JP2001338103A - 環境管理支援システムと方法、およびそのためのプログラムを記憶した記憶媒体 - Google Patents

環境管理支援システムと方法、およびそのためのプログラムを記憶した記憶媒体

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JP2001338103A JP2000159273A JP2000159273A JP2001338103A JP 2001338103 A JP2001338103 A JP 2001338103A JP 2000159273 A JP2000159273 A JP 2000159273A JP 2000159273 A JP2000159273 A JP 2000159273A JP 2001338103 A JP2001338103 A JP 2001338103A
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修 稲見
Makoto Matsumoto
真 松本
Mitsunori Kaneda
光範 金田
Hirokazu Hirayama
廣和 平山
Yuji Hoshino
裕司 星野
Yoshiyuki Tsuchida
義之 土田
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Toshiba Corp
Toshiba System Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 業務内容あるいは入力するデータの性質に応
じて、システムの機能を分割することにより、入力誤り
の削減および効率的なデータ入力を可能とする。工程ご
とに化学物質の排出量・移動量を算出することにより、
管理・改善に有効なデータを提供する。 【解決手段】 基本情報管理部(基本情報登録手段)1
01は、取扱品名、取扱品に含まれている規制物質の名
称とその含有率、を含む基本情報を記憶する。入力デー
タ管理部(データ入力手段)102は、取扱品の使用量
・保管量データを入力し、入力された取扱品の使用量・
保管量データと基本情報管理部101によって記憶され
た基本情報に基づいて、取扱品に含まれている規制物質
の所定期間の規制量を算出する。集計結果管理部(集計
結果出力手段)103は、入力データ管理部102によ
る規制量の算出結果を出力する。各管理部101〜10
3は独立に起動可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、法規・法令に対応
した規制物質、排水等の環境管理を支援するためのシス
テムに関する。
【0002】
【従来の技術】地球規模での環境問題がクローズアップ
されるに従い、ISO14001の認証の増加や平成4
年の地球サミットで採択されたアジェンダ21に示され
ているように、多種多様な化学物質について様々な手法
により環境対応の適正管理を進めようとする世界的な動
きがある。
【0003】その手法の一つとして、環境汚染物質排出
・移動登録(Pollutant Release and Transfer Registe
r、以下、PRTRと称す)制度が平成11年に発足
し、有害化学物質の使用量の低減に加え、環境保全を目
的とした放出・廃棄などの移動量の低減が求められるよ
うになり、環境管理が重要になってきている。このPR
TR制度は、化学物質を取り扱っている事業者等に対し
ては、生産、製造等において、環境中に排出する化学物
質の量や、その事業所の外に搬出される廃棄物に含まれ
て移動する化学物質の量を日々正確に事業者自らが把握
して、それらの化学物質の管理の改善を図ることと、そ
の把握された化学物質の排出・移動量等の情報を行政官
庁に報告(届け出)することを求めている。
【0004】また、前述したPRTR制度は、潜在的に
有害な物質を幅広く対象とし、そのようなPRTR対象
物質に対する事業者等の対応と行政側の対応との両面か
ら環境保護を図るものである。すなわち、このPRTR
制度は、化学物質を取り扱っている事業者等に対して
は、生産・製造、消費等での工程での環境中に排出する
化学物質の量や、またその事業所の外に搬出される廃棄
物に含まれて移動する化学物質の量を日々正確に事業者
自らが把握して、それらの化学物質の保管や低減等の管
理の改善を図ることと、その把握された化学物質の排出
・移動量等の情報を行政官庁に報告することを求めてい
る。PRTR制度はまた、行政側に対しては、そのよう
に事業者等から報告された化学物質の排出・移動量等の
情報を、行政がまとめて自ら、あるいはその情報に関心
がある者に活用できるように情報公開することを求めて
いる。
【0005】このような製造・生産、消費等の各段階に
おける有害物質の使用量や環境への移動・放出量を低減
するためには、生産・製造を通しての環境管理対策が重
要であり、そのための提案も従来から幾つかなされてい
る。例えば、特開平11−306191号公報に記載の
「法律検索方法および法律検索システム」においては、
製品の適用法例を簡単に検索する方式を提案し、商品名
を入力して適用法令を検索するシステムが提案されてい
る。また、特開平9−319790号公報に記載の「製
品アセスメント評価装置」においては、製品の環境負荷
への低減を行うために、統一した入力フォ−マットを用
いて製品の設計情報を基準の設計情報と比較することに
よりアセスメント評価を行う装置が提案されている。
【0006】化学物質の環境への排出量・移動量の把握
については、運用管理者が、化学物質ごとに使用量のデ
−タを収集しチェックシ−トに記入しておき、報告期日
になると、その使用量データに経験あるいは実測により
求めた一定の排出率・移動率を乗じて、排出量・移動量
を求め、報告書の作成を行っている。最近では、チェッ
クシートに記入する代わりにパーソナルコンピュータ
(以下PCと称す)にデータを入力し、そのデータをも
とに報告書を作成している。しかしながら、PCを使用
しているといっても、データ収集の仕方や報告書の作成
は、事業者あるいは運用管理者の独自の方法で行われて
いるため、必ずしも効率的ではなく、また、収集したデ
ータによっては、それにより報告書の作成は可能であっ
ても、管理・改善につなげるには有効でないとうい問題
がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、化学
物質に関する従来のデータ管理技術は、いまだ開発途上
にあり、単にPCを用いただけのデータ管理は、十分に
機能的とはいえず、化学物質の使用量管理や在庫管理等
の効率を向上するまでに至っていない。
【0008】より詳細に説明すれば、報告書作成のため
には、事業所名、所在地、連絡先等の事業所に関する情
報や、法律により報告が義務づけられている化学物質
(規制物質)名等の法律に関する情報、規制物質の排出
量・移動量を求めるための使用量等のデータの入力が必
要である。一方、これらの情報、データの入力に関わる
部門(担当者)は通常複数である。例えば、事業所に関
する情報や法律に関する情報は、総務部門の担当者が入
力し、使用量等のデータは製造部門の担当者が入力する
ことになる。したがって、これら入力すべき情報やデー
タを混在して扱えるようにすると、例えば、製造部門の
担当者が誤って、総務部門が扱うべき情報を入力してし
まうおそれがあり、入力誤りの可能性が高くなる。さら
に、使用量等のデータは、頻繁に入力する必要があるの
に対し、事業所等のデータは、一度入力すれば、ほとん
ど更新の必要はない。また、報告すべき部門の排出量・
移動量を求めたとしても、これをもとに、例えば、規制
物質の大気への移動量を削減しようとしたとき、どのよ
うな対策を採れば有効か必ずしも明確には分からないと
いう問題もある。これは、取扱品の組み合わせや加工の
順序等により大気への移動率が異なる場合があるため、
部門の使用量から一律に移動量を求めたのでは、環境の
改善に必要なデータとしては不十分だからである。
【0009】したがって、従来の方法で化学物質の管理
を行う場合、2度またはそれ以上に亘ってデータの収
集、入力処理、印刷等の出力作業を行い、製品単位によ
るデ−タの収集および出力作業を行うことが必要になっ
ていた。しかも、デ−タの収集および出力作業は人間系
での作業を行うため、デ−タや結果の書き移し作業が必
要とされ、記入ミスや判定ミス等の人為エラ−および形
骸化等の問題と、法令・法規と化学物質等の対応やデ−
タ収集で熟練した運用管理者でないと正確な化学物質の
判定と管理ができないという問題があった。
【0010】さらに、従来の化学物質管理は、法令・法
規と化学物質の管理との対応に曖昧な点が多く、法令・
法規に準拠した環境管理を目的とした法令遵守を遂行し
ようとしても、化学物質と法令・法規とを対応させて遵
守する判断が複雑で、一意的に該当する法令・法規を対
応させることができず、客観的・総合的に化学物質の排
出・移動量を管理して法律的に判断することは難しかっ
た。
【0011】その上、取扱品の種類が多く、その構成化
学物質の変更や、法令・法規による指定の変更が多いと
いう現状も、法令・法規と化学物質の管理との対応付け
をさらに困難にしている。すなわち、現在、産業上の多
様な要求に基づいて多様な化学物質を含む多様な取扱品
が存在するが、産業上の要求のさらなる多様化に伴っ
て、取扱品の種類もさらに増大しつつある。そして、取
扱品の構成化学物質は、法律の改定や技術の進歩により
頻繁に変更される。また、PRTR対応法で指定されて
いる化学物質は、各国ごとに異なっており、今後も頻繁
に見直しを行う可能性が高い。
【0012】これらの事情から、商品名と適用法令を対
応付けた前述の手法においても、対応付けのためのファ
イル変更を頻繁に行う必要があり、管理が煩雑になる。
また、1事業所で扱う取扱品は比較的限定されているの
に対し、従来技術では、その事業所には全く無関係の化
学物質や法令も含めて巨大なファイルを所有せざるを得
ないため、規模の大きなサーバが必要になる。さらに、
PRTR対応の従来の支援ツールは、報告業務に限定さ
れているものや、入力設定のためには、高度の化学知識
や環境関連法律知識が前提になっているため、製造現場
では利用しにくい。
【0013】本発明は、上記した従来の問題点を改善す
るためになされたものであり、その目的は、業務内容あ
るいは入力するデータの性質に応じて、システムの機能
を分割することにより、入力誤りの削減および効率的な
データ入力を可能とすることにある。また、他の目的
は、工程ごとに化学物質の排出量・移動量を算出するこ
とにより、管理・改善に有効なデータを提供することに
ある。さらに、他の目的は、本発明による環境管理支援
システムのプログラムあるいはサービスを複数のユーザ
に効率よく提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の環境管理支援システムは、基本情報登録、
デ−タ入力、および集計結果出力を個別に実行可能とす
ることにより、化学物質使用量を正確に管理して環境管
理の支援を効率よく行うことができるようにしたもので
ある。
【0015】請求項1に記載の発明は、コンピュータシ
ステムを用いて、事業者の取扱品に含まれている化学物
質のうち法令により管理もしくは報告の対象となってい
る規制物質に関する規制量を算出する環境管理支援シス
テムにおいて、取扱品名、取扱品に含まれている規制物
質の名称とその含有率、を含む基本情報を記憶する基本
情報登録手段と、取扱品の使用量データまたは保管量デ
ータを入力して、この入力したデータと前記基本情報登
録手段によって記憶された基本情報に基づいて、取扱品
に含まれている規制物質の所定期間の規制量を算出する
データ入力手段と、前記データ入力手段の算出結果を出
力する集計結果出力手段と、を備え、前記各手段は独立
に起動可能であることを特徴とする。
【0016】請求項11に記載の発明は、請求項1の環
境管理支援システムを、プログラムを記憶した記憶媒体
という観点から把握したものであり、コンピュータシス
テムを用いて、事業者の取扱品に含まれている化学物質
のうち法令により管理もしくは報告の対象となっている
規制物質に関する規制量を算出するための、コンピュー
タ読み取り可能な記憶媒体において、取扱品名、取扱品
に含まれている規制物質の名称とその含有率、を含む基
本情報を記憶する処理と、取扱品の使用量データまたは
保管量データを入力して、この入力したデータと前記記
憶する処理によって記憶された基本情報に基づいて、取
扱品に含まれている規制物質の所定期間の規制量を算出
する処理と、この算出結果を出力する処理と、をコンピ
ュータに実行させるためのプログラムを記憶しているこ
とを特徴とする。
【0017】請求項2に記載の発明は、コンピュータシ
ステムを用いて、事業者の取扱品に含まれている化学物
質のうち法令により管理もしくは報告の対象となってい
る規制物質の排出量もしくは移動量を算出する環境管理
支援システムにおいて、一または二以上の工程の識別
名、取扱品名、取扱品に含まれている規制物質の名称と
その含有率、を含む基本情報を記憶する基本情報登録手
段と、取扱品の使用量データを前記工程ごとに入力し
て、この入力したデータと前記基本情報登録手段によっ
て記憶された基本情報に基づいて、取扱品に含まれてい
る規制物質の所定期間の排出量もしくは移動量を前記工
程ごとに算出するデータ入力手段と、前記データ入力手
段の算出結果を出力する集計結果出力手段と、を備えた
ことを特徴とする。
【0018】請求項12に記載の発明は、請求項2の環
境管理支援システムを、プログラムを記憶した記憶媒体
という観点から把握したものであり、コンピュータシス
テムを用いて、事業者の取扱品に含まれている化学物質
のうち法令により管理もしくは報告の対象となっている
規制物質の排出量もしくは移動量を算出するための、コ
ンピュータ読み取り可能な記憶媒体において、一または
二以上の工程の識別名、取扱品名、取扱品に含まれてい
る規制物質の名称とその含有率、を含む基本情報を記憶
する処理と、取扱品の使用量データを前記工程ごとに入
力して、この入力したデータと前記記憶する処理によっ
て記憶された基本情報に基づいて、取扱品に含まれてい
る規制物質の所定期間の排出量もしくは移動量を前記工
程ごとに算出する処理と、この算出結果を出力する処理
と、をコンピュータに実行させるためのプログラムを記
憶していることを特徴とする。
【0019】請求項13に記載の発明は、請求項2の環
境管理支援システムを、算出結果を利用者に提供するた
めの方法という観点から把握したものであり、コンピュ
ータシステムを用いて、利用者の取扱品に含まれている
化学物質のうち法令により管理もしくは報告の対象とな
っている規制物質の排出量もしくは移動量を算出し、そ
の結果を利用者に提供する、環境管理支援方法におい
て、利用者に対して、一または二以上の工程の識別名、
取扱品名、取扱品に含まれている規制物質の名称とその
含有率、を含む基本情報の登録を促すステップと、前記
工程ごとに取扱品の使用量データの入力を促すステップ
と、利用者によって登録された取扱品の使用量データと
利用者によって入力された基本情報に基づいて、取扱品
に含まれている規制物質の所定期間の排出量もしくは移
動量を前記工程ごとに算出し、その結果を利用者に提供
するステップと、を有することを特徴とする。
【0020】なお、本発明において重要な用語の定義は
次の通りである。「基本情報」は、事業者情報等、頻繁に
更新の必要のない情報を定義する用語であり、使用量デ
ータ等の定期的に入力する情報と区別するために用いて
いる。「登録」は、情報を、半導体メモリ、磁気ディス
ク、バルクメモリ、CD−Rなどの、外部記憶装置ある
いは内部記憶装置へ記憶することを定義する用語であ
る。「使用量データ」、「保管量データ」は、使用量、保管
量そのもののみでなく、実質的に使用量、保管量を算出
できる各種データを含む。「法令」は、法律、命令のほ
か、規則、条例、条約なども含む広い概念である。「規
制量」は、PRTR法における排出量、移動量などの、
法令により、管理、報告の対象となる量を定義する用語
である。「工程」は、一般的な意味において使用するが、
例えば、生産ライン、加工ラインなどにおいては、製造
設備や諸装置の特性、あるいは、作業の順序や段取りの
多少等が規制物質の排出率・移動率に影響を及ぼす可能
性があるため、これらを区別して取扱う趣旨である。し
たがって、工程は、ライン、作業、段取り、その他排出
率・移動率に影響を与える要素を含む概念である。「名
称」は、コード化あるいは、番号化されたものも含む趣
旨である。「算出」は、計算をして求める場合のみなら
ず、テーブルを参照して求める場合など、CPUがメモ
リ等の何がしかのハードウェア資源にアクセスして求め
る場合の全てを含む概念である。「管理番号」は、区分
または管理等のために付す番号であり、世界的な化学物
質の統一コードであるChemical Abstract Service(以
下、CASと称する)コードも含む。
【0021】以上のような請求項1、2、11〜13の
発明によれば、環境管理のための機能を業務に応じて分
割したことにより、環境管理に関わる個々の業務の作業
を単純化することができる。すなわち、本発明は、環境
管理のために必要な作業が事業所の一部門のみでは完結
せず、複数の管理業務に亘っていることに着眼して、シ
ステム全体を管理業務ごとに機能分割したものであり、
これにより、特に、データの登録作業を単純化すること
ができるものである。
【0022】具体的には、環境管理の専門知識を有する
環境管理スタッフあるいは環境管理担当者が行うべき業
務に対応したUI(ユーザインタフェース)機能である
「基本情報の登録」と、環境管理の専門知識のない製造
・加工・保管・運搬業務に携わる現場担当者が行うべき
業務に対応したUI機能である「使用量データまたは保
管量データの入力」と、事業管理者が行うべき記録・報
告・改善のための分析業務に対応したUI機能である
「集計結果の出力」とに大きく分割している。これによ
り、特に、環境管理専門スタッフによる管理用のデータ
ベース構築作業が軽減されるとともに、製造・加工・保
管・運搬業務に携わる現場担当者は、使用量や保管量等
の変動量を入力するだけでよいため、環境管理の専門知
識がない現場担当者でも、比較的簡易に入力設定ができ
る。
【0023】また、化学物質と法令の関係付けを行うデ
ータベースについては、基本情報の登録という形で、ユ
ーザ側で適宜設定できる。このようなオープンなデータ
ベース構成により、ユーザは、ユーザ自らが管理するた
めに必要な最小限の化学物質データや法令データのみを
所有すればよく、膨大なデータファイルを持つ必要はな
くなる。また、複数の国に事業所が散在していても、ユ
ーザ固有のファイルを定義できるので、自主的な管理が
可能になる。さらに、検索機能については、一般的な基
本技術で対応でき、特別な検索機能は必要ない。
【0024】なお、化学物質の受入量、使用量、廃棄量
等は、化学物質を取り扱う部、課等の組織で管理できる
が、PRTRの移動量については、組織の中で使用して
いる製造施設や装置の特性により大気、公共水域、下
水、土壌等の環境への移動率が異なるため、これらに応
じた管理をする必要がある。請求項2、12、13の発
明においては、これらの施設、装置による移動率の差異
に応じた管理をするために、工程ごとに移動量を算出す
る。したがって、これらの発明によれば、ユーザは化学
物質の各工程での使用量を入力するだけでよく、入力さ
れた使用量データに基づいてPRTRの移動量が自動的
に集計される。
【0025】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2の環境管理支援システムにおいて、前記コンピュータ
システムは、クライアントおよびサーバからなるクライ
アント・サーバ型のシステムであって、前記基本情報登
録手段、前記データ入力手段、および前記集計結果出力
手段の各々を起動するごとに利用者認証の入力を行うよ
うに構成されたことを特徴とする。この構成によれば、
異なる業務において、それぞれの担当者が利用者認証を
入力し、必要な手段のみを起動することができるため、
不要な手段を起動する無駄がない。また、環境管理用の
機能を分散させながらも、構築したデータベースを保護
することができるため、信頼性に優れている。
【0026】請求項4に記載の発明は、請求項3の環境
管理支援システムにおいて、前記クライアントは、移動
端末装置を含み、前記各手段のうち、少なくとも前記デ
ータ入力手段は、前記移動端末装置を用いてデータ入力
を行うように構成されたことを特徴とする。この構成に
よれば、製造・加工・保管・運搬業務に携わる現場担当
者が、PCのない現場でも、移動端末装置を用いて容易
にデータ入力を行うことができるため、データ入力の作
業効率を向上することができる。
【0027】請求項5に記載の発明は、請求項2の環境
管理支援システムにおいて、前記基本情報登録手段は、
事業所名、事業所の所在地、および連絡先、を含む事業
所に関する情報を記憶する事業所情報登録部と、取扱品
名、取扱品に含まれている規制物質の名称とその含有率
を含む取扱品に関する情報を記憶する取扱品登録部と、
前記事業所に関係する法令の名称を含む法令に関する情
報を記憶する関係法令登録部と、前記事業所で取扱う規
制物質の名称、管理番号もしくは世界的な化学物質の統
一コ−ド(Chemical Abstract Ser
vice、以下CASコードと称す)、および規制物質
に関する法令の名称、を含む規制物質に関する情報を記
憶すると共に、前記事業所で取扱う化合物が規制物質を
含む場合には、その化合物と規制物質の名称、化合物中
の規制物質の含有率、および規制物質に関する法令の名
称、を含む化合物に関する情報を記憶する規制物質登録
部と、を有し、前記各部ごとに前記各情報を記憶するよ
うに構成されたことを特徴とする。
【0028】この構成によれば、事業所情報登録部、取
扱品登録部、関係法令登録部、規制物質登録部を個別に
設け、それぞれ独立に情報を記憶させることができる。
そのため、一部の情報が不明な場合でも、明確な情報の
みを個別に登録することができるため、個々の登録作業
が単純化され、作業分担も容易になる。また、化合物中
に含まれる規制物質についても、その化合物中の規制物
質の含有率や関連する法令を登録することにより、その
化合物中の規制物質の移動量を容易に把握することがで
き、法律に準拠して管理することができる。
【0029】請求項6に記載の発明は、請求項2の環境
管理支援システムにおいて、前記基本情報登録手段は、
規制物質の排出率もしくは移動率を工程ごとに設定でき
る移動率設定部を有し、前記データ入力手段は、前記移
動率設定部で設定した排出率もしくは移動率を用いて規
制物質の排出量もしくは移動量を算出するように構成さ
れたことを特徴とする。請求項7に記載の発明は、請求
項6の環境管理支援システムにおいて、前記移動率設定
部は、規制物質の排出率もしくは移動率を取扱品ごとに
設定するように構成されたことを特徴とする。
【0030】以上のような請求項6,7の発明によれ
ば、規制物質の排出率・移動率を工程ごとに設定するこ
とにより、その排出率・移動率を用いて、規制物質の排
出量・移動量を容易に算出することができるため、工程
ごとの規制物質の排出量・移動量の管理が容易になる。
特に、請求項7の発明においては、規制物質の排出率・
移動率を取扱品ごとに設定することにより、取扱品ごと
に規制物質の排出量・移動量を詳細に管理することがで
きる。
【0031】請求項8に記載の発明は、請求項6の環境
管理支援システムにおいて、前記データ入力手段は、前
記移動率設定部で設定された規制物質の排出率もしくは
移動率を元に計算された値を規制物質の排出量もしくは
移動量のデフォルト値として用いて、規制物質の排出量
もしくは移動量の実際の値がデフォルト値と異なる場合
にデフォルト値を実際の値に修正・入力する移動量入力
部を有することを特徴とする。
【0032】請求項9に記載の発明は、請求項8の環境
管理支援システムにおいて、前記移動量入力部は、前記
移動率設定部で設定された規制物質の排出率もしくは移
動率をデフォルト値として用いて、この排出率もしくは
移動率についても値を修正・入力可能であり、規制物質
の排出率もしくは移動率と、排出量もしくは移動量との
いずれか一方の値の修正・入力により、他方の値を自動
的に修正・入力するように構成されたことを特徴とす
る。以上のような請求項8,9の発明によれば、ユーザ
は、規制物質の排出量・移動量の実際の値がデフォルト
値と一致する場合には値を入力する必要がなく、実際の
値がデフォルト値と異なる場合にのみ値の修正を行えば
よいため、規制物質の排出量・移動量の入力作業が容易
になる。特に、請求項9の発明において、実際の値がデ
フォルト値と異なる場合には、ユーザは、排出率・移動
率と排出量・移動量の両方を修正する必要がなく、いず
れか一方の値を修正するだけで、他方の値は自動的に修
正される。そのため、排出率・移動率と排出量・移動量
との整合性が常に正しく保たれる。
【0033】請求項10に記載の発明は、請求項1また
は2記載の環境管理支援システムにおいて、通常のシス
テム起動時に前記データ入力手段が最初に起動するよう
に構成されたことを特徴とする。この構成によれば、通
常のシステム使用時に、データ入力手段を最初に起動し
て直ちに使用量データの入力を行うことができる。した
がって、機能選択用の画面切換等が不要である分だけ、
使用量データの入力作業を迅速に開始することができ
る。このように、最も頻繁に行うことが予想される使用
量データの入力処理を優先させることにより、作業効率
を向上することができる。
【0034】請求項14に記載の発明は、コンピュータ
システムを用いて、利用者の取扱品に含まれている化学
物質のうち法令により管理もしくは報告の対象となって
いる規制物質に関する規制量を算出しその結果を出力す
るプログラム、を配信する環境管理支援方法において、
利用者に対して、該利用者の氏名もしくは名称、住所も
しくは所在地、および配信先アドレス、を含む利用者情
報の入力を促すとともに、コンサルタントの要否につい
ての情報の入力を促すステップと、利用者によって利用
者情報が入力された場合に、配信先アドレスへの前記プ
ログラムの配信を許可するステップと、利用者によって
コンサルタント不要の情報が入力された場合には、その
利用者に前記プログラムを配信することにより課金する
ステップと、利用者によってコンサルタント要の情報が
入力され、かつ、その利用者から所定期間の規制物質に
関する規制量の出力結果が提供された場合には、その出
力結果に基づくコンサルタント情報を送信することによ
り課金するステップと、を備えたことを特徴とする。
【0035】この環境管理支援方法によれば、通信ネッ
トワークを利用して、利用者情報を入力したユーザのみ
にプログラムを配信して課金することにより、本発明の
環境管理支援システムを実現するためのプログラム提供
サービスをネットワークビジネスとして容易に成立させ
ることが可能になる。さらに、コンサルタント情報を送
信して課金することにより、プログラム提供サービス
に、出力結果に関するコンサルタントサービスを組み合
わせることができるため、ユーザ層をさらに拡大するこ
とができる。
【0036】請求項15に記載の発明は、コンピュータ
システムを用いて、利用者の取扱品に含まれている化学
物質のうち法令により管理もしくは報告の対象となって
いる規制物質に関する規制量を算出し、その結果を利用
者に提供する、環境管理支援方法において、規制物質名
を含む法令関連情報を入力するステップと、規制物質を
含有する取扱品の名称、その規制物質の名称と含有率、
を含む取扱品関連情報を入力するステップと、各前記入
力するステップによって入力された法令関連情報と取扱
品関連情報に基づいて、取扱品名、取扱品に含有されて
いる規制物質名、および含有率とを対応づけて規制物質
関連情報として記憶するステップと、利用者に対して、
取扱品の使用量データまたは保管量データの入力を促す
ステップと、利用者によって入力された取扱品の使用量
データまたは保管量データと前記規制物質関連情報に基
づいて、取扱品に含まれている規制物質の所定期間の規
制量を算出し、その結果を利用者に提供するステップ
と、を有することを特徴とする。
【0037】この環境管理支援方法によれば、ユーザに
よって取扱品の使用量データや保管量データが入力され
れば、法令や取扱品中に含まる規制物質などの必要な基
本情報については別に取得して、自動的に、取扱品に含
まれている規制物質の所定期間の規制量を算出し、その
結果を利用者に提供することができる。したがって、法
令に関する専門知識がないユーザや、取扱品の成分を把
握していないユーザであっても、その取扱品の使用量デ
ータや保管量データを入力するだけで、規制物質の所定
期間の規制量を算出した結果を容易に取得することがで
きる。この方法では、固有のデータベースなどがなくて
も、必要な基本情報については、別のデータベースなど
から取得すればよいため、サービスを提供するためのシ
ステム構成を簡略化することができ、実用性が高い。
【0038】
【発明の実施の形態】以下には、本発明を適用した実施
形態について、図面にしたがって詳細に説明する。な
お、説明の簡略化の観点から、各図を通して同等の構成
要素には同一の符号を付す。
【0039】[第1の実施形態の構成] [機器構成]図1は、第1の実施形態に係る環境管理支
援システムの機器構成を示すブロック図である。この図
1に示すように、本システムは、クライアント・サ−バ
システムで構成されており、環境管理デ−タサ−バ1
と、複数のクライアントとして、環境保全責任者端末
2、環境保全担当者端末3、関係部門端末端末4、およ
び簡易移動端末装置5が、通信ネットワ−ク6や通信手
段7を介して接続されている。このうち、環境保全責任
者端末2、環境保全担当者端末3、関係部門端末4は、
一台PCあるいは通信ネットワ−クに接続された複数の
PCからそれぞれ構成されている。
【0040】また、環境管理データサーバ1と、複数の
PC2〜4の各々は、入出力装置部8として、環境管理
用のデ−タを入力したり各機能を操作したりするための
入力装置9、出力デ−タ等を表示するための表示装置1
0、および集計結果や報告書を出力するプリンタ11等
を備えている。このうち、入力装置9は、キ−ボ−ドと
マウスを有し、表示装置10の画面を用いて操作やデ−
タ入力のフロ−の選択を行うようになっている。また、
簡易移動端末装置5には、入力装置部や表示装置部が一
体的に組み込まれており、環境管理データサーバ1と
は、無線による通信手段7でつながれている。さらに、
環境管理データサーバ1と、複数のクライアント2〜5
の各々において、データベースDBは、基本情報管理部
(基本情報登録手段)101、入力データ管理部(デー
タ入力手段)102、および集計結果管理部(集計結果
出力手段)103という3つの管理部からなるプログラ
ムを有している。
【0041】[システム構成]図2は、本システムの全
体構成を示す機能ブロック図である。この図2に示すよ
うに、本システムは、基本情報管理部(基本情報登録手
段)101、入力データ管理部(データ入力手段)10
2、および集計結果管理部(集計結果出力手段)103
という3つの管理部からなるプログラムを、データ入力
装置104、データ処理装置105、およびデータ出力
装置106からなるハードウェアにより実行するもので
ある。そして、基本情報管理部101は、共通部分の基
本情報登録部110と組織別部分の基本情報登録部12
0を有し、入力データ管理部102は、データ入力部1
30を有しており、また、集計結果管理部103は、集
計結果出力部140と報告書設定・出力部150を有し
ている。
【0042】より詳細に、共通部分の基本情報登録部1
10は、環境管理の専門知識を有する環境管理スタッフ
の業務に対応させたものである。すなわち、基本情報登
録部110は、少なくとも、化学物質を扱う施設や事業
所に関する情報を登録する事業所情報登録部111と、
対象となる化学物質に関する関係法令等を登録する関係
法令登録部112と、対象となる化学物質に関する情報
を登録する化学物質登録部113と、それらの化学物質
から構成される取扱品(取扱商品)に関する情報を登録
する取扱品登録部115とを有する。そして、取扱品が
製造あるいは加工工程ごとに異なる場合には、組織構成
と組織の最小単位が管理する1ライン以上の「工程」ご
とにその最小単位となる組織名を登録する組織登録部1
14が付加される。
【0043】組織別部分の基本情報登録部120は、組
織登録部114が付加された場合に、組織別の基本情報
を登録するために付加される部分である。この基本情報
登録部120は、各組織の各工程で使用する取扱品を設
定する使用取扱品設定部121と、各組織の工程単位で
取扱品使用量の計画値を設定する使用量計画設定部12
2と、各組織の工程ごとにPRTR対象の化学物質ある
いはPRTR対象を含む化合物の移動率(PRTR移動
率)を設定するPRTR移動率設定部123とを有す
る。
【0044】データ入力部130は、保管・製造・加工
・運搬担当者の業務に対応させたものである。すなわ
ち、データ入力部130は、環境管理の専門知識の有無
に関わらず、担当者が扱っている取扱品の変動量のみを
管理するものであり、取扱品使用量を予め指定した単位
で入力する使用量入力部131と、PRTR移動率を元
に計算されたデフォルト値を用いてPRTR対象の化学
物質あるいはPRTR対象を含む化合物の実際の移動量
(PRTR移動量)を入力するPRTR移動量入力部1
32とを有する。
【0045】集計結果出力部140は、施設または事業
所管理者の管理業務に対応させたものである。すなわ
ち、集計結果出力部140は、データ入力部130によ
って入力された取扱品の使用量データと基本情報登録部
110,120によって登録された基本情報とに基づい
て、取扱品に含まれているPRTR対象の化学物質ある
いはPRTR対象を含む化合物の移動量を算出し、所定
の条件で集計して出力する部分である。この集計結果出
力部140は、組織別の集計結果を表示する組織別集計
結果表示部141と、月別の集計結果を表示する月別集
計結果表示部142と、化学物質別の集計結果を表示す
る化学物質別集計結果表示部143と、組織ごとに所定
期間の集計結果を表示するPRTR集計結果表示部14
4とを有する。
【0046】報告書設定・出力部150は、官公庁向け
の報告書や自主管理のための報告書作成業務に対応させ
たものである。すなわち、報告書設定・出力部150
は、法令などに応じて報告書の出力に関する設定を行う
報告書設定部151と、設定された形式の報告書を出力
する報告書出力部152とを有する。
【0047】[システム動作]図3は、本システムによ
る動作の概略を示すフローチャートであり、図5は、各
機能部110,120,130,140,150と情報
ファイル161〜170との関係を示すブロック図であ
る。以下には、図3および図5を参照しながら、本シス
テムの動作の概要について説明する。
【0048】まず、図3に示すように、利用者認証が入
力されたと判断した場合(S1001のYES)には、
部門の名称、当該部門における一または二以上の工程の
識別名、取扱品名、取扱品に含まれている規制物質の名
称とその含有率、を含む基本情報についての入力支援表
示を行い(S1002)、ユーザから入力された基本情
報を登録する(S1003)。
【0049】S1002,1003においては、共通部
分の基本情報登録部110による基本情報登録処理と組
織別部分の基本情報登録部120による基本情報登録処
理が行われる。すなわち、図5に示すように、共通部分
の基本情報登録部110により、事業所情報、関係法令
情報、化学物質情報、および組織情報が、各情報ファイ
ル161〜164にそれぞれ登録され、さらに、化学物
質情報を用いて得られた取扱品情報が、その取扱品情報
ファイル165に登録される。そして、組織別部分の基
本情報登録部120により、使用取扱品情報がその情報
ファイル166に登録された後、その使用取扱品情報を
用いて得られた使用量計画情報およびPRTR移動率情
報が、各情報ファイル167,168にそれぞれ登録さ
れる。
【0050】図3において利用者認証が入力されたと判
断した場合(S1004のYES)には、工程ごとの取
扱品の使用量データについて入力支援表示を行い(S1
005)、ユーザから承認された使用量データを入力す
る(S1006)。S1005,1006においては、
具体的には、図5に示すように、データ入力部130の
使用量入力部131による使用量入力処理が行われ、取
扱品使用量情報がその情報ファイル169に登録され
る。続いて、使用量データと基本情報に基づいて、取扱
品に含まれているPRTR対象物質の所定期間の排出量
・移動量を工程ごとに算出し(S1007)、算出した
排出量・移動量をデフォルト値として入力支援表示を行
い(S1008)、ユーザがデフォルト値を修正した場
合(S1009のYES)には、移動量を修正して(S
1010)、その修正値を排出量・移動量として確定し
(S1011)、ユーザがデフォルト値を修正せず、そ
のまま承認した場合(S1009のNO)には、そのデ
フォルト値をそのまま排出量・移動量として確定する
(S1011)。
【0051】図5中では、S1007に対応するPRT
R移動量計算処理180が示されている。この処理18
0によって得られ、S1011によって確定された値
は、PRTR移動量情報として、その情報ファイル17
0に登録される。さらに、PRTR移動量情報ファイル
170が更新される度に、その履歴情報が履歴ファイル
171に蓄積される。図4は、図5でのデータ入力部1
30の図2に示すPRTR移動量入力部132によるP
RTR移動量の算出処理(S1007)のサブルーチン
を示すフローチャートである。この図4に示すように、
PRTR移動量入力部132は、取扱品情報ファイル1
65から取扱品に含まれるPRTR対象物質名と含有率
を取り出し(S1021)、取扱品使用量情報ファイル
169から工程ごとの取扱品の使用量を取り出し、この
使用量にPRTR対象物質の含有率を乗じ、工程ごとの
PRTR対象物質の使用量を計算する(S1022)。
PRTR移動量入力部132は、次に、PRTR移動率
情報ファイル168から工程ごとの移動率を取り出し
(S1023)、PRTR対象物質の使用量に工程ごと
の移動率を乗じ、工程ごとのPRTR対象物質の移動量
を計算する(S1024)。
【0052】図3において利用者認証が入力されたと判
断した場合(S1012のYES)には、さらに、算出
した排出量・移動量を各部門の工程について合計する
(S1013)ことにより、規制物質の排出量・移動量
を部門別に集計する。次に、集計結果についての出力支
援表示を行い(S1014)、続いて、ユーザから指定
