠陥領域Rbと
が存在している。
【0121】上記本発明の半導体装置およびその製造方
法に関して検討を行ったところ、以下のことがわかっ
た。
【0122】本実施形態では、頂面エピタキシャルマス
ク56として第1のAlAs層54を酸化してなる酸化
膜を用いている。この本実施形態の頂面エピタキシャル
マスク56の形成方法と、第1の実施形態のごとく基板
1(GaN基板)の凸部の上に堆積されたSiO2 膜を
頂面エピタキシャルマスク3として用いた場合とを比較
すると、本実施形態の頂面エピタキシャルマスク56の
方が下地との密着性がよいことがわかった。これは、S
iO2 膜とGaN基板との密着性よりもAlAs層とG
aN層との密着性の方が強く、かつAlAs層とその表
面部を酸化して形成された酸化膜(頂面エピタキシャル
マスク)との密着性も強いからと考えられる。また、横
方向の成長速度、すなわち、AlAsの表面に沿った方
向における成長速度が速いことがわかった。
【0123】その結果、第1の実施形態のごとく、第1
のGaN層53の上に直接SiO2からなる頂面エピタ
キシャルマスクを用いた場合、半導体装置の製造歩留ま
りが50%以下であったのに対し、本実施形態における
製造歩留まり率は90%以上であったこれは、上述のよ
うな頂面エピタキシャルマスクと下地との密着性の向上
によるものと考えられる。
【0124】また、本実施形態の方法により形成された
第2のGaN層57の表面を透過型電子顕微鏡で観察し
たところ、欠陥密度が1×105 /cm2 と減少してい
た。
【0125】−半導体レーザ素子の構造− 次に、図8に示すように、MOVPE法を用いて、第2
のGaN層57の上に、厚さ1μmのn型AlGaNク
ラッド層63(AlとGaの混晶比は10:90)と、
厚さ0.3μmのn型GaN光ガイド層64と、InG
aN多重量子井戸活性層65と、厚さ0.05μmのp
型GaN光ガイド層66と、厚さ0.05μmの第1の
p型AlGaNクラッド層67とを順次エピタキシャル
成長させる。InGaN多重量子井戸活性層65は、厚
さ3nmのInGaN障壁層(図示せず。InとGaの
混晶比は3:97)とInGaN井戸層(図示せず。I
nとGaの混晶比は15:85)とを積層して構成され
ている。
【0126】このとき、n型AlGaNクラッド層6
3,n型GaN光ガイド層64,InGaN多重量子井
戸活性層65,p型GaN光ガイド層66及びp型Al
GaNクラッド層67内に、第2のGaN層57内の格
子欠陥Dが結晶のエピタキシャル成長と共に伝播してい
くので、各層のうち凹部53aの中央部の上方に位置す
る領域が格子欠陥Dのある欠陥領域Raとなり、その他
の領域が格子欠陥の少ない領域すなわち低欠陥領域Rb
となる。
【0127】さらに、MOVPE法によるエピタキシャ
ル成長とエッチングにより、第1のp型AlGaNクラ
ッド層67の上に、幅2μmの開口68aを有する厚さ
0.5μmの電流狭窄層68を形成する。そして、nG
aN多重量子井戸活性層65のうち電流狭窄層68の開
口の下方に位置する領域が、半導体レーザ素子の能動領
域65aとなる。このとき、電流狭窄層68の開口が、
下地の第1のp型AlGaNクラッド層67における低
欠陥領域Rb上に位置するように、電流狭窄層68を形
成する。これにより、半導体レーザ素子の能動領域65
a内における格子欠陥Dの数を低減することができ、能
動領域65aのレーザ発振機能の劣化を抑制して、半導
体レーザ素子の信頼性の向上を図ることができる。
【0128】ここで、本実施形態においては、電流狭窄
層68の材料として、第1のp型AlGaNクラッド層
67とは逆の導電型であるn型のAlGaNを用いてい
る。ただし、電流狭窄層68の材料として、AlGaN
以外の窒化物半導体,例えばGaN等を用いてもよく、
AlN,SiO2 等の絶縁体を用いることもできる。窒
化物半導体を用いる場合は、電流狭窄層17の導電型
は、第1のp型AlGaNクラッド層67とは逆の導電
型あるいは高抵抗型であればよい。
【0129】そして、MOVPE法により、電流狭窄層
68の上に、厚さ1μmの第2のp型AlGaNクラッ
ド層69(AlとGaの混晶比は10:90)と、厚さ
0.1μmのp型GaNコンタクト層70とを順次エピ
タキシャル成長させる。さらに、Si基板51にはn型
電極71、p型GaNコンタクト層70にはp型電極7
2をそれぞれ取り付ける。
【0130】この構造において、n型電極71とp型電
極72との間に電圧を印加することにより、InGaN
多重量子井戸活性層65内の能動領域65aが発光す
る。
【0131】このとき、n型AlGaNクラッド層6
3,n型GaN光ガイド層64,InGaN多重量子井
戸活性層65,p型GaN光ガイド層66及びp型Al
GaNクラッド層67,電流狭窄層68,第2のp型A
lGaNクラッド層69及びp型GaNコンタクト層7
0内に、第2のGaN層57内の格子欠陥Dが結晶のエ
ピタキシャル成長と共に伝播していくので、各層のうち
第1のGaN層53の凹部53aの中央部の上方に位置
する領域が格子欠陥Dのある欠陥領域Raとなり、その
他の領域が格子欠陥の少ない領域すなわち低欠陥領域R
bとなる。
【0132】したがって、本実施形態の半導体装置(半
導体レーザ素子)により、電流狭窄層68の開口68a
が低欠陥領域Rb上に位置しているので、InGaN多
重量子井戸活性層65のうち開口68aの下方に位置し
ている能動領域65aにおける格子欠陥Dの密度を減少
させることができる。そのため、半導体レーザ素子の寿
命と信頼性との向上を図ることができる。
【0133】次に、本実施形態における半導体装置およ
び従来の半導体装置に対して行なったライフテストの結
果を説明する。このライフテストは、温度100℃で多
数の半導体レーザ素子が発振するレーザ光の波長を一定
にするように動作させるものである。従来の半導体レー
ザ素子においては、ライフテスト開始後1000時間で
約半数が動作不能となった。残り半数の半導体レーザ素
子においても動作電流が平均で50%増加する等、レー
ザ発振機能の著しい劣化が見られた。一方、本実施形態
における半導体レーザにおいては、ライフテスト開始1
000時間後でも全数が動作し、動作電流の上昇は平均
で2%であった。このように、本実施形態の半導体装置
においては、信頼性が向上した。
【0134】(第6の実施形態)図9(a)〜(d)
