JP2001339069A - 基板装置の製造方法及び電気光学装置の製造方法 - Google Patents

基板装置の製造方法及び電気光学装置の製造方法

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JP2001339069A
JP2001339069A JP2000158352A JP2000158352A JP2001339069A JP 2001339069 A JP2001339069 A JP 2001339069A JP 2000158352 A JP2000158352 A JP 2000158352A JP 2000158352 A JP2000158352 A JP 2000158352A JP 2001339069 A JP2001339069 A JP 2001339069A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 TFTアレイ基板装置等の製造方法におい
て、製造工程の効率化を図り且つ製造される装置の信頼
性を高める。 【解決手段】 基板装置の製造方法は、基板(800)
の表面及び裏面にCVDにより第1膜(801a,80
1b)を形成する第1膜形成工程と、基板の表面に形成
された第1膜をエッチングによりパターニングする第1
膜パターニング工程と、このパターニングされた第1膜
を含む基板の表面に形成された積層体上及び第1膜を含
む基板の裏面に形成された積層体上に、CVDにより第
2膜(802a,802b)を形成する第2膜形成工程
と、第2膜及び第1膜を含む基板の裏面に形成された積
層体をエッチングにより一括して除去する一括除去工程
とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、TFTアレイ基板
装置、半導体基板装置等の基板装置の製造方法及びこれ
を含む電気光学装置の製造方法の技術分野に属し、特に
液晶装置等の電気光学装置を構成する基板装置を製造す
るのに好適な基板装置の製造方法及びこれを含む電気光
学装置の製造方法の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の基板装置の製造方法とし
て、例えば薄膜トランジスタ(以下適宜、TFTと称
す)を備えたTFTアレイ基板装置を製造する方法で
は、石英基板等の基板上に、CVD(化学蒸着)により
チャネル領域を有する半導体層となるポリシリコン膜を
形成し、レジストを用いてのフォトリソグラフィ及びエ
ッチングにより、所定パターンとする。次に、その上に
ゲート酸化膜としての酸化膜を熱酸化等により形成す
る。更にその上にゲート電極となるポリシリコン膜をC
VDにより形成し、レジストを用いてのフォトリソグラ
フィ及びエッチングにより、所定パターンとする。
【0003】上述の製造方法によれば、ポリシリコン膜
をCVDで成膜する際に、基板の表面だけでなく裏面に
も同様にポリシリコン膜が形成される。しかるに、電気
光学装置用の基板装置等の場合、当該基板装置の透過率
が問題とされるため、このように裏面に形成されると共
に透過率を低める要因となる不要なポリシリコン膜を是
非取り除かねばならない。
【0004】ここで、基板の表面に形成されたポリシリ
コン膜をパターニングする際のエッチングにより裏面に
形成されたポリシリコン膜も除去することが考えられ
る。しかし、基板の表面に形成されたポリシリコン膜を
配線や素子の一部とするようにパターニングする場合、
高いパターン精度が要求されるので、指向性の高いドラ
イエッチングを用いる必要がある。従って、このような
基板の表側に対するエッチングでは、裏面に形成された
ポリシリコン膜を除去することはできない。
【0005】そこで現状では、裏面にポリシリコン膜が
形成される都度に(即ち、表面に形成されたポリシリコ
ン膜上で、次の成膜等を行う以前に)、これを専用の
(即ち、裏面に形成されたポリシリコン膜を除去するた
めに専用の)エッチングにより除去している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、CVD
により裏面に形成される不要なポリシリコン膜が形成さ
れる都度に、これを除去するために専用の(基板表面へ
のレジストの塗布、焼成、剥離等を含む)フォトリソグ
ラフィ及びエッチングを行っているのでは、工程数削減
や製造工程の単純化、或いは製造コストの削減等の一般
的な要請に沿うのは困難であるという問題点がある。更
に、TFTの半導体層やゲート電極となる有用なポリシ
リコン膜が表面に露出した状態における裏面の不要なポ
リシリコンを除去する作業は、当該表面にある有用なポ
リシリコン膜にダメージを与える原因となる。更に裏面
に形成されるポリシリコン膜等はその都度除去されるた
め、当該基板装置の一連の製造プロセスの大半におい
て、石英基板等の基板の裏面は、露出した状態とされる
ので、いずれかの工程で基板の裏面にキズが付く可能性
が基本的に高い。この結果、上述の製造方法によれば製
造される基板装置或いはこれを備えた電気光学装置にお
ける装置信頼性を高めるのが困難であるという問題点も
ある。
【0007】本発明は上述した問題点に鑑みなされたも
のであり、製造工程の効率化を図ることができ、しかも
製造された装置の信頼性を高めることも可能である基板
装置の製造方法及びこれを含む電気光学装置の製造方法
を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の基板装置の製造
方法では、基板の表側及び裏側から、該基板の表面及び
裏面にCVDにより第1膜を形成する第1膜形成工程
と、前記基板の表側から、前記基板の表面に形成された
第1膜をエッチングによりパターニングする第1膜パタ
ーニング工程と、前記基板の表側及び裏側から、前記パ
ターニングされた第1膜を含む前記基板の表面に形成さ
れた積層体上及び前記第1膜を含む前記基板の裏面に形
成された積層体上に、CVDにより第2膜を形成する第
2膜形成工程と、前記第2膜及び前記第1膜を含む前記
基板の裏面に形成された積層体をエッチングにより一括
して除去する一括除去工程とを含む。
【0009】本発明の基板装置の製造方法によれば、先
ず石英基板、半導体基板等の基板が用意され、第1膜形
成工程で、CVDにより、基板の表面に第1膜が形成さ
れる。この際、CVDは、スパッタリング等の技術と異
なり指向性が殆ど無いため、基板の表側及び裏側から作
用する。このため、基板の裏面にも、第1膜が形成され
る。このように裏面に形成された第1膜はこの時点では
除去されず、第1膜で基板の裏面が覆われた状態のま
ま、引き続いて基板の表面におけるパターニング工程或
いは成膜工程が行われることになる。即ち次に、第1膜
パターニング工程で、基板の表側からのエッチングによ
り、基板の表面に形成された第1膜はパターニングさ
れ、製造すべき基板装置の仕様に応じた所定パターンと
される。更に、製造すべき基板装置の仕様に応じて、パ
ターニングされた第1膜上に直接或いは該第1膜を含む
積層体上における酸化膜や絶縁膜の成膜等を経た後に、
第2膜形成工程で、CVDにより、第1膜を含む基板の
表面に形成された積層体上に第2膜が形成される。この
際、CVDで成膜を行っているので、第1膜を含む基板
の裏面に形成された積層体上にも第2膜が形成される。
次に、製造すべき基板装置の仕様に応じて基板の表側で
第1膜を含む積層体上における酸化膜や絶縁膜の成膜等
を経た後に、若しくは第2膜の成膜直後又は第2膜のパ
ターニング後に、一括除去工程で、第2膜のみならず第
1膜形成工程後に除去されていない第1膜を含む基板の
裏面に形成された積層体が、エッチングにより一括して
除去される。ここに、「一括して除去」とは、他の成膜
処理やパターニング処理を、第2膜及び第1膜をエッチ
ングにより除去する間に介在させること無く、これらの
第2膜及び第1膜を連続或いは一連のエッチングにより
除去する意味であり、同一のエッチング装置内で同一の
エッチングガス又は液により除去する場合の他、エッチ
ングガス又は液を途中で(第2膜用から第1膜用に)交
換する場合や、途中で異なるエッチング装置に移してエ
ッチングを続ける場合も含む。また、基板の裏側で第2
膜と第1膜との間に他の膜(例えば、酸化膜や絶縁膜)
が存在する場合には、当該他の膜並びに第2膜及び第1
膜を連続的に或いは一連のエッチングにより除去する意
味である。
【0010】このように本発明の基板装置の製造方法に
よれば、一括して第2膜及び第1膜をエッチングにより
除去するので、第1膜や第2膜を形成する都度にこれら
裏面に形成された膜を一々専用のエッチング(表面にお
けるレジスト塗布、焼成、剥離等を含むプロセス)によ
り除去する場合と比べて、製造工程を単純化できる。
【0011】また、このように裏面に形成された膜を一
々専用のエッチングにより除去する場合と比べて、基板
の表面に形成された積層体上にレジストを塗布し、焼成
し、後にこれを剥離するプロセスを含むエッチングを、
裏面に形成された膜を除去するために行う回数が、1/
2以下に減る。従って、基板の表面に形成された積層体
が当該専用エッチングの過程でダメージを受ける可能性
が低減される。このため、最終的に基板の表面に形成さ
れた積層体からなる配線や素子が不良化する可能性を低
減でき、製造される基板装置における装置信頼性を高め