された条件および形式の集計結果を出力する(S101
5)。S1012〜1015は、集計結果出力部140
による集計結果出力処理に相当する。すなわち、集計結
果出力部140は、図5に示すような、使用量計画情報
ファイル167、取扱品使用量情報ファイル169、お
よびPRTR移動量情報ファイル170の各情報を用い
て、集計結果出力処理を行う。
【0053】なお、図3においては、基本情報の登録処
理、データ入力処理、および集計結果出力処理を一連の
動作として行うように示されているが、この動作順は、
あくまでもデータの利用関係のみを示すにすぎず、実際
の動作順に対応するものではない。実際には、この3種
類の処理は、別の業務における別の作業として分離して
行われる場合が多い。また、図3には記載していない
が、ユーザから報告書出力要求が入力された場合には、
図5に示すように、報告書設定・出力部150による報
告書出力処理が行われる。
【0054】[各機能部の動作]図6〜図24は、各機
能部による管理支援用の各動作について、具体的な個々
の画面表示を示す説明図である。以下には、これらの図
面を参照しながら、共通部分の基本情報登録部110、
組織別部分の基本情報登録部120、データ入力部13
0、集計結果出力部140、および報告書設定・出力部
150の詳細な動作について順次説明する。
【0055】[共通部分の基本情報登録部の動作]前述
したように、共通部分の基本情報登録部110は、環境
管理の専門知識を有する環境管理スタッフの業務に対応
させたものであるため、そのような専門知識を有する環
境管理スタッフに対して、図6〜図11に示すような、
事業所情報登録、関係法令登録、化学物質登録、組織登
録、および取扱品登録を行わせるための各支援表示を行
い、その専門知識を有するスタッフから個々の情報が入
力あるいは指定された場合に、それらの情報を登録す
る。
【0056】図6は、共通部分の基本情報登録部110
における事業所情報登録部111による事業所情報登録
用の画面表示を示す説明図である。図6に示すように、
事業所情報登録部111は、少なくとも、企業・団体
名、所在地、事業内容、責任者あるいは担当者の氏名を
含む連絡先、をユーザに入力させるための支援表示を行
い、ユーザからそれらのデータが入力された場合に、そ
れらのデータを、図5に示すような事業所情報ファイル
161に登録する。なお、これらのデータは、後日、関
係法令に従った報告書作成のための基本データとなる。
さらに、事業所情報登録部111により、以上のような
基本データに加えて、参考情報として、業種や従業員
数、主な取扱品目や自由記載事項などを設定できるよう
にしてもよい。図中の画面表示では、上記の基本データ
を入力させるための欄に加えて、これらの参考情報を入
力させるための欄が例示的に示されている。
【0057】図7は、共通部分の基本情報登録部110
における関係法令登録部112による関係法令登録用の
画面表示を示す説明図である。図7の(A)に示すよう
に、関係法令登録部112は、当該事業所が扱う化学物
質に係わる法律、条例、条約、企業の自主管理規定等の
名称、をユーザに指定させるための支援表示を行い、ユ
ーザから指定された法令等について、それらのデータ
を、図5に示すような関係法令情報ファイル162に登
録する。さらに、関係法令登録部112により、以上の
ような法令等の名称に加えて、図7の(B)に示すよう
に、関係法令の分類情報や略称を設定できるようにして
もよい。
【0058】図8は、共通部分の基本情報登録部110
における化学物質登録部113による化学物質登録用の
画面表示を示す説明図である。図8の(A)および
(B)に示すように、化学物質登録部113は、少なく
とも、当該事業所にて扱う取扱品に含まれる化学物質の
物質名、管理番号またはCASコード、をユーザに指定
させるための支援表示を行い、ユーザから指定されたデ
ータを、図5に示すような化学物質情報ファイル163
に登録する。
【0059】さらに、図9の(A)に示すように、化学
物質登録部113により、対象となる化学物質ごとに、
それを規制している関係法令を複数個対応付けるように
してもよい。この場合、関係法令登録部112によって
予め登録された関係法令の中から対象となる関係法令を
任意に選択するようにしてもよい。また、対象となる化
学物質がPRTR対象である場合は、図9の(B)に示
すように、PRTR対象であるチェックマーク、PRT
R番号、毒性ランク等を登録するようにしてもよい。さ
らに、PRTR対象物質を含む化合物の場合は、PRT
R対象物質とその含有率をPRTR対象物質の一覧より
選択し、設定登録するようにしてもよい。この場合、P
RTR物質一覧は、化学物質登録部113によって登録
した情報の中からPRTR設定されているものだけを抽
出してもよい。そしてまた、図8の(B)に示すよう
に、化学物質登録部113により、参考情報として、化
学式や別名称、任意記載事項等を設定できるようにして
もよい。
【0060】図10、図11は、共通部分の基本情報登
録部110における組織登録部114による組織登録用
の画面表示と、取扱品登録部115による取扱品登録用
の画面表示を示す説明図である。図10の(B)に示す
ように、取扱品が製造あるいは加工工程ごとに異なる場
合には、組織登録部114は、少なくとも、組織構成と
組織の最小単位が管理する1ライン以上の工程ごとにそ
の最小単位となる組織名、をユーザに入力させるための
支援表示を行い、ユーザから入力されたデータを、図5
に示すような組織情報ファイル164に登録する。
【0061】また、図11の(A)に示すように、取扱
品登録部115は、少なくとも、対象とする取扱品に関
する品名、型番または製造元、および取扱品が含有して
いる複数の化学物質名とその含有率、をユーザに入力さ
せるための支援表示を行い、ユーザから入力されたデー
タを、図5に示すような取扱品情報ファイル165に登
録する。この場合、化学物質登録部113によって予め
登録された化学物質の中から対象となる化学物質を任意
に選択することもできる。さらに、図11の(B)に示
すように、取扱品登録部115により、参考情報とし
て、取扱品の物理単位や比重、任意記載事項等を設定で
きるようにしてもよい。
【0062】[組織別部分の基本情報登録部の動作]前
述したように、組織別部分の基本情報登録部120は、
組織登録部114が付加された場合に、組織別の基本情
報を登録するために付加される部分であり、ユーザに対
して、図12〜図14に示すような、使用取扱品設定、
使用量計画設定、およびPRTR移動率設定を行わせる
ための各支援表示を行い、そのユーザから個々の情報が
入力あるいは指定された場合に、それらの情報を登録す
る。
【0063】図12は、組織別部分の基本情報登録部1
20における使用取扱品設定部121による使用取扱品
設定用の画面表示を示す説明図である。図12の(A)
に示すように、使用取扱品設定部121は、少なくと
も、組織の最小単位が管理する工程ごとに使用する取扱
品名、をユーザに入力させるための支援表示を行い、ユ
ーザから入力されたデータを、図5に示すような使用取
扱品情報ファイル166に登録する。また、図12の
(B)に示すように、使用取扱品設定部121によっ
て、対象とする取扱品の使用場所や保管場所、あるい
は、取扱品の型番または製造元を設定できるようにして
もよい。
【0064】図13は、組織別部分の基本情報登録部1
20における使用量計画設定部122による使用量計画
設定用の画面表示を示す説明図である。図13に示すよ
うに、使用量計画設定部122は、組織の最小単位が管
理する工程ごとに使用される取扱品の使用量の単位と計
画値、をユーザに入力させるための支援表示を行い、ユ
ーザから入力されたデータを、図5に示すような使用量
計画情報ファイル167に登録する。
【0065】図14は、組織別部分の基本情報登録部1
20におけるPRTR移動率設定部123によるPRT
R移動率設定用の画面表示を示す説明図である。図14
に示すように、PRTR移動率設定部123は、組織の
最小単位が管理する工程ごとに使用される化学物質の基
本となる移動率、をユーザに入力させるための支援表示
を行い、ユーザから入力されたデータを、図5に示すよ
うなPRTR移動率情報ファイル168に登録する。
【0066】[データ入力部の動作]前述したように、
データ入力部130は、保管・製造・加工・運搬担当者
の業務に対応させたものであるため、そのような担当者
に対して、図15および図16に示すように、使用量入
力およびPRTR移動量入力を行わせるための各支援表
示を行い、その担当者から個々の情報が入力あるいは指
定された場合に、それらの情報を登録する。
【0067】図15、図16は、データ入力部130に
おける使用量入力部131による使用量入力用の画面表
示と、PRTR移動量入力部132によるPRTR移動
量入力用の画面表示を示す説明図である。図15に示す
ように、使用量入力部131は、少なくとも、単位期間
ごとの、かつ、取扱品一品単位での受入量および使用
量、をユーザに入力させるための支援表示を行い、ユー
ザから入力されたデータを、図5に示すような取扱品使
用量情報ファイル169に登録する。
【0068】図16に示すように、PRTR移動量入力
部132は、少なくとも、単位期間ごとの、工程ごとに
使用される化学物質の移動量、をユーザに入力させるた
めの支援表示を行い、ユーザから入力されたデータを、
図5に示すようなPRTR移動量情報ファイル170に
登録する。この場合、PRTR移動量入力部132は、
PRTR移動率設定部123によって設定されたPRT
R移動率を元にPRTR移動量計算処理180(図5)
を行ってPRTR移動量を算出し、得られた値をPRT
R移動量のデフォルト値として画面に表示する。そし
て、このデフォルト値がユーザによって修正された場合
には、その修正された値を実際のPRTR移動量として
登録し、デフォルト値がユーザによって承認された場合
には、そのデフォルト値をそのまま登録する。
【0069】また、PRTR移動量入力部132は、P
RTR移動率設定部123によって設定されたPRTR
移動率についても、デフォルト値として画面に表示し、
ユーザによる修正を可能とする。さらに、表示されたP
RTR移動量とPRTR移動率のいずれか一方が修正さ
れた場合には、その修正された値を元に、他方の値を計
算し直して、自動修正する。したがって、図5に示すよ
うなPRTR移動量ファイル170とPRTR移動率情
報ファイル168の両方が更新されることになる。そし
て、このように、PRTR移動量情報ファイル170と
PRTR移動率情報ファイル168が更新される度に、
その履歴情報が履歴ファイル171に蓄積される。
【0070】[集計結果出力部の動作]前述したよう
に、集計結果出力部140は、施設または事業所管理者
の管理業務に対応させたものであるため、そのような管
理者に対して、組織別集計結果表示、月別集計結果表
示、化学物質別集計結果表示、およびPRTR集計結果
表示という選択肢を支援表示し、選択された表示種別に
応じて、基本情報登録部110,120やデータ入力部
130で得られた情報を集計し、図17〜図20に示す
ように、その結果表示画面を表示する。
【0071】図17は、集計結果出力部140における
組織別集計結果表示部141による組織別集計結果表示
用の画面表示を示す説明図である。この図17に示すよ
うに、組織別集計結果表示部141は、基本情報登録部
110によって登録されている組織レベルや年度の選択
窓を表示し、その選択窓でユーザによって選択された組
織レベル、年度について、化学物質ごとの各月の集計結
果を表示する。
【0072】図18は、集計結果出力部140における
月別集計結果表示部142による月別集計結果表示用の
画面表示を示す説明図である。この図18に示すよう
に、月別集計結果表示部142は、基本情報登録部11
0によって登録されている組織レベルや年月の選択窓を
表示し、その選択窓でユーザによって選択された年月に
ついて、選択された組織レベルにおける化学物質ごとの
各組織の集計結果を表示する。
【0073】図19は、集計結果出力部140における
化学物質別集計結果表示部143による化学物質別集計
結果表示用の画面表示を示す説明図である。この図19
に示すように、化学物質別集計結果表示部143は、基
本情報登録部110によって登録されている組織レベル
と化学物質、および年度の選択窓を表示し、その選択窓
でユーザによって選択された組織レベル、年度につい
て、選択された化学物質の各月の集計結果を表示する。
【0074】また、図17〜図19に示すように、組織
別集計結果表示部141、月別集計結果表示部142、
および化学物質別集計結果表示部143の各々におい
て、「使用量」、「使用量」、「前年−当年使用量」、
「計画−実績使用量」、「受入量−使用量−残量」など
を表示モードとして予め設定しておき、選択窓で選択で
きるようにしてもよい。
【0075】図20は、集計結果出力部140における
PRTR集計結果表示部144によるPRTR集計結果
表示用の画面表示を示す説明図である。この図20に示
すように、PRTR集計結果表示部144は、基本情報
登録部110によって登録されている組織レベルや年月
の選択窓を表示し、その選択窓でユーザによって選択さ
れた組織レベル、年度について、化学物質ごとの各移動
種別の集計結果を表示する。
【0076】[報告書出力部の動作]前述したように、
報告書設定・出力部150は、官公庁向けの報告書や自
主管理のための報告書作成業務に対応させたものである
ため、そのような業務の担当者に対して、図21に示す
ような報告書設定用の支援表示を行って、報告書の書式
設定を可能にするとともに、報告書の選択を支援表示
し、選択された報告書に応じて、図22に示すように、
その報告書画面を表示あるいはプリンタ出力する。
【0077】図21は、報告書設定・出力部150にお
ける報告書設定部151による報告書設定用の画面表示
を示す説明図である。この図21の(B)に示すよう
に、報告書設定部151は、基本情報登録部110によ
って登録されている法令や分類の選択窓を表示し、その
選択窓でユーザによって選択された法令、分類と、ユー
ザによって入力あるいは指定された報告書名などを報告
書設定データとして登録する。
【0078】図22は、報告書設定・出力部150にお
ける報告書出力部152による報告書出力用の画面表示
を示す説明図である。この図22に示すように、報告書
出力部152は、報告書設定部151によって設定され
ている報告書や出力期間、組織レベルの選択窓を表示
し、その選択窓でユーザによって選択された報告書を、
選択された出力期間、組織レベルについて作成し、報告
書として画面表示あるいはプリンタ出力する。
【0079】また、図23に示すように、報告書出力部
152によって、集計結果出力部140の各結果表示部
141〜144による表示内容と同様の報告書を出力す
るようにしてもよい。ここで、図23は、報告書出力部
152によるPRTR集計結果表示の画面表示を示す説
明図である。すなわち、報告書出力部152は、ユーザ
によって報告書としてPRTR集計結果表示が選択され
た場合に、図23に示すように、基本情報登録部110
によって登録されている組織レベルや集計期間の選択窓
を表示し、その選択窓でユーザによって選択された組織
レベル、集計期間について、化学物質ごとの各移動種別
の集計結果を表示する。このような報告書の画面表示に
おいては、表示画面切換用の操作ボタンや印刷実行用の
操作ボタンなどを表示してもよい。図24は、図23の
PRTR集計結果表示内容の一部を自主管理のためにグ
ラフ表示した場合の画面表示を示す説明図である。上記
した各説明において記載した各部(手段)は、コンピュ
ータに実行させることのできるプログラムとして、例え
ば磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどの記録
媒体に書き込んで、各種装置に適用したり、通信媒体に
より、伝送して各種装置に適用することも可能である。
中央演算処理を実現するコンピュータは、記録媒体に記
録されたプログラムを読み、このプログラムによって動
作が制御されることにより、上述した処理を実行する。
【0080】[第1の実施形態の作用・効果]以上のよ
うな構成を有する本実施形態の作用・効果は次の通りで
ある。 [機能の分割による作業の容易化]まず、環境管理のた
めの機能を業務に応じて分割したことにより、環境管理
に関わる個々の業務の作業を単純化することができる。
具体的に、本システムは、環境管理の専門知識を有する
環境管理スタッフあるいは環境管理担当者が行うべき業
務に対応した機能部である基本情報管理部101(基本
情報登録部110,120)と、環境管理の専門知識の
ない製造・加工・保管・運搬業務に携わる現場担当者が
行うべき業務に対応した機能部である入力データ管理部
102(データ入力部130)と、事業管理者が行うべ
き記録・報告・改善のための分析業務に対応した機能部
である集計結果管理部103(集計結果出力部140お
よび報告書設定・出力部150)とに大きく分割されて
いる。
【0081】したがって、環境管理専門スタッフは、複
数種類の基本情報を登録するだけで化学物質と法令の関
係付けを行う管理用のデータベースを構築することがで
きるため、報告書出力に対応した構造の複雑なデータベ
ースを予め構築する場合に比べて、構築作業が大幅に軽
減される。また、製造・加工・保管・運搬業務に携わる
現場担当者は、使用量や保管量等の変動量を入力するだ
けでよいため、環境管理の専門知識がない現場担当者で
も、比較的簡易に入力設定ができる。
【0082】さらに、共通部分の基本情報登録部110
においては、事業所情報登録部111、関連法令登録部
112、化学物質登録部113、取扱品登録部115等
を個別に設け、それぞれ独立に情報を記憶させることが
できる。したがって、一部の情報が不明な場合でも、明
確な情報のみを個別に登録することができるため、個々
の登録作業が単純化され、作業分担も容易になる。特
に、簡易移動端末装置5は、無線によるため、現場での
作業性は良くなるものの、有線に比べ伝送速度が遅くな
る。このため、本実施形態のシステムのように機能分割
し伝送すべきデータ量を低減することにより、応答性能
を向上し、現場での作業時間を削減することができる。
【0083】[法令・法規の遵守に有用なデータベース
の構築]次に、本システムにおいては、化学物質と法令
の関係付けを行うデータベースを容易に構築できるた
め、このデータベースに基づいて、法令・法規を遵守し
た管理が可能となる。すなわち、化学物質管理の法令・
法規について専門的な知識がなくても、それらの法令・
法規を遵守してPRTR対象物質管理や排水管理を行う
ことができる。この場合、化学物質のデ−タベ−スから
化学物質名を選択して入力する方法により、法令・法規
と化学物質とを容易に対応付けることができる。より具
体的には、法令・法規に定められた最大・最小値の管理
や自主管理している管理値等を予め基本情報を登録して
おくことにより、それらの値の管理を容易に行うことが
できる。
【0084】また、共通部分の基本情報登録部110の
化学物質登録部113においては、工程ごとに設定され
た取扱品に関して、化学物質と法規・法令の情報を設定
することにより、工程レベルの化学物質の管理において
も、法規・法令と化学物質を容易に対応付けることがで
きる。さらに、化学物質登録部113においては、PR
TR対象物質だけでなく、化合物中に含まれるPRTR
対象物質についても、化合物中の含有率や関連する法令
を登録することにより、その化合物中のPRTR対象物
質の移動量を容易に把握することができ、法律に準拠し
て管理することができる。
【0085】一方、上記のように、化学物質と法令の関
係付けを行うデータベースについては、基本情報の登録
という形で、ユーザ側で適宜設定できる。このようなオ
ープンなデータベース構成により、ユーザは、ユーザ自
らが管理するために必要な最小限の化学物質データや法
令データのみを所有すればよく、化学物質全般に亘る膨
大なデータファイルを持つ必要はない。また、ユーザの
事業所が複数の国に散在している場合でも、ユーザ固有
のファイルを定義できるので、各国の法令・法規に応じ
た自主的な管理が可能になる。そしてまた、本システム
のデータベースは簡略であるため、検索機能について
は、一般的な基本技術で対応でき、特別な検索機能は必
要ない。
【0086】[組織レベル・工程ごとのPRTR移動量
の管理]なお、前述したように、化学物質の受入量、使
用量、廃棄量等は、化学物質を取り扱う部、課等の組織
で管理できるが、PRTRの移動量については、組織の
中で使用している製造施設や装置の特性により大気、公
共水域、下水、土壌等の環境への移動率が異なるため、
これらに応じた管理をする必要がある。これに対して、
本システムにおいては、組織をさらに階層化し、工程ご
とにPRTR移動量を管理することができる。このよう
な工程ごとの管理は、各工程に含まれる全ての化学物質
の移動量データをデ−タベ−スとして構築可能であるこ
とから実現される。以下には、この点について説明す
る。
【0087】まず、共通部分の基本情報登録部110の
取扱品登録部115により、取扱品中の化学物質の含有
率を登録し、データ入力部130の使用量入力部131
により、化学物質を含む取扱品ごとに工程ごとの化学物
質の使用量を入力することにより、各工程において使用
した量を一括管理することが可能となる。また、組織別
部分の基本情報登録部120のPRTR移動率設定部1
23により、化学物質を含む工程と、各工程について登
録されている化学物質とを一覧表示し、化学物質ごとに
PRTR移動率を設定することにより、化学物質と各々
の移動種別により工程ごとの移動量を把握管理すること
ができる。
【0088】さらに、設定されたPRTR移動率に基づ
き、工程ごとの各移動種別について、化学物質の移動量
を把握管理することができる。特に、組織別部分の基本
情報登録部120の使用取扱品設定部121、使用量計
画設定部122、およびPRTR移動率設定部123に
より、各工程の化学物質情報を組織別に登録することに
より、事業部、部、課、工程単位でPRTR移動量を詳
細に把握し、詳細に管理することができる。
【0089】また、データ入力部130のPRTR移動
量入力部132においては、PRTR移動率設定部12
3により設定されたPRTR移動率と使用量入力部13
1により入力された使用量とに基づいて算出されたPR
TR移動量をデフォルト値として表示するとともに、P
RTR移動率自体についてもデフォルト値として表示す
るため、ユーザは、実際の値がデフォルト値と異なる場
合にのみ、いずれかの値の修正を行えばよい。すなわ
ち、ユーザが、PRTR移動率とPRTR移動率の値の
いずれか一方を修正するだけで、他方の値は自動的に修
正される。
【0090】したがって、本システムにおいて、ユーザ
は、化学物質の各工程での使用量を入力するだけでよ
く、入力された使用量データに基づいてPRTR移動量
が自動的に集計されてデフォルト値が表示されるため、
その値が実際の値と異なる場合にのみ修正を行えばよ
く、PRTR移動量の入力作業が容易である。その上、
PRTR移動量入力に関しては、移動量と移動率の両方
を運用管理者が基づいて容易に管理することができ、実
際の値に基づいてデータを更新することができる。さら
に、PRTR移動率とPRTR移動率の値の整合性が自
動的に常に正しく保たれるため、データの信頼性を向上
できる。なお、移動量、移動率を修正する場合は、通常
実測に基づいて修正するため、修正入力した値を色替え
表示等によりデフォルト値と区別(識別)できるように
したり、コメントを付して修正の履歴を保存するように
すれば、管理の精度や信頼性が向上する。特に移動率の
実測は設備、費用の面から頻繁に行なうことはできない
ので、推定値と実測値を区別できるようにすることは効
果が大きい。
【0091】[集計結果表示の実用性]本システムにお
いては、基本情報登録部110,120とデータ入力部
130で得られたデータを、集計結果表示部140によ
り、PRTR集計として、組織、年月、化学物質毎、組
成単位毎というように、ユーザの必要に応じた条件で適
切に集計表示することができる。特に、報告書設定・出
力部150によれば、官公庁向けの報告書や自主管理の
ための報告書の形式にしたがった報告書をユーザ自身が
容易に設定することができ、その設定した形式で、化学
物質の移動量の集計結果を自由に表示することができ
る。さらに、図23や図24に示すように、表やグラフ
表示等、複数の表示形式を切り換え可能にすることによ
って、集計結果の把握がより容易になり、データの活用
度も高くなる。
【0092】[機能部ごとの利用者認証による利点]ま
た、本システムは、クライアント・サーバ型のシステム
であって、図3に示すように、基本情報管理部101、
入力データ管理部102、および集計結果管理部103
の各々を起動するごとに利用者認証の入力を行う構成で
ある。そのため、異なる業務において、それぞれの担当
者が利用者認証を入力し、必要な機能部のみを起動する
ことができるため、不要な機能部を起動する無駄がな
い。また、環境管理用の機能を分散させながらも、個々
の機能部ごとに利用者認証を行うことによりセキュリテ
ィを向上し、構築したデータベースを保護することがで
きるため、信頼性に優れている。
【0093】[単位の統一による管理の容易化]また、
本システムにおいては、化学物質の単位を統一すること
で管理が容易になるという利点もある。すなわち、取扱
品登録部115において、取扱品登録情報として比重を
加味することにより、すべての化学物質の使用量の単位
を統一することができ、管理が容易になる。また、化学
物質の使用量、使用率の導出にあたっては、登録した取
扱品の単位と比重に基づいて、使用する化学物質の含有
率を容易に算出できる。そして、あらゆる化学物質の使
用量において、含有率を用いて統一した単位での使用量
を算出することが可能である。
【0094】[第1の実施形態の変形例]なお、第1の
実施形態に係るシステム構成を用いて、動作手順のみを
変更することも可能である。以下には、複数の動作手順
について順次説明する。 [機能選択による分散データ処理手順]まず、前述した
ように、本システムは、環境管理の専門知識を有する環
境管理スタッフあるいは環境管理担当者が行うべき業務
に対応した機能部である基本情報管理部101(基本情
報登録部110,120)と、環境管理の専門知識のな
い製造・加工・保管・運搬業務に携わる現場担当者が行
うべき業務に対応した機能部である入力データ管理部1
02(データ入力部130)と、事業管理者が行うべき
記録・報告・改善のための分析業務に対応した機能部で
ある集計結果管理部103(集計結果出力部140およ
び報告書設定・出力部150)とに大きく分割されてい
る。したがって、実際には、機能部ごとに情報を入力あ
るいは出力する担当部署が異なるため、個々の部署で担
当する業務に対応する機能部のみを動作させて分散デー
タ処理を行うことになる。
【0095】図25は、このような分散データ処理を行
う場合の、具体的なメインルーチンを示すフローチャー
トである。この図25に示すように、「基本情報登
録」、「データ入力」、および「集計結果出力」の選択
(S1110,S1120)に応じて、基本情報管理部
101による基本情報登録処理(S1130)、入力デ
ータ管理部102によるデータ入力処理(S114
0)、および集計結果管理部103による集計結果出力
処理(S1150)のいずれか、が行われる。
【0096】図26は、図25中に示される3つの処理
のサブルーチンを示すフローチャートである。図26の
(A)は、基本情報登録処理(S1130)のサブルー
チンを示しており、利用者認証が入力されたことを確認
した場合(S1131のYES)に、基本情報について
の入力支援表示を行い(S1132)、ユーザから取得
した基本情報を入力する(S1133)。図26の
(B)は、データ入力処理(S1140)のサブルーチ
ンを示しており、利用者認証が入力されたことを確認し
た場合(S1141のYES)に、使用量データについ
ての入力支援表示を行い(S1142)、ユーザから取
得した使用量データを入力する(S1143)。図26
の(C)は、集計結果出力処理(S1150)のサブル
ーチンを示しており、利用者認証が入力されたことを確
認した場合(S1151のYES)に、集計結果につい
ての出力支援表示を行い(S1152)、ユーザから取
得した出力条件に応じて排出量・移動量を工程ごとに算
出し(S1153)、排出量・移動量を部門別に集計し
た(S1154)後、集計結果を出力する(S115
5)。なお、S1153の処理は、図26(B)の使用
量データ入力処理(S1143)の後に移しても良い。
【0097】この手順によれば、環境管理用の処理を業
務に応じて分散させながらも、基本情報管理部101、
入力データ管理部102、および集計結果管理部10
3、という個々の機能部ごとに利用者認証を行うことに
よりセキュリティを向上し、構築したデータベースを保
護することができるため、信頼性に優れている。この場
合、機能部に応じて異なる利用者認証を設定すれば、異
なる部署で誤ってデータを変更する等の問題を生じるこ
ともない。また、利用者認証の入力がない場合であって
も、検索・表示については可能とすることも考えられ、
この場合には、構築したデータベースをより広く活用す
ることが可能となる。
【0098】[使用量データ入力優先の分散データ処理
手順]また、本システムにおいて、通常のシステム使用
時には、基本情報の登録処理や集計結果の出力処理に比
べて、使用量データの入力処理は、本質的に最も頻繁に
行うことになる。したがって、本システムの起動時に
は、入力データ管理部102を最初に起動して、作業効
率を向上することが考えられる。図27は、このように
入力データ管理部102を最初に起動して、使用量デー
タの入力処理を直ちに開始する場合のメインルーチンを
示すフローチャートである。この図27に示すように、
利用者認証が入力されたことを確認した場合(S121
0のYES)には、そのまま入力データ管理部102を
起動して使用量データについての入力支援表示を行い
(S1220)、他の機能への分岐が指示されない場合
(S1230のNO)には、使用量データ入力を行う
(S1240)。これに対して、他の機能への分岐が指
示され(S1230のYES)、「基本情報入力」か
「集計結果出力」のいずれかが選択された場合(S12
50)には、選択された機能に応じて、基本情報管理部
101による基本情報登録処理(S1260)、および
集計結果管理部103による集計結果出力処理(S12
70)のいずれかが行われる。
【0099】図28は、図27中に示される2つの処理
のサブルーチンを示すフローチャートである。図28の
(A)は、基本情報登録処理(S1260)のサブルー
チンを示しており、基本情報についての入力支援表示を
行い(S1261)、ユーザから取得した基本情報を入
力する(S1262)。図28の(B)は、集計結果出
力処理(S1270)のサブルーチンを示しており、集
計結果についての出力支援表示を行い(S1271)、
ユーザから取得した出力条件に応じて排出量・移動量を
工程ごとに算出し(S1272)、排出量・移動量を部
門別に集計した(S1273)後、集計結果を出力する
(S1274)。なお、S1272の処理は、図27の
使用量データ入力処理(S1240)の後に移しても良
い。
【0100】この手順によれば、一定以上の基本情報が
登録され、基本情報のデータベースが少なくとも使用量
データの入力処理を行える程度まで構築された後の、通
常のシステムの起動時に、入力データ管理部102を最
初に起動して直ちに使用量データの入力を行うことがで
きる。したがって、図25に示した手順に比べて、機能
選択用の画面切換が不要となる分だけ、使用量データの
入力作業を迅速に開始することができる。このように、
最も頻繁に行うことが予想される使用量データの入力処
理を優先させることで、その作業効率を向上することが
できる。
【0101】[外部データを受け入れる処理手順]本シ
ステムにおいて、外部データの受け入れは、各機能部に
おける入力を誰が行うかによって異なる。ユーザ自体が
自分でプログラムを実行する場合は、法令関連、取扱品
関連情報は、法令や取扱品に関するデータベースを所有
しているサイトや事業者からダウンロードしたり、CD
−ROMなどの媒体にアクセスしたりして、情報を取得
する。これらの情報は常に最新の情報に更新される必要
があることから、ユーザが独自に入力するだけでなく、
外部データにアクセスできることが好ましい。使用量・
保管量のデータについても、外部の在庫ファイルや生産
量ファイルなどにアクセスして、そこからデータを取得
できることが好ましい。
【0102】図29は、このように外部データを受け入
れる場合の処理手順を示すフローチャートである。この
図29に示すように、まず、法令関連情報についての入
力支援表示を行い(S2001)、外部データの受け入
れが必要な場合(S2002のYES)には、外部デー
タにアクセスし(S2003)、法令関連情報を取得し
て入力する(S2004)。法令関連情報をユーザが所
有している場合など、外部データの受け入れが不要な場
合(S2002のNO)には、ユーザから法令関連情報
を取得して入力する(S2004)。
【0103】次に、取扱品関連情報についての入力支援
表示を行い(S2005)、外部データの受け入れが必
要な場合(S2006のYES)には、外部データにア
クセスし(S2007)、取扱品関連情報を取得して入
力する(S2008)。取扱品関連情報をユーザが所有
している場合など、外部データの受け入れが不要な場合
(S2006のNO)には、ユーザから取扱品関連情報
を取得して入力する(S2008)。そして、取得した
取扱品関連情報に基づき、規制物質関連情報を生成・記
憶する(S2009)。
【0104】続いて、使用量・保管量データについての
入力支援表示を行い(S2010)、外部データの受け
入れが必要な場合(S2011のYES)には、外部デ
ータにアクセスし(S2012)、使用量・保管量デー
タを取得して入力する(S2013)。使用量・保管量
データをユーザが所有している場合など、外部データの
受け入れが不要な場合(S2011のNO)には、ユー
ザから使用量・保管量データを取得して入力する(S2
013)。必要な使用量・保管量データの入力が完了す
るまで、S2010〜S2013を繰り返し、使用量・
保管量データの入力完了を判断した(S2014のYE
S)時点で、規制物質の規制量を算出し(S201
5)、算出結果を出力する(S2016)。
【0105】この手順によれば、基本情報と使用量・保
管量データの両方について外部データを利用できるた
め、ユーザは、自らが全くデータを所有していない場合
でも、外部データに適宜アクセスして、規制物質の規制
量の算出結果を効率よく取得することができる。したが
って、システムを大幅に簡略化することができ、経済性
にも優れている。
【0106】一方、プログラムのユーザが、依頼者であ
る第三者に集計結果を提供することも考えられる。すな
わち、法令関連情報、取扱品関連情報、使用量・保管量
データとして、プログラムユーザの所有しているデータ
ではなく、依頼者である第三者の所有するデータを用い
ることが考えられる。この場合、図29に示す外部デー
タは、依頼者である第三者の所有するデータとなり、プ
ログラムユーザは、この外部データに加えて、自己が所
有する各種のデータをそれぞれのステップで入力するこ
とができる。したがって、算出結果は、ユーザのプリン
タやファイル、ディスプレイのような出力装置に出力さ
れるだけでなく、依頼者である第三者に対して、前記の
ような出力形態に加えて、CD−R、CD−ROM、M
Oなどの記憶媒体に記憶した形態で提供されたり、ネッ
トワークを利用して送信されたりすることにより、提供
される。
【0107】[外部データ利用の分散データ処理手順]
また、図29に示した手順においては、基本情報と使用
量・保管量データの両方について外部データを利用した
が、実際には、最も専門的かつ複雑になりやすい法令関
連情報や取扱品関連情報についてのみ外部データを利用
し、事業者名などのユーザに関する情報についてはユー
ザの所有するデータを用いて入力する場合が多いものと
考えられる。また、使用量・保管量データについては、
対応する業務の現場担当者等が入力する場合が多く、集
計結果の出力については、分析・報告業務に関わる事業
管理者等が行うことが多いものと考えられる。
【0108】図30、図31は、このように、一部の基
本情報についてのみ外部データを利用して分散データ処
理を行う場合の処理手順を示すフローチャートであり、
図30は、基本情報登録の処理手順を示しており、図3
1の(A)と(B)は、データ入力および集計結果出力
の処理手順を示している。図30に示すように、基本情
報の登録にあたっては、まず、事業所情報などのユーザ
に関する基本情報についての入力支援表示を行い(S2
101)、ユーザからその所有のデータを取得して、基
本情報として入力する(S2102)。次に、法令関連
情報についての入力支援表示を行い(S2103)、外
部データの受け入れが必要な場合(S2104のYE
S)には、外部データにアクセスし(S2105)、法
令関連情報を取得して入力する(S2106)。法令関
連情報をユーザが所有している場合など、外部データの
受け入れが不要な場合(S2104のNO)には、ユー
ザから法令関連情報を取得して入力する(S210
6)。
【0109】次に、取扱品関連情報についての入力支援
表示を行い(S2107)、外部データの受け入れが必
要な場合(S2108のYES)には、外部データにア
クセスし(S2109)、取扱品関連情報を取得して入
力する(S2110)。取扱品関連情報をユーザが所有
している場合など、外部データの受け入れが不要な場合
(S2109のNO)には、ユーザから取扱品関連情報
を取得して入力する(S2110)。そして、取得した
取扱品関連情報に基づき、規制物質関連情報を生成・記
憶する(S2111)。
【0110】次に、図31の(A)に示すように、使用
量・保管量データの入力にあたっては、使用量・保管量
データについての入力支援表示を行い(S2201)、
ユーザから使用量・保管量データを取得して入力する
(S2202)。また、図31の(B)に示すように、
集計結果の出力にあたっては、集計結果についての出力
支援表示を行い(S2301)、ユーザから取得した出
力条件に応じて規制物質の規制量を算出し(S230
2)、算出結果を出力する(S2303)。なお、S2
302の処理は、図31(A)の使用量・保管量データ
入力処理(S2202)の後に移しても良い。
