JP2001342145A - 育毛剤及び潰瘍治癒剤 - Google Patents

育毛剤及び潰瘍治癒剤

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JP2001342145A
JP2001342145A JP2000166116A JP2000166116A JP2001342145A JP 2001342145 A JP2001342145 A JP 2001342145A JP 2000166116 A JP2000166116 A JP 2000166116A JP 2000166116 A JP2000166116 A JP 2000166116A JP 2001342145 A JP2001342145 A JP 2001342145A
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hair
extract
ulcer healing
healing agent
green algae
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JP2000166116A
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Kenji Nakajima
謙二 中島
Jinichi Ito
仁一 伊藤
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JIPCOM KK
JIPUKOMU KK
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JIPCOM KK
JIPUKOMU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 天然物由来であって、充分な育毛促進効果を
有し、かつ安全性の高い育毛剤、及び安全性の高い潰瘍
治癒剤を提供する。 【解決手段】 育毛剤及び潰瘍治癒剤の有効成分とし
て、緑藻類に属する海藻から、水、その他の溶媒により
抽出して得られた抽出物を含有させる。そして、前記海
藻としては、ヒトエグサ、アオノリ及びアナアオサから
選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば頭皮に付与
又は経口摂取することにより、毛髪の生育を促進する育
毛剤、及び患部に付与又は経口摂取することにより、潰
瘍治癒を促進する効果を有する潰瘍治癒剤に関する。
【0002】
【従来の技術】他の哺乳類に比べて毛髪がほとんど退化
している人類において、毛髪は皮膚の保護、体温の保持
等といった本来の役割よりも、むしろ美容上の役割を果
たしているといえる。特に頭髪は、外観上最も目立つ毛
髪であり、美容上重要な役割を果たしている。
【0003】一般に毛髪は1日に50〜100本が自然
に生えかわっているといわれるが、栄養摂取不良、フケ
の過剰発生等による頭皮生理機能の低下、毛包及び毛球
部の新陳代謝機能の低下、男性ホルモンの関与による毛
包機能の低下、精神的ストレス等の様々な原因により脱
毛症が発生する。
【0004】このような脱毛症を予防・改善させる成分
として、ミノキシジル、アセタゾラアシド、ベラハミ
ル、プロペシア、ロゲイン、エリスロポエチン、コルチ
ゾン、フェニトイン、スロレプトマイシン、ジドブシン
等の薬品の他、様々な生薬抽出成分、卵胞ホルモン、ス
テロイド物質、ビタミン類、アミノ酸類等が知られてい
る。
【0005】一方、皮膚は外界に直接曝されているた
め、外界の様々な影響を受けやすくなり、また、加齢に
伴ない、ひび、あかぎれ、乾皮等といった皮膚の異常が
発生しやすくなる。
【0006】このような皮膚の異常を予防・改善させる
成分として、ビタミンA、B6、パントテン酸等のビタ
ミン類、ヒアルロン酸、グリセリン、プロピレングリコ
ール、尿素等の保湿剤、グリチルレチン酸、グリチルリ
チン酸ジカリウム等の抗炎症剤、胎盤抽出液、アロエエ