ることが可能となる。
【0012】更に、第1膜を形成してから、第1膜を第
2膜と共にエッチングにより除去するまでの間は、基板
の裏面は、少なくとも第1膜により覆われている。この
ため、当該第1膜が基板の裏面用の保護膜として機能
し、最終的に基板の裏面にキズ等のダメージが付くの効
果的に防止できる(即ち、裏面を覆う第1膜にキズ等が
ついてもその後の一括除去工程で除去されてしまうので
問題とならない)。従って、この意味からも、最終的に
製造される装置における装置信頼性及び性能を高めるこ
とが可能となる。
【0013】これに加えて、第1膜を形成してから、第
1膜を第2膜と共にエッチングにより除去するまでの間
は、基板の裏面に形成されている第1膜等を利用して静
電チャックを用いることも可能となるので一層有利であ
る(即ち、石英基板では、絶縁性が高いため、静電チャ
ックを用いることができず、製造装置内における基板の
搬送や固定には、専らクランプ等を用いなくてはなら
ず、ハイパフォーマンスの装置は使用できない)。
【0014】但し、本発明の基板装置の製造方法では、
一括除去工程があまり遅くなったのでは(例えば、基板
の裏面において、第1膜形成工程後に行われる複数の工
程を経て、第1膜上に第2膜以外に複数の膜や特に厚い
膜が形成されたのでは)、その後にエッチングにより一
括して除去するのは困難である。例えば、第2膜上にC
VDによる層間絶縁膜(NSG、BSG等)を膜厚80
0nm程度に形成した後では、一括除去は非常に困難と
なる(時間がかかる)。このため個々の基板装置を製造
する上での、個別具体的な一括除去工程の容易性(エッ
チング時間)、一括除去により得られる製造上の利益、
第1膜等を保護膜として機能させる期間、第1膜により
静電チャックの利用を可能ならしめる期間等を総合的に
勘案して、適当と考えられる工程後に、当該一括除去工
程を入れるのが好ましい。
【0015】本発明の基板装置の製造方法の一態様で
は、前記一括除去工程の前に、前記基板の表側から、前
記第2膜及び前記第1膜を含む前記基板の表面に形成さ
れた積層体をレジストで覆って保護する工程を更に含
み、前記一括除去工程は、前記第2膜及び前記第1膜を
含む前記基板の表面に形成された積層体が前記レジスト
で覆われた状態のまま終始行われる。
【0016】この態様によれば、第2膜及び第1膜を含
む基板の表面に形成された積層体はレジストで覆われ保
護された状態のままで、一括除去工程が開始され、終了
される。従って、一括除去工程に用いられるエッチング
装置の種類や数や、エッチングガス又は液の種類や数に
よらず、裏面に形成された第2膜及び第1膜を除去する
ためには、基板の表側には一つのレジストを夫々1回だ
け塗布・焼成・剥離すれば足る。この結果、製造工程の
簡略化を図ることができると共にレジストの塗布から剥
離に至る過程で基板の表面側におけるダメージを最小限
に抑えられる。
【0017】本発明の基板装置の製造方法の他の態様で
は、前記一括除去工程の後に、前記基板の表側から、前
記基板の表面に形成された第2膜をエッチングによりパ
ターニングする第2膜パターニング工程を更に含む。
【0018】この態様によれば、一括除去工程の後に、
基板の裏側で第2膜が除去された状態で、基板の表側で
第2膜が第2膜パターニング工程によりエッチングによ
りパターニングされる。従って、基板の表側では、パタ
ーニング前の均一な第2膜上に、一括除去工程における
エッチング用のレジストを塗布できる。この結果、当該
レジストを良好に塗布、焼成及び剥離可能となり、当該
レジストの塗布、焼成及び剥離に起因する第2膜のダメ
ージを低減できる。
【0019】或いは本発明の基板装置の製造方法の他の
態様では、前記一括除去工程の前に、前記基板の表側か
ら、前記基板の表面に形成された第2膜をエッチングに
よりパターニングする第2膜パターニング工程を更に含
む。
【0020】この態様によれば、基板の表側で第2膜が
第2膜パターニング工程によりエッチングによりパター
ニングされ、その後、一括除去工程により基板の裏側で
第2膜及び第1膜が除去される。従って、第2パターニ
ング工程の間も、基板の裏面は第2膜及び第1膜により
保護されている。即ち、比較的長期に亘って基板の裏面
を第2膜及び第1膜により保護できるので、当該基板の
裏面がキズ等のダメージを受ける可能性を一層低減でき
る。
【0021】或いは本発明の基板装置の製造方法の他の
態様では、前記一括除去工程の前に、前記基板の表側か
ら、前記基板の表面に形成された第2膜をエッチングに
よりパターニングする第2膜パターニング工程と、前記
基板の表側及び裏側から、前記パターニングされた第2
膜を含む前記基板の表面に形成された積層体上及び前記
第2膜を含む前記基板の裏面に形成された積層体上に、
CVDにより第3膜を形成する第3膜形成工程とを更に
含み、前記一括除去工程では、前記第3膜、前記第2膜
及び前記第1膜を含む前記基板の裏面に形成された積層
体をエッチングにより一括して除去する。
【0022】この態様によれば、基板の表側で第2膜が
第2膜パターニング工程でエッチングによりパターニン
グされ、その後、第3成膜工程で、このようにパターニ
ングされた第2膜を含む基板の表面に形成された積層体
(第1膜と第2膜との間や、第2膜上に酸化膜や絶縁膜
が形成されているものも含む)上に、CVDにより第3
膜が形成される。この際、CVDは指向性が殆ど無く、
基板の表側及び裏側から作用するため、基板の裏面にも
第3膜が形成される。更にその後、一括除去工程により
基板の裏側で第3膜、第2膜及び第1膜が一括して除去
される。従って、3つの膜を一括して除去するので、こ
れら第1〜第3膜を形成する都度にこれら基板の裏面に
形成された膜を一々専用のエッチングにより除去する場
合と比べて、製造工程を遥かに単純化できる。
【0023】尚、エッチングにより一括して除去可能な
程度において、第3膜の上に更にCVDにより形成され
た複数の膜(例えば、第4膜、第5膜、第6膜、…)を
含めて一括して除去してもよい。或いは、これら複数の
膜(第1膜、第2膜、第3膜、…)を2つ以上ずつ一括
してエッチングにより除去してもよい。
【0024】この態様では、前記一括除去工程の後に、
前記基板の表側から、前記基板の表面に形成された第3
膜をエッチングによりパターニングする第3膜パターニ
ング工程を更に含んでもよい。
【0025】この態様によれば、一括除去工程の後に、
基板の裏側で第3膜が除去された状態で、基板の表側で
第3膜が第3膜パターニング工程によりエッチングによ
りパターニングされる。従って、基板の表側では、パタ
ーニング前の均一な第3膜上に、一括除去工程における
エッチング用のレジストを塗布できる。
【0026】或いはこの態様では、前記一括除去工程の
前に、前記基板の表側から、前記基板の表面に形成され
た第3膜をエッチングによりパターニングする第3膜パ
ターニング工程を更に含んでもよい。
【0027】この態様によれば、基板の表側で第3膜が
第3膜パターニング工程によりエッチングによりパター
ニングされ、その後、一括除去工程により基板の裏側で
第3膜、第2膜及び第1膜が除去される。従って、第3
パターニング工程の間も、基板の裏面は第3膜、第2膜
及び第1膜により保護されている。
【0028】本発明の基板装置の製造方法の他の態様で
は、前記一括除去工程は、ウエットエッチングを行う工
程を含む。この態様によれば、ウエットエッチングによ
り一括除去工程の少なくとも一部が行われる。一般に、
ウエットエッチングでは指向性がなくパターン精度を出
すことが困難であるが、一括除去工程ではパターン精度
を出す必要は全く無い(即ち、表側は全く除去せず、裏
側は全面的に除去すればよい)。このため、例えば低品
位のエッチング液を用いて簡易なウエットエッチング環
境でも当該一括除去処理を問題なく行える。更に、大量
の基板装置をバッチ処理によりまとめて行っても特に問
題無く行えるので実用上便利である。但し、酸化膜を除
去するに、ポリシリコン除去用のウエットエッチング液
では困難であり、酸化膜除去用のエッチング液で処理が
可能である。また、同一装置内のポリシリコン用と酸化
膜用のエッチング液を貯蔵した二層式であれば同時に処
理が可能である。例えば第2膜と第3膜との間に酸化膜
がある場合等には、一括除去工程の中で、第3膜除去用
のウエットエッチングを行った後に、酸化膜除去用のド
ライエッチングを行い、続いて第2膜除去用のウエット
エッチングを行い、更に第1膜除去用のウエットエッチ
ングを行うようにすればよい。また、第1膜と第2膜と
の間に酸化膜がある場合には、一括除去工程の中で、第
2膜をドライエッチングし、酸化膜をウエットエッチン
グ、第1膜をドライエッチングするとよい。
【0029】本発明の基板装置の製造方法の他の態様で
は、前記一括除去工程は、エッチングガスを少なくとも
1回交換して同一エッチング装置によりドライエッチン
グを行う工程を含む。
【0030】この態様によれば、エッチングガスを少な
くとも1回交換しての、同一エッチング装置によるドラ
イエッチングにより、一括除去工程が行われる。一般
に、基板の表側で配線や素子の一部となるように第1膜
や第2膜をパターニングするためには、高いパターン精
度でドライエッチングを行う必要があるが、一括除去工
程ではパターン精度を出す必要は全く無い。このため、