【0111】この手順によれば、ユーザは、法令関連情
報や取扱品関連情報などの最も専門的かつ複雑になりや
すいデータについてのみ外部データを利用し、事業者名
などのユーザに関する情報については自己所有するデー
タをそのまま用いることができるため、所有するデータ
と外部データとを必要に応じて使い分けながら、効率よ
く基本情報を入力することができる。特に、自己所有す
るデータについてまで外部データにアクセスすること
は、その所有するデータをそのまま入力する場合より時
間を要する場合も多いため、以上のようなデータの使い
分けは、作業効率の向上に確実に貢献できる。さらに、
この手順においては、「基本情報登録」、「データ入
力」、および「集計結果出力」という3種類の処理を完
全に独立させたため、個々の処理を担当する業務におい
て、機能選択などを行う必要なく、直ちに処理を開始で
きるため、作業効率を向上できる。なお、上記において
は、クライアント・サーバ型のシステム構成を前提とし
て説明したが、上記各部(手段)の機能を、例えばイン
ターネット・プロバイダのサーバに集約すれば、複数の
ユーザが端末を通して、本実施の形態のシステムの機能
を利用することが可能になる。一方、スタンド・アロン
型として使用することも可能であることは明白である。
【0112】[第2の実施形態]次に、本発明の第2の
実施形態について説明する。この実施形態は、前記第1
実施形態において説明した環境管理システムを実現する
プログラムをユーザに配信することによって、より広範
にこのシステムを利用可能とすると共に、プログラムの
配布者がその配布によってユーザからプログラム配信に
対する料金を徴収することができるようにしたものであ
る。また、単に環境管理システムを配信するにとどまら
ず、プログラムの使用方法、プログラムの実行によって
得られた計算結果などについて、ユーザが必要とするコ
ンサルタント情報も合わせて配信することができるよう
に構成したものである。
【0113】この第2実施形態において、フレームの配
信元となるサーバには、図32に示すように、ハードウ
ェアとしてのデータ入力装置、データ出力装置、および
データ処理装置と、データ処理装置上で実行されるソフ
トウェアとして構成される入力データ管理部202、デ
ータ処理部203、および出力データ管理部208が設
けられている。前記入力データ管理部202には、プロ
グラムの配信を受ける利用者情報入力部201が設けら
れている。この利用者情報入力部201は、キーボー
ド、マウスなどのデータ入力装置から所定のデータを受
け付けるものであって、この入力されるデータとして
は、プログラムの配信元のサーバに備えられたデータ入
力装置から直接入力されるもの以外に、例えば、配信元
のサーバ上に展開されているWebページなどに通信ネ
ットワークを介してアクセスした他のサーバや端末上の
データ入力装置から送信されたものであっても良いし、
記録媒体によってプログラムの配信元に供給されたもの
でも良い。
【0114】この利用者情報入力部201に入力される
データの内容としては、該ユーザの氏名もしくは名称、
住所もしくは所在地、配信先アドレス、プログラムの管
理対象となる事業所の規模(従業員数、生産高)、業
種、取扱品目、コンサルタント情報の必要の有無、プロ
グラムの配信やコンサルタント情報に対する課金の決済
方法や決済口座、配信されたプログラムに関する同意事
項などから適宜選択される。
【0115】この入力データ管理部202には、プログ
ラムの配信者がコンサルタント情報の提供を希望する場
合に、コンサルタントに必要なデータを配信元のサーバ
に入力するためのデータを入力するためのコンサルタン
ト用データ入力部213が設けられている。このコンサ
ルタント用データは、配信されたプログラムを実行する
ことによって得られた結果について、種々のコンサルタ
ントを行うものであり、例えば、各工程における移動
量、排出量についてコンサルタントをする場合は、これ
らについての工程ごとのデータである。入力データ管理
部202には、コンサルタントの内容を入力するための
コンサルタント情報入力部214が設けられている。す
なわち、本実施形態では、後述するコンサルタント情報
生成・選択部205によって、ユーザに適したコンサル
タント情報を自動生成あるいは選択することができる
が、さらに、人間の判断によって得られるコンサルタン
ト情報についても、ファイルや通信データの形で入力す
ることができるように構成されている。
【0116】配信元のサーバ上には、前記利用者情報入
力部201によって得られたデータを処理するためのデ
ータ処理部203が設けられている。このデータ処理部
203は、利用者適格性判定部204、コンサルタント
情報生成・選択部205、配信用プログラム生成・選択
部206および課金情報生成部207を制御して、配信
に当たって必要とする情報を生成するものである。
【0117】利用者適格性判定部204は、ユーザがプ
ログラムやコンサルタント情報を受けるための要件を備
えているか否かをチェックするためのものであり、例え
ば、ある一定規模以下の事業所では、本発明のような環
境管理システムが要求されない場合などは、利用者情報
からその旨を判定して、ユーザに「プログラムの配信は
不要」との回答するためのデータを生成する。コンサル
タント情報生成・選択部205は、入力された利用者情
報に合わせてコンサルタント情報を生成したり、予め用
意されたコンサルタント情報情報の中から適切なコンサ
ルタント情報を選択する。
【0118】配信用プログラム生成・選択部206は、
配信用プログラムにユーザの規模や事業目的に応じて種
々のバージョンが用意されている場合には、適当なバー
ジョンを選択したり、あるいはオプションやアドインソ
フトを添付したりするなどして、ユーザに適切な配信用
プログラムを生成あるいは選択する。もちろん、用意さ
れている配信用プログラムが1種類の場合には、用意さ
れたプログラムを選択することになる。課金情報生成部
207は、生成あるいは選択された配信用フレームおよ
びコンサルタント情報の配信に関して、予め定められた
料金体系に従って課金を行うための情報を生成する。こ
の場合、入力された利用者情報と配信用プログラムやコ
ンサルタント情報の内容を参照して、いつ頃、どの様な
方法で、どの程度の料金を請求し、どの様に決済する
か、などのユーザに通知するために必要な情報を決定す
る。
【0119】配信元のサーバ上には、さらに、前記のよ
うにして生成あるいは選択された利用者適格性に関する
情報、コンサルタント情報、配信用プログラムおよび課
金情報を、データ出力装置の形態に合わせた出力用デー
タに処理するための出力データ管理部208が設けられ
ている。この出力データ管理部208は、適格性結果出
力部209、コンサルタント情報出力部210、配信プ
ログラム出力部211、および課金情報出力部212を
備えている。ここで、データ出力装置としては、サーバ
自体に設けられたCD−R、CD−RW、MO、DVD
などの記録媒体への書き込み装置で良いし、通信ネット
ワークを介して接続されたユーザの端末上のファイルで
あっても良い。このように、対象となるデータ出力装置
に合わせて、各出力部209〜211が適宜の出力プロ
トコルやデータ形式を選択して、生成あるいは選択され
た前記各情報をデータ出力装置に出力するように構成さ
れている。
【0120】このような構成を有する第2実施形態の動
作を図33に示すフローチャートによって説明する。配
信元のサーバから環境管理システム用のプログラムの配
信を受けようとするユーザは、ネットワークその他の手
段により配信元サーバにアクセスして、入力デ−タ管理
部202に対して必要な利用者情報の入力を行う。この
場合、入力デ−タ管理部202は、まず入力用の画面や
メニューを表示して、ユーザに利用者情報の入力を促す
(S3001)。ユーザは、この入力メニューに従って
その氏名もしくは名称、住所もしくは所在地、および配
信先アドレスなどを含む利用者情報およびコンサルタン
ト要否の情報の入力を行う(S3002)。
【0121】利用者情報の入力が完結すると(S300
2のYES)、利用者適格性判定部204により、ユー
ザに対してプログラムやコンサルタント情報を配信して
良いか否かの判定がなされる。ユーザがプログラムの配
信を受けるのに不適当な場合や、ユーザに適したプログ
ラムやコンサルタント情報が配信元に用意されていない
などの理由で、プログラムの配信を実行できない場合に
は(S3004のNO)、その旨の情報が適格性結果出
力部209から配信不能メッセージとして送信装置など
のデータ出力装置に送られ、ユーザに対して配信不能メ
ッセージが表示される(S3005)。
【0122】ユーザにプログラムの配信を受けるに足る
適格性が判定された場合には(S3004のYES)、
プログラム情報生成・選択部206が利用者情報に適合
した配信用のプログラムを選択あるいは生成して、これ
をプログラム情報出力部211の作用によりデータ出力
装置を用いて、通信ネットワーク上の配信先アドレスや
記録媒体に出力する(S3006)。
【0123】このようにして、プログラムの配信が終了
した後は、利用者情報に、コンサルタント情報の提供が
不要と入力されている場合には(S3007のNO)、
このプログラムの配信に対する対価やその請求に必要な
利用者情報を課金情報として課金情報生成部207で生
成し、配信元サーバに蓄積すると共に、その内容を課金
情報出力部212およびデータ出力装置を通じて、ユー
ザに通知する(S3008)。なお、この課金情報は、
単にユーザに通知するだけでなく、利用者情報に基づい
て、ユーザの銀行口座やクレジットカードから直ちに決
済し、その内容をユーザに通知することもできるし、売
掛金としてユーザの他の課金と共に課金情報生成部20
7に蓄積しておいて、後日に決済を行っても良い。
【0124】一方、コンサルタント情報の提供が要求さ
れている場合には(S3007のYES)、そのユーザ
がコンサルタント情報の提供を希望することを示すフラ
グをセットするなどのコンサルタント情報配信の登録を
行い(S3009)、後日のコンサルタント情報の提供
に備え、処理を終了する。なお、この場合、コンサルタ
ント情報情報提供の期日、提供の方法、対価など、コン
サルタント情報の提供に必要な情報も合わせて登録する
ことができる。また、この配信の登録を行った場合に
は、コンサルタント情報の提供を希望しない場合と同様
に、プログラム配信に対する課金を行っても良いが(S
3010のYES)、プログラム配信の対価をコンサル
タント情報の提供時に徴収することもできる(S301
0のNO)。
【0125】前記のようにして、プログラムの配信を受
けたユーザは、プログラムを実行することにより、前記
第1実施形態で示したような工程ごとの排出量・移動
量、部門別の排出量・移動量、規制物質に関する関連情
報、規制物質の規制量などに関するデータを取得し、こ
れを環境管理に利用する。ところで、前記のフローチャ
ートにおいてステップS3009に示したように、コン
サルタント情報配信の登録がなされた場合には、図34
に示すような処理手順に基づいて、コンサルタント情報
の提供がなされる。
【0126】まず、コンサルタント用データ入力部21
3に対して、コンサルタント依頼情報が入力される(S
4001)。依頼の入力は、配信元サーバに付属した入
力装置から直接コマンドの形で入力されても良いし、通
信ネットワークを通じてユーザの端末から送信されるこ
とにより入力されても良い。このコンサルタント依頼情
報を取得した配信元のサーバは、このユーザが既にコン
サルタント情報の提供を希望者として登録されているか
否かをチェックし、登録されている場合には(S400
2のYES)、提供するコンサルタントのために必要な
データを受け入れるための待機状態となる。登録がない
場合には(S4002のNO)、利用者情報にコンサル
タント情報提供の希望者であることを登録する(S40
03)。
【0127】次に、コンサルタント用データ入力部21
3に対して、配信されたプログラムによって得られたデ
ータなどの、コンサルタント情報を生成するために必要
なデータが入力される(S4004)。このデータも配
信元のサーバの操作者がコマンドやファイルの形で入力
したり、通信ネットワークを利用して使用者の端末から
配信元サーバに入力される。
【0128】このようにコンサルタント用のデータが入
力されると、このデータおよびプログラム配信時に既に
入力されている利用者情報に基づいてコンサルタント情
報の入力、生成、選択がなされる(S4005)。この
場合、コンサルタント情報生成・選択部205により、
そのユーザに適当なコンサルタント情報が自動生成ある
いは選択されたり、データの解析に熟練した人間により
得られたコンサルタント結果がコンサルタント情報入力
部214から入力される。
【0129】このようにして得られたコンサルタント情
報は、コンサルタント情報出力部210によって出力デ
ータに変換処理され、データ出力装置から配信される
(S4006)。このようにしてコンサルタント情報を
提供した場合も、そのための料金を課金情報生成部20
7によって蓄積し、これをユーザに通知する(S400
7)。なお、課金に当たっては、既にプログラム配信に
対して課金が行われているか否かをチェックし(S40
08)、プログラム配信の課金が未了な場合には、その
課金処理を行う(S4009)。
【0130】以上のように、本実施形態によれば、環境
管理システム実行するためのプログラムを簡単な手順で
広範に頒布することができる。しかも、単なる頒布だけ
でなく、頒布したプログラムの実行結果に基づいて、ユ
ーザに対してコンサルタント情報を提供することも可能
であるから、より高度な管理システム構築が可能とな
る。さらに、このようなプログラムの配信やコンサルタ
ント情報の提供に当たって、必要とする利用者情報やコ
ンサルタント用データの入力を、入力支援表示に示され
たアドバイスなどにより適切に、しかも、ネットワーク
その他を利用して簡便に行うことができる点でも有利で
ある。また、利用者情報やコンサルタント用データに基
づいて、配信するプログラムやコンサルタント情報を自
動的に生成あるいは選択するようにしたため、ユーザに
適したプログラムや情報を提供できる利点もある。ま
た、これらのプログラムや情報の対価が、課金データ生
成部207によって生成・蓄積されるので、その後の決
済の自動化も容易である。なお、上記はコンサルタント
情報送信により課金することとしたが、報告(届け出)
先の官庁のアドレスを登録しておき、コンサルタントの
結果問題なしの場合は、報告先のアドレスへ送信し、こ
れにより課金することとしても良い。
【0131】[他の実施形態]なお、本発明は、前述し
た実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内
で他にも多種多様な形態が実施可能である。例えば、基
本情報管理部、入力データ管理部、集計結果管理部、な
どの各機能部の具体的な構成は、自由に変更可能であ
る。例えば、前述した第1の実施形態において、集計結
果出力部と報告書設定・出力部とを単一の機能部として
構成することなども可能である。また、処理手順につい
ても、各フローチャートに示した手順に限らず、実際の
必要に応じて、多様な手順が可能である。
【0132】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
業務内容あるいは入力するデータの性質に応じて、シス
テムを、機能的に、すなわち、基本情報登録、デ−タ入
力、および集計結果出力という機能を単位として分割す
ることにより、入力誤りの削減および効率的なデータ入
力が可能になる。または、工程ごとに化学物質の排出量
・移動量を算出することにより、管理・改善に有効なデ
ータを提供することができる。または、本発明による環
境管理支援システムのプログラムあるいはサービスを複
数のユーザに効率よく提供するができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施形態に係る環境管理支
援システムの機器構成を示すブロック図。
【図2】図1に示す環境管理支援システムの全体構成を
示す機能ブロック図。
【図3】図2に示す環境管理支援システムによる動作の
概略を示すフローチャート。
【図4】図3中に示されるPRTR移動量算出処理のサ
ブルーチンを示すフローチャート。
【図5】図2に示す環境管理支援システムにおける各機
能部と情報ファイルとの関係を示すブロック図。
【図6】図2に示す環境管理支援システムの共通部分の
基本情報登録機能における事業所情報登録部による事業
所情報登録用の画面表示を示す説明図。
【図7】図2に示す環境管理支援システムの共通部分の
基本情報登録部における関係法令登録部による関係法令
登録用の画面表示として、法令等登録用の画面表示
(A)と分類登録用の画面表示(B)をそれぞれ示す説
明図。
【図8】図2に示す環境管理支援システムの共通部分の
基本情報登録部における化学物質登録部による化学物質
登録用の画面表示として、化学物質一覧用の画面表示
(A)と化学物質情報入力用の画面表示(B)をそれぞ
れ示す説明図。
【図9】図2に示す環境管理支援システムの共通部分の
基本情報登録部における化学物質登録部による化学物質
登録用の画面表示として、関係法令等設定用の画面表示
(A)とPRTR設定用の画面表示(B)をそれぞれ示
す説明図。
【図10】図2に示す環境管理支援システムの共通部分
の基本情報登録部における組織登録部による組織登録用
の画面表示として、組織名一覧用の画面表示(A)と組
織名入力用の画面表示(B)をそれぞれ示す説明図。
【図11】図2に示す環境管理支援システムの共通部分
の基本情報登録部における取扱品登録部による取扱品登
録用の画面表示として、取扱品一覧用の画面表示(A)
と取扱品情報入力用の画面表示(B)をそれぞれ示す説
明図。
【図12】図2に示す環境管理支援システムの組織別部
分の基本情報登録部における使用取扱品設定部による使
用取扱品設定用の画面表示として、使用取扱品一覧用の
画面表示(A)と使用取扱品設定用の画面表示(B)を
それぞれ示す説明図。
【図13】図2に示す環境管理支援システムの組織別部
分の基本情報登録部における使用量計画設定部による使
用量計画設定用の画面表示を示す説明図。
【図14】図2に示す環境管理支援システムの組織別部
分の基本情報登録部におけるPRTR移動率設定部によ
るPRTR使用率設定用の画面表示を示す説明図。
【図15】図2に示す環境管理支援システムのデータ入
力部における使用量入力部による使用量入力用の画面表
示を示す説明図。
【図16】図2に示す環境管理支援システムのデータ入
力部におけるPRTR移動量入力部によるPRTR移動
量入力用の画面表示を示す説明図。
【図17】図2に示す環境管理支援システムの集計結果
出力部における組織別集計結果表示部による組識別集計
結果表示用の画面表示を示す説明図。
【図18】図2に示す環境管理支援システムの集計結果
出力部における月別集計結果表示部による月別集計結果
表示用の画面表示を示す説明図。
【図19】図2に示す環境管理支援システムの集計結果
出力部における化学物質別集計結果表示部による化学物
質別集計結果表示用の画面表示を示す説明図。
【図20】図2に示す環境管理支援システムの集計結果
出力部におけるPRTR集計結果表示部によるPRTR
集計結果表示用の画面表示を示す説明図。
【図21】図2に示す環境管理支援システムの報告書設
定・出力部における報告書設定部による報告書設定用の
画面表示として、登録報告書一覧用の画面表示(A)と
報告書データ入力用の画面表示(B)をそれぞれ示す説
明図。
【図22】図2に示す環境管理支援システムの報告書設
定・出力部における報告書出力部による報告書出力用の
画面表示を示す説明図。
【図23】図2に示す環境管理支援システムの報告書設
定・出力部における報告書出力部によるPRTR集計結
果表示用の画面表示を示す説明図。
【図24】図23のPRTR集計結果表示内容の一部を
自主管理のためにグラフ表示した場合の画面表示を示す
説明図。
【図25】図2に示す環境管理支援システムによって分
散データ処理を行う場合のメインルーチンを示すフロー
チャート。
【図26】図25中に示される基本情報登録処理のサブ
ルーチン(A)、データ入力処理のサブルーチン
(B)、および集計結果出力処理のサブルーチン(C)
をそれぞれ示すフローチャート。
【図27】図2に示す環境管理支援システムによって使
用量データの入力処理を直ちに開始する場合のメインル
ーチンを示すフローチャート。
【図28】図27中に示される基本情報登録処理のサブ
ルーチン(A)と集計結果出力処理のサブルーチン
(B)をそれぞれ示すフローチャート。
【図29】図2に示す環境管理支援システムによって外
部データを受け入れる場合の処理手順を示すフローチャ
ート。
【図30】図2に示す環境管理支援システムによって一
部の基本情報についてのみ外部データを利用して分散デ
ータ処理を行う場合の基本情報登録の処理手順を示すフ
ローチャート。
【図31】図2に示す環境管理支援システムによって一
部の基本情報についてのみ外部データを利用して分散デ
ータ処理を行う場合のデータ入力の処理手順(A)と集
計結果出力の処理手順(B)をそれぞれ示すフローチャ
ート。
【図32】本発明による第2の実施形態に係る環境管理
支援システムの全体構成を示す機能ブロック図。
【図33】図32に示す環境管理支援システムによる動
作の概略を示すフローチャート。
【図34】図32に示す環境管理支援システムによるコ
ンサルタント情報の提供のための処理手順を示すフロー
チャート。
【符号の説明】
1…環境管理デ−タサーバ 2…環境保全責任者端末 3…環境保全担当者端末 4…関係部門端末端末 5…簡易移動端末装置 6…通信ネットワーク 7…通信手段 8…入出力装置部 9…入力装置 10…表示装置 11…プリンタ 101…基本情報管理部(基本情報登録手段) 102…入力データ管理部(データ入力手段) 103…集計結果管理部(集計結果出力手段) 110…共通部分の基本情報登録部 111…事業所情報登録部 112…関係法令登録部 113…化学物質登録部 114…組織登録部 115…取扱品登録部 120…組織別部分の基本情報登録部 121…使用取扱品設定部 122…使用量計画設定部 123…PRTR移動率設定部 130…データ入力部 131…使用量入力部 132…PRTR移動量入力部 140…集計結果出力部 141…組織別集計結果表示部 142…月別集計結果表示部 143…化学物質別集計結果表示部 144…PRTR集計結果表示部 150…報告書設定・出力部 151…報告書設定部 152…報告書出力部 161〜170…情報ファイル 171…履歴ファイル 180…PRTR移動量計算処理 201…利用者情報入力部 202…入力データ管理部 203…データ処理部 204…利用者適格性判定部 205…コンサルタント情報生成・選択部 206…配信用プログラム生成・選択部 207…課金情報生成部 208…出力データ管理部 209…適格性結果出力部 210…コンサルタント情報出力部 211…配信プログラム出力部 212…課金情報出力部 213…コンサルタント用データ入力部 214…コンサルタント情報入力部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年8月21日(2000.8.2
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 環境管理支援システムと方法、および
そのためのプログラムを記憶した記憶媒体
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、法規・法令に対応
した規制物質、排水等の環境管理を支援するためのシス
テムに関する。
【0002】
【従来の技術】地球規模での環境問題がクローズアップ
されるに従い、ISO14001の認証の増加や平成4
年の地球サミットで採択されたアジェンダ21に示され
ているように、多種多様な化学物質について様々な手法
により環境対応の適正管理を進めようとする世界的な動
きがある。
【0003】その手法の一つとして、環境汚染物質排出
・移動登録(Pollutant Release and Transfer Registe
r、以下、PRTRと称す)制度が平成11年に発足
し、有害化学物質の使用量の低減に加え、環境保全を目
的とした放出・廃棄などの移動量の低減が求められるよ
うになり、環境管理が重要になってきている。このPR
TR制度は、化学物質を取り扱っている事業者等に対し
ては、生産、製造等において、環境中に排出する化学物
質の量や、その事業所の外に搬出される廃棄物に含まれ
て移動する化学物質の量を日々正確に事業者自らが把握
して、それらの化学物質の管理の改善を図ることと、そ
の把握された化学物質の排出・移動量等の情報を行政官
庁に報告(届け出)することを求めている。
【0004】また、前述したPRTR制度は、潜在的に
有害な物質を幅広く対象とし、そのようなPRTR対象
物質に対する事業者等の対応と行政側の対応との両面か
ら環境保護を図るものである。すなわち、このPRTR
制度は、化学物質を取り扱っている事業者等に対して
は、生産・製造、消費等での工程での環境中に排出する
化学物質の量や、またその事業所の外に搬出される廃棄
物に含まれて移動する化学物質の量を日々正確に事業者
自らが把握して、それらの化学物質の保管や低減等の管
理の改善を図ることと、その把握された化学物質の排出
・移動量等の情報を行政官庁に報告することを求めてい
る。PRTR制度はまた、行政側に対しては、そのよう
に事業者等から報告された化学物質の排出・移動量等の
情報を、行政がまとめて自ら、あるいはその情報に関心
がある者に活用できるように情報公開することを求めて
いる。
【0005】このような製造・生産、消費等の各段階に
おける有害物質の使用量や環境への移動・放出量を低減
するためには、生産・製造を通しての環境管理対策が重
要であり、そのための提案も従来から幾つかなされてい
る。例えば、特開平11−306191号公報に記載の
「法律検索方法および法律検索システム」においては、
製品の適用法例を簡単に検索する方式を提案し、商品名
を入力して適用法令を検索するシステムが提案されてい
る。また、特開平9−319790号公報に記載の「製
品アセスメント評価装置」においては、製品の環境負荷
への低減を行うために、統一した入力フォ−マットを用
いて製品の設計情報を基準の設計情報と比較することに
よりアセスメント評価を行う装置が提案されている。
【0006】化学物質の環境への排出量・移動量の把握
については、運用管理者が、化学物質ごとに使用量のデ
−タを収集しチェックシ−トに記入しておき、報告期日
になると、その使用量データに経験あるいは実測により
求めた一定の排出率・移動率を乗じて、排出量・移動量
を求め、報告書の作成を行っている。最近では、チェッ
クシートに記入する代わりにパーソナルコンピュータ
(以下PCと称す)にデータを入力し、そのデータをも
とに報告書を作成している。しかしながら、PCを使用
しているといっても、データ収集の仕方や報告書の作成
は、事業者あるいは運用管理者の独自の方法で行われて
いるため、必ずしも効率的ではなく、また、収集したデ
ータによっては、それにより報告書の作成は可能であっ
ても、管理・改善につなげるには有効でないという問題
がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、化学
物質に関する従来のデータ管理技術は、いまだ開発途上
にあり、単にPCを用いただけのデータ管理は、十分に
機能的とはいえず、化学物質の使用量管理や在庫管理等
の効率を向上するまでに至っていない。
【0008】より詳細に説明すれば、報告書作成のため
には、事業所名、所在地、連絡先等の事業所に関する情
報や、法律により報告が義務づけられている化学物質
(規制物質)名等の法律に関する情報、規制物質の排出
量・移動量を求めるための使用量等のデータの入力が必
要である。一方、これらの情報、データの入力に関わる
部門(担当者)は通常複数である。例えば、事業所に関
する情報や法律に関する情報は、総務部門の担当者が入
力し、使用量等のデータは製造部門の担当者が入力する
ことになる。したがって、これら入力すべき情報やデー
タを混在して扱えるようにすると、例えば、製造部門の
担当者が誤って、総務部門が扱うべき情報を入力してし
まうおそれがあり、入力誤りの可能性が高くなる。さら
に、使用量等のデータは、頻繁に入力する必要があるの
に対し、事業所等のデータは、一度入力すれば、ほとん
ど更新の必要はない。また、報告すべき部門の排出量・
移動量を求めたとしても、これをもとに、例えば、規制
物質の大気への移動量を削減しようとしたとき、どのよ
うな対策を採れば有効か必ずしも明確には分からないと
いう問題もある。これは、取扱品の組み合わせや加工の
順序等により大気への移動率が異なる場合があるため、
部門の使用量から一律に移動量を求めたのでは、環境の
改善に必要なデータとしては不十分だからである。
【0009】したがって、従来の方法で化学物質の管理
を行う場合、2度またはそれ以上に亘ってデータの収
集、入力処理、印刷等の出力作業を行い、製品単位によ
るデ−タの収集および出力作業を行うことが必要になっ
ていた。しかも、デ−タの収集および出力作業は人間系
での作業を行うため、デ−タや結果の書き移し作業が必
要とされ、記入ミスや判定ミス等の人為エラ−および形
骸化等の問題と、法令・法規と化学物質等の対応やデ−
タ収集で熟練した運用管理者でないと正確な化学物質の
判定と管理ができないという問題があった。
【0010】さらに、従来の化学物質管理は、法令・法
規と化学物質の管理との対応に曖昧な点が多く、法令・
法規に準拠した環境管理を目的とした法令遵守を遂行し
ようとしても、化学物質と法令・法規とを対応させて遵
守する判断が複雑で、一意的に該当する法令・法規を対
応させることができず、客観的・総合的に化学物質の排
出・移動量を管理して法律的に判断することは難しかっ
た。
【0011】その上、取扱品の種類が多く、その構成化
学物質の変更や、法令・法規による指定の変更が多いと
いう現状も、法令・法規と化学物質の管理との対応付け
をさらに困難にしている。すなわち、現在、産業上の多
様な要求に基づいて多様な化学物質を含む多様な取扱品
が存在するが、産業上の要求のさらなる多様化に伴っ
て、取扱品の種類もさらに増大しつつある。そして、取
扱品の構成化学物質は、法律の改定や技術の進歩により
頻繁に変更される。また、PRTR対応法で指定されて
いる化学物質は、各国ごとに異なっており、今後も頻繁
に見直しを行う可能性が高い。
【0012】これらの事情から、商品名と適用法令を対
応付けた前述の手法においても、対応付けのためのファ
イル変更を頻繁に行う必要があり、管理が煩雑になる。
また、1事業所で扱う取扱品は比較的限定されているの
に対し、従来技術では、その事業所には全く無関係の化
学物質や法令も含めて巨大なファイルを所有せざるを得
ないため、規模の大きなサーバが必要になる。さらに、
PRTR対応の従来の支援ツールは、報告業務に限定さ
れているものや、入力設定のためには、高度の化学知識
や環境関連法律知識が前提になっているため、製造現場
では利用しにくい。
【0013】本発明は、上記した従来の問題点を改善す
るためになされたものであり、その目的は、業務内容あ
るいは入力するデータの性質に応じて、システムの機能
を分割することにより、入力誤りの削減および効率的な
データ入力を可能とすることにある。また、他の目的
は、工程ごとに化学物質の排出量・移動量を算出するこ
とにより、管理・改善に有効なデータを提供することに
ある。さらに、他の目的は、本発明による環境管理支援
システムのプログラムあるいはサービスを複数のユーザ
に効率よく提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の環境管理支援システムは、基本情報登録、
デ−タ入力、および集計結果出力を個別に実行可能とす
ることにより、化学物質使用量を正確に管理して環境管
理の支援を効率よく行うことができるようにしたもので
ある。
【0015】請求項1に記載の発明は、コンピュータシ
ステムを用いて、事業者の取扱品に含まれている化学物
質のうち法令により管理もしくは報告の対象となってい
る規制物質に関する規制量を算出する環境管理支援シス
テムにおいて、取扱品を特定する情報、取扱品に含まれ
ている規制物質を特定する情報、および、該規制物質の
含有率、を含む基本情報を記憶する基本情報登録手段
と、取扱品の使用量データまたは保管量データを入力し
て、この入力したデータと前記基本情報登録手段によっ
て記憶された基本情報に基づいて、取扱品に含まれてい
る規制物質の所定期間の規制量を算出するデータ入力手
段と、前記データ入力手段の算出結果を出力する集計結
果出力手段と、を備え、前記各手段は独立に起動可能で
あることを特徴とする。
【0016】請求項11に記載の発明は、請求項1の環
境管理支援システムを、プログラムを記憶した記憶媒体
という観点から把握したものであり、コンピュータシス
テムを用いて、事業者の取扱品に含まれている化学物質
のうち法令により管理もしくは報告の対象となっている
規制物質に関する規制量を算出するための、コンピュー
タ読み取り可能な記憶媒体において、取扱品を特定する
情報、取扱品に含まれている規制物質を特定する情報、
および、該規制物質の含有率、を含む基本情報を記憶す
る処理と、取扱品の使用量データまたは保管量データを
入力して、この入力したデータと前記記憶する処理によ
って記憶された基本情報に基づいて、取扱品に含まれて
いる規制物質の所定期間の規制量を算出する処理と、こ
の算出結果を出力する処理と、をコンピュータに実行さ
せるためのプログラムを記憶していることを特徴とす
る。
【0017】請求項2に記載の発明は、コンピュータシ
ステムを用いて、事業者の取扱品に含まれている化学物
質のうち法令により管理もしくは報告の対象となってい
る規制物質の排出量もしくは移動量を算出する環境管理
支援システムにおいて、一または二以上の工程の識別
、取扱品を特定する情報、取扱品に含まれている規制
物質を特定する情報、および、該規制物質の含有率、を
含む基本情報を記憶する基本情報登録手段と、取扱品の
使用量データを前記工程ごとに入力して、この入力した
データと前記基本情報登録手段によって記憶された基本
情報に基づいて、取扱品に含まれている規制物質の所定
期間の排出量もしくは移動量を前記工程ごとに算出する
データ入力手段と、前記データ入力手段の算出結果を出
力する集計結果出力手段と、を備えたことを特徴とす
る。
【0018】請求項12に記載の発明は、請求項2の環
境管理支援システムを、プログラムを記憶した記憶媒体
という観点から把握したものであり、コンピュータシス
テムを用いて、事業者の取扱品に含まれている化学物質
のうち法令により管理もしくは報告の対象となっている
規制物質の排出量もしくは移動量を算出するための、コ
ンピュータ読み取り可能な記憶媒体において、一または
二以上の工程の識別情報、取扱品を特定する情報、取扱
品に含まれている規制物質を特定する情報、および、該
規制物質の含有率、を含む基本情報を記憶する処理と、
取扱品の使用量データを前記工程ごとに入力して、この
入力したデータと前記記憶する処理によって記憶された
基本情報に基づいて、取扱品に含まれている規制物質の
所定期間の排出量もしくは移動量を前記工程ごとに算出
する処理と、この算出結果を出力する処理と、をコンピ
ュータに実行させるためのプログラムを記憶しているこ
とを特徴とする。
【0019】請求項13に記載の発明は、請求項2の環
境管理支援システムを、算出結果を利用者に提供するた
めの方法という観点から把握したものであり、コンピュ
ータシステムを用いて、利用者の取扱品に含まれている
化学物質のうち法令により管理もしくは報告の対象とな
っている規制物質の排出量もしくは移動量を算出し、そ
の結果を利用者に提供する、環境管理支援方法におい
て、利用者に対して、一または二以上の工程の識別
、取扱品を特定する情報、取扱品に含まれている規制
物質を特定する情報、および、該規制物質の含有率、を
含む基本情報の登録を促すステップと、前記工程ごとに
取扱品の使用量データの入力を促すステップと、利用者
によって登録された取扱品の使用量データと利用者によ
って入力された基本情報に基づいて、取扱品に含まれて
いる規制物質の所定期間の排出量もしくは移動量を前記
工程ごとに算出し、その結果を利用者に提供するステッ
プと、を有することを特徴とする。
【0020】なお、本発明において重要な用語の定義は
次の通りである。「基本情報」は、事業者情報等、頻繁
に更新の必要のない情報を定義する用語であり、使用量
データ等の定期的に入力する情報と区別するために用い
ている。「登録」は、情報を、半導体メモリ、磁気ディ
スク、バルクメモリ、CD−Rなどの、外部記憶装置あ
るいは内部記憶装置へ記憶することを定義する用語であ
る。「使用量データ」、「保管量データ」は、使用量、
保管量そのもののみでなく、実質的に使用量、保管量を
算出できる各種データを含む。「法令」は、法律、命令
のほか、規則、条例、条約なども含む広い概念である。
「規制量」は、PRTR法における排出量、移動量など
の、法令により、管理、報告の対象となる量を定義する
用語である。「工程」は、一般的な意味において使用す
るが、例えば、生産ライン、加工ラインなどにおいて
は、製造設備や諸装置の特性、あるいは、作業の順序や
段取りの多少等が規制物質の排出率・移動率に影響を及
ぼす可能性があるため、これらを区別して取扱う趣旨で
ある。したがって、工程は、ライン、作業、段取り、そ
の他排出率・移動率に影響を与える要素を含む概念であ
る。「名称」は、コード化あるいは、番号化されたもの
も含む趣旨である。「算出」は、計算をして求める場合
のみならず、テーブルを参照して求める場合など、CP
Uがメモリ等の何がしかのハードウェア資源にアクセス
して求める場合の全てを含む概念である。「管理番号」
は、区分または管理等のために付す番号であり、世界的
な化学物質の統一コードであるChemical Abstract Serv
ice(以下、CASと称する)コードも含む。
【0021】以上のような請求項1、2、11〜13の
発明によれば、環境管理のための機能を業務に応じて分
割したことにより、環境管理に関わる個々の業務の作業
を単純化することができる。すなわち、本発明は、環境
管理のために必要な作業が事業所の一部門のみでは完結
せず、複数の管理業務に亘っていることに着眼して、シ
ステム全体を管理業務ごとに機能分割したものであり、
これにより、特に、データの登録作業を単純化すること
ができるものである。
