JP2001342455A - 硬脆材料用精密研磨組成物 - Google Patents

硬脆材料用精密研磨組成物

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JP2001342455A
JP2001342455A JP2000161531A JP2000161531A JP2001342455A JP 2001342455 A JP2001342455 A JP 2001342455A JP 2000161531 A JP2000161531 A JP 2000161531A JP 2000161531 A JP2000161531 A JP 2000161531A JP 2001342455 A JP2001342455 A JP 2001342455A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬脆材料の精密研磨加工に用いられて、硬脆
材料の表面を高精度に研磨せしめることが出来ると共
に、優れた研磨速度と研磨寿命とを実現し得る硬脆材料
用精密研磨組成物を提供すること。 【解決手段】 ベース研磨材としてのコロイダルシリカ
に対して、所定のシリカ粒子及び/又はアルミナ粒子、
ベース研磨材とは異なる粒度のコロイダルシリカ、及び
研磨促進剤としてのキレート性化合物のうちの少なくと
も一つを、分散乃至は溶解させることで、硬脆材料用精
密研磨組成物を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、硬脆材料用精密研磨組成物に係
り、特に、タンタル酸リチウム単結晶材料やニオブ酸リ
チウム単結晶材料の如き硬脆材料を研磨加工するに際し
て、精密で綺麗な面質を与えると共に、優れた研磨効
率、研磨寿命を有する硬脆材料用精密研磨組成物に関す
るものである。
【0002】
【背景技術】従来から、テレビの中間周波数フィルタや
共振器等のエレクトロニクス部品として、圧電体におけ
る圧電効果により発生する弾性表面波(SAW)を利用
した弾性表面波デバイスが、広く用いられてきており、
特に、近年においては、そのような弾性表面波デバイス
が用いられる携帯電話の普及率が著しく拡大している
が、また、それに伴って、かかる弾性表面波デバイスを
構成する圧電体ウェーハの需要も指数関数的に増大して
きている。そして、そのような圧電体ウェーハ材料とし
ては、圧電性、焦電性、電気光学効果に優れたタンタル
酸リチウム単結晶材料やニオブ酸リチウム単結晶材料と
いった硬脆材料が、広く採用されているのである。
【0003】そして、そのような硬脆材料からなる弾性
表面波デバイス用ウェーハにあっては、通常、電極が写
真印刷せしめられる表面には、精密研磨加工が施され
て、該表面が鏡面と為されるのであって、具体的には、
ポリウレタン等からなる研磨布を貼った定盤を用いて、
かかる定盤を回転せしめると共に、スラリー状の研磨材
を研磨布面上に供給しつつ、被加工材料としてのウェー
ハを研磨布面に押圧せしめることにより、ウェーハ表面
が精密研磨(ポリッシング)されるように為し、以て精
密研磨加工が施されることとなる。
【0004】また、この精密研磨加工において用いられ
る研磨材としては、被加工材料(ウェーハ)表面を、高
度に精密研磨仕上げせしめ得るものであることは勿論、
その研磨効率乃至は研磨速度において優れたものである
ことが、望まれているのである。しかも、そのような研
磨材は、経済的な理由から、一般に、その一定量を循環
させることにより、繰り返し使用されるものであり(所
謂、循環供給方式)、そして、そのような使用に際して
は、研磨効率の減少に応じて研磨材の一部を新しい研磨
材と交換したり、或いはまた、所定の研磨時間の経過後
にその全てを新しいものに交換する必要性が不可避的に
生じるところから、研磨効率(速度)が長時間に亘って
一定に維持され得る、換言すれば研磨寿命の良好なもの
であることが、要請されている。
【0005】ところで、上述の如きウェーハ材料として
用いられるタンタル酸リチウム単結晶材料等の硬脆材料
にあっては、硬くて脆いものであるところから、研磨材
として仕上研磨に通常用いられる、粒子が粗く且つ硬い
性質を有するアルミナや、ダイヤモンド等の硬質研磨材
を採用すると、研磨速度は上がるものの、研磨表面にピ
ットやスクラッチが生じたり、ウェーハ表面内部に加工
歪みが残ったり、また表面精度が極めて悪くなる等とい
った問題を内在しているため、実用化は極めて困難であ
ったのであり、また、化学的に安定な材料であるところ
から、メカノケミカル作用による研磨効果が極めて低
く、これまでに、そのようなメカノケミカル作用に基づ
いた有用な研磨促進効果も報告されておらず、有効な研
磨促進剤も見出されていないのである。
【0006】そこで、かくの如きウェーハの精密研磨材
としては、特開昭58−225177号公報、特開昭6
2−30333号公報、特開平5−154760号公報
等に開示されている如き、コロイダルシリカを主成分と
して含むシリコンウェーハ用研磨材が、採用されてきた
のであるが、そのようなコロイダルシリカ研磨材にあっ
ては、表面及び内面に欠陥を惹起することなく、研磨面
の精度を高度に達成し得るという特徴を有する一方で、
研磨速度(研磨効率)が充分であるとは言い難く、研磨
時間の短縮を図る上で、大きな障害となっていたのであ
り、また、研磨時間の経過に従って、研磨速度が顕著に
低下するといった不具合をも惹起するものであるところ
から、上述の如く、循環供給方式を採用する場合にあっ
ては、研磨材の交換を頻繁に行なう必要性が生じている
のであるのである。このため、そのような方式には、作
業効率及び作業性が悪化し、また研磨材や設備に要され
るコストの上昇を惹起する等といった問題があったので
ある。
【0007】そして、そのような問題に対処するため
に、特開平5−1279号公報には、硬脆材料用の表面
精密研磨材として、BET比表面積が10〜60m2
gであり、二次粒子の平均粒子径が0.5〜5μmであ
る微粒子状二酸化珪素のみを固形成分として含む、水性
スラリー分散液が提案されており、そこでは、研磨面の
表面精度が良好に維持され、且つ、上述のコロイダルシ
リカ研磨材に比して、研磨寿命が向上されてはいるもの
の、研磨速度に関しては、未だ改善の余地が存してい
る。
【0008】また、特開平6−191988号公報に
は、特定のコロイダルシリカ、つまり、pH=9〜14
の塩基性水溶液中に、粒径30〜70nmの固形成分
(シリカ)が分散せしめられたコロイダルシリカのみか
らなる研磨材が提案されているが、そこでは、光学ウエ
ハーの研磨面を鏡面にすることによって、エピタキシャ
ル成長層を形成した後の光学ウエハーの反りを防止する
ことが開示されているに過ぎず、研磨速度や研磨寿命に
ついては、検討されていない。
【0009】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景にして為されたものであって、その解決課題とすると
ころは、硬脆材料の精密研磨加工において、該硬脆材料
に、ピット、スクラッチ、突起、及び加工歪み等の研磨
不良を生じることなく、表面を高精度に研磨せしめるこ
とが出来ると共に、優れた研磨速度と研磨寿命とを実現
し得る硬脆材料用精密研磨組成物を提供することにあ
る。
【解決手段】
【0010】そして、本発明者らは、上述の如き課題を
解決すべく鋭意検討した結果、研磨組成物における主た
る成分であるベース研磨材としてのコロイダルシリカに
対して、ヒュームド・アルミナ、無晶形二酸化珪素、ヒ
ュームド・シリカ、若しくはベース研磨材とは異なる粒
子径のコロイダルシリカ、又はキレート性化合物を添加
することにより、優れた研磨面精度、研磨速度及び研磨
寿命を実現し得る事実を見出したのである。
【0011】従って、本発明は、かくの如き知見に基づ
いて完成されたものであって、その要旨の一つとすると
ころは、コロイダルシリカに対して、平均1次粒子径が
10〜40nmで、BET比表面積が40〜100m2
/gのヒュームド・アルミナ、平均粒子径が1.0〜
5.0μmで、BET比表面積が110〜420m2
