JP2001337211A - 防曇鏡及びその製法 - Google Patents

防曇鏡及びその製法

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JP2001337211A
JP2001337211A JP2000159426A JP2000159426A JP2001337211A JP 2001337211 A JP2001337211 A JP 2001337211A JP 2000159426 A JP2000159426 A JP 2000159426A JP 2000159426 A JP2000159426 A JP 2000159426A JP 2001337211 A JP2001337211 A JP 2001337211A
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hydrophilic
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alkoxysilane
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JP2000159426A
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Noboru Murata
昇 村田
Seiji Yamazaki
誠司 山崎
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Central Glass Co Ltd
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Central Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間にわたり防曇性能を維持することがで
きるとともに膜強度を改善し傷が付きにくい防曇性被膜
を有する防曇鏡を得ること。 【解決手段】 基板の裏面に鏡面処理が施された鏡の表
面に、アルコキシシラン加水分解物及び水ガラスよりな
るマトリックス形成用金属酸化物中に親水性超微粒子が
分散された親水性被膜が被覆すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鏡の表面に親水性被
膜を被覆してなり、長期間に亘って親水性を維持する防
曇鏡及びその製法に関するものであって、該防曇鏡は、
屋内の高湿になり易く且つ太陽光が当たらない、特に浴
室用鏡として最適に使用できるものである。
【0002】
【従来の技術】最近、基材に親水性、防曇性または防汚
性を付与するために基材の表面に光触媒機能を有する被
膜を形成することが行われ、一般的に以下のような手段
により親水性を発揮するようにしている。
【0003】(1)特開平5−253544号公報に記
載のアナターゼ型チタニアを主体とする光触媒微粉末を
その一部がバインダ層表面から露出するようにした板状
部材、特開平7−232080号公報に記載の光触媒微
粒子がチタニア、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、
酸化鉄、酸化タングステン、チタン酸鉄、酸化ビスマ
ス、酸化錫等であり、光触媒粒子の間隙充填粒子が錫、
チタン、銀、銅、亜鉛、鉄、白金、コバルト、ニッケル
の金属または酸化物である光触媒機能を有する多機能
材、特開平9−59042号公報記載の光触媒性の平均
結晶粒子径が約0.1μm以下のチタニアの粒子を含有
する親水性被膜で覆われた透明基材等が知られている。
しかしながら、上記の光触媒機能を利用した親水性およ
び防曇性においては、紫外線が当たることが必須であ
り、紫外線が当たらない浴室においては、親水性および
防曇性は極めて困難である。そのため浴室の鏡に紫外線
が当たるように新たに光源を設置する必要がある。また
紫外線が当たって一旦親水性および防曇性となった表面
であっても、その性能を維持できるのは短時間であり、
数時間後には失われる。したがって頻繁に紫外線を照射
