JP2001343054A - アライメント調整治具 - Google Patents

アライメント調整治具

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JP2001343054A
JP2001343054A JP2000166481A JP2000166481A JP2001343054A JP 2001343054 A JP2001343054 A JP 2001343054A JP 2000166481 A JP2000166481 A JP 2000166481A JP 2000166481 A JP2000166481 A JP 2000166481A JP 2001343054 A JP2001343054 A JP 2001343054A
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pulley
jig
belt
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Kazuya Moriyama
和也 森山
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Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、複数のプーリ相互のアライ
メントを、簡単な構造・作業で精度良く確認・調整でき
るアライメント調整治具を提供する。 【解決手段】 本発明のアライメント調整治具1は、各
プーリ55〜57の端面Bに突出された基準軸2と、該
各基準軸2に嵌入可能な嵌入治具3とで構成される。こ
の嵌入治具3は、各プーリ55〜57の基準軸2に夫々
嵌入する基準穴7と、各基準穴7を所定配置で一体にす
る連結部材5と、テンションプーリ56の基準軸2を軸
間距離の変更方向で基準穴7に嵌入可能とする調整手段
6とでなる。そして、各基準軸2に対する、嵌入治具3
の各基準穴7の嵌入の可否によって各プーリ55〜57
のアライメントを確認・調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一個のプーリが他
のプーリに対して軸間距離を変更可能にして配置された
複数のプーリに対するアライメントを確認・調整するた
めのアライメント調整治具に関する。
【0002】
【従来の技術】ベルト伝動装置に用いられるベルトは、
耐久性などの品質を保証することが要求される。このた
め、ベルトの耐久性などのデータを得るため走行試験が
実施される。ベルトの走行試験は、複数のプーリを有す
るベルト試験機を用いて、ベルトを各プーリに張架し、
駆動プーリを回転駆動することにより行われる。また、
ベルトの走行試験では、各プーリ相互のアライメントが
維持できないと、ベルトの異常故障(破損、損傷)が発
生し、良好な試験データを得ることができなくなる。良
好な試験データを得るため、ベルトを各プーリに張架す
る前や定期点検の時に各プーリ相互のアライメントを確
認・調整することは、ベルトの耐久性に大きく影響す
る。
【0003】従来、各プーリ相互のアライメントは、例
えば、従動プーリの端面にストレート定規を押し当て、
オペレータにより他の各プーリとストレート定規との隙
間を測定又は目視することで確認している。また、各プ
ーリ相互のアライメントは、オペレータにより、他の各
プーリを移動させて、ストレート定規との隙間をなくし
つつ押し当てることで調整している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
アライメントの確認・調整は、オペレータによる勘や経
験に大きく影響されるもので、作業が煩雑で、各プーリ
相互のアライメントを精度良く確認・調整することも困
難であった。従って、ベルト試験機のプーリ数が3以上
になると、アライメントの確認・調整も極めて困難で、
ベルト走行試験において良好な試験データを得ることが
できなくなる。また、複数のベルト試験機を用いてベル
トの耐久性などの試験データを得るとき、上述のように
オペレータによる勘や経験により、各ベルト試験機相互