gの無晶形二酸化珪素、及び平均1次粒子径が12〜4
0nmで、BET比表面積が50〜200m2 /gのヒ
ュームド・シリカのうちの少なくとも何れか一つを分
散、含有せしめたことを特徴とする硬脆材料用精密研磨
組成物にある。
【0012】このような、本発明に従う硬脆材料用精密
研磨組成物にあっては、ベース研磨材としての比較的軟
らかなコロイダルシリカに対して、該コロイダルシリカ
よりも、構造的な見地より、硬度が高いと推定される、
所定のヒュームド・アルミナ、無晶形二酸化珪素、ヒュ
ームド・シリカのうちの何れか1種が、均一に分散せし
めた状態で、更に配合せしめられるものであるところか
ら、加工歪みが効果的に回避され得ると共に、研磨面に
スクラッチやピット等の損傷が付与されたり、研磨面の
表面粗度を悪化するようなことが、有利に阻止乃至は解
消され得ることとなり、以て、硬脆材料の表面を極めて
綺麗な鏡面に精密研磨せしめると共に、研磨速度が有利
に向上され得て、研磨時間を効果的に短縮せしめること
が出来るのであり、また、その繰り返しの使用に際し
て、研磨速度が長時間に亘って維持され得、特に優れた
研磨寿命が実現され得るのである。そして、そのような
優れた研磨速度及び研磨寿命によって、硬脆材料の精密
研磨加工における作業能率及び作業性の飛躍的な向上と
良好な経済性という効果をも享受し得るのである。
【0013】なお、かかる本発明に従う研磨組成物の好
ましい態様の一つによれば、前記コロイダルシリカとし
ては、5〜150nmの粒子径の範囲のものが採用さ
れ、これによって、硬脆材料の研磨面が綺麗な鏡面に効
果的に仕上げられることとなる。
【0014】また、本発明における好ましい態様の別の
一つによれば、前記コロイダルシリカは固形分で10〜
50重量%の割合において含有される一方、前記ヒュー
ムド・アルミナ、無晶形二酸化珪素及びヒュームド・シ
リカのうちの少なくとも何れか一つは、合計量で、2〜
25重量%の割合において含有せしめられ、それによっ
て、研磨組成物のシリカ粒子及び/又はアルミは粒子の
安定した分散が確保され得、以て、上述した効果がより
一層効果的に発揮されるのである。
【0015】また、本発明においては、前述の課題を解
決するために、第一のコロイダルシリカに対して、該第
一のコロイダルシリカとは平均粒度が異なる第二のコロ
イダルシリカの少なくとも1種を添加、含有せしめたこ
とを特徴とする硬脆材料用精密研磨組成物をも、その要
旨とするものである。
【0016】このような本発明に従う硬脆材料用精密研
磨組成物にあっては、平均粒度、従って粒度分布の異な
る複数のコロイダルシリカを組み合わせたところに、大
きな特徴を有しており、それにより、研磨特性の有効な
向上が図られ得ているのである。即ち、そのような粒度
の異なるコロイダルシリカ同士を組み合わせるところか
ら、コロイダルシリカ中のシリカの粒度分布が広範囲な
ものと為されることにより、研磨不良を生じることな
く、極めて優れた面質が確保されると共に、研磨速度と
その維持において、良好な機能が実現され得るのであ
る。
【0017】さらに、本発明にあっては、前述せる課題
を解決するために、コロイダルシリカに対して、キレー
ト性化合物を研磨促進剤として添加、含有せしめてなる
ことをも、その要旨としている。
【0018】この本発明に従う硬脆材料用精密研磨組成
物にあっては、所定のキレート性化合物が、研磨促進剤
として添加せしめられて、構成されるところに、大きな
特徴があり、そのような研磨組成物にあっては、研磨の
際の研磨抵抗が適度に緩和されること等により、従来の
コロイダルシリカのみからなる、研磨促進剤を何等含有
していない研磨組成物に比して、より一層、研磨速度が
向上せしめられると共に、そのような研磨速度が長期間
に亘って維持され、優れた研磨寿命を奏し得るのであ
る。
【0019】加えて、本発明にあっては、前述せる課題
を解決するために、また、コロイダルシリカに対して、
シリカ粒子及びアルミナ粒子のうちの少なくとも何れか
一つを分散、含有せしめると共に、更に、キレート性化
合物を添加、含有せしめてなることを特徴とする硬脆材
料用精密研磨組成物をも、その要旨としている。
【0020】このような本発明に従う硬脆材料用精密研
磨組成物にあっては、所定のシリカ粒子及び/又はアル
ミナ粒子と共に、キレート性化合物が、所定のコロイダ
ルシリカ中に含有せしめられることによって、より一層
優れた研磨特性の改善効果が得られることとなる。
【0021】そして、また、本発明にあっては、前述せ
る課題を解決するために、第一のコロイダルシリカに対
して、該第一のコロイダルシリカとは平均粒度が異なる
第二のコロイダルシリカの少なくとも1種を添加、含有
せしめると共に、更に、キレート性化合物を添加、含有
せしめてなることを特徴とする硬脆材料用精密研磨組成
物をも、その要旨とするものである。
【0022】かかる硬脆材料用精密研磨組成物にあって
は、異なる平均粒度を有する複数のコロイダルシリカを
組み合わせることによる上述せる如き効果と、キレート
性化合物による研磨促進効果が相俟って、研磨加工の際
に、より優れた研磨表面が得られると共に、研磨速度、
及びその持続性が有利に向上されることとなる。
【0023】さらに、本発明において、前述せる課題を
解決するために、別の要旨とするところは、第一のコロ
イダルシリカに対して、該第一のコロイダルシリカとは
平均粒度が異なる第二のコロイダルシリカの少なくとも
1種を添加、含有せしめると共に、更に、シリカ粒子及
びアルミナ粒子のうちの少なくとも何れか一つを分散、
含有せしめてなることを特徴とする硬脆材料用精密研磨
組成物にある。
【0024】このような硬脆材料用精密研磨組成物にあ
っては、平均粒度の異なるコロイダルシリカの複数を組
み合わせることにより、極めて広い粒度分布のシリカが
分散せしめられることとなり、更に、それに対して、所
定のシリカ粒子及び/又はアルミナ粒子を分散せしめる
ところから、前述した種々の優れた効果が、より一層効
果的に実現され得るのである。
【0025】また更に、本発明においては、先述せる課
題を解決するために、第一のコロイダルシリカに対し
て、該第一のコロイダルシリカとは平均粒度が異なる第
二のコロイダルシリカの少なくとも1種を添加、含有せ
しめると共に、シリカ粒子及びアルミナ粒子のうちの少
なくとも何れか一つを分散、含有せしめ、更に、キレー
ト性化合物を研磨促進剤として添加、含有せしめてなる
ことを特徴とする硬脆材料用精密研磨組成物をも、その
要旨をしている。
【0026】かかる硬脆材料用精密研磨組成物にあって
は、ベース研磨材たるコロイダルシリカに対して、上述
の如き優れた研磨特性を付与する所定のシリカ粒子及び
/又はアルミナ粒子、ベース研磨材とは平均粒度の異な
るコロイダルシリカ、及びキレート性化合物が共に含有
せしめられてなるところから、より一層優れた研磨特性
が奏され得ることとなる。
【0027】また、かくの如き本発明に従う硬脆材料用
精密研磨組成物の好ましい態様の一つによれば、前記第
一のコロイダルシリカが固形分で10〜50重量%の割
合において含有せしめられていると共に、該第一のコロ
イダルシリカと前記第二のコロイダルシリカとが、固形
分の合計量で、20〜60重量%の割合において含有せ
しめられる。
【0028】さらに、かかる本発明の別の好ましい態様
によれば、前記第一のコロイダルシリカの平均粒子径が
30〜60nmである一方、前記第二のコロイダルシリ
カの平均粒子径が5〜22nmまたは80〜100nm
であり、且つ該第一のコロイダルシリカと該第二のコロ
イダルシリカとが固形分の重量比で60〜80%と40
〜20%の割合となるように用いられる。これにより、
前述した各種の効果が、より一層効果的に向上せしめら
れ得るのである。
【0029】なお、本発明に従う研磨組成物にあって
は、前記研磨促進剤としては、ポリアミノカルボン酸系
キレート性化合物及び有機フォスフォン酸系キレート性
化合物のうちの少なくとも1種が、有利に用いられる。
【0030】また、そのような本発明に従う研磨組成物
に添加せしめられる、前記研磨促進剤は、0.1〜5.
