JP2001343051A - 動力伝達用無端ベルト - Google Patents

動力伝達用無端ベルト

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JP2001343051A JP2001031882A JP2001031882A JP2001343051A JP 2001343051 A JP2001343051 A JP 2001343051A JP 2001031882 A JP2001031882 A JP 2001031882A JP 2001031882 A JP2001031882 A JP 2001031882A JP 2001343051 A JP2001343051 A JP 2001343051A
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Hirofumi Tani
裕文 谷
Ichiro Taruya
一郎 樽谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】金属ブロック間に間隙が生じることによって発
生する最内層金属フープの耐久性低下を防止する。 【解決手段】無端キャリア10の最内層金属フープと多
数の金属ブロック14の肩部20のサドル面との間に、
張力の作用しない有端帯状部材22を最内層フープの略
全周に渡って介在する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動力伝達用無端ベ
ルトに係り、特に、最内層金属フープの耐久性を向上さ
せた動力伝達用無端ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】無段変
速機(CVT)には、図1に示すように、帯状の複数枚
の金属フープ(金属リング)を積層して構成した一対の
無端キャリア10と、首部11を挟んで形成された一対
の横溝12を備え、横溝の各々に無端キャリア10の各
々を挿通させて掛け渡すことにより無端キャリア10の
周方向に互いに隣接して隙間なく配置された数百個の金
属ブロック14と、で構成された動力伝達用無端ベルト
が用いられている。この無端ベルトは、駆動プーリおよ
び従動プーリ間に掛け渡されて駆動プーリから従動プー
リに動力を伝達する。金属ブロック14の横溝12を形
成することによって形成された肩部20には、上方に円
弧状に突出するクラウニングが施されたサドル面16が
形成されている。このため、このサドル面16に当接す
る最内層金属フープとの間に作用する摩擦力で、最内層
金属フープをサドル面上の中心位置に位置させることが
できる(センタリング)。また、2層目以降の複数枚の
金属フープも各金属フープが当接する内側の金属フープ
が湾曲することによって順次センタリングされる。しか
しながら、最内層金属フープと金属ブロックのサドル面
との摩擦係数や2層目以降の金属フープ間の摩擦係数が
小さいとセンタリングが充分行えなくなる、という問題
がある。
【0003】この問題を解決するために特開平11−1
17998号公報には、最内層金属フープと金属ブロッ
クのサドル面との摩擦係数と、2層目以降の金属フープ
間の摩擦係数との比が、2.0より小さく、かつ0.6
5より大きくなるようにした無段変速機用動力伝達用無
端ベルトが記載されている。
【0004】また、このCVTの動力伝達用無端ベルト
では、油圧により金属ブロックを挟持する従動側プーリ
から金属ブロックが離れる際に、ブロックが慣性力によ
り回転運動を継続しようとするため、ブロックの横溝の
上側面18が無端キャリア10の最外層金属フープに衝
突し、無端キャリアの張力とこの衝突との相乗作用で無
端キャリアの最外層金属フープが磨耗する、という問題
がある。
【0005】この問題を解決するために、特開平4−3
21845公報には、無端キャリアの最外層金属フープ
を張力が作用しない環状金属帯で構成するか、または、
無端キャリアの最外層金属フープに弾性部材を取り付け
ることが記載されている。これにより、ブロックがプー
リから離れる際にプーリが無端ベルトに衝突しても最外
層金属フープが磨耗するのが防止される。
【0006】一方、無端ベルトを構成する金属ブロック
は、図2に示すように、下端側がテーパ状に形成されか
つ中間部が厚さtの金属で構成され、無端キャリア10
との接触点Bと厚さのテーパ開始点(ロッキングエッ
ジ)AとにΔr=1mm程度の距離が設けられている。
このため、定常状態では、プーリの周上に配列された金
属ブロックは、ロッキングエッジAのみで接触し、図2
の円Cで示すように、接触点Bは隣合う金属ブロックか
ら所定距離離れることになる。従って、駆動プーリの有
効半径をr1、回転角速度をω1、従動プーリの有効半径
をr2、回転角速度をω2とすると、ロッキングエッジA