におけるアライメントの確認・調整にバラツキが発生
し、これにより良好な試験データを得ることもできなく
なる。
【0005】本発明の目的は、複数のプーリ相互のアラ
イメントを、簡単な構造・作業で精度良く確認・調整で
きるアライメント調整治具を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のアライメント調
整治具(請求項1)は、一個のプーリが他のプーリに対
して軸間距離を変更可能にして配置された複数のプーリ
に対するアライメント調整するものであって、各プーリ
の端面に軸心に一致するように突出された基準軸と、各
プーリの各基準軸に夫々嵌入する基準穴と、各基準穴を
所定配置で一体にする連結部材と、一個のプーリの基準
軸を軸間距離の変更方向で前記基準穴に嵌入可能とする
調整手段とでなる治具とを用いて、各基準軸に対する、
治具の各基準穴の嵌入の可否によって前記他のプーリの
アライメントを調整するものである。アライメントの確
認は、オペレータにより治具の各基準穴を各プーリの基
準軸に嵌入し、その嵌入の可否をチェックすることで行
う。この嵌入において、全ての基準穴を各基準軸に嵌入
できないと、1以上のプーリが相互に傾いており、これ
によりアライメントを確認する。そして、1以上のプー
リが傾いている(ミスアライメン)と、各プーリを相互
の傾きをなくすように移動し、再び、治具の各基準穴を
各プーリの基準軸に嵌入し、その嵌入の可否をチェック
することで、アライメントを確認する。このアライメン
トの確認を繰り返すことにより、各プーリ相互のアライ
メントを調整する。また、調整手段により一個のプーリ
の基準軸を、軸間距離の変更方向で基準穴に嵌入可能と
しているので、アライメント調整のため各プーリを移動
しても、再度、治具の各基準穴を各プーリの基準軸に嵌
入して、アライメンを調整することができる。さらに、
一個のプーリの基準軸を、軸間距離の変更方向で基準穴
に嵌入可能とすると、同じレイアウトのプーリ群の相互
のみならず、例えば、一個のプーリのみ軸間距離の方向
にずれている類似のプーリ群に対しても、1つの治具に
よりアライメントを確認・調整することができる。
【0007】本発明となるアライメント調整治具(請求
項2)では、基準穴の基準軸に対面する面が、各プーリ
の端面に当接するように、基準平面を形成しているもの
である。アライメントの確認は、オペレータにより治具
の各基準穴を各プーリの基準軸に嵌入した後、各基準穴
の基準平面を各プーリの端面に当接し、その当接の可否
をチェックすることで行う。この当接において、全ての
基準穴の基準平面を各プーリの端面に当接できないと、
1以上のプーリが相互に軸心方向にずれており、これに
よりアライメントを確認する。そして、1以上のプーリ
がずれている(ミスアライメント)と、各プーリを相互
のずれをなくすように移動し、再び、基準穴の基準平面
を各プーリの端面に当接し、その当接の可否をチェック
することで、アライメントを確認する。このアライメン
トの確認を繰り返すことにより、各プーリ相互のアライ
メントを調整する。
【0008】本発明となるアライメント調整治具(請求
項3)では、調整手段は、一個のプーリの基準軸に嵌入
する基準穴を、軸間距離の変更方向に移動代が形成され
た長穴として構成したものである。調整手段となる基準
穴を長穴とすると、アライメント調整のため各プーリを
移動しても、その移動が軸間距離の変更方向への移動代
の範囲内であれば、再度、治具の各基準穴を各プーリの
基準軸に嵌入でき、これによりアライメンを確認・調整
することが可能となる。また、同じレイアウトのプーリ
群の相互のみならず、例えば、一個のプーリのみが長穴
の移動代の範囲内で軸間距離の変更方向にずれている類
似レイアウトのプーリ群の相互においても、一個のプー
リの基準軸を長穴に嵌入できるので、1つの治具を用い
て、各プーリ群のアライメントを確認・調整することが
可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のアライメント調整治具に
ついて、図1〜図8を参照して説明する。なお、本発明
のアライメント調整治具については、ベルト試験機に適
