JP2001340059A - イソフラボンアグリコンを含む発酵豆乳およびその製造方法 - Google Patents

イソフラボンアグリコンを含む発酵豆乳およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大豆中に含まれるイソフラボンのマロニル配
糖体を分解し、イソフラボンアグリコンを多量に生成さ
せることができ、且つ風味や物性、作業性等に優れた発
酵豆乳を提供すること。 【解決手段】 豆乳を微生物により発酵して得られる発
酵豆乳であって、当該発酵豆乳中の総イソフラボン誘導
体の50重量%以上をイソフラボンアグリコンとして含
有することを特徴とする発酵豆乳豆乳並びにマロニル配
糖体分解能を有する微生物および必要により更に、グル
コース配糖体を有する微生物を豆乳に接種し培養する上
記発酵豆乳の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イソフラボンアグ
リコン含量の高い発酵豆乳及びその製造方法を提供する
ものである。
【0002】
【従来技術】豆乳等の大豆製品に含まれてるイソフラボ
ンは、近年注目されている栄養素であり、脂質代謝改善
効果(Anthony et al. "Journal of Nutrition ", 126
, 43-50 (1996) )や、骨代謝改善効果(Ishida et a
l." Biological & Pharmaceutical Bulletin ", 21 , 6
2-66 (1998))、ガン予防効果(培養ガン細胞の増殖阻
害;Okura et al. Biochem. Biophys. Res. Commun., 1
57, 183(1988)、実験的発ガンの抑制;Sharm et al. J.
Steroid Biochem. Mol. Biol., 43, 557(1992)、発ガン
遺伝子発現の抑制;Zwiller et al. Oncogene, 6, 219
(1991)、太田俊久ら、1999年度日本癌学会講演要旨
発表演題1390)等を有することが報告されている。
【0003】ところで、大豆中のイソフラボンは大部分
がグルコースやアセチルグルコース、マロニルグルコー
ス等が結合した配糖体として存在しており、食物として
摂取されると、腸内菌の働きにより配糖体がアグリコン
に分解されたのち吸収される。ところが、腸内細菌の構
成は個体差が大きいため、イソフラボン配糖体の吸収は
個体差や不利益が生じてしまうものと考えられている。
事実等モルのイソフラボン配糖体とアグリコンを投与す
ると、アグリコン投与群の血中イソフラボン濃度が有意
に高くなることがラットの実験で報告されている(King
et al. Journal of Nutrition 126, 176-182(199
6))。
【0004】そこで、予め大豆中のイソフラボンをアグ
リコンに分解し、生体への吸収を促進させる試みがいく
つかなされている。このような、イソフラボン配糖体を
アグリコンに分解する手法としては、酵素処理による方
法や、酸、加熱処理などがすでに知られている。例え
ば、WO95/10512号公報には、β−グルコシダ
ーゼやエステラーゼを用いて配糖体を分解する方法が記
載されている。
【0005】しかしながら、酵素処理による方法では、
作業性の悪化や製造コストの上昇といった問題が生じて
しまう。また、豆乳に酸、加熱処理などを施した場合、
副次反応により風味の劣化や物性の変化を招くという問
題がある。
【0006】一方、豆乳を乳酸菌発酵することにより得
られる発酵豆乳は、風味や物性に優れた好ましい大豆食
品である。そして上記のように、発酵豆乳の中には、豆
乳中のイソフラボン配糖体がアグリコンに分解されるも
のもあり、本出願人もイソフラボン遊離能を有する乳酸
菌、ビフィドバクテリウム属細菌等を用いることで、ア
グリコンの豊富な発酵豆乳が得られることを既に報告し
ている(特開平9−238647号公報)。
【0007】しかし、このような発酵法では、ある程度
までアグリコンが生成した後にはそれ以上の分解は進ま
ない。このため、よりアグリコン量の多い、発酵豆乳の
製造方法を確立することが望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような現状におい
て、本発明者らが発酵豆乳中のイソフラボンアグリコン
量を増加させることを目的として更に検討を行ったとこ
ろ、従来イソフラボン遊離能が高いと思われていた微生
物は、各種イソフラボン配糖体のうちグルコース配糖体
を分解する能力(β−グルコシダーゼ活性)は高いもの
の、マロニル配糖体を分解する能力が低いことを知っ
た。