は、本発明の第6の実施形態における半導体装置の製造
工程を示す断面図である。本実施形態において、用いる
Si基板51およびMOVPE装置ならびにSi基板5
1の上に結晶成長する際に行う前処理については第5の
実施形態と同様である。
【0135】図9(a)に示す工程で、反応炉内で、S
i基板51の温度を500℃として、Si基板51上に
厚さ200nmのGaAs層58をエピタキシャル成長
させてから、さらにその上に厚さ100nmの第1のA
lAs層59(下地半導体層)をエピタキシャル成長さ
せる。第1のAlAs層59の厚さは特に限定するもの
ではないが、好ましくは5〜500nm、さらに好まし
くは50〜200nmとするのがよい。
【0136】次に、Si基板51の温度を1000℃ま
で上げ、TMG(Ga(CH33)、NH3 を供給
し、第1のAlAs層59の上に、厚さ3μmの第1の
GaN層53をエピタキシャル成長させる。第1のGa
N層53の厚さは、第1のGaN層53に凹凸の段差を
形成できる程度の厚さであればよい。具体的に、第1の
GaN層53の厚さは、好ましくは100nm以上、さ
らに好ましくは1〜5μmとする。
【0137】次に、Si基板1の温度を500℃まで下
げ、 基板の温度を500℃まで下げ、アルシン(As
3 ),TMAを供給し、第1のGaN層53上に、厚
さ100nmの第2のAlAs層60を成長させる。第
2のAlAs層60の厚さは、酸化膜を形成するのに差
し支えのない程度の厚さであればよい。具体的に、第2
のAlAs層60の厚さは、好ましくは5〜500n
m、さらに好ましくは50〜200nmとする。
【0138】次に、基板をMOVPE反応炉内から取り
出し、スパッタ法を用いて、第2のAlAs層60上に
厚さ100nmのSiO2 膜を形成する。次いで、フォ
トリソグラフィー及びドライエッチングにより、SiO
2 膜をパターニングして、エッチングマスク55を形成
する。このエッチングマスク55は、ストライプ幅5μ
m,ストライプ間隔5μmの周期的ストライプパターン
を有している。エッチングマスク55のストライプパタ
ーンを構成する各線状部分の幅は5μmであり、各線状
部分同士の間隔,つまり各線状部分同士の間に存在する
開口部の幅は5μmである。この線状部分の長さ方向
は、基板1を構成するGaN結晶の< 1 1-2 0 >方向
(A軸方向)にほぼ平行な方向である。
【0139】次に、図9(b)に示す工程で、基板をエ
ッチング装置内に投入し、反応性イオンエッチングによ
り、第2のAlAs層60及び第1のGaN層53のう
ちエッチングマスク55の開口部に露出している領域を
除去して、第1のAlAs層59を露出させる。その結
果、第2のAlAs層60及び第1のGaN層53を貫
通して第1のAlAs層59の上面が底面となる凹部5
3aが形成され、各凹部53a同士の間にメサ状の凸部
53bが残される。凹部53aと凸部53bとの境界部
となる側面は斜面である。ここで、反応性イオンエッチ
ングにおけるエッチングガスとしては、例えばBCl3
やCCl4 等の塩素を含むガスを用いるのがよい。本実
施形態においては、BCl3 とN2 との混合ガス(混合
比BCl 3 :N2 =2:1)を流量約0.010(l/
m)で流し、エッチング装置内のガス圧力を67Paと
している。
【0140】次に、図9(c)に示す工程で、SiO2
膜からなるエッチングマスク55を除去した後、水蒸気
下で400℃,30分間の熱処理を行い、第1及び第2
のAlAs層59,60の表面部を酸化させて、第1及
び第2のAlAs層59,60の上に、酸化膜からなる
底面エピタキシャルマスク61及び頂面エピタキシャル
マスク56をそれぞれ形成する。このとき、AlAs層
の酸化速度は極めて速いので、第1のGaN層53の凸
部53bの側面に露出している部分は酸化されていない
とみなすことができる。
【0141】次に、図9(d)に示す工程で、MOVP
E法を用い、各エピタキシャルマスク56,61を含む
基板の上に、第2のGaN層57を形成する。このと
き、Al酸化物である酸化膜からなる各エピタキシャル
マスク56,61の上に、GaN結晶がエピタキシャル
成長することはない。つまり、各エピタキシャルマスク
56,61は、第2のGaN層57の成長を抑制する成
長抑制層として機能している。
【0142】このとき、第2のGaN層57の上部(特
に表面部)においては、凹部53aの中央部の上方に位
置する領域にのみ第1のGaN層53から伝播した格子
欠陥Dが存在し、その他の領域には第1のGaN層53
から伝播した格子欠陥Dはほぼ存在しない。つまり、第
2のGaN層57には、第1のGaN層53の凹部53
aの中央部の上方に位置する欠陥領域Raと、その他の
格子欠陥の少ない領域すなわち低欠陥領域Rbとが存在
している。
【0143】その後、第5の実施形態と同様に、第2の
GaN層57の上に、図8に示すn型AlGaNクラッ
ド層63,n型GaN光ガイド層64,InGaN多重
量子井戸活性層65,p型GaN光ガイド層66,p型
AlGaNクラッド層67,電流狭窄層68,第2のp
型AlGaNクラッド層69及びp型GaNコンタクト
層19を順次形成した後、Si基板51にはn側電極7
1を、p型GaNコンタクト層70にはp側電極72を
それぞれ取り付ける。このとき、第2のGaN層57に
おける欠陥領域Ra及び低欠陥領域Rbは上方に延び
て、そのまま各層に伝播する。これにより、半導体レー
ザ素子を作製する。そして、図8に示す第2のGaN層
57を本実施形態における第2のGaN層の構造で置き
換えたときに、電流狭窄層68の開口68aが、下地の
第1のp型AlGaNクラッド層67における低欠陥領
域Rb上に位置するように、電流狭窄層68を形成する
ことにより、半導体レーザ素子の能動領域65a内にお
ける格子欠陥Dの数を低減することができ、能動領域6
5aのレーザ発振機能の劣化を抑制して、半導体レーザ
素子の信頼性の向上を図ることができる。
【0144】本実施形態の方法により、第1のGaN層
53の凸部53bの上に第2のAlAs層60が形成さ
れ、頂面エピタキシャルマスク56は、この第2のAl
As層60を酸化することにより形成されているので、
下地(第2のAlAs層60)との密着性もよい。つま
り、第1の実施形態のごとく、GaNからなる基板の上
