JP2001344743A - ガラス基板の製造方法及びガラス基板の強化処理装置 - Google Patents

ガラス基板の製造方法及びガラス基板の強化処理装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強化処理した後のガラス基板表面を洗浄して
付着物を除去し、高密度記録媒体用に使用可能な表面平
滑で強化されたガラス基板を得る。 【解決手段】 強化液槽に浸漬して強化処理したガラス
基板を水槽に浸漬してガラス基板に付着した残留物を溶
解した後、ガラス基板表面を湿潤状態に保ち乾燥さるこ
となく洗浄槽に搬送し、洗浄を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス基板の製造
方法およびこれに用いるガラス基板の強化処理装置に係
り、特にガラス基板表面の異常突起を除いて表面性を良
好にすることにより、高密度記録用の磁気ディスク基板
に適するガラス基板の製造方法およびそれに用いるガラ
ス基板の強化処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】情報記録媒体は、記録の大容量化や小型
高密度化が急速に進み、著しい発展を遂げており、さら
なる大容量化と高密度化が進行している。磁気ディスク
装置の場合には、磁気ヘッドの浮上高さを小さくして高
記録密度記録を行なうことにより、大容量記録を可能に
している。
【0003】このような磁気ヘッドの浮上高さを小さく
した磁気ディスク装置において、信号の記録・再生が正
しく行なわれるためには、磁気ディスク表面をより平滑
にし、かつ平面性を良好にすることが必要である。この
ため、これに用いるガラス基板には、こうした高度の表
面性が要求される。
【0004】一方、情報記録媒体用ガラス基板、例えば
磁気ディスク用ガラス基板は、次の方法によって製造さ
れている。まず、ガラス母材をプレス成形や板成形でド
ーナツ円盤状に成形する。次に荒削りやラッピングなど
の研削加工を行なって基板の板厚を規定の範囲にし、ま
た内外周側面部を内外周形状加工機などで面取り加工を
行なって内周と外周を規定寸法にする。その後、両面研
磨機などを用いて表面および裏面のポリッシュを行なっ
て鏡面仕上げをする。
【0005】ガラス基板を形成するガラス母材が例えば
アルミノシリケートガラスなど、強化処理をして用いる
ガラスの場合には、このあとアルカリ金属塩を溶融した
強化液に浸漬して表面のイオン交換を行ない強化処理す
る。磁気ディスク用ガラス基板としては強化処理ガラス
基板が多く用いられる。
【0006】強化処理工程で強化処理を行なった後のガ
ラス基板は、強化液槽から引き上げて徐冷した後、水槽
に浸漬してガラス基板に付着したアルカリ金属塩などの
付着物を水に溶解して除去する。続いて洗浄工程に搬送
して洗浄を行ない、強化処理されたガラス基板に仕上げ
る。なおガラス基板に残留した付着物の水による溶解除
去には、溶解を容易にするため、温水が多く用いられ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】情報記録媒体の記録密
度が高まるにつれ、これに用いるガラス基板に対して高
度の表面性が要求されるようになった。この要求を満た
すには、ポリッシングによって鏡面仕上げする際のガラ
ス基板の表面性を高めるだけでは不十分となり、さらに
ガラス基板を強化処理した後にガラス基板表面をよく洗
浄して、汚れを十分に除去することが必要となった。そ
してナノメータ程度の高さの隆起を生じるようなわずか
な汚れの残存があっても記録に支障が生じることから、
このレベルの汚れの残存をなくすことが必要となった。
【0008】従来の製造工程により製造されたものは、
汚れ除去について従来のガラス基板に対する要求レベル
を満たしているものの、このような新たな高密度記録の
磁気ディスク用としての要求レベルに対しては不十分で
ある。
【0009】強化処理後の基板面に付着する溶融塩の除
去を容易にする方法については、特開平9-124345号公報
に、溶融塩から引き上げたガラス基板をまず溶融塩の結
晶化が始まる温度より高い温度で徐冷し、次に急冷して
溶融塩の結晶化を阻止するという方法が示されている。
しかしながら、この方法では強化処理後の基板面に付着
する溶融塩の除去を容易にすることができるものの、当
面する要求レベルを満たす程度に汚れを除去することが
できるものではない。
【0010】またガラス基板の付着物の除去の程度を高
める方法としては、従来の洗浄除去方法において洗浄時
間を長くするなど洗浄条件を強化することによって、強