【0009】そして、マロニル配糖体は、豆乳中に多量
に含まれており、また、マロニル基が結合していると、
前記イソフラボン遊離能の高い微生物でも配糖体を分解
できないため、アグリコンの生成が一定で停止する原因
となっていることを見出した。
【0010】従って、本発明は、イソフラボンのマロニ
ル配糖体を分解し、イソフラボンアグリコンを多量に生
成させることができ、且つ風味や物性、作業性等に優れ
た発酵豆乳を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく種々の微生物を鋭意検索していたところ、
豆乳を発酵させると同時にイソフラボンのマロニル配糖
体を分解する能力を有する微生物が存在することおよび
この微生物を用いればイソフラボンアグリコンの生成量
が増加した発酵豆乳が得られることを見出し、本発明を
完成した。
【0012】すなわち本発明は、豆乳を微生物により発
酵して得られる発酵豆乳であって、当該発酵豆乳中の総
イソフラボン誘導体の50重量%以上をイソフラボンア
グリコンとして含有する発酵豆乳を提供するものであ
る。
【0013】また本発明は、マロニル配糖体分解能を有
する微生物を豆乳に接種し培養する発酵豆乳の製造方法
を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明において発酵豆乳とは、豆
乳に乳酸菌やビフィドバクテリウム属細菌等の微生物を
接種し、発酵を行ったものをいう。原料として用いる豆
乳は常法により得られるものでよく、例えば、丸大豆や
脱脂大豆を、水浸漬するか又は水浸漬しないで含水状態
にて摩砕して粉となし、これを濾過して不溶性画分を除
去したものが挙げられる。
【0015】本発明の発酵豆乳は、発酵豆乳中の総イソ
フラボン誘導体の50重量%(以下、単に「%」で示
す)以上がアグリコンとして存在するものであり、例え
ば、豆乳発酵をイソフラボン配糖体のうち、グルコース
配糖体及びマロニル配糖体を分解する能力を有する微生
物を用いて行うことにより製造される。
【0016】この発酵においては、グルコース配糖体及
びマロニル配糖体の分解能力を共に有する微生物を用い
ても良く、また、グルコース配糖体の分解能力を有する
微生物と、マロニル配糖体の分解能力を有する微生物を
組み合わせて用いても良い。
【0017】このうち、グルコース配糖体分解能を有す
る微生物とは、β−グルコシダーゼ活性等を有し、イソ
フラボン配糖体のうちグルコース配糖体を分解する能力
を有する微生物をいう。ある微生物が、グルコース配糖
体分解能を有するか否かは、例えば、高圧加熱殺菌(1
21℃、15分間)した豆乳に微生物を接種して発酵さ
せた発酵豆乳中の総イソフラボン量およびイソフラボン
アグリコン量を、菊池−早川らの方法(参考例1に記
載)に従い液体クロマトグラフィーのピーク面積から定
量し、得られた値から下式により配糖体の分解率を算出
して調べることができる。
【0018】
【式1】
【0019】特に発酵豆乳において充分な量のイソフラ
ボンアグリコンを得るためには、上記方法で5%以上の
活性を有するものを使用することが好ましく、特に10
%以上、更に40%以上の活性を有するものであること
が好ましい。
【0020】また、本発明のマロニル配糖体分解能を有
する微生物とは、イソフラボン配糖体のうちマロニル配
糖体を分解する能力を有する微生物をいい、このような
能力を有する微生物は、例えば、超高温(UHT)殺菌
(135℃、3.5秒間)した豆乳に微生物を接種して
発酵させ、発酵前後における豆乳、発酵豆乳中の各種イ
ソフラボン量を、松本らの方法(参考例2に記載)に従
い液体クロマトグラフィーのピーク面積から定量し、マ
ロニル配糖体量の分解率を下式に従い算出して選抜する
ことができる。
【0021】
【式2】
【0022】特に、発酵豆乳において充分な量のイソフ
ラボンアグリコンを得るためには、上記方法でマロニル
配糖体の分解率が5%以上の活性を有するものを使用す
ることが好ましい。
【0023】本発明の発酵豆乳の製造において、グルコ
ース配糖体分解能を有する微生物(以下、「グルコース
分解微生物」という)として使用される微生物は、食品
に添加することができるβ−グルコシダーゼ生産菌であ
れば特に制限されず、ラクトバチルス・アシドフィルス
(Lactobacillus acidphilus)、ラクトバチルス・ガセ
リ(L.gasseri)、ラクトバチルス・マリ(L.mali)、
ラクトバチルス・プランタラム(L.plantarum)、ラク
トバチルス・ブヒネリ(L.buchneri)、ラクトバチルス
・カゼイ(L.casei)、ラクトバチルス・ジョンソニー
(L.johnsonii)、ラクトバチルス・ガリナラム(L.gal