例えば低品位のエッチングガスを用いて簡易なドライエ
ッチング環境でも当該一括除去処理を問題なく行える。
更に、例えばウエットエッチングでは除去困難な酸化膜
が、第1膜と第2膜との間にある場合等には、同一エッ
チング装置内における一括除去工程の中で、第2膜除去
用のエッチングガス(例えば、CF4、O2等を含むガ
ス)を用いてドライエッチングを行った後に、酸化膜除
去用のエッチングガス(例えば、CF 4、O2等に加えて
SF6+CHF3等のガスを含むガス)に交換してドライ
エッチングを行い、更に第1膜除去用のエッチングガス
に交換してドライエッチングを行うようにすればよい。
このように、比較的効率良く複数の膜を一括して除去で
きる。尚、エッチングガスを交換するだけでなく、一括
除去工程の中で、各膜毎に専用のエッチング装置に交換
しつつ複数の膜を一括して除去してよいことは言うまで
もない。
【0031】本発明の基板装置の製造方法の他の態様で
は、前記第1膜及び前記第2膜は、ポリシリコン膜から
なる。
【0032】この態様によれば、第1膜形成工程及び第
2膜形成工程で、ポリシリコン膜からなる第1膜及び第
2膜が基板の裏側と表側とに夫々形成され、その後、基
板の裏側に形成された第1膜及び第2膜については、一
括除去工程により一括して除去される。従って、例えば
TFTなどの、ポリシリコン膜からなる半導体層や電極
を備えた基板装置を比較的簡単に製造できる。
【0033】本発明の基板装置の製造方法の他の態様で
は、前記第1膜パターンニング工程と前記一括除去工程
との間に、前記基板の表側及び裏側から、酸化膜を形成
する酸化膜形成工程を更に含み、前記一括除去工程で
は、前記酸化膜、前記第2膜及び前記第1膜を含む前記
基板の裏面に形成された積層体を一括して除去する。
【0034】この態様によれば、基板の表側では、第1
膜及び第2膜の間に酸化膜が配置された積層構造を用い
て、例えばTFTを製造することが可能となる。そし
て、この製造に伴って裏側に形成されるこれら3つの膜
については一括除去工程で一括して除去できるので、係
るTFT等を比較的簡単に製造できる。尚、この場合の
一括除去工程では、酸化膜を除去する際には、フッ素を
含んだエッチングガスを用いればよい。
【0035】本発明の基板装置の製造方法の他の態様で
は、前記一括除去工程で用いられるレジストは、前記第
1膜パターニング工程で用いられるレジストよりも感度
が低い。
【0036】この態様によれば、感度の低いレジストで
基板の表側の積層体の全体を覆ってのエッチングにより
裏側の第2膜及び第1膜を一括して除去できる。ここで
特に、一括除去工程では、表側は全く除去せず、裏側は
全面的に除去すればよいのでパターン精度は要求されな
い。このため、感度の低いレジストを用いても何ら問題
はないため、一般に安価なレジストを用いることがで
き、コスト削減に繋がる。
【0037】本発明の基板装置の製造方法の他の態様で
は、前記一括除去工程で用いられるレジストは、前記第
1膜パターニング工程で用いられるレジストよりも膜厚
が厚い。
【0038】この態様によれば、膜厚が厚い(例えば、
パターニングを行う際のレジストの膜厚が約1.0μm
であるのに対して、約1.8μm程度に厚い)レジスト
で基板の表側全体を覆ってのエッチングにより裏側の第
2膜及び第1膜を一括して除去できる。ここで特に、一
括除去工程では、表側は全く除去せず、裏側は全面的に
除去すればよいのでパターン精度は要求されないため、
膜厚の厚いレジストを用いても何ら問題はない。逆に、
レジストの膜厚を厚くすることで、その焼成から剥離に
至る過程で、基板の表側に対する保護膜としての機能が
向上する。従って、この機能向上に応じて、基板の表側
に形成された第2膜や第1膜がキズ等のダメージを受け
る可能性が低まり、最終的に製造される基板装置の装置
信頼性が高まる。
【0039】本発明の基板装置の製造方法の他の態様で
は、前記一括除去工程で用いられるレジストは、前記第
1膜パターニング工程で用いられるレジストよりもポス
トベーク温度が高い。
【0040】この態様によれば、ポストベーク温度を高
くして(例えば、パターニングを行う際のレジストのポ
ストベーク温度が約115℃であるのに対して、約15
0℃程度に高くして)焼成したレジストで、基板の表側
全体を覆ってのエッチングにより裏側の第2膜及び第1
膜を一括して除去できる。ここで特に、一括除去工程で
は、表側は全く除去せず、裏側は全面的に除去すればよ
いのでパターン精度は要求されないため、ポストベーク
温度を高めて、硬度の高いレジストを用いても、何ら問
題はない。逆に、レジストの硬度を高めることで、その
焼成から剥離に至る過程で、基板の表側に対する保護膜
としての機能が向上する。従って、この機能向上に応じ
て、基板の表側に形成された第2膜や第1膜がキズ等の
ダメージを受ける可能性が低まり、最終的に製造される
基板装置の装置信頼性が高まる。
【0041】本発明の電気光学装置の製造方法は上記課
題を解決するために、上述した本発明の基板装置の製造
方法(各種態様も含む)を含み、前記第1膜形成工程及
び前記第1膜パターニング工程により、前記基板上で各
画素に構築される電子素子及び該電子素子に接続された
配線の少なくとも一部を前記第1膜から形成する。
【0042】本発明の電気光学装置の製造方法によれ
ば、上述した本発明の基板装置の製造方法における第1
膜形成工程及び第1膜パターニング工程により、電子素
子や配線が第1膜から形成される。従って、信頼性の高
い電子素子や配線を備えた電気光学装置を比較的容易に
製造できる。
【0043】本発明のこのような作用及び他の利得は次
に説明する実施の形態から明らかにされる。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0045】(基板装置の製造方法の第1実施形態)先
ず、本発明の基板装置の製造方法の第1実施形態につい
て、図1を参照して説明する。図1は、第1実施形態に
係る基板装置の製造方法を各工程における断面図により
順を追って示す工程図である。
【0046】図1において、先ず工程(1)では、半導
体基板、TFT基板(例えば、石英基板、ガラス基板な
ど)等の基板800が用意される。基板800が半導体
基板であれば、本実施形態の製造方法により各種半導体
基板装置を製造可能である。或いは、TFT基板であれ
ば、本実施形態の製造方法により各種TFT基板装置を
製造可能である。
【0047】次に工程(2)では、基板800の表面
(図1で上面)上に、減圧CVD、常圧CVD、プラズ
マCVD等のCVDにより、第1膜の一例たる第1ポリ
シリコン膜801aを形成する。この際、CVDを用い
ているため、基板800の裏面(図1で下面)上にも、
第1ポリシリコン膜801bが同様に形成される。
【0048】次に工程(3)では、第1ポリシリコン膜
801aに対し、フォトリソグラフィ工程、エッチング
工程等を施すことにより、所定の平面形状にパターニン
グして、第1ポリシリコン膜801とする。より具体的
には、先ず第1ポリシリコン膜801a上にレジスト8
04を形成し、これをマスクを介しての露光又は電子ビ
ーム露光によりパターニングした後に、特にパターン精
度を高めるべく、図中矢印で示すべく上側から指向性を
持たせたエッチングガスによりレジスト804を介して
のドライエッチングを行う。これにより、レジスト80
4と同一パターンの第1ポリシリコン膜801が形成さ
れる。その後、レジスト804は、剥離される。他方、
基板800の裏側に位置する第1ポリシリコン膜801
bは、従来のようにこの段階でエッチングにより除去す
ることなく、そのまま残しておく。
【0049】次に工程(4)では、第1ポリシリコン膜
801及び基板800の上に、減圧CVD、常圧CV
D、プラズマCVD等のCVDにより、第2膜の一例た
る第2ポリシリコン膜802aを形成する。この際、C
VDを用いているため、基板800の裏面(図1で下
面)の第1ポリシリコン膜801b上にも、第2ポリシ
リコン膜802bが同様に形成される。
【0050】次に工程(5)では、第2ポリシリコン膜
802aに対し、フォトリソグラフィ工程、エッチング
工程等を施すことにより、所定の平面形状にパターンニ
ングする。より具体的には、先ず第2ポリシリコン膜8
02a上にレジスト806を形成し、これをマスクを介
しての露光又は電子ビーム露光によりパターニングした
後に、特にパターン精度を高めるべく、図中矢印で示す
べく上側から指向性を持たせたエッチングガスによりレ
ジスト806を介してのドライエッチングを行う。これ
により、レジスト806と同一パターンの第2ポリシリ
コン膜802が形成される。その後、レジスト806
は、剥離される。
【0051】次に工程(6)では、先ず、基板800の
表側から、第2ポリシリコン膜802及び第1ポリシリ
コン膜801からなる基板800の表面に形成された積
層体を、レジスト808で全面的に覆う。そして、この
状態で、基板800の裏側に位置する第2ポリシリコン
膜802b及び第1ポリシリコン膜801aを一括して
エッチングにより除去する。その後、レジスト808を
剥離する。
【0052】以上の結果、所定の平面形状に夫々パター
ンニングされた第1ポリシリコン膜801及び第2ポリ
シリコン膜802が基板800上に形成されてなる基板
装置が製造される。