キス等の細胞賦活剤が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記成
分を配合した従来の育毛・養毛剤は、充分な育毛促進効
果を有しているとはいえず、また、副作用の問題もあり
安全性の点でも充分満足できるものではない。
【0008】また、皮膚外用剤に最も汎用されているグ
リセリン、プロピレングリコール等の保湿剤は、多量に
配合した場合、丘疹、面疱、膿疱、紅斑等の皮膚トラブ
ルの原因となるという問題点も指摘されており、安全性
の点で充分満足できるものではない。
【0009】したがって、本発明の目的は、天然物由来
であって、充分な育毛促進効果を有し、かつ安全性の高
い育毛剤、及び安全性の高い潰瘍治癒剤を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の1つは、緑藻類に属する海藻の抽出物を有
効成分として含有することを特徴とする外用又は内用育
毛剤である。
【0011】本発明のもう1つは、緑藻類に属する海藻
の抽出物を有効成分として含有することを特徴とする外
用又は内用潰瘍治癒剤である。
【0012】本発明の育毛剤は、頭皮等に塗布、噴霧等
の方法で付与することにより、又は経口摂取することに
より、後述する実施例に示されるように、優れた育毛促
進効果をもたらされる。
【0013】また、本発明の潰瘍治癒剤は、患部に塗
布、噴霧等の方法で付与することにより、又は経口摂取
することにより、後述する実施例に示されるように、優
れた潰瘍治癒効果をもたらされる。
【0014】本発明の育毛剤及び潰瘍治癒剤は、緑藻類
に属する海藻の抽出物を有効成分とするため、副作用の
心配がなく、安全性も高い。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の育毛剤及び潰瘍治癒剤に
おける有効成分は、緑藻類に属する海藻(以下、緑藻と
いう。)から水、その他の溶媒により抽出して得られる
抽出物である。
【0016】上記緑藻としては、ヒトエグサ(Monostro
ma nitidum)、アオノリ(Enteromorpha sp.)及びアナ
アオサ(Ulva pertusa)が好ましく挙げられる。
【0017】これらの緑藻から抽出物を得る方法として
は、例えば、乾燥又は生の緑藻1質量部に対して、0〜
1000倍量、好ましくは10〜30倍量の水を加え、
pH3〜9、好ましくはpH6〜8に調整した後、氷温
下〜100℃、好ましくは氷温下で10〜15分間乳鉢
中で磨砕して抽出すればよい。なお、抽出効率を上げる
ために、ホモゲナイザーなどで緑藻を細かく潰しながら
抽出する、又は予め細断、粉末化した緑藻を原料として
用いてもよい。また、抽出溶媒としては水の他に、アル
コール水、弱酸水、塩類溶液、還元水等を用いることが
できるが、本発明においては水が好ましく、特に蒸留水
又はイオン交換水が好ましい。
【0018】得られた抽出液は、遠心分離や濾過するな
どの手段で固液分離し、液部を回収する。この液部は、
そのまま又は濃縮して、溶液状、ペースト状の抽出物と
して用いることができる。また、凍結乾燥又は噴霧乾燥
して粉末状にしてもよい。
【0019】本発明の育毛剤は、上記緑藻の抽出物を有
効成分として含有するものであり、頭皮等の育毛を望む
皮膚(患部)に塗布又は噴霧等の手段によって直接付
与、あるいは経口摂取することにより、育毛促進効果を
もたらすものである。
【0020】本発明の育毛剤を外用育毛剤として用いる
場合、その製品形態としては、ローション剤、乳剤、ゲ
ル剤、エアゾール剤、クリーム、軟膏、粉末等の様々な
形態で用いることが可能である。また、ヘアートニッ
ク、ヘアーローション、ヘアーミルク、ヘアーミスト、
ヘアークリーム、ヘアージェル、ヘアーフォーム、ヘア
ーシャンプー、ヘアーリンス、ヘアートリートメント等
の各種毛髪化粧料に添加して用いることもできる。
【0021】本発明の外用育毛剤には、基剤成分として
通常の毛髪化粧料等に使用される溶剤、可溶化剤、加脂