【0022】具体的には、環境管理の専門知識を有する
環境管理スタッフあるいは環境管理担当者が行うべき業
務に対応したUI(ユーザインタフェース)機能である
「基本情報の登録」と、環境管理の専門知識のない製造
・加工・保管・運搬業務に携わる現場担当者が行うべき
業務に対応したUI機能である「使用量データまたは保
管量データの入力」と、事業管理者が行うべき記録・報
告・改善のための分析業務に対応したUI機能である
「集計結果の出力」とに大きく分割している。これによ
り、特に、環境管理専門スタッフによる管理用のデータ
ベース構築作業が軽減されるとともに、製造・加工・保
管・運搬業務に携わる現場担当者は、使用量や保管量等
の変動量を入力するだけでよいため、環境管理の専門知
識がない現場担当者でも、比較的簡易に入力設定ができ
る。
【0023】また、化学物質と法令の関係付けを行うデ
ータベースについては、基本情報の登録という形で、ユ
ーザ側で適宜設定できる。このようなオープンなデータ
ベース構成により、ユーザは、ユーザ自らが管理するた
めに必要な最小限の化学物質データや法令データのみを
所有すればよく、膨大なデータファイルを持つ必要はな
くなる。また、複数の国に事業所が散在していても、ユ
ーザ固有のファイルを定義できるので、自主的な管理が
可能になる。さらに、検索機能については、一般的な基
本技術で対応でき、特別な検索機能は必要ない。
【0024】なお、化学物質の受入量、使用量、廃棄量
等は、化学物質を取り扱う部、課等の組織で管理できる
が、PRTRの移動量については、組織の中で使用して
いる製造施設や装置の特性により大気、公共水域、下
水、土壌等の環境への移動率が異なるため、これらに応
じた管理をする必要がある。請求項2、12、13の発
明においては、これらの施設、装置による移動率の差異
に応じた管理をするために、工程ごとに移動量を算出す
る。したがって、これらの発明によれば、ユーザは化学
物質の各工程での使用量を入力するだけでよく、入力さ
れた使用量データに基づいてPRTRの移動量が自動的
に集計される。
【0025】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2の環境管理支援システムにおいて、前記コンピュータ
システムは、クライアントおよびサーバからなるクライ
アント・サーバ型のシステムであって、前記基本情報登
録手段、前記データ入力手段、および前記集計結果出力
手段の各々を起動するごとに利用者認証の入力を行うよ
うに構成されたことを特徴とする。この構成によれば、
異なる業務において、それぞれの担当者が利用者認証を
入力し、必要な手段のみを起動することができるため、
不要な手段を起動する無駄がない。また、環境管理用の
機能を分散させながらも、構築したデータベースを保護
することができるため、信頼性に優れている。
【0026】請求項4に記載の発明は、請求項3の環境
管理支援システムにおいて、前記クライアントは、移動
端末装置を含み、前記各手段のうち、少なくとも前記デ
ータ入力手段は、前記移動端末装置を用いてデータ入力
を行うように構成されたことを特徴とする。この構成に
よれば、製造・加工・保管・運搬業務に携わる現場担当
者が、PCのない現場でも、移動端末装置を用いて容易
にデータ入力を行うことができるため、データ入力の作
業効率を向上することができる。
【0027】請求項5に記載の発明は、請求項1または
の環境管理支援システムにおいて、前記基本情報登録
手段は、事業所を特定する情報を含む事業所に関する情
報を記憶する事業所情報登録部と、取扱品を特定する情
報、取扱品に含まれている規制物質を特定する情報、お
よび、該規制物質の含有率、を含む取扱品に関する情報
を記憶する取扱品登録部と、前記事業所に関係する法令
を特定する情報を含む法令に関する情報を記憶する関係
法令登録部と、前記事業所で取扱う規制物質の名称、管
理番号もしくは世界的な化学物質の統一コ−ド(Che
mical Abstract Service、以下C
ASコードと称す)、および規制物質に関する法令の名
称、を含む規制物質に関する情報を記憶すると共に、前
記事業所で取扱う化合物が規制物質を含む場合には、そ
の化合物と規制物質の名称、化合物中の規制物質の含有
率、および規制物質に関する法令の名称、を含む化合物
に関する情報を記憶する規制物質登録部と、を有し、前
記各部ごとに前記各情報を記憶するように構成されたこ
とを特徴とする。
【0028】この構成によれば、事業所情報登録部、取
扱品登録部、関係法令登録部、規制物質登録部を個別に
設け、それぞれ独立に情報を記憶させることができる。
そのため、一部の情報が不明な場合でも、明確な情報の
みを個別に登録することができるため、個々の登録作業
が単純化され、作業分担も容易になる。また、化合物中
に含まれる規制物質についても、その化合物中の規制物
質の含有率や関連する法令を登録することにより、その
化合物中の規制物質の移動量を容易に把握することがで
き、法律に準拠して管理することができる。
【0029】請求項6に記載の発明は、請求項2の環境
管理支援システムにおいて、前記基本情報登録手段は、
規制物質の排出率もしくは移動率を工程ごとに設定でき
る移動率設定部を有し、前記データ入力手段は、前記移
動率設定部で設定した排出率もしくは移動率を用いて規
制物質の排出量もしくは移動量を算出するように構成さ
れたことを特徴とする。請求項7に記載の発明は、請求
項6の環境管理支援システムにおいて、前記移動率設定
部は、規制物質の排出率もしくは移動率を取扱品ごとに
設定するように構成されたことを特徴とする。
【0030】以上のような請求項6,7の発明によれ
ば、規制物質の排出率・移動率を工程ごとに設定するこ
とにより、その排出率・移動率を用いて、規制物質の排
出量・移動量を容易に算出することができるため、工程
ごとの規制物質の排出量・移動量の管理が容易になる。
特に、請求項7の発明においては、規制物質の排出率・
移動率を取扱品ごとに設定することにより、取扱品ごと
に規制物質の排出量・移動量を詳細に管理することがで
きる。
【0031】請求項8に記載の発明は、請求項6の環境
管理支援システムにおいて、前記データ入力手段は、前
記移動率設定部で設定された規制物質の排出率もしくは
移動率を元に計算された値を規制物質の排出量もしくは
移動量のデフォルト値として用いて、規制物質の排出量
もしくは移動量の実際の値がデフォルト値と異なる場合
にデフォルト値を実際の値に修正・入力する移動量入力
部を有することを特徴とする。
【0032】請求項9に記載の発明は、請求項8の環境
管理支援システムにおいて、前記移動量入力部は、前記
移動率設定部で設定された規制物質の排出率もしくは移
動率をデフォルト値として用いて、この排出率もしくは
移動率についても値を修正・入力可能であり、規制物質
の排出率もしくは移動率と、排出量もしくは移動量との
いずれか一方の値の修正・入力により、他方の値を自動
的に修正・入力するように構成されたことを特徴とす
る。以上のような請求項8,9の発明によれば、ユーザ
は、規制物質の排出量・移動量の実際の値がデフォルト
値と一致する場合には値を入力する必要がなく、実際の
値がデフォルト値と異なる場合にのみ値の修正を行えば
よいため、規制物質の排出量・移動量の入力作業が容易
になる。特に、請求項9の発明において、実際の値がデ
フォルト値と異なる場合には、ユーザは、排出率・移動
率と排出量・移動量の両方を修正する必要がなく、いず
れか一方の値を修正するだけで、他方の値は自動的に修
正される。そのため、排出率・移動率と排出量・移動量
との整合性が常に正しく保たれる。
【0033】請求項10に記載の発明は、請求項1また
は2記載の環境管理支援システムにおいて、通常のシス
テム起動時に前記データ入力手段が最初に起動するよう
に構成されたことを特徴とする。この構成によれば、通
常のシステム使用時に、データ入力手段を最初に起動し
て直ちに使用量データの入力を行うことができる。した
がって、機能選択用の画面切換等が不要である分だけ、
使用量データの入力作業を迅速に開始することができ
る。このように、最も頻繁に行うことが予想される使用
量データの入力処理を優先させることにより、作業効率
を向上することができる。
【0034】請求項14に記載の発明は、コンピュータ
システムを用いて、利用者の取扱品に含まれている化学
物質のうち法令により管理もしくは報告の対象となって
いる規制物質に関する規制量を算出しその結果を出力す
るプログラム、を配信する環境管理支援方法において、
利用者に対して、該利用者を特定する情報および配信先
アドレス、を含む利用者情報の入力を促すとともに、コ
ンサルタントの要否についての情報の入力を促すステッ
プと、利用者によって利用者情報が入力された場合に、
配信先アドレスへの前記プログラムの配信を許可するス
テップと、利用者によってコンサルタント不要の情報が
入力された場合には、その利用者に前記プログラムを配
信することにより課金するステップと、利用者によって
コンサルタント要の情報が入力され、かつ、その利用者
から所定期間の規制物質に関する規制量の出力結果が提
供された場合には、その出力結果に基づくコンサルタン
ト情報を送信することにより課金するステップと、を備
えたことを特徴とする。
【0035】この環境管理支援方法によれば、通信ネッ
トワークを利用して、利用者情報を入力したユーザのみ
にプログラムを配信して課金することにより、本発明の
環境管理支援システムを実現するためのプログラム提供
サービスをネットワークビジネスとして容易に成立させ
ることが可能になる。さらに、コンサルタント情報を送
信して課金することにより、プログラム提供サービス
に、出力結果に関するコンサルタントサービスを組み合
わせることができるため、ユーザ層をさらに拡大するこ
とができる。
【0036】請求項15に記載の発明は、コンピュータ
システムを用いて、利用者の取扱品に含まれている化学
物質のうち法令により管理もしくは報告の対象となって
いる規制物質に関する規制量を算出し、その結果を利用
者に提供する、環境管理支援方法において、規制物質
特定する情報を含む法令関連情報を記憶するステップ
と、化学物質を含有する取扱品を特定する情報、その化
学物質を特定する情報、および、該化学物質の含有率、
を含む取扱品関連情報を記憶するステップと、前記各ス
テップによって記憶されている法令関連情報と取扱品関
連情報を用いて、化学物質が規制物質に該当するか否か
を判定し、取扱品を特定する情報、取扱品に含有されて
いる規制物質を特定する情報、および該規制物質の含有
率とを対応づけて規制物質関連情報として記憶するステ
ップと、利用者に対して、取扱品の使用量データまたは
保管量データの入力を促すステップと、利用者によって
入力された取扱品の使用量データまたは保管量データと
前記規制物質関連情報に基づいて、取扱品に含まれてい
る規制物質の所定期間の規制量を算出し、その結果を利
用者に提供するステップと、を有することを特徴とす
る。
【0037】この環境管理支援方法によれば、ユーザに
よって取扱品の使用量データや保管量データが入力され
れば、法令や取扱品中に含まる規制物質などの必要な基
本情報については別に取得して、自動的に、取扱品に含
まれている規制物質の所定期間の規制量を算出し、その
結果を利用者に提供することができる。したがって、法
令に関する専門知識がないユーザや、取扱品の成分を把
握していないユーザであっても、その取扱品の使用量デ
ータや保管量データを入力するだけで、規制物質の所定
期間の規制量を算出した結果を容易に取得することがで
きる。この方法では、固有のデータベースなどがなくて
も、必要な基本情報については、別のデータベースなど
から取得すればよいため、サービスを提供するためのシ
ステム構成を簡略化することができ、実用性が高い。
【0038】請求項16に記載の発明は、コンピュータ
システムを用いて、利用者の取扱品に含まれている化学
物質のうち法令により管理もしくは報告の対象となって
いる規制物質に関してコンサルタントを行なう環境管理
支援方法において、利用者を特定する情報を記憶するス
テップと、利用者の工程ごとの取扱品の使用量データ、
または、工程ごとの排出量データもしくは移動量データ
を入力するステップと、前記入力したデータに基づい
て、規制物質の管理もしくは報告に関してコンサルタン
ト情報を作成し、当該情報を利用者へ提供するステップ
と、を備えたことを特徴とする。
【0039】この環境管理支援方法によれば、ユーザか
ら工程ごとの取扱品の使用量データ、または、工程ごと
の排出量データもしくは移動量データが入力された場合
に、規制物質の管理もしくは報告に関するコンサルタン
ト情報を作成し、この情報を利用者に提供することがで
きる。この方法では、請求項15の発明と同様に、固有
のデータベースなどがなくても、必要な基本情報につい
ては、別のデータベースなどから取得すればよいため、
サービスを提供するためのシステム構成を簡略化するこ
とができ、実用性が高い。
【0040】請求項17に記載の発明は、コンピュータ
システムを用いて、取扱品に含まれている化学物質のう
ち所定の物質の排出量もしくは移動量を算出する環境管
理支援システムにおいて、一または二以上の工程の識別
情報、取扱品を特定する情報、取扱品に含まれている所
定の物質を特定する情報、および、該所定の物質の含有
率、を含む基本情報を記憶する手段と、取扱品の使用量
データを前記工程ごとに入力する手段と、この手段によ
り入力したデータと前記基本情報に基づいて、取扱品に
含まれている所定の物質の排出量もしくは移動量を前記
工程ごとに算出する手段と、を備えたことを特徴とす
る。
【0041】この環境管理支援システムによれば、法令
により管理もしくは報告の対象となっている規制物質以
外の各種の化学物質についても、その排出量や移動量を
工程毎に算出することができるため、環境への影響が予
測されるあらゆる化学物質の管理に適用可能であり、実
用性が高い。
【0042】
【発明の実施の形態】以下には、本発明を適用した実施
形態について、図面にしたがって詳細に説明する。な
お、説明の簡略化の観点から、各図を通して同等の構成
要素には同一の符号を付す。
【0043】[第1の実施形態の構成] [機器構成]図1は、第1の実施形態に係る環境管理支
援システムの機器構成を示すブロック図である。この図
1に示すように、本システムは、クライアント・サ−バ
システムで構成されており、環境管理デ−タサ−バ1
と、複数のクライアントとして、環境保全責任者端末
2、環境保全担当者端末3、関係部門端末端末4、およ
び簡易移動端末装置5が、通信ネットワ−ク6や通信手
段7を介して接続されている。このうち、環境保全責任
者端末2、環境保全担当者端末3、関係部門端末4は、
一台PCあるいは通信ネットワ−クに接続された複数の
PCからそれぞれ構成されている。
【0044】また、環境管理データサーバ1と、複数の
PC2〜4の各々は、入出力装置部8として、環境管理
用のデ−タを入力したり各機能を操作したりするための
入力装置9、出力デ−タ等を表示するための表示装置1
0、および集計結果や報告書を出力するプリンタ11等
を備えている。このうち、入力装置9は、キ−ボ−ドと
マウスを有し、表示装置10の画面を用いて操作やデ−
タ入力のフロ−の選択を行うようになっている。また、
簡易移動端末装置5には、入力装置部や表示装置部が一
体的に組み込まれており、環境管理データサーバ1と
は、無線による通信手段7でつながれている。さらに、
環境管理データサーバ1と、複数のクライアント2〜5
の各々において、データベースDBは、基本情報管理部
(基本情報登録手段)101、入力データ管理部(デー
タ入力手段)102、および集計結果管理部(集計結果
出力手段)103という3つの管理部からなるプログラ
ムを有している。
【0045】[システム構成]図2は、本システムの全
体構成を示す機能ブロック図である。この図2に示すよ
うに、本システムは、基本情報管理部(基本情報登録手
段)101、入力データ管理部(データ入力手段)10
2、および集計結果管理部(集計結果出力手段)103
という3つの管理部からなるプログラムを、データ入力
装置104、データ処理装置105、およびデータ出力
装置106からなるハードウェアにより実行するもので
ある。そして、基本情報管理部101は、共通部分の基
本情報登録部110と組織別部分の基本情報登録部12
0を有し、入力データ管理部102は、データ入力部1
30を有しており、また、集計結果管理部103は、集
計結果出力部140と報告書設定・出力部150を有し
ている。
【0046】より詳細に、共通部分の基本情報登録部1
10は、環境管理の専門知識を有する環境管理スタッフ
の業務に対応させたものである。すなわち、基本情報登
録部110は、少なくとも、化学物質を扱う施設や事業
所に関する情報を登録する事業所情報登録部111と、
対象となる化学物質に関する関係法令等を登録する関係
法令登録部112と、対象となる化学物質に関する情報
を登録する化学物質登録部113と、それらの化学物質
から構成される取扱品(取扱商品)に関する情報を登録
する取扱品登録部115とを有する。そして、取扱品が
製造あるいは加工工程ごとに異なる場合には、組織構成
と組織の最小単位が管理する1ライン以上の「工程」ご
とにその最小単位となる組織名を登録する組織登録部1
14が付加される。
【0047】組織別部分の基本情報登録部120は、組
織登録部114が付加された場合に、組織別の基本情報
を登録するために付加される部分である。この基本情報
登録部120は、各組織の各工程で使用する取扱品を設
定する使用取扱品設定部121と、各組織の工程単位で
取扱品使用量の計画値を設定する使用量計画設定部12
2と、各組織の工程ごとにPRTR対象の化学物質ある
いはPRTR対象を含む化合物の移動率(PRTR移動
率)を設定するPRTR移動率設定部123とを有す
る。
【0048】データ入力部130は、保管・製造・加工
・運搬担当者の業務に対応させたものである。すなわ
ち、データ入力部130は、環境管理の専門知識の有無
に関わらず、担当者が扱っている取扱品の変動量のみを
管理するものであり、取扱品使用量を予め指定した単位
で入力する使用量入力部131と、PRTR移動率を元
に計算されたデフォルト値を用いてPRTR対象の化学
物質あるいはPRTR対象を含む化合物の実際の移動量
(PRTR移動量)を入力するPRTR移動量入力部1
32とを有する。
【0049】集計結果出力部140は、施設または事業
所管理者の管理業務に対応させたものである。すなわ
ち、集計結果出力部140は、データ入力部130によ
って入力された取扱品の使用量データと基本情報登録部
110,120によって登録された基本情報とに基づい
て、取扱品に含まれているPRTR対象の化学物質ある
いはPRTR対象を含む化合物の移動量を算出し、所定
の条件で集計して出力する部分である。この集計結果出
力部140は、組織別の集計結果を表示する組織別集計
結果表示部141と、月別の集計結果を表示する月別集
計結果表示部142と、化学物質別の集計結果を表示す
る化学物質別集計結果表示部143と、組織ごとに所定
期間の集計結果を表示するPRTR集計結果表示部14
4とを有する。
【0050】報告書設定・出力部150は、官公庁向け
の報告書や自主管理のための報告書作成業務に対応させ
たものである。すなわち、報告書設定・出力部150
は、法令などに応じて報告書の出力に関する設定を行う
報告書設定部151と、設定された形式の報告書を出力
する報告書出力部152とを有する。
【0051】[システム動作]図3は、本システムによ
る動作の概略を示すフローチャートであり、図5は、各
機能部110,120,130,140,150と情報
ファイル161〜170との関係を示すブロック図であ
る。以下には、図3および図5を参照しながら、本シス
テムの動作の概要について説明する。
【0052】まず、図3に示すように、利用者認証が入
力されたと判断した場合(S1001のYES)には、
部門の名称、当該部門における一または二以上の工程の
識別名、取扱品名、取扱品に含まれている規制物質の名
称とその含有率、を含む基本情報についての入力支援表
示を行い(S1002)、ユーザから入力された基本情
報を登録する(S1003)。
【0053】S1002,1003においては、共通部
分の基本情報登録部110による基本情報登録処理と組
織別部分の基本情報登録部120による基本情報登録処
理が行われる。すなわち、図5に示すように、共通部分
の基本情報登録部110により、事業所情報、関係法令
情報、化学物質情報、および組織情報が、各情報ファイ
ル161〜164にそれぞれ登録され、さらに、化学物
質情報を用いて得られた取扱品情報が、その取扱品情報
ファイル165に登録される。そして、組織別部分の基
本情報登録部120により、使用取扱品情報がその情報
ファイル166に登録された後、その使用取扱品情報を
用いて得られた使用量計画情報およびPRTR移動率情
報が、各情報ファイル167,168にそれぞれ登録さ
れる。
【0054】図3において利用者認証が入力されたと判
断した場合(S1004のYES)には、工程ごとの取
扱品の使用量データについて入力支援表示を行い(S1
005)、ユーザから承認された使用量データを入力す
る(S1006)。S1005,1006においては、
具体的には、図5に示すように、データ入力部130の
使用量入力部131による使用量入力処理が行われ、取
扱品使用量情報がその情報ファイル169に登録され
る。続いて、使用量データと基本情報に基づいて、取扱
品に含まれているPRTR対象物質の所定期間の排出量
・移動量を工程ごとに算出し(S1007)、算出した
排出量・移動量をデフォルト値として入力支援表示を行
い(S1008)、ユーザがデフォルト値を修正した場
合(S1009のYES)には、移動量を修正して(S
1010)、その修正値を排出量・移動量として確定し
(S1011)、ユーザがデフォルト値を修正せず、そ
のまま承認した場合(S1009のNO)には、そのデ
フォルト値をそのまま排出量・移動量として確定する
(S1011)。
【0055】図5中では、S1007に対応するPRT
R移動量計算処理180が示されている。この処理18
0によって得られ、S1011によって確定された値
は、PRTR移動量情報として、その情報ファイル17
0に登録される。さらに、PRTR移動量情報ファイル
170が更新される度に、その履歴情報が履歴ファイル
171に蓄積される。図4は、図5でのデータ入力部1
30の図2に示すPRTR移動量入力部132によるP
RTR移動量の算出処理(S1007)のサブルーチン
を示すフローチャートである。この図4に示すように、
PRTR移動量入力部132は、取扱品情報ファイル1
65から取扱品に含まれるPRTR対象物質名と含有率
を取り出し(S1021)、取扱品使用量情報ファイル
169から工程ごとの取扱品の使用量を取り出し、この
使用量にPRTR対象物質の含有率を乗じ、工程ごとの
PRTR対象物質の使用量を計算する(S1022)。
PRTR移動量入力部132は、次に、PRTR移動率
情報ファイル168から工程ごとの移動率を取り出し
(S1023)、PRTR対象物質の使用量に工程ごと
の移動率を乗じ、工程ごとのPRTR対象物質の移動量
を計算する(S1024)。
【0056】図3において利用者認証が入力されたと判
断した場合(S1012のYES)には、さらに、算出
した排出量・移動量を各部門の工程について合計する
(S1013)ことにより、規制物質の排出量・移動量
を部門別に集計する。次に、集計結果についての出力支
援表示を行い(S1014)、続いて、ユーザから指定
された条件および形式の集計結果を出力する(S101
5)。S1012〜1015は、集計結果出力部140
による集計結果出力処理に相当する。すなわち、集計結
果出力部140は、図5に示すような、使用量計画情報
ファイル167、取扱品使用量情報ファイル169、お
よびPRTR移動量情報ファイル170の各情報を用い
て、集計結果出力処理を行う。
【0057】なお、図3においては、基本情報の登録処
理、データ入力処理、および集計結果出力処理を一連の
動作として行うように示されているが、この動作順は、
あくまでもデータの利用関係のみを示すにすぎず、実際
の動作順に対応するものではない。実際には、この3種
類の処理は、別の業務における別の作業として分離して
行われる場合が多い。また、図3には記載していない
が、ユーザから報告書出力要求が入力された場合には、
図5に示すように、報告書設定・出力部150による報
告書出力処理が行われる。
【0058】[各機能部の動作]図6〜図24は、各機
能部による管理支援用の各動作について、具体的な個々
の画面表示を示す説明図である。以下には、これらの図
面を参照しながら、共通部分の基本情報登録部110、
組織別部分の基本情報登録部120、データ入力部13
0、集計結果出力部140、および報告書設定・出力部
150の詳細な動作について順次説明する。
【0059】[共通部分の基本情報登録部の動作]前述
したように、共通部分の基本情報登録部110は、環境
管理の専門知識を有する環境管理スタッフの業務に対応
させたものであるため、そのような専門知識を有する環
境管理スタッフに対して、図6〜図11に示すような、
事業所情報登録、関係法令登録、化学物質登録、組織登
録、および取扱品登録を行わせるための各支援表示を行
い、その専門知識を有するスタッフから個々の情報が入
力あるいは指定された場合に、それらの情報を登録す
る。
【0060】図6は、共通部分の基本情報登録部110
における事業所情報登録部111による事業所情報登録
用の画面表示を示す説明図である。図6に示すように、
事業所情報登録部111は、少なくとも、企業・団体
名、所在地、事業内容、責任者あるいは担当者の氏名を
含む連絡先、をユーザに入力させるための支援表示を行
い、ユーザからそれらのデータが入力された場合に、そ
れらのデータを、図5に示すような事業所情報ファイル
161に登録する。なお、これらのデータは、後日、関
係法令に従った報告書作成のための基本データとなる。
さらに、事業所情報登録部111により、以上のような
基本データに加えて、参考情報として、業種や従業員
数、主な取扱品目や自由記載事項などを設定できるよう
にしてもよい。図中の画面表示では、上記の基本データ
を入力させるための欄に加えて、これらの参考情報を入
力させるための欄が例示的に示されている。
【0061】図7は、共通部分の基本情報登録部110
における関係法令登録部112による関係法令登録用の
画面表示を示す説明図である。図7の(A)に示すよう
に、関係法令登録部112は、当該事業所が扱う化学物
質に係わる法律、条例、条約、企業の自主管理規定等の
名称、をユーザに指定させるための支援表示を行い、ユ
ーザから指定された法令等について、それらのデータ
を、図5に示すような関係法令情報ファイル162に登
録する。さらに、関係法令登録部112により、以上の
ような法令等の名称に加えて、図7の(B)に示すよう
に、関係法令の分類情報や略称を設定できるようにして
もよい。
【0062】図8は、共通部分の基本情報登録部110
における化学物質登録部113による化学物質登録用の
画面表示を示す説明図である。図8の(A)および
(B)に示すように、化学物質登録部113は、少なく
とも、当該事業所にて扱う取扱品に含まれる化学物質の
物質名、管理番号またはCASコード、をユーザに指定
させるための支援表示を行い、ユーザから指定されたデ
ータを、図5に示すような化学物質情報ファイル163
に登録する。
【0063】さらに、図9の(A)に示すように、化学
物質登録部113により、対象となる化学物質ごとに、
それを規制している関係法令を複数個対応付けるように
してもよい。この場合、関係法令登録部112によって
予め登録された関係法令の中から対象となる関係法令を
任意に選択するようにしてもよい。また、対象となる化
学物質がPRTR対象である場合は、図9の(B)に示
すように、PRTR対象であるチェックマーク、PRT
R番号、毒性ランク等を登録するようにしてもよい。さ
らに、PRTR対象物質を含む化合物の場合は、PRT
R対象物質とその含有率をPRTR対象物質の一覧より
選択し、設定登録するようにしてもよい。この場合、P
RTR物質一覧は、化学物質登録部113によって登録
した情報の中からPRTR設定されているものだけを抽
出してもよい。そしてまた、図8の(B)に示すよう
に、化学物質登録部113により、参考情報として、化
学式や別名称、任意記載事項等を設定できるようにして
もよい。
【0064】図10、図11は、共通部分の基本情報登
録部110における組織登録部114による組織登録用
の画面表示と、取扱品登録部115による取扱品登録用
の画面表示を示す説明図である。図10の(B)に示す
ように、取扱品が製造あるいは加工工程ごとに異なる場
合には、組織登録部114は、少なくとも、組織構成と
組織の最小単位が管理する1ライン以上の工程ごとにそ
の最小単位となる組織名、をユーザに入力させるための
支援表示を行い、ユーザから入力されたデータを、図5
に示すような組織情報ファイル164に登録する。
【0065】また、図11の(A)に示すように、取扱
品登録部115は、少なくとも、対象とする取扱品に関
する品名、型番または製造元、および取扱品が含有して
いる複数の化学物質名とその含有率、をユーザに入力さ
せるための支援表示を行い、ユーザから入力されたデー
タを、図5に示すような取扱品情報ファイル165に登
録する。この場合、化学物質登録部113によって予め
登録された化学物質の中から対象となる化学物質を任意
に選択することもできる。さらに、図11の(B)に示
すように、取扱品登録部115により、参考情報とし
て、取扱品の物理単位や比重、任意記載事項等を設定で
きるようにしてもよい。
【0066】[組織別部分の基本情報登録部の動作]前
述したように、組織別部分の基本情報登録部120は、
組織登録部114が付加された場合に、組織別の基本情
報を登録するために付加される部分であり、ユーザに対
して、図12〜図14に示すような、使用取扱品設定、
使用量計画設定、およびPRTR移動率設定を行わせる
ための各支援表示を行い、そのユーザから個々の情報が
入力あるいは指定された場合に、それらの情報を登録す
る。
【0067】図12は、組織別部分の基本情報登録部1
20における使用取扱品設定部121による使用取扱品
設定用の画面表示を示す説明図である。図12の(A)
に示すように、使用取扱品設定部121は、少なくと
も、組織の最小単位が管理する工程ごとに使用する取扱
品名、をユーザに入力させるための支援表示を行い、ユ
ーザから入力されたデータを、図5に示すような使用取
扱品情報ファイル166に登録する。また、図12の
(B)に示すように、使用取扱品設定部121によっ
て、対象とする取扱品の使用場所や保管場所、あるい
は、取扱品の型番または製造元を設定できるようにして
もよい。
【0068】図13は、組織別部分の基本情報登録部1
20における使用量計画設定部122による使用量計画
設定用の画面表示を示す説明図である。図13に示すよ
うに、使用量計画設定部122は、組織の最小単位が管
理する工程ごとに使用される取扱品の使用量の単位と計
画値、をユーザに入力させるための支援表示を行い、ユ
ーザから入力されたデータを、図5に示すような使用量
計画情報ファイル167に登録する。
【0069】図14は、組織別部分の基本情報登録部1
20におけるPRTR移動率設定部123によるPRT
R移動率設定用の画面表示を示す説明図である。図14
に示すように、PRTR移動率設定部123は、組織の
最小単位が管理する工程ごとに使用される化学物質の基
本となる移動率、をユーザに入力させるための支援表示
を行い、ユーザから入力されたデータを、図5に示すよ
うなPRTR移動率情報ファイル168に登録する。
【0070】[データ入力部の動作]前述したように、
データ入力部130は、保管・製造・加工・運搬担当者
の業務に対応させたものであるため、そのような担当者
に対して、図15および図16に示すように、使用量入
力およびPRTR移動量入力を行わせるための各支援表
示を行い、その担当者から個々の情報が入力あるいは指
定された場合に、それらの情報を登録する。
【0071】図15、図16は、データ入力部130に
おける使用量入力部131による使用量入力用の画面表
示と、PRTR移動量入力部132によるPRTR移動
量入力用の画面表示を示す説明図である。図15に示す
ように、使用量入力部131は、少なくとも、単位期間
ごとの、かつ、取扱品一品単位での受入量および使用
量、をユーザに入力させるための支援表示を行い、ユー
ザから入力されたデータを、図5に示すような取扱品使
用量情報ファイル169に登録する。
【0072】図16に示すように、PRTR移動量入力
部132は、少なくとも、単位期間ごとの、工程ごとに
使用される化学物質の移動量、をユーザに入力させるた
めの支援表示を行い、ユーザから入力されたデータを、
図5に示すようなPRTR移動量情報ファイル170に
登録する。この場合、PRTR移動量入力部132は、
PRTR移動率設定部123によって設定されたPRT
R移動率を元にPRTR移動量計算処理180(図5)
を行ってPRTR移動量を算出し、得られた値をPRT
R移動量のデフォルト値として画面に表示する。そし
て、このデフォルト値がユーザによって修正された場合
には、その修正された値を実際のPRTR移動量として
登録し、デフォルト値がユーザによって承認された場合
には、そのデフォルト値をそのまま登録する。
【0073】また、PRTR移動量入力部132は、P
RTR移動率設定部123によって設定されたPRTR
移動率についても、デフォルト値として画面に表示し、
ユーザによる修正を可能とする。さらに、表示されたP
RTR移動量とPRTR移動率のいずれか一方が修正さ
れた場合には、その修正された値を元に、他方の値を計
算し直して、自動修正する。したがって、図5に示すよ
うなPRTR移動量ファイル170とPRTR移動率情
報ファイル168の両方が更新されることになる。そし
て、このように、PRTR移動量情報ファイル170と
PRTR移動率情報ファイル168が更新される度に、
その履歴情報が履歴ファイル171に蓄積される。
【0074】[集計結果出力部の動作]前述したよう
に、集計結果出力部140は、施設または事業所管理者
の管理業務に対応させたものであるため、そのような管
理者に対して、組織別集計結果表示、月別集計結果表
示、化学物質別集計結果表示、およびPRTR集計結果
表示という選択肢を支援表示し、選択された表示種別に
応じて、基本情報登録部110,120やデータ入力部
130で得られた情報を集計し、図17〜図20に示す
ように、その結果表示画面を表示する。
【0075】図17は、集計結果出力部140における
組織別集計結果表示部141による組織別集計結果表示
用の画面表示を示す説明図である。この図17に示すよ
うに、組織別集計結果表示部141は、基本情報登録部
110によって登録されている組織レベルや年度の選択
窓を表示し、その選択窓でユーザによって選択された組
織レベル、年度について、化学物質ごとの各月の集計結
果を表示する。
【0076】図18は、集計結果出力部140における
月別集計結果表示部142による月別集計結果表示用の
画面表示を示す説明図である。この図18に示すよう
に、月別集計結果表示部142は、基本情報登録部11
0によって登録されている組織レベルや年月の選択窓を
表示し、その選択窓でユーザによって選択された年月に
ついて、選択された組織レベルにおける化学物質ごとの
各組織の集計結果を表示する。
【0077】図19は、集計結果出力部140における
化学物質別集計結果表示部143による化学物質別集計
結果表示用の画面表示を示す説明図である。この図19
に示すように、化学物質別集計結果表示部143は、基
本情報登録部110によって登録されている組織レベル
と化学物質、および年度の選択窓を表示し、その選択窓
でユーザによって選択された組織レベル、年度につい
て、選択された化学物質の各月の集計結果を表示する。
【0078】また、図17〜図19に示すように、組織
別集計結果表示部141、月別集計結果表示部142、
および化学物質別集計結果表示部143の各々におい
て、「使用量」、「使用量」、「前年−当年使用量」、
「計画−実績使用量」、「受入量−使用量−残量」など
を表示モードとして予め設定しておき、選択窓で選択で
きるようにしてもよい。
【0079】図20は、集計結果出力部140における
PRTR集計結果表示部144によるPRTR集計結果
表示用の画面表示を示す説明図である。この図20に示
すように、PRTR集計結果表示部144は、基本情報
登録部110によって登録されている組織レベルや年月
の選択窓を表示し、その選択窓でユーザによって選択さ
れた組織レベル、年度について化学物質ごとの各移動
種別の集計結果を表示する。
【0080】[報告書出力部の動作]前述したように、
報告書設定・出力部150は、官公庁向けの報告書や自
主管理のための報告書作成業務に対応させたものである
ため、そのような業務の担当者に対して、図21に示す
ような報告書設定用の支援表示を行って、報告書の書式
設定を可能にするとともに、報告書の選択を支援表示
し、選択された報告書に応じて、図22に示すように、
その報告書画面を表示あるいはプリンタ出力する。
【0081】図21は、報告書設定・出力部150にお
ける報告書設定部151による報告書設定用の画面表示
を示す説明図である。この図21の(B)に示すよう
に、報告書設定部151は、基本情報登録部110によ
って登録されている法令や分類の選択窓を表示し、その
選択窓でユーザによって選択された法令、分類と、ユー
ザによって入力あるいは指定された報告書名などを報告
書設定データとして登録する。
【0082】図22は、報告書設定・出力部150にお
ける報告書出力部152による報告書出力用の画面表示
を示す説明図である。この図22に示すように、報告書
出力部152は、報告書設定部151によって設定され
ている報告書や出力期間、組織レベルの選択窓を表示
し、その選択窓でユーザによって選択された報告書を、
選択された出力期間、組織レベルについて作成し、報告
書として画面表示あるいはプリンタ出力する。
【0083】また、図23に示すように、報告書出力部
152によって、集計結果出力部140の各結果表示部
141〜144による表示内容と同様の報告書を出力す
るようにしてもよい。ここで、図23は、報告書出力部
152によるPRTR集計結果表示の画面表示を示す説
明図である。すなわち、報告書出力部152は、ユーザ
によって報告書としてPRTR集計結果表示が選択され
た場合に、図23に示すように、基本情報登録部110