【0053】このように第1実施形態によれば、工程
(2)で基板800の裏面に形成された第1ポリシリコ
ン膜801bはこの時点では除去されず、第1ポリシリ
コン膜801bで基板800の裏面が覆われた状態のま
ま、引き続いて工程(3)から工程(5)が行われるこ
とになる。そして、工程(6)で第2ポリシリコン膜8
02bのみならず第1ポリシリコン膜801bを含む基
板800の裏面に形成された積層体が、エッチングによ
り一括して除去されるので、第1ポリシリコン膜801
aや第2ポリシリコン膜802aを表側に形成する都度
に裏側に形成された第1ポリシリコン膜801bや第2
ポリシリコン膜802bを一々専用のエッチングにより
除去する場合と比べて、製造工程を単純化できる。
【0054】また、このように裏面に形成された第1ポ
リシリコン膜801bや第2ポリシリコン膜802bを
一々専用のエッチングにより除去する場合と比べて、基
板800の表面に形成された積層体上にレジスト808
を塗布し、焼成し、後にこれを剥離する一連のプロセス
を、裏面に形成された第1ポリシリコン膜801bや第
2ポリシリコン膜802b膜を除去するために行う回数
が、1/2に減る。従って、基板800の表面に形成さ
れた積層体(即ち、第1ポリシリコン膜801及び第2
ポリシリコン膜802)が当該専用エッチングの過程で
ダメージを受ける可能性が低減される。
【0055】更に、第1ポリシリコン膜801a及び8
01bを形成してから、第1ポリシリコン膜801bを第
2ポリシリコン膜802bと共にエッチングにより除去
するまでの工程(2)から工程(5)の間は、基板80
0の裏面は、少なくとも第1ポリシリコン膜801bに
より覆われている。このため、第1ポリシリコン膜80
1b(これに加えて工程(4)及び工程(5)では、第
2ポリシリコン膜802b)が基板800の裏面用の保
護膜として機能し、最終的に基板の裏面にキズ等のダメ
ージが付くの効果的に防止できる。
【0056】これに加えて、第1ポリシリコン膜801
a及び801bを形成してから、第1ポリシリコン膜8
01bを第2ポリシリコン膜802bと共にエッチング
により一括除去するまでの工程(2)から工程(5)の
間は、基板800の裏面に形成されている第1ポリシリ
コン膜801b又は第2ポリシリコン膜802b膜を利
用して静電チャックを用いることも可能となる。
【0057】尚、このような本実施形態の基板装置の製
造方法は、一般には、マザー基板上に多数の基板装置が
作り込まれる、例えば8インチ程度の大型のマザー基板
上で行われるものである。
【0058】上述した第1実施形態では特に、工程
(6)において、一括除去前に、レジスト808で基板
800の上側を全面的に覆って保護するので、一括除去
に用いられるエッチング装置の種類や数や、エッチング
ガス又は液の種類や数によらず、裏面に形成された第2
ポリシリコン膜802b及び第1ポリシリコン膜801
bを除去するためには、基板800の表側に一つのレジ
スト808を夫々1回だけ塗布・焼成・剥離すれば足り
る。この結果、製造工程の簡略化を図ることができると
共にレジスト808の塗布から剥離に至る過程で基板8
00の表面側におけるダメージを最小限に抑えられる。
【0059】更に第1実施形態では、工程(6)におけ
る一括除去前に、工程(5)におけるパターニングを行
うので、該パターニングの最中も、基板800の裏面は
第2ポリシリコン膜802b及び第1ポリシリコン膜8
01bにより保護されている。従って、基板800の裏
面がキズ等のダメージを受けるのを阻止できる。
【0060】第1実施形態では、好ましくは工程(6)
で、ウエットエッチングを行う。工程(6)におけるエ
ッチングでは、パターン精度は要求されないので、例え
ば低品位のエッチング液を用いて簡易なウエットエッチ
ング環境でも当該一括除去を行える。更に大量の基板装
置をバッチ処理によりまとめて行ってもよい。
【0061】また、第1実施形態では、工程(6)の一
括除去で用いられるレジスト808は、工程(3)或い
は工程(5)のパターニングで用いられるレジスト80
4或いは806よりも感度が低くてよい。即ち、一括除
去では、基板800の表側は全く除去せず且つ裏側は全
面的に除去すればよいのでパターン精度は要求されな
い。従って、感度が低く均一性に優れておらず、より安
価なレジスト808を用いることでコスト削減を図れ
る。また、工程(6)の一括除去で用いられるレジスト
808は、工程(3)或いは工程(5)のパターニング
で用いられるレジスト804或いは806よりも膜厚を
厚くすることが好ましい。例えば、レジスト804やレ
ジスト806の膜厚が約1.0μmであれば、レジスト
808を、約1.8μm程度に厚く形成するのが好まし
い。これにより、レジスト808の焼成から剥離に至る
過程で、基板800の表側に対するレジスト808の保
護膜としての機能が向上する。更に、工程(6)の一括
除去で用いられるレジスト808は、工程(3)或いは
工程(5)のパターニングで用いられるレジスト804
或いは806よりもポストベーク温度を高くするのが好
ましい。即ち、より硬く焼成するのが好ましい。例え
ば、レジスト804や806のポストベーク温度が約1
15℃であれば、レジスト808を約150℃程度の高
いポストベーク温度で硬く焼成するのが好ましい。これ
により、レジスト808のの焼成から剥離に至る過程
で、基板800の表側に対するレジスト808の保護膜
としての機能が向上する。
【0062】(基板装置の製造方法の第2実施形態)次
に本発明の基板装置の製造方法の第2実施形態につい
て、図2を参照して説明する。図2は、第2実施形態に
係る基板装置の製造方法を各工程における断面図により
順を追って示す工程図である。尚、図1と同様の構成要
素には、同様の参照符号を付し、その説明は省略する。
【0063】図2において、第2実施形態の工程(1)
から工程(4)までは、図1に示した第1実施形態の工
程(1)から工程(5)と同じである。
【0064】次に工程(5)では先ず、基板800の表
側から、第2ポリシリコン膜802a及び第1ポリシリ
コン膜801からなる基板800の表面に形成された積
層体を、レジスト808で全面的に覆う。そして、この
状態で、基板800の裏側に位置する第2ポリシリコン
膜802b及び第1ポリシリコン膜801bを一括して
エッチングにより除去する。その後、レジスト808を
剥離する。
【0065】次に工程(6)では、ポリシリコン膜80
2aに対し、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程
等を施すことにより、所定の平面形状にパターンニング
する。より具体的には、先ず第2ポリシリコン膜802
a上にレジスト806を形成し、これをマスクを介して
の露光又は電子ビーム露光によりパターニングした後
に、特にパターン精度を高めるべく、図中矢印で示すべ
く上側から指向性を持たせたエッチングガスによりレジ
スト806を介してのドライエッチングを行う。これに
より、レジスト806と同一パターンの第2ポリシリコ
ン膜802が形成される。その後、レジスト806は、
剥離される。
【0066】以上の結果、所定の平面形状に夫々パター
ンニングされた第1ポリシリコン膜801及び第2ポリ
シリコン膜802が基板800上に形成されてなる基板
装置が製造される。
【0067】このように第2実施形態によれば、工程
(5)の一括除去の後に、工程(6)のパターニングに
より、基板800の表面に形成された第2ポリシリコン
膜802aをエッチングする。従って、基板800の表
側では、パターニング前の比較的均一な第2ポリシリコ
ン膜802a上に、一括除去におけるエッチング用のレ
ジスト808を塗布できる。この結果、レジスト808
を良好に塗布、焼成及び剥離可能となり、レジスト80
8の塗布、焼成及び剥離に起因する第2ポリシリコン膜
801や第1ポリシリコン膜802のダメージを低減で
きる。
【0068】(基板装置の製造方法の第3実施形態)次
に本発明の基板装置の製造方法の第3実施形態につい
て、図3を参照して説明する。図3は、第3実施形態に
係る基板装置の製造方法を各工程における断面図により
順を追って示す工程図である。尚、図1と同様の構成要
素には、同様の参照符号を付し、その説明は省略する。
【0069】図3において、先ず工程(1)では、半導
体基板、TFT基板等の基板800が用意される。
【0070】次に工程(2)では、基板800の表面上
に、減圧CVD、常圧CVD、プラズマCVD等のCV
Dにより、第1膜の一例たる第1ポリシリコン膜901
aを形成する。この際、CVDを用いているため、基板
800の裏面上にも、第1ポリシリコン膜901bが同
様に形成される。
【0071】次に工程(3)では、第1ポリシリコン膜
901aに対し、フォトリソグラフィ工程、エッチング
工程等を施すことにより、所定の平面形状にパターニン
グして、第1ポリシリコン膜901とする。他方、基板
800の裏側に位置する第1ポリシリコン膜901b
は、従来のようにこの段階でエッチングにより除去する
ことなく、そのまま残しておく。
【0072】次に、工程(4)では、熱酸化すること等に
より、第1ポリシリコン膜901の表面に絶縁薄膜90
2を形成する。この際、熱酸化を用いているため、基板
800の裏面の第1ポリシリコン膜901b上にも、絶