剤、乳化剤、キレート剤、pH調整剤、香料、紫外線吸
収剤、防腐剤等を配合することができる。例えば、溶剤
としては、水(精製水)、エタノール、n−プロパノー
ル、イソプロパノール又はそれらの混合液等を用いるこ
とができるが、皮膚に必要以上の刺激を与えないように
するため有機溶剤を用いる場合は、水で希釈して用いる
ことが好ましい。
【0022】また、本発明の外用育毛剤には、育毛効果
を増強させるために、必要に応じて、育毛促進効果が期
待される他の化合物を配合してもよい。このような化合
物としては、例えば、ビタミン類(レチノール、レチナ
ール、ビタミンA1酸、ビタミンA1酸エステル、酢酸
レチノール、パルミチン酸レチノール、α−カロチン、
β−カロチン、γ−カロチン、リコペン、チアミン硝酸
塩、チアミン塩酸塩、チアミンジスルフィド化合物、リ
ボフラビン、フラビンヌクレオチド、フラビンテトラブ
チレート、リボフラビンテトラニコチネート、塩酸ピリ
ドキシン、塩酸ピリドキサール、塩酸ピリドキサミン、
シアノコバラミン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、パ
ントテン酸、パントテン酸塩、パントテニルアルコー
ル、パントテニルエチルエーテル、ビオチン、アスコル
ビン酸、アスコルビン酸塩、アスコルビン酸エステル、
ビタミンD類、トコフェロール、酢酸トコフェロール、
ユビキノン、プラストキノン、ビタミンK類等)、コリ
ン、必須脂肪酸(リノール酸、リノレン酸、アラキドン
酸)、エイコサトリエン酸、女性ホルモン、副腎皮質ホ
ルモン、抗高血圧剤(ミノキシジル、ジアゾキサイド
等)、TCA回路関連物質(c−AMP、コハク酸、ク
エン酸、ATP、FAD、NAD、NADP、L−リン
ゴ酸、メチルマロニルCoA、フマル酸、サクシニルC
oA、コエンザイムA、GDP、GTP、ADP、AM
P、オキザロ酢酸、アセチルCoA等)、植物抽出物
(ヒノキチオール、チョウジ抽出物、アロエ抽出物、カ
ンゾウ抽出物、サンショウ抽出物、アカヤジオウ抽出
物、センブリ抽出液、ホップ抽出液、ローズマリー抽出
液、セージ抽出液、タイム抽出液、人参抽出液等)及び
合成薬効成分(塩化カプロニウム等)が挙げられる。
【0023】本発明の外用育毛剤への上記緑藻の抽出物
の添加量は、好ましくは固形分換算で4〜12質量%で
ある。
【0024】本発明の外用育毛剤は、1回当り上記緑藻
の抽出物固形分換算で0.04〜0.12g塗布するこ
とが好ましい。また、1日1回〜数回、皮膚が湿る程度
に付与し、その際に、揉んだり、軽くたたいたりして、
患部に物理的刺激を与えることがより好ましい。また、
皮膚に付与してから1日程度放置した後、洗浄除去し、
再度新しく付与する工程を繰り返すことが好ましいが、
付与後数分〜数十分してから、本液を患部から拭き取り
あるいは洗浄しても、その効果は若干弱くなるものの持
続して発揮される。
【0025】一方、本発明の育毛剤を内用育毛剤として
用いる場合、その形態としては、経口摂取できる形態で
あれば特に制限はないが、例えば飲料、ペースト、ゲル
等の半固形物、顆粒(粉末)、カプセル剤、錠剤等の様
々な形態で用いることができ、また他の飲食品に添加し
て用いてもよい。
【0026】本発明の内用育毛剤には、通常の食品に使
用される溶媒、甘味料、調味料、油脂類、pH調整剤、
安定剤、乳化剤、賦形剤、香料、着色料等を配合するこ
とができる。
【0027】例えば、製剤化する場合は、賦形剤として
デンプン、セルロース、シクロデキストリン、アルギン
酸、ジェランガム等の高分子多糖類を用いることができ
る。その他、必要に応じて、ビタミン類、コラーゲン等
のタンパク質、緑藻以外の海藻抽出物等を配合してもよ
い。
【0028】本発明の内用育毛剤への上記緑藻の抽出物
の添加量は、好ましくは固形分換算で4〜12質量%で
ある。また、このような内用育毛剤を上記緑藻の抽出物
固形分換算で1日当り80〜240mg/体重kg摂取
することが好ましい。なお、内用育毛剤においては、上
記緑藻の抽出物の代わりに、緑藻粉末そのものを用いて