にSiO2 からなる頂面エピタキシャルマスクを設けた
場合に比べ、下地との密着性の向上を図ることができ
る。そのため、第2のGaN層57を形成する工程にお
いて頂面エピタキシャルマスク56が剥がれるのを有効
に防止することができ、第2のGaN層57の製造歩留
まりの向上を図ることができる。
【0145】加えて、本実施形態の方法においては、凹
部53aの底面に第1のAlAs層59が露出してお
り、その表面が酸化されて酸化膜からなる底面エピタキ
シャルマスク61が形成されているので、第2の実施形
態に比べ、第1のAlAs層59と底面エピタキシャル
マスク61との密着性が向上する。また、第5の実施形
態に比べて、凹部53aの底面から第2のGaN層57
に伝播する格子欠陥Dがほとんどないので、第2のGa
N層57の欠陥密度をさらに低減させることができる。
【0146】−エピタキシャル成長に伴う格子欠陥の伝
播過程− 次に、各エピタキシャルマスク56,61が形成された
後に、MOVPEにより、第2のGaN層57が形成さ
れる過程について説明する。図10(a)〜(c)は、
第2のGaN層57のエピタキシャル成長の初期から最
終段階までの過程を示す断面図である。
【0147】図10(a)に示すように、第2のGaN
層57の成長初期段階においては、凸部53bの頂面と
凹部53aの底面とが、それぞれ頂面エピタキシャルマ
スク56および底面エピタキシャルマスク61で覆われ
ているために、凹部53aの底面および凸部53bの頂
面からGaN結晶はほとんど成長しない。つまり、露出
している第1のGaN層53の凸部53bの側面から第
2のGaN層57が横方向に成長する。したがって、第
1のAlAs層59の上面に露出している格子欠陥Dの
第2のGaN層57への伝播は、凹部53aの底面上に
形成された酸化膜からなる底面エピタキシャルマスク6
1によって妨げられる。また、第1のGaN層53の凸
部53bの頂面に露出している格子欠陥Dの第2のGa
N層57への伝播は、頂面エピタキシャルマスク56に
よって妨げられる。したがって、第2のGaN層57内
には、第1のGaN層53内の格子欠陥Dのうち凸部5
3bの側面に露出しているものだけが、凸部53bの側
面にほぼ垂直な方向に伝播する。このため、本実施形態
においては第5の実施形態と比較して、第2のGaN層
57に伝播する格子欠陥Dの密度をより減少させること
ができる。
【0148】次に、第2のGaN層57のエピタキシャ
ル成長がさらに進むと、図10(b)に示すように、凹
部53aの両側の側面から成長してきたGaN結晶が凹
部53aの中央付近で接合し、凹部53aがGaN結晶
によって埋め込まれる。そして、第5の実施形態と同様
に、凹部53aの上に伝播した格子欠陥Dは、第2のG
aN層57のエピタキシャル成長につれて、凹部53a
中央に向かって集まり、やがて合体して1つの筋にまと
まる。また、GaN結晶は、頂面エピタキシャルマスク
56の側面から頂面エピタキシャルマスク56の上面を
も覆うように、横方向に延びる。このとき、格子欠陥D
は凸部53bの側面にほぼ垂直な方向に延びるので、図
10(a)に示す第2のGaN層57の上端部の側面に
格子欠陥Dがないため、頂面エピタキシャルマスク56
の上面を覆うGaN結晶にも格子欠陥Dが伝播していな
い。
【0149】第2のGaN層57のエピタキシャル成長
がさらに進むと、図10(c)に示すように、第2のG
aN層57が第1のGaN層53の凹部53aと凸部5
3bの上の全面を覆い、かつ、第2のGaN層57の上
面がほぼ平坦になる。このとき、第2のGaN層57の
上部(特に表面部)においては、凹部53aの中央部の
上方に位置する領域にのみ第1のGaN層53から伝播
した格子欠陥Dが存在し、その他の領域には第1のGa
N層53から伝播した格子欠陥Dはほぼ存在しない。つ
まり、第2のGaN層57には、第1のGaN層53の
凹部53aの中央部の上方に位置する欠陥領域Raと、
その他の格子欠陥の少ない領域すなわち低欠陥領域Rb
とが存在している。
【0150】本実施形態の方法により形成された第2の
GaN層の表面を、第1の実施形態と同様に、透過型電
子顕微鏡で観察したところ、欠陥密度が1×104 /c
2と減少しているのがわかった。
【0151】また、第1の実施形態のごとく、第1のG
aN層53の上に直接形成されたSiO2 からなる頂面
エピタキシャルマスクを用いた場合、半導体装置の製造
歩留まりが50%以下であったのに対し、本実施形態に
おける製造歩留まり率は90%以上であった。これは、
上述のような頂面エピタキシャルマスク及び底面エピタ
キシャルマスクと下地との密着性の向上によるものと考
えられる。
【0152】なお、本実施形態の半導体装置において
は、n型GaN層11のうち凹部1aの中央部付近にお
ける格子欠陥Dの密度が、エピタキシャル成長の開始後
速やかに小さくなるので、nGaN層11の厚みを第1
の実施形態よりも薄くすることができる。また、本実施
形態では、第2の実施形態よりも低欠陥領域Rbの範囲
を狭くすることができるという効果も期待することがで
きる。
【0153】(第7の実施形態)図11(a)〜(d)
は、本発明の第7の実施形態における半導体装置の製造
工程を示す断面図である。本実施形態において用いるS
i基板51およびMOVPE装置ならびにSi基板51
の上に結晶成長する際に行う前処理については第5の実
施形態と同様である。
【0154】図11(a)に示す工程で、反応炉内で、
Si基板51の温度を500℃として、Si基板51上
に厚さ200nmのGaAs層58をエピタキシャル成
長させてから、さらにその上に厚さ100nmの第1の
AlAs層59をエピタキシャル成長させる。第1のA
lAs層59の厚さは特に限定するものではないが、好
ましくは5〜500nm、さらに好ましくは50〜20
0nmとするのがよい。
【0155】次に、Si基板51の温度を1000℃ま
で上げ、TMG(Ga(CH33)、NH3 を供給
し、第2のAlAs層59の上に、厚さ3μmの第1の
GaN層53をエピタキシャル成長させる。第1のGa
N層53の厚さは、第1のGaN層53に凹凸の段差を
形成できる程度の厚さであればよい。具体的に、第1の
GaN層53の厚さは、好ましくは100nm以上、さ
らに好ましくは1〜5μmとする。
【0156】次に、Si基板1の温度を500℃まで下