縁薄膜902bが同様に形成される。なお、絶縁薄膜9
02はCVD、あるいは熱酸化とCVDにより形成して
もよい。
【0073】次に工程(5)では、第1ポリシリコン膜
901及び基板800の上に、減圧CVD、常圧CV
D、プラズマCVD等のCVDにより、第2膜の一例た
る第2ポリシリコン膜903aを形成する。この際、C
VDを用いているため、基板800の裏面側にも、絶縁
薄膜902b上に第2ポリシリコン膜903bが同様に
形成される。なお、ポリシリコン膜903aはα−Si
を成膜後、アニール処理によりポリシリコン化してもよ
い。
【0074】次に工程(6)では、第2ポリシリコン膜
903aに対し、フォトリソグラフィ工程、エッチング
工程等を施すことにより、所定の平面形状にパターンニ
ングする。これにより、レジスト806と同一パターン
の第2ポリシリコン膜903が形成される。
【0075】次に工程(7)では、先ず、基板800の
表側から、第2ポリシリコン膜903、絶縁薄膜902
及び第1ポリシリコン膜901からなる基板800の表
面に形成された積層体を、レジスト808で全面的に覆
う。そして、この状態で、基板800の裏側に位置する
第2ポリシリコン膜903b、絶縁薄膜902b及び第
1ポリシリコン膜801bを一括してエッチングにより
除去する。その後、レジスト808を剥離する。
【0076】なお、前記工程(6)と工程(7)を逆に
して、基板の裏面エッチング後に、第2ポリシリコン膜
を形成してもよい。
【0077】以上の結果、所定の平面形状に夫々パター
ンニングされた第1ポリシリコン膜901、絶縁薄膜9
02及び第2ポリシリコン膜903が基板800上に形
成されてなる基板装置が製造される。
【0078】特に第3実施形態では、工程(7)の一括
除去で、酸化膜たる絶縁薄膜903bをもエッチング除
去する必要があるが、このためには基本的に、フッ素を
含んだエッチングガスを用いてドライエッチングを行え
ばよい。また、ウエットエッチングでも可能である。
【0079】従って、このような一括除去工程では例え
ば、第2ポリシリコン膜903b除去用のウエットエッ
チング又はドライエッチングを行った後に、酸化膜除去
用のドライエッチングを行い、続いて第1ポリシリコン
膜901b除去用のウエットエッチング又はドライエッ
チングを行うようにすればよい。
【0080】或いは、一括除去工程では例えば、エッチ
ングガスを少なくとも1回交換して、同一エッチング装
置によりドライエッチングを行ってもよい。例えば同一
エッチング装置内における一括除去工程の中で、第2ポ
リシリコン膜903b除去用のCF4、O2等を含むエッ
チングガスを用いてドライエッチングを行った後に、酸
化膜除去用のCF4、O2等に加えてSF6+CHF3等の
ガスを含むエッチングガスに交換してドライエッチング
を行い、更に第1ポリシリコン膜901B膜除去用のC
4、O2等を含むエッチングガスに交換してドライエッ
チングを行うようにすればよい。
【0081】以上説明したように第3実施形態によれ
ば、工程(2)で基板800の裏面に形成された第1ポ
リシリコン膜901bはこの時点では除去されず、第1
ポリシリコン膜901bで基板800の裏面が覆われた
状態のまま、引き続いて工程(3)から工程(6)が行
われることになる。そして、工程(7)で第2ポリシリ
コン膜903bのみならず、絶縁薄膜902b及び第1
ポリシリコン膜901bを含む基板800の裏面に形成
された積層体が、エッチングにより一括して除去され
る。このため、第1ポリシリコン膜901aや第2ポリ
シリコン膜902aを表側に形成する都度に裏側に形成
された第1ポリシリコン膜901bや第2ポリシリコン
膜903bを一々専用のエッチングにより除去する場合
と比べて、製造工程を単純化できる。
【0082】(電気光学装置)次に上述した実施形態に
係る基板装置を備えた電気光学装置の実施形態について
図4から図8を参照して説明する。本実施形態は、上述
した実施形態に係る基板装置をTFTアレイ基板上にT
FTが形成された基板装置として具現化したものであ
り、該TFTアレイ基板と対向基板とを対向配置して、
両者間に液晶等の電気光学物質を挟持してなる電気光学
装置に係る実施形態である。
【0083】先ず図4から図6を参照して、本実施形態
の電気光学装置の画像表示領域における構成についてそ
の動作と共に説明する。ここに、図4は、電気光学装置
の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複
数の画素における各種素子、配線等の等価回路である。
図5は、データ線、走査線、画素電極等が形成されたT
FTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図であ
り、図6は、図5のA−A’断面図である。尚、図6に
おいては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大
きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめて
ある。
【0084】図4において、本実施形態の電気光学装置
では、その画像表示領域を構成するマトリクス状に形成
された複数の画素は、画素電極9aと当該画素電極9a
を制御するためのTFT30とがマトリクス状に複数形
成されており、画像信号が供給されるデータ線6aが当
該TFT30のソースに電気的に接続されている。ま
た、TFT30のゲートに走査線3aが電気的に接続さ
れており、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的
に走査信号G1、G2、…、Gmを、この順に線順次で
印加するように構成されている。画素電極9aは、TF
T30のドレインに電気的に接続されており、スイッチ
ング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチ
を閉じることにより、データ線6aから供給される画像
信号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込
む。画素電極9aを介して電気光学物質に書き込まれた
所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、対向基
板(後述する)に形成された対向電極(後述する)との
間で一定期間保持される。電気光学物質は、印加される
電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化すること
により、光を変調し、階調表示を可能にする。ここで、
保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素
電極9aと対向電極との間に形成される電気光学物質容
量と並列に蓄積容量70を付加する。
【0085】図5において、本実施形態の電気光学装置
においては、TFTアレイ基板上に、マトリクス状に複
数の透明な画素電極9a(点線部9a’により輪郭が示
されている)が設けられており、画素電極9aの縦横の
境界に各々沿ってデータ線6a、走査線3a及び容量線
3bが設けられている。データ線6aは、コンタクトホ
ール5を介してポリシリコン膜等からなる半導体層1a
のうち後述のソース領域に電気的接続されており、画素
電極9aは、コンタクトホール8を介して半導体層1a
のうち後述のドレイン領域に電気的接続されている。ま
た、半導体層1aのうちチャネル領域(図中右下がりの
斜線の領域)に対向するように走査線3aが配置されて
おり、走査線3aはゲート電極として機能する。容量線
3bは、走査線3aに沿ってほぼ直線状に伸びる本線部
と、データ線6aと交差する箇所からデータ線6aに沿
って前段側(図中、上向き)に突出した突出部とを有す
る。また、図中太線で示した矩形の島状領域には夫々、
各TFTの少なくともチャネル領域をTFTアレイ基板
側から見て一画素毎に夫々覆う位置に、島状の第1遮光
膜11aが設けられている。
【0086】次に図6の断面図に示すように、電気光学
装置は、透明なTFTアレイ基板10と、これに対向配
置される透明な対向基板20とを備えている。TFTア
レイ基板10は、例えば石英基板からなり、対向基板2
0は、例えばガラス基板や石英基板からなる。TFTア
レイ基板10には、画素電極9aが設けられており、そ
の上側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施され
た配向膜16が設けられている。画素電極9aは例え
ば、ITO膜(Indium Tin Oxide膜)などの透明導電性
薄膜からなる。また配向膜16は例えば、ポリイミド薄
膜などの有機薄膜からなる。他方、対向基板20には、
その全面に渡って対向電極(共通電極)21が設けられ
ており、その下側には、ラビング処理等の所定の配向処
理が施された配向膜22が設けられている。TFTアレ
イ基板10には、図6に示すように、各画素電極9aに
隣接する位置に、各画素電極9aをスイッチング制御す
る画素スイッチング用TFT30が設けられている。対
向基板20には、更に図6に示すように、各画素の開口
領域(即ち、画像表示領域内において実際に入射光が透
過して表示に有効に寄与する領域)以外の領域に、第2
遮光膜23が設けられている。