用した例について説明する。
【0010】図1及び図2には、アライメント調整治具
1を、ベルトの走行試験を行うベルト試験機51に適用
した例を示す。図1及び図2において、べルト試験機5
1は、複数本のシャフト52〜54と、各シャフト52
〜54に装着されるプーリ55〜57等を備えて構成さ
れる。
【0011】複数本のシャフトは、駆動シャフト52
と、2本の従動シャフト53,54とで構成され、従動
シャフト54を他の各シャフト52,53の間に配置し
てなる。各シャフト52〜54は、相互に並列されて、
軸受59を有する複数のブラケット60により試験機本
体58に回転可能に軸支されている。これら各シャフト
52〜54の先端側は、試験機本体58から外部に突出
されている。また、駆動シャフト52は、駆動モータM
に連結され、該駆動モータMの駆動により回転される。
従動シャフト53は、移動機構Yに連結され、該移動機
構Yにより各シャフト52,54に対する軸間距離を変
更するように移動される。また、従動シャフト53は、
ブレーキ装置Bに連結されている。
【0012】複数のプーリは、駆動プーリ55、テンシ
ョンプーリ56及び案内プーリ57とで構成される。駆
動プーリ55は、駆動シャフト52の先端側に装着さ
れ、テンションプーリ56及び案内プーリ57も各シャ
フト53,54の先端側に装着されている。各プーリ5
5〜57は、各シャフト52〜54の先端側に設けられ
るワッシャー61、ボルト62により抜け止めされてい
る。
【0013】ベルト試験機51は、各プーリ55〜57
にベルト63を架けた後、移動機構Yにより従動シャフ
ト53を移動して、各プーリ55,57に対するテンシ
ョンプーリ56の軸間距離を変更することにより、ベル
ト63に張力を付与する。続いて、駆動モータMを駆動
して、駆動シャフト52及び駆動プーリ55を回転する
ことによりベルト63を各プーリ55〜57の間で走行
させる。なお、ベルト試験機51では、ベルト63の走
行中に、該ベルト63の状態、例えばベルト張力等を検
出する各種の検出機器を備えている。
【0014】アライメント調整治具1は、各プーリ55
〜57の端面Bに夫々設けられた基準軸2と、各基準軸
2に嵌入する嵌入治具3とを備えて構成される。
【0015】複数の基準軸2は、ワッシャー61及びボ
ルト62を収納する円筒状に形成し、各プーリ55〜5
7の軸心に一致するように配置される。これら各基準軸
2は、各プーリ55〜57の端面Bに直交して、試験機
本体58と反対側に突出されている。
【0016】嵌入治具3は、各基準軸2の夫々に嵌入す
るブッシュ4と、各ブッシュ4を一体にする連結部材5
と、テンションプーリ56の基準軸2を軸間距離の変更
方向でブッシュ4に嵌入可能とする調整手段6とでな
る。
【0017】複数のブッシュ4は、基準軸2に嵌入する
ための基準穴7を有し、該基準穴7は嵌入する基準軸2
と所定の嵌め合い公差をもって形成されている。また、
ブッシュ4の先端には、各プーリ55〜57の端面Bに
当接される基準平面Cを有している。この基準平面C
は、各プーリ55〜57の端面Bに平行となるように形
成されている。
【0018】連結部材5は、各ブッシュ4を各プーリ5
5〜57のレイアウトに対応して配置し、該各ブッシュ
4を複数の連結材8により一体に連結している〔図2参
照〕。また、連結部材5は、各ブッシュ4を並列して各
連結材8に直交するように突出させている。この連結材
8に対する各ブッシュ4の突出量は、各ブッシュ4を各
基準軸2の夫々に嵌入し、該各ブッシュ4の基準平面C
を隙間なく各プーリ55〜57の端面Bに当接させたと
き、各プーリ55〜57に架けられたベルト63の幅中
心aを相互に一致させるものとする〔図4参照〕。ま
た、調整手段6は、テンションプーリ56の基準軸2に
嵌入する基準穴7を、上記軸間距離の変更方向に移動代
が形成された基準長穴9として構成されている。なお、
軸間距離の変更方向とは、従動シャフト53の軸方向に
直交して、ベルト63の走行する方向である。
【0019】次に、本発明のアラメント調整治具1を用
いた、各プーリ55〜57相互のアライメントを確認・
調整する手順を、図1〜図4により説明する。なお、ア