linarum)、ラクトバチルス・アミロボラス(L.amylovo
rus)、ラクトバチルス・ブレビス(L.brevis)、ラク
トバチルス・ラムノーザス(L.rhamnosus)、ラクトバ
チルス・ケフィア(L.kefir)、ラクトバチルス・パラ
カゼイ(L.paracasei)、ラクトバチルス・クリスパタ
ス(L.crispatus)等のラクトバチルス属細菌、ストレ
プトコッカス・サーモフィルス(Streptcoccus thermop
hilus)等のストレプトコッカス属細菌、ラクトコッカ
ス・ラクチス(Lactococcus lactis)等のラクトコッカ
ス属細菌、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifido
bacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム・ロンガ
ム(B.longum)、ビフィドバクテリウム・アドレスセン
ティス(B.adolescentis)、ビフィドバクテリウム・イ
ンファンティス(B.infantis)、ビフィドバクテリウム
・ブレーベ(B.breve)、 ビフィドバクテリウム・カ
テヌラータム(B.catenulatum)等のビフィドバクテリ
ウム属細菌、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtili
s)等のバチルス属細菌、サッカロマイセス・セルビシ
エ(Saccharomyses cerevisiae)、トルラスポラ・デル
ブルエッキー(Torulaspora delbrueckii)、キャンジ
ダ・ケフィア等のサッカロマイセス属、トルラスポラ
属、キャンジダ属等に属する酵母等のうち、前記方法で
グルコース配糖体分解能を有すると判断された微生物
が、好ましいものとして挙げられる。
【0024】中でも、ラクトバチルス属、ストレプトコ
ッカス属、ラクトコッカス属に属する乳酸菌や、ビフィ
ドバクテリウム属細菌がイソフラボンアグリコンの生成
量や発酵豆乳の風味等の点から好ましく、特にラクトバ
チルス・ガセリ DSM20243株、ラクトバチルス
・プランタラムATCC14947株およびATCC1
0241株、ラクトバチルス・ブヒネリATCC400
5株、ラクトバチルス・カゼイ YIT9029株(F
ERM BP−1366)及びATCC393株、ラク
トバチルス・マリ ATCC27304(YIT024
3株)、ラクトバチルス・ガリナラムJCM2011
株、ラクトバチルス・アミロボラスJCM1126株、
ラクトバチルス・ブレビスATCC14869株、ラク
トバチルス・ラムノーザスATCC7469株及びAT
CC53103株(YIT0232株)、ラクトバチル
ス・ケフィア NRIC1693株、ラクトバチルス・
パラカゼイ NCDO151株、ラクトコッカス・ラク
チス YIT2027(FERM P−16074)、
ビフィドバクテリウム・ビフィダム YIT4060株
(FERM P−15489)、ビフィドバクテリウム
・アドレスセンティスATCC15703株、ビフィド
バクテリウム・ブレーベYIT4065株(FERM
P−15488)は、β−グルコシダーゼ活性が特に高
いため好ましい。
【0025】一方、マロニル配糖体分解能を有する微生
物(以下、「マロニル分解微生物」という)として使用
される微生物は、食品に添加することができ、前記方法
でイソフラボンのマロニル配糖体を分解する能力を有す
ると判断されたものであれば特に制約はないが、ラクト
バチルス・マリ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラ
クトバチルス・ガセリ、ラクトバチルス・ラムノーザス
等のラクトバチルス属細菌、ストレプトコッカス・サー
モフィルス等のストレプトコッカス属細菌、ビフィドバ
クテリウム・ビフィダム、ビフィドバクテリウム・ロン
ガム、ビフィドバクテリウム・アドレスセンティス、ビ
フィドバクテリウム・インファンティス、ビフィドバク
テリウム・ブレーベ、ビフィドバクテリウム・カテヌラ
ータム(B.caterulatum)等のビフィドバクテリウム属
細菌を用いることが発酵豆乳の風味やアグリコンの生成
量の点から好ましい。
【0026】特に、ラクトバチルス・マリ、ラクトバチ
ルス・ガセリ、ラクトバチルス・ラムノーザスが好まし
く、更にラクトバチルス・マリ YIT0243株(A
TCC27304)、ラクトバチルス・ガセリ YIT
0168株(FERM P−6262)、ラクトバチル
ス・ラムノーザス ATCC53103株を使用するこ
とが好ましい。
【0027】なお、グルコース配糖体分解能とマロニル