化処理後の基板の残留物の除去を向上させることも考え
られる。しかしながら、単に洗浄条件を強めるような従
来技術の単なる延長では、ガラス基板を傷めることなく
生産性を保って要求レベルを満たすことは実際上困難で
あった。
【0011】そこで本発明者は、強化処理後のガラス基
板の洗浄について鋭意研究を行なった結果、従来の製造
工程においては、溶融塩溶解のための温水を湛えた水層
から引き上げて洗浄工程に搬送する間にガラス基板の表
面が乾燥すること、そしてこの乾燥の過程で、水に含ま
れた成分が濃縮されてガラス基板表面に影響を与えなが
ら乾燥物が基盤表面に付着してしまうことを見出した。
【0012】そしてガラス基板表面を乾燥させた後で
は、洗浄を行なって要求レベルを満たす程度までに付着
物を除去することが困難になるとの知見を得た。本発明
はこの知見を課題解決の糸口としてなされたものであ
る。
【0013】本発明は、強化処理後のガラス基板表面の
付着物を除去して異常突起の低減を行なったガラス基板
であって、高密度記録用の情報記録媒体に適用可能なガ
ラス基板の製造方法、およびそれに用いるガラス基板の
強化処理装置を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明のガラス基板の製
造方法は、ガラス母材を成形し加工して被処理ガラス基
板を形成するガラス基板の成形加工工程と、被処理ガラ
ス基板を強化液槽に浸漬して強化処理する強化処理工程
と、強化処理後の被処理ガラス基板を水槽に浸漬して被
処理ガラス基板の付着物を溶解する付着物溶解工程と、
付着物溶解後の被処理ガラス基板を、湿潤状態を維持す
る手段を用いて湿潤状態を維持しつつ水槽から洗浄槽に
搬送する湿潤搬送工程と、湿潤搬送された被処理ガラス
基板を洗浄槽にて洗浄する洗浄工程とを有することを特
徴とするものである。
【0015】図1は本発明のガラス基板の製造方法の一
実施形態を示した流れ図である。図1に沿って本発明を
具体的に説明する。
【0016】まず、図1 (A)のガラス母材としては、強
化処理を行なって用いるガラス組成、例えばアルミノシ
リケートガラス、ソーダライムガラスなどを用いること
ができる。
【0017】図1(B)のガラス母材の成形には、例えば
溶融ガラスゴブを金型によってプレス成形するダイレク
トプレス成形、またはダウンドロー法やフロート法など
の板成形を用いることができる。成形されたガラス成形
体は、内周の下孔あけ、内外周の面取り加工やラッピン
グ加工によって形状を整えて寸法を所定範囲に収めた
後、ポリッシングによって表面仕上げを行なって、所定
の表面性を有するガラス基板を形成する。
【0018】次にこのガラス基板に対し図1(C)に示す強
化処理を行なう。例えば300〜350℃程度の予備加熱を行
なった上で、350℃〜400℃程度の溶融したアルカリ金属
の溶融塩に浸漬することによって、ガラス基板は表面の
イオンが交換されて強化処理される。
【0019】こうして強化処理した後、溶融塩から引き
上げたガラス基板は、徐冷後に図1の(D)の工程にて水槽
の水に浸漬し、ガラス基板に残留する溶融塩の溶解を行
なう。溶解に用いる水として、温水を用いれば溶解がよ
り容易になる。このため、好ましくは40℃以上、より好
ましくは60℃以上の水が用いられる。温水を用いた場合
には、ガラス基板を水槽から引き上げたときに、ガラス
基板の温度が上昇しているために乾燥し易いので、これ
を防ぐためにガラス基板を水に接触させておく処置が特
に重要である。なお、溶解に用いる水には必要に応じ、
酸などの溶解を加速するための成分を適量含有させるこ
ともできる。
【0020】温水で溶解を行なったガラス基板は、図1
の(E)に示すように、ガラス基板を湿潤状態を与えなが
ら洗浄槽に搬送する。ガラス基板は温水から引き上げた
場合には温度上昇しているため、基板表面は短時間で乾
燥し、水に含まれた成分が濃縮され、これが基板表面に
凝固して付着したりその他の影響をガラス基板表面に与
えてしまう。そして表面が一旦乾燥してしまうと、次の
洗浄工程で洗浄によって基板表面に与えられた影響を除
くのが困難になってしまう。このため、温水から引き上
げたガラス基板は、搬送の際に湿潤状態を維持しながら
保って表面の乾燥を防ぐ手段を講じることが特に有効で
ある。
【0021】このように本発明のガラス基板の製造方法
によって、強化処理後のガラス基板の付着物を水に浸漬
して溶解した後、ガラス基板を水と接触させながら洗浄
工程に移すことによって、洗浄工程にてガラス基板の汚
れを除去して清浄な表面を得ることができる。