ライメント調整治具1では、各プーリ55〜57相互が
傾いているか否かのアライメント(以下、「傾きアライ
メント」)と、各プーリ55〜57相互が軸心にずれて
いるか否かのアライメント(以下、「ずれアライメン
ト」)について説明する。
【0020】各プーリ55〜57相互のアライメントを
確認・調整するため、ベルト試験機51をベルト走行試
験の開始状態とする。このベルト走行試験の開始状態
は、各シャフト52〜54を試験機本体58に軸支し、
各プーリ55〜57にベルト63を架けた後、移動機構
Yにて従動シャフト53及びテンションプーリ56を軸
間距離の変更する方向へ移動することにより、ベルト6
3に張力を付与する。
【0021】ベルト試験機51をベルト走行試験の開始
状態とした後、ベルト試験機51の各プーリ55〜57
相互の傾きアライメントを確認し、必要に応じて傾きア
ライメントを調整する。オペレータにより、嵌入治具3
の各基準穴7を、一斉に各プーリ55〜57の基準軸2
に嵌入し、その嵌入の可否をチェックする。この嵌入に
おいて、全ての基準穴7を各基準軸2に嵌入できない
と、少なくも1以上のプーリ55〜57(シャフト52
〜54)は相互に傾いており、ミスアライメントとなっ
ている〔図3(a)参照〕。これに対して、全ての基準
穴7が各基準軸2に嵌入できると、各プーリ55〜57
(シャフト52〜54)は相互に並列しており、傾きア
ライメントが維持されている〔図4参照〕。
【0022】このように、オペレータにより、各基準穴
7と各基準軸2との嵌入の可否をチェックするという、
簡単な作業により、各プーリ55〜57相互の傾きアラ
イメントを確認できる。また、各基準穴7と各基準軸2
との嵌入の可否をチェックするだけなので、オペレータ
の勘や経験に影響されずに、精度良く傾きアライメント
を確認できる。
【0023】そして、各プーリ55〜57が相互に傾
き、ミスアライメントとなっていると、各プーリ55〜
57相互の傾きアライメントを確認しながら調整する。
オペレータは、上述の傾きアライメントを確認した結果
から、各プーリ55〜57(各シャフト52〜54)を
相互の傾きをなくすように移動させる。再び、オペレー
タにより、嵌入治具3の各基準穴7を各プーリ55〜5
7の基準軸2に嵌入し、その嵌入の可否をチェックする
ことにより、各プーリ55〜57相互の傾きアライメン
トを確認する。このとき、全ての基準穴7を各基準軸8
に嵌入できると、各プーリ55〜57は相互に並列して
おり、これにより傾きアライメントを調整する〔図4参
照〕。このように、嵌入治具3の各基準穴7と各基準軸
2との嵌入の可否を繰り返しチェックすることにより、
各プーリ55〜57相互の傾きアライメントを調整する
ことができる。
【0024】各プーリ55〜57相互の傾きアライメン
トを確認・調整した後、ずれアライメントを確認し、必
要に応じてずれアライメントを調整する。オペレータに
より、嵌入治具3の各基準穴7を各基準軸2に嵌入した
後、嵌入治具3を試験機本体58側へ押し込むことで、
各ブッシュ4(基準穴7)の基準平面Cを各プーリ55
〜57の端面Bに当接し、その当接の可否をチェックす
る。この当接において、全てのブッシュ4の基準平面C
を各プーリ55〜57の端面Bに当接できないと、少な
くも1以上のプーリ55〜57(シャフト52〜54)
は相互に軸心方向へずれており、ミスアライメントとな
っている〔図3(b)参照〕。これに対して、全てのブ
ッシュ4の基準平面Cを各プーリ55〜57の端部Bに
当接できると、各プーリ55〜57(シャフト52〜5
4)は相互に並列しており、ずれアライメントが維持さ
れている〔図4参照〕。
【0025】このように、オペレータにより、各ブッシ
ュ4の基準平面Cと各プーリ55〜57の端面Bとの当
接の可否をチェックするという、簡単な作業により、各
プーリ55〜57相互のずれアライメントを確認でき
る。また、各ブッシュ4の基準平面Cと各プーリ55〜
57の端面Bとの当接の可否をチェックするだけなの
で、オペレータの勘や経験に影響されずに、精度良くず
れアライメントを確認できる。
【0026】そして、各プーリ55〜57が相互に軸心