配糖体分解能を共に有する微生物として、例えばラクト
バチルス・マリ YIT0243株等が挙げられる。こ
のような微生物を用いれば、1種の微生物で本発明の発
酵豆乳を得ることができるが、一般には、グルコース分
解微生物とマロニル分解微生物の2種以上を組み合わせ
て使用する方が培養時間を短縮できるため好ましい。
【0028】本発明の発酵豆乳の製造は、グルコース配
糖体分解能とマロニル配糖体分解能を有する微生物を用
いる以外は常法により行えばよい。例えば、まず豆乳を
殺菌処理した後、グルコース分解微生物とマロニル分解
微生物とを接種して培養を行い、これを均質化処理する
ことにより発酵豆乳を得ることができる。豆乳を発酵す
るにあたり、グルコース分解微生物とマロニル分解微生
物の双方を接種して培養(発酵)する際には、接種した
それぞれの微生物に共通に適した培養条件を選択すれば
よい。例えば、嫌気性菌であれば、培養基中の酸素を炭
酸ガスや窒素ガスなどの不活性ガスで置換するか、また
は酸素反応剤などで除酸素して嫌気的条件化にて培養を
行うこともできる。また、好気性菌であれば、酸素存在
下の好気条件を選択すればよい。更に、上記の両種の微
生物を同時に接種して培養してもよいが、まずグルコー
ス分解微生物を接種して培養し、次いでマロニル分解微
生物を接種して培養してもよい。
【0029】なお、本発明のグルコース分解微生物及び
マロニル分解微生物を用いて大豆タンパク質を発酵すれ
ば、豆乳と同様イソフラボンアグリコン量の多い発酵大
豆タンパク質食品を製造することができる。発酵に用い
る大豆タンパク質としては、例えば、大豆タンパク質粉
末に適当量の水を加え、大豆タンパク質の溶液状、ペー
スト状あるいはエマルジョンとしたもの、または豆乳に
酸、苦塩等の塩類を加えて沈殿させたタンパク質を中
和、乾燥して得た分離大豆タンパク質に水や油脂を加え
ることにより作製した溶液、ペースト、エマルジョンお
よびこれらを含む食品素材等を使用することができる。
【0030】このように大豆タンパク質を発酵させる場
合も、用いる微生物は発酵豆乳の製造に用いるものと同
様のものを使用すればよい。また、発酵大豆タンパク質
の製造も、グルコース分解微生物とマロニル分解微生物
を用いる以外は常法に従えばよい。例えば、発酵大豆タ
ンパク質を殺菌処理した後、グルコース分解微生物とマ
ロニル分解微生物を接種、培養すれば、発酵大豆タンパ
ク質を得ることができるのである。
【0031】一方、豆乳を発酵する際の条件は、用いる
微生物の種類に合わせ適宜設定すればよく、例えば乳酸
菌やビフィドバクテリウム属細菌を用いる場合には、2
5℃〜37℃で、24〜48時間程度培養すればよく、
豆乳濃度としては固形分換算で1〜20%がイソフラボ
ンアグリコンの生成量の点から好ましい。
【0032】この培養、発酵にあたり、原料である豆乳
中に各種糖質等、例えば、グルコース、シュークロー
ス、果糖ぶどう糖液糖、ぶどう糖果糖液糖等の糖質を
0.5重量%〜5.0重量%程度添加してもよい。
【0033】かくして得られる発酵豆乳は、グルコース
配糖体分解能とマロニル配糖体分解能を有する微生物を
用いて得られたものであり、含有されるイソフラボン配
糖体のうち、グルコース配糖体はグルコース分解微生物
により、また、マロニル配糖体は、マロニル分解微生
物、次いでグルコース分解微生物により分解されるた
め、その発酵豆乳中の総イソフラボン誘導体の50%以
上がアグリコンとして存在するものである。従ってこの
発酵豆乳は、イソフラボン吸収効率の高い優れたもので
ある。特に、イソフラボンの70%以上がアグリコンと
して存在するものは、イソフラボンの吸収向上に伴う各
種生理作用が期待でき、好ましい。
【0034】上記のようにして得られた発酵豆乳は、そ
のままでも製品とすることもできるが、一般には、風味
を上げたり、必要な形状とする等のために種々の成分を
添加、配合し、更にフレーバーを添加して最終製品とす
ることができる。
【0035】本発明の発酵豆乳に添加、混合される成分
としては、各種糖質や乳化剤、増粘剤、甘味料、酸味
料、果汁等が挙げられる。より具体的には、グルコー
ス、シュークロース、フラクトース、蜂蜜等の糖類、ソ
ルビトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチト
ール、パラチニット等の糖アルコール、ショ糖脂肪酸エ
ステル、グリセリン糖脂肪酸エステル、レシチン等の乳
化剤、寒天、ゼラチン、カラギーナン、グァーガム、キ
サンタンガム、ペクチン、ローカストビーンガム等の増
粘(安定)剤、が挙げられる。この他にも、ビタミン
A、ビタミンB類、ビタミンC、ビタミンE等の各種ビ
タミン類やハーブエキス、穀物成分、野菜成分、乳成分