0重量%の割合において含有せしめられることが望まし
く、これによって、より一層優れた研磨効率が得られる
こととなる。
【0031】さらに、本発明に従う硬脆材料用精密研磨
組成物にあっては、前記シリカ粒子及びアルミナ粒子と
して、無晶形二酸化珪素、ヒュームド・シリカ及びヒュ
ームド・アルミナが、有利に用いられることとなる。
【0032】加えて、そのような本発明に従う研磨組成
物の好ましい態様の一つによれば、前記シリカ粒子及び
アルミナ粒子のうちの少なくとも何れか一つが、合計量
で、2〜25重量%の割合において含有せしめられ、こ
れにより、シリカ粒子及び/又はアルミナ粒子の均一単
分散化が可能となり、以て、研磨組成物のゲル化が阻止
され得て、極めて綺麗な研磨鏡面が得られる等といった
各種の優れた効果が発揮されるのである。
【0033】そして、上述の如き本発明に従う硬脆材料
用精密研磨組成物にあっては、pHが7〜11のアルカ
リ性に調整されていることが望ましく、それによって、
粒子間において働く電気的な反発力が、各粒子に効果的
に作用して、固形成分は、均等に分散されることとなる
ところから、それら微粒子が凝集して固まることによ
り、研磨精度が低下したり、循環利用が困難となる等と
いった不具合を惹起するようなことが、有利に抑制乃至
は防止され得るのである。
【0034】また、このような本発明にあっては、硬脆
材料が、タンタル酸リチウム単結晶材料またはニオブ酸
リチウム単結晶材料であることが望ましい。
【0035】
【発明の実施の形態】要するに、かかる本発明に従う硬
脆材料用精密研磨組成物(研磨材)にあっては、珪酸の
コロイド溶液であるシリカゾルの中でも、特に、特殊処
理によってその分散状態が安定化せしめられたシリカゾ
ルであるコロイダルシリカをベース研磨材として用い、
それに対して、他の研磨材としての所定のシリカ粒子、
アルミナ粒子、又は、平均粒度の異なるコロイダルシリ
カ、或いは研磨促進剤としてのキレート性化合物のうち
の少なくとも一つを、更に分散乃至は溶解させて、配合
せしめたものであるところから、硬脆材料の精密研磨加
工の際に、優れた面性状を確保すると共に、研磨効率、
研磨寿命が極めて効果的に向上せしめられ得ることとな
るのであるが、このような本発明において、ベース研磨
材として用いられるコロイダルシリカは、上述の各種の
研磨特性の中でも特に研磨材料である硬脆材料の研磨表
面の面質を高度に維持する上において、必要不可欠の成
分なのである。
【0036】ところで、そのようなコロイダルシリカと
しては、かかるコロイダルシリカ中の固形成分であるシ
リカが公知の如何なる粒子径や含有量(固形分量)のも
のでも採用することが出来るが、研磨面を極めて綺麗な
鏡面に仕上げるためには、その粒子径としては、5〜1
50nmの範囲にあるものが、好適に採用され、また、
コロイダルシリカの固形分量としては、研磨材の安定し
た分散状態の確保やその経済性等を考慮して、10〜5
0重量%が望ましく、更には、それらの粒子径及び固形
分量の中でも、粒子径が大きく、固形分量の高いもの
が、高い研磨速度を得る上で、有利に用いられることと
なる。なお、そのようなコロイダルシリカの粒子径が5
nmより小さい場合にあっては、有効な研磨速度が得ら
れないこととなり、150nmより大きい場合には、面
質が悪化すると共に、コストも高くなってしまうのであ
る。また、固形分が10重量%未満である場合には、コ
ロイダルシリカによる研磨効果、特に優れた面質が得ら
れないのであり、50重量%を超える場合には、コスト
の急騰が惹起されるのみならず、ベース研磨材としての
コロイダルシリカ以外の研磨材やその他の配合剤を更に
配合せしめる際に、凝集やゲル化が発生し易くなるとい
った問題が生ずるのである。
【0037】そして、本発明に従う硬脆材料用精密研磨
組成物の一つは、このようなコロイダルシリカに対し
て、所定のシリカ粒子及びアルミナ粒子のうちの少なく
とも1種が適宜に選択されて、それが細かな微粒子状態
において、分散せしめられてなる構成とされており、そ
れによって、ピットやスクラッチ、加工歪み等の研磨不
良が効果的に回避され、硬脆材料の表面が極めて綺麗な
鏡面に精密研磨せしめられ得ると共に、研磨速度が有利
に向上され得て、研磨時間を効果的に短縮せしめること
が出来るようになったのであり、また、特に、それを循
環利用するに際して、研磨速度が長時間に亘って維持さ
れる、優れた研磨寿命が実現され得たのである。そし
て、そのような研磨速度と研磨寿命の向上により、精密
研磨加工における作業効率及び作業性の向上と、良好な
経済性が奏され得ることとなったのである。
【0038】そのようなシリカ粒子及びアルミナ粒子に
は、精密研磨加工の際に、前述せる如きコロイダルシリ
カによる優れた表面性状を悪化させないものであること
が求められ、特に、極めて細かな微粉末状のものが好適
に採用されることとなる。具体的には、シリカ粒子とし
ては、無晶形二酸化珪素やヒュームド・シリカが挙げら
れる一方、アルミナ粒子としては、ヒュームド・アルミ
ナが挙げられ、このような微粒子状のシリカ粒子及び/
又はアルミナ粒子が配合せしめられることによって、優
れた研磨速度、研磨寿命を実現し得るのであるが、その
理由としては、本発明者らの推察によれば、かかるシリ
カ粒子やアルミナ粒子が、コロイダルシリカに比して適
度に硬いものであるところに起因すると考えられる。な
お、そのようなコロイダルシリカやシリカ粒子、アルミ
ナ粒子の硬度は実測されてはいないのであるが、無晶形
二酸化珪素やヒュームド・シリカは、球状シリカが水溶
液中で網の目状や、鎖状に分散しているのに対して、コ
ロイダルシリカは球状シリカがコロイド状に単分散して
いるために、コロイダルシリカがより軟らかく挙動する
ものと推定され、また、ヒュームド・アルミナにあって
は、その材質上、コロイダルシリカより硬いものと考え
られるのである。
【0039】詳細には、本発明に用いられる無晶形二酸
化珪素は、湿式法(代表的な方法として、珪酸ナトリウ
ムを酸で中和する方法がある)にて製造される微粉末状
の非晶質シリカ(湿式法シリカ)であり、ゲル状にして
製造されるために、シリカ粒子間は単なる凝集ではなく
融合した状態となっており、最終的に乾燥された製品
は、一般に、一定の2次粒子となっている。そのような
2次粒子からなる無晶形二酸化珪素の中でも、優れた表
面性状を維持しつつ、研磨速度及び研磨寿命を上げるた
めには、粒子径の細かなものを選択することが望まし
く、一般に、平均粒子径:1.0〜5.0μm、BET
比表面積:110〜420m2 /gのものが有利に採用
される。
【0040】一方、本発明に用いられるヒュームド・シ
リカは、微粉末状の非晶質シリカの中でも、気相反応法
乃至は乾式法にて製造されるシリカ(気相法シリカ)で
あって、気相にて製造されるものであるところから、エ
アロゾルに近い、極めて細かな粒子径を有する、1次粒
子からなるものである。そして、かかるヒュームド・シ
リカの中でも、優れた表面性状を維持しつつ、研磨速度
及び研磨寿命を上げるためには、比表面積が小さく、1
次粒子の大きなものを選択することが望ましく、1次粒
子の平均粒子径:12〜40nm、BET比表面積:5