方向にずれ、ミスアライメントとなっていると、各プー
リ55〜57相互のずれアライメントを確認しながら調
整する。オペレータは、上述のずれアライメントを確認
した結果から、各プーリ55〜57(各シャフト52〜
54)を相互の軸心方向のずれをなくすように移動させ
る。再び、オペレータにより、嵌入治具3の各基準穴7
を各プーリ55〜57の基準軸2に嵌入し、各ブッシュ
4の基準平面Cと各プーリ55〜57の端面Bとの当接
の可否をチェックすることにより、各プーリ55〜57
相互のずれアライメントを確認する。このとき、全ての
ブッシュ4の基準平面Cを各プーリ55〜57の端面B
に当接できると、各プーリ55〜57は相互に並列して
おり、これによりずれアライメントを調整する〔図4参
照〕。このように、各ブッシュ4の基準平面Cと各プー
リ55〜57の端面Bとの当接の可否を繰り返しチェッ
クすることにより、各プーリ55〜57相互のずれアラ
イメントを調整することができる。
【0027】本発明のアライメント調整治具1によれ
ば、オペレータにより、嵌入治具3の各基準穴7を各プ
ーリ55〜57の基準軸2に嵌入し、その嵌入の可否、
及び各ブッシュ4の基準平面Cと各プーリ55〜57の
端面Bとの当接の可否をチェックするという、簡単な作
業により、各プーリ55〜57相互のアライメントを確
認・調整することができる。この結果、ベルト試験機5
1におけるベルト走行試験中に、ミスアライメントに起
因するベルト63の故障等を誘発させることなく、良好
な試験データを得ることが可能となる。また、基準穴7
を有する複数のブッシュ4を連結部材5で連結し、各プ
ーリ55〜57に基準軸2を設けるという、簡単な構造
により、各プーリ55〜57相互のアライメントを確認
できる。さらに、アライメントの確認・調整を簡単な作
業で行えるので、ベルト試験機51によるベルト走行試
験中に、定期的、任意的に短時間でアライメントの確認
・調整を行うことができ、これによりベルト試験機51
にて良好な試験データを得ることも可能となる。
【0028】本発明のアライメント調整治具1では、テ
ンションプーリ56の基準軸2に嵌入する基準穴7を、
上記軸間距離の変更方向に移動代を形成した基準長穴9
(調整手段)としている。調整手段6を基準長穴9とす
ると、上述のように、各プーリ55〜57相互のアライ
メンを調整するため、各プーリ55〜57(各シャフト
52〜54)を移動しても、その移動が基準長穴9の移
動代の範囲内であれば、再び、嵌入治具3の各基準穴7
を各基準軸2に嵌入でき、これにより各プーリ55〜5
7相互のアライメントを確認しながらその調整もするこ
とが可能となる。
【0029】また、調整手段6を基準長穴9とすると、
各種のベルト試験機51相互において、1つの嵌入治具
3のみを用いてアライメントを確認・調整できる。具体
的には、同じレイアウトのプーリ55〜57を有するベ
ルト試験機51の複数相互のみならず、例えば、テンシ
ョンプーリ56のみを基準長穴2の移動代の範囲内で軸
間距離の変更方向へずらした類似レイアウトのベルト試
験機51の複数相互においても、基準長穴9をいずれの
ベルト試験機51のテンションプーリ56の基準軸2に
嵌入できるので、1つの嵌入治具3を用いて各プーリ5
5〜57相互のアライメントを確認・調整できる。な
お、各ベルト試験機51の相互には、同様な基準軸を各
プーリ55〜57に設ける。したがって、同種のベルト
試験機51を複数用いてベルト走行試験をするとき、又
類似レイアウトのベルト試験機51を複数用いてベルト
走行試験をするときには、1つの嵌入治具3により各ベ
ルト試験機51のアライメントを確認・調整できるの
で、各ベルト試験機51相互のアライメントのずれを低
減することが可能となる。この結果、複数のベルト試験
機51相互の試験データのバラツキをなくして、高精度
の試験データを得ることも可能となる。また、オペレー
タも1つの嵌入治具3を用いて、各ベルト試験機51の
アライメントを確認・調整できるので、その作業性を向
上させることが可能である。さらに、類似レイアウトの
ベルト試験機51ごとに、アライメント調整治具1を用
意する必要もなくなる。
【0030】本発明のアライメント調整治具1では、各