もよい。
【0029】本発明の外用又は内用育毛剤は、潰瘍など
の原因による脱毛にも効果があり、潰瘍の治癒を促進
し、その後の育毛を促進する効果を有する。
【0030】次に、本発明の潰瘍治癒剤は、上記緑藻の
抽出物を有効成分として含有するものであり、患部に塗
布又は噴霧等の手段によって直接付与、あるいは経口摂
取することにより、潰瘍治癒効果をもたらすものであ
る。
【0031】本発明において、潰瘍とは、皮膚のひび割
れ、あかぎれ、ただれ、発疹等をいう。
【0032】本発明の潰瘍治癒剤を外用潰瘍治癒剤とし
て用いる場合、その製品形態としては、例えば上記外用
育毛剤で述べたような様々な形態で用いることが可能で
ある。
【0033】本発明の外用潰瘍治癒剤には、基剤成分と
して通常の皮膚外用剤に使用される溶剤、可溶化剤、加
脂剤、乳化剤、キレート剤、pH調整剤、香料、紫外線
吸収剤、防腐剤、保湿剤、増粘剤等を配合することがで
きる。例えば、溶剤としては、水(精製水)、エタノー
ル、n−プロパノール、イソプロパノール又はそれらの
混合液等を用いることができるが、皮膚に必要以上の刺
激を与えないようにするため有機溶剤を用いる場合は、
水で希釈して用いることが好ましい。
【0034】また、本発明の外用潰瘍治癒剤には、その
効果を増強させるために、必要に応じて、潰瘍治癒促進
効果が期待される他の化合物を配合してもよい。このよ
うな化合物としては、例えば、ビタミンA、B6、パン
トテン酸等のビタミン類、ヒアルロン酸、グリセリン、
プロピレングリコール、尿素等の保湿剤、グリチルレチ
ン酸、グリチルリチン酸ジカリウム等の抗炎症剤、胎盤
抽出液、アロエエキス等の細胞賦活剤が挙げられる。
【0035】本発明の外用潰瘍治癒剤への上記緑藻の抽
出物の添加量は、好ましくは固形分換算で4〜12質量
%である。
【0036】本発明の外用潰瘍治癒剤は、1回当り上記
緑藻の抽出物固形分換算で0.04〜0.12g塗布す
ることが好ましく、1日1回〜数回、皮膚が湿る程度に
付与することがより好ましい。また、皮膚に付与してか
ら1日程度放置した後、洗浄除去し、再度新しく付与す
る工程を繰り返すことが好ましいが、付与後数分〜数十
分してから、本液を患部から拭き取りあるいは洗浄して
も、その効果は若干弱くなるものの持続して発揮され
る。
【0037】一方、本発明の潰瘍治癒剤を内用潰瘍治癒
剤として用いる場合、その形態としては、経口摂取でき
る形態であれば特に制限はなく、上記内用育毛剤と同様
の形態で用いることができ、また他の飲食品に添加して
用いてもよい。
【0038】本発明の内用潰瘍治癒剤には、通常の食品
に使用される溶媒、甘味料、調味料、油脂類、pH調整
剤、安定剤、乳化剤、賦形剤、香料、着色料等を配合す
ることができる。
【0039】例えば、製剤化する場合は、賦形剤として
デンプン、セルロース、シクロデキストリン、アルギン
酸、ジェランガム等の高分子多糖類を用いることができ
る。その他、必要に応じて、ビタミン類、コラーゲン等
のタンパク質、緑藻以外の海藻抽出物等を配合してもよ
い。
【0040】本発明の内用潰瘍治癒剤への上記緑藻の抽
出物の添加量は、好ましくは固形分換算で4〜12質量
%である。また、このような内用潰瘍治癒剤を上記緑藻
の抽出物固形分換算で1日当り80〜240mg/体重
kg摂取することが好ましい。なお、内用潰瘍治癒剤に
おいては、上記緑藻の抽出物の代わりに、緑藻粉末その
ものを用いてもよい。
【0041】本発明の外用又は内用潰瘍治癒剤は、潰瘍
の治癒を促進するばかりでなく、その後の育毛を促進す
る効果を有する。
【0042】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。
【0043】実施例1 市販の乾燥ヒトエグサ(三重県五ヶ所湾産)1質量部
に、その質量の5〜25倍量の蒸留水を加え、乳鉢中で
乳棒を用いて氷温下でよくすり潰した後、遠心分離(1
2,000rpm、4℃、2分間)を行ない、各上澄液
を回収した。さらに、各上澄液を濾紙(φ4.5cm、
