JP2001338900A - バリア膜用研磨剤 - Google Patents
バリア膜用研磨剤Info
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Abstract
き、半導体基板表面を平坦に仕上げることが可能なバリ
ア膜用研磨剤を提供する。 【解決手段】 比表面積が80m2/g以上のヒューム
ドシリカ、無機酸塩、酸化剤及び溶媒よりなり、該無機
酸塩の濃度が10〜5000ppmの範囲にあり、且つ
pHが3〜8の範囲に調整されたことを特徴とするバリ
ア膜用研磨剤である。
Description
磨剤に関する。詳しくは、バリア膜を絶縁膜に対して選
択的に研磨でき、半導体基板表面を極めて平坦に仕上げ
ることが可能なバリア膜用研磨剤を提供する。
線技術は益々微細化かつ多層化の方向に進んでいる。そ
して、上記配線技術の多層化により半導体基板表面の段
差は大きくなり、その結果、その上に形成される配線の
加工精度や信頼性を低下させ、微細化を妨げるという問
題を有する。
に、配線パターンや電極等(以下、配線等ともいう)が
形成された層を平坦化し、その上にさらに配線等を形成
する技術が開発されている。
部を有する絶縁膜を形成し、その上にバリア膜を介して
該凹部を埋めるように金属膜を形成した後、凹部以外に
存在する金属膜及びバリア膜を研磨によって除去して絶
縁膜と凹部に存在する金属膜との平坦化された面が形成
された半導体基板の研磨方法が開発されている。
して用いるアルミニウムや銅が絶縁膜中に拡散するのを
防止し、且つ、それら金属膜の半導体基板表面への密着
性を良くする機能を有するものであり、一般に、窒化チ
タンや窒化タンタルなどが使用される。
は、高い研磨性能を実現するため、機械的な研磨機能と
それを促進するような化学反応によるエッチング機能と
を併せ有するものが使用される。これらの研磨剤は、か
かる機能を発揮するために、一般に研磨砥粒と薬剤とよ
りなる。
機械研磨法と呼ばれ、金属膜、絶縁膜、バリア膜等の研
磨対象に応じて、使用する研磨剤の組成が種々提案され
ている。
して、図1に示すような二段研磨方法が一般に実施され
ている。即ち、(a)半導体基板1の表面に、金属配線
用の凹部を有する絶縁膜2を形成し、その上にバリア膜
3を介して該凹部を埋めるように金属膜4を形成した
後、(b)バリア膜3上に存在する最上層の金属膜4を
研磨除去する第一段研磨を行い、続いて、(c)バリア
膜3を研磨除去する。
設けられる凹部Aは、配線等を形成するために絶縁膜上
に形成される溝や接続孔である。
する金属膜の研磨速度の比(以下、研磨速度の比を選択
比とも言う)が大きい場合には、研磨の停止層としてバ
リア膜を利用することができる。また、第二段研磨にお
いては、バリア膜を絶縁膜に対して選択的に研磨できる
場合は、絶縁膜を研磨の停止層として利用することがで
き、半導体デバイスを再現性良く、且つ精度良く製造す
る上で有利である。
れるような、バリア膜の除去に使用される研磨剤(バリ
ア膜用研磨剤)は、バリア膜を実用的な研磨速度で研磨
でき、また、金属膜をバリア膜と同等な研磨速度で研磨
可能であり、且つ絶縁膜に対する研磨速度を低く抑えた
研磨剤が望ましい。
に対して、絶縁層と金属膜及びバリア膜との選択比を高
くすることにより、該絶縁膜を停止層として金属膜及び
絶縁膜を研磨するようにした研磨剤は、数多く提案され
ている。
水性媒体、研磨材、酸化剤、及び有機酸を含むものであ
り、(金属膜又はバリア膜)/絶縁膜の高い選択比を達
成することができる。具体的には、研磨砥粒としてアル
ミナを用い、有機酸としてコハク酸等を添加した研磨剤
が示されている。
アルミニウム等の金属膜を研磨することを主眼にした金
属膜用研磨剤であり、それらの金属膜と絶縁膜(酸化
膜)との選択比を上げることを目的とするものであり、
酸化膜に対する研磨速度を抑制すると共に金属膜の研磨