ブッシュ4(基準穴7)を連結部材5により一体に連結
しているので、オペレータによる一回の作業により、各
基準穴7を一斉に各プーリ55〜57の基準軸2に嵌入
でき、アライメントの確認・調整の作業性を向上するこ
とが可能となる。また、嵌入治具3の各基準穴7と、各
プーリ55〜57の基準軸3との嵌め合い公差を適宜選
択することで、各プーリ55〜57相互のアライメント
の確認・調整の精度を最適なものにできる。即ち、嵌め
合い公差を厳しくすると、各基準穴8と各基準軸2との
嵌入を厳しくでき、これによりアライメントの確認・調
整の精度を高められる。
【0031】次に、本発明のアライメント調整治具の変
形例を、図5〜図8により説明する。なお、図5〜図8
において、図1〜図4と同一符号は同一部材を示す。
【0032】図5〜図7では、調整手段6の変形例を示
している。この調整手段6は、連結材8をガイドレール
とし、該ガイドレールに沿ってスライドするスライダ2
1を備えている。ガイドレールとなる連結材8は、上記
軸間距離の変更方向に延びている。スライダ21は、ガ
イドレールとなる連結材8を覆って嵌挿されている。ま
た、スライダ21の端面Eには、テンションプーリ56
の基準軸2に嵌入されるブッシュ4が設けられている。
なお、ブッシュ4は、テンションプーリ56に対面する
側のスライダ21端面Eのみに設けることもできる。こ
のアライメント調整治具1では、図1〜図4と同様な手
順にて、各プーリ55〜57相互のアライメントを確認
・調整できる。また、スライダ21によりブッシュ4
を、軸間方向へ移動することにより、図1〜図4の基準
長穴9と同様な機能を得ることができる。即ち、スライ
ダ21の移動により、上記類似のレイアウトのベルト試
験機51の複数相互に対応して、スライダ21のブッシ
ュ4の基準穴7をテンションプーリ56の基準軸2に嵌
入でき、これにより各ベルト試験機51相互のアライメ
ントを確認・調整することが可能となる。
【0033】図8には、4以上の複数のプーリを有する
ベルト試験81に対する、アライメント調整治具31を
示している。
【0034】ベルト試験機81の複数のプーリは、駆動
プーリ71、3つの従動プーリ72〜74及び4つの案
内プーリ75とで構成され、駆動プーリ71と各従動プ
ーリ72〜74を十字状に配置してなる。各従動プーリ
72〜74のうち1つのプーリをテンションプーリ72
とし、該テンションプーリ72はウエイト(重り)Wに
より移動可能にされている。また、各案内プーリ75
は、駆動プーリ71と従動プーリ72〜74との間に夫
々配置されている。各プーリ71〜75の間には、ベル
ト63が架けられている。
【0035】アライメント調整治具31は、図1及び図
2と同様に、各プーリ71〜75の基準軸2と、各基準
軸2の夫々に嵌入するブッシュ4と、各ブッシュ4を各
プーリ71〜75のレイアウトに対応して一体に連結す
る連結部材5とを備えている。また、テンションプーリ
72の基準軸2に嵌入するブッシュ4の基準穴7を、基
準長穴9となしている。そして、各プーリ71〜75の
アライメント確認・調整は、図1〜図4に示したと同様
な手順で、各プーリ71〜75相互のアライメントを確
認・調整できる。また、プーリの数が多くなるにつれ
て、各プーリ71〜75相互のアライメントを確認・調
整することが困難になるが、各ブッシュ4の基準穴7を
一斉に各プーリ71〜75の基準軸2に嵌入するだけ
で、各プーリ71〜75相互のアライメントを確認・調
整でき、特に、プーリの数が3以上となるものに最適で
ある。
【0036】なお、本発明のアライメント調整治具1,
31では、図1〜図8に示すものに限定されず、例え
ば、次のような形態をとることができる。 (1)ベルト試験機51,81の案内プーリ57,75
をテンションプーリとして、該案内プーリ57,75を
移動可能にしても良い。この場合、案内プーリ57,7
5の基準軸2に嵌入する基準穴7を、基準長穴9とし又
はスライダ21によりスライド可能とする。 (2)また、プーリの数やレイアウトは、図1〜図8の
もに限定されるものでなく、アライメント調整治具1,
31のブッシュ4(基準穴7)の数やレイアウトを適宜