【0087】このように構成され、画素電極9aと対向
電極21とが対面するように配置されたTFTアレイ基
板10と対向基板20との間には、後述のシール材(図
7及び図8参照)により囲まれた空間に液晶等の電気光
学物質が封入され、電気光学物質層50が形成される。
電気光学物質層50は、画素電極9aからの電界が印加
されていない状態で配向膜16及び22により所定の配
向状態をとる。電気光学物質層50は、例えば一種又は
数種類のネマティック液晶を混合した電気光学物質から
なる。シール材は、TFT基板10及び対向基板20を
それらの周辺で貼り合わせるための、例えば光硬化性樹
脂や熱硬化性樹脂からなる接着剤であり、両基板間の距
離を所定値とするためのグラスファイバー或いはガラス
ビーズ等のスペーサが混入されている。
【0088】図5及び図6において本実施の形態では、
データ線6a、走査線3a及び容量線3b並びにTFT
30を含む図5中右上がりの斜線が引かれた網目状の領
域においては、TFTアレイ基板10が凹状に窪んでお
り、画像表示領域の平坦化用の溝が形成されている。
【0089】図6に示すように、画素スイッチング用T
FT30に各々対向する位置においてTFTアレイ基板
10と各画素スイッチング用TFT30との間には、一
画素毎に島状に第1遮光膜11aが設けられている。第
1遮光膜11aは、好ましくは不透明な高融点金属であ
るTi、Cr、W、Ta、Mo及びPbのうちの少なく
とも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド等か
ら構成される。
【0090】更に、第1遮光膜11aと複数の画素スイ
ッチング用TFT30との間には、第1層間絶縁膜12
が設けられている。第1層間絶縁膜12は、画素スイッ
チング用TFT30を構成する半導体層1aを第1遮光
膜11aから電気的絶縁するために設けられるものであ
る。更に、第1層間絶縁膜12は、TFTアレイ基板1
0の全面に形成されることにより、画素スイッチング用
TFT30のための下地膜としての機能をも有する。
【0091】本実施の形態では、ゲート絶縁膜2を走査
線3aに対向する位置から延設して誘電体膜として用
い、半導体層1aを延設して第1蓄積容量電極1fと
し、更にこれらに対向する容量線3bの一部を第2蓄積
容量電極とすることにより、蓄積容量70が構成されて
いる。
【0092】図6において、画素スイッチング用TFT
30は、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有して
おり、走査線3a、当該走査線3aからの電界によりチ
ャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域1
a’、走査線3aと半導体層1aとを絶縁するゲート絶
縁膜2、データ線6a、半導体層1aの低濃度ソース領
域1b及び低濃度ドレイン領域1c、半導体層1aの高
濃度ソース領域1d並びに高濃度ドレイン領域1eを備
えている。高濃度ドレイン領域1eには、複数の画素電
極9aのうちの対応する一つが接続されている。本実施
の形態では特にデータ線6aは、Al等の低抵抗な金属
膜や金属シリサイド等の合金膜などの遮光性の薄膜から
構成されている。また、走査線3a、ゲート絶縁膜2及
び第1層間絶縁膜12の上には、高濃度ソース領域1d
へ通じるコンタクトホール5及び高濃度ドレイン領域1
eへ通じるコンタクトホール8が各々形成された第2層
間絶縁膜4が形成されている。更に、データ線6a及び
第2層間絶縁膜4の上には、高濃度ドレイン領域1eへ
のコンタクトホール8が形成された第3層間絶縁膜7が
形成されている。
【0093】画素スイッチング用TFT30は、好まし
くは上述のようにLDD構造を持つが、低濃度ソース領
域1b及び低濃度ドレイン領域1cに不純物イオンの打
ち込みを行わないオフセット構造を持ってよいし、走査
線3aの一部であるゲート電極をマスクとして高濃度で
不純物イオンを打ち込み、自己整合的に高濃度ソース及
びドレイン領域を形成するセルフアライン型のTFTで
あってもよい。また本実施の形態では、画素スイッチン
グ用TFT30のゲート電極をソース−ドレイン領域間
に1個のみ配置したシングルゲート構造としたが、これ
らの間に2個以上のゲート電極を配置してもよい。この
際、各々のゲート電極には同一の信号が印加されるよう
にする。
【0094】尚、本実施形態では特に、図6に示したよ
うに、半導体層1aのソース側及びドレイン側のコンタ
クトホール5及び8を開孔する領域における半導体層1
aの直下には、コンタクトマージン層801が夫々島状
に形成されている。コンタクトマージン層801は、半
導体層1aと同じくポリシリコン膜から形成されてお
り、コンタクトホール5及び8を開孔する際のエッチン
グの突き抜け防止のために設けられており、これにより
比較的長いコンタクトホールであっても容易に開孔でき
る。なお、コンタクトマージン層801はドレイン側だ
けでもよい。
【0095】次に図7及び図8を参照して、以上のよう
に構成された電気光学装置の全体構成を説明する。尚、
図7は、TFTアレイ基板10をその上に形成された各
構成要素と共に対向基板20の側から見た平面図であ
り、図8は、対向基板20を含めて示す図7のH−H’
断面図である。
【0096】図7において、TFTアレイ基板10の上
には、シール材52がその縁に沿って設けられており、
その内側に並行して、例えば第2遮光膜23と同じ或い
は異なる材料から成る額縁としての第3遮光膜53が設
けられている。シール材52の外側の領域には、データ
線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFT
アレイ基板10の一辺に沿って設けられており、走査線
駆動回路104が、この一辺に隣接する2辺に沿って設
けられている。更にTFTアレイ基板10の残る一辺に
は、画像表示領域の両側に設けられた走査線駆動回路1
04間をつなぐための複数の配線105が設けられてい
る。また、対向基板20のコーナー部の少なくとも1箇
所においては、TFTアレイ基板10と対向基板20と
の間で電気的導通をとるための上下導通材106が設け
られている。そして、図8に示すように、図7に示した
シール材52とほぼ同じ輪郭を持つ対向基板20が当該
シール材52によりTFTアレイ基板10に固着されて
いる。
【0097】以上図4から図8を参照して説明した電気
光学装置の実施形態では、データ線駆動回路101及び
走査線駆動回路104をTFTアレイ基板10の上に設
ける代わりに、例えばTAB(テープオートメイテッド
ボンディング基板)上に実装された駆動用LSIに、T
FTアレイ基板10の周辺部に設けられた異方性導電フ
ィルムを介して電気的及び機械的に接続するようにして
もよい。また、本願発明をTFTアクティブマトリクス
駆動方式以外の、TFD(薄膜ダイオード)アクティブ
マトリクス方式、パッシブマトリクス駆動方式などいず
れの方式に適用しても高品位の画像表示が可能な電気光
学装置を実現できる。更にまた、上述の電気光学装置で
は、対向基板20の外面及びTFTアレイ基板10の外
面には各々、例えば、TN(Twisted Nematic)モー
ド、VA(Vertically Aligned)モード、PDLC(Polym
er Dispersed Liquid Crystal)モード等の動作モード
や、ノーマリーホワイトモード/ノーマリーブラックモ
ードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏
光板などが所定の方向で配置される。
【0098】(電気光学装置の製造プロセス)次に、図
4から図8に示した如き構成を持つ電気光学装置を構成
するTFTアレイ基板側の製造プロセスについて、図9
を参照して説明する。図9は、このようなTFTアレイ
基板側の製造プロセスにおける各工程を順を追って示す
プロセスチャートである。
【0099】先ず図9のステップS1では、先ず石英基
板、ハードガラス基板、シリコン基板等のTFTアレイ
基板10を用意し、ウエットエッチング又はドライエッ
チングにより、図6に示した如きデータ線6a等を形成
すべき領域に溝を掘る。
【0100】続いてステップS2では、TFTアレイ基
板10の全面に、Ti、Cr、W、Ta、Mo等の高融
点金属から、スパッタリング工程又は蒸着工程等により
遮光膜を形成し、その後フォトリソグラフィ工程、エッ
チング工程等により図5に示した如き平面パターンを持
つ第1遮光膜11aを形成する。
【0101】次にステップS3では、第1遮光膜11a
が形成されたTFTアレイ基板10上に、例えば、常圧
又は減圧CVD法等によりTEOS(テトラ・エチル・
オルソ・シリケート)ガス、TEB(テトラ・エチル・
ボートレート)ガス、TMOP(テトラ・メチル・オキ
シ・フォスレート)ガス等を用いて、NSG、PSG、
BSG、BPSGなどのシリケートガラス膜、窒化シリ
コン膜や酸化シリコン膜等からなり、膜厚が約500〜
2000nmの下地絶縁膜である第1層間絶縁膜12を
形成する。
【0102】次に、ステップS4では、下地絶縁膜12
の上に、減圧CVD等によりアモルファスシリコン膜を
形成しアニール処理を施すことにより、ポリシリコン膜
を固相成長させる。或いは、アモルファスシリコン膜を