【0022】本発明のガラス基板の製造方法の湿潤搬送
工程は、被処理ガラス基板を水中の搬送路により搬送す
るものであってもよい。ガラス基板の搬送路は、ガラス
基板の付着物を溶解する水槽と洗浄槽とを直接結合させ
て構成してもよいが、溶解槽と洗浄槽との間の液の混合
を防ぐために、搬送用の水槽を設け、これを搬送路とし
て用いてもよい。
【0023】また本発明のガラス基板の製造方法の湿潤
搬送工程は、湿潤搬送工程がガラス基板を搬送用水槽に
収容して前記水槽と共に搬送するものであってもよく、
ガラス基板は搬送用ラックに収納して、この搬送用ラッ
クごと搬送用の水槽に収容して搬送することもできる。
【0024】また、湿潤搬送工程は被加工ガラス基板の
搬送中に前記被処理ガラス基板に散水または流水を搬送
中に行なうものであってもよい。散水や流水によってガ
ラス基板に水を与えながら搬送を行なえば、ガラス基板
の湿潤状態を維持するだけでなく、ガラス基板の洗浄の
効果をも得ることができる。
【0025】特にシャワーによる散水の場合は、水の吹
き付け圧力によって洗浄効果を高めることができる。こ
の場合に吹き付ける水としては、冷水を用いてもよい
が、洗浄効果を高めるために温水を用いることもでき
る。温水は40℃以上が好ましく用いられ、60℃以上の水
がさらに好ましく用いられる。また必要に応じて洗浄効
果を高める成分を添加することもできる。
【0026】上記のガラス基板の各処理および搬送に
は、ガラス基板を例えば図2に模式的立面図で示された
ような収納枠に収め、さらに収納枠を例えば図3に模式
的平面図で示したような搬送用のラックに載置して行な
うことが好都合である。
【0027】図2においてガラス基板14は収納枠11のガ
ラス基板保持部12によって保持されている。この収納枠
11は複数枚のガラス基板をガラス基板の厚さ方向に平行
に並べて配置することができる。また収納枠の下部に設
けた凹部13は、搬送ラックに載置した際の位置決めに用
いるものである。
【0028】ガラス基板を収納した収納枠11は、例えば
図3に示すように、搬送用ラック21に並べて配置されて
搬送することができる。ここで収納枠は、搬送用ラック
21の収納枠位置決め部材23と収納枠の凹部13とを合わせ
ることによって位置決めされ、さらに収納枠支持部材22
によって支持されている。
【0029】このような搬送用のラックに水噴射器を設
け、載置された収納枠に収められたガラス基板に対し、
搬送時に水を噴射するようにしてもよい。またガラス基
板を収納した収納枠を搬送用のラックに載置して、水中
移動させて搬送するようにしてもよい。なお水中移動さ
せて搬送する場合には、ガラス基板面を搬送方向に平行
に配置することが好ましい。例えば図3に示した搬送装
置の場合には、搬送用ラック21を図の左右の方向に移動
させるような搬送が好ましい。こうすることにより、搬
送中のほとんどのガラス表面には水からの動圧力を与え
ることができ、洗浄効果を高めることができる。
【0030】洗浄槽に搬送されたガラス基板は洗浄槽に
て十分な洗浄を行なうことによって、表面の清浄なガラ
ス基板を得る。洗浄工程では、酸を用いた酸洗浄処理
や、洗剤を用いた洗浄、スクラブ洗浄、純水洗浄、溶剤
洗浄乾燥などの各処理を必要に応じて単独に、あるいは
適宜組み合わせて用いることができる。
【0031】このような方法によってガラス基板表面の
付着物を十分に除去することにより、異常突起を除いた
ガラス基板を得ることができ、磁気ディスクなど高密度
記録媒体用のガラス基板として用いることができる。
【0032】また本発明のガラス基板の強化処理装置
は、ガラス基板を浸漬して強化処理を行なうガラス強化
液を有するガラス強化液槽と、強化処理されたガラス基
板の付着物を溶解する水を有する水槽と、水にて溶解処
理したガラス基板を水と接触させつつ洗浄装置に搬送す
る湿潤搬送装置と、ガラス基板を洗浄する洗浄槽とを有
することを特徴とするものである。
【0033】本発明のガラス基板の強化処理装置を用い
ることにより、搬送時のガラス基板の乾燥を防ぐことが
でき、洗浄槽でのガラス基板の洗浄を円滑に行なうこと
ができ、強化処理によって付着したガラス基板表面の汚
れがよく除かれるので、異常突起が除かれ、高密度記録
媒体用に適したガラス基板を製造することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を実施例
に基づいてさらに具体的説明する。
【0035】(実施例1)ガラス母材として、化学的処
理によって強化のできるアルミノシリケートガラス(SiO