は一定速度r1ω1=r2ω2で移動するが接触点Bの速度
は不連続となり、駆動プーリ上では(r1+Δr)ω1
無端ベルトの直線部ではr1ω1=r2ω2、従動プーリ上
では(r2+Δr)ω2となる。このため、CVTの無端
ベルトによる伝達では、無端キャリアと金属ブロックと
が少なくとも一方のプーリ上で相対的に摺動する。この
ため、無端キャリアの最内層金属フープが磨耗し、最内
層金属フープの耐久性が低下する、という問題がある。
【0007】上記の特開平11−117998号公報に
記載の技術において、金属ブロックのサドル面と最内層
金属フープ間の摩擦係数を2層目以降の金属フープ間の
摩擦係数と同等に大幅に低減できれば、最内層金属フー
プの摩擦力による張力が低減するので、最内層金属フー
プの耐久性を向上することができる。しかしながら、図
2で説明したように、プーリの周上では金属ブロックの
接触点Bが所定距離離れて隣り合う金属ブロックの肩部
間に溝が形成され、金属ブロックが不連続に略多角形状
に配列されることになるため(ブロックの多角形効
果)、金属ブロック間で局所的な油膜切れが発生し、金
属フープの表面性状により金属ブロックのサドル面と最
内層金属フープ間の摩擦係数を大幅に低減することは困
難である。
【0008】また、金属ブロックのサドル面と最内層金
属フープ間の摩擦係数を大幅に低減できたとしても、長
期使用による金属フープ等の表面性状の変化や、潤滑油
の劣化や温度による特性変化等により、摩擦係数を最適
値に保持することは困難である。また、摩擦係数を低減
し過ぎるとセンタリングが不良になり、無端キャリアが
金属ブロックの首部に接触して磨耗するため耐久性が低
下する、という問題が発生する。
【0009】さらに、プーリの周上ではブロックの多角
形効果により隣り合う金属ブロック間に隙間が形成され
るので、最内層金属フープは、プーリの巻き付け径から
受ける曲げ応力以上の曲げ応力を受ける。この曲げ応力
の増加も最内層金属フープの破断の原因となっているが
(例えば、特開平10−311378号公報)、最内層
金属フープと金属ブロックのサドル面とが直接接触する
上記従来の技術では、曲げ応力の増加による金属フープ
の破断を解決することができなかった。
【0010】なお、特開平4−321845公報に記載
の技術は、最外層フープの磨耗に起因する破断防止には
効果があるが、最外層金属フープより無端ベルトの耐久
性に関して影響が大きい最内層金属フープの破断防止に
は何ら効果はない。
【0011】また、特開平11−351334号公報に
は、最内層フープと最外層フープとを耐磨耗性が高い材
料、中間層を引っ張りに強い材料で構成し、最内層フー
プ及び最外層フープのヤング率を中間フープに比較して
低くすることが記載されている。この技術では、最内層
フープ及び最外層フープは、中間層フープより伸び易い
ため張力が低下し、主として磨耗防止の役割を行い、中
間層フープは、最内層フープ及び最外層フープより伸び
難いため、主として張力を受け持つ役割を行う。
【0012】しかしながら、最内層フープが摺動する相
手は、不連続で面取りのあるブロック肩部のサドル面で
あるので、摩擦力により発生する最内層フープの張力を
低減することはできない。また、プーリ内のブロックの
多角形効果は、最内層フープが受けることになるため、
最内層フープに作用する曲げ応力を低減させることはで
きない。
【0013】また、特開昭62−155351号公報に
は、比較的低ヤング率のチタンまたはチタン合金でフー
プを構成することが記載されている。
【0014】本発明は上記問題点を解消するためになさ
れたもので、金属ブロック間に間隙が生じることによっ
て発生する最内層金属フープの耐久性低下を防止した動
力伝達用無端ベルトを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、複数枚の帯状のフープを積層して構成し
た無端キャリアと、各々が肩部を形成する横溝を有し、
該横溝に前記無端キャリアが挿通されて前記無端キャリ
アの周方向に互いに隣接して隙間なく配置された多数の
ブロックと、を含む動力伝達用無端ベルトであって、前
記無端キャリアの最内層フープと前記多数のブロックの
肩部との間に、少なくとも1つの自由端を備えた少なく
とも1つの有端帯状部材を、前記無端キャリアの最内層
フープに対して相対移動可能に該最内層フープの略全周
に渡って介在させたものである。
【0016】本発明では、無端キャリアの最内層フープ
とブロック肩部との間に、無端キャリアの最内層フープ
に対して相対移動可能に有端帯状部材を介在させたの
で、無端キャリアの最内層フープとブロック肩部とが直
接接触することはなく、最内層フープは有端帯状部材に
対して摺動する。
【0017】また、有端帯状部材は少なくとも1つの自
由端を備えているので、有端帯状部材に摩擦力が作用し