げ、 基板の温度を500℃まで下げ、アルシン(As
3 ),TMAを供給し、第1のGaN層53上に、厚
さ100nmの第2のAlAs層60を成長する。第2
のAlAs層60の厚さは、酸化膜を形成するのに差し
支えのない程度の厚さであればよい。具体的に、第2の
AlAs層60の厚さは、好ましくは5〜500nm、
さらに好ましくは50〜200nmとする。
【0157】次に、基板をMOVPE反応炉内から取り
出し、スパッタ法を用いて、第2のAlAs層60上に
厚さ100nmのSiO2 膜を形成する。次いで、フォ
トリソグラフィー及びドライエッチングにより、SiO
2 膜をパターニングして、エッチングマスク55を形成
する。このエッチングマスク55は、ストライプ幅5μ
m,ストライプ間隔5μmの周期的ストライプパターン
を有している。エッチングマスク55のストライプパタ
ーンを構成する各線状部分の幅は5μmであり、各線状
部分同士の間隔,つまり各線状部分同士の間に存在する
開口部の幅は5μmである。この線状部分の長さ方向
は、基板1を構成するGaN結晶の< 1 1-2 0 >方向
(A軸方向)にほぼ平行な方向である。
【0158】次に、図11(b)に示す工程で、基板を
エッチング装置内に投入し、反応性イオンエッチングに
より、第2のAlAs層60及び第1のGaN層53の
うちエッチングマスク55の開口部に露出している領域
を除去して、第1のAlAs層59を露出させる。その
結果、第2のAlAs層60及び第1のGaN層53を
貫通して第1のAlAs層59の上面が底面となる凹部
53aが形成され、各凹部53a同士の間にメサ状の凸
部53bが残される。凹部53aと凸部53bとの境界
部となる側面は斜面である。ここで、反応性イオンエッ
チングにおけるエッチングガスとしては、例えばBCl
3 やCCl4 等の塩素を含むガスを用いるのがよい。本
実施形態においては、BCl3 とN2 との混合ガス(混
合比BCl3 :N2 =2:1)を流量約0.010(l
/m)で流し、エッチング装置内のガス圧力を67Pa
としている。
【0159】次に、図11(c)に示す工程で、水蒸気
下で400℃,30分間の熱処理を行い、第1のAlA
s層59の表面部を酸化させて、第1のAlAs層59
の上に、酸化膜からなる底面エピタキシャルマスク61
を形成する。このとき、AlAs層の酸化速度は極めて
速いので、第1のGaN層53の凸部53bの側面に露
出している部分は酸化されていないとみなすことができ
る。
【0160】次に、図11(d)に示す工程で、MOV
PE法を用い、エッチングマスク55及び底面エピタキ
シャルマスク61を含む基板の上に、第2のGaN層5
7を形成する。このとき、Al酸化物である酸化膜から
なる底面エピタキシャルマスク61及びエッチングマス
ク55の上に、GaN結晶がエピタキシャル成長するこ
とはない。つまり、底面エピタキシャルマスク61及び
エッチングマスク55は、第2のGaN層57の成長を
抑制する成長抑制層として機能している。
【0161】本実施形態の方法においては、凹部53a
の底面に第1のAlAs層59が露出しており、その表
面が酸化されて酸化膜からなる底面エピタキシャルマス
ク61が形成されているので、第2の実施形態に比べ、
第1のAlAs層59と底面エピタキシャルマスク61
との密着性が向上する。また、第5の実施形態に比べ
て、凹部53aの底面から第2のGaN層57に伝播す
る格子欠陥Dがほとんどないので、第2のGaN層57
の欠陥密度をさらに低減させることができる。
【0162】そして、本実施形態においても、第6の実
施形態と同様に、第2のGaN層57の上部(特に表面
部)においては、凹部53aの中央部の上方に位置する
領域にのみ第1のGaN層53から伝播した格子欠陥D
が存在し、その他の領域には第1のGaN層53から伝
播した格子欠陥Dはほぼ存在しない。つまり、第2のG
aN層57には、第1のGaN層53の凹部53aの中
央部の上方に位置する欠陥領域Raと、その他の格子欠
陥の少ない領域すなわち低欠陥領域Rbとが存在してい
る。
【0163】その後、第5の実施形態と同様に、第2の
GaN層57の上に、図8に示すn型AlGaNクラッ
ド層63,n型GaN光ガイド層64,InGaN多重
量子井戸活性層65,p型GaN光ガイド層66,p型
AlGaNクラッド層67,電流狭窄層68,第2のp
型AlGaNクラッド層69及びp型GaNコンタクト
層19を順次形成した後、Si基板51にはn側電極7
1を、p型GaNコンタクト層70にはp側電極72を
それぞれ取り付ける。このとき、第2のGaN層57に
おける欠陥領域Ra及び低欠陥領域Rbは上方に延び
て、そのまま各層に伝播する。これにより、半導体レー
ザ素子を作製する。そして、図8に示す第2のGaN層
57を本実施形態における第2のGaN層の構造で置き
換えたときに、電流狭窄層68の開口68aが、下地の
第1のp型AlGaNクラッド層67における低欠陥領
域Rb上に位置するように、電流狭窄層68を形成する
ことにより、半導体レーザ素子の能動領域65a内にお
ける格子欠陥Dの数を低減することができ、能動領域6
5aのレーザ発振機能の劣化を抑制して、半導体レーザ
素子の信頼性の向上を図ることができる。
【0164】本実施形態の方法により形成された第2の
GaN層の表面を、第1の実施形態と同様に、透過型電
子顕微鏡で観察したところ、欠陥密度が1×104 /c
2と減少しているのがわかった。
【0165】また、第2の実施形態のごとく、第1のG
aN層53の上に直接形成されたSiO2 からなる頂面
エピタキシャルマスク及び底面エピタキシャルマスクを
用いた場合、半導体装置の製造歩留まりが50%以下で
あったのに対し、本実施形態における製造歩留まり率は
70%以上であった。これは、底面エピタキシャルマス
クと下地との密着性の向上によるものと考えられる。
【0166】(その他の実施形態)上記各実施形態にお
いては、本発明の半導体装置を半導体レーザ素子に適用
した例について説明したが、本発明は斯かる実施形態に
限定されるものではない。例えば、発光ダイオード(L
ED)等の光デバイスに適用することにより、能動領域
における格子欠陥密度を低減することができるので、発
光強度や寿命の改善を図ることができる。また、本発明
の半導体装置を電界効果トランジスタ(FET)に適用