するなどの操作が必要となる。
【0004】(2)界面活性剤を基材表面に塗布するこ
とで表面を親水性に改質することは古くから知られてお
り、界面活性剤にポリアクリル酸やポリビニルアルコー
ルなどの水溶性有機高分子を添加・配合することで、親
水性の持続性を上げることが知られている(特開昭52
−101680号公報等)。さらに、疎水性ポリマーよ
りなる多孔質膜の表面および内部にポリビニルアルコー
ルと酢酸ビニルの共重合体の被膜を介して、セルロース
やグリコール類およびグリセリンなどの親水性ポリマー
を被膜固定化する方法が知られている(特公平5ー67
330号公報等)。しかしながら、この方法では、親水
性物質が水によって流されてしまい、短期間のうちに防
曇性がなくなってしまう。さらに、多孔質膜の表面およ
び内部にポリビニルアルコールと酢酸ビニルの共重合体
の被膜を介してセルロースなどの被膜を固定化する方法
においても、被膜は極めて柔らかいものであり、しかも
化学的耐久性も期待でき難いものであり、使用する用途
が限定される。
【0005】(3)物理的方法では、プラズマ処理、レ
ーザー照射処理などの親水化処理が実用化されている
が、物理的な処理による防曇性も短期的にしか効果を維
持することができない。
【0006】(4)化学的方法には、表面にラジカルを
発生させ親水性の残基を有する重合性化合物をグラフト
重合させる方法や、酸、塩基性物質などの表面の結合を
切断し、親水性の残基に変化させる方法などが行われて
いる。この方法で形成したポリエチレンオキシド系有機
ポリマー膜では、耐水性や機械的強度が低いために用途
によっては実用上十分なものとは言えない。
【0007】(5)また、例えば防曇鏡としてはヒータ
ー内蔵式がすでに商品化されているが、この場合も瞬時
に曇りが晴れるものではなく、スイッチを入れてから曇
りが晴れるまでに数分間かかり、またコストも高いため
に汎用性があるとは言い難いものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のこれらの方法
は、いずれの方法も一時的もしくは比較的短時間の間だ
け防曇性を付与するもので、防曇効果の十分な持続性は
期待し難いばかりでなく、またコスト高となり実用化に
おいては採用が困難なものであった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来のこのよ
うな事情に鑑みてなされたものであって、金属酸化物膜
を鏡の表面に形成し、且つ金属酸化物膜のマトリックス
中には親水性超微粒子が均一に分散されており、一旦水
が濡れると優れた保水性も付与されるため、例えば浴室
内の高い相対湿度の環境下の使用においても、極めて防
曇性に優れる防曇鏡及びその製法を提供するものであ
る。
【0010】すなわち、本発明の防曇鏡は、基板の裏面
に鏡面処理が施された鏡の表面に、アルコキシシラン加
水分解物及び水ガラスよりなるマトリックス形成用金属
酸化物中に親水性超微粒子が分散された親水性被膜が被
覆されてなることを特徴とする。
【0011】また、本発明の防曇鏡は、親水性被膜が、
固形物換算で、親水性超微粒子の含有量が20〜80重
量%、マトリックス形成用金属酸化物の含有量が20〜
80重量%より構成されてなることを特徴とする。
【0012】さらに、本発明の防曇鏡は、アルコキシシ
ランは、一般式がSi(O−R)4(Rは炭素数1〜2
のアルキル基を示す)で表わされることを特徴とし、水
ガラスは、一般式がM2O・nSiO2(n=2.1〜
3.5、MはNa,Kのアルカリ金属を示す)で表わさ
れることを特徴とする。
【0013】さらに、本発明の防曇鏡は、親水性超微粒
子は、シリカおよび/またはアルミナからなることを特
徴とする。
【0014】さらにまた、本発明の防曇鏡は、マトリッ
クス形成用金属酸化物を形成するアルコキシシラン加水
分解物と水ガラスの割合(固形分換算)は、アルコキシ
シラン加水分解物の含有量が20〜50重量%、水ガラ
スの含有量が50〜80重量%であることを特徴とす
る。
【0015】また、本発明の防曇鏡の製法は、下記の工