ても有端帯状部材には張力は作用せず、無端キャリアの
最内層フープと多数のブロックの肩部との間に、張力が
作用しない有端帯状部材が、無端キャリアの最内層フー
プに対して相対移動可能に最内層フープの略全周に渡っ
て介在される。
【0018】これによって、摩擦力によって発生する最
内層フープの張力が低減し、最内層フープの負担を低減
することができる。
【0019】また、最内層フープに作用するブロックの
多角形効果の影響を小さくすることができ、最内層フー
プに発生する曲げ応力を低減することができる。これに
よって、最内層フープが破断しずらくなり、無端ベルト
の耐久性を向上させることができる。
【0020】本発明では、最内層フープとブロックの肩
部との摺動を防止して、摩擦力によって発生する最内層
フープに作用する摩擦力を低減することによって、無端
ベルトの最内層フープに作用する過大な張力を低減する
ことが可能であり、無端ベルトの耐久性を向上すること
ができる。
【0021】本発明では、有端帯状部材を、前記ブロッ
クの肩部の1つに固定することができる。これにより、
無端キャリア10の脱落や無端キャリア10に張力が作
用しないことによるセンタリング不良を防止できる。
【0022】また、本発明においては、前記無端キャリ
アの最内層フープと前記多数のブロックの肩部との間
に、前記有端帯状部材に代えて、ヤング率が最内層フー
プのヤング率より小さい、あるいは断面積が最内層フー
プの断面積より小さい無端帯状部材を介在させてもよ
い。無端帯状部材のヤング率あるいは断面積は、無端キ
ャリアのヤング率あるいは断面積の略1/2以下かつ1
/10以上の範囲内の値が好ましい。この範囲外の値に
なると、無端帯状部材の耐久性が低下するので好ましく
ない。
【0023】これによって、無端キャリアとブロック肩
部との間に、ヤング率が最内層フープのヤング率より小
さい(好ましくは大幅に小さい)あるいは断面積が最内
層フープの断面積より小さい(好ましくは大幅に小さ
い)、すなわち張力分担の小さい(好ましくは非常に小
さい)無端帯状部材が介在され、ブロック肩部と最内層
フープとが直接接触しないようになる。すなわち、最内
層フープの摺動する相手が不連続で面取りのあるブロッ
ク肩部のサドル面から無端帯状部材になるため、摩擦力
により発生する最内層フープの張力を大幅に低減させる
ことができる。
【0024】これにより、摩擦力により発生する最内層
フープの張力が低減し、最内層フープの負担を低減する
ことができる。また、フープ各層が張力を略均等に分担
するため、高容量化を目的としたフープ枚数の増加に見
合った張力の低減を行うことができる。
【0025】また、最内層フープに作用するブロックの
多角形効果の影響を小さくすることができ、最内層フー
プに発生する曲げ応力を低減することができる。これに
よって、最内層フープが破断しずらくなり、無端ベルト
の耐久性を向上させることができる。
【0026】本発明では、有端帯状部材または無端帯状
部材を、前記多数のブロックの各ロッキングエッジを連
ねた位置または該位置の近傍に配置することができる。
これにより、固定部材によって有端帯状部材が固定され
た金属ブロックの動きの妨げが抑制されると共に、有端
帯状部材の弛みの発生を抑制することができる。さら
に、摩擦係数の大きな金属ブロックとの摺動による摩擦
損失が低減するため無端ベルトの伝達効率を向上するこ
とができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。なお、以下の図において図1及び
図2と対応する部分には同一の符号を付して説明する。
【0028】本実施の形態では、図3に示すように、無
端キャリア10の最内層金属フープと多数の金属ブロッ
ク14の肩部20のサドル面との間に、張力の作用しな
い有端金属帯で構成された有端帯状部材22が最内層金
属フープの略全周に渡って介在されている。
【0029】また、無端キャリア10の脱落や無端キャ
リア10に張力が作用しないことによるセンタリング不
良を防止するため、有端帯状部材22の一端22Aが、
固定ねじや固定ピンで構成された固定部材24によっ
て、1つの金属ブロック14の肩部20のサドル面の中
心と有端帯状部材22の幅方向中心とが一致するように
固定されている。有端帯状部材22の他端22Bは固定
されることなく自由端になっている。
【0030】有端帯状部材22は、金属ブロックに固定
されているので、無端キャリア10の最内層金属フープ
に対して相対移動可能である。
【0031】有端帯状部材22の他端22Bが自由端に
なっており、無端キャリア10が最内層金属フープに対
して相対移動可能であるので、有端帯状部材22に摩擦
力が作用しても有端帯状部材には張力が作用しない。な
お、有端帯状部材の途中を1つの金属ブロックの肩部の