速度を上昇せしめるため、有機酸を添加することを必須
としている。
有機酸等を添加した研磨剤においては、金属膜が腐食し
たり、金属膜が優先して研磨されることによる金属膜の
配線部分の凹み(以下、この現象をディッシングとい
う)を起こし易いという問題がある。そのため、前記第
二段研磨において腐食やディッシングが発生すると、回
復させることは非常に困難であり、半導体デバイスの歩
留まりを大幅に低下させることが懸念される。
における金属膜の腐食やディッシングを有効に防止しな
がら、絶縁膜に対するバリア膜の選択比が大きく(絶縁
膜を研磨の停止層として利用可能な)、しかも、バリア
膜と金属膜とをほぼ等しい研磨速度で研磨可能なバリア
膜用研磨剤を提供することにある。
を達成するため鋭意研究を重ねた。その結果、特定の比
表面積のヒュームドシリカと特定の濃度範囲の無機酸塩
と酸化剤を使用し、且つpHを特定の範囲に調整するこ
とによって、上記目的を全て達成した安定な研磨剤が得
られることを見い出し、本発明を提案するに至った。
以上のヒュームドシリカ、無機酸塩、酸化剤及び溶媒よ
りなり、該無機酸塩の濃度が10〜5000ppmであ
り、且つpHが3〜8であることを特徴とするバリア膜
用研磨剤である。
て詳細に説明する。
使用することが極めて重要である。即ち、砥粒として他
の種類の砥粒、例えば、アルミナを使用した場合は、研
磨剤にしたときに砥粒が凝集し易かったり、スクラッチ
が発生し易いという問題がある。研磨工程においてスク
ラッチが発生すると、デバイスの配線が断線したりショ
ートしたりするため、デバイスの歩留まりを大幅に低下
させる原因となる。
て、アルコキシシランを原料に用いて加水分解により製
造されるゾル−ゲルシリカ(以下、高純度コロイダルシ
リカともいう)、珪酸ソーダを原料にして鉱酸で中和し
て製造される湿式シリカ、同じく珪酸ソーダを原料にし
てオストワルド法で製造されるコロイダルシリカなども
挙げられるが、ヒュームドシリカの代わりにそれらのシ
リカを使用した場合、一般に絶縁膜に対するバリア膜の
選択比が低下する傾向が強く、本発明の目的を達成する
ことが困難となる。
を、バリア膜の選択比を大幅に低下させない範囲、具体
的には、全砥粒中に30重量%以下、好ましくは20重
量%以下の範囲で添加することは、絶縁膜の研磨速度を
低く抑えたまま、バリア膜や金属膜の研磨速度を向上さ
せることも可能であり、好ましい。
火炎中で四塩化ケイ素等のシラン系ガスを加水分解して
製造される微細なシリカである。
の他の構成との組合せにおいて、80m2/g以上、好
ましくは100m2/g以上の比表面積を有することが
重要である。
0m2/g未満の場合は絶縁膜の研磨速度が高くなり、
絶縁膜に対するバリア膜の選択比が低下する傾向にあ
る。また、該比表面積が400m2/gを超えると、ヒ
ュームドシリカが凝集し易い傾向にあり、かかる値以下
のものを使用することが望ましい。
カの濃度は、公知の研磨剤の濃度範囲が特に制限なく採
用されるが、一般に、1〜20重量%、好ましくは、5
〜20重量%の範囲が好適である。
り小さい場合、研磨速度が低下する傾向があり、また、
20重量%を超えるとシリカの凝集が起こり易くなり、
工業的な実施において安定な研磨が困難となる傾向にあ
る。
8の範囲、好ましくは4〜7の範囲であることが非常に
重要である。
は、金属膜の研磨速度が他の膜に対して大きくなり過
ぎ、また、溶解性も増すため、ディッシングが起こり易
くなる傾向にある。一方、pHが8を越えると、絶縁膜
の研磨速度が大きくなり過ぎ、前記選択性が低下する場
合がある。
ることによって、金属膜の腐食やディッシングを抑えつ
つ、選択性の高い研磨剤を調製することができる。
酸塩の種類を選択することによって、上記範囲のpHを
有するものも得ることができるが、必要に応じて、pH
を上記範囲に調整するため、硝酸や硫酸等の無機酸ある
いはアンモニア、エチレンジアミン等の塩基を添加する
ことができる。