によって登録されている組織レベルや集計期間の選択窓
を表示し、その選択窓でユーザによって選択された組織
レベル、集計期間について、化学物質ごとの各移動種別
の集計結果を表示する。このような報告書の画面表示に
おいては、表示画面切換用の操作ボタンや印刷実行用の
操作ボタンなどを表示してもよい。図24は、図23の
PRTR集計結果表示内容の一部を自主管理のためにグ
ラフ表示した場合の画面表示を示す説明図である。上記
した各説明において記載した各部(手段)は、コンピュ
ータに実行させることのできるプログラムとして、例え
ば磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどの記録
媒体に書き込んで、各種装置に適用したり、通信媒体に
より、伝送して各種装置に適用することも可能である。
中央演算処理を実現するコンピュータは、記録媒体に記
録されたプログラムを読み、このプログラムによって動
作が制御されることにより、上述した処理を実行する。
【0084】[第1の実施形態の作用・効果]以上のよ
うな構成を有する本実施形態の作用・効果は次の通りで
ある。 [機能の分割による作業の容易化]まず、環境管理のた
めの機能を業務に応じて分割したことにより、環境管理
に関わる個々の業務の作業を単純化することができる。
具体的に、本システムは、環境管理の専門知識を有する
環境管理スタッフあるいは環境管理担当者が行うべき業
務に対応した機能部である基本情報管理部101(基本
情報登録部110,120)と、環境管理の専門知識の
ない製造・加工・保管・運搬業務に携わる現場担当者が
行うべき業務に対応した機能部である入力データ管理部
102(データ入力部130)と、事業管理者が行うべ
き記録・報告・改善のための分析業務に対応した機能部
である集計結果管理部103(集計結果出力部140お
よび報告書設定・出力部150)とに大きく分割されて
いる。
【0085】したがって、環境管理専門スタッフは、複
数種類の基本情報を登録するだけで化学物質と法令の関
係付けを行う管理用のデータベースを構築することがで
きるため、報告書出力に対応した構造の複雑なデータベ
ースを予め構築する場合に比べて、構築作業が大幅に軽
減される。また、製造・加工・保管・運搬業務に携わる
現場担当者は、使用量や保管量等の変動量を入力するだ
けでよいため、環境管理の専門知識がない現場担当者で
も、比較的簡易に入力設定ができる。
【0086】さらに、共通部分の基本情報登録部110
においては、事業所情報登録部111、関連法令登録部
112、化学物質登録部113、取扱品登録部115等
を個別に設け、それぞれ独立に情報を記憶させることが
できる。したがって、一部の情報が不明な場合でも、明
確な情報のみを個別に登録することができるため、個々
の登録作業が単純化され、作業分担も容易になる。特
に、簡易移動端末装置5は、無線によるため、現場での
作業性は良くなるものの、有線に比べ伝送速度が遅くな
る。このため、本実施形態のシステムのように機能分割
し伝送すべきデータ量を低減することにより、応答性能
を向上し、現場での作業時間を削減することができる。
【0087】[法令・法規の遵守に有用なデータベース
の構築]次に、本システムにおいては、化学物質と法令
の関係付けを行うデータベースを容易に構築できるた
め、このデータベースに基づいて、法令・法規を遵守し
た管理が可能となる。すなわち、化学物質管理の法令・
法規について専門的な知識がなくても、それらの法令・
法規を遵守してPRTR対象物質管理や排水管理を行う
ことができる。この場合、化学物質のデ−タベ−スから
化学物質名を選択して入力する方法により、法令・法規
と化学物質とを容易に対応付けることができる。より具
体的には、法令・法規に定められた最大・最小値の管理
や自主管理している管理値等を予め基本情報を登録して
おくことにより、それらの値の管理を容易に行うことが
できる。
【0088】また、共通部分の基本情報登録部110の
化学物質登録部113においては、工程ごとに設定され
た取扱品に関して、化学物質と法規・法令の情報を設定
することにより、工程レベルの化学物質の管理において
も、法規・法令と化学物質を容易に対応付けることがで
きる。さらに、化学物質登録部113においては、PR
TR対象物質だけでなく、化合物中に含まれるPRTR
対象物質についても、化合物中の含有率や関連する法令
を登録することにより、その化合物中のPRTR対象物
質の移動量を容易に把握することができ、法律に準拠し
て管理することができる。
【0089】一方、上記のように、化学物質と法令の関
係付けを行うデータベースについては、基本情報の登録
という形で、ユーザ側で適宜設定できる。このようなオ
ープンなデータベース構成により、ユーザは、ユーザ自
らが管理するために必要な最小限の化学物質データや法
令データのみを所有すればよく、化学物質全般に亘る膨
大なデータファイルを持つ必要はない。また、ユーザの
事業所が複数の国に散在している場合でも、ユーザ固有
のファイルを定義できるので、各国の法令・法規に応じ
た自主的な管理が可能になる。そしてまた、本システム
のデータベースは簡略であるため、検索機能について
は、一般的な基本技術で対応でき、特別な検索機能は必
要ない。
【0090】[組織レベル・工程ごとのPRTR移動量
の管理]なお、前述したように、化学物質の受入量、使
用量、廃棄量等は、化学物質を取り扱う部、課等の組織
で管理できるが、PRTRの移動量については、組織の
中で使用している製造施設や装置の特性により大気、公
共水域、下水、土壌等の環境への移動率が異なるため、
これらに応じた管理をする必要がある。これに対して、
本システムにおいては、組織をさらに階層化し、工程ご
とにPRTR移動量を管理することができる。このよう
な工程ごとの管理は、各工程に含まれる全ての化学物質
の移動量データをデ−タベ−スとして構築可能であるこ
とから実現される。以下には、この点について説明す
る。
【0091】まず、共通部分の基本情報登録部110の
取扱品登録部115により、取扱品中の化学物質の含有
率を登録し、データ入力部130の使用量入力部131
により、化学物質を含む取扱品ごとに工程ごとの化学物
質の使用量を入力することにより、各工程において使用
した量を一括管理することが可能となる。また、組織別
部分の基本情報登録部120のPRTR移動率設定部1
23により、化学物質を含む工程と、各工程について登
録されている化学物質とを一覧表示し、化学物質ごとに
PRTR移動率を設定することにより、化学物質と各々
の移動種別により工程ごとの移動量を把握管理すること
ができる。
【0092】さらに、設定されたPRTR移動率に基づ
き、工程ごとの各移動種別について、化学物質の移動量
を把握管理することができる。特に、組織別部分の基本
情報登録部120の使用取扱品設定部121、使用量計
画設定部122、およびPRTR移動率設定部123に
より、各工程の化学物質情報を組織別に登録することに
より、事業部、部、課、工程単位でPRTR移動量を詳
細に把握し、詳細に管理することができる。
【0093】また、データ入力部130のPRTR移動
量入力部132においては、PRTR移動率設定部12
3により設定されたPRTR移動率と使用量入力部13
1により入力された使用量とに基づいて算出されたPR
TR移動量をデフォルト値として表示するとともに、P
RTR移動率自体についてもデフォルト値として表示す
るため、ユーザは、実際の値がデフォルト値と異なる場
合にのみ、いずれかの値の修正を行えばよい。すなわ
ち、ユーザが、PRTR移動率とPRTR移動率の値の
いずれか一方を修正するだけで、他方の値は自動的に修
正される。
【0094】したがって、本システムにおいて、ユーザ
は、化学物質の各工程での使用量を入力するだけでよ
く、入力された使用量データに基づいてPRTR移動量
が自動的に集計されてデフォルト値が表示されるため、
その値が実際の値と異なる場合にのみ修正を行えばよ
く、PRTR移動量の入力作業が容易である。その上、
PRTR移動量入力に関しては、移動量と移動率の両方
を運用管理者が基づいて容易に管理することができ、実
際の値に基づいてデータを更新することができる。さら
に、PRTR移動率とPRTR移動率の値の整合性が自
動的に常に正しく保たれるため、データの信頼性を向上
できる。なお、移動量、移動率を修正する場合は、通常
実測に基づいて修正するため、修正入力した値を色替え
表示等によりデフォルト値と区別(識別)できるように
したり、コメントを付して修正の履歴を保存するように
すれば、管理の精度や信頼性が向上する。特に移動率の
実測は設備、費用の面から頻繁に行なうことはできない
ので、推定値と実測値を区別できるようにすることは効
果が大きい。
【0095】[集計結果表示の実用性]本システムにお
いては、基本情報登録部110,120とデータ入力部
130で得られたデータを、集計結果表示部140によ
り、PRTR集計として、組織、年月、化学物質毎、組
成単位毎というように、ユーザの必要に応じた条件で適
切に集計表示することができる。特に、報告書設定・出
力部150によれば、官公庁向けの報告書や自主管理の
ための報告書の形式にしたがった報告書をユーザ自身が
容易に設定することができ、その設定した形式で、化学
物質の移動量の集計結果を自由に表示することができ
る。さらに、図23や図24に示すように、表やグラフ
表示等、複数の表示形式を切り換え可能にすることによ
って、集計結果の把握がより容易になり、データの活用
度も高くなる。
【0096】[機能部ごとの利用者認証による利点]ま
た、本システムは、クライアント・サーバ型のシステム
であって、図3に示すように、基本情報管理部101、
入力データ管理部102、および集計結果管理部103
の各々を起動するごとに利用者認証の入力を行う構成で
ある。そのため、異なる業務において、それぞれの担当
者が利用者認証を入力し、必要な機能部のみを起動する
ことができるため、不要な機能部を起動する無駄がな
い。また、環境管理用の機能を分散させながらも、個々
の機能部ごとに利用者認証を行うことによりセキュリテ
ィを向上し、構築したデータベースを保護することがで
きるため、信頼性に優れている。
【0097】[単位の統一による管理の容易化]また、
本システムにおいては、化学物質の単位を統一すること
で管理が容易になるという利点もある。すなわち、取扱
品登録部115において、取扱品登録情報として比重を
加味することにより、すべての化学物質の使用量の単位
を統一することができ、管理が容易になる。また、化学
物質の使用量、使用率の導出にあたっては、登録した取
扱品の単位と比重に基づいて、使用する化学物質の含有
率を容易に算出できる。そして、あらゆる化学物質の使
用量において、含有率を用いて統一した単位での使用量
を算出することが可能である。
【0098】[第1の実施形態の変形例]なお、第1の
実施形態に係るシステム構成を用いて、動作手順のみを
変更することも可能である。以下には、複数の動作手順
について順次説明する。 [機能選択による分散データ処理手順]まず、前述した
ように、本システムは、環境管理の専門知識を有する環
境管理スタッフあるいは環境管理担当者が行うべき業務
に対応した機能部である基本情報管理部101(基本情
報登録部110,120)と、環境管理の専門知識のな
い製造・加工・保管・運搬業務に携わる現場担当者が行
うべき業務に対応した機能部である入力データ管理部1
02(データ入力部130)と、事業管理者が行うべき
記録・報告・改善のための分析業務に対応した機能部で
ある集計結果管理部103(集計結果出力部140およ
び報告書設定・出力部150)とに大きく分割されてい
る。したがって、実際には、機能部ごとに情報を入力あ
るいは出力する担当部署が異なるため、個々の部署で担
当する業務に対応する機能部のみを動作させて分散デー
タ処理を行うことになる。
【0099】図25は、このような分散データ処理を行
う場合の、具体的なメインルーチンを示すフローチャー
トである。この図25に示すように、「基本情報登
録」、「データ入力」、および「集計結果出力」の選択
(S1110,S1120)に応じて、基本情報管理部
101による基本情報登録処理(S1130)、入力デ
ータ管理部102によるデータ入力処理(S114
0)、および集計結果管理部103による集計結果出力
処理(S1150)のいずれか、が行われる。
【0100】図26は、図25中に示される3つの処理
のサブルーチンを示すフローチャートである。図26の
(A)は、基本情報登録処理(S1130)のサブルー
チンを示しており、利用者認証が入力されたことを確認
した場合(S1131のYES)に、基本情報について
の入力支援表示を行い(S1132)、ユーザから取得
した基本情報を入力する(S1133)。図26の
(B)は、データ入力処理(S1140)のサブルーチ
ンを示しており、利用者認証が入力されたことを確認し
た場合(S1141のYES)に、使用量データについ
ての入力支援表示を行い(S1142)、ユーザから取
得した使用量データを入力する(S1143)。図26
の(C)は、集計結果出力処理(S1150)のサブル
ーチンを示しており、利用者認証が入力されたことを確
認した場合(S1151のYES)に、集計結果につい
ての出力支援表示を行い(S1152)、ユーザから取
得した出力条件に応じて排出量・移動量を工程ごとに算
出し(S1153)、排出量・移動量を部門別に集計し
た(S1154)後、集計結果を出力する(S115
5)。なお、S1153の処理は、図26(B)の使用
量データ入力処理(S1143)の後に移しても良い。
【0101】この手順によれば、環境管理用の処理を業
務に応じて分散させながらも、基本情報管理部101、
入力データ管理部102、および集計結果管理部10
3、という個々の機能部ごとに利用者認証を行うことに
よりセキュリティを向上し、構築したデータベースを保
護することができるため、信頼性に優れている。この場
合、機能部に応じて異なる利用者認証を設定すれば、異
なる部署で誤ってデータを変更する等の問題を生じるこ
ともない。また、利用者認証の入力がない場合であって
も、検索・表示については可能とすることも考えられ、
この場合には、構築したデータベースをより広く活用す
ることが可能となる。
【0102】[使用量データ入力優先の分散データ処理
手順]また、本システムにおいて、通常のシステム使用
時には、基本情報の登録処理や集計結果の出力処理に比
べて、使用量データの入力処理は、本質的に最も頻繁に
行うことになる。したがって、本システムの起動時に
は、入力データ管理部102を最初に起動して、作業効
率を向上することが考えられる。図27は、このように
入力データ管理部102を最初に起動して、使用量デー
タの入力処理を直ちに開始する場合のメインルーチンを
示すフローチャートである。この図27に示すように、
利用者認証が入力されたことを確認した場合(S121
0のYES)には、そのまま入力データ管理部102を
起動して使用量データについての入力支援表示を行い
(S1220)、他の機能への分岐が指示されない場合
(S1230のNO)には、使用量データ入力を行う
(S1240)。これに対して、他の機能への分岐が指
示され(S1230のYES)、「基本情報入力」か
「集計結果出力」のいずれかが選択された場合(S12
50)には、選択された機能に応じて、基本情報管理部
101による基本情報登録処理(S1260)、および
集計結果管理部103による集計結果出力処理(S12
70)のいずれかが行われる。
【0103】図28は、図27中に示される2つの処理
のサブルーチンを示すフローチャートである。図28の
(A)は、基本情報登録処理(S1260)のサブルー
チンを示しており、基本情報についての入力支援表示を
行い(S1261)、ユーザから取得した基本情報を入
力する(S1262)。図28の(B)は、集計結果出
力処理(S1270)のサブルーチンを示しており、集
計結果についての出力支援表示を行い(S1271)、
ユーザから取得した出力条件に応じて排出量・移動量を
工程ごとに算出し(S1272)、排出量・移動量を部
門別に集計した(S1273)後、集計結果を出力する
(S1274)。なお、S1272の処理は、図27の
使用量データ入力処理(S1240)の後に移しても良
い。
【0104】この手順によれば、一定以上の基本情報が
登録され、基本情報のデータベースが少なくとも使用量
データの入力処理を行える程度まで構築された後の、通
常のシステムの起動時に、入力データ管理部102を最
初に起動して直ちに使用量データの入力を行うことがで
きる。したがって、図25に示した手順に比べて、機能
選択用の画面切換が不要となる分だけ、使用量データの
入力作業を迅速に開始することができる。このように、
最も頻繁に行うことが予想される使用量データの入力処
理を優先させることで、その作業効率を向上することが
できる。
【0105】[外部データを受け入れる処理手順]本シ
ステムにおいて、外部データの受け入れは、各機能部に
おける入力を誰が行うかによって異なる。ユーザ自体が
自分でプログラムを実行する場合は、法令関連、取扱品
関連情報は、法令や取扱品に関するデータベースを所有
しているサイトや事業者からダウンロードしたり、CD
−ROMなどの媒体にアクセスしたりして、情報を取得
する。これらの情報は常に最新の情報に更新される必要
があることから、ユーザが独自に入力するだけでなく、
外部データにアクセスできることが好ましい。使用量・
保管量のデータについても、外部の在庫ファイルや生産
量ファイルなどにアクセスして、そこからデータを取得
できることが好ましい。
【0106】図29は、このように外部データを受け入
れる場合の処理手順を示すフローチャートである。この
図29に示すように、まず、法令関連情報についての入
力支援表示を行い(S2001)、外部データの受け入
れが必要な場合(S2002のYES)には、外部デー
タにアクセスし(S2003)、法令関連情報を取得し
て入力する(S2004)。法令関連情報をユーザが所
有している場合など、外部データの受け入れが不要な場
合(S2002のNO)には、ユーザから法令関連情報
を取得して入力する(S2004)。
【0107】次に、取扱品関連情報についての入力支援
表示を行い(S2005)、外部データの受け入れが必
要な場合(S2006のYES)には、外部データにア
クセスし(S2007)、取扱品関連情報を取得して入
力する(S2008)。取扱品関連情報をユーザが所有
している場合など、外部データの受け入れが不要な場合
(S2006のNO)には、ユーザから取扱品関連情報
を取得して入力する(S2008)。そして、取得した
取扱品関連情報に基づき、規制物質関連情報を生成・記
憶する(S2009)。
【0108】続いて、使用量・保管量データについての
入力支援表示を行い(S2010)、外部データの受け
入れが必要な場合(S2011のYES)には、外部デ
ータにアクセスし(S2012)、使用量・保管量デー
タを取得して入力する(S2013)。使用量・保管量
データをユーザが所有している場合など、外部データの
受け入れが不要な場合(S2011のNO)には、ユー
ザから使用量・保管量データを取得して入力する(S2
013)。必要な使用量・保管量データの入力が完了す
るまで、S2010〜S2013を繰り返し、使用量・
保管量データの入力完了を判断した(S2014のYE
S)時点で、規制物質の規制量を算出し(S201
5)、算出結果を出力する(S2016)。
【0109】この手順によれば、基本情報と使用量・保
管量データの両方について外部データを利用できるた
め、ユーザは、自らが全くデータを所有していない場合
でも、外部データに適宜アクセスして、規制物質の規制
量の算出結果を効率よく取得することができる。したが
って、システムを大幅に簡略化することができ、経済性
にも優れている。
【0110】一方、プログラムのユーザが、依頼者であ
る第三者に集計結果を提供することも考えられる。すな
わち、法令関連情報、取扱品関連情報、使用量・保管量
データとして、プログラムユーザの所有しているデータ
ではなく、依頼者である第三者の所有するデータを用い
ることが考えられる。この場合、図29に示す外部デー
タは、依頼者である第三者の所有するデータとなり、プ
ログラムユーザは、この外部データに加えて、自己が所
有する各種のデータをそれぞれのステップで入力するこ
とができる。したがって、算出結果は、ユーザのプリン
タやファイル、ディスプレイのような出力装置に出力さ
れるだけでなく、依頼者である第三者に対して、前記の
ような出力形態に加えて、CD−R、CD−ROM、M
Oなどの記憶媒体に記憶した形態で提供されたり、ネッ
トワークを利用して送信されたりすることにより、提供
される。
【0111】[外部データ利用の分散データ処理手順]
また、図29に示した手順においては、基本情報と使用
量・保管量データの両方について外部データを利用した
が、実際には、最も専門的かつ複雑になりやすい法令関
連情報や取扱品関連情報についてのみ外部データを利用
し、事業者名などのユーザに関する情報についてはユー
ザの所有するデータを用いて入力する場合が多いものと
考えられる。また、使用量・保管量データについては、
対応する業務の現場担当者等が入力する場合が多く、集
計結果の出力については、分析・報告業務に関わる事業
管理者等が行うことが多いものと考えられる。
【0112】図30、図31は、このように、一部の基
本情報についてのみ外部データを利用して分散データ処
理を行う場合の処理手順を示すフローチャートであり、
図30は、基本情報登録の処理手順を示しており、図3
1の(A)と(B)は、データ入力および集計結果出力
の処理手順を示している。図30に示すように、基本情
報の登録にあたっては、まず、事業所情報などのユーザ
に関する基本情報についての入力支援表示を行い(S2
101)、ユーザからその所有のデータを取得して、基
本情報として入力する(S2102)。次に、法令関連
情報についての入力支援表示を行い(S2103)、外
部データの受け入れが必要な場合(S2104のYE
S)には、外部データにアクセスし(S2105)、法
令関連情報を取得して入力する(S2106)。法令関
連情報をユーザが所有している場合など、外部データの
受け入れが不要な場合(S2104のNO)には、ユー
ザから法令関連情報を取得して入力する(S210
6)。
【0113】次に、取扱品関連情報についての入力支援
表示を行い(S2107)、外部データの受け入れが必
要な場合(S2108のYES)には、外部データにア
クセスし(S2109)、取扱品関連情報を取得して入
力する(S2110)。取扱品関連情報をユーザが所有
している場合など、外部データの受け入れが不要な場合
(S2109のNO)には、ユーザから取扱品関連情報
を取得して入力する(S2110)。そして、取得した
取扱品関連情報に基づき、規制物質関連情報を生成・記
憶する(S2111)。
【0114】次に、図31の(A)に示すように、使用
量・保管量データの入力にあたっては、使用量・保管量
データについての入力支援表示を行い(S2201)、
ユーザから使用量・保管量データを取得して入力する
(S2202)。また、図31の(B)に示すように、
集計結果の出力にあたっては、集計結果についての出力
支援表示を行い(S2301)、ユーザから取得した出
力条件に応じて規制物質の規制量を算出し(S230
2)、算出結果を出力する(S2303)。なお、S2
302の処理は、図31(A)の使用量・保管量データ
入力処理(S2202)の後に移しても良い。
【0115】この手順によれば、ユーザは、法令関連情
報や取扱品関連情報などの最も専門的かつ複雑になりや
すいデータについてのみ外部データを利用し、事業者名
などのユーザに関する情報については自己所有するデー
タをそのまま用いることができるため、所有するデータ
と外部データとを必要に応じて使い分けながら、効率よ
く基本情報を入力することができる。特に、自己所有す
るデータについてまで外部データにアクセスすること
は、その所有するデータをそのまま入力する場合より時
間を要する場合も多いため、以上のようなデータの使い
分けは、作業効率の向上に確実に貢献できる。さらに、
この手順においては、「基本情報登録」、「データ入
力」、および「集計結果出力」という3種類の処理を完
全に独立させたため、個々の処理を担当する業務におい
て、機能選択などを行う必要なく、直ちに処理を開始で
きるため、作業効率を向上できる。なお、上記において
は、クライアント・サーバ型のシステム構成を前提とし
て説明したが、上記各部(手段)の機能を、例えばイン
ターネット・プロバイダのサーバに集約すれば、複数の
ユーザが端末を通して、本実施の形態のシステムの機能
を利用することが可能になる。一方、スタンド・アロン
型として使用することも可能であることは明白である。
【0116】[第2の実施形態]次に、本発明の第2の
実施形態について説明する。この実施形態は、前記第1
実施形態において説明した環境管理システムを実現する
プログラムをユーザに配信することによって、より広範
にこのシステムを利用可能とすると共に、プログラムの
配布者がその配布によってユーザからプログラム配信に
対する料金を徴収することができるようにしたものであ
る。また、単に環境管理システムを配信するにとどまら
ず、プログラムの使用方法、プログラムの実行によって
得られた計算結果などについて、ユーザが必要とするコ
ンサルタント情報も合わせて配信することができるよう
に構成したものである。
【0117】この第2実施形態において、フレームの配
信元となるサーバには、図32に示すように、ハードウ
ェアとしてのデータ入力装置、データ出力装置、および
データ処理装置と、データ処理装置上で実行されるソフ
トウェアとして構成される入力データ管理部202、デ
ータ処理部203、および出力データ管理部208が設
けられている。前記入力データ管理部202には、プロ
グラムの配信を受ける利用者情報入力部201が設けら
れている。この利用者情報入力部201は、キーボー
ド、マウスなどのデータ入力装置から所定のデータを受
け付けるものであって、この入力されるデータとして
は、プログラムの配信元のサーバに備えられたデータ入
力装置から直接入力されるもの以外に、例えば、配信元
のサーバ上に展開されているWebページなどに通信ネ
ットワークを介してアクセスした他のサーバや端末上の
データ入力装置から送信されたものであっても良いし、
記録媒体によってプログラムの配信元に供給されたもの
でも良い。
【0118】この利用者情報入力部201に入力される
データの内容としては、該ユーザの氏名もしくは名称、
住所もしくは所在地、配信先アドレス、プログラムの管
理対象となる事業所の規模(従業員数、生産高)、業
種、取扱品目、コンサルタント情報の必要の有無、プロ
グラムの配信やコンサルタント情報に対する課金の決済
方法や決済口座、配信されたプログラムに関する同意事
項などから適宜選択される。
【0119】この入力データ管理部202には、プログ
ラムの配信者がコンサルタント情報の提供を希望する場
合に、コンサルタントに必要なデータを配信元のサーバ
に入力するためのデータを入力するためのコンサルタン
ト用データ入力部213が設けられている。このコンサ
ルタント用データは、配信されたプログラムを実行する
ことによって得られた結果について、種々のコンサルタ
ントを行うものであり、例えば、各工程における移動
量、排出量についてコンサルタントをする場合は、これ
らについての工程ごとのデータである。入力データ管理
部202には、コンサルタントの内容を入力するための
コンサルタント情報入力部214が設けられている。す
なわち、本実施形態では、後述するコンサルタント情報
生成・選択部205によって、ユーザに適したコンサル
タント情報を自動生成あるいは選択することができる
が、さらに、人間の判断によって得られるコンサルタン
ト情報についても、ファイルや通信データの形で入力す
ることができるように構成されている。
【0120】配信元のサーバ上には、前記利用者情報入
力部201によって得られたデータを処理するためのデ
ータ処理部203が設けられている。このデータ処理部
203は、利用者適格性判定部204、コンサルタント
情報生成・選択部205、配信用プログラム生成・選択
部206および課金情報生成部207を制御して、配信
に当たって必要とする情報を生成するものである。
【0121】利用者適格性判定部204は、ユーザがプ
ログラムやコンサルタント情報を受けるための要件を備
えているか否かをチェックするためのものであり、例え
ば、ある一定規模以下の事業所では、本発明のような環
境管理システムが要求されない場合などは、利用者情報
からその旨を判定して、ユーザに「プログラムの配信は
不要」との回答するためのデータを生成する。コンサル
タント情報生成・選択部205は、入力された利用者情
報に合わせてコンサルタント情報を生成したり、予め用
意されたコンサルタント情報情報の中から適切なコンサ
ルタント情報を選択する。
【0122】配信用プログラム生成・選択部206は、
配信用プログラムにユーザの規模や事業目的に応じて種
々のバージョンが用意されている場合には、適当なバー
ジョンを選択したり、あるいはオプションやアドインソ
フトを添付したりするなどして、ユーザに適切な配信用
プログラムを生成あるいは選択する。もちろん、用意さ
れている配信用プログラムが1種類の場合には、用意さ
れたプログラムを選択することになる。課金情報生成部
207は、生成あるいは選択された配信用フレームおよ
びコンサルタント情報の配信に関して、予め定められた
料金体系に従って課金を行うための情報を生成する。こ
の場合、入力された利用者情報と配信用プログラムやコ
ンサルタント情報の内容を参照して、いつ頃、どの様な
方法で、どの程度の料金を請求し、どの様に決済する
か、などのユーザに通知するために必要な情報を決定す
る。
【0123】配信元のサーバ上には、さらに、前記のよ
うにして生成あるいは選択された利用者適格性に関する
情報、コンサルタント情報、配信用プログラムおよび課
金情報を、データ出力装置の形態に合わせた出力用デー
タに処理するための出力データ管理部208が設けられ
ている。この出力データ管理部208は、適格性結果出
力部209、コンサルタント情報出力部210、配信プ
ログラム出力部211、および課金情報出力部212を
備えている。ここで、データ出力装置としては、サーバ
自体に設けられたCD−R、CD−RW、MO、DVD
などの記録媒体への書き込み装置で良いし、通信ネット
ワークを介して接続されたユーザの端末上のファイルで
あっても良い。このように、対象となるデータ出力装置
に合わせて、各出力部209〜211が適宜の出力プロ
トコルやデータ形式を選択して、生成あるいは選択され
た前記各情報をデータ出力装置に出力するように構成さ
れている。
【0124】このような構成を有する第2実施形態の動
作を図33に示すフローチャートによって説明する。配
信元のサーバから環境管理システム用のプログラムの配
信を受けようとするユーザは、ネットワークその他の手
段により配信元サーバにアクセスして、入力デ−タ管理
部202に対して必要な利用者情報の入力を行う。この
場合、入力デ−タ管理部202は、まず入力用の画面や
メニューを表示して、ユーザに利用者情報の入力を促す
(S3001)。ユーザは、この入力メニューに従って
その氏名もしくは名称、住所もしくは所在地、および配
信先アドレスなどを含む利用者情報およびコンサルタン
ト要否の情報の入力を行う(S3002)。
【0125】利用者情報の入力が完結すると(S300
2のYES)、利用者適格性判定部204により、ユー
ザに対してプログラムやコンサルタント情報を配信して
良いか否かの判定がなされる。ユーザがプログラムの配
信を受けるのに不適当な場合や、ユーザに適したプログ
ラムやコンサルタント情報が配信元に用意されていない
などの理由で、プログラムの配信を実行できない場合に
は(S3004のNO)、その旨の情報が適格性結果出
力部209から配信不能メッセージとして送信装置など
のデータ出力装置に送られ、ユーザに対して配信不能メ
ッセージが表示される(S3005)。
【0126】ユーザにプログラムの配信を受けるに足る
適格性が判定された場合には(S3004のYES)、
プログラム情報生成・選択部206が利用者情報に適合
した配信用のプログラムを選択あるいは生成して、これ
をプログラム情報出力部211の作用によりデータ出力
装置を用いて、通信ネットワーク上の配信先アドレスや
記録媒体に出力する(S3006)。
【0127】このようにして、プログラムの配信が終了
した後は、利用者情報に、コンサルタント情報の提供が
不要と入力されている場合には(S3007のNO)、
このプログラムの配信に対する対価やその請求に必要な
利用者情報を課金情報として課金情報生成部207で生
成し、配信元サーバに蓄積すると共に、その内容を課金
情報出力部212およびデータ出力装置を通じて、ユー
ザに通知する(S3008)。なお、この課金情報は、
単にユーザに通知するだけでなく、利用者情報に基づい
て、ユーザの銀行口座やクレジットカードから直ちに決
済し、その内容をユーザに通知することもできるし、売
掛金としてユーザの他の課金と共に課金情報生成部20
7に蓄積しておいて、後日に決済を行っても良い。
【0128】一方、コンサルタント情報の提供が要求さ
れている場合には(S3007のYES)、そのユーザ
がコンサルタント情報の提供を希望することを示すフラ
グをセットするなどのコンサルタント情報配信の登録を
行い(S3009)、後日のコンサルタント情報の提供
に備え、処理を終了する。なお、この場合、コンサルタ
ント情報情報提供の期日、提供の方法、対価など、コン
サルタント情報の提供に必要な情報も合わせて登録する
ことができる。また、この配信の登録を行った場合に
は、コンサルタント情報の提供を希望しない場合と同様
に、プログラム配信に対する課金を行っても良いが(S
3010のYES)、プログラム配信の対価をコンサル
タント情報の提供時に徴収することもできる(S301
0のNO)。
【0129】前記のようにして、プログラムの配信を受
けたユーザは、プログラムを実行することにより、前記
第1実施形態で示したような工程ごとの排出量・移動
量、部門別の排出量・移動量、規制物質に関する関連情
報、規制物質の規制量などに関するデータを取得し、こ
れを環境管理に利用する。ところで、前記のフローチャ
ートにおいてステップS3009に示したように、コン
サルタント情報配信の登録がなされた場合には、図34
に示すような処理手順に基づいて、コンサルタント情報
の提供がなされる。
【0130】まず、コンサルタント用データ入力部21
3に対して、コンサルタント依頼情報が入力される(S
4001)。依頼の入力は、配信元サーバに付属した入
力装置から直接コマンドの形で入力されても良いし、通
信ネットワークを通じてユーザの端末から送信されるこ
とにより入力されても良い。このコンサルタント依頼情
報を取得した配信元のサーバは、このユーザが既にコン
サルタント情報の提供を希望者として登録されているか
否かをチェックし、登録されている場合には(S400
2のYES)、提供するコンサルタントのために必要な
データを受け入れるための待機状態となる。登録がない
場合には(S4002のNO)、利用者情報にコンサル
タント情報提供の希望者であることを登録する(S40
03)。
【0131】次に、コンサルタント用データ入力部21
3に対して、配信されたプログラムによって得られたデ
ータなどの、コンサルタント情報を生成するために必要
なデータが入力される(S4004)。このデータも配
信元のサーバの操作者がコマンドやファイルの形で入力
したり、通信ネットワークを利用して使用者の端末から
配信元サーバに入力される。
【0132】このようにコンサルタント用のデータが入
力されると、このデータおよびプログラム配信時に既に
入力されている利用者情報に基づいてコンサルタント情
報の入力、生成、選択がなされる(S4005)。この
場合、コンサルタント情報生成・選択部205により、
そのユーザに適当なコンサルタント情報が自動生成ある
いは選択されたり、データの解析に熟練した人間により
得られたコンサルタント結果がコンサルタント情報入力
部214から入力される。
【0133】このようにして得られたコンサルタント情
報は、コンサルタント情報出力部210によって出力デ
ータに変換処理され、データ出力装置から配信される
(S4006)。このようにしてコンサルタント情報を
提供した場合も、そのための料金を課金情報生成部20
7によって蓄積し、これをユーザに通知する(S400
7)。なお、課金に当たっては、既にプログラム配信に
対して課金が行われているか否かをチェックし(S40
08)、プログラム配信の課金が未了な場合には、その
課金処理を行う(S4009)。
【0134】以上のように、本実施形態によれば、環境
管理システム実行するためのプログラムを簡単な手順で
広範に頒布することができる。しかも、単なる頒布だけ
でなく、頒布したプログラムの実行結果に基づいて、ユ
ーザに対してコンサルタント情報を提供することも可能
であるから、より高度な管理システム構築が可能とな
る。さらに、このようなプログラムの配信やコンサルタ
ント情報の提供に当たって、必要とする利用者情報やコ
ンサルタント用データの入力を、入力支援表示に示され
たアドバイスなどにより適切に、しかも、ネットワーク
その他を利用して簡便に行うことができる点でも有利で
ある。また、利用者情報やコンサルタント用データに基
づいて、配信するプログラムやコンサルタント情報を自
動的に生成あるいは選択するようにしたため、ユーザに
適したプログラムや情報を提供できる利点もある。ま
た、これらのプログラムや情報の対価が、課金データ生
成部207によって生成・蓄積されるので、その後の決
済の自動化も容易である。なお、上記はコンサルタント
情報送信により課金することとしたが、報告(届け出)
先の官庁のアドレスを登録しておき、コンサルタントの
結果問題なしの場合は、報告先のアドレスへ送信し、こ
れにより課金することとしても良い。
【0135】[他の実施形態]なお、本発明は、前述し
た実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内
で他にも多種多様な形態が実施可能である。例えば、基
本情報管理部、入力データ管理部、集計結果管理部、な
どの各機能部の具体的な構成は、自由に変更可能であ
る。例えば、前述した第1の実施形態において、集計結
果出力部と報告書設定・出力部とを単一の機能部として
構成することなども可能である。また、処理手順につい