サドル面に固定し、有端帯状部材の両端を自由端として
もよい。この場合においても有端帯状部材には張力は作
用しない。
【0032】有端帯状部材は、現在無端キャリアに使用
されているフープ材を使用してもよく、また、張力が作
用しないので、摩擦に対して高耐久性がある材料を使用
してもよい。
【0033】有端帯状部材をフープ材で構成すれば、最
内層金属フープとの摩擦係数が2層目以降の金属フープ
間の摩擦係数と同等の大きさに減少するため、摩擦力に
より発生する最内層金属フープの張力が、図4に示すよ
うに、従来例に比較して低減し、最内層金属フープの負
担を低減することができる。また、無端キャリアの金属
フープ各層に略均等の張力が作用するため、高容量化を
目的とした金属フープ枚数の増加に見合った張力の低減
効果を得ることができる。
【0034】図5は、プーリ上で無端ベルトが屈曲する
際に隣接する金属ブロック同士が互いに接触するロッキ
ングエッジAの位置またはロッキングエッジAの位置の
近傍に、すなわち、多数の金属ブロックの各ロッキング
エッジAを連ねた位置またはこの位置の近傍に有端帯状
部材22を位置させた他の実施の形態を示すものであ
る。
【0035】このロッキングエッジAは、無端ベルトの
直線部及び屈曲部において常に接触しており、速度が等
しくなっている。このため、ロッキングエッジAを連ね
た曲線の長さは変化しないので、有端帯状部材と金属ブ
ロック肩部のサドル面との相対滑りが無くなる。これに
より、固定部材によって有端帯状部材が固定された金属
ブロックの動きの妨げが抑制されると共に、有端帯状部
材の弛みの発生を抑制することができる。さらに、摩擦
係数の大きな金属ブロックとの摺動による摩擦損失が低
減するため無端ベルトの伝達効率を向上することができ
る。
【0036】上記では、固定ねじまたは固定ピンによっ
て有端帯状部材を固定する例について説明したが、有端
帯状部材の固定方法はこれらに限定されるものではな
い。また、上記では略ベルト全長に渡る長さの1枚の有
端帯状部材を用いる例について説明したが、最内層金属
フープと金属ブロック肩部のサドル面とが直接接触しな
ければよいので、金属ブロックの動きを妨げないよう
に、ベルト全長より短く、かつ金属ブロック間に生じる
間隙の最大幅より長い複数枚の有端帯状部材を最内層金
属フープ全周に渡って設けてもよい。
【0037】複数枚の有端帯状部材を用いる場合には、
有端帯状部材の各々を1つの金属ブロックの肩部に固定
し、有端帯状部材の一端、または両端を自由端とすれば
よい。
【0038】本実施の形態では、最内層金属フープと金
属ブロック肩部のサドル面が直接接触ないので、金属ブ
ロック肩部の不連続形状が最内層金属フープに及ぼす影
響を小さくすることができる。すなわち、プーリ内での
金属ブロック肩部の多角形効果により最内層金属フープ
に発生していた巻き付け径による曲げ応力以上の曲げ応
力が作用するのを緩和することができ、無端ベルトの耐
久性を向上することができる。
【0039】次に、図6を参照して本発明の更に他の実
施の形態を説明する。なお、図6において図1及び図2
と対応する部分には同一符号を付して説明する。本実施
の形態の無端キャリア10は、フープ材であるマレージ
ング鋼で構成された複数層の無端フープを積層して構成
されている。
【0040】無端キャリア10の最内層フープと多数の
ブロック14の肩部20との間には、ヤング率が無端キ
ャリアより極めて低い、例えば、略1/2以下の低ヤン
グ率の無端金属帯で構成された無端帯状部材30が介在
さて動力伝達用無端ベルトが構成されている。低ヤング
率の無端金属帯は、例えば、Ti−30Nb−10Ta
−5Zr(ヤング率55GPa)等の超低ヤング率合金
を用いて構成することができる。
【0041】従来例と、マレージング鋼のヤング率を1
82GPa、無端金属帯のヤング率を55GPa、無端
キャリアのフープを9層とした実施例とにおいて、軸間
力を10000N、速度比を1、ブロック−フープ(ま
たは無端帯状部材)間の摩擦係数を0.12、フープ−
フープ(または無端帯状部材)間の摩擦係数を0.09
として計算したフープ張力を図7に比較して示す。従来
例の最内層フープのフープ張力の最大値は1726Nで
あり、本実施例のフープ全層のフープ張力の最大値は1
226Nであり、本実施例の最内層フープのフープ張力
の最大値は大幅(図では29%)に低減されている。ま
た、本実施例では、フープ各層が張力を略均等に分担し
ている。
【0042】また、図6の実施の形態において、無端帯
状部材30を低ヤング率とする代わりに、無端帯状部材
30の断面積を小さくすることもできる。断面積を小さ
くする方法としては、無端帯状部材30の厚さを薄くす
る方法、幅を狭くする方法、厚さを薄くしかつ幅を狭く
する方法がある。たとえば、ヤング率を小さくした場合
と同様に、無端帯状部材30の厚みを無端キャリア10