することにより、電界効果トランジスタの活性領域(特
にチャネル領域)における格子欠陥密度を低減すること
ができるので、キャリアの走行に対する妨害作用を抑制
することで、電流駆動力の向上,動作不良の抑制などを
図ることができる。
【0167】また、基板として、例えばサファイア基板
等の異種基板の上にGaN結晶層などの半導体層をエピ
タキシャル成長させたものを用いることもできる。その
場合、例えば、第1〜第4の実施形態におけるGaN基
板1あるいは第5〜第7の実施形態におけるSi基板5
1に代えて、主面がC面((0001)面)であるサフ
ァイア基板(絶縁性基板などの異種基板)の上にGaN
結晶層(半導体層)をエピタキシャル成長させたものな
どを用いることができる。特に、絶縁性基板を用いた場
合には、図2又は図8に示すn側電極20又は71の形
成前に絶縁性基板などの異種基板を除去することが好ま
しい。これにより、半導体層に接触するn側電極20又
は71を容易に形成することができ、半導体レーザ素子
として利用することが容易になる。
【0168】このような異種基板の例としては、C面,
R面又はA面を主面とするサファィア基板、あるいはG
aAs基板、SiC基板、ZnO基板、さらにはこれら
の各基板の主面をオフアングルさせた基板がある。
【0169】上記各実施形態における半導体層のエピタ
キシャル成長に際しては、MOVPE法を用いたが、エ
ピタキシャル成長のための方法は、特に各実施形態の方
法に限定されるものではなく、分子線エピタキシャル法
(MBE法)、ハイドライド気相成長(HVPE)法な
どを用いてもよい。特に、HVPE法はエピタキシャル
成長層の成長速度を非常に速くすることができるので、
エピタキシャル成長層の厚膜化には適している。例え
ば、サファイア基板等の異種基板の上に厚いGaN層を
形成したものを各実施形態における基板として用い、G
aN層のエピタキシャル成長後に、異種基板を除去する
ことにより、低欠陥のGaN層を得ることができる。
【0170】上記各実施形態における酸化膜の形成の際
には、H2 O雰囲気下における熱酸化法を用いたが、過
酸化水素水中に基板を投入して煮沸する酸化法や、ある
いはオゾン雰囲気中に放置する酸化法などを用いてもよ
い。
【0171】上記各実施形態におけるエッチングマスク
やエピタキシャルマスクとして、周期的ストライプパタ
ーンを使用したが、各マスクの形状はストライプパター
ンに限定されるものではなく、円形,碁盤目状,非周期
的パターンなどであっても同様の効果が得られる。
【0172】また、上記各実施形態においては、凸部の
断面形状として、頂面が平坦面である場合を想定してい
るが、頂面の両端部が丸みを帯びている場合など、頂面
が平坦面でない場合でもよい。第3,第4の実施形態以
外の実施形態においては、頂面エピタキシャルマスクが
頂面の主要部(特に平坦部分)を覆っていれば、本発明
の効果を発揮することができるからである。
【0173】また、凹部に広い底面が存在しない場合、
例えばV字状の谷のごとき断面形状であっても、本発明
の効果を発揮することができる。その場合にも、側面か
らエピタキシャル成長する結晶層中の格子欠陥が凹部の
中央部付近に集結することには変わりがないからであ
る。ただし、現実には凸部を形成するためのエッチング
の際に、凹部の平坦な凹部がなくなるまでエッチングす
る必要はない。
【0174】また、上記各実施形態では、凸部を多数設
けてストライプパターンを形成しているが、例えば1つ
の凸部しかない場合でも、本発明の基本的な効果は発揮
しうる。その場合、エピタキシャル成長された半導体層
(n型GaN層11又は第2のGaN層57)内におけ
る頂面の上方に位置する領域は、各実施形態において説
明した作用により、格子欠陥がほとんどない低欠陥領域
Rbとなるからである。そして、この低欠陥領域Rbに
半導体レーザ素子などのデバイスの能動領域を設けるこ
とにより、本発明の基本的な効果が得られる。
【0175】本発明における代表的なAlを含む半導体
(特にIII 族化合物半導体)としては、AlAs,Al
N,AlGaAs,AlGaN,Alx Ga1-x Asy
1- y (0<x≦1、0≦y≦1)が挙げられ、Al組
成が多いほど酸化速度が速く、特にAlAsは非常に酸
化速度を速くすることができる。
【0176】なお、Alを含むIII 族化合物半導体層上
にわずかにアモルファス状のものが成長する場合がある
が、これは実際上半導体装置の動作に不具合をもたらす
ものではないので、ほとんど成長していないものと扱う
ことができる。
【0177】
【発明の効果】以上のように、本発明の半導体装置は、
低欠陥領域に半導体素子の能動領域を形成することによ
り、信頼性および性能を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(f)は、本発明の第1の実施形態に
おける半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における半導体装置の
断面図である。
【図3】(a)〜(c)は、本発明の第2の実施形態に
おける半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図4】(a)〜(c)は、本発明の第3の実施形態に
おける半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図5】(a)〜(c)は、本発明の第4の実施形態に
おける半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図6】(a)〜(d)は、本発明の第5の実施形態に
おける半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図7】(a)〜(c)は、第5の実施形態における第
2のGaN層のエピタキシャル成長の初期から最終段階
までの過程を示す断面図である。
【図8】本発明の第5の実施形態における半導体装置の
断面図である。
【図9】(a)〜(d)は、本発明の第6の実施形態に
おける半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図10】(a)〜(c)は、第6の実施形態における
第2のGaN層エピタキシャル成長の初期から最終段階
までの過程を示す断面図である。