程により製造することを特徴とする。 (a)基板の裏面に鏡面処理が施された鏡を準備する工
程、(b)親水性超微粒子と、マトリックス形成用金属
酸化物としてのアルコキシシラン加水分解物及び水ガラ
スとを水に分散させた混合ゾルよりなる塗布液を調製す
る工程、(c)前記塗布液を鏡の表面に塗布する工程、
(d)熱処理を行い鏡の表面に親水性被膜を形成する工
程。
【0016】また、本発明の防曇鏡の製法は、塗布液
は、親水性超微粒子、アルコキシシラン加水分解物及び
水ガラスの割合(固形物換算)が、親水性超微粒子の含
有量が20〜80重量%、アルコキシシラン加水分解物
の含有量が4〜40重量%、水ガラスの含有量が10〜
64重量%よりなり、且つこれらが水溶性分散液中に合
計量で2〜10重量%の濃度で含有されていることを特
徴とする。
【0017】さらに、本発明の防曇鏡の製法は、アルコ
キシシランの加水分解は、アルコキシシランもしくはア
ルコキシシランの部分加水分解物を水及び酸触媒を加え
て加水分解・縮合させ水溶性にしたものであることを特
徴とする。
【0018】また、本発明の防曇鏡の製法は、熱処理温
度は100℃〜200℃であることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の防曇鏡は、例えば下記の
工程により製造することができる。 (a)基板の裏面に鏡面処理が施された鏡を準備する工
程、(b)親水性成分としての親水性超微粒子と、マト
リックス形成用金属酸化物としてのアルコキシシラン加
水分解物及び水ガラスとを水に分散させた混合ゾルより
なる塗布液を調製する工程、(c)前記塗布液を鏡の表
面に塗布する工程、(d)熱処理を行い鏡の表面に親水
性被膜を形成する工程。
【0020】本発明の防曇鏡は、基板の裏面に鏡面処理
が施されている鏡の反対側表面に、アルコキシシラン加
水分解物及び水ガラスよりなるマトリックス形成用金属
酸化物中に親水性超微粒子が均一に分散された金属酸化
物膜が被覆されてなることを特徴とする。
【0021】本発明のマトリックスとしての金属酸化物
を形成する主な原料のうち、アルコキシシラン加水分解
物としては、一般式がSi(O−R)4(Rは炭素数1
〜2のアルキル基を示す)で表わされるテトラエトキシ
シラン、テトラメトキシシラン等の加水分解物・部分加
水分解物を用いることができる。なお、アルコキシシラ
ン加水分解物としては、アルコキシシランのモノマーも
しくは部分加水分解物を無機強酸もしくは有機強酸を触
媒として水と混合し、加水分解・重縮合させることによ
り水溶性加水分解物が得られる。加水分解を行う場合
に、反応液中のSiO2濃度を高く、触媒添加量が多く
するほど加水分解が短時間に進行する。但し、短時間で
加水分解させたものは、SiO2濃度が高いままでは、
短時間にゲル化しやすいため、水でSiO2濃度を5重
量%程度に希釈することにより1週間以上安定させるこ
とが可能となる。
【0022】また、本発明のマトリックスのもう一つの
成分である水ガラスとしては、一般式:M2O・nSi
2(n=2.1〜3.5、MはNa,Kのアルカリ金
属を示す)で表わされる水ガラスが使用でき、特に低粘
度である3号水ガラスが好ましい。該水ガラスは、被膜
中のマトリックス成分の一つとして膜硬度の向上に寄与
する成分である。
【0023】上記のマトリックス形成用金属酸化物とし
のアルコキシシラン加水分解物と水ガラスとの混合割合
(固形分重量比)は、20:80〜50:50が好まし
く、アルコキシシラン加水分解物が20重量%未満であ
る場合は、水ガラスの性質から来る耐水性の低下及び保
管時に発生するエフロレッセンス(大気中の炭酸ガスに
よる白華現象)が発生しやすくなり、50重量%を越え
ると、高膜硬度を維持できなくなる。
【0024】また、本発明に用いる親水性超微粒子とし
ては、シリカおよび/またはアルミナが使用でき、特
に、水溶性であり粒子径が100nm以下、好ましくは
10nm程度のもので、ナトリウムやアンモニウム等の
1価の陽イオンで安定化したコロイダルシリカの使用が
好ましく、例えば、市販品としては、スノーテックス