2: 64質量%、Al2O3: 14質量%、Li2O: 6質量%、Na2O: 10
質量%、ZrO2: 2質量%、ZnO: 4質量%を主成分とする組
成)をダイレクトプレス法を用いてプレス成形し、直径
67mm、厚さ1.4mmのガラス成形体を得た。
【0036】このガラス成形体をまず両面研磨機を用い
て#400のアルミナ砥粒で表面および裏面のラッピング加
工を行なった。次にガラス成形体に内周の下孔をあけ、
内外周研磨機を用いて内周面および外周面の側面の面取
り加工を行なった。次に両面研磨機を用い、#1000のア
ルミナ砥粒により表面および裏面のラッピング処理を行
なって所定の形状と所定範囲の寸法にした。
【0037】引き続いて研磨剤として酸化セリウムを用
いて1次ポリッシュを行なった。さらに酸化セリウムと
軟質ポリッシャを用いて最終ポリッシュを行ない、強化
処理に供するガラス基板を製作した。
【0038】次に製作したガラス基板に欠点がないこと
を予め確認した後、300℃で30分間予熱し、350℃の強化
処理液に60分間浸漬することによる、強化処理を行なっ
た。その後350℃に保たれた徐冷炉にガラス基板を移
し、徐冷した後、80℃の温水槽に移してガラス基板に残
留し凝固した強化処理液の溶解洗浄を行なった。続いて
温水から引き上げる直前より、温度20℃のシャワー状の
冷水を噴射し、常に冷水をガラス基板にかけ続けて予備
洗浄を行ないながら、ガラス基板を洗浄工程に搬送し、
洗浄工程でガラス基板の本洗浄を行なった。
【0039】洗浄後のガラス基板100枚に対して、20万
ルクスの光源を用いて、汚れ、乾燥シミ(以下、汚れ不
良と総称する)について外観検査を行なった。また、原
子間力顕微鏡(AFM)を用いて、10μm角範囲におけ
る異常突起物の数を測定した。この結果を表1に実施例1
として示す。表1に示されているように、外観検査にお
ける汚れ不良の発生率は0%(存在せず)、また3nm以上
の異常突起物は0個(存在せず)であった。
【0040】
【表1】 (実施例2)ガラス基板を温水槽から洗浄槽に搬送する
際に、温度20℃のシャワー状の冷水を噴射する代わり
に、50℃の温水を噴射して用いたほかは、実施例1と同
じ方法により、ガラス基板を製作し、強化処理を行なっ
た後、ガラス基板を洗浄した。そして洗浄後のガラス基
板100枚について、実施例1と同じ条件で検査を行なっ
た。結果を表1の実施例2として示す。表1に示されて
いるように、外観検査における汚れ不良は0%(存在せ
ず)、また3nm以上の異常突起物は0個(存在せず)であ
った。
【0041】(実施例3)ガラス基板を温水槽から洗浄
槽に搬送する際に、温度20℃のシャワー状の冷水を噴射
する代わりに、80℃の温水を噴射して用いたほかは、実
施例1と同じ方法により、ガラス基板を製作し、強化処
理を行なった後、ガラス基板を洗浄した。そして洗浄後
のガラス基板100枚について、実施例1と同じ条件で検査
を行なった。結果を表1の実施例3として示す。表1に示
されているように、外観検査における汚れ不良は0%(存
在せず)、また3nm以上の異常突起物は0個(存在せず)
であった。
【0042】(実施例4)ガラス基板の温水層から洗浄
槽への搬送を搬送用水槽の水中で行った。この際、ガラ
ス基板を温水槽から引き上げる直前から搬送用水槽にガ
ラス基板を浸漬するまで、および搬送用水槽から引き上
げる直前から洗浄槽にガラス基板を浸漬するまではガラ
ス基板にシャワーにより散水をして、ガラス基板を水槽
から出したときにも乾燥しないようにした。
【0043】温水槽から洗浄槽へのガラス基板の搬送工
程以外の工程は、加工工程や洗浄工程など、すべて実施
例と同じ方法により行った。
【0044】洗浄を終えたガラス基板100枚について、
実施例と同じ条件で検査を行った。その結果を表1の実
施例4に示す。表1に示されているように、外観検査にお
ける汚れ不良0%(存在せず)、3nm以上の異常突起物
は0個(存在せず)であった。
【0045】なお、この場合のシャワーの水温としては
20℃以上で行って、汚れ不良も異常突起も発生せず、良
好な結果を得た。
【0046】また、この実施例ではガラス基板を水中で
移動させることにより運搬したが、この代わりにガラス
基板を搬送用水槽に浸漬し、この搬送用水槽を移動させ
ることにより搬送させてもよい。
【0047】(比較例1)ガラス基板を温水槽から洗浄
槽に搬送する際に、水を噴射せず、ほかは、実施例1と
同じ方法により、ガラス基板を製作し、強化処理を行な
った後、ガラス基板を洗浄した。そして洗浄後のガラス
基板100枚について、実施例と同じ条件で検査を行なっ
た。結果を表1の比較例1として示す。表1に示されてい