【図11】(a)〜(d)は、本発明の第7の実施形態
における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図12】従来の窒化物半導体を利用した半導体レーザ
素子である半導体装置の断面である。
【符号の説明】
1 基板(第1の半導体層) 1a 凹部 1b 凸部 2 頂面エピタキシャルマスク 2x SiO2 膜 3 エッチングマスク 4 底面エピタキシャルマスク 11 n型GaN層(第2の半導体層) 12 n型AlGaNクラッド層 13 n型GaN層光ガイド層 14 InGaN多重量子井戸活性層 14a 能動領域 15 p型GaN層光ガイド層 16 第1のp型AlGaNクラッド層 17 電流狭窄層 17a 開口 18 第2のp型AlGaNクラッド層 19 p型GaNコンタクト層 20 n側電極 21 p側電極 51 Si基板 52 AlNバッファ層 53 第1のGaN層(第1の半導体層) 53a 凹部 53b 凸部 54 第1のAlAs層(第3の半導体層) 55 エッチングマスク 56 頂面エピタキシャルマスク 57 n型GaN層(第2の半導体層) 58 GaAs層 59 第1のAlAs層(下地半導体層) 60 第2のAlAs層(第3の半導体層) 61 底面エピタキシャルマスク 63 n型AlGaNクラッド層 64 n型GaN層光ガイド層 65 InGaN多重量子井戸活性層 65a 能動領域 66 p型GaN層光ガイド層 67 第1のp型AlGaNクラッド層 68 電流狭窄層 68a 開口 69 第2のp型AlGaNクラッド層 70 p型GaNコンタクト層 71 n側電極 72 p側電極 D 格子欠陥 Ra 欠陥領域 Rb 低欠陥領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石田 昌宏 大阪府高槻市幸町1番1号 松下電子工業 株式会社内 (72)発明者 中村 真嗣 大阪府高槻市幸町1番1号 松下電子工業 株式会社内 (72)発明者 今藤 修 大阪府高槻市幸町1番1号 松下電子工業 株式会社内 (72)発明者 油利 正昭 大阪府高槻市幸町1番1号 松下電子工業 株式会社内 Fターム(参考) 4K030 AA11 BA38 BB12 CA04 FA10 LA14 5F045 AA04 AB14 AB17 AC08 AC12 AF03 AF04 AF13 BB12 BB16 CA12 DA53 DA55 DB02 DB04 5F052 KA01 5F073 AA03 AA74 BA09 CA07 CB02 CB10 DA04 EA28

Claims (37)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の半導体層を有する基板と、 上記第1の半導体層に設けられ、頂面と該頂面に交差す
    る側面とを有する少なくとも1つの凸部と、 上記第1の半導体層のうち上記凸部の頂面の少なくとも
    一部を覆い,上記側面の少なくとも一部を開放して設け
    られ、上記第1の半導体層上への半導体のエピタキシャ
    ル成長の抑制機能を有する被覆層と、 上記第1の半導体層の上にエピタキシャル成長により設
    けられた第2の半導体層とを備え、 上記第2の半導体層のうち上記凸部の上方に位置する領
    域が能動領域として動作することを特徴とする半導体装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の半導体装置において、 上記被覆層は、上記半導体層のうち上記凸部の頂面以外
    の部分を覆っていることを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の半導体装置において、 上記凸部は、少なくとも2つ設けられており、 上記被覆層は、上記少なくとも2つの凸部の間に形成さ
    れた凹部の底面の上をも覆っていることを特徴とする半
    導体装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の半導体装置にお
    いて、 上記凸部は、複数個設けられていて、 上記凸部の頂面は、ストライプパターンを有することを
    特徴とする半導体装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の半導体装置において、 上記被覆層は、ストライプパターンを有することを特徴
    とする半導体装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のうちいずれか1つに記載
    の半導体装置において、 上記被覆層は、酸化物,窒化物及び金属のうちいずれか
    1つから選ばれることを特徴とする半導体装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の半導体装置において、 上記被覆層は、酸化シリコン,窒化シリコン及びタング
    ステンのうちいずれか1つから選ばれることを特徴とす
    る半導体装置。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の半導体装置において、 上記被覆層は、酸化アルミニウムにより構成されている
    ことを特徴とする半導体装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のうちいずれか1つに記載
    の半導体装置において、 上記第1及び第2の半導体層は、いずれもIII 族窒化物
    により構成されていることを特徴とする半導体装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の半導体装置におい
    て、 上記第1の半導体層のうち上記凸部の頂面上に設けられ
    た第3の半導体層をさらに備え、 上記被覆層は、上記第3の半導体層の表面部が酸化され
    てなるものであることを特徴とする半導体装置。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の半導体装置におい
    て、 上記第3の半導体層は、Alを含む半導体により構成さ
    れており、 上記被覆層は、Alを構成元素として含む酸化物により