0〜200m2/gのものが、より好適に用いられる。
なお、上記の気相反応法とは、金属化合物(珪素化合
物)蒸気と反応ガスとの反応(酸化反応)であり、具体
的には、四塩化珪素蒸気を水素と酸素により、1000
℃以上の高温で燃焼加水分解される方法等が挙げられ
る。また、本発明においては、このような気相合成時
に、塩化アルミニウムを混ぜる等といった手法を採用し
て、特殊硬化処理を施したヒュームド・シリカも、高い
研磨速度を得る上で、好適に用いられるのである。
【0041】また、 本発明で使用されるヒュームド・ア
ルミナにあっても、上述のヒュームド・シリカと同様
に、気相反応法で製造されるアルミナ(気相法アルミ
ナ)であり、塩化アルミニウムを加熱して蒸気化し、そ
こに水蒸気等を導入することによって、気相中で製造さ
れるものであるところから、極めて微細な1次粒子から
なっている。そして、そのようなヒュームド・アルミナ
の中でも、研磨速度並びに研磨寿命の効果的な向上を図
るためには、比表面積が小さく、1次粒子の大きなもの
が良く、具体的には、1次粒子の平均粒子径:10〜4
0nm、BET比表面積:40〜100m2 /gのもの
がより好適に用いられる。そして、かかるヒュームド・
アルミナは、シリカに比して硬いアルミナから構成され
るものであるために、上述の無晶形二酸化珪素やヒュー
ムド・シリカに増して研磨速度を向上せしめる作用が高
く、また、アルミナの中でも比較的軟質で適度な硬さと
なっているために、被研磨材料の研磨表面に、ピット、
スクラッチ等の損傷を生じて面質を下げるようなことは
ない。
【0042】そして、かくの如きシリカ粒子及び/又は
アルミナ粒子は、合計量において、2〜25重量%とな
るように配合することが好ましく、かかる配合割合が2
重量%よりも少ない場合には、それを添加することによ
る効果は殆ど無く、逆に25重量%より多くした場合に
あっては、コストが嵩むばかりでなく、組成物全体の分
散状態を悪化せしめ、具体的には、凝集、ゲル化を誘引
し、ひいては、研磨面の面性状が悪化することとなるの
である。特に、ヒュームド・アルミナを採用した場合に
は、その少量の配合でも、研磨速度が有利に向上せしめ
られ、逆に、その配合量が多くなると、組成物の粘性を
著しく上昇させてしまうこととなるのである。
【0043】また、本発明においては、上述の如きベー
ス研磨材としてのコロイダルシリカ(第一のコロイダル
シリカ)に対して、更に、該コロイダルシリカとはの平
均粒度が異なる別のコロイダルシリカ(第二のコロイダ
ルシリカ)の少なくとも1種を添加、含有せしめること
によっても、有効な硬脆材料用精密研磨組成物が形成さ
れる。
【0044】すなわち、そのような硬脆材料用精密研磨
組成物にあっては、異なる平均粒度のコロイダルシリカ
が組み合わされることにより、コロイダルシリカ中の固
形分(シリカ)の粒度分布が広範囲なものとなり、それ
によって、硬脆材料の精密研磨加工の際に、研磨不良を
惹起することなく、研磨表面が鏡面とされると共に、優
れた研磨速度と研磨寿命が得られるのであるが、本発明
者らの考察によれば、そのような広い分布範囲とされた
コロイダルシリカ中の固形分の中でも、平均粒子径が大
きいものが研磨速度を高め、より小さな平均粒度のもの
が研磨面の仕上がり状態を良くするように作用するもの
と考えられる。
【0045】そして、そのような2種以上の平均粒度の
異なるコロイダルシリカを組み合わせるに際しては、そ
れらのコロイダルシリカ中の固形分の含有割合は、要求
される研磨特性等を考慮して、適宜に決定されることと
なるのであるが、ベース研磨材としての固形分量10〜
50重量%の第一のコロイダルシリカに対して、第二の
コロイダルシリカを、それら第一のコロイダルシリカと
第二のコロイダルシリカを合わせた全固形分量が20〜
60重量%の割合で含有せしめることが、好ましく、更
には、20〜50重量%となるように配合することがよ
り望ましいのである。
【0046】なお、そのような第一のコロイダルシリカ
と第二のコロイダルシリカを合わせた固形分が20重量
%未満である場合は、上述せる如き複数のコロイダルシ
リカを組み合わせることによる研磨速度の向上等の効果
が得られず、また、60重量%を超えるようになると、
非経済的であるばかりか、コロイダルシリカ中のシリカ
の分散状態が不安定化され、均一な分散が為され得なく
なるといった問題も生じることとなる。また、一般に、
市販のコロイダルシリカの固形分の最大含有量は約50
重量%であるが、濾過膜、フィルター等によって濃縮す
れば、50重量%以上の固形分のコロイダルシリカを製
造することは可能である。しかし、濃縮によって、部分
的に安定なコロイダルシリカ構造が壊れ易くなることか
ら、上記したような分散の不均一化等の問題を考慮し
て、60重量%以下にすることが望ましく、そうするこ
とによって、コロイダルシリカ中のシリカが単一且つ均
一に分散され得、以て、研磨組成物中のシリカ粒子によ
る凝集、ゲル化等の不具合が阻止乃至は防止され得、ピ
ットやスクラッチ等の研磨不良や研磨精度の低下等が、
極めて効果的に回避され得るのである。
【0047】ところで、上述のようなコロイダルシリカ
の組み合わせとしては、実用的には、第一のコロイダル
シリカとして、平均粒度が30〜60nmであるものを
採用し、第二のコロイダルシリカとして、平均粒度が5
〜22nm及び/又は80〜100nmのものを採用す
ることが望ましく、それによって、上述せる如き効果が
より一層効果的に発揮されることとなる。特に、第二の
コロイダルシリカとして、平均粒度が5〜22nmのも
のを採用した場合にあっては、面質がより一層良好なも
のとなり、且つ、コストダウンも有利に達成せしめられ
る一方、第二のコロイダルシリカとして、平均粒度が8
0〜100nmのものを採用した場合には、研磨速度が
効果的に向上することとなる。
【0048】また、そのような複数の平均粒度のコロイ
ダルシリカを配合する際には、第一のコロイダルシリカ
と第二のコロイダルシリカは、固形分の重量比でそれぞ
れ、60〜80%と40〜20%の割合となるように配
合することが望ましい。けだし、そのような配合割合
は、最密充填化せしめるための適正な分布範囲であり、
その範囲を採用することによって、研磨速度と面質が有
利に向上せしめられると共に、良好な経済性が実現され
得るからである。また、第二のコロイダルシリカの配合
割合が20%未満である場合には、その配合による効果
は何等発揮されないのである。
【0049】加えて、本発明に従う研磨組成物の別の一
つによれば、コロイダルシリカに対して、キレート性化
合物を研磨促進剤として添加し、それを溶解、含有せし
めた形態のものがあるが、そのような研磨組成物は、キ
レート性化合物が添加されることによって、研磨の際の
研磨抵抗が適度に緩和されること等により、研磨速度が
有利に向上せしめられると共に、そのような研磨速度が
長期間に亘って維持され、優れた研磨寿命が実現される
のである。
【0050】なお、そのようなキレート性化合物として
は、例えば、ポリアミノカルボン酸系キレート性化合物
や有機フォスフォン酸系キレート性化合物等が挙げら
れ、それらのうちの少なくとも一つが適宜に選択されて