有すること及び該無機塩を特定の濃度範囲に調整するこ
とが極めて重要である。
磨速度を上昇させることなく、バリア膜の研磨速度を高
める効果を発揮する。
が80m2/g以上のヒュームドシリカは、溶媒に分散
させた状態では一般的に不安定で、特に、pHが3〜8
といった酸性から中性の範囲で使用する場合には、特に
不安定で、凝集が起こり易いという問題があり、この問
題を解決するためにも、特定濃度の無機塩類を添加する
ことが極めて効果的である。
安定化させるためには、上記無機酸塩の代わりにフタル
酸水素カリウムやシュウ酸アンモニウムといった有機酸
塩を使用することも考えられるが、無機酸塩の場合とは
異なり、金属膜を腐食させ、ディッシングが発生し易く
なるという問題がある。
特に制限無く公知のものが使用できる。好適な代表例を
例示すると、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝
酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、リン酸アンモニウ
ム、ホウ酸アンモニウム、ホウフッ化アンモニウム、過
塩素酸アンモニウムなどのアンモニウム塩及び上記アン
モニウム塩のアンモニアの一部を水素で置き換えた塩
類、更に上記アンモニウム塩のアンモニアの一部又は全
部をNa、K、Ca、Mgなどのカチオン及びエチレン
ジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチルアミン、
トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイ
ドロオキサイドなどの各種アミンで置換した塩類などが
挙げられる。
アンモニウムは金属膜に対する腐食性も低く、極めて好
適である。
バイスの基板の研磨に使用する場合には、NaやK等の
金属イオンをなるべく含まない高純度のものを使用する
ことが好ましい。
は、10〜5000ppmの範囲、好ましくは50〜2
000ppmの範囲、更に好ましくは100〜1000
ppmの範囲が好適である。10ppm未満の場合は、
上述したような研磨剤の安定化効果が小さい場合があ
る。5000ppmを越えた場合には、却って研磨剤の
安定性が損なわれ、凝集し易くなる場合がある。
は、無機酸塩を10〜5000ppmの濃度範囲で含有
することによって、研磨剤の安定性を増すことが可能
で、更に金属膜の腐食とディッシングを抑制しつつ、バ
リア膜の研磨速度を向上させることも可能である。
化剤を含有することが、バリア膜と共に、金属膜を実用
的な研磨速度で研磨するために重要である。
が使用できる。例えば、過酸化物、過塩素酸塩、過硫酸
塩、酸化性金属塩、酸化性金属錯体などが挙げられる
が、それらの中でも、取り扱い易さ、純度等の上で過酸
化水素が最も好ましい。
て、上記酸化剤の濃度は、0.1〜10重量%の範囲、
好ましくは0.5〜6重量%の範囲が適当である。
金属膜の研磨速度が低下する傾向がある。また、酸化剤
の濃度が10重量%を越えても研磨速度の向上効果はあ
まり見られない場合が多く、更に、濃度の高い酸化剤を
使用することは危険性の面でも問題があり、また廃水処
理の負担が増えるなどの問題が生じることが懸念され
る。
後、長期間放置しておくと徐々に分解する場合があるた
め、研磨剤を使用する直前に混合するのが好ましい。
て公知のものが特に制限なく使用されるが、水が代表的
であり、最も好適である。水以外にもエタノール等の有
機溶媒でも良く、また、水と有機溶媒の混合溶媒も使用
可能である。
ア膜の研磨速度を更に向上させるために、特定の濃度範
囲のアルミニウムを添加することができる。即ち、アル
ミニウムを原子換算で0.1〜50ppm、好ましくは
0.5〜20ppmの範囲で含有することができる。
満の場合は研磨速度の向上効果が小さく、50ppmを
越えると研磨剤の安定性が損なわれる場合がある。