経ないで、減圧CVD法等によりポリシリコン膜を直接
形成する。次に、このポリシリコン膜に対し、フォトリ
ソグラフィ工程、エッチング工程等を施すことにより、
コンタクトホール5及び8に対向する予定の領域にコン
タクトマージン層801を形成する。
【0103】次に、ステップS5では、コンタクトマー
ジン層801及び下地絶縁膜12の上に、減圧CVD等
によりアモルファスシリコン膜を形成しアニール処理を
施すことにより、ポリシリコン膜を固相成長させる。或
いは、アモルファスシリコン膜を経ないで、減圧CVD
法等によりポリシリコン膜を直接形成する。次に、この
ポリシリコン膜に対し、フォトリソグラフィ工程、エッ
チング工程等を施すことにより、図5に示した如き第1
蓄積容量電極1fを含む所定パターンを有する半導体層
1aを形成する。
【0104】次に、ステップS6では、熱酸化、あるい
はCVD、熱酸化+CVDを行い、TFT30のゲート
絶縁膜と共に蓄積容量形成用の第1誘電体膜を含む絶縁
薄膜2を形成する。この結果、半導体層1aの厚さは、
約30〜150nmの厚さ、好ましくは約35〜50n
mの厚さとなり、絶縁薄膜2の厚さは、約20〜150
nmの厚さ、好ましくは約30〜100nmの厚さとな
る。
【0105】次に、ステップS7では、半導体層1aの
チャネル領域1a’及び第1蓄積容量電極1fに不純物
イオン打ち込みを行ってこれらの領域で所定の抵抗値を
得る。
【0106】次に、ステップS8では、減圧CVD法等
によりポリシリコン膜を約100〜500nmの厚さに
堆積し、更にP(リン)を熱拡散して、このポリシリコ
ン膜を導電化した後、フォトリソグラフィ工程、エッチ
ング工程等により、図5に示した如き所定パターンの走
査線3a及び容量線3bを形成する。尚、走査線3a及
び容量線3bは、高融点金属や金属シリサイド等の金属
合金膜で形成しても良いし、ポリシリコン膜等と組み合
わせた多層配線としても良い。
【0107】次に、ステップS9では、ステップS4で
TFTアレイ基板10の裏側に形成された第1膜の一例
としてのコンタクトマージン層801と同一膜、ステッ
プS5でTFTアレイ基板10の裏側に形成された第2
膜の一例としての半導体層1aと同一膜、ステップS6
でTFTアレイ基板10の裏側に形成された酸化膜の一
例であるゲート絶縁膜2と同一膜、並びにステップS8
でTFTアレイ基板10の裏側に形成された第3膜の一
例としての走査線3a及び容量線3bと同一膜を、上述
した実施形態に係る基板装置の製造方法における一括除
去工程を用いて一括除去する。
【0108】但し、この例においてはステップS8及び
S9の処理で、図1に示した第1実施形態の如くステッ
プS8の走査線3a及び容量線3bのパターニング後に
4つの層(即ち、コンタクトマージン層801、半導体
層1a、ゲート絶縁膜2並びに走査線3a及び容量線3
bと夫々同一膜から形成された、TFTアレイ基板10
の裏側に積層された4つの膜)の一括除去を行っている
が、図2に示した第2実施形態の如くステップS8の走
査線3a及び容量線3bのパターニング前(且つ、走査
線3a及び容量線3bを形成するためのポリシリコン膜
の形成後)に、このような一括除去を行ってもよい。
【0109】或いは、このように4つの層を一括除去す
る代りに、ステップS4及びステップS5でTFTアレ
イ基板10の裏側に形成される2つの層(即ち、コンタ
クトマージン層801及び半導体層1aと夫々同一膜か
ら形成された、TFTアレイ基板10の裏側に積層され
た2つの膜)を、ステップS6より前に、一旦一括除去
しておき、その後、ステップS6及びステップS8でT
FTアレイ基板10の裏側に形成される2つの層(即
ち、走査線3a及び容量線3bと夫々同一膜から形成さ
れた、TFTアレイ基板10の裏側に積層された2つの
膜)を、一括除去してもよい。
【0110】次に、ステップS10では、低濃度及び高
濃度の2段階で不純物イオンをドープすることにより、
低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c、高
濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eを含
む、LDD構造の画素スイッチング用TFT30を形成
する。
【0111】尚、以上のステップS1からS10と並行
して、TFTから構成されるデータ線駆動回路、走査線
駆動回路等の周辺回路をTFTアレイ基板10上の周辺
部に形成してもよい。
【0112】次に、ステップS11では、走査線3a及
び容量線3bが形成された第1層間絶縁膜91上に、例
えば、常圧又は減圧CVD法やTEOSガス等を用い
て、NSG、PSG、BSG、BPSGなどのシリケー
トガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からな
る第2層間絶縁膜4を形成する。第2層間絶縁膜4は、
例えば500〜2000nm程度の膜厚とされる。尚、
この熱焼成と並行して或いは相前後して、半導体層1a
を活性化するために約1000℃のアニール処理を行っ
てもよい。
【0113】次に、ステップS12では、データ線6a
と半導体層1aの高濃度ソース領域1dを電気的に接続
するためのコンタクトホール5を第2層間絶縁膜4及び
絶縁薄膜2に開孔する。また、走査線3aや容量線3b
を基板周辺領域において図示しない配線と接続するため
のコンタクトホールも、コンタクトホール5と同一の工
程により開孔することができる。
【0114】次に、ステップS13では、第2層間絶縁
膜4の上に、スパッタリング処理等により、Al等の低
抵抗金属膜や金属シリサイド膜を約100〜500nm
の厚さに堆積した後、フォトリソグラフィ工程及びエッ
チング工程等により、図5に示した如き平面パターンを
持つデータ線6aを形成する。
【0115】次に、ステップS14では、データ線6a
が形成された第2層間絶縁膜4上に、例えば、常圧又は
減圧CVD法やTEOSガス等を用いて、NSG、PS
G、BSG、BPSGなどのシリケートガラス膜、窒化
シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる第3層間絶縁膜
7を形成する。第3層間絶縁膜7は、例えば500〜2
000nm程度の膜厚とされる。
【0116】次に、ステップS15では、画素電極9a
と高濃度ドレイン領域1eとを電気的に接続するための
コンタクトホール8を、反応性イオンエッチング、反応
性イオンビームエッチング等のドライエッチング或いは
ウエットエッチングにより形成する。
【0117】次に、ステップS16では、第3層間絶縁
膜7の上に、スパッタリング処理等により、ITO膜等
の透明導電性薄膜を、約50〜200nmの厚さに堆積
し、更にフォトリソグラフィ工程及びエッチング工程等
により、画素電極9aを形成する。
【0118】次に、ステップS17では、TFTアレイ
基板10の周辺領域に、図7及び図8に示した如き外部
回路接続端子102を形成する。
【0119】尚、ステップS16又はS17の後には、
画素電極9aを含む全表面に、配向膜16をスピンコー
ト等によりポリイミド薄膜などの有機薄膜から形成した
後、所定のラビング処理を施す。
【0120】以上説明したステップS1からS17によ
り電気光学装置のTFTアレイ基板側の製造が完了する
が、本実施形態の電気光学装置の製造方法は特に、ステ
ップS4〜ステップS9において、図1から図3を参照
して説明した基板装置の製造方法を含んでいる。従っ
て、本実施形態の電気光学装置の製造方法によれば、信
頼性の高いTFT30、走査線3a、容量線3bを備え
た電気光学装置を比較的容易に製造できる。
【0121】本発明は、上述した各実施形態に限られる
ものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れ
る発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能
であり、そのような変更を伴なう基板装置の製造方法及
び電気光学装置の製造方法もまた本発明の技術的範囲に
含まれるものである。
【0122】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれ
ば、信頼性が高く且つ配線抵抗が低い配線を比較的容易
に製造することが可能となる。また、このような配線を
備えることにより装置信頼性が高く且つ高品位の画像表
示が可能な電気光学装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る基板装置の製造方
法を各工程における断面図により順を追って示す工程図
である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る基板装置の製造方
法を各工程における断面図により順を追って示す工程図
である。
【図3】本発明の第3実施形態に係る基板装置の製造方
法を各工程における断面図により順を追って示す工程図
である。
【図4】本発明の電気光学装置の実施形態における画像
表示領域を構成するマトリクス状の複数の画素に設けら
れた各種素子、配線等の等価回路である。
【図5】図4の電気光学装置におけるデータ線、走査
線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接