ても、各フローチャートに示した手順に限らず、実際の
必要に応じて、多様な手順が可能である。
【0136】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
業務内容あるいは入力するデータの性質に応じて、シス
テムを、機能的に、すなわち、基本情報登録、デ−タ入
力、および集計結果出力という機能を単位として分割す
ることにより、入力誤りの削減および効率的なデータ入
力が可能になる。または、工程ごとに化学物質の排出量
・移動量を算出することにより、管理・改善に有効なデ
ータを提供することができる。または、本発明による環
境管理支援システムのプログラムあるいはサービスを複
数のユーザに効率よく提供することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施形態に係る環境管理支
援システムの機器構成を示すブロック図。
【図2】図1に示す環境管理支援システムの全体構成を
示す機能ブロック図。
【図3】図2に示す環境管理支援システムによる動作の
概略を示すフローチャート。
【図4】図3中に示されるPRTR移動量算出処理のサ
ブルーチンを示すフローチャート。
【図5】図2に示す環境管理支援システムにおける各機
能部と情報ファイルとの関係を示すブロック図。
【図6】図2に示す環境管理支援システムの共通部分の
基本情報登録機能における事業所情報登録部による事業
所情報登録用の画面表示を示す説明図。
【図7】図2に示す環境管理支援システムの共通部分の
基本情報登録部における関係法令登録部による関係法令
登録用の画面表示として、法令等登録用の画面表示
(A)と分類登録用の画面表示(B)をそれぞれ示す説
明図。
【図8】図2に示す環境管理支援システムの共通部分の
基本情報登録部における化学物質登録部による化学物質
登録用の画面表示として、化学物質一覧用の画面表示
(A)と化学物質情報入力用の画面表示(B)をそれぞ
れ示す説明図。
【図9】図2に示す環境管理支援システムの共通部分の
基本情報登録部における化学物質登録部による化学物質
登録用の画面表示として、関係法令等設定用の画面表示
(A)とPRTR設定用の画面表示(B)をそれぞれ示
す説明図。
【図10】図2に示す環境管理支援システムの共通部分
の基本情報登録部における組織登録部による組織登録用
の画面表示として、組織名一覧用の画面表示(A)と組
織名入力用の画面表示(B)をそれぞれ示す説明図。
【図11】図2に示す環境管理支援システムの共通部分
の基本情報登録部における取扱品登録部による取扱品登
録用の画面表示として、取扱品一覧用の画面表示(A)
と取扱品情報入力用の画面表示(B)をそれぞれ示す説
明図。
【図12】図2に示す環境管理支援システムの組織別部
分の基本情報登録部における使用取扱品設定部による使
用取扱品設定用の画面表示として、使用取扱品一覧用の
画面表示(A)と使用取扱品設定用の画面表示(B)を
それぞれ示す説明図。
【図13】図2に示す環境管理支援システムの組織別部
分の基本情報登録部における使用量計画設定部による使
用量計画設定用の画面表示を示す説明図。
【図14】図2に示す環境管理支援システムの組織別部
分の基本情報登録部におけるPRTR移動率設定部によ
るPRTR使用率設定用の画面表示を示す説明図。
【図15】図2に示す環境管理支援システムのデータ入
力部における使用量入力部による使用量入力用の画面表
示を示す説明図。
【図16】図2に示す環境管理支援システムのデータ入
力部におけるPRTR移動量入力部によるPRTR移動
量入力用の画面表示を示す説明図。
【図17】図2に示す環境管理支援システムの集計結果
出力部における組織別集計結果表示部による組識別集計
結果表示用の画面表示を示す説明図。
【図18】図2に示す環境管理支援システムの集計結果
出力部における月別集計結果表示部による月別集計結果
表示用の画面表示を示す説明図。
【図19】図2に示す環境管理支援システムの集計結果
出力部における化学物質別集計結果表示部による化学物
質別集計結果表示用の画面表示を示す説明図。
【図20】図2に示す環境管理支援システムの集計結果
出力部におけるPRTR集計結果表示部によるPRTR
集計結果表示用の画面表示を示す説明図。
【図21】図2に示す環境管理支援システムの報告書設
定・出力部における報告書設定部による報告書設定用の
画面表示として、登録報告書一覧用の画面表示(A)と
報告書データ入力用の画面表示(B)をそれぞれ示す説
明図。
【図22】図2に示す環境管理支援システムの報告書設
定・出力部における報告書出力部による報告書出力用の
画面表示を示す説明図。
【図23】図2に示す環境管理支援システムの報告書設
定・出力部における報告書出力部によるPRTR集計結
果表示用の画面表示を示す説明図。
【図24】図23のPRTR集計結果表示内容の一部を
自主管理のためにグラフ表示した場合の画面表示を示す
説明図。
【図25】図2に示す環境管理支援システムによって分
散データ処理を行う場合のメインルーチンを示すフロー
チャート。
【図26】図25中に示される基本情報登録処理のサブ
ルーチン(A)、データ入力処理のサブルーチン
(B)、および集計結果出力処理のサブルーチン(C)
をそれぞれ示すフローチャート。
【図27】図2に示す環境管理支援システムによって使
用量データの入力処理を直ちに開始する場合のメインル
ーチンを示すフローチャート。
【図28】図27中に示される基本情報登録処理のサブ
ルーチン(A)と集計結果出力処理のサブルーチン
(B)をそれぞれ示すフローチャート。
【図29】図2に示す環境管理支援システムによって外
部データを受け入れる場合の処理手順を示すフローチャ
ート。
【図30】図2に示す環境管理支援システムによって一
部の基本情報についてのみ外部データを利用して分散デ
ータ処理を行う場合の基本情報登録の処理手順を示すフ
ローチャート。
【図31】図2に示す環境管理支援システムによって一
部の基本情報についてのみ外部データを利用して分散デ
ータ処理を行う場合のデータ入力の処理手順(A)と集
計結果出力の処理手順(B)をそれぞれ示すフローチャ
ート。
【図32】本発明による第2の実施形態に係る環境管理
支援システムの全体構成を示す機能ブロック図。
【図33】図32に示す環境管理支援システムによる動
作の概略を示すフローチャート。
【図34】図32に示す環境管理支援システムによるコ
ンサルタント情報の提供のための処理手順を示すフロー
チャート。
【符号の説明】 1…環境管理デ−タサーバ 2…環境保全責任者端末 3…環境保全担当者端末 4…関係部門端末端末 5…簡易移動端末装置 6…通信ネットワーク 7…通信手段 8…入出力装置部 9…入力装置 10…表示装置 11…プリンタ 101…基本情報管理部(基本情報登録手段) 102…入力データ管理部(データ入力手段) 103…集計結果管理部(集計結果出力手段) 110…共通部分の基本情報登録部 111…事業所情報登録部 112…関係法令登録部 113…化学物質登録部 114…組織登録部 115…取扱品登録部 120…組織別部分の基本情報登録部 121…使用取扱品設定部 122…使用量計画設定部 123…PRTR移動率設定部 130…データ入力部 131…使用量入力部 132…PRTR移動量入力部 140…集計結果出力部 141…組織別集計結果表示部 142…月別集計結果表示部 143…化学物質別集計結果表示部 144…PRTR集計結果表示部 150…報告書設定・出力部 151…報告書設定部 152…報告書出力部 161〜170…情報ファイル 171…履歴ファイル 180…PRTR移動量計算処理 201…利用者情報入力部 202…入力データ管理部 203…データ処理部 204…利用者適格性判定部 205…コンサルタント情報生成・選択部 206…配信用プログラム生成・選択部 207…課金情報生成部 208…出力データ管理部 209…適格性結果出力部 210…コンサルタント情報出力部 211…配信プログラム出力部 212…課金情報出力部 213…コンサルタント用データ入力部 214…コンサルタント情報入力部 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年3月19日(2001.3.1
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 環境管理支援システムと方法、および
そのためのプログラムを記憶した記憶媒体
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、法規・法令に対応
した規制物質、排水等の環境管理を支援するためのシス
テムに関する。
【0002】
【従来の技術】地球規模での環境問題がクローズアップ
されるに従い、ISO14001の認証の増加や平成4
年の地球サミットで採択されたアジェンダ21に示され
ているように、多種多様な化学物質について様々な手法
により環境対応の適正管理を進めようとする世界的な動
きがある。
【0003】その手法の一つとして、環境汚染物質排出
・移動登録(Pollutant Release and Transfer Registe
r、以下、PRTRと称す)制度が平成11年に発足
し、有害化学物質の使用量の低減に加え、環境保全を目
的とした放出・廃棄などの移動量の低減が求められるよ
うになり、環境管理が重要になってきている。このPR
TR制度は、化学物質を取り扱っている事業者等に対し
ては、生産、製造等において、環境中に排出する化学物
質の量や、その事業所の外に搬出される廃棄物に含まれ
て移動する化学物質の量を日々正確に事業者自らが把握
して、それらの化学物質の管理の改善を図ることと、そ
の把握された化学物質の排出・移動量等の情報を行政官
庁に報告(届け出)することを求めている。
【0004】また、前述したPRTR制度は、潜在的に
有害な物質を幅広く対象とし、そのようなPRTR対象
物質に対する事業者等の対応と行政側の対応との両面か
ら環境保護を図るものである。すなわち、このPRTR
制度は、化学物質を取り扱っている事業者等に対して
は、生産・製造、消費等での工程での環境中に排出する
化学物質の量や、またその事業所の外に搬出される廃棄
物に含まれて移動する化学物質の量を日々正確に事業者
自らが把握して、それらの化学物質の保管や低減等の管
理の改善を図ることと、その把握された化学物質の排出
・移動量等の情報を行政官庁に報告することを求めてい
る。PRTR制度はまた、行政側に対しては、そのよう
に事業者等から報告された化学物質の排出・移動量等の
情報を、行政がまとめて自ら、あるいはその情報に関心
がある者に活用できるように情報公開することを求めて
いる。
【0005】このような製造・生産、消費等の各段階に
おける有害物質の使用量や環境への移動・放出量を低減
するためには、生産・製造を通しての環境管理対策が重
要であり、そのための提案も従来から幾つかなされてい
る。例えば、特開平11−306191号公報に記載の
「法律検索方法および法律検索システム」においては、
製品の適用法例を簡単に検索する方式を提案し、商品名
を入力して適用法令を検索するシステムが提案されてい
る。また、特開平9−319790号公報に記載の「製
品アセスメント評価装置」においては、製品の環境負荷
への低減を行うために、統一した入力フォ−マットを用
いて製品の設計情報を基準の設計情報と比較することに
よりアセスメント評価を行う装置が提案されている。
【0006】化学物質の環境への排出量・移動量の把握
については、運用管理者が、化学物質ごとに使用量のデ
−タを収集しチェックシ−トに記入しておき、報告期日
になると、その使用量データに経験あるいは実測により
求めた一定の排出率・移動率を乗じて、排出量・移動量
を求め、報告書の作成を行っている。最近では、チェッ
クシートに記入する代わりにパーソナルコンピュータ
(以下PCと称す)にデータを入力し、そのデータをも
とに報告書を作成している。しかしながら、PCを使用
しているといっても、データ収集の仕方や報告書の作成
は、事業者あるいは運用管理者の独自の方法で行われて
いるため、必ずしも効率的ではなく、また、収集したデ
ータによっては、それにより報告書の作成は可能であっ
ても、管理・改善につなげるには有効でないとうい問題
がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、化学
物質に関する従来のデータ管理技術は、いまだ開発途上
にあり、単にPCを用いただけのデータ管理は、十分に
機能的とはいえず、化学物質の使用量管理や在庫管理等
の効率を向上するまでに至っていない。
【0008】より詳細に説明すれば、報告書作成のため
には、事業所名、所在地、連絡先等の事業所に関する情
報や、法律により報告が義務づけられている化学物質
(規制物質)名等の法律に関する情報、規制物質の排出
量・移動量を求めるための使用量等のデータの入力が必
要である。一方、これらの情報、データの入力に関わる
部門(担当者)は通常複数である。例えば、事業所に関
する情報や法律に関する情報は、総務部門の担当者が入
力し、使用量等のデータは製造部門の担当者が入力する
ことになる。したがって、これら入力すべき情報やデー
タを混在して扱えるようにすると、例えば、製造部門の
担当者が誤って、総務部門が扱うべき情報を入力してし
まうおそれがあり、入力誤りの可能性が高くなる。さら
に、使用量等のデータは、頻繁に入力する必要があるの
に対し、事業所等のデータは、一度入力すれば、ほとん
ど更新の必要はない。また、報告すべき部門の排出量・
移動量を求めたとしても、これをもとに、例えば、規制
物質の大気への移動量を削減しようとしたとき、どのよ
うな対策を採れば有効か必ずしも明確には分からないと
いう問題もある。これは、取扱品の組み合わせや加工の
順序等により大気への移動率が異なる場合があるため、
部門の使用量から一律に移動量を求めたのでは、環境の
改善に必要なデータとしては不十分だからである。
【0009】したがって、従来の方法で化学物質の管理
を行う場合、2度またはそれ以上に亘ってデータの収
集、入力処理、印刷等の出力作業を行い、製品単位によ
るデ−タの収集および出力作業を行うことが必要になっ
ていた。しかも、デ−タの収集および出力作業は人間系
での作業を行うため、デ−タや結果の書き移し作業が必
要とされ、記入ミスや判定ミス等の人為エラ−および形
骸化等の問題と、法令・法規と化学物質等の対応やデ−
タ収集で熟練した運用管理者でないと正確な化学物質の
判定と管理ができないという問題があった。
【0010】さらに、従来の化学物質管理は、法令・法
規と化学物質の管理との対応に曖昧な点が多く、法令・
法規に準拠した環境管理を目的とした法令遵守を遂行し
ようとしても、化学物質と法令・法規とを対応させて遵
守する判断が複雑で、一意的に該当する法令・法規を対
応させることができず、客観的・総合的に化学物質の排
出・移動量を管理して法律的に判断することは難しかっ
た。
【0011】その上、取扱品の種類が多く、その構成化
学物質の変更や、法令・法規による指定の変更が多いと
いう現状も、法令・法規と化学物質の管理との対応付け
をさらに困難にしている。すなわち、現在、産業上の多
様な要求に基づいて多様な化学物質を含む多様な取扱品
が存在するが、産業上の要求のさらなる多様化に伴っ
て、取扱品の種類もさらに増大しつつある。そして、取
扱品の構成化学物質は、法律の改定や技術の進歩により
頻繁に変更される。また、PRTR対応法で指定されて
いる化学物質は、各国ごとに異なっており、今後も頻繁
に見直しを行う可能性が高い。
【0012】これらの事情から、商品名と適用法令を対
応付けた前述の手法においても、対応付けのためのファ
イル変更を頻繁に行う必要があり、管理が煩雑になる。
また、1事業所で扱う取扱品は比較的限定されているの
に対し、従来技術では、その事業所には全く無関係の化
学物質や法令も含めて巨大なファイルを所有せざるを得
ないため、規模の大きなサーバが必要になる。さらに、
PRTR対応の従来の支援ツールは、報告業務に限定さ
れているものや、入力設定のためには、高度の化学知識
や環境関連法律知識が前提になっているため、製造現場
では利用しにくい。
【0013】本発明は、上記した従来の問題点を改善す
るためになされたものであり、その目的は、業務内容あ
るいは入力するデータの性質に応じて、システムの機能
を分割することにより、入力誤りの削減および効率的な
データ入力を可能とすることにある。また、他の目的
は、工程ごとに化学物質の排出量・移動量を算出するこ
とにより、管理・改善に有効なデータを提供することに
ある。さらに、他の目的は、本発明による環境管理支援
システムのプログラムあるいはサービスを複数のユーザ
に効率よく提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の環境管理支援システムは、基本情報登録、
デ−タ入力、および集計結果出力を個別に実行可能とす
ることにより、化学物質使用量を正確に管理して環境管
理の支援を効率よく行うことができるようにしたもので
ある。
【0015】請求項1に記載の発明は、取扱品に含まれ
ている所定の化学物質の排出量もしくは移動量を算出す
る環境管理支援システムにおいて、取扱品を特定する情
報、取扱品に含まれている所定の化学物質を特定する情
報、および、該化学物質の含有率情報、を含む取扱品に
関する情報を記憶する取扱品登録部と、複数の作業を含
む一または二以上の工程の識別情報を記憶し、前記化学
物質の排出率もしくは移動率情報を前記工程ごとに設定
できる移動率設定部と、を有する基本情報登録手段と、
取扱品の前記工程ごとの使用量データを入力し、この入
力されたデータと前記基本情報登録手段によって記憶さ
れた各情報を用いて取扱品に含まれている前記化学物質
の所定期間の排出量もしくは移動量を前記工程ごとに算
出する使用量入力部と、この算出された排出量もしくは
移動量を修正入力可能とし、修正入力のあった場合は対
応する排出率もしくは移動率情報を修正し、かつ、排出
率もしくは移動率情報を表示させる場合はこの修正され
た排出率もしくは移動率情報については識別可能、ある
いは修正履歴表示を可能にする移動量入力部と、を有す
るデータ入力手段と、前記データ入力手段で算出あるい
は修正された前記化学物質の前記工程ごとの排出量もし
くは移動量情報を出力する手段と、を備えたこと、を特
徴とする。
【0016】請求項4に記載の発明は、請求項1の環境
管理支援システムを、プログラムを記憶した記憶媒体と
いう観点から把握したものであり、取扱品に含まれてい
る所定の化学物質の排出量もしくは移動量を算出するた
めのプログラムを記憶した記憶媒体において、取扱品を
特定する情報、取扱品に含まれている所定の化学物質を
特定する情報、該化学物質の含有率情報、複数の作業を
含む一または二以上の工程の識別情報、および、前記化
学物質の前記工程ごとの排出率もしくは移動率情報を含
む基本情報を入力する処理と、この入力された基本情報
を記憶装置に保存する処理と、取扱品の前記工程ごとの
使用量データを入力する処理と、前記記憶装置に保存さ
れている基本情報を読み出して、この基本情報と前記入
力された使用量データとを用いて取扱品に含まれている
前記化学物質の所定期間の排出量もしくは移動量を前記
工程ごとに算出する処理と、この算出された排出量もし
くは移動量を修正入力可能とし、修正入力のあった場合
は対応する排出率もしくは移動率情報を修正し、かつ、
排出率もしくは移動率情報を表示させる場合はこの修正
された排出率もしくは移動率情報については識別可能、
あるいは修正履歴表示を可能にする処理と、前記処理で
算出あるいは修正された前記化学物質の前記工程ごとの
排出量もしくは移動量情報を出力する処理と、をコンピ
ュータに実行させるためのプログラムを記憶しているこ
と、を特徴とする。
【0017】請求項5に記載の発明は、請求項1の環境
管理支援システムを、算出結果を利用者に提供するため
の方法という観点から把握したものであり、利用者側の
端末と環境管理支援業者側のサーバとを通信ネットワー
クを介して接続したコンピュータシステムを用いて、利
用者の取扱品に含まれている所定の化学物質の排出量も
しくは移動量を算出し、その結果を利用者に提供する環
境管理支援方法において、利用者に対して、取扱品を特
定する情報、取扱品に含まれている所定の化学物質を特
定する情報、該化学物質の含有率情報、複数の作業を含
む一または二以上の工程の識別情報、および、前記化学
物質の前記工程ごとの排出率もしくは移動率情報を含む
基本情報の入力を促す表示を利用者側の端末へ出力させ
るステップと、利用者側の端末に入力された基本情報を
通信ネットワークを介して受信し、前記サーバの記憶装
置に保存するステップと、利用者に対して、取扱品の前
記工程ごとの使用量データの入力を促す表示を利用者側
の端末へ出力させるステップと、利用者側の端末に入力
された使用量データを通信ネットワークを介して受信す
るステップと、この受信した使用量データと前記記憶装
置に保存されている基本情報とを用いて取扱品に含まれ
ている前記化学物質の所定期間の排出量もしくは移動量
を前記工程ごとに算出するステップと、この算出された
排出量もしくは移動量情報を利用者側の端末へ送信する
ステップと、利用者に対して、前記送信された排出量も
しくは移動量情報の修正入力を促す表示を利用者側の端
末へ出力させるステップと、利用者側の端末に入力され
た修正後の排出量もしくは移動量情報を通信ネットワー
クを介して受信するステップと、この受信した排出量も
しくは移動量情報をもとに前記記憶装置に記憶されてい
る対応する排出率もしくは移動率情報を修正するステッ
プと、排出率もしくは移動率情報を利用者側の端末に送
信する場合は、この修正された排出率もしくは移動率情
報については識別可能にして、あるいは修正履歴情報と
共に利用者側の端末に送信するステップと、を有するこ
と、を特徴とする。
【0020】なお、本発明において重要な用語の定義は
次の通りである。「基本情報」は、事業者情報等、頻繁に
更新の必要のない情報を定義する用語であり、使用量デ
ータ等の定期的に入力する情報と区別するために用いて
いる。「登録」は、情報を、半導体メモリ、磁気ディス
ク、バルクメモリ、CD−Rなどの、外部記憶装置ある
いは内部記憶装置へ記憶することを定義する用語であ
る。「使用量データ」、「保管量データ」は、使用量、保管
量そのもののみでなく、実質的に使用量、保管量を算出
できる各種データを含む。「法令」は、法律、命令のほ
か、規則、条例、条約なども含む広い概念である。「規
制量」は、PRTR法における排出量、移動量などの、
法令により、管理、報告の対象となる量を定義する用語
である。「工程」は、一般的な意味において使用するが、
例えば、生産ライン、加工ラインなどにおいては、製造
設備や諸装置の特性、あるいは、作業の順序や段取りの
多少等が規制物質の排出率・移動率に影響を及ぼす可能
性があるため、これらを区別して取扱う趣旨である。し
たがって、工程は、ライン、作業、段取り、その他排出
率・移動率に影響を与える要素を含む概念である。「名
称」は、コード化あるいは、番号化されたものも含む趣
旨である。「算出」は、計算をして求める場合のみなら
ず、テーブルを参照して求める場合など、CPUがメモ
リ等の何がしかのハードウェア資源にアクセスして求め
る場合の全てを含む概念である。「管理番号」は、区分
または管理等のために付す番号であり、世界的な化学物
質の統一コードであるChemical Abstract Service(以
下、CASと称する)コードも含む。
【0021】以上のような請求項1、4および5の発明
によれば、環境管理のための機能を業務に応じて分割し
たことにより、環境管理に関わる個々の業務の作業を単
純化することができる。すなわち、本発明は、環境管理
のために必要な作業が事業所の一部門のみでは完結せ
ず、複数の管理業務に亘っていることに着眼して、シス
テム全体を管理業務ごとに機能分割したものであり、こ
れにより、特に、データの登録作業を単純化することが
できるものである。
【0022】具体的には、環境管理の専門知識を有する
環境管理スタッフあるいは環境管理担当者が行うべき業
務に対応したUI(ユーザインタフェース)機能である
「基本情報の登録」と、環境管理の専門知識のない製造
・加工・保管・運搬業務に携わる現場担当者が行うべき
業務に対応したUI機能である「使用量データまたは保
管量データの入力」と、事業管理者が行うべき記録・報
告・改善のための分析業務に対応したUI機能である
「集計結果の出力」とに大きく分割している。これによ
り、特に、環境管理専門スタッフによる管理用のデータ
ベース構築作業が軽減されるとともに、製造・加工・保
管・運搬業務に携わる現場担当者は、使用量や保管量等
の変動量を入力するだけでよいため、環境管理の専門知
識がない現場担当者でも、比較的簡易に入力設定ができ
る。
【0023】また、化学物質と法令の関係付けを行うデ
ータベースについては、基本情報の登録という形で、ユ
ーザ側で適宜設定できる。このようなオープンなデータ
ベース構成により、ユーザは、ユーザ自らが管理するた
めに必要な最小限の化学物質データや法令データのみを
所有すればよく、膨大なデータファイルを持つ必要はな
くなる。また、複数の国に事業所が散在していても、ユ
ーザ固有のファイルを定義できるので、自主的な管理が
可能になる。さらに、検索機能については、一般的な基
本技術で対応でき、特別な検索機能は必要ない。
【0024】なお、化学物質の受入量、使用量、廃棄量
等は、化学物質を取り扱う部、課等の組織で管理できる
が、PRTRの移動量については、組織の中で使用して
いる製造施設や装置の特性により大気、公共水域、下
水、土壌等の環境への移動率が異なるため、これらに応
じた管理をする必要がある。請求項1、4および5の発
明においては、これらの施設、装置による移動率の差異
に応じた管理をするために、工程ごとに移動量を算出す
る。したがって、これらの発明によれば、ユーザは化学
物質の各工程での使用量を入力するだけでよく、入力さ
れた使用量データに基づいてPRTRの移動量が自動的
に集計される。また、規制物質の排出率・移動率を工程
ごとに設定することにより、その排出率・移動率を用い
て、規制物質の排出量・移動量を容易に算出することが
できるため、工程ごとの規制物質の排出量・移動量の管
理が容易になる。特に、規制物質の排出率・移動率を取
扱品ごとに設定することにより、取扱品ごとに規制物質
の排出量・移動量を詳細に管理することができる。
【0031】さらに、ユーザは、規制物質の排出量・移
動量の実際の値がデフォルト値と一致する場合には値を
入力する必要がなく、実際の値がデフォルト値と異なる
場合にのみ値の修正を行えばよいため、規制物質の排出
量・移動量の入力作業が容易になる。特に、実際の値が
デフォルト値と異なる場合には、ユーザは、排出率・移
動率と排出量・移動量の両方を修正する必要がなく、い
ずれか一方の値を修正するだけで、他方の値は自動的に
修正される。そのため、排出率・移動率と排出量・移動
量との整合性が常に正しく保たれる。
【0025】請求項2に記載の発明は、端末とサーバと
を通信ネットワークを介して接続したコンピュータシス
テムにより、取扱品に含まれている所定の化学物質の排
出量もしくは移動量を算出する環境管理支援システムの
サーバにおいて、取扱品を特定する情報、取扱品に含ま
れている所定の化学物質を特定する情報、および、該化
学物質の含有率情報、を含む取扱品に関する情報を記憶
する取扱品登録部と、複数の作業を含む一または二以上
の工程の識別情報を記憶し、前記化学物質の排出率もし
くは移動率情報を前記工程ごとに設定できる移動率設定
部と、を有する基本情報登録手段と、端末より取扱品の
前記工程ごとの使用量データを入力し、この入力された
データと前記基本情報登録手段によって記憶された各情
報を用いて取扱品に含まれている前記化学物質の所定期
間の排出量もしくは移動量を前記工程ごとに算出する使
用量入力部と、この算出された排出量もしくは移動量を
修正入力可能とし、修正入力のあった場合は対応する排
出率もしくは移動率情報を修正し、かつ、排出率もしく
は移動率情報を表示させる場合はこの修正された排出率
もしくは移動率情報については識別可能、あるいは修正
履歴表示を可能にする移動量入力部と、を有するデータ
入力手段と、前記データ入力手段で算出あるいは修正さ
れた前記化学物質の前記工程ごとの排出量もしくは移動
量情報を出力する手段と、を備え、前記各手段は独立に
起動可能であること、を特徴とする。この構成によれ
ば、異なる業務において、それぞれの担当者が必要な手
段のみを起動することができるため、不要な手段を起動
する無駄がない。また、環境管理用の機能を分散させな
がらも、構築したデータベースを保護することができる
ため、信頼性に優れている。
【0026】請求項3に記載の発明は、請求項2の環境
管理支援システムのサーバにおいて、前記端末は移動端
末装置を含み、前記各手段のうち、少なくとも前記デー
タ入力手段は、前記移動端末装置を用いてデータ入力を
行うように構成されたこと、を特徴とする。この構成に
よれば、製造・加工・保管・運搬業務に携わる現場担当
者が、PCのない現場でも、移動端末装置を用いて容易
にデータ入力を行うことができるため、データ入力の作
業効率を向上することができる。
【0027】請求項6に記載の発明は、利用者側の端末
と環境管理支援業者側のサーバとを通信ネットワークを
介して接続したコンピュータシステムを用いて、利用者
の取扱品に含まれている化学物質のうち法令により管理
もしくは報告の対象となっている規制物質の排出量もし
くは移動量を算出し、その結果を利用者に提供する環境
管理支援方法において、規制物質を特定する情報を含む
法令関連情報を前記サーバの記憶装置に保存するステッ
プと、化学物質を含有する取扱品を特定する情報、その
化学物質を特定する情報、および、該化学物質の含有
率、を含む取扱品関連情報を前記サーバの記憶装置に保
存するステップと、前記各ステップによって保存されて
いる法令関連情報と取扱品関連情報を用いて、化学物質
が規制物質に該当するか否かを判定し、取扱品を特定す
る情報、取扱品に含有されている規制物質を特定する情
報、および該規制物質の含有率とを対応づけて規制物質
関連情報として前記サーバの記憶装置に保存するステッ
プと、複数の作業を含む一または二以上の工程の識別情
報、および、前記工程ごとの規制物質の排出率もしくは
移動率情報を前記サーバの記憶装置に保存するステップ
と、利用者に対して、取扱品の前記工程ごとの使用量デ
ータの入力を促す表示を利用者側の端末へ出力させるス
テップと、利用者側の端末に入力された使用量データを
通信ネットワークを介して受信するステップと、この受
信した使用量データと前記サーバの記憶装置に保存され
ている前記各情報に基づいて、取扱品に含まれている規
制物質の所定期間の排出量もしくは移動量を前記工程ご
とに算出するステップと、この算出された排出量もしく
は移動量情報を利用者側の端末へ送信するステップと、
利用者に対して、前記送信された排出量もしくは移動量
情報の修正入力を促す表示を利用者側の端末へ出力させ
るステップと、利用者側の端末に入力された修正後の排
出量もしくは移動量情報を通信ネットワークを介して受
信するステップと、この受信した排出量もしくは移動量
情報をもとに前記記憶装置に記憶されている対応する排
出率もしくは移動率情報を修正するステップと、排出率
もしくは移動率情報を利用者側の端末に送信する場合
は、この修正された排出率もしくは移動率情報について
は識別可能にして、あるいは修正履歴情報と共に利用者
側の端末に送信するステップと、を有することを特徴と
する。
【0028】この構成によれば、ユーザによって取扱品
の使用量データや保管量データが入力されれば、法令や
取扱品中に含まる規制物質などの必要な基本情報につい
ては別に取得して、自動的に、取扱品に含まれている規
制物質の所定期間の規制量を算出し、その結果を利用者
に提供することができる。したがって、法令に関する専
門知識がないユーザや、取扱品の成分を把握していない
ユーザであっても、その取扱品の使用量データや保管量
データを入力するだけで、規制物質の所定期間の規制量
を算出した結果を容易に取得することができる。この方
法では、固有のデータベースなどがなくても、必要な基
本情報については、別のデータベースなどから取得すれ
ばよいため、サービスを提供するためのシステム構成を
簡略化することができ、実用性が高い。
【0034】請求項7に記載の発明は、請求項5または
6記載の環境管理支援方法において、さらに、前記工程
ごとの排出量データもしくは移動量データに基づくコン
サルタント情報を利用者側の端末に送信するステップを
含むことを特徴とする。この構成によれば、ユーザから
工程ごとの排出量データもしくは移動量データに基づく
コンサルタント情報を利用者に提供することができるた
め、固有のデータベースなどがなくても、必要な基本情
報については、別のデータベースなどから取得すればよ
いため、サービスを提供するためのシステム構成を簡略
化することができ、実用性が高い。
【0038】
【発明の実施の形態】以下には、本発明を適用した実施
形態について、図面にしたがって詳細に説明する。な
お、説明の簡略化の観点から、各図を通して同等の構成
要素には同一の符号を付す。
【0039】[第1の実施形態の構成] [機器構成]図1は、第1の実施形態に係る環境管理支
援システムの機器構成を示すブロック図である。この図
1に示すように、本システムは、クライアント・サ−バ
システムで構成されており、環境管理デ−タサ−バ1
と、複数のクライアントとして、環境保全責任者端末
2、環境保全担当者端末3、関係部門端末端末4、およ
び簡易移動端末装置5が、通信ネットワ−ク6や通信手
段7を介して接続されている。このうち、環境保全責任
者端末2、環境保全担当者端末3、関係部門端末4は、
一台PCあるいは通信ネットワ−クに接続された複数の
PCからそれぞれ構成されている。
【0040】また、環境管理データサーバ1と、複数の
PC2〜4の各々は、入出力装置部8として、環境管理
用のデ−タを入力したり各機能を操作したりするための
入力装置9、出力デ−タ等を表示するための表示装置1
0、および集計結果や報告書を出力するプリンタ11等
を備えている。このうち、入力装置9は、キ−ボ−ドと
マウスを有し、表示装置10の画面を用いて操作やデ−
タ入力のフロ−の選択を行うようになっている。また、
簡易移動端末装置5には、入力装置部や表示装置部が一
体的に組み込まれており、環境管理データサーバ1と
は、無線による通信手段7でつながれている。さらに、
環境管理データサーバ1と、複数のクライアント2〜5
の各々において、データベースDBは、基本情報管理部
(基本情報登録手段)101、入力データ管理部(デー
タ入力手段)102、および集計結果管理部(集計結果
出力手段)103という3つの管理部からなるプログラ
ムを有している。
【0041】[システム構成]図2は、本システムの全
体構成を示す機能ブロック図である。この図2に示すよ
うに、本システムは、基本情報管理部(基本情報登録手
段)101、入力データ管理部(データ入力手段)10
2、および集計結果管理部(集計結果出力手段)103
という3つの管理部からなるプログラムを、データ入力
装置104、データ処理装置105、およびデータ出力
装置106からなるハードウェアにより実行するもので
ある。そして、基本情報管理部101は、共通部分の基
本情報登録部110と組織別部分の基本情報登録部12
0を有し、入力データ管理部102は、データ入力部1
30を有しており、また、集計結果管理部103は、集
計結果出力部140と報告書設定・出力部150を有し
ている。
【0042】より詳細に、共通部分の基本情報登録部1
10は、環境管理の専門知識を有する環境管理スタッフ
の業務に対応させたものである。すなわち、基本情報登
録部110は、少なくとも、化学物質を扱う施設や事業
所に関する情報を登録する事業所情報登録部111と、
対象となる化学物質に関する関係法令等を登録する関係
法令登録部112と、対象となる化学物質に関する情報
を登録する化学物質登録部113と、それらの化学物質
から構成される取扱品(取扱商品)に関する情報を登録
する取扱品登録部115とを有する。そして、取扱品が
製造あるいは加工工程ごとに異なる場合には、組織構成
と組織の最小単位が管理する1ライン以上の「工程」ご
とにその最小単位となる組織名を登録する組織登録部1
14が付加される。
【0043】組織別部分の基本情報登録部120は、組
織登録部114が付加された場合に、組織別の基本情報
を登録するために付加される部分である。この基本情報
登録部120は、各組織の各工程で使用する取扱品を設
定する使用取扱品設定部121と、各組織の工程単位で
取扱品使用量の計画値を設定する使用量計画設定部12
2と、各組織の工程ごとにPRTR対象の化学物質ある
いはPRTR対象を含む化合物の移動率(PRTR移動
率)を設定するPRTR移動率設定部123とを有す
る。
【0044】データ入力部130は、保管・製造・加工
・運搬担当者の業務に対応させたものである。すなわ
ち、データ入力部130は、環境管理の専門知識の有無
に関わらず、担当者が扱っている取扱品の変動量のみを
管理するものであり、取扱品使用量を予め指定した単位
で入力する使用量入力部131と、PRTR移動率を元
に計算されたデフォルト値を用いてPRTR対象の化学
物質あるいはPRTR対象を含む化合物の実際の移動量
(PRTR移動量)を入力するPRTR移動量入力部1
32とを有する。
【0045】集計結果出力部140は、施設または事業
所管理者の管理業務に対応させたものである。すなわ
ち、集計結果出力部140は、データ入力部130によ
って入力された取扱品の使用量データと基本情報登録部
110,120によって登録された基本情報とに基づい
て、取扱品に含まれているPRTR対象の化学物質ある
いはPRTR対象を含む化合物の移動量を算出し、所定
の条件で集計して出力する部分である。この集計結果出
力部140は、組織別の集計結果を表示する組織別集計
結果表示部141と、月別の集計結果を表示する月別集
計結果表示部142と、化学物質別の集計結果を表示す
る化学物質別集計結果表示部143と、組織ごとに所定
期間の集計結果を表示するPRTR集計結果表示部14
4とを有する。
【0046】報告書設定・出力部150は、官公庁向け
の報告書や自主管理のための報告書作成業務に対応させ
たものである。すなわち、報告書設定・出力部150
は、法令などに応じて報告書の出力に関する設定を行う
報告書設定部151と、設定された形式の報告書を出力
する報告書出力部152とを有する。
【0047】[システム動作]図3は、本システムによ
る動作の概略を示すフローチャートであり、図5は、各