るように、外観検査における汚れ不良の発生率は15%、
また3nm以上の異常突起物が表1に示した通り、カウント
された。
【0048】(比較例2)ガラス基板を温水槽に移して
ガラス基板に残留し凝固した強化処理液の溶解するまで
は実施例1と同じ方法に従い、さらにガラス基板に20℃
の水を噴射してかけながら、温水槽から20℃の冷水槽ま
で搬送した。その後、冷水槽から洗浄槽へのガラス基板
の搬送には水の噴射を行なわなかった。
【0049】洗浄後のガラス基板100枚について、実施
例1と同じ条件で検査を行なった。結果を表1の比較例2
として示す。表1に示されているように、外観検査にお
ける汚れ不良の発生率は5%、また3nm以上の異常突起物
は表1に示した通りカウントされた。
【0050】比較例2は比較例1に比べると汚れ不良の発
生率も異常突起物の数も減少していることがわかる。比
較例1では温水から引き上げたガラス基板は温度が上昇
しているため、基板表面の水分が蒸発して乾燥し易いの
に対して、比較例2で冷水から引き上げたガラス基板の
場合は相対的に蒸発が遅いために、基板表面の乾燥の影
響が少ないものと考えられる。しかし、比較例2の場合
も、その結果は実施例1〜3の場合に比べてなお不十分
である。
【0051】以上に本発明の実施の形態について詳述し
たが、上述の実施の形態はその具体例を示したに過ぎな
い。その具体的構成は様々に変形可能であることは言う
までもない。
【0052】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明の製造方法
および製造装置によれば、基板表面がよく洗浄され、異
常突起の除去された情報記録媒体用ガラス基板を高い歩
留まりで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガラス基板の製造方法の一実施形態で
あるガラス基板の製造工程を示す流れ図である。
【図2】本発明のガラス基板の製造方法の一実施形態に
おけるガラス基板収納枠を示す模式的立面図である。
【図3】本発明のガラス基板の製造方法の一実施形態に
おけるガラス基板収納枠を示す模式的平面図である。
【符号の説明】
11……ガラス基板収納枠、 12……ガラス基板保持部、 13……収納枠凹部、 14……ガラス基板、 21……搬送用ラック、 22……収納枠支持部材、 23……収納枠位置決め部材。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス母材を成形し加工して被処理ガラ
    ス基板を形成するガラス基板の成形加工工程と、 前記被処理ガラス基板を強化液槽に浸漬して強化処理す
    る強化処理工程と、 強化処理後の前記被処理ガラス基板を水槽に浸漬して前
    記被処理ガラス基板の付着物を溶解する付着物溶解工程
    と、 付着物溶解後の前記被処理ガラス基板を湿潤状態を維持
    する手段を用いて湿潤状態を維持しつつ前記水槽から洗
    浄槽に搬送する湿潤搬送工程と、 湿潤搬送された前記被処理ガラス基板を洗浄槽にて洗浄
    する洗浄工程とを有することを特徴とするガラス基板の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 前記湿潤搬送工程は前記被処理ガラス基
    板を水中の搬送路により搬送するものであることを特徴
    とする請求項1記載のガラス基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記湿潤搬送工程は前記被処理ガラス基
    板を搬送用水槽に収容して前記水槽と共に搬送するもの
    であることを特徴とする請求項1記載のガラス基板の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 前記湿潤搬送工程は前記被処理ガラス基
    板を搬送中に前記被処理ガラス基板に散水または流水す
    るものであることを特徴とする請求項1記載のガラス基
    板の製造方法。
  5. 【請求項5】 ガラス基板を浸漬して強化処理を行なう
    ガラス強化液を有するガラス強化液槽と、 強化処理されたガラス基板の付着物を溶解する水を有す
    る水槽と、 水にて溶解処理したガラス基板を水と接触させつつ洗浄
    装置に搬送する湿潤搬送装置と、 ガラス基板を洗浄する洗浄槽とを有することを特徴とす
    るガラス基板の強化処理装置。
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