ADVANTEC製)を用いて吸引濾過し、下記の緑褐
色の抽出液(1)〜(5)を得た。各濾液は、使用直前
まで小分けにして−20℃で冷凍貯蔵した。
【0044】 (1)5倍量の蒸留水で抽出した抽出液 (2)10倍量の蒸留水で抽出した抽出液 (3)15倍量の蒸留水で抽出した抽出液 (4)20倍量の蒸留水で抽出した抽出液 (5)25倍量の蒸留水で抽出した抽出液 10週齢のJcl SD系雄ラット6群(各群5匹)を
用いて以下の実験を行なった。試験期間中は、水(蒸留
水)、飼料(固形飼料MF、オリエンタル酵母製)は自
由摂取とし、湿度60%、温度25℃の環境下、1ケー
ジで1匹ずつ飼育した。
【0045】ラットの頭頂部3cm四方の毛をハサミで
1mm以下に刈り取って除毛した部分を試験区域(塗布
部分)とし、上記抽出液(1)〜(5)を解凍し、脱脂
綿に浸して、試験区域の皮膚表面が潤う程度に1日1回
(週に6日間)塗布し、経時的に育毛の程度と育毛面積
を測定した。また、コントロールには、蒸留水を用い
た。
【0046】育毛の程度は上記塗布部分から任意に採取
した毛10本の実長(試験期間内に伸びた長さ)の総和
で表し、育毛面積は、塗布部分の中で毛の長さが1mm
以上になった部分の面積の総和で表した。その結果を図
1、2に示す。
【0047】図1から分かるように、育毛の程度は、抽
出液(3)を塗布した時が最も良好で、塗布後1日目か
ら顕著な育毛促進効果が認められ、8日目には、コント
ーロール群に比べて3倍の毛の長さとなった。また、図
2から分かるように、同様に抽出液(3)を塗布した時
は、塗布後1日目から顕著な育毛面積の増加が認められ
た。なお、抽出液(3)で最も効果が顕著であったの
は、抽出効率が良好であったためと考えられる(以下同
じ。)。
【0048】次に、外観、知能、寿命において老化が早
期に進行するマウス(感染、炎症、免疫14(6)19
84、別冊医薬の門社、34−42)、すなわち、老化
促進モデルマウス(Senescence Accelerated Mouse(S
AM))の中でも、特に外観に顕著に老化現象が現れる
P/1系マウスを用いて、その老化の一指標である脱毛
に対する緑藻(ヒトエグサ)抽出物の効果を検討した。
【0049】実施例2 老化により鼻部両側部に完全な脱毛が見られる26週齢
のP/1系雄マウス6群(各群3匹)を用い、上記抽出
液(1)〜(5)を解凍して該脱毛部分に患部が湿る程
度に塗布し、経時的に育毛の程度を観察した。表1に実
験開始後7日目の結果を示す。なお、試験期間中は、水
(蒸留水)、飼料(固形飼料MF、オリエンタル酵母
製)は自由摂取とし、湿度60%、温度25℃の閑静な
環境下で飼育した。
【0050】
【表1】
【0051】0:全く生えていない、1:少し生えてい
る、2:かなり生えている、3:ほぼ正常に生えてい
る、4:正常に生えている表1から分かるように、実験
開始後7日目には、通常毛が生えてくるのみならず、実
験開始時には全く見られなかったヒゲが長々と伸長し、
特に抽出液(3)を塗布した群においてその効果が顕著
であった。
【0052】実施例3 老化により背部中央に脱毛と皮膚のひび割れ(わずかに
出血)の見られる26週齢のP/1系雄マウス6群(各
群3匹)を用い、上記抽出液(1)〜(5)を解凍して
背部中央の患部に湿る程度に塗布し、経時的に育毛、皮
膚のひび割れ及び出血の程度を観察した。表2に実験開
始後7日目の結果を示す。なお、試験期間中は、水(蒸
留水)、飼料(固形飼料MF、オリエンタル酵母製)は
自由摂取とし、湿度60%、温度25℃の閑静な環境下
で飼育した。
【0053】
【表2】
【0054】通常毛 0:全く生えていない、1:少
し生えている、2:かなり生えている、3:ほぼ正常に
生えている、4:正常に生えている ひび割れ 0:全く治癒していない、1:少し治癒し
ている、2:かなり治癒している、3:ほぼ正常、4:
正常 出血 0:全く止まっていない、1:少し止まってい
る、2:かなり止まっている、3:ほぼ完全に止まって