い。例えば、アルミニウムの化合物をヒュームドシリカ
のスラリーに添加することができる。
に水に溶解するものであれば制限なく使用できる。硫酸
アルミニウムが代表的であるが、硫酸アンモニウムアル
ミニウム(アンモニウム明ばん)、臭化アルミニウム、
塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、過塩素酸アルミ
ニウム、リン酸アルミニウム等が挙げられる。上記以外
にも、乳酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウム、ス
テアリン酸アルミニウムなどの有機酸の塩類も使用でき
るが、前述したように有機酸は金属膜、例えば銅などを
腐食する場合があるため、なるべく使用量を抑えること
が好ましい。その他に、アルミニウムイソプロポキサイ
ドやアルミニウムエトキシドなどのアルコキシドなども
利用できる。上記の中でも硫酸アルミニウムは水に溶け
易く、対イオンである硫酸イオンが被研磨物、特に銅に
対する腐食がほとんど無く、極めて好適である。
膜をほぼ同等の速度で研磨することによって、配線層の
表面をきわめて平坦に研磨することが可能である。
によって研磨速度が異なる場合がある。例えば、スパッ
タで成膜されたCu膜は、メッキで成膜されたCu膜に
比べてやや研磨速度が高くなる傾向がある。このため、
バリア膜に対して金属膜の研磨速度がやや高すぎたり、
低すぎたりする場合がある。
いては、防食剤を添加することによって金属膜の研磨速
度を微調整し、金属膜とバリア膜の研磨速度をより精度
よく一致させることができる。
く使用できる。代表例を例示すると、ベンゾトリアゾー
ル、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾ
ール、2−アミノチアゾール及びそれらの誘導体などが
挙げられる。これらの中でも金属膜、特に銅の防食効果
に優れたベンゾトリアゾールが好適に使用できる。
ppm、好ましくは50〜500ppm添加すること
で、金属膜の研磨速度を増加させたり、あるいは減少さ
せることができる。
ましくは50〜150ppm添加することによって、金
属膜の研磨速度を増加させることができる。
m、好ましくは150〜500ppm添加することによ
って、金属膜の研磨速度を減少させることができる。
は金属膜の研磨速度を調整する効果が小さく、1000
ppmを越えると金属膜の研磨速度が著しく低下する場
合がある。
ていても良く、使用時に金属膜の研磨速度を微調整する
ために添加しても良い。
カや無機酸塩の濃度範囲は、主に研磨剤として使用する
時の最適な濃度範囲を述べており、かかる濃度範囲より
も高いものを予め製造し、使用時に純水等の溶媒で希釈
して使用しても何ら問題はない。
公知の方法が採用できるが、高比表面積のヒュームドシ
リカは一般に溶媒中に微分散するのが難しいため、高せ
ん断性の分散機を使用した方法が好適である。具体的に
は、高圧ホモジナイザーや摩砕機など分散機が、コンタ
ミが少なく、シリカを微分散できるため、好ましく採用
される。
は、局所的にシリカが凝集する場合があるため、アルミ
ニウム化合物を添加した後に上記のように高せん断性の
分散機を使用してヒュームドシリカの分散液を製造する
のが好ましい。
膜用研磨剤は、絶縁膜の研磨速度を低く抑えつつ、且つ
バリア膜を効率良く研磨することができる。また、同時
に金属膜に対しても実用的な研磨速度を発揮することが
できる。
な構成によって、その選択比(絶縁膜に対するバリア膜
の研磨速度比)を、10以上、特に、20以上とするこ
とが可能である。
に対する研磨速度は、被研磨膜の素性や研磨条件等にも
大きく左右されるが、一般的に100オングストローム
/min以下、特に、50オングストローム/min以
下とすることが可能である。
ア膜と金属膜とを同時研磨する場合の金属膜に対するバ
リア膜の選択比(バリア膜/金属膜)が0.5〜2.