機能部110,120,130,140,150と情報
ファイル161〜170との関係を示すブロック図であ
る。以下には、図3および図5を参照しながら、本シス
テムの動作の概要について説明する。
【0048】まず、図3に示すように、利用者認証が入
力されたと判断した場合(S1001のYES)には、
部門の名称、当該部門における一または二以上の工程の
識別名、取扱品名、取扱品に含まれている規制物質の名
称とその含有率、を含む基本情報についての入力支援表
示を行い(S1002)、ユーザから入力された基本情
報を登録する(S1003)。
【0049】S1002,1003においては、共通部
分の基本情報登録部110による基本情報登録処理と組
織別部分の基本情報登録部120による基本情報登録処
理が行われる。すなわち、図5に示すように、共通部分
の基本情報登録部110により、事業所情報、関係法令
情報、化学物質情報、および組織情報が、各情報ファイ
ル161〜164にそれぞれ登録され、さらに、化学物
質情報を用いて得られた取扱品情報が、その取扱品情報
ファイル165に登録される。そして、組織別部分の基
本情報登録部120により、使用取扱品情報がその情報
ファイル166に登録された後、その使用取扱品情報を
用いて得られた使用量計画情報およびPRTR移動率情
報が、各情報ファイル167,168にそれぞれ登録さ
れる。
【0050】図3において利用者認証が入力されたと判
断した場合(S1004のYES)には、工程ごとの取
扱品の使用量データについて入力支援表示を行い(S1
005)、ユーザから承認された使用量データを入力す
る(S1006)。S1005,1006においては、
具体的には、図5に示すように、データ入力部130の
使用量入力部131による使用量入力処理が行われ、取
扱品使用量情報がその情報ファイル169に登録され
る。続いて、使用量データと基本情報に基づいて、取扱
品に含まれているPRTR対象物質の所定期間の排出量
・移動量を工程ごとに算出し(S1007)、算出した
排出量・移動量をデフォルト値として入力支援表示を行
い(S1008)、ユーザがデフォルト値を修正した場
合(S1009のYES)には、移動量を修正して(S
1010)、その修正値を排出量・移動量として確定し
(S1011)、ユーザがデフォルト値を修正せず、そ
のまま承認した場合(S1009のNO)には、そのデ
フォルト値をそのまま排出量・移動量として確定する
(S1011)。
【0051】図5中では、S1007に対応するPRT
R移動量計算処理180が示されている。この処理18
0によって得られ、S1011によって確定された値
は、PRTR移動量情報として、その情報ファイル17
0に登録される。さらに、PRTR移動量情報ファイル
170が更新される度に、その履歴情報が履歴ファイル
171に蓄積される。図4は、図5でのデータ入力部1
30の図2に示すPRTR移動量入力部132によるP
RTR移動量の算出処理(S1007)のサブルーチン
を示すフローチャートである。この図4に示すように、
PRTR移動量入力部132は、取扱品情報ファイル1
65から取扱品に含まれるPRTR対象物質名と含有率
を取り出し(S1021)、取扱品使用量情報ファイル
169から工程ごとの取扱品の使用量を取り出し、この
使用量にPRTR対象物質の含有率を乗じ、工程ごとの
PRTR対象物質の使用量を計算する(S1022)。
PRTR移動量入力部132は、次に、PRTR移動率
情報ファイル168から工程ごとの移動率を取り出し
(S1023)、PRTR対象物質の使用量に工程ごと
の移動率を乗じ、工程ごとのPRTR対象物質の移動量
を計算する(S1024)。
【0052】図3において利用者認証が入力されたと判
断した場合(S1012のYES)には、さらに、算出
した排出量・移動量を各部門の工程について合計する
(S1013)ことにより、規制物質の排出量・移動量
を部門別に集計する。次に、集計結果についての出力支
援表示を行い(S1014)、続いて、ユーザから指定
された条件および形式の集計結果を出力する(S101
5)。S1012〜1015は、集計結果出力部140
による集計結果出力処理に相当する。すなわち、集計結
果出力部140は、図5に示すような、使用量計画情報
ファイル167、取扱品使用量情報ファイル169、お
よびPRTR移動量情報ファイル170の各情報を用い
て、集計結果出力処理を行う。
【0053】なお、図3においては、基本情報の登録処
理、データ入力処理、および集計結果出力処理を一連の
動作として行うように示されているが、この動作順は、
あくまでもデータの利用関係のみを示すにすぎず、実際
の動作順に対応するものではない。実際には、この3種
類の処理は、別の業務における別の作業として分離して
行われる場合が多い。また、図3には記載していない
が、ユーザから報告書出力要求が入力された場合には、
図5に示すように、報告書設定・出力部150による報
告書出力処理が行われる。
【0054】[各機能部の動作]図6〜図24は、各機
能部による管理支援用の各動作について、具体的な個々
の画面表示を示す説明図である。以下には、これらの図
面を参照しながら、共通部分の基本情報登録部110、
組織別部分の基本情報登録部120、データ入力部13
0、集計結果出力部140、および報告書設定・出力部
150の詳細な動作について順次説明する。
【0055】[共通部分の基本情報登録部の動作]前述
したように、共通部分の基本情報登録部110は、環境
管理の専門知識を有する環境管理スタッフの業務に対応
させたものであるため、そのような専門知識を有する環
境管理スタッフに対して、図6〜図11に示すような、
事業所情報登録、関係法令登録、化学物質登録、組織登
録、および取扱品登録を行わせるための各支援表示を行
い、その専門知識を有するスタッフから個々の情報が入
力あるいは指定された場合に、それらの情報を登録す
る。
【0056】図6は、共通部分の基本情報登録部110
における事業所情報登録部111による事業所情報登録
用の画面表示を示す説明図である。図6に示すように、
事業所情報登録部111は、少なくとも、企業・団体
名、所在地、事業内容、責任者あるいは担当者の氏名を
含む連絡先、をユーザに入力させるための支援表示を行
い、ユーザからそれらのデータが入力された場合に、そ
れらのデータを、図5に示すような事業所情報ファイル
161に登録する。なお、これらのデータは、後日、関
係法令に従った報告書作成のための基本データとなる。
さらに、事業所情報登録部111により、以上のような
基本データに加えて、参考情報として、業種や従業員
数、主な取扱品目や自由記載事項などを設定できるよう
にしてもよい。図中の画面表示では、上記の基本データ
を入力させるための欄に加えて、これらの参考情報を入
力させるための欄が例示的に示されている。
【0057】図7は、共通部分の基本情報登録部110
における関係法令登録部112による関係法令登録用の
画面表示を示す説明図である。図7の(A)に示すよう
に、関係法令登録部112は、当該事業所が扱う化学物
質に係わる法律、条例、条約、企業の自主管理規定等の
名称、をユーザに指定させるための支援表示を行い、ユ
ーザから指定された法令等について、それらのデータ
を、図5に示すような関係法令情報ファイル162に登
録する。さらに、関係法令登録部112により、以上の
ような法令等の名称に加えて、図7の(B)に示すよう
に、関係法令の分類情報や略称を設定できるようにして
もよい。
【0058】図8は、共通部分の基本情報登録部110
における化学物質登録部113による化学物質登録用の
画面表示を示す説明図である。図8の(A)および
(B)に示すように、化学物質登録部113は、少なく
とも、当該事業所にて扱う取扱品に含まれる化学物質の
物質名、管理番号またはCASコード、をユーザに指定
させるための支援表示を行い、ユーザから指定されたデ
ータを、図5に示すような化学物質情報ファイル163
に登録する。
【0059】さらに、図9の(A)に示すように、化学
物質登録部113により、対象となる化学物質ごとに、
それを規制している関係法令を複数個対応付けるように
してもよい。この場合、関係法令登録部112によって
予め登録された関係法令の中から対象となる関係法令を
任意に選択するようにしてもよい。また、対象となる化
学物質がPRTR対象である場合は、図9の(B)に示
すように、PRTR対象であるチェックマーク、PRT
R番号、毒性ランク等を登録するようにしてもよい。さ
らに、PRTR対象物質を含む化合物の場合は、PRT
R対象物質とその含有率をPRTR対象物質の一覧より
選択し、設定登録するようにしてもよい。この場合、P
RTR物質一覧は、化学物質登録部113によって登録
した情報の中からPRTR設定されているものだけを抽
出してもよい。そしてまた、図8の(B)に示すよう
に、化学物質登録部113により、参考情報として、化
学式や別名称、任意記載事項等を設定できるようにして
もよい。
【0060】図10、図11は、共通部分の基本情報登
録部110における組織登録部114による組織登録用
の画面表示と、取扱品登録部115による取扱品登録用
の画面表示を示す説明図である。図10の(B)に示す
ように、取扱品が製造あるいは加工工程ごとに異なる場
合には、組織登録部114は、少なくとも、組織構成と
組織の最小単位が管理する1ライン以上の工程ごとにそ
の最小単位となる組織名、をユーザに入力させるための
支援表示を行い、ユーザから入力されたデータを、図5
に示すような組織情報ファイル164に登録する。
【0061】また、図11の(A)に示すように、取扱
品登録部115は、少なくとも、対象とする取扱品に関
する品名、型番または製造元、および取扱品が含有して
いる複数の化学物質名とその含有率、をユーザに入力さ
せるための支援表示を行い、ユーザから入力されたデー
タを、図5に示すような取扱品情報ファイル165に登
録する。この場合、化学物質登録部113によって予め
登録された化学物質の中から対象となる化学物質を任意
に選択することもできる。さらに、図11の(B)に示
すように、取扱品登録部115により、参考情報とし
て、取扱品の物理単位や比重、任意記載事項等を設定で
きるようにしてもよい。
【0062】[組織別部分の基本情報登録部の動作]前
述したように、組織別部分の基本情報登録部120は、
組織登録部114が付加された場合に、組織別の基本情
報を登録するために付加される部分であり、ユーザに対
して、図12〜図14に示すような、使用取扱品設定、
使用量計画設定、およびPRTR移動率設定を行わせる
ための各支援表示を行い、そのユーザから個々の情報が
入力あるいは指定された場合に、それらの情報を登録す
る。
【0063】図12は、組織別部分の基本情報登録部1
20における使用取扱品設定部121による使用取扱品
設定用の画面表示を示す説明図である。図12の(A)
に示すように、使用取扱品設定部121は、少なくと
も、組織の最小単位が管理する工程ごとに使用する取扱
品名、をユーザに入力させるための支援表示を行い、ユ
ーザから入力されたデータを、図5に示すような使用取
扱品情報ファイル166に登録する。また、図12の
(B)に示すように、使用取扱品設定部121によっ
て、対象とする取扱品の使用場所や保管場所、あるい
は、取扱品の型番または製造元を設定できるようにして
もよい。
【0064】図13は、組織別部分の基本情報登録部1
20における使用量計画設定部122による使用量計画
設定用の画面表示を示す説明図である。図13に示すよ
うに、使用量計画設定部122は、組織の最小単位が管
理する工程ごとに使用される取扱品の使用量の単位と計
画値、をユーザに入力させるための支援表示を行い、ユ
ーザから入力されたデータを、図5に示すような使用量
計画情報ファイル167に登録する。
【0065】図14は、組織別部分の基本情報登録部1
20におけるPRTR移動率設定部123によるPRT
R移動率設定用の画面表示を示す説明図である。図14
に示すように、PRTR移動率設定部123は、組織の
最小単位が管理する工程ごとに使用される化学物質の基
本となる移動率、をユーザに入力させるための支援表示
を行い、ユーザから入力されたデータを、図5に示すよ
うなPRTR移動率情報ファイル168に登録する。
【0066】[データ入力部の動作]前述したように、
データ入力部130は、保管・製造・加工・運搬担当者
の業務に対応させたものであるため、そのような担当者
に対して、図15および図16に示すように、使用量入
力およびPRTR移動量入力を行わせるための各支援表
示を行い、その担当者から個々の情報が入力あるいは指
定された場合に、それらの情報を登録する。
【0067】図15、図16は、データ入力部130に
おける使用量入力部131による使用量入力用の画面表
示と、PRTR移動量入力部132によるPRTR移動
量入力用の画面表示を示す説明図である。図15に示す
ように、使用量入力部131は、少なくとも、単位期間
ごとの、かつ、取扱品一品単位での受入量および使用
量、をユーザに入力させるための支援表示を行い、ユー
ザから入力されたデータを、図5に示すような取扱品使
用量情報ファイル169に登録する。
【0068】図16に示すように、PRTR移動量入力
部132は、少なくとも、単位期間ごとの、工程ごとに
使用される化学物質の移動量、をユーザに入力させるた
めの支援表示を行い、ユーザから入力されたデータを、
図5に示すようなPRTR移動量情報ファイル170に
登録する。この場合、PRTR移動量入力部132は、
PRTR移動率設定部123によって設定されたPRT
R移動率を元にPRTR移動量計算処理180(図5)
を行ってPRTR移動量を算出し、得られた値をPRT
R移動量のデフォルト値として画面に表示する。そし
て、このデフォルト値がユーザによって修正された場合
には、その修正された値を実際のPRTR移動量として
登録し、デフォルト値がユーザによって承認された場合
には、そのデフォルト値をそのまま登録する。
【0069】また、PRTR移動量入力部132は、P
RTR移動率設定部123によって設定されたPRTR
移動率についても、デフォルト値として画面に表示し、
ユーザによる修正を可能とする。さらに、表示されたP
RTR移動量とPRTR移動率のいずれか一方が修正さ
れた場合には、その修正された値を元に、他方の値を計
算し直して、自動修正する。したがって、図5に示すよ
うなPRTR移動量ファイル170とPRTR移動率情
報ファイル168の両方が更新されることになる。そし
て、このように、PRTR移動量情報ファイル170と
PRTR移動率情報ファイル168が更新される度に、
その履歴情報が履歴ファイル171に蓄積される。
【0070】[集計結果出力部の動作]前述したよう
に、集計結果出力部140は、施設または事業所管理者
の管理業務に対応させたものであるため、そのような管
理者に対して、組織別集計結果表示、月別集計結果表
示、化学物質別集計結果表示、およびPRTR集計結果
表示という選択肢を支援表示し、選択された表示種別に
応じて、基本情報登録部110,120やデータ入力部
130で得られた情報を集計し、図17〜図20に示す
ように、その結果表示画面を表示する。
【0071】図17は、集計結果出力部140における
組織別集計結果表示部141による組織別集計結果表示
用の画面表示を示す説明図である。この図17に示すよ
うに、組織別集計結果表示部141は、基本情報登録部
110によって登録されている組織レベルや年度の選択
窓を表示し、その選択窓でユーザによって選択された組
織レベル、年度について、化学物質ごとの各月の集計結
果を表示する。
【0072】図18は、集計結果出力部140における
月別集計結果表示部142による月別集計結果表示用の
画面表示を示す説明図である。この図18に示すよう
に、月別集計結果表示部142は、基本情報登録部11
0によって登録されている組織レベルや年月の選択窓を
表示し、その選択窓でユーザによって選択された年月に
ついて、選択された組織レベルにおける化学物質ごとの
各組織の集計結果を表示する。
【0073】図19は、集計結果出力部140における
化学物質別集計結果表示部143による化学物質別集計
結果表示用の画面表示を示す説明図である。この図19
に示すように、化学物質別集計結果表示部143は、基
本情報登録部110によって登録されている組織レベル
と化学物質、および年度の選択窓を表示し、その選択窓
でユーザによって選択された組織レベル、年度につい
て、選択された化学物質の各月の集計結果を表示する。
【0074】また、図17〜図19に示すように、組織
別集計結果表示部141、月別集計結果表示部142、
および化学物質別集計結果表示部143の各々におい
て、「使用量」、「使用量」、「前年−当年使用量」、
「計画−実績使用量」、「受入量−使用量−残量」など
を表示モードとして予め設定しておき、選択窓で選択で
きるようにしてもよい。
【0075】図20は、集計結果出力部140における
PRTR集計結果表示部144によるPRTR集計結果
表示用の画面表示を示す説明図である。この図20に示
すように、PRTR集計結果表示部144は、基本情報
登録部110によって登録されている組織レベルや年月
の選択窓を表示し、その選択窓でユーザによって選択さ
れた組織レベル、年度について、化学物質ごとの各移動
種別の集計結果を表示する。
【0076】[報告書出力部の動作]前述したように、
報告書設定・出力部150は、官公庁向けの報告書や自
主管理のための報告書作成業務に対応させたものである
ため、そのような業務の担当者に対して、図21に示す
ような報告書設定用の支援表示を行って、報告書の書式
設定を可能にするとともに、報告書の選択を支援表示
し、選択された報告書に応じて、図22に示すように、
その報告書画面を表示あるいはプリンタ出力する。
【0077】図21は、報告書設定・出力部150にお
ける報告書設定部151による報告書設定用の画面表示
を示す説明図である。この図21の(B)に示すよう
に、報告書設定部151は、基本情報登録部110によ
って登録されている法令や分類の選択窓を表示し、その
選択窓でユーザによって選択された法令、分類と、ユー
ザによって入力あるいは指定された報告書名などを報告
書設定データとして登録する。
【0078】図22は、報告書設定・出力部150にお
ける報告書出力部152による報告書出力用の画面表示
を示す説明図である。この図22に示すように、報告書
出力部152は、報告書設定部151によって設定され
ている報告書や出力期間、組織レベルの選択窓を表示
し、その選択窓でユーザによって選択された報告書を、
選択された出力期間、組織レベルについて作成し、報告
書として画面表示あるいはプリンタ出力する。
【0079】また、図23に示すように、報告書出力部
152によって、集計結果出力部140の各結果表示部
141〜144による表示内容と同様の報告書を出力す
るようにしてもよい。ここで、図23は、報告書出力部
152によるPRTR集計結果表示の画面表示を示す説
明図である。すなわち、報告書出力部152は、ユーザ
によって報告書としてPRTR集計結果表示が選択され
た場合に、図23に示すように、基本情報登録部110
によって登録されている組織レベルや集計期間の選択窓
を表示し、その選択窓でユーザによって選択された組織
レベル、集計期間について、化学物質ごとの各移動種別
の集計結果を表示する。このような報告書の画面表示に
おいては、表示画面切換用の操作ボタンや印刷実行用の
操作ボタンなどを表示してもよい。図24は、図23の
PRTR集計結果表示内容の一部を自主管理のためにグ
ラフ表示した場合の画面表示を示す説明図である。上記
した各説明において記載した各部(手段)は、コンピュ
ータに実行させることのできるプログラムとして、例え
ば磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどの記録
媒体に書き込んで、各種装置に適用したり、通信媒体に
より、伝送して各種装置に適用することも可能である。
中央演算処理を実現するコンピュータは、記録媒体に記
録されたプログラムを読み、このプログラムによって動
作が制御されることにより、上述した処理を実行する。
【0080】[第1の実施形態の作用・効果]以上のよ
うな構成を有する本実施形態の作用・効果は次の通りで
ある。 [機能の分割による作業の容易化]まず、環境管理のた
めの機能を業務に応じて分割したことにより、環境管理
に関わる個々の業務の作業を単純化することができる。
具体的に、本システムは、環境管理の専門知識を有する
環境管理スタッフあるいは環境管理担当者が行うべき業
務に対応した機能部である基本情報管理部101(基本
情報登録部110,120)と、環境管理の専門知識の
ない製造・加工・保管・運搬業務に携わる現場担当者が
行うべき業務に対応した機能部である入力データ管理部
102(データ入力部130)と、事業管理者が行うべ
き記録・報告・改善のための分析業務に対応した機能部
である集計結果管理部103(集計結果出力部140お
よび報告書設定・出力部150)とに大きく分割されて
いる。
【0081】したがって、環境管理専門スタッフは、複
数種類の基本情報を登録するだけで化学物質と法令の関
係付けを行う管理用のデータベースを構築することがで
きるため、報告書出力に対応した構造の複雑なデータベ
ースを予め構築する場合に比べて、構築作業が大幅に軽
減される。また、製造・加工・保管・運搬業務に携わる
現場担当者は、使用量や保管量等の変動量を入力するだ
けでよいため、環境管理の専門知識がない現場担当者で
も、比較的簡易に入力設定ができる。
【0082】さらに、共通部分の基本情報登録部110
においては、事業所情報登録部111、関連法令登録部
112、化学物質登録部113、取扱品登録部115等
を個別に設け、それぞれ独立に情報を記憶させることが
できる。したがって、一部の情報が不明な場合でも、明
確な情報のみを個別に登録することができるため、個々
の登録作業が単純化され、作業分担も容易になる。特
に、簡易移動端末装置5は、無線によるため、現場での
作業性は良くなるものの、有線に比べ伝送速度が遅くな
る。このため、本実施形態のシステムのように機能分割
し伝送すべきデータ量を低減することにより、応答性能
を向上し、現場での作業時間を削減することができる。
【0083】[法令・法規の遵守に有用なデータベース
の構築]次に、本システムにおいては、化学物質と法令
の関係付けを行うデータベースを容易に構築できるた
め、このデータベースに基づいて、法令・法規を遵守し
た管理が可能となる。すなわち、化学物質管理の法令・
法規について専門的な知識がなくても、それらの法令・
法規を遵守してPRTR対象物質管理や排水管理を行う
ことができる。この場合、化学物質のデ−タベ−スから
化学物質名を選択して入力する方法により、法令・法規
と化学物質とを容易に対応付けることができる。より具
体的には、法令・法規に定められた最大・最小値の管理
や自主管理している管理値等を予め基本情報を登録して
おくことにより、それらの値の管理を容易に行うことが
できる。
【0084】また、共通部分の基本情報登録部110の
化学物質登録部113においては、工程ごとに設定され
た取扱品に関して、化学物質と法規・法令の情報を設定
することにより、工程レベルの化学物質の管理において
も、法規・法令と化学物質を容易に対応付けることがで
きる。さらに、化学物質登録部113においては、PR
TR対象物質だけでなく、化合物中に含まれるPRTR
対象物質についても、化合物中の含有率や関連する法令
を登録することにより、その化合物中のPRTR対象物
質の移動量を容易に把握することができ、法律に準拠し
て管理することができる。
【0085】一方、上記のように、化学物質と法令の関
係付けを行うデータベースについては、基本情報の登録
という形で、ユーザ側で適宜設定できる。このようなオ
ープンなデータベース構成により、ユーザは、ユーザ自
らが管理するために必要な最小限の化学物質データや法
令データのみを所有すればよく、化学物質全般に亘る膨
大なデータファイルを持つ必要はない。また、ユーザの
事業所が複数の国に散在している場合でも、ユーザ固有
のファイルを定義できるので、各国の法令・法規に応じ
た自主的な管理が可能になる。そしてまた、本システム
のデータベースは簡略であるため、検索機能について
は、一般的な基本技術で対応でき、特別な検索機能は必
要ない。
【0086】[組織レベル・工程ごとのPRTR移動量
の管理]なお、前述したように、化学物質の受入量、使
用量、廃棄量等は、化学物質を取り扱う部、課等の組織
で管理できるが、PRTRの移動量については、組織の
中で使用している製造施設や装置の特性により大気、公
共水域、下水、土壌等の環境への移動率が異なるため、
これらに応じた管理をする必要がある。これに対して、
本システムにおいては、組織をさらに階層化し、工程ご
とにPRTR移動量を管理することができる。このよう
な工程ごとの管理は、各工程に含まれる全ての化学物質
の移動量データをデ−タベ−スとして構築可能であるこ
とから実現される。以下には、この点について説明す
る。
【0087】まず、共通部分の基本情報登録部110の
取扱品登録部115により、取扱品中の化学物質の含有
率を登録し、データ入力部130の使用量入力部131
により、化学物質を含む取扱品ごとに工程ごとの化学物
質の使用量を入力することにより、各工程において使用
した量を一括管理することが可能となる。また、組織別
部分の基本情報登録部120のPRTR移動率設定部1
23により、化学物質を含む工程と、各工程について登
録されている化学物質とを一覧表示し、化学物質ごとに
PRTR移動率を設定することにより、化学物質と各々
の移動種別により工程ごとの移動量を把握管理すること
ができる。
【0088】さらに、設定されたPRTR移動率に基づ
き、工程ごとの各移動種別について、化学物質の移動量
を把握管理することができる。特に、組織別部分の基本
情報登録部120の使用取扱品設定部121、使用量計
画設定部122、およびPRTR移動率設定部123に
より、各工程の化学物質情報を組織別に登録することに
より、事業部、部、課、工程単位でPRTR移動量を詳
細に把握し、詳細に管理することができる。
【0089】また、データ入力部130のPRTR移動
量入力部132においては、PRTR移動率設定部12
3により設定されたPRTR移動率と使用量入力部13
1により入力された使用量とに基づいて算出されたPR
TR移動量をデフォルト値として表示するとともに、P
RTR移動率自体についてもデフォルト値として表示す
るため、ユーザは、実際の値がデフォルト値と異なる場
合にのみ、いずれかの値の修正を行えばよい。すなわ
ち、ユーザが、PRTR移動率とPRTR移動率の値の
いずれか一方を修正するだけで、他方の値は自動的に修
正される。
【0090】したがって、本システムにおいて、ユーザ
は、化学物質の各工程での使用量を入力するだけでよ
く、入力された使用量データに基づいてPRTR移動量
が自動的に集計されてデフォルト値が表示されるため、
その値が実際の値と異なる場合にのみ修正を行えばよ
く、PRTR移動量の入力作業が容易である。その上、
PRTR移動量入力に関しては、移動量と移動率の両方
を運用管理者が基づいて容易に管理することができ、実
際の値に基づいてデータを更新することができる。さら
に、PRTR移動率とPRTR移動率の値の整合性が自
動的に常に正しく保たれるため、データの信頼性を向上
できる。なお、移動量、移動率を修正する場合は、通常
実測に基づいて修正するため、修正入力した値を色替え
表示等によりデフォルト値と区別(識別)できるように
したり、コメントを付して修正の履歴を保存するように
すれば、管理の精度や信頼性が向上する。特に移動率の
実測は設備、費用の面から頻繁に行なうことはできない
ので、推定値と実測値を区別できるようにすることは効
果が大きい。
【0091】[集計結果表示の実用性]本システムにお
いては、基本情報登録部110,120とデータ入力部
130で得られたデータを、集計結果表示部140によ
り、PRTR集計として、組織、年月、化学物質毎、組
成単位毎というように、ユーザの必要に応じた条件で適
切に集計表示することができる。特に、報告書設定・出
力部150によれば、官公庁向けの報告書や自主管理の
ための報告書の形式にしたがった報告書をユーザ自身が
容易に設定することができ、その設定した形式で、化学
物質の移動量の集計結果を自由に表示することができ
る。さらに、図23や図24に示すように、表やグラフ
表示等、複数の表示形式を切り換え可能にすることによ
って、集計結果の把握がより容易になり、データの活用
度も高くなる。
【0092】[機能部ごとの利用者認証による利点]ま
た、本システムは、クライアント・サーバ型のシステム
であって、図3に示すように、基本情報管理部101、
入力データ管理部102、および集計結果管理部103
の各々を起動するごとに利用者認証の入力を行う構成で
ある。そのため、異なる業務において、それぞれの担当
者が利用者認証を入力し、必要な機能部のみを起動する
ことができるため、不要な機能部を起動する無駄がな
い。また、環境管理用の機能を分散させながらも、個々
の機能部ごとに利用者認証を行うことによりセキュリテ
ィを向上し、構築したデータベースを保護することがで
きるため、信頼性に優れている。
【0093】[単位の統一による管理の容易化]また、
本システムにおいては、化学物質の単位を統一すること
で管理が容易になるという利点もある。すなわち、取扱
品登録部115において、取扱品登録情報として比重を
加味することにより、すべての化学物質の使用量の単位
を統一することができ、管理が容易になる。また、化学
物質の使用量、使用率の導出にあたっては、登録した取
扱品の単位と比重に基づいて、使用する化学物質の含有
率を容易に算出できる。そして、あらゆる化学物質の使
用量において、含有率を用いて統一した単位での使用量
を算出することが可能である。
【0094】[第1の実施形態の変形例]なお、第1の
実施形態に係るシステム構成を用いて、動作手順のみを
変更することも可能である。以下には、複数の動作手順
について順次説明する。 [機能選択による分散データ処理手順]まず、前述した
ように、本システムは、環境管理の専門知識を有する環
境管理スタッフあるいは環境管理担当者が行うべき業務
に対応した機能部である基本情報管理部101(基本情
報登録部110,120)と、環境管理の専門知識のな
い製造・加工・保管・運搬業務に携わる現場担当者が行
うべき業務に対応した機能部である入力データ管理部1
02(データ入力部130)と、事業管理者が行うべき
記録・報告・改善のための分析業務に対応した機能部で
ある集計結果管理部103(集計結果出力部140およ
び報告書設定・出力部150)とに大きく分割されてい
る。したがって、実際には、機能部ごとに情報を入力あ
るいは出力する担当部署が異なるため、個々の部署で担
当する業務に対応する機能部のみを動作させて分散デー
タ処理を行うことになる。
【0095】図25は、このような分散データ処理を行
う場合の、具体的なメインルーチンを示すフローチャー
トである。この図25に示すように、「基本情報登
録」、「データ入力」、および「集計結果出力」の選択
(S1110,S1120)に応じて、基本情報管理部
101による基本情報登録処理(S1130)、入力デ
ータ管理部102によるデータ入力処理(S114
0)、および集計結果管理部103による集計結果出力
処理(S1150)のいずれか、が行われる。
【0096】図26は、図25中に示される3つの処理
のサブルーチンを示すフローチャートである。図26の
(A)は、基本情報登録処理(S1130)のサブルー
チンを示しており、利用者認証が入力されたことを確認
した場合(S1131のYES)に、基本情報について
の入力支援表示を行い(S1132)、ユーザから取得
した基本情報を入力する(S1133)。図26の
(B)は、データ入力処理(S1140)のサブルーチ
ンを示しており、利用者認証が入力されたことを確認し
た場合(S1141のYES)に、使用量データについ
ての入力支援表示を行い(S1142)、ユーザから取
得した使用量データを入力する(S1143)。図26
の(C)は、集計結果出力処理(S1150)のサブル
ーチンを示しており、利用者認証が入力されたことを確
認した場合(S1151のYES)に、集計結果につい
ての出力支援表示を行い(S1152)、ユーザから取
得した出力条件に応じて排出量・移動量を工程ごとに算
出し(S1153)、排出量・移動量を部門別に集計し
た(S1154)後、集計結果を出力する(S115
5)。なお、S1153の処理は、図26(B)の使用
量データ入力処理(S1143)の後に移しても良い。
【0097】この手順によれば、環境管理用の処理を業
務に応じて分散させながらも、基本情報管理部101、
入力データ管理部102、および集計結果管理部10
3、という個々の機能部ごとに利用者認証を行うことに
よりセキュリティを向上し、構築したデータベースを保
護することができるため、信頼性に優れている。この場
合、機能部に応じて異なる利用者認証を設定すれば、異
なる部署で誤ってデータを変更する等の問題を生じるこ
ともない。また、利用者認証の入力がない場合であって
も、検索・表示については可能とすることも考えられ、
この場合には、構築したデータベースをより広く活用す
ることが可能となる。
【0098】[使用量データ入力優先の分散データ処理
手順]また、本システムにおいて、通常のシステム使用
時には、基本情報の登録処理や集計結果の出力処理に比
べて、使用量データの入力処理は、本質的に最も頻繁に
行うことになる。したがって、本システムの起動時に
は、入力データ管理部102を最初に起動して、作業効
率を向上することが考えられる。図27は、このように
入力データ管理部102を最初に起動して、使用量デー
タの入力処理を直ちに開始する場合のメインルーチンを
示すフローチャートである。この図27に示すように、
利用者認証が入力されたことを確認した場合(S121
0のYES)には、そのまま入力データ管理部102を
起動して使用量データについての入力支援表示を行い
(S1220)、他の機能への分岐が指示されない場合
(S1230のNO)には、使用量データ入力を行う
(S1240)。これに対して、他の機能への分岐が指
示され(S1230のYES)、「基本情報入力」か
「集計結果出力」のいずれかが選択された場合(S12
50)には、選択された機能に応じて、基本情報管理部
101による基本情報登録処理(S1260)、および
集計結果管理部103による集計結果出力処理(S12
70)のいずれかが行われる。
【0099】図28は、図27中に示される2つの処理
のサブルーチンを示すフローチャートである。図28の
(A)は、基本情報登録処理(S1260)のサブルー
チンを示しており、基本情報についての入力支援表示を
行い(S1261)、ユーザから取得した基本情報を入
力する(S1262)。図28の(B)は、集計結果出
力処理(S1270)のサブルーチンを示しており、集
計結果についての出力支援表示を行い(S1271)、
ユーザから取得した出力条件に応じて排出量・移動量を
工程ごとに算出し(S1272)、排出量・移動量を部
門別に集計した(S1273)後、集計結果を出力する
(S1274)。なお、S1272の処理は、図27の
使用量データ入力処理(S1240)の後に移しても良
い。
【0100】この手順によれば、一定以上の基本情報が
登録され、基本情報のデータベースが少なくとも使用量
データの入力処理を行える程度まで構築された後の、通
常のシステムの起動時に、入力データ管理部102を最
初に起動して直ちに使用量データの入力を行うことがで
きる。したがって、図25に示した手順に比べて、機能
選択用の画面切換が不要となる分だけ、使用量データの
入力作業を迅速に開始することができる。このように、
最も頻繁に行うことが予想される使用量データの入力処
理を優先させることで、その作業効率を向上することが
できる。
【0101】[外部データを受け入れる処理手順]本シ
ステムにおいて、外部データの受け入れは、各機能部に
おける入力を誰が行うかによって異なる。ユーザ自体が
自分でプログラムを実行する場合は、法令関連、取扱品
関連情報は、法令や取扱品に関するデータベースを所有
しているサイトや事業者からダウンロードしたり、CD
−ROMなどの媒体にアクセスしたりして、情報を取得
する。これらの情報は常に最新の情報に更新される必要
があることから、ユーザが独自に入力するだけでなく、
外部データにアクセスできることが好ましい。使用量・
保管量のデータについても、外部の在庫ファイルや生産
量ファイルなどにアクセスして、そこからデータを取得
できることが好ましい。
【0102】図29は、このように外部データを受け入
れる場合の処理手順を示すフローチャートである。この
図29に示すように、まず、法令関連情報についての入
力支援表示を行い(S2001)、外部データの受け入
れが必要な場合(S2002のYES)には、外部デー
タにアクセスし(S2003)、法令関連情報を取得し
て入力する(S2004)。法令関連情報をユーザが所
有している場合など、外部データの受け入れが不要な場
合(S2002のNO)には、ユーザから法令関連情報
を取得して入力する(S2004)。
【0103】次に、取扱品関連情報についての入力支援
表示を行い(S2005)、外部データの受け入れが必
要な場合(S2006のYES)には、外部データにア
クセスし(S2007)、取扱品関連情報を取得して入
力する(S2008)。取扱品関連情報をユーザが所有
している場合など、外部データの受け入れが不要な場合
(S2006のNO)には、ユーザから取扱品関連情報
を取得して入力する(S2008)。そして、取得した
取扱品関連情報に基づき、規制物質関連情報を生成・記
憶する(S2009)。
【0104】続いて、使用量・保管量データについての
入力支援表示を行い(S2010)、外部データの受け
入れが必要な場合(S2011のYES)には、外部デ
ータにアクセスし(S2012)、使用量・保管量デー
タを取得して入力する(S2013)。使用量・保管量
データをユーザが所有している場合など、外部データの
受け入れが不要な場合(S2011のNO)には、ユー
ザから使用量・保管量データを取得して入力する(S2
013)。必要な使用量・保管量データの入力が完了す
るまで、S2010〜S2013を繰り返し、使用量・
保管量データの入力完了を判断した(S2014のYE
S)時点で、規制物質の規制量を算出し(S201
5)、算出結果を出力する(S2016)。
【0105】この手順によれば、基本情報と使用量・保
管量データの両方について外部データを利用できるた