使用されることが望ましいのである。かかるポリアミノ
カルボン酸系キレート性化合物としては、エチレンジア
ミンテトラ酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミンペ
ンタ酢酸や、それらのナトリウム塩、アンモニウム塩及
びカルシウム塩等が、好適に採用され、また、有機フォ
スフォン酸系キレート性化合物としては、フォスフォノ
ブタントリカルボン酸(PBTC)、ヒドロキシエタン
ジフォスフォン酸、アミノトリスメチレンフォスフォン
酸やそれらの塩が、有利に用いられる。
【0051】そして、上述の如きキレート性化合物は、
0.1〜5.0重量%の割合で添加されることが好まし
く、より好ましくは、0.5〜3.0重量%の配合割合
が良い。けだし、かかる配合割合が、0.1重量%より
少ない場合には、研磨速度の向上は発現されず、5.0
重量%より多い場合には、コストの上昇を招くばかりで
なく、それに見合うだけの効果が得られないからであ
る。
【0052】また、本発明においては、ベース研磨材と
してのコロイダルシリカに対して、上述の如き所定のシ
リカ粒子及び/又はアルミナ粒子を分散させ、更に上述
の如きキレート性化合物を研磨促進剤として添加した硬
脆材料用精密研磨組成物や、ベース研磨材としてのコロ
イダルシリカに対して、該ベース研磨材としてのコロイ
ダルシリカとは平均粒度の異なるコロイダルシリカの少
なくとも1種を配合せしめ、更に、所定のキレート性化
合物を研磨促進剤として添加した硬脆材料用精密研磨組
成物、また、平均粒度の異なるコロイダルシリカを2種
以上配合し、更に、研磨促進剤としての所定のキレート
性化合物を添加した硬脆材料用精密研磨組成物、更に
は、平均粒度の異なるコロイダルシリカを2種以上配合
し、それに対して、所定のシリカ粒子及び/又はアルミ
ナ粒子を分散させ、更に、研磨促進剤としての所定のキ
レート性化合物を添加した硬脆材料用精密研磨組成物
も、有利に採用され得るものである。なお、それらの硬
脆材料用精密研磨組成物にあっては、所定のシリカ粒子
及び/又はアルミナ粒子、ベース研磨材と異なる平均粒
度を有するコロイダルシリカ、キレート性化合物のうち
の複数が、適宜に選択され、ベース研磨材としてのコロ
イダルシリカに配合せしめられるものであることによ
り、それらのうちの一つを単独でベース研磨材に配合せ
しめる場合に比べて、一層優れた研磨特性乃至は研磨効
果を発揮するのである。
【0053】また、本発明に従う硬脆材料用精密研磨組
成物にあっては、そのpH値が7〜11のアルカリ性に
調整されていることが望ましく、それによって、硬脆材
料用精密研磨組成物の粘度が低減し、可及的に単一且つ
均一な分散が出来ると共に、研磨組成物中のシリカの含
有量をより多くすることが出来る。尤も、pHが7未
満、特にpHが5〜6付近となるような場合には、粒子
間の電荷のバランスが崩れ、粒子同士が接合し、増粘、
ゲル化、及び微粒子の凝集が惹起されて、均等に分散さ
れ得なくなり、従って、研磨精度が低下したり、繰り返
しの使用が困難となるのであり、また一方、pHが11
程度を越えるようになると、徐々にシリカ表面が溶解
し、研磨組成物としての作用を有効に発揮し得なくな
る。
【0054】例えば、粒径の極めて細かなヒュームド・
シリカにあっては、その細かさのために、嵩張り易く、
ひいては、増粘及びゲル化を惹起し易いのであり、その
ために、pHの影響を特に受け易いのである。詳細に
は、ヒュームド・シリカの等電点はpH=2付近にあ
り、pH=4〜5が分散域、pH=7〜8が増粘域、p
H=9〜10が分散域となっており、このことから分か
るように、ヒュームド・シリカを単に水(pH=7程
度)に分散させると増粘し、攪拌すると、時にはゲル状
に急激に増粘してしまうため、後述する如く、予めアル
カリ性に調整された溶液に分散せしめる手法が有利に用
いられるのである。
【0055】また、そのようなpHの調整には、研磨組
成物に配合する研磨材や配合剤に応じて、各種のpH調
整剤が適宜に選択され、所望のpHとなるように用いら
れるのである。そのようなpH調整剤としては、例え
ば、NaOH、KOH、アンモニア等が挙げられる。
【0056】さらに、本発明に従う硬脆材料用精密研磨
組成物にあっては、必要に応じて、固形成分をより確実
に分散せしめて、更なる研磨促進を図るべく、従来から
公知の分散剤、例えば、有機アミンやアニオン系、ノニ
オン系界面活性剤等を添加せしめたり、また、他の金属
材料の表面加工の際に使用されるエッチャント等、例え
ば、硝酸アルミニウム等のアルミニウム塩、塩化第一鉄
等の鉄塩、クエン酸等の有機酸を添加しても良く、また
更に、その他、研磨組成物に添加される従来からの公知
の各種の添加剤も、上述せる効果を阻害しないものであ
れば、適宜に選択して、適量にて添加しても良い。
【0057】そして、本発明に従う精密研磨組成物は、
各種の硬脆材料の精密研磨加工に用いられることとなる
のであるが、そのような硬脆材料の中でも、特に、タン
タル酸リチウム単結晶材料若しくはニオブ酸リチウム単
結晶材料に対して、有利に適用され得、それによって、
上述の如き種々の優れた効果が効果的に発揮され得るの
である。
【0058】ところで、本発明の目的とする硬脆材料用
精密研磨組成物を製造するに際しては、以下の如き方法
を、例示することが出来る。なお、本発明に従う硬脆材
料用研磨組成物の調製方法は、例示の方法に限定される
ものでは、決してなく、配合される研磨材や添加剤等に
応じて、種々の態様にて実施され得る。
【0059】コロイダルシリカ+シリカ粒子及び/又は
アルミナ粒子からなる研磨組成物 予め、所定のシリカ粒子及び/又はアルミナ粒子を、所
定のpH(アルカリ性)に調整された水溶液中に添加
し、次いで、高剪断攪拌機や媒体ミル攪拌で、所定時
間、攪拌することで、所定のシリカ粒子及び/又はアル
ミナ粒子の分散液(スラリー)を準備し、次いで、必要
に応じて、そのように準備された分散液に、各種添加剤
を所望の割合で添加した後、かかる分散液を、所望の配
合量になるように、コロイダルシリカに加えて、羽根攪
拌機又は反転式攪拌機等の公知の攪拌機にて、所定時
間、混合攪拌することにより、目的とする硬脆材料用精
密研磨組成物を得るのである。このように、特に増粘化
やゲル化等の問題を惹起し易い研磨材の分散液を得る際
には、かかる問題を回避するために、それらの粒子が分
散せしめられるpH範囲(分散域)の水溶液を予め用意
し、それに対して、それらの粒子を添加して、分散せし
めて、予め粒子分散液を作り、次いでコロイダルシリカ
に加えて混合する手法を採用することが、望ましいので
ある。
【0060】第一のコロイダルシリカ+第二のコロイダ
ルシリカからなる研磨組成物 第一のコロイダルシリカに、第二のコロイダルシリカ、
及び、必要に応じて、pH調整剤、更には、各種の添加
剤の水溶液を、所望の配合量となるように添加し、混合
攪拌することにより、目的とする硬脆材料用精密研磨組
成物を得る。
【0061】コロイダルシリカ+研磨促進剤からなる研
磨組成物 予め、所定のpH(アルカリ性)に調整された水溶液
に、研磨促進剤、及び、必要に応じて、各種添加剤を添