の厚みの55/182とすることによっても、図7の下
段に示したフープ張力とほぼ同様のフープ張力を得るこ
とができる。
【0043】図6の実施の形態では、図5に示したよう
に、プーリ上で無端ベルトが屈曲する際に隣接する金属
ブロック同士が互いに接触するロッキングエッジAの位
置またはロッキングエッジAの位置の近傍に、すなわ
ち、多数の金属ブロックの各ロッキングエッジAを連ね
た位置またはこの位置の近傍に無端帯状部材30を位置
させてもよい。
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、無
端キャリアの最内層フープと多数のブロックの肩部との
間に、少なくとも1つの自由端を備えた少なくとも1つ
の有端帯状部材、すなわち張力が作用しない有端帯状部
材を、最内層フープの略全周に渡って介在させるか、ま
たは無端キャリアの最内層フープと多数のブロックの肩
部との間に、ヤング率が最内層フープのヤング率より小
さいあるいは断面 積が最内層フープの断面積より小さ
い無端帯状部材を介在させたので、金属ブロック間に間
隙が生じることによって発生する最内層金属フープの耐
久性低下を防止することができる、という効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の動力伝達用無端ベルトの一部を示す斜視
図である。
【図2】従来の動力伝達用無端ベルトのブロックによる
多角形効果を示す概略図である。
【図3】本発明の実施の形態を断面で示す部分図であ
る。
【図4】本実施の形態と従来例とのプーリ巻き付け角と
最内層金属フープの張力との関係を示す線図である。
【図5】本発明の他の実施の形態を断面で示す部分図で
ある。
【図6】本発明の更に他の実施の形態を断面で示す部分
図である。
【図7】本発明の実施例と従来例とのフープ張力の計算
例を比較して示す線図である。
【符号の説明】 10 無端キャリア 14 金属ブロック 22 有端帯状部材 30 無端帯状部材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数枚の帯状のフープを積層して構成した
    無端キャリアと、各々が肩部を形成する横溝を有し、該
    横溝に前記無端キャリアが挿通されて前記無端キャリア
    の周方向に互いに隣接して隙間なく配置された多数のブ
    ロックと、を含む動力伝達用無端ベルトであって、 前記無端キャリアの最内層フープと前記多数のブロック
    の肩部との間に、少なくとも1つの自由端を備えた少な
    くとも1つの有端帯状部材を、前記無端キャリアの最内
    層フープに対して相対移動可能に該最内層フープの略全
    周に渡って介在させた動力伝達用無端ベルト。
  2. 【請求項2】複数枚の帯状のフープを積層して構成した
    無端キャリアと、各々が肩部を形成する横溝を有し、該
    横溝に前記無端キャリアが挿通されて前記無端キャリア
    の周方向に互いに隣接して隙間なく配置された多数のブ
    ロックと、を含む動力伝達用無端ベルトであって、 前記無端キャリアの最内層フープと前記多数のブロック
    の肩部との間に、張力が作用しない有端帯状部材を、前
    記無端キャリアの最内層フープに対して相対移動可能に
    該最内層フープの略全周に渡って介在させた動力伝達用
    無端ベルト。
  3. 【請求項3】前記有端帯状部材を、前記ブロックの1つ
    の肩部に固定した請求項1または請求項2に記載の動力
    伝達用無端ベルト。
  4. 【請求項4】前記有端帯状部材を、前記多数のブロック
    の各ロッキングエッジを連ねた位置または該位置の近傍
    に配置した請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の動
    力伝達用無端ベルト。
  5. 【請求項5】複数枚の帯状のフープを積層して構成した
    無端キャリアと、各々が肩部を形成する横溝を有し、該
    横溝に前記無端キャリアが挿通されて前記無端キャリア
    の周方向に互いに隣接して隙間なく配置された多数のブ
    ロックと、を含む動力伝達用無端ベルトであって、 前記無端キャリアの最内層フープと前記多数のブロック
    の肩部との間に、ヤング率が最内層フープのヤング率よ
    り小さいあるいは断面積が最内層フープの断面積より小
    さい無端帯状部材を介在させた動力伝達用無端ベルト。
  6. 【請求項6】前記無端帯状部材を、前記多数のブロック
    の各ロッキングエッジを連ねた位置または該位置の近傍
    に配置した請求項5に記載の動力伝達用無端ベルト。
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