等を配合しても、優れた風味の発酵豆乳を得ることがで
きる。
【0036】また、本発明の発酵豆乳に添加することの
できるフレーバーとしては、ヨーグルト系、ベリー系、
オレンジ系、花梨系、シソ系、シトラス系、アップル
系、ミント系、グレープ系、ペア、カスタードクリー
ム、ピーチ、メロン、バナナ、トロピカル、ハーブ系、
紅茶、コーヒー系等のフレーバーが挙げられ、これらを
1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
特に、ヨーグルト系、ストロベリー系、オレンジ系、花
梨系のフレーバーは、上記甘蔗抽出物を含有する発酵豆
乳との相性がよいため、これらを用いることが好まし
い。フレーバーの添加量は特に限定されないが、風味面
から0.05〜0.5質量%、特に0.1〜0.3質量%程
度が好ましい。
【0037】なお、大豆タンパク質を発酵して、発酵大
豆タンパク質を製造する場合にも、上記の培養条件、添
加物等は同様に用いることができるが、豆乳を基質とす
る場合の方が、大豆タンパク質を基質とするよりもイソ
フラボン分解率が高くなる傾向があり、発酵後の風味も
豆乳の方がより好ましいため、本発明の微生物を用いた
発酵は、豆乳に適用することの方がより適している。
【0038】以上説明した本発明の発酵豆乳は、プレー
ンタイプ、フルーツフレーバータイプ、固形状、液状等
いずれの形態の製品とすることも可能である。また、発
酵終了後、シロップ液との混合前等の段階で発酵豆乳に
殺菌処理を施し、死菌含有タイプの製品としてもよい。
【0039】更に食品としては、各種の紙容器、合成樹
脂容器や酸素透過性の低いバリヤー容器等の容器に充填
して製品化することが可能である。なお、この充填は、
気相を炭酸ガスや窒素ガスなどの不活性ガスで置換した
うえで行っても良い。
【0040】
【実施例】次に実施例および参考例を挙げ、本発明を更
に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例等に何ら制
約されるものではない。なお、以下の実施例において、
イソフラボン量の測定は、以下の方法で行った。
【0041】(イソフラボンの測定法)菊地−早川らの
方法(" Bioscience Biotechnology Biochemistry ", 6
2, 1688-1692 (1998))に従い、高速液体クロマトグラ
フィー(HPLC)によって定量した。
【0042】まず、サンプル約1gを秤量し、これに4
mlのメタノールを加え、抽出する。この抽出液を遠心
分離(3000rpm、10分間)し、得られた上清1
mlに4N−塩酸1mlを混合して塩酸混液を得る。得
られた塩酸混液0.1mlに内部標準液0.1mlを加
え、混合した後、HPLC**でアグリコン量を測定す
る。
【0043】一方、上記塩酸混液の残部を100℃で3
0分間加熱し、冷却後、反応液0.1mlに内部標準液
0.1mlを加え、混合した後、HPLC**で分析
し、総イソフラボン量を測定する。
【0044】上記方法で測定した総イソフラボン量から
アグリコン量を差し引いた値を配糖体量とした。 * 内部標準液 : 4μg/mlフラボンDMSO溶液 ** HPLC条件は以下の通りである。 検 出 器 : 紫外吸光光度計(測定波長260n
m) カ ラ ム : YMC−Pack C4(4.6×15
0mm、YMC) カラム温度 : 50℃ 移 動 相 : 10%酢酸/メタノ−ル(73:2
7)混液 流 量 : 2ml/min
【0045】参 考 例 1 豆乳を超高温(UHT)殺菌(135℃、3.5秒)
し、その各々にフィルター滅菌した50%グルコース水
溶液20mlを加え、培地とした(グルコース終濃度1
%)。各培地にβ−グルコシダーゼ活性の高い菌株であ
るラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)Y
IT 9029もしくはビフィドバクテリウム・ブレー
ベ(Bifidobacterium breve)YIT 4065シードを
1%接種し、37℃で培養し、上記イソフラボンの測定
により総イソフラボン量およびイソフラボンアグリコン
量を測定することにより経時的に配糖体の分解率を調べ
た。なお、採取した各発酵豆乳は分析まで氷中で保存し
た。この結果を図1に示す。
【0046】この結果、L.カゼイ YIT 9029や
B.ブレーベ YIT 4065のようなβ−グルコシダ
ーゼ活性の高い菌株により、豆乳を発酵させることで、
イソフラボン配糖体のアグリコンへの分解がおこった。
しかし、50%未満で分解が止まってしまい、それ以上
は分解が進まなかった。
【0047】実 施 例 1 素豆乳に1%濃度でグルコースを加え、超高温(UH