加することで、研磨促進剤液を準備した後、そのような
研磨促進剤液を、コロイダルシリカに加えて、混合攪拌
することにより、目的とする硬脆材料用精密研磨組成物
を得る。このように、アンモニア水や水酸化ナトリウム
等のpH調整剤にて、予めアルカリ性に調整された水溶
液にキレート性化合物を添加することが望ましいのであ
る。けだし、これらのキレート性化合物を添加する際、
特に、キレート性化合物が酸である場合には、その添加
により、硬脆材料用精密研磨組成物のpHが低下するこ
ととなり、コロイダルシリカの性状が破壊されたり、ゲ
ル化を惹起する等の不具合が生じるおそれがあるからで
ある。
【0062】そして、本発明に従う精密研磨組成物を用
いて、硬脆材料に精密研磨加工を施す際には、 従来から
公知の各種の研磨手法が適宜に選択され、実施されるこ
ととなるのである。例えば、所定量の硬脆材料用精密研
磨組成物を研磨機に設けられた供給容器に投入し、かか
る供給容器からノズルやチューブ等を用いて、研磨機の
定盤上に貼付されたポリウレタン等からなる研磨布に対
して研磨組成物を滴下して供給する一方、硬脆材料(ウ
ェーハ)の研磨面を研磨布面に押圧せしめ、かかる定盤
を所定の回転速度にて回転せしめることにより、ウェー
ハ表面を精密研磨(ポリッシング)するのである。
【0063】
【実施例】以下に、本発明の代表的な実施例を示し、本
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも
受けるものでないことは、言うまでもないところであ
る。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には
上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しな
い限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変
更、修正、改良等を加え得るものであることが理解され
るべきである。
【0064】硬脆材料用精密研磨組成物の調製 下記表1及び表2の配合割合となるように、 以下に示す
方法で、本発明に従う硬脆材料用精密研磨組成物である
実施例1〜13、及び、比較例1〜5の研磨組成物の調
製を行なった。
【0065】実施例 1 市販の無晶形二酸化珪素(平均粒子径:1.8μm、B
ET比表面積:180m2 /g)100gを、水酸化ナ
トリウムにてpH=9.5に調整したアルカリ性水溶液
500gに添加し、次いで、高剪断攪拌機ホモミキサー
にて30分間、攪拌、分散して得られた無晶形二酸化珪
素の分散水溶液600gに、市販のアルカリ性コロイダ
ルシリカ(平均粒子径:40nm、固形分量:50重量
%、pH=11)400gを加えて、羽根攪拌機で30
分間、混合、攪拌せしめることにより、均一な研磨組成
物1kgを得た。
【0066】実施例 2 実施例1と同様にして、無晶形二酸化珪素の代わりに、
市販のヒュームド・シリカ(1次粒子平均粒子径:16
nm、BET比表面積:130m2 /g)100gを用
い、 研磨組成物を1kgを得た。
【0067】実施例 3 市販の無晶形二酸化珪素(平均粒子径:1.8μm、B
ET比表面積:180m2 /g)100gを、水酸化ナ
トリウムにてpH=9.5に調整したアルカリ性水溶液
450gに添加し、次いで、高剪断攪拌機ホモミキサー
にて30分間、攪拌、分散せしめて得られた無晶形二酸
化珪素の分散水溶液550gに、市販のアルカリ性コロ
イダルシリカ(平均粒子径:40nm、固形分量:50
重量%、pH=11)400gを加え、 更に、これに、
研磨促進剤としてのエチレンジアミンテトラ酢酸二アン
モニウム塩(EDTA・2NH4 )8gを溶解した水溶
液50gを添加して、羽根攪拌機で30分間、混合、攪
拌せしめることにより、均一な研磨組成物1kgを得
た。
【0068】実施例 4,5 市販のアルカリ性のコロイダルシリカ(平均粒子径:4
0nm、固形分量:50重量%、pH=11)600g
に、それとは平均粒子径の異なるコロイダルシリカ(平
均粒子径:80nm又は15nm、固形分量:40重量
%、pH=10)250gを混合及び攪拌し、更に5%
の水酸化ナトリウム水溶液にて、pH=9.5に調整し
たアルカリ性水溶液150gを添加して、攪拌せしめる
ことにより、コロイダルシリカの合計固形分量が40重
量%とされた、均一な研磨組成物1kgを得た。
【0069】実施例 6 実施例5と同様に、市販のアルカリ性のコロイダルシリ
カ(平均粒子径:40nm、固形分量:50重量%、p
H=11)400gに、それとは平均粒子径の異なるコ
ロイダルシリカ(平均粒子径:15nm、固形分量:4
0重量%、pH=10)250gを混合及び攪拌し、更
に、そこに、市販の無晶形二酸化珪素(平均粒子径:
3.6μm、BET比表面積:150m2 /g)100
gを、5%水酸化ナトリウム水溶液でpH=9.5に調
整したアルカリ性の水溶液250gに、高剪断攪拌機で
分散せしめられた無晶形二酸化珪素の分散水溶液(シリ
カスラリー)を添加して、羽根攪拌機で混合、 攪拌せし
めることにより、均一な研磨組成物1kgを得た。
【0070】実施例 7 実施例6と同様に、市販のアルカリ性のコロイダルシリ
カ(平均粒子径:40nm、固形分量:50重量%、p
H=11)600gに、それとは平均粒子径の異なるコ
ロイダルシリカ(平均粒子径:15nm、固形分量:4
0重量%、pH=10)250gを混合、攪拌し、更に
これに、研磨促進剤としてのEDTA・2NH4 の8g
が、5%水酸化ナトリウム水溶液にてpH=9.5に調
整したアルカリ性の水溶液に溶解せしめられてなる溶液
150gを添加し、羽根攪拌機で30分間、混合、攪拌
することにより、均一な研磨組成物1kgを得た。
【0071】実施例 8〜10 市販のアルカリ性コロイダルシリカ(平均粒子径:40
nm、固形分量:50重量%、pH=11)800g
に、8gのEDTA・2NH4 、又はフォスフォノブタ
ントリカルボン酸(PBTC)、或いはエチレンジアミ
ンテトラ酢酸二カルシウム塩(EDTA・2Ca)を、
5%水酸化ナトリウム水溶液にてpH=9.5に調整し
たアルカリ性の水溶液に溶解した溶液200gを添加
し、攪拌することにより、均一な研磨組成物1kgを得
た。
【0072】実施例 11 市販のアルカリ性コロイダルシリカ(平均粒子径:40
nm、固形分量:50重量%、pH=11)800g
に、ヒュームド・アルミナ(1次粒子平均粒子径:20
nm、BET比表面積:100m2 /g)6gが、5%
水酸化ナトリウム水溶液にてpH=9.5に調整したア
ルカリ性の水溶液に高剪断攪拌機で分散せしめられたス
ラリー200gを添加して、最後に羽根攪拌機で30分
間、混合、攪拌せしめることにより、均一な研磨組成物
1kgを得た。
【0073】実施例 12 実施例11と同様に、市販のアルカリ性コロイダルシリ
カ(平均粒子径:40nm、固形分量:50重量%、p
H=11)800gに、ヒュームド・アルミナ(1次粒
子平均粒子径:20nm、BET比表面積:100m2
/g)6gが、5%水酸化ナトリウム水溶液にてpH=
9.5に調整されたアルカリ性の水溶液に高剪断攪拌機
で分散せしめられたスラリー192gを加え、 更に、8