    構成されていることを特徴とする半導体装置。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の半導体装置におい
    て、 上記第3の半導体層は、Alx Ga1-x Asy1-y
    (0<x≦1、0≦y≦1)により構成されていること
    を特徴とする半導体装置。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の半導体装置におい
    て、 上記Alを含む半導体がAlAsであることを特徴とす
    る半導体装置。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のうちいずれか1つに
    記載の半導体装置において、 上記第1の半導体層の直下方にAlを含む下地半導体層
    をさらに備え、 上記第1の半導体層の凸部は、上記下地半導体層の上に
    孤立したメサ状の凸部であることを特徴とする半導体装
    置。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の半導体装置におい
    て、 上記被覆層は、上記下地半導体層のうち上記凸部に覆わ
    れていない底面領域をも覆い、かつ、上記底面領域の上
    では上記下地半導体層の表面部が酸化されてなるもので
    あることを特徴とする半導体装置。
  16. 【請求項16】 請求項14又は15に記載の半導体装
    置において、 上記下地半導体層は、Alを含む半導体により構成され
    ており、 上記被覆層は、上記凹部の底面においてAlを構成元素
    として含む酸化物により構成されていることを特徴とす
    る半導体装置。
  17. 【請求項17】 請求項14〜16のうちいずれか1つ
    に記載の半導体装置において、 上記下地半導体層は、Alx Ga1-x Asy1-y (0
    <x≦1、0≦y≦1)により構成されていることを特
    徴とする半導体装置。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の半導体装置におい
    て、 上記下地半導体層は、AlAsにより構成されているこ
    とを特徴とする半導体装置。
  19. 【請求項19】 基板の第1の半導体層の上に、上記第
    1の半導体層上への半導体のエピタキシャル成長の抑制
    機能を有する材料からなる被覆層を形成する工程(a)
    と、 上記被覆層及び上記第1の半導体層をエッチングして、
    上記第1の半導体層に頂面と該頂面に交差する側面とを
    有する少なくとも1つの凸部を形成するとともに、上記
    少なくとも1つの凸部の上に上記被覆層から形成された
    頂面エピタキシャルマスクを残す工程(b)と、 上記工程(b)の後に、上記第1の半導体層の上にエピ
    タキシャル成長により第2の半導体層を形成する工程
    (c)と、 上記第2の半導体層のうち上記凸部の上方に位置する領
    域を能動領域として動作する半導体素子を形成する工程
    (d)とを含む半導体装置の製造方法。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載の半導体装置の製造
    方法において、 上記工程(b)では、少なくとも2つの凸部を形成し、 上記工程(b)の後で上記工程(c)の前に、上記2つ
    の凸部によって挟まれる凹部の底面上に底面エピタキシ
    ャルマスクを形成する工程をさらに含むことを特徴とす
    る半導体装置の製造方法。
  21. 【請求項21】 請求項19又は20に記載の半導体装
    置の製造方法において、 上記工程(a)の後で上記工程(b)の前に、エッチン
    グマスク用膜を形成する工程と、 上記工程(a)の後で上記工程(b)の前に、上記エッ
    チングマスク用膜をパターニングしてエッチングマスク
    を形成する工程とをさらに含み、 上記工程(b)では、上記エッチングマスクを用いて、
    上記被覆層及び第1の導体膜のエッチングを行なうこと
    を特徴とする半導体装置の製造方法。
  22. 【請求項22】 請求項19又は20に記載の半導体装
    置の製造方法において、 上記工程(a)では、上記被覆層として、上記第1の半
    導体層の選択エッチングが可能な材料の膜を形成し、 上記工程(b)では、上記被覆層をパターニングしてエ
    ッチングマスクを形成した後、該エッチングマスクを用
    いて第1の半導体層をエッチングし、 上記工程(c)では、上記エッチングマスクをエピタキ
    シャルマスクとして用いて第2の半導体層をエピタキシ
    ャル成長させることを特徴とする半導体装置の製造方
    法。
  23. 【請求項23】 請求項19〜22のうちいずれか1つ
    に記載の半導体装置の製造方法において、 上記工程(a)では、上記被覆層としてSiO2 膜を形
    成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  24. 【請求項24】 基板の第1の半導体層の上にエッチン
    グマスクを形成する工程(a)と、 上記エッチングマスクを用いて上記第1の半導体層をエ
    ッチングして、上記第1の半導体層に上記エッチングマ
    スクよりも寸法が小さい頂面と該頂面に交差する側面と
    を有する少なくとも1つの凸部を形成する工程(b)
    と、 上記工程(b)の後に、上記第1の半導体層の上にエピ
    タキシャル成長により第2の半導体層を形成する工程
    (c)と、 上記第2の半導体層のうち上記凸部の側面と凹部の底面
    の一部とに跨る領域を能動領域として動作する半導体素
    子を形成する工程(d)とを含む半導体装置の製造方
    法。
  25. 【請求項25】 請求項24に記載の半導体装置の製造
    方法において、 上記工程(a)では、上記エッチングマスクを、上記工
    程(b)におけるエッチング時にエッチングされて横寸
    法が縮小していく材料の膜から形成することを特徴とす
    る半導体装置の製造方法。
  26. 【請求項26】 請求項24に記載の半導体装置の製造
    方法において、 上記工程(a)では、上記エッチングマスクを、透光性