変更することにより、種々のもに適用することもでき
る。 (3)アライメント調整治具1,31の適用例としてベ
ルト試験機51,81について説明したが、例えば、自
動車のベルト伝動装置に適用することもできる。自動車
のベルト伝動装置としては、エンジンの動力をプーリ、
ファーンベルトによりファンに伝動するものがある。そ
して、アライメント調整治具を、エンジン及びファンの
プーリのレイアウトに対応したものとすると、各プーリ
のアライメントを調整しながら、エンジン及びファンを
自動車の車体に固定することができる。 (4)プーリとしては、Vプーリ、歯付プーリ、Vリブ
ドプーリ等が用いられ、ベルトとしては、Vベルト、歯
付ベルト、Vリブドベルト等が用いられる。
【0037】
【発明の効果】本発明のアライメント調整治具によれ
ば、オペレータにより、治具の各基準穴を各プーリの基
準軸に嵌入し、その嵌入の可否、及び各ブッシュの基準
平面と各プーリの端面との当接の可否をチェックすると
いう、簡単な作業にて、オペレータの勘や経験に影響さ
れすことなく、各プーリ相互のアライメントを確認・調
整することができる。この結果、例えは、ベルト試験に
おけるベルト走行試験中に、ミスアライメントに起因す
るベルトの故障等を誘発させることなく、良好な試験デ
ータを得ることが可能となる。
【0038】また、本発明のアライメント調整治具で
は、調整手段を長穴としているので、類似レイアウトの
プーリ群を有するのベルト試験機の複数相互において、
1つの治具のみを用いてアライメントを確認・調整でき
る。この結果、複数のベルト試験機相互の試験データの
バラツキをなくして、高精度の試験データを得ることが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアライメント調整治具、及びベルト試
験機の構成を示す上断面図である。
【図2】図1のA−Aから見た矢視図である。
【図3】本発明のアライメント調整治具によるアライメ
ントの確認・調整の手順を示す要部拡大図である。
【図4】本発明のアライメント調整治具によるアライメ
ントの確認・調整の手順を示す上断面図である。
【図5】本発明のアライメント調整治具の変形例を示す
上断面図である。
【図6】図5のD−Dから見た矢視図である。
【図7】図6のF−Fから見た矢視図である。
【図8】本発明のアライメント調整治具の変形例を示す
模式図である。
【符号の説明】
1,31 アライメント調整治具 2 基準軸 3 嵌入治具 4 ブッシュ 5 連結部材 6 調整手段 7 基準穴 8 連結材 9 基準長穴 51,81 ベルト試験機 55 駆動プーリ 56 テンションプーリ 57 案内プーリ B 各プーリの端面 C 各ブッシュの基準平面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一個のプーリが他のプーリに対して軸間
    距離を変更可能にして配置された複数のプーリに対する
    アライメント調整治具であって、 前記各プーリの端面に軸心に一致するように突出された
    基準軸と、 前記各プーリの各基準軸に夫々嵌入する基準穴と、前記
    各基準穴を所定配置で一体にする連結部材と、前記一個
    のプーリの基準軸を前記軸間距離の変更方向で前記基準
    穴に嵌入可能とする調整手段とでなる治具と、を用い
    て、 前記各基準軸に対する、前記治具の各基準穴の嵌入の可
    否によって前記他のプーリのアライメントを調整するこ
    とを特徴とするアライメント調整治具。
  2. 【請求項2】 前記基準穴の前記基準軸に対面する面
    が、前記各プーリの端面に当接するように、基準平面を
    形成していることを特徴とする請求項1に記載のアライ
    メント調整治具。
  3. 【請求項3】 前記調整手段は、前記一個のプーリの基
    準軸に嵌入する基準穴を、前記軸間距離の変更方向に移
    動代が形成された長穴として構成したことを特徴とする
    請求項1又は請求項2に記載のアライメント調整治具。
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