する複数の画素群の平面図である。
【図6】図5のA−A’断面図である。
【図7】本発明の電気光学装置の実施形態におけるTF
Tアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共に対
向基板の側から見た平面図である。
【図8】図7のH−H’断面図である。
【図9】本発明の実施形態に係る電気光学装置のTFT
アレイ基板側の製造工程を順を追って示すプロセスチャ
ートである。
【符号の説明】
1a…半導体層 2…ゲート絶縁膜 3a…走査線 3b…容量線 5…コンタクトホール 6a…データ線 8…コンタクトホール 9a…画素電極 10…TFTアレイ基板 11a…第1遮光膜 20…対向基板 21…対向電極 23…第2遮光膜 30…画素スイッチング用TFT 50…電気光学物質層 52…シール材 70…蓄積容量 101…データ線駆動回路 104…走査線駆動回路 800…基板 801、801a、801b…第1膜 802、802a,802b…第2膜 901、901a、901b…第1膜 902、902b…酸化膜 903、903a,903b…第2膜 804…レジスト 806…レジスト 808…レジスト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H092 GA59 JA24 JA33 JB51 JB54 JB56 KA04 KA05 KB25 MA05 MA07 MA08 MA13 MA17 MA27 MA28 MA37 MA41 NA27 NA28 PA09 5F110 AA16 BB01 CC02 DD02 DD03 DD12 DD13 DD14 EE04 EE05 EE09 EE14 EE27 EE41 EE45 FF02 FF09 FF23 FF29 GG02 GG13 GG24 GG25 GG44 GG45 GG47 GG52 HJ23 HL03 HL05 HL07 HL23 HM15 NN03 NN22 NN23 NN24 NN25 NN26 NN44 NN45 NN46 NN47 NN72 PP01 QQ04 QQ05

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の表側及び裏側から、該基板の表面
    及び裏面にCVDにより第1膜を形成する第1膜形成工
    程と、 前記基板の表側から、前記基板の表面に形成された第1
    膜をエッチングによりパターニングする第1膜パターニ
    ング工程と、 前記基板の表側及び裏側から、前記パターニングされた
    第1膜を含む前記基板の表面に形成された積層体上及び
    前記第1膜を含む前記基板の裏面に形成された積層体上
    に、CVDにより第2膜を形成する第2膜形成工程と、 前記第2膜及び前記第1膜を含む前記基板の裏面に形成
    された積層体をエッチングにより一括して除去する一括
    除去工程とを含むことを特徴とする基板装置の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記一括除去工程の前に、前記基板の表
    側から、前記第2膜及び前記第1膜を含む前記基板の表
    面に形成された積層体をレジストで覆って保護する工程
    を更に含み、 前記一括除去工程は、前記第2膜及び前記第1膜を含む
    前記基板の表面に形成された積層体が前記レジストで覆
    われた状態のまま終始行われることを特徴とする請求項
    1に記載の基板装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記一括除去工程の後に、前記基板の表
    側から、前記基板の表面に形成された第2膜をエッチン
    グによりパターニングする第2膜パターニング工程を更
    に含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の基板装
    置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記一括除去工程の前に、前記基板の表
    側から、前記基板の表面に形成された第2膜をエッチン
    グによりパターニングする第2膜パターニング工程を更
    に含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の基板装
    置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記一括除去工程の前に、 前記基板の表側から、前記基板の表面に形成された第2
    膜をエッチングによりパターニングする第2膜パターニ
    ング工程と、 前記基板の表側及び裏側から、前記パターニングされた
    第2膜を含む前記基板の表面に形成された積層体上及び
    前記第2膜を含む前記基板の裏面に形成された積層体上
    に、CVDにより第3膜を形成する第3膜形成工程とを
    更に含み、 前記一括除去工程では、前記第3膜、前記第2膜及び前
    記第1膜を含む前記基板の裏面に形成された積層体をエ
    ッチングにより一括して除去することを特徴とする請求
    項1又は2に記載の基板装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記一括除去工程の後に、前記基板の表
    側から、前記基板の表面に形成された第3膜をエッチン
    グによりパターニングする第3膜パターニング工程を更
    に含むことを特徴とする請求項5に記載の基板装置の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 前記一括除去工程の前に、前記基板の表
    側から、前記基板の表面に形成された第3膜をエッチン
    グによりパターニングする第3膜パターニング工程を更
    に含むことを特徴とする請求項5に記載の基板装置の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 前記一括除去工程は、ウエットエッチン
    グを行う工程を含むことを特徴とする請求項1から7の
    いずれか一項に記載の基板装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記一括除去工程は、エッチングガスを
    少なくとも1回交換して同一エッチング装置によりドラ
    イエッチングを行う工程を含むことを特徴とする請求項
    1から8のいずれか一項に記載の基板装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記第1膜及び前記第2膜は、ポリシ
    リコン膜からなることを特徴とする請求項1から9のい
    ずれか一項に記載の基板装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記第1膜パターンニング工程と前記
    一括除去工程との間に、前記基板の表側及び裏側から、
    酸化膜を形成する酸化膜形成工程を更に含み、 前記一括除去工程では、前記酸化膜、前記第2膜及び前
    記第1膜を含む前記基板の裏面に形成された積層体を一
    括して除去することを特徴とする請求項1から10のい
    ずれか一項に記載の基板装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記一括除去工程で用いられるレジス
    トは、前記第1膜パターニング工程で用いられるレジス
    トよりも感度が低いことを特徴とする請求項1から11
    のいずれか一項に記載の基板装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記一括除去工程で用いられるレジス
    トは、前記第1膜パターニング工程で用いられるレジス
    トよりも膜厚が厚いことを特徴とする請求項1から12
    に記載の基板装置の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記一括除去工程で用いられるレジス
    トは、前記第1膜パターニング工程で用いられるレジス
    トよりもポストベーク温度が高いことを特徴とする請求
    項1から13に記載の基板装置の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項1から14のいずれか一項に記
    載の基板装置の製造方法を含み、 前記第1膜形成工程及び前記第1膜パターニング工程に
    より、前記基板上で各画素に構築される電子素子及び該
    電子素子に接続された配線の少なくとも一部を前記第1
    膜から形成することを特徴とする電気光学装置の製造方
    法。
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US7679086B2 (en) 2006-02-20 2010-03-16 Seiko Epson Corporation Method for manufacturing electro-optic device

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