T)殺菌(135℃、3.5秒)した。ここに、豆乳で
あらかじめ数代継代した表1に示す乳酸菌の種菌をを1
%接種し、30℃にて24〜48時間培養した。培養後
のイソフラボンの配糖体分解率を測定したところ表1の
ようになった。
【0048】
【表1】
【0049】上記の結果から明らかなように、L.マリ
YIT 0243株が突出して分解活性が高いことが明
かとなり、単菌でもイソフラボンアグリコンを豊富に含
む発酵豆乳を製造することが可能であった。また、他の
菌株に関しては、培養時間を延長しても配糖体分解率が
上記以上の値になることはなかった。
【0050】実 施 例 2 素豆乳に1%濃度でグルコースを添加し、UHT殺菌
(135℃、3.5秒)した。ここに、L.カゼイYIT
9029株を0.01%接種し、単独で37℃にて23
時間培養したもの、およびL.カゼイ0.01%に加えて
表2に示す他の乳酸菌を1%同時に接種し、37℃にて
23時間混合培養したものを調製した。培養後のイソフ
ラボンの配糖体分解率を測定したところ表2のようにな
った。
【0051】
【表2】
【0052】この結果から明らかなように、L.マリ、
L.ガセリまたはL.ラムノーサスとL.カゼイの混合培
養により、発酵豆乳中の配糖体は23時間で50%以上
の分解がみられた。L.マリとL.カゼイの混合培養で
は、80%以上の分解が見られ、L.マリの単独培養
(表1)の培養時間48時間よりも短時間で分解が可能
になることが明らかになった。また、程度はやや弱いな
がらもL.アシドフィルスとの組み合わせも有効であっ
た。
【0053】参 考 例 2 β―グルコシダーゼ活性をもつ菌であるラクトバチルス
・カゼイ YIT 9029株による発酵豆乳を作製し、
含まれるイソフラボンを種類別に分析した。
【0054】( 実験方法 ) 発酵豆乳調製:豆乳をUHT殺菌(135℃、3.5
秒)し、これにフィルター滅菌した50%グルコース水
溶液20mlを加え、培地とした(グルコース終濃度1
%)。この培地にラクトバチルス・カゼイ YIT 90
29株シードを1%接種し、37℃で48時間培養し
た。対照としては、UHT滅菌した豆乳を用いた。
【0055】分析サンプル調製:豆乳約1gをファルコ
ンチューブに秤量し、4mlのメタノールを添加、攪拌
後、遠心分離(3000rpm、10分間)した。上清100μ
lとDMSO 100μlを混合し、HPLC分析用サ
ンプルとした。
【0056】HPLC分析:松本らの方法(" Chromato
graphy ", 21, 37-42 (2000))を用いた。分析の条件は
以下のとおりである。 検 出 器 : 紫外吸光光度計(測定波長:260n
m) カ ラ ム : YMC−Pack CN(4.6−75
mm, Y.M.C.) カラム温度 : 40℃付近の一定温度 移 動 相 : 0.1% ぎ酸溶液/アセトニトリル/
メタノール(87:3:10)混液 流 量 : ゲニステインの保持時間が14分とな
るように調整する(約2.0ml/min)
【0057】図2中、AはL.カゼイ YIT9029株
を用いた発酵豆乳の、BはUHT滅菌豆乳のイソフラボ
ンHPLCチャートである。また図中、1は、グルコー
ス配糖体であるダイジンの、2はゲニスチンのピークで
あり、3はマロニル配糖体であるマロニルダイジンの、
5はマロニルゲニスチンのピークであり、4はアグリコ
ンであるダイゼインの、6はゲニステインのピークであ
る。
【0058】図2では、マロニル配糖体(ピーク3、
5)のみが残存していることが明らかであり、L.カゼ
イ YIT 2029株のみを用いた場合の配糖体の分解
率の低さはマロニル配糖体がほとんど分解されないこと
が原因であることがわかった。
【0059】実 施 例 3 発酵豆乳におけるイソフラボン配糖体の分解様式を解析
するために、実施例2においてL.カゼイ YIT902
9株単独よりも配糖体分解率が高くなった併用乳酸菌に
ついて、参考例2の方法を用い、マロニル配糖体の分解
性を検討した。
【0060】( 実験方法 ) 発酵豆乳調製:豆乳をUHT殺菌(135℃、3.5
秒)し、各々にフィルター滅菌した50%グルコース水
溶液20mlを加え、培地とした(グルコース終濃度1
%)。この培地にラクトバチルス・マリ YIT 024
3株、ラクトバチルス・ガッゼリ(Lactobacillus gass
eri) YIT 0168株、もしくは、ラクトバチルス
・ラムノーザス(Lactobacillus rhamnosus) YIT
0232株をシードとして1%接種し、37℃で48時
間培養した。こうして得られた各種発酵豆乳から、参考
例2と同様に分析サンプルの調製、HPLC分析を行