5、特に、0.7〜2.3の範囲にあるものを得ること
が可能であり、これらをほぼ同等の速度で研磨すること
が可能である。
性能を有する中で、バリア膜に対する研磨速度を、10
0〜1000オングストローム/minの範囲、好まし
くは200〜800オングストローム/minの範囲の
ものを選択することが好ましい。
リア膜の厚みは、100〜500オングストロームの範
囲であることが多いため、上記研磨速度が100オング
ストローム/min未満では生産性が低下する場合があ
る。また、上記研磨速度が1000オングストローム/
minを超える場合は、バリア膜と同時に金属膜の研磨
速度も上昇することがあるため、ディッシングの発生や
制御性の低下が懸念される。
磨速度に調整することによって、研磨工程の管理が容易
となり、好ましい。
使用した半導体デバイスの製造は、半導体基板表面に絶
縁膜、バリア膜及び金属膜を所定のパターンで積層し、
これらを研磨することによって行われる。
導体デバイスに使用されるシリコン基板が代表的である
が、ゲルマニウムや化合物半導体などの半導体基板も使
用される。
いられるものであって、絶縁性のものであれば特に制限
はない。一般には、酸化シリコン膜(プラズマ−TEO
S膜やSOG膜と呼ばれているものなど)や有機SOG
膜等が使用される。
の拡散を防止すると共に、金属膜の絶縁膜への密着性を
良くするために絶縁膜と金属膜の間に形成される薄膜で
あって、タンタル膜、窒化タンタル膜、チタン膜、窒化
チタン膜、窒化タングステン膜などが挙げられる。中で
も、タンタル膜、窒化タンタル膜、窒化チタン膜が好適
である。
を形成するための配線材料であり、アルミニウム膜、銅
膜、タングステン膜などが挙げられる。
膜を、バリア膜にタンタル膜、窒化タンタル膜、窒化チ
タン膜を用いたときに特に顕著な効果を発揮する。
示す(c)の第二段研磨に好適に使用することができ
る。また、上記図1とは別の研磨方法であり、図2に示
すように、(b)第一段研磨においてバリア膜3上に金
属膜4を一部残した状態で研磨を終了し、(c)第二段
研磨において金属膜4とバリア膜3を同時に研磨除去す
る研磨方法においても、本発明のバリア膜研磨剤は、該
第二段研磨に使用することができる。
の厚みは、可及的に薄くすることが効率的にバリア膜上
の金属膜を除去でき好ましい。
第一段研磨では、金属膜を2000オングストローム/
min以上の高い研磨速度で研磨可能で、且つスクラッ
チやディッシングの発生を抑えながら金属膜をバリア膜
に対して選択的に除去できる公知の金属膜用研磨剤を選
択して使用することが好ましい。特に、図2に示すよう
に、バリア膜上に金属膜を残存させる研磨方法において
は、より研磨速度が高い研磨剤を選択することが可能で
ある。
では、絶縁膜の凹部以外のバリア膜を完全に取り去る必
要があるため、比較的長め、具体的には、バリア膜をほ
ぼ除去したと思われる時間よりも数秒〜数百秒間余分に
研磨を継続することが望ましい。そうすることによっ
て、絶縁膜の凹部以外のバリア膜を完全に除去できる。
バリア膜用研磨剤は、絶縁膜の研磨速度を低く抑えつ
つ、且つ金属膜を腐食しないので、層間絶縁膜の厚みの
制御性が高く、好適である。即ち、上記のような過剰研
磨を行っても、絶縁膜の厚みが薄くなり過ぎたり、配線
の断面積が減少したりして半導体デバイスの信頼性を低
下させる恐れが少ないという特徴を有している。
研磨剤を第二の研磨剤として使用することによって、バ
リア膜を効率的に除去可能で、更に半導体基板の表面を
極めて平坦に仕上げることが可能である。
明のバリア膜用研磨剤は、金属膜を腐食させたり、ディ
ッシングを起こさせたりすることが少なく、研磨剤の安
定性にも優れている。更に、バリア膜を絶縁膜に対して
選択的に研磨できるため、絶縁膜の厚みを設計通りに制
御し易く、半導体デバイスの製造プロセス上極めて有用
である。
二段研磨において、本発明のバリア膜用研磨剤を使用し
てバリア膜を研磨することによって、極めて平坦性の高
い半導体基板表面を、効率的に得ることができる。
するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限され
るものではない。
(TaN)膜、タンタル(Ta)膜、窒化チタン(Ti