gのEDTA・2NH4 を添加して、羽根攪拌機で混
合、攪拌せしめることにより、均一な研磨組成物1kg
を得た。
【0074】実施例 13 実施例6と同様に、市販のアルカリ性のコロイダルシリ
カ(平均粒子径:40nm、固形分量:50重量%、p
H=11)400gに、それとは平均粒子径の異なるコ
ロイダルシリカ(平均粒子径:15nm、固形分量:4
0重量%、pH=10)250gを混合及び攪拌し、更
に、そこに、市販のヒュームド・シリカ(1次粒子平均
粒子径:16nm、BET比表面積:130m2 /g)
100gが、5%水酸化ナトリウムにてpH=9.5に
調整されたアルカリ性の水溶液に高剪断攪拌機で分散せ
しめられたスラリー342gを加え、更に8gのEDT
Aの二ソーダ塩(EDTA・2Na)を添加して、羽根
攪拌機で混合、攪拌せしめることにより、均一な研磨組
成物1kgを得た。
【0075】比較例 1〜4 本発明に従う実施例1〜13との比較のために、粒子径
の同じ、1種のコロイダルシリカが単独で配合される、
研磨組成物1kgを調製した。なお、比較例1は、上述
のコロイダルシリカ(平均粒子径:40nm、固形分
量:50重量%、pH=11)600gに、5%水酸化
ナトリウム水溶液で、pH=9.5に調整したアルカリ
性の水溶液400gを混合、攪拌することにより調製
し、また、比較例2,3では、平均粒子径:80nm又
は15nmのコロイダルシリカ(固形分量:40重量
%)1kgをそれぞれ、そのまま使用し、比較例4で
は、コロイダルシリカ(平均粒子径:40nm、固形分
量:50重量%、pH=11)800gに、pH=9.
5に調整された水溶液200gを加えることで、それぞ
れ、1kgの均一な研磨組成物を準備した。
【0076】比較例 5 また、コロイダルシリカ(平均粒子径:40nm、固形
分量:50重量%、pH=11)に対して、コロイダル
シリカに比して極めて硬質なα−アルミナ(平均粒子
径:0.5μm、BET比表面積:5m2 /g)を分
散、含有せしめた研磨組成物を比較のために、調製し
た。即ち、先ず、α―アルミナ100gと分散水500
gをポットミルに加え、70時間粉砕し且つ分散させた
α―アルミナ分散溶液(α―アルミナスラリー)を準備
し、このように準備されたα―アルミナスラリー600
gをコロイダルシリカ400gと攪拌混合して、1kg
の研磨組成物を得た。
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
【0079】研磨試験 上記で得られた実施例1〜13及び比較例1〜5の各1
kgの研磨組成物を、それぞれ、研磨機(不二越社製:
SLM−100、ポリッシング定盤直径:350mm)
に設けられた研磨材供給容器に導入した後、該研磨機を
用いて、タンタル酸リチウム単結晶材料からなるウェー
ハ(直径:75mm)の表面を5時間、ポリッシング
(精密研磨)せしめた。なお、かかるポリッシングに際
して、定盤の回転速度(回転数)は、60rpmに設定
され、また、研磨圧力は、200g/cm2 であった。
また、研磨組成物は、チューブポンプを用いて、200
mL/minの供給速度にて、定盤上に貼られた研磨布
面上に供給されると共に、溢れ出した研磨組成物が容器
に戻される、所謂、循環供給方式によって、繰り返し用
いられた。
【0080】そして、上述の如くしてウェーハの表面を
ポリッシングしつつ、研磨時間が1時間経過する毎に、
マイクロメータ(三豊製、測定精度:1μm)を用い
て、ウェーハの厚みを測定し、それより、1時間毎の研
磨速度(μm/Hr)を求め、また、微分干渉顕微鏡
(独国ライカ社製:マイクロスコープ)を用いて、40
倍の倍率にて、ウェーハの研磨面を十文字観察し、スク
ラッチ乃至はピットの有無により、研磨初期における研
磨面の表面状態を評価し、それらの結果を下記表3に併
せ付した。
【0081】
【表3】
【0082】かかる表3から明らかなように、コロイダ
ルシリカに対して、無晶形二酸化珪素、ヒュームド・シ
リカ、ヒュームド・アルミナの何れかを分散、配合した
実施例1,2,11にあっては、粒度分布の狭い1種の
コロイダルシリカのみからなる比較例1〜4の研磨組成
物に比して、研磨面の表面性状を良好に維持しつつ、研
磨速度を2倍以上に向上させ、特に、優れた研磨寿命を
実現しているのである。また、粒度の異なる2つのコロ
イダルシリカを配合し、その粒度分布が広範囲とされた
実施例4,5にあっても、より粒度分布の狭い比較例1
〜4と比較して、優れた研磨面の表面性状を確保しつ
つ、研磨速度及び研磨寿命の向上が見られる。そして、
コロイダルシリカに対して、研磨促進剤としてのキレー
ト性化合物が添加された実施例8〜10にあっても、そ
のような研磨促進剤が添加されない比較例1〜4に比し
て、優れた研磨速度と研磨寿命の向上が達成されている
のである。加えて、ベース研磨材としてのコロイダルシ
リカに対して、無晶形二酸化珪素、ヒュームド・シリ
カ、ヒュームド・アルミナ、粒度の異なるコロイダルシ
リカ、又はキレート性化合物のうちの複数を組み合わせ
てなる実施例3,6,7,12、13にあっては、それ
らの複数を組み合わせるところから、より一層優れた研
磨特性が付与されていることがわかる。
【0083】また、コロイダルシリカに対して、極めて
硬質な研磨材であるα−アルミナ(平均粒子径:0.5
μm、BET比表面積5m2 /g)を配合した比較例5
にあっては、研磨速度は極めて高くなるものの、ピッ
ト、スクラッチ等の表面不良を引き起こすことがわかる
のである。
【0084】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に従う硬脆材料用精密研磨組成物、つまり、コロイダ
ルシリカ(ベース研磨材)に対して、所定のシリカ粒子
及び/又はアルミナ粒子を組み合わせた硬脆材料用精密
研磨組成物、ベース研磨材としてのコロイダルシリカと
は平均粒子径が異なるコロイダルシリカを組み合わせた
硬脆材料用精密研磨組成物、或いは、キレート性化合物
からなる研磨促進剤を加えた硬脆材料用精密研磨組成
物、並びに、コロイダルシリカ(ベース研磨材)に対し
て、 所定のシリカ粒子及び/又はアルミナ粒子、ベース
研磨材とは平均粒度が異なるコロイダルシリカ、及びキ
レート性化合物からなる研磨促進剤のうちの複数を組み
合わせた硬脆材料用精密研磨組成物にあっては、何れ
も、ピットやスクラッチ、加工歪み等の研磨不良の発生
を効果的に回避し、硬脆材料の表面を極めて綺麗な鏡面
に精密研磨せしめことが出来ると共に、研磨速度が有利
に向上され得、研磨に費やす時間の短縮化が実現され、
更には、その研磨速度が長時間に亘って維持されるとい
った優れた研磨寿命が実現され得るのである。また、そ
のような研磨速度と研磨寿命の向上により、精密研磨加
工における作業効率及び作業性の向上と、良好な経済性
をも享受され得るのである。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コロイダルシリカに対して、平均1次粒
    子径が10〜40nmで、BET比表面積が40〜10
    0m2 /gのヒュームド・アルミナ、平均粒子径が1.