いる、4:完全に止まっている 表2から分かるように、実験開始後7日目には、特に抽
出液(3)を塗布した群において、通常毛が生えてくる
のみならず、ひび割れも完全に治癒する効果が確認され
た。
【0055】実施例4 老化により背部中央に脱毛と皮膚のひび割れ(わずかに
出血)の見られる28週齢のP/1系雄マウス6群(各
群3匹)を用い、上記抽出液(1)〜(5)を解凍して
水で10倍に希釈した液を飲料水として自由摂取(1匹
当り約50ml/日)させ、経時的に背部患部の育毛、
皮膚のひび割れ及び出血の程度を観察した。表3に実験
開始後1ヶ月後の結果を示す(評価基準は実施例3と同
じ。)。なお、試験期間中は、飼料(固形飼料MF、オ
リエンタル酵母製)は自由摂取とし、湿度60%、温度
25℃の閑静な環境下で飼育した。
【0056】
【表3】
【0057】表3から分かるように、実験開始後1ヶ月
後には、特に抽出液(3)を投与した群において、通常
毛が生えてくるのみならず、ひび割れも完全に治癒する
効果が確認された。
【0058】実施例5 表4に示す種類の各海藻(乾燥物)1質量部に、その質
量の15倍量の蒸留水を加え、実施例1と同様にして各
海藻の抽出液を得た。そして、これらを用いて実施例3
と同様にして実験を行ない、経時的に育毛、皮膚のひび
割れ及び出血の程度を観察した。その結果を表4に示す
(評価基準は実施例3と同じ。)。
【0059】
【表4】
【0060】表4から分かるように、アナアオサ、ヒト
エグサ、アオノリ等の緑藻類の水抽出液は、優れた育毛
効果、及び潰瘍治癒効果を有することが確認された。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
頭皮等に塗布、噴霧等の方法で付与することにより、又
は経口摂取することにより、優れた育毛促進効果をもた
らす天然物由来の安全性の高い育毛剤を提供することが
できる。
【0062】さらに、本発明によれば、患部に塗布、噴
霧等の方法で付与することにより、又は経口摂取するこ
とにより、優れた潰瘍治癒効果をもたらす天然物由来の
安全性の高い潰瘍治癒剤を提供することができる。
【0063】本発明の育毛剤及び潰瘍治癒剤は、緑藻の
抽出物を有効成分とするため、副作用の心配がなく、安
全性も高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 10週齢ラットに緑藻水抽出液を塗布した時
の育毛の促進程度を表す図表である。
【図2】 10週齢ラットに緑藻水抽出液を塗布した時
の育毛の促進が見られた部分の面積を表す図表である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4C083 AA111 CC37 DD27 EE13 EE22 FF01 4C088 AA15 AC15 CA05 MA52 MA63 NA05 NA06 NA07 ZA92

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 緑藻類に属する海藻の抽出物を有効成分
    として含有することを特徴とする外用又は内用育毛剤。
  2. 【請求項2】 前記海藻がヒトエグサ(Monostroma nit
    idum)、アオノリ(Enteromorpha sp.)及びアナアオサ
    (Ulva pertusa)から選ばれた少なくとも1種である請
    求項1に記載の外用又は内用育毛剤。
  3. 【請求項3】 緑藻類に属する海藻の抽出物を有効成分
    として含有することを特徴とする外用又は内用潰瘍治癒
    剤。
  4. 【請求項4】 前記海藻がヒトエグサ(Monostroma nit
    idum)、アオノリ(Enteromorpha sp.)及びアナアオサ
    (Ulva pertusa)から選ばれた少なくとも1種である請
    求項3に記載の外用又は内用潰瘍治癒剤。
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