い、イソフラボンマロニル配糖体の残存状況を調べた。
対照としては、UHT滅菌した豆乳を用いた。この結果
を図3に示す。
【0061】図3中、EはL.マリYIT 0243株を
用いた発酵豆乳の、DはL.ガゼリYIT 0168株を
用いた発酵豆乳の、CはL.ラムノーザス YIT 02
32株を用いた発酵豆乳のイソフラボンHPLCチャー
トであり、BはUHT殺菌した豆乳のイソフラボンHP
LCチャートである。また図中、1から6は、参考例2
と同じ物質のピークを示す。
【0062】図3の結果、L.マリ YIT 0243
株、L.ガゼリ YIT 0168株およびL.ラムノーザ
ス YIT 0232株の3菌株がマロニル基を分解する
能力を有することが示された。このうち、L.ガゼリ Y
IT 0168株およびL.ラムノーザス YIT 023
2株についてはマロニル配糖体のピークがグルコース配
糖体のピークに移行しており、マロニル配糖体をグルコ
ース配糖体に変換する活性を持つことが示唆された。
L.マリ YIT 0243株はそのような活性に加え、
配糖体をアグリコンに分解する活性を併せ持っているこ
とが推察された。
【0063】実 施 例 4 素豆乳に1%濃度でグルコースを添加し、UHT殺菌
(135℃、3.5秒)した。ここに、L.カゼイ YI
T 9029株を1%接種したもの、L.マリ YIT 0
243株を1%接種したもの、両者を0.5%ずつあわ
せて接種したもの、以上3サンプルについて、37℃に
て48時間培養をおこなった。各サンプルについて培養
後のイソフラボンを抽出し、HPLCにて配糖体の種類
別に同定をおこなった。対照としては、UHT滅菌した
豆乳を用いた。この結果を図4に示す。
【0064】図4中、GはL.マリ YIT 0243株
を用いた発酵豆乳の、FはL.カゼイYIT 9029株
を用いた発酵豆乳のイソフラボンHPLCチャートであ
り、Hは両者を用いた場合のイソフラボンHPLCチャ
ートである。なお、BはUHT殺菌した豆乳のイソフラ
ボンHPLCチャートであり、図中、1から6は、参考
例2と同じ物質のピークを示す。
【0065】未接種の豆乳にみられるマロニル配糖体の
イソフラボンを示すピーク(図中、B)は、L.カゼイ
YIT 9029株による発酵ではほとんど変化してい
ない(図中、F)のに対して、L.マリ YIT 024
3株による発酵後には減少し(図中、G)、両者の混合
培養では完全に消失していた(図中、H)。よって、こ
れらの菌株によるイソフラボン配糖体の分解特性は、
L.マリのマロニル配糖体の分解能とL.カゼイのβ−グ
ルコシダーゼ活性によると判断される。
【0066】実 施 例 5 マロニル配糖体の分解様式についてマロン酸の生成によ
り確認した。
【0067】( 実験方法 )実施例3と同様にして得ら
れたL.マリ YIT 0243株の発酵物およびL.カゼ
イ YIT 9029株の発酵物を経時的に採取し、1/10
量の10%過塩素酸を加え、2時間、4℃で放置した。
その後、10000rpmで10分間遠心処理を行な
い、得られた上清を0.45μのフィルターでろ過し
た。このサンプルに含まれる有機酸の分析用サンプルと
した。この分析用サンプル中のマロン酸濃度を測定した
結果を図5に示す。
【0068】( HPLC分析 )HPLC分析は以下の
条件で行った。 検 出 器 : 電気伝導度検出器(Waters 43
2) カ ラ ム : Shodex KC−811 カラム温度 : 42℃ 移 動 相 : 溶 離 液 15mM過塩素酸−2%アセトニトリル pH調整液 15mM過塩素酸−60mM トリス−2%
アセトニトリル 流 量 : 1.0ml/min
【0069】図5の結果から、L.マリ YIT 024
3株の発酵物はL.カゼイ YIT 9029株の発酵物
に比べ、経時的にマロン酸濃度が高くなることが明かと
なった。そして、マロン酸はマロニル配糖体のマロニル
基が分解されると生成すると考えられるので、L.マリ
YIT 0243株はマロニル配糖体のマロニル基部分
を分解する活性を持つことが示された。従って、実施例
3で見出された菌群は、マロニル配糖体のマロニル基を
分解していると判断された。
【0070】実 施 例 6 L.カゼイおよびL.マリで混合培養した場合の、醗酵大
豆タンパクのイソフラボン配糖体の分解率を次のように
して調べた。まず、大豆タンパク質(フジプロ120
0;不二製油製)を0.1%酵母エキス(ディフコ製)
および1%グルコースを含む蒸留水に溶かして、6〜1
2%の溶液を作り、ガラスホモゲナイザーで均一化し
た。この溶液を80℃で30分間加熱殺菌後冷却し、醗
酵用の大豆タンパク溶液とした。こうして調製した大豆
タンパク質溶液に、L.カゼイ YIT9029株を0.