N)膜、チタン(Ti)膜、あるいは酸化シリコン(S
iO2)膜が表面に形成された4インチのシリコンウェ
ハを用いて研磨試験を行った。尚、Cu膜はメッキで成
膜されたものを用いた。研磨パッドにはロデール製のI
C1000/SUBA400を用い、加工圧力300g
/cm2、定盤回転数40rpm、研磨剤の滴下速度8
0ml/minの条件で研磨試験を行い、研磨速度を求
めた。
シリコンウェハを用いて溶解性の試験を行った。研磨剤
中に試験片を浸漬し、それらの入った容器を50℃に保
持された恒温振盪器中に入れた。10分後に容器から試
験片を取り出し、表面に残存する研磨剤を洗い流した。
浸漬前後のCu膜の膜厚変化からCu膜の溶解速度を求
めた。
ムドシリカと硫酸アンモニウムと過酸化水素水と純水を
所定量混合し、ヒュームドシリカの濃度が8重量%、硫
酸アンモニウムが500ppm、H2O2の濃度が1重量
%、pHが4.3の研磨剤を調製し、評価した。また、
ヒュームドシリカの代わりに、比表面積が100m2/
gのγ−アルミナ粒子を用い、硫酸を用いてpH調整し
た以外は上記と同様にしてアルミナ系の研磨剤も調製
し、評価した。
o.2は比較例である。
バリア膜であるTaN膜や、金属膜であるCu膜の研磨
速度は比較的高いのに対して、絶縁膜であるSiO2膜
の研磨速度は極めて低く抑えられており、絶縁膜に対し
てバリア膜や金属膜を選択的に研磨できる研磨剤である
ことがわかった。
は、1ヶ月以上経過しても安定であった。
凝集する傾向を示し、数時間研磨剤を静置しておくと相
分離を起こした。
験を行ったところ、SiO2膜の研磨速度が131オン
グストローム/minと高く、TaN/SiO2の選択
比も1.0と極めて低いことがわかった。
観察したところ、シリカ系研磨剤で研磨したものにはス
クラッチはなかったが、アルミナ系研磨剤の方は、顕微
鏡でスクラッチの発生が認められた。
シリカを用い、更にシリカの濃度を変えた以外は実施例
1、No.1と同様にして研磨剤を調製し、評価した。
量%を比表面積が200m2/gのヒュームドシリカを
用い、10重量%を比表面積が30m2/gの高純度コ
ロイダルシリカを用いた以外は上記と同様にして研磨剤
を調製し、評価した。
o.1は比較例である。
シリカを用いた場合は、TaN/SiO2の選択比は1
0を超えており、更にTaN/Cuの選択比は0.5〜
2の範囲にあり、バリア膜用研磨として好適であること
がわかった。
SiO2膜の研磨速度は若干上昇したが、選択比として
は本発明の要件を満足している。また、この例ではCu
膜とTaN膜の研磨速度をNo.5よりも高くできるこ
とがわかった。
2/g未満のヒュームドシリカを用いた場合は、SiO2
膜の研磨速度が高く、そのためTaN/SiO2の選択
比が低く、本発明の要件を満足しないことがわかった。
してスラリーのpHを変えた以外は実施例1、No.1
と同様にして研磨剤を調製し、評価した。
o.1、4は比較例である。
は、TaN/SiO2の選択比は10以上であり、しか
もTaN/Cuの選択比は0.5〜2の範囲にあるた
め、高選択性のバリア膜用研磨剤として適していること
がわかった。また、Cu膜の溶解速度は30オングスト
ローム/min以下と実用に際して特に問題のない範囲
であることが確認できた。
解速度が非常に高いためディッシングの発生が懸念され
る。
2膜の研磨速度が高いためTaN/SiO2の選択比が低
いことがわかった。
を用いてその濃度を変化させたり、塩の種類を変えた以
外は実施例1、No.1と同様にして研磨剤を調製し、
評価した。
o.1、8、9は比較例である。
場合にも、本発明の要件を満足することがわかった。ま
た、無機酸塩の添加量を増すと、SiO2膜の研磨速度
を抑えたままTaN膜の研磨速度を高くできることがわ
かった。
上静置してもシリカは凝集せず、いずれも安定であった
が、添加しなかった場合はシリカが凝集することがわか
った。
した場合、研磨剤の安定性やTaN/SiO2の選択比
は本発明の要件を満たしていたが、Cu膜の溶解速度が
30オングストローム/minを越えており、無機酸塩
を用いたものに比べてディッシングが発生し易いことが
わかった。
1、No.1と同様にして研磨剤を調製し、評価した。
は比較例である。
研磨速度が100オングストローム/min未満と低す