    を有する材料からなる膜から形成し、 上記工程(b)では、上記エッチングマスクの上方から
    上記第1の半導体層に光を照射して、上記第1の半導体
    層のエッチングマスク下方に位置する部分をエッチング
    することにより、上記凸部の頂面の寸法を縮小すること
    を特徴とする半導体装置の製造方法。
  27. 【請求項27】 請求項24〜26のうちいずれか1つ
    に記載の半導体装置の製造方法において、 上記工程(b)では、エッチング条件の選択により、上
    記凸部の側面の傾き角を所望の値に制御することを特徴
    とする半導体装置の製造方法。
  28. 【請求項28】 基板上に、III 族窒化物からなる第1
    の半導体層を形成する工程(a)と、 上記第1の半導体層の上に、上記第1の半導体層に対す
    る密着機能を有する材料からなる第2の半導体層を形成
    する工程(b)と、 上記第2の半導体層の上に、エッチングマスクを形成す
    る工程(c)と、 上記エッチングマスクを用いて、上記第1及び第2の半
    導体層をエッチングして、第1の半導体層に頂面と該頂
    面に交差する側面とを有する少なくとも1つの凸部を形
    成する工程(d)と、 上記第1の半導体層の凸部の頂面上に残存する第2の半
    導体層の上に頂面エピタキシャルマスクを形成する工程
    (e)と、 上記工程(e)の後に、上記第1の半導体層の上にエピ
    タキシャル成長により第3の半導体層を形成する工程
    (f)と、 上記第3の半導体層のうち上記凸部の上方に位置する領
    域を能動領域として動作する半導体素子を形成する工程
    (g)とを含む半導体装置の製造方法。
  29. 【請求項29】 請求項28に記載の半導体装置の製造
    方法において、 上記工程(c)では、上記エッチングマスクを、SiO
    2 膜をパターニングすることにより形成することを特徴
    とする半導体装置の製造方法。
  30. 【請求項30】 請求項28又は29に記載の半導体装
    置の製造方法において、 上記工程(c)は、塩素を含む反応性イオンエッチング
    により行われることを特徴とする半導体装置の製造方
    法。
  31. 【請求項31】 基板上に、Alを含む下地半導体層と
    III 族窒化物からなる第1の半導体層とを順次形成する
    工程(a)と、 上記第1の半導体層の上に、エッチングマスクを形成す
    る工程(b)と、 上記エッチングマスクを用いて、上記第1の半導体層を
    エッチングして、第1の半導体層に頂面と該頂面に交差
    する側面とを有する少なくとも1つの凸部を形成する工
    程(c)と、 上記第1の半導体層の凸部の頂面上に頂面エピタキシャ
    ルマスクを形成する工程(d)と、 上記工程(d)の後に、上記第1の半導体層の上にエピ
    タキシャル成長により第2の半導体層を形成する工程
    (e)と、 上記第2の半導体層のうち上記凸部の上方に位置する領
    域を能動領域として動作する半導体素子を形成する工程
    (f)とを含む半導体装置の製造方法。
  32. 【請求項32】 請求項31に記載の半導体装置の製造
    方法において、 上記工程(a)の後で上記工程(b)の前に、上記第1
    の半導体層の上に上記第1の半導体層との密着機能を有
    する材料からなる第3の半導体層を形成する工程をさら
    に含み、 上記工程(b)では、上記第3の半導体層の上に上記エ
    ッチングマスクを形成し、 上記工程(c)では、上記第3の半導体層の一部を上記
    凸部の頂面上に残存させ、 上記工程(d)では、上記第3の半導体層の上記一部の
    上に上記頂面エピタキシャルマスクを形成することを特
    徴とする半導体装置の製造方法。
  33. 【請求項33】 請求項32記載の半導体装置の製造方
    法において、 上記第3の半導体層は、AlAs層であり、 上記工程(d)では、上記AlAs層の表面部を酸化す
    ることにより、上記頂面エピタキシャルマスクを形成す
    ることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  34. 【請求項34】 請求項31〜33のうちいずれか1つ
    に記載の半導体装置の製造方法において、 上記工程(c)では、上記下地半導体層が露出するまで
    上記第1の半導体層のエッチングを行なって、上記下地
    半導体層の上にメサ状の凸部を形成し、 上記下地半導体層の露出している表面部を酸化させて底
    面エピタキシャルマスクを形成する工程をさらに含むこ
    とを特徴とする半導体装置の製造方法。
  35. 【請求項35】 結晶成長用基板上のIII 族窒化物から
    なる第1の半導体層の上に、エッチングマスクを形成す
    る工程(a)と、 上記エッチングマスクを用いて、上記第1の半導体層を
    エッチングして、上記第1の半導体層に、頂面と該頂面
    に交差する側面とを有する少なくとも1つの凸部を形成
    する工程(b)と、 上記工程(b)の後に、上記第1の半導体層の上にエピ
    タキシャル成長により第2の半導体層を形成する工程
    (c)と、 上記結晶成長用基板を除去する工程(d)とを含む半導
    体基板の製造方法。
  36. 【請求項36】 請求項35に記載の半導体基板の製造
    方法において、 上記工程(b)の後に、上記第1の半導体層の凸部の頂
    面の上に、上記工程(c)のマスクとなる頂面エピタキ
    シャルマスクを形成する工程をさらに含むことを特徴と
    する半導体基板の製造方法。
  37. 【請求項37】 請求項36に記載の半導体基板の製造
    方法において、 上記結晶成長用基板は、基板とその上に形成されたAl
    を含む下地半導体層とからなり、 上記工程(b)では、上記下地半導体層が露出するまで
    上記第1の半導体層のエッチングを行ない、 頂面エピタキシャルマスクは、上記工程(c)の前に上
    記下地半導体層の露出している表面部を酸化させること
    により形成されることを特徴とする半導体基板の製造方
    法。
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