    0〜5.0μmで、BET比表面積が110〜420m
    2 /gの無晶形二酸化珪素、及び平均1次粒子径が12
    〜40nmで、BET比表面積が50〜200m2 /g
    のヒュームド・シリカのうちの少なくとも何れか一つを
    分散、含有せしめたことを特徴とする硬脆材料用精密研
    磨組成物。
  2. 【請求項2】 前記コロイダルシリカが、5〜150n
    mの粒子径の範囲にある請求項1に記載の硬脆材料用精
    密研磨組成物。
  3. 【請求項3】 前記コロイダルシリカが固形分で10〜
    50重量%の割合において含有される一方、前記ヒュー
    ムド・アルミナ、無晶形二酸化珪素及びヒュームド・シ
    リカのうちの少なくとも何れか一つが、合計量で2〜2
    5重量%の割合において含有せしめられている請求項1
    または請求項2に記載の硬脆材料用精密研磨組成物。
  4. 【請求項4】 第一のコロイダルシリカに対して、該第
    一のコロイダルシリカとは平均粒度が異なる第二のコロ
    イダルシリカの少なくとも1種を添加、含有せしめたこ
    とを特徴とする硬脆材料用精密研磨組成物。
  5. 【請求項5】 コロイダルシリカに対して、キレート性
    化合物を研磨促進剤として添加、含有せしめてなること
    を特徴とする硬脆材料用精密研磨組成物。
  6. 【請求項6】 コロイダルシリカに対して、シリカ粒子
    及びアルミナ粒子のうちの少なくとも何れか一つを分
    散、含有せしめると共に、更に、キレート性化合物を研
    磨促進剤として添加、含有せしめてなることを特徴とす
    る硬脆材料用精密研磨組成物。
  7. 【請求項7】 第一のコロイダルシリカに対して、該第
    一のコロイダルシリカとは平均粒度が異なる第二のコロ
    イダルシリカの少なくとも1種を添加、含有せしめると
    共に、更に、キレート性化合物を研磨促進剤として添
    加、含有せしめてなることを特徴とする硬脆材料用精密
    研磨組成物。
  8. 【請求項8】 第一のコロイダルシリカに対して、該第
    一のコロイダルシリカとは平均粒度が異なる第二のコロ
    イダルシリカの少なくとも1種を添加、含有せしめると
    共に、更に、シリカ粒子及びアルミナ粒子のうちの少な
    くとも何れか一つを分散、含有せしめてなることを特徴
    とする硬脆材料用精密研磨組成物。
  9. 【請求項9】第一のコロイダルシリカに対して、該第一
    のコロイダルシリカとは平均粒度が異なる第二のコロイ
    ダルシリカの少なくとも1種を添加、含有せしめると共
    に、シリカ粒子及びアルミナ粒子のうちの少なくとも何
    れか一つを分散、含有せしめ、更に、キレート性化合物
    を研磨促進剤として添加、含有せしめてなることを特徴
    とする硬脆材料用精密研磨組成物。
  10. 【請求項10】 前記第一のコロイダルシリカが固形分
    で10〜50重量%の割合において含有せしめられてい
    ると共に、該第一のコロイダルシリカと前記第二のコロ
    イダルシリカとが固形分の合計量で20〜60重量%の
    割合において含有せしめられている請求項4、請求項
    7、請求項8または請求項9に記載の硬脆材料用精密研
    磨組成物。
  11. 【請求項11】 前記第一のコロイダルシリカの平均粒
    子径が30〜60nmである一方、前記第二のコロイダ
    ルシリカの平均粒子径が5〜22nmまたは80〜10
    0nmであり、且つ該第一のコロイダルシリカと該第二
    のコロイダルシリカとが固形分の重量比で60〜80%
    と40〜20%の割合となるように用いられている請求
    項4、請求項7、請求項8、請求項9または請求項10
    に記載の硬脆材料用精密研磨組成物。
  12. 【請求項12】 前記研磨促進剤が、ポリアミノカルボ
    ン酸系キレート性化合物及び有機フォスフォン酸系キレ
    ート性化合物のうちの少なくとも1種である請求項5、
    請求項6、請求項7または請求項9に記載の硬脆材料用
    精密研磨組成物。
  13. 【請求項13】 前記研磨促進剤が、0.1〜5.0重
    量%の割合において含有せしめられている請求項5、請
    求項6、請求項7、請求項9または請求項12に記載の
    硬脆材料用精密研磨組成物。
  14. 【請求項14】 前記シリカ粒子及びアルミナ粒子が、
    無晶形二酸化珪素、ヒュームド・シリカ及びヒュームド
    ・アルミナである請求項6、請求項8または請求項9に
    記載の硬脆材料用精密研磨組成物。
  15. 【請求項15】 前記シリカ粒子及びアルミナ粒子のう
    ちの少なくとも何れか一つが、合計量において、2〜2
    5重量%の割合において含有せしめられている請求項
    6、請求項8、請求項9または請求項14に記載の硬脆
    材料用精密研磨組成物。
  16. 【請求項16】 pHが7〜11のアルカリ性に調整さ
    れている請求項1乃至請求項15の何れかに記載の硬脆
    材料用精密研磨組成物。
  17. 【請求項17】 硬脆材料が、タンタル酸リチウム単結
    晶材料またはニオブ酸リチウム単結晶材料である請求項
    1乃至請求項16の何れかに記載の硬脆材料用精密研磨
    組成物。
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