ぎることがわかった。
N膜の研磨速度を高められることがわかった。
に示すTaN膜以外のバリア膜の研磨性能を評価した。
外にも、Ta膜、TiN膜及びTi膜に対して高い研磨
速度とともに、SiO2膜に対する高い選択比を示すこ
とがわかった。
用研磨剤の性能を調べた。
ロイダルシリカ粒子が7重量%と、炭酸アンモニウムが
0.6重量%と、H2O2が4重量%のアルカリ性(pH
9.3)の第一の研磨剤を調製した。また、実施例1の
No.1の研磨剤を第二の研磨剤として使用した。
膜上に幅0.35〜100μmの配線用溝が形成され、
その上に厚さ250オングストロームのTaN膜と厚さ
1.5μmのCu膜が順次積層されたパターンウエハを
用いて、そのシリコンウエハ表面をまず第一の研磨剤で
240秒間研磨した。
が除去され、TaN膜と配線溝のCu膜が露出した状態
となった。続いて、第二の研磨剤で100秒間研磨を行
ったところ、配線溝以外のSiO2膜上のTaN膜が完
全に除去され、SiO2膜と配線溝のCu膜が露出した
状態になった。
で観察したところ、スクラッチやディッシングは全く見
られず、配線溝以外の部分のSiO2膜と配線溝のCu
膜の表面にはほとんど段差は無く、平坦な表面が形成さ
れていることが確認できた。
研磨除去した後に、本発明のバリア膜用研磨剤を用いて
バリア膜と金属膜を同時研磨し、更にバリア膜を絶縁膜
に対して選択的に研磨することによって、極めて平坦な
半導体基板表面が形成できることがわかった。
の研磨剤のCu膜、TaN膜、SiO2膜に対するそれ
ぞれの研磨速度を表7に示した。これからわかるよう
に、ここで用いた第一の研磨剤はバリア膜に対して金属
膜を選択的に研磨できることがわかる。
リア膜を選択的に研磨でき、更にバリア膜と金属膜をほ
ぼ等しい研磨速度で研磨できることがわかる。
に分散させ、16重量%のスラリーを調製した。次に、
硫酸アルミニウムを加えて、アルミニウム換算で1〜1
0ppmの範囲の数種類のスラリーを調製した。上記ス
ラリーは高圧ホモジナイザー(ナノマイザー(株)製、
ナノマイザーLA)を用いて分散処理した。
を用いて、シリカ濃度が8重量、硫酸アンモニウムが5
00ppm、H2O2の濃度が1重量%のpH6.5〜7
の研磨剤を数種類調製した。なお、pH調整にはアンモ
ニア水を使用した。
ウムを添加することによって、特にTaNやTaなどの
バリア膜の研磨速度が向上することがわかった。また、
上記範囲のアルミニウム化合物を添加した研磨剤は、保
存安定性も良好であった。
あるベンゾトリアゾールを100ppm添加した研磨剤
について、研磨試験を行った結果を表9に示した。
剤では、Cu膜の研磨速度がTaN膜の研磨速度に比べ
てやや低かった。ベンゾトリアゾールを添加することに
よって、金属膜の研磨速度が増加し、TaN/Cuの選
択比がより1に近付けられることがわかった。
加した数種類のスラリーを調製し、評価した。
属膜の研磨試験にはこれまでの実施例とは異なり、スパ
ッタで成膜されたCu膜付きウェハを用いた。
剤では、Cu膜の研磨速度がTaN膜の研磨速度に比べ
てやや高いことが判った。ベンゾトリアゾールを添加す
ることによって、金属膜の研磨速度が減少し、TaN/
Cuの選択比がより1に近付けられることがわかった。
の代表的な態様を示す工程図
の他の代表的な態様を示す工程図
Claims (6)
- 【請求項1】 比表面積が80m2/g以上のヒューム
ドシリカ、無機酸塩、酸化剤及び溶媒よりなり、該無機
酸塩の濃度が10〜5000ppmであり、且つpHが
3〜8であることを特徴とするバリア膜用研磨剤。 - 【請求項2】 ヒュームドシリカの濃度が1〜20重量
%である請求項1記載のバリア膜用研磨剤。 - 【請求項3】 酸化剤の濃度が0.1〜10重量%であ
る請求項1記載のバリア膜用研磨剤。 - 【請求項4】 無機酸塩が硫酸アンモニウムである、請
求項1記載のバリア膜用研磨剤。 - 【請求項5】 アルミニウムを原子換算で0.1〜50
ppm含有することを特徴とする請求項1記載のバリア
膜用研磨剤。 - 【請求項6】 防食剤を10〜1000ppm含有する
ことを特徴とする請求項1記載のバリア膜用研磨剤。
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