め、ユーザは、自らが全くデータを所有していない場合
でも、外部データに適宜アクセスして、規制物質の規制
量の算出結果を効率よく取得することができる。したが
って、システムを大幅に簡略化することができ、経済性
にも優れている。
【0106】一方、プログラムのユーザが、依頼者であ
る第三者に集計結果を提供することも考えられる。すな
わち、法令関連情報、取扱品関連情報、使用量・保管量
データとして、プログラムユーザの所有しているデータ
ではなく、依頼者である第三者の所有するデータを用い
ることが考えられる。この場合、図29に示す外部デー
タは、依頼者である第三者の所有するデータとなり、プ
ログラムユーザは、この外部データに加えて、自己が所
有する各種のデータをそれぞれのステップで入力するこ
とができる。したがって、算出結果は、ユーザのプリン
タやファイル、ディスプレイのような出力装置に出力さ
れるだけでなく、依頼者である第三者に対して、前記の
ような出力形態に加えて、CD−R、CD−ROM、M
Oなどの記憶媒体に記憶した形態で提供されたり、ネッ
トワークを利用して送信されたりすることにより、提供
される。
【0107】[外部データ利用の分散データ処理手順]
また、図29に示した手順においては、基本情報と使用
量・保管量データの両方について外部データを利用した
が、実際には、最も専門的かつ複雑になりやすい法令関
連情報や取扱品関連情報についてのみ外部データを利用
し、事業者名などのユーザに関する情報についてはユー
ザの所有するデータを用いて入力する場合が多いものと
考えられる。また、使用量・保管量データについては、
対応する業務の現場担当者等が入力する場合が多く、集
計結果の出力については、分析・報告業務に関わる事業
管理者等が行うことが多いものと考えられる。
【0108】図30、図31は、このように、一部の基
本情報についてのみ外部データを利用して分散データ処
理を行う場合の処理手順を示すフローチャートであり、
図30は、基本情報登録の処理手順を示しており、図3
1の(A)と(B)は、データ入力および集計結果出力
の処理手順を示している。図30に示すように、基本情
報の登録にあたっては、まず、事業所情報などのユーザ
に関する基本情報についての入力支援表示を行い(S2
101)、ユーザからその所有のデータを取得して、基
本情報として入力する(S2102)。次に、法令関連
情報についての入力支援表示を行い(S2103)、外
部データの受け入れが必要な場合(S2104のYE
S)には、外部データにアクセスし(S2105)、法
令関連情報を取得して入力する(S2106)。法令関
連情報をユーザが所有している場合など、外部データの
受け入れが不要な場合(S2104のNO)には、ユー
ザから法令関連情報を取得して入力する(S210
6)。
【0109】次に、取扱品関連情報についての入力支援
表示を行い(S2107)、外部データの受け入れが必
要な場合(S2108のYES)には、外部データにア
クセスし(S2109)、取扱品関連情報を取得して入
力する(S2110)。取扱品関連情報をユーザが所有
している場合など、外部データの受け入れが不要な場合
(S2109のNO)には、ユーザから取扱品関連情報
を取得して入力する(S2110)。そして、取得した
取扱品関連情報に基づき、規制物質関連情報を生成・記
憶する(S2111)。
【0110】次に、図31の(A)に示すように、使用
量・保管量データの入力にあたっては、使用量・保管量
データについての入力支援表示を行い(S2201)、
ユーザから使用量・保管量データを取得して入力する
(S2202)。また、図31の(B)に示すように、
集計結果の出力にあたっては、集計結果についての出力
支援表示を行い(S2301)、ユーザから取得した出
力条件に応じて規制物質の規制量を算出し(S230
2)、算出結果を出力する(S2303)。なお、S2
302の処理は、図31(A)の使用量・保管量データ
入力処理(S2202)の後に移しても良い。
【0111】この手順によれば、ユーザは、法令関連情
報や取扱品関連情報などの最も専門的かつ複雑になりや
すいデータについてのみ外部データを利用し、事業者名
などのユーザに関する情報については自己所有するデー
タをそのまま用いることができるため、所有するデータ
と外部データとを必要に応じて使い分けながら、効率よ
く基本情報を入力することができる。特に、自己所有す
るデータについてまで外部データにアクセスすること
は、その所有するデータをそのまま入力する場合より時
間を要する場合も多いため、以上のようなデータの使い
分けは、作業効率の向上に確実に貢献できる。さらに、
この手順においては、「基本情報登録」、「データ入
力」、および「集計結果出力」という3種類の処理を完
全に独立させたため、個々の処理を担当する業務におい
て、機能選択などを行う必要なく、直ちに処理を開始で
きるため、作業効率を向上できる。なお、上記において
は、クライアント・サーバ型のシステム構成を前提とし
て説明したが、上記各部(手段)の機能を、例えばイン
ターネット・プロバイダのサーバに集約すれば、複数の
ユーザが端末を通して、本実施の形態のシステムの機能
を利用することが可能になる。一方、スタンド・アロン
型として使用することも可能であることは明白である。
【0112】[第2の実施形態]次に、本発明の第2の
実施形態について説明する。この実施形態は、前記第1
実施形態において説明した環境管理システムを実現する
プログラムをユーザに配信することによって、より広範
にこのシステムを利用可能とすると共に、プログラムの
配布者がその配布によってユーザからプログラム配信に
対する料金を徴収することができるようにしたものであ
る。また、単に環境管理システムを配信するにとどまら
ず、プログラムの使用方法、プログラムの実行によって
得られた計算結果などについて、ユーザが必要とするコ
ンサルタント情報も合わせて配信することができるよう
に構成したものである。
【0113】この第2実施形態において、フレームの配
信元となるサーバには、図32に示すように、ハードウ
ェアとしてのデータ入力装置、データ出力装置、および
データ処理装置と、データ処理装置上で実行されるソフ
トウェアとして構成される入力データ管理部202、デ
ータ処理部203、および出力データ管理部208が設
けられている。前記入力データ管理部202には、プロ
グラムの配信を受ける利用者情報入力部201が設けら
れている。この利用者情報入力部201は、キーボー
ド、マウスなどのデータ入力装置から所定のデータを受
け付けるものであって、この入力されるデータとして
は、プログラムの配信元のサーバに備えられたデータ入
力装置から直接入力されるもの以外に、例えば、配信元
のサーバ上に展開されているWebページなどに通信ネ
ットワークを介してアクセスした他のサーバや端末上の
データ入力装置から送信されたものであっても良いし、
記録媒体によってプログラムの配信元に供給されたもの
でも良い。
【0114】この利用者情報入力部201に入力される
データの内容としては、該ユーザの氏名もしくは名称、
住所もしくは所在地、配信先アドレス、プログラムの管
理対象となる事業所の規模(従業員数、生産高)、業
種、取扱品目、コンサルタント情報の必要の有無、プロ
グラムの配信やコンサルタント情報に対する課金の決済
方法や決済口座、配信されたプログラムに関する同意事
項などから適宜選択される。
【0115】この入力データ管理部202には、プログ
ラムの配信者がコンサルタント情報の提供を希望する場
合に、コンサルタントに必要なデータを配信元のサーバ
に入力するためのデータを入力するためのコンサルタン
ト用データ入力部213が設けられている。このコンサ
ルタント用データは、配信されたプログラムを実行する
ことによって得られた結果について、種々のコンサルタ
ントを行うものであり、例えば、各工程における移動
量、排出量についてコンサルタントをする場合は、これ
らについての工程ごとのデータである。入力データ管理
部202には、コンサルタントの内容を入力するための
コンサルタント情報入力部214が設けられている。す
なわち、本実施形態では、後述するコンサルタント情報
生成・選択部205によって、ユーザに適したコンサル
タント情報を自動生成あるいは選択することができる
が、さらに、人間の判断によって得られるコンサルタン
ト情報についても、ファイルや通信データの形で入力す
ることができるように構成されている。
【0116】配信元のサーバ上には、前記利用者情報入
力部201によって得られたデータを処理するためのデ
ータ処理部203が設けられている。このデータ処理部
203は、利用者適格性判定部204、コンサルタント
情報生成・選択部205、配信用プログラム生成・選択
部206および課金情報生成部207を制御して、配信
に当たって必要とする情報を生成するものである。
【0117】利用者適格性判定部204は、ユーザがプ
ログラムやコンサルタント情報を受けるための要件を備
えているか否かをチェックするためのものであり、例え
ば、ある一定規模以下の事業所では、本発明のような環
境管理システムが要求されない場合などは、利用者情報
からその旨を判定して、ユーザに「プログラムの配信は
不要」との回答するためのデータを生成する。コンサル
タント情報生成・選択部205は、入力された利用者情
報に合わせてコンサルタント情報を生成したり、予め用
意されたコンサルタント情報情報の中から適切なコンサ
ルタント情報を選択する。
【0118】配信用プログラム生成・選択部206は、
配信用プログラムにユーザの規模や事業目的に応じて種
々のバージョンが用意されている場合には、適当なバー
ジョンを選択したり、あるいはオプションやアドインソ
フトを添付したりするなどして、ユーザに適切な配信用
プログラムを生成あるいは選択する。もちろん、用意さ
れている配信用プログラムが1種類の場合には、用意さ
れたプログラムを選択することになる。課金情報生成部
207は、生成あるいは選択された配信用フレームおよ
びコンサルタント情報の配信に関して、予め定められた
料金体系に従って課金を行うための情報を生成する。こ
の場合、入力された利用者情報と配信用プログラムやコ
ンサルタント情報の内容を参照して、いつ頃、どの様な
方法で、どの程度の料金を請求し、どの様に決済する
か、などのユーザに通知するために必要な情報を決定す
る。
【0119】配信元のサーバ上には、さらに、前記のよ
うにして生成あるいは選択された利用者適格性に関する
情報、コンサルタント情報、配信用プログラムおよび課
金情報を、データ出力装置の形態に合わせた出力用デー
タに処理するための出力データ管理部208が設けられ
ている。この出力データ管理部208は、適格性結果出
力部209、コンサルタント情報出力部210、配信プ
ログラム出力部211、および課金情報出力部212を
備えている。ここで、データ出力装置としては、サーバ
自体に設けられたCD−R、CD−RW、MO、DVD
などの記録媒体への書き込み装置で良いし、通信ネット
ワークを介して接続されたユーザの端末上のファイルで
あっても良い。このように、対象となるデータ出力装置
に合わせて、各出力部209〜211が適宜の出力プロ
トコルやデータ形式を選択して、生成あるいは選択され
た前記各情報をデータ出力装置に出力するように構成さ
れている。
【0120】このような構成を有する第2実施形態の動
作を図33に示すフローチャートによって説明する。配
信元のサーバから環境管理システム用のプログラムの配
信を受けようとするユーザは、ネットワークその他の手
段により配信元サーバにアクセスして、入力デ−タ管理
部202に対して必要な利用者情報の入力を行う。この
場合、入力デ−タ管理部202は、まず入力用の画面や
メニューを表示して、ユーザに利用者情報の入力を促す
(S3001)。ユーザは、この入力メニューに従って
その氏名もしくは名称、住所もしくは所在地、および配
信先アドレスなどを含む利用者情報およびコンサルタン
ト要否の情報の入力を行う(S3002)。
【0121】利用者情報の入力が完結すると(S300
2のYES)、利用者適格性判定部204により、ユー
ザに対してプログラムやコンサルタント情報を配信して
良いか否かの判定がなされる。ユーザがプログラムの配
信を受けるのに不適当な場合や、ユーザに適したプログ
ラムやコンサルタント情報が配信元に用意されていない
などの理由で、プログラムの配信を実行できない場合に
は(S3004のNO)、その旨の情報が適格性結果出
力部209から配信不能メッセージとして送信装置など
のデータ出力装置に送られ、ユーザに対して配信不能メ
ッセージが表示される(S3005)。
【0122】ユーザにプログラムの配信を受けるに足る
適格性が判定された場合には(S3004のYES)、
プログラム情報生成・選択部206が利用者情報に適合
した配信用のプログラムを選択あるいは生成して、これ
をプログラム情報出力部211の作用によりデータ出力
装置を用いて、通信ネットワーク上の配信先アドレスや
記録媒体に出力する(S3006)。
【0123】このようにして、プログラムの配信が終了
した後は、利用者情報に、コンサルタント情報の提供が
不要と入力されている場合には(S3007のNO)、
このプログラムの配信に対する対価やその請求に必要な
利用者情報を課金情報として課金情報生成部207で生
成し、配信元サーバに蓄積すると共に、その内容を課金
情報出力部212およびデータ出力装置を通じて、ユー
ザに通知する(S3008)。なお、この課金情報は、
単にユーザに通知するだけでなく、利用者情報に基づい
て、ユーザの銀行口座やクレジットカードから直ちに決
済し、その内容をユーザに通知することもできるし、売
掛金としてユーザの他の課金と共に課金情報生成部20
7に蓄積しておいて、後日に決済を行っても良い。
【0124】一方、コンサルタント情報の提供が要求さ
れている場合には(S3007のYES)、そのユーザ
がコンサルタント情報の提供を希望することを示すフラ
グをセットするなどのコンサルタント情報配信の登録を
行い(S3009)、後日のコンサルタント情報の提供
に備え、処理を終了する。なお、この場合、コンサルタ
ント情報情報提供の期日、提供の方法、対価など、コン
サルタント情報の提供に必要な情報も合わせて登録する
ことができる。また、この配信の登録を行った場合に
は、コンサルタント情報の提供を希望しない場合と同様
に、プログラム配信に対する課金を行っても良いが(S
3010のYES)、プログラム配信の対価をコンサル
タント情報の提供時に徴収することもできる(S301
0のNO)。
【0125】前記のようにして、プログラムの配信を受
けたユーザは、プログラムを実行することにより、前記
第1実施形態で示したような工程ごとの排出量・移動
量、部門別の排出量・移動量、規制物質に関する関連情
報、規制物質の規制量などに関するデータを取得し、こ
れを環境管理に利用する。ところで、前記のフローチャ
ートにおいてステップS3009に示したように、コン
サルタント情報配信の登録がなされた場合には、図34
に示すような処理手順に基づいて、コンサルタント情報
の提供がなされる。
【0126】まず、コンサルタント用データ入力部21
3に対して、コンサルタント依頼情報が入力される(S
4001)。依頼の入力は、配信元サーバに付属した入
力装置から直接コマンドの形で入力されても良いし、通
信ネットワークを通じてユーザの端末から送信されるこ
とにより入力されても良い。このコンサルタント依頼情
報を取得した配信元のサーバは、このユーザが既にコン
サルタント情報の提供を希望者として登録されているか
否かをチェックし、登録されている場合には(S400
2のYES)、提供するコンサルタントのために必要な
データを受け入れるための待機状態となる。登録がない
場合には(S4002のNO)、利用者情報にコンサル
タント情報提供の希望者であることを登録する(S40
03)。
【0127】次に、コンサルタント用データ入力部21
3に対して、配信されたプログラムによって得られたデ
ータなどの、コンサルタント情報を生成するために必要
なデータが入力される(S4004)。このデータも配
信元のサーバの操作者がコマンドやファイルの形で入力
したり、通信ネットワークを利用して使用者の端末から
配信元サーバに入力される。
【0128】このようにコンサルタント用のデータが入
力されると、このデータおよびプログラム配信時に既に
入力されている利用者情報に基づいてコンサルタント情
報の入力、生成、選択がなされる(S4005)。この
場合、コンサルタント情報生成・選択部205により、
そのユーザに適当なコンサルタント情報が自動生成ある
いは選択されたり、データの解析に熟練した人間により
得られたコンサルタント結果がコンサルタント情報入力
部214から入力される。
【0129】このようにして得られたコンサルタント情
報は、コンサルタント情報出力部210によって出力デ
ータに変換処理され、データ出力装置から配信される
(S4006)。このようにしてコンサルタント情報を
提供した場合も、そのための料金を課金情報生成部20
7によって蓄積し、これをユーザに通知する(S400
7)。なお、課金に当たっては、既にプログラム配信に
対して課金が行われているか否かをチェックし(S40
08)、プログラム配信の課金が未了な場合には、その
課金処理を行う(S4009)。
【0130】以上のように、本実施形態によれば、環境
管理システム実行するためのプログラムを簡単な手順で
広範に頒布することができる。しかも、単なる頒布だけ
でなく、頒布したプログラムの実行結果に基づいて、ユ
ーザに対してコンサルタント情報を提供することも可能
であるから、より高度な管理システム構築が可能とな
る。さらに、このようなプログラムの配信やコンサルタ
ント情報の提供に当たって、必要とする利用者情報やコ
ンサルタント用データの入力を、入力支援表示に示され
たアドバイスなどにより適切に、しかも、ネットワーク
その他を利用して簡便に行うことができる点でも有利で
ある。また、利用者情報やコンサルタント用データに基
づいて、配信するプログラムやコンサルタント情報を自
動的に生成あるいは選択するようにしたため、ユーザに
適したプログラムや情報を提供できる利点もある。ま
た、これらのプログラムや情報の対価が、課金データ生
成部207によって生成・蓄積されるので、その後の決
済の自動化も容易である。なお、上記はコンサルタント
情報送信により課金することとしたが、報告(届け出)
先の官庁のアドレスを登録しておき、コンサルタントの
結果問題なしの場合は、報告先のアドレスへ送信し、こ
れにより課金することとしても良い。
【0131】[他の実施形態]なお、本発明は、前述し
た実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内
で他にも多種多様な形態が実施可能である。例えば、基
本情報管理部、入力データ管理部、集計結果管理部、な
どの各機能部の具体的な構成は、自由に変更可能であ
る。例えば、前述した第1の実施形態において、集計結
果出力部と報告書設定・出力部とを単一の機能部として
構成することなども可能である。また、処理手順につい
ても、各フローチャートに示した手順に限らず、実際の
必要に応じて、多様な手順が可能である。
【0132】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
業務内容あるいは入力するデータの性質に応じて、シス
テムを、機能的に、すなわち、基本情報登録、デ−タ入
力、および集計結果出力という機能を単位として分割す
ることにより、入力誤りの削減および効率的なデータ入
力が可能になる。または、工程ごとに化学物質の排出量
・移動量を算出することにより、管理・改善に有効なデ
ータを提供することができる。または、本発明による環
境管理支援システムのプログラムあるいはサービスを複
数のユーザに効率よく提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施形態に係る環境管理支
援システムの機器構成を示すブロック図。
【図2】図1に示す環境管理支援システムの全体構成を
示す機能ブロック図。
【図3】図2に示す環境管理支援システムによる動作の
概略を示すフローチャート。
【図4】図3中に示されるPRTR移動量算出処理のサ
ブルーチンを示すフローチャート。
【図5】図2に示す環境管理支援システムにおける各機
能部と情報ファイルとの関係を示すブロック図。
【図6】図2に示す環境管理支援システムの共通部分の
基本情報登録機能における事業所情報登録部による事業
所情報登録用の画面表示を示す説明図。
【図7】図2に示す環境管理支援システムの共通部分の
基本情報登録部における関係法令登録部による関係法令
登録用の画面表示として、法令等登録用の画面表示
(A)と分類登録用の画面表示(B)をそれぞれ示す説
明図。
【図8】図2に示す環境管理支援システムの共通部分の
基本情報登録部における化学物質登録部による化学物質
登録用の画面表示として、化学物質一覧用の画面表示
(A)と化学物質情報入力用の画面表示(B)をそれぞ
れ示す説明図。
【図9】図2に示す環境管理支援システムの共通部分の
基本情報登録部における化学物質登録部による化学物質
登録用の画面表示として、関係法令等設定用の画面表示
(A)とPRTR設定用の画面表示(B)をそれぞれ示
す説明図。
【図10】図2に示す環境管理支援システムの共通部分
の基本情報登録部における組織登録部による組織登録用
の画面表示として、組織名一覧用の画面表示(A)と組
織名入力用の画面表示(B)をそれぞれ示す説明図。
【図11】図2に示す環境管理支援システムの共通部分
の基本情報登録部における取扱品登録部による取扱品登
録用の画面表示として、取扱品一覧用の画面表示(A)
と取扱品情報入力用の画面表示(B)をそれぞれ示す説
明図。
【図12】図2に示す環境管理支援システムの組織別部
分の基本情報登録部における使用取扱品設定部による使
用取扱品設定用の画面表示として、使用取扱品一覧用の
画面表示(A)と使用取扱品設定用の画面表示(B)を
それぞれ示す説明図。
【図13】図2に示す環境管理支援システムの組織別部
分の基本情報登録部における使用量計画設定部による使
用量計画設定用の画面表示を示す説明図。
【図14】図2に示す環境管理支援システムの組織別部
分の基本情報登録部におけるPRTR移動率設定部によ
るPRTR使用率設定用の画面表示を示す説明図。
【図15】図2に示す環境管理支援システムのデータ入
力部における使用量入力部による使用量入力用の画面表
示を示す説明図。
【図16】図2に示す環境管理支援システムのデータ入
力部におけるPRTR移動量入力部によるPRTR移動
量入力用の画面表示を示す説明図。
【図17】図2に示す環境管理支援システムの集計結果
出力部における組織別集計結果表示部による組識別集計
結果表示用の画面表示を示す説明図。
【図18】図2に示す環境管理支援システムの集計結果
出力部における月別集計結果表示部による月別集計結果
表示用の画面表示を示す説明図。
【図19】図2に示す環境管理支援システムの集計結果
出力部における化学物質別集計結果表示部による化学物
質別集計結果表示用の画面表示を示す説明図。
【図20】図2に示す環境管理支援システムの集計結果
出力部におけるPRTR集計結果表示部によるPRTR
集計結果表示用の画面表示を示す説明図。
【図21】図2に示す環境管理支援システムの報告書設
定・出力部における報告書設定部による報告書設定用の
画面表示として、登録報告書一覧用の画面表示(A)と
報告書データ入力用の画面表示(B)をそれぞれ示す説
明図。
【図22】図2に示す環境管理支援システムの報告書設
定・出力部における報告書出力部による報告書出力用の
画面表示を示す説明図。
【図23】図2に示す環境管理支援システムの報告書設
定・出力部における報告書出力部によるPRTR集計結
果表示用の画面表示を示す説明図。
【図24】図23のPRTR集計結果表示内容の一部を
自主管理のためにグラフ表示した場合の画面表示を示す
説明図。
【図25】図2に示す環境管理支援システムによって分
散データ処理を行う場合のメインルーチンを示すフロー
チャート。
【図26】図25中に示される基本情報登録処理のサブ
ルーチン(A)、データ入力処理のサブルーチン
(B)、および集計結果出力処理のサブルーチン(C)
をそれぞれ示すフローチャート。
【図27】図2に示す環境管理支援システムによって使
用量データの入力処理を直ちに開始する場合のメインル
ーチンを示すフローチャート。
【図28】図27中に示される基本情報登録処理のサブ
ルーチン(A)と集計結果出力処理のサブルーチン
(B)をそれぞれ示すフローチャート。
【図29】図2に示す環境管理支援システムによって外
部データを受け入れる場合の処理手順を示すフローチャ
ート。
【図30】図2に示す環境管理支援システムによって一
部の基本情報についてのみ外部データを利用して分散デ
ータ処理を行う場合の基本情報登録の処理手順を示すフ
ローチャート。
【図31】図2に示す環境管理支援システムによって一
部の基本情報についてのみ外部データを利用して分散デ
ータ処理を行う場合のデータ入力の処理手順(A)と集
計結果出力の処理手順(B)をそれぞれ示すフローチャ
ート。
【図32】本発明による第2の実施形態に係る環境管理
支援システムの全体構成を示す機能ブロック図。
【図33】図32に示す環境管理支援システムによる動
作の概略を示すフローチャート。
【図34】図32に示す環境管理支援システムによるコ
ンサルタント情報の提供のための処理手順を示すフロー
チャート。
【符号の説明】 1…環境管理デ−タサーバ 2…環境保全責任者端末 3…環境保全担当者端末 4…関係部門端末端末 5…簡易移動端末装置 6…通信ネットワーク 7…通信手段 8…入出力装置部 9…入力装置 10…表示装置 11…プリンタ 101…基本情報管理部(基本情報登録手段) 102…入力データ管理部(データ入力手段) 103…集計結果管理部(集計結果出力手段) 110…共通部分の基本情報登録部 111…事業所情報登録部 112…関係法令登録部 113…化学物質登録部 114…組織登録部 115…取扱品登録部 120…組織別部分の基本情報登録部 121…使用取扱品設定部 122…使用量計画設定部 123…PRTR移動率設定部 130…データ入力部 131…使用量入力部 132…PRTR移動量入力部 140…集計結果出力部 141…組織別集計結果表示部 142…月別集計結果表示部 143…化学物質別集計結果表示部 144…PRTR集計結果表示部 150…報告書設定・出力部 151…報告書設定部 152…報告書出力部 161〜170…情報ファイル 171…履歴ファイル 180…PRTR移動量計算処理 201…利用者情報入力部 202…入力データ管理部 203…データ処理部 204…利用者適格性判定部 205…コンサルタント情報生成・選択部 206…配信用プログラム生成・選択部 207…課金情報生成部 208…出力データ管理部 209…適格性結果出力部 210…コンサルタント情報出力部 211…配信プログラム出力部 212…課金情報出力部 213…コンサルタント用データ入力部 214…コンサルタント情報入力部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 真 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中事業所内 (72)発明者 金田 光範 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中事業所内 (72)発明者 平山 廣和 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 (72)発明者 星野 裕司 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 (72)発明者 土田 義之 東京都府中市晴見町二丁目24番地の1 東 芝システムテクノロジー株式会社内 Fターム(参考) 4D004 AA46 DA16 5B049 BB07 CC03 DD01 DD05 EE02 EE07 FF02 FF03 FF04 FF09 GG04 GG07

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンピュータシステムを用いて、事業者
    の取扱品に含まれている化学物質のうち法令により管理
    もしくは報告の対象となっている規制物質に関する規制
    量を算出する環境管理支援システムにおいて、 取扱品名、取扱品に含まれている規制物質の名称とその
    含有率、を含む基本情報を記憶する基本情報登録手段
    と、 取扱品の使用量データまたは保管量データを入力して、
    この入力したデータと前記基本情報登録手段によって記
    憶された基本情報に基づいて、取扱品に含まれている規
    制物質の所定期間の規制量を算出するデータ入力手段
    と、 前記データ入力手段の算出結果を出力する集計結果出力
    手段と、を備え、 前記各手段は独立に起動可能であることを特徴とする環
    境管理支援システム。
  2. 【請求項2】 コンピュータシステムを用いて、事業者
    の取扱品に含まれている化学物質のうち法令により管理
    もしくは報告の対象となっている規制物質の排出量もし
    くは移動量を算出する環境管理支援システムにおいて、 一または二以上の工程の識別名、取扱品名、取扱品に含
    まれている規制物質の名称とその含有率、を含む基本情
    報を記憶する基本情報登録手段と、 取扱品の使用量データを前記工程ごとに入力して、この
    入力したデータと前記基本情報登録手段によって記憶さ
    れた基本情報に基づいて、取扱品に含まれている規制物
    質の所定期間の排出量もしくは移動量を前記工程ごとに
    算出するデータ入力手段と、 前記データ入力手段の算出結果を出力する集計結果出力
    手段と、を備えたことを特徴とする環境管理支援システ
    ム。
  3. 【請求項3】 前記コンピュータシステムは、クライア
    ントおよびサーバからなるクライアント・サーバ型のシ
    ステムであって、前記基本情報登録手段、前記データ入
    力手段、および前記集計結果出力手段の各々を起動する
    ごとに利用者認証の入力を行うように構成されたことを
    特徴とする請求項1または2記載の環境管理支援システ
    ム。
  4. 【請求項4】 前記クライアントは、移動端末装置を含
    み、 前記各手段のうち、少なくとも前記データ入力手段は、
    前記移動端末装置を用いてデータ入力を行うように構成
    されたことを特徴とする請求項3記載の環境管理支援シ
    ステム。
  5. 【請求項5】 前記基本情報登録手段は、 事業所名、事業所の所在地、および連絡先、を含む事業
    所に関する情報を記憶する事業所情報登録部と、 取扱品名、取扱品に含まれている規制物質の名称とその
    含有率を含む取扱品に関する情報を記憶する取扱品登録
    部と、 前記事業所に関係する法令の名称を含む法令に関する情
    報を記憶する関係法令登録部と、 前記事業所で取扱う規制物質の名称、管理番号、および
    規制物質に関する法令の名称、を含む規制物質に関する
    情報を記憶すると共に、前記事業所で取扱う化合物が規
    制物質を含む場合には、その化合物と規制物質の名称、
    化合物中の規制物質の含有率、および規制物質に関する
    法令の名称、を含む化合物に関する情報を記憶する規制
    物質登録部と、を有し、 前記各部ごとに前記各情報を記憶するように構成された
    ことを特徴とする請求項2記載の環境管理支援システ
    ム。
  6. 【請求項6】 前記基本情報登録手段は、規制物質の排
    出率もしくは移動率を工程ごとに設定できる移動率設定
    部を有し、 前記データ入力手段は、前記移動率設定部で設定した排
    出率もしくは移動率を用いて規制物質の排出量もしくは
    移動量を算出するように構成されたことを特徴とする請
    求項2記載の環境管理支援システム。
  7. 【請求項7】 前記移動率設定部は、規制物質の排出率
    もしくは移動率を取扱品ごとに設定するように構成され
    たことを特徴とする請求項6記載の環境管理支援システ
    ム。
  8. 【請求項8】 前記データ入力手段は、前記移動率設定
    部で設定された規制物質の排出率もしくは移動率を元に
    計算された値を規制物質の排出量もしくは移動量のデフ
    ォルト値として用いて、規制物質の排出量もしくは移動
    量の実際の値がデフォルト値と異なる場合にデフォルト
    値を実際の値に修正・入力する移動量入力部を有するこ
    とを特徴とする請求項6記載の環境管理支援システム。
  9. 【請求項9】 前記移動量入力部は、前記移動率設定部
    で設定された規制物質の排出率もしくは移動率をデフォ
    ルト値として用いて、この排出率もしくは移動率につい
    ても値を修正・入力可能であり、規制物質の排出率もし
    くは移動率と、排出量もしくは移動量とのいずれか一方
    の値の修正・入力により、他方の値を自動的に修正・入
    力するように構成されたことを特徴とする請求項8記載
    の環境管理支援システム。
  10. 【請求項10】 通常のシステム起動時に前記データ入
    力手段が最初に起動するように構成されたことを特徴と
    する請求項1または2記載の環境管理支援システム。
  11. 【請求項11】 コンピュータシステムを用いて、事業
    者の取扱品に含まれている化学物質のうち法令により管
    理もしくは報告の対象となっている規制物質に関する規
    制量を算出するための、コンピュータ読み取り可能な記
    憶媒体において、 取扱品名、取扱品に含まれている規制物質の名称とその
    含有率、を含む基本情報を記憶する処理と、 取扱品の使用量データまたは保管量データを入力して、
    この入力したデータと前記記憶する処理によって記憶さ
    れた基本情報に基づいて、取扱品に含まれている規制物
    質の所定期間の規制量を算出する処理と、 この算出結果を出力する処理と、をコンピュータに実行
    させるためのプログラムを記憶していることを特徴とす
    る記憶媒体。
  12. 【請求項12】 コンピュータシステムを用いて、事業
    者の取扱品に含まれている化学物質のうち法令により管
    理もしくは報告の対象となっている規制物質の排出量も
    しくは移動量を算出するための、コンピュータ読み取り
    可能な記憶媒体において、 一または二以上の工程の識別名、取扱品名、取扱品に含
    まれている規制物質の名称とその含有率、を含む基本情
    報を記憶する処理と、 取扱品の使用量データを前記工程ごとに入力して、この
    入力したデータと前記記憶する処理によって記憶された
    基本情報に基づいて、取扱品に含まれている規制物質の
    所定期間の排出量もしくは移動量を前記工程ごとに算出
    する処理と、 この算出結果を出力する処理と、をコンピュータに実行
    させるためのプログラムを記憶していることを特徴とす
    る記憶媒体。
  13. 【請求項13】 コンピュータシステムを用いて、利用
    者の取扱品に含まれている化学物質のうち法令により管
    理もしくは報告の対象となっている規制物質の排出量も
    しくは移動量を算出し、その結果を利用者に提供する、
    環境管理支援方法において、 利用者に対して、一または二以上の工程の識別名、取扱
    品名、取扱品に含まれている規制物質の名称とその含有
    率、を含む基本情報の登録を促すステップと、 前記工程ごとに取扱品の使用量データの入力を促すステ
    ップと、 利用者によって登録された取扱品の使用量データと利用
    者によって入力された基本情報に基づいて、取扱品に含
    まれている規制物質の所定期間の排出量もしくは移動量
    を前記工程ごとに算出し、その結果を利用者に提供する
    ステップと、を有することを特徴とする環境管理支援方
    法。
  14. 【請求項14】 コンピュータシステムを用いて、利用
    者の取扱品に含まれている化学物質のうち法令により管
    理もしくは報告の対象となっている規制物質に関する規
    制量を算出しその結果を出力するプログラム、を配信す
    る環境管理支援方法において、 利用者に対して、該利用者の氏名もしくは名称、住所も
    しくは所在地、および配信先アドレス、を含む利用者情
    報の入力を促すとともに、コンサルタントの要否につい
    ての情報の入力を促すステップと、 利用者によって利用者情報が入力された場合に、配信先
    アドレスへの前記プログラムの配信を許可するステップ
    と、 利用者によってコンサルタント不要の情報が入力された
    場合には、その利用者に前記プログラムを配信すること
    により課金するステップと、 利用者によってコンサルタント要の情報が入力され、か
    つ、その利用者から所定期間の規制物質に関する規制量
    の出力結果が提供された場合には、その出力結果に基づ
    くコンサルタント情報を送信することにより課金するス
    テップと、 を備えたことを特徴とする環境管理支援方法
  15. 【請求項15】 コンピュータシステムを用いて、利用
    者の取扱品に含まれている化学物質のうち法令により管
    理もしくは報告の対象となっている規制物質に関する規
    制量を算出し、その結果を利用者に提供する、環境管理
    支援方法において、 規制物質名を含む法令関連情報を入力するステップと、 規制物質を含有する取扱品の名称、その規制物質の名称
    と含有率、を含む取扱品関連情報を入力するステップ
    と、 各前記入力するステップによって入力された法令関連情
    報と取扱品関連情報に基づいて、取扱品名、取扱品に含
    有されている規制物質名、および含有率とを対応づけて
    規制物質関連情報として記憶するステップと、 利用者に対して、取扱品の使用量データまたは保管量デ
    ータの入力を促すステップと、 利用者によって入力された取扱品の使用量データまたは
    保管量データと前記規制物質関連情報に基づいて、取扱
    品に含まれている規制物質の所定期間の規制量を算出
    し、その結果を利用者に提供するステップと、を有する
    ことを特徴とする環境管理支援方法。
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