01%、L.マリ YIT 0243株を1%接種し、3
7℃にて20時間培養し、発酵大豆タンパク質を調製し
た。得られた発酵大豆タンパク質について、そのイソフ
ラボンの配糖体分解率を、前記方法に準じて測定した結
果を表3に示す。
【0071】
【表3】
【0072】原料である大豆タンパク質は加熱処理等を
経て得られたものであり、ダイゼインは26%前後、ゲ
ニステインは18%前後分解されている。そして、これ
を表3の結果と比較すると、よりイソフラボンの分解が
進んでいることがわかる。すなわち、L.カゼイおよび
L.マリを用いて大豆タンパク溶液を醗酵することによ
り、イソフラボン配糖体分解率は50%以上になり、特
に12%溶液では70%を超えることが理解される。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、総イソフラボン誘導体
の50%以上がアグリコンとして存在する発酵豆乳が得
られる。そして、アグリコンは配糖体と比べ生体への吸
収が高いので、本発明の発酵豆乳は脂質代謝改善効果
や、骨代謝改善効果、ガン予防効果等を有する飲食品と
して極めて有利なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 β−グルコシダーゼ活性の高い微生物で豆乳
を発酵させた場合の配糖体分解率の変化を示す図面。
【図2】 L.カゼイ YIT 9029株を用いて豆乳
を発酵させた場合の発酵前後におけるイソフラボンの種
類の変化を調べた結果を示す図面。
【図3】 いくつかのラクトバチルス属微生物につい
て、豆乳を発酵させた後の培養物に含まれるイソフラボ
ンの種類を分析した結果を示す図面。
【図4】 L.マリ YIT 0243株およびL.カゼイ
YIT 9029株について、それぞれ単独で豆乳を発
酵させた場合並びにこれら両者を使用して豆乳を発酵さ
せた場合について、培養後のイソフラボンの種類を分析
した結果を示す図面。
【図5】 L.マリ YIT 0243株およびL.カゼイ
YIT 9029株について発酵豆乳中のマロン酸濃度
を示す図面 以 上
フロントページの続き (72)発明者 飯野 透 東京都港区東新橋1丁目1番19号 株式会 社ヤクルト本社内 (72)発明者 石川 文保 東京都港区東新橋1丁目1番19号 株式会 社ヤクルト本社内 Fターム(参考) 4B001 AC08 AC31 BC14 EC05 4B020 LB18 LC05 LG05 LK18 LP18 LQ10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 豆乳を微生物により発酵して得られる発
    酵豆乳であって、当該発酵豆乳中の総イソフラボン誘導
    体の50重量%以上をイソフラボンアグリコンとして含
    有することを特徴とする発酵豆乳。
  2. 【請求項2】 発酵に使用される微生物がイソフラボン
    のマロニル配糖体分解能を有する微生物である請求項1
    記載の発酵豆乳。
  3. 【請求項3】 発酵に使用される微生物がイソフラボン
    のマロニル配糖体分解能を有する微生物及びグルコース
    配糖体分解能を有する微生物である請求項1記載の発酵
    豆乳。
  4. 【請求項4】 発酵に使用される微生物が乳酸菌又はビ
    フィドバクテリウム属細菌であることを特徴とする請求
    項1ないし3の何れかの項記載の発酵豆乳。
  5. 【請求項5】 マロニル配糖体分解能を有する微生物を
    豆乳に接種し培養することを特徴とする発酵豆乳の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 更に、グルコース配糖体分解能を有する
    微生物を豆乳に接種し培養する請求項5記載の発酵豆乳
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 微生物が乳酸菌又はビフィドバクテリウ
    ム属細菌である請求項5または6記載の発酵豆乳の製造
    方法。
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