(日産化学製)、ルドックス(デュポン社製)、カタロ
イド(触媒化成製)が挙げられる。該親水性超微粒子
は、マトリックス中に均一に分散されており、一旦水が
濡れると優れた保水性を維持することが出来、例えば浴
室内の高い相対湿度の環境下の使用においても、極めて
防曇性に優れる機能を発揮する。
【0025】上記マトリックス形成用金属酸化物と親水
性超微粒子との割合(固形分重量比)は、20:80〜
80:20が好ましく、マトリックス形成用金属酸化物
が20重量%未満である場合は、親水性超微粒子保持力
が弱まり、払拭等により膜剥離等の欠陥が発生しやすく
なり、80重量%を越えると親水性成分である親水性超
微粒子の添加量が減少するため親水性が弱まり、水膜が
形成しにくくなる。さらに、上記の混合液に水を加えて
成膜方法により固形分濃度を調整し、必要であればレベ
リング剤等の各種添加剤の添加して塗布液とする。な
お、塗布液は、親水性超微粒子と、アルコキシシラン加
水分解物及び水ガラスとを水に分散させ混合ゾルよりな
るので、塗布の際には、均一に且つ薄い親水性被膜を形
成することができ、更に、水性組成物であるので、溶剤
臭がなく、環境に与える影響が少なく、取り扱い性にも
優れる。
【0026】塗布法としては、特に限定されるものでは
ないが、生産性などの面からは例えばスピンコート法あ
るいはディップコ−ト法、またリバ−スコ−ト法、フレ
キソ印刷法、その他のロールコート法、カーテンコート
法であり、さらにはノズルコ−ト法、スプレーコ−ト法
などの公知手段が採用でき、適宜マスキングすることに
より、部分的な成膜はもちろん、任意の形状、図柄に被
膜形成することができる。塗布成膜する際の塗布液中の
親水性超微粒子及びマトリックス形成用金属酸化物の全
固形分濃度としては約2〜10重量%程度で、塗布液の
粘度としては2〜6cp程度とすることが、均一な塗布
膜を形成する上で好ましい。
【0027】次いで、鏡表面に成膜された親水性被膜を
乾燥する。その乾燥温度としては、100〜200℃の
比較的低温で、30〜60分間乾燥することが好ましい
が、より好ましくは、乾燥温度が125〜175℃程度
で、乾燥時間が30分間程度である。
【0028】膜厚は、熱処理後において0.4μm以下
にすることにより、光の乱反射による白濁を防止するこ
とができ、更に0.2μm以下の厚みにすることによ
り、光の干渉による表面相の発色を防止することができ
る。なお、本発明の防曇鏡は、その使用場所を限定する
ものではなく、建築用、車両用、産業用等で使用するこ
とが出来るが、特に、屋内の高湿になり易く且つ太陽光
か当たらない浴室用鏡等には最適に使用できるものであ
る。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし、本発明はかかる実施例に限定されるもので
ない。なお、本発明および比較例で得られた、親水性被
膜を有するガラスは、以下に示す測定法により諸物性を
測定した。 〔親水性評価〕:水の接触角測定で評価 (測定機器)協和界面科学製CA−A型 (測定環境)室温/大気中 (水滴量) 20μl [合否判定] 水の接触角が5°以下であるものを合格
とした。 〔防曇性評価〕:水道水で一旦膜全体を水で濡らし水膜
の形成状態を評価した(測定環境)温度;20〜30
℃、湿度;80〜90%RH [合否判定] 水膜形成状態 →目視で水膜が均一に形
成されているものを合格とした 〔膜硬度評価〕:鉛筆硬度試験(JIS K5400) [合否判定] 鉛筆硬度5H以上のものを合格とした 〔耐エフロレッセンス評価〕:成膜後、1週間常温放置
したときにエフロレッセンス(白華現象)が発生するか
を評価した [合否判定] エフロレッセンスの発生しなかったもの
を合格とした。
【0030】実施例1 アルコキシシランの加水分解物の調整 メチルシリケート51(三菱化学製、SiO2分51重
量%)9.8gに水0.2g及び0.1Nの塩酸10g
を混合し、室温で140分攪拌することにより、初期に
は水と分離していたメチルシリケート51が加水分解・
重縮合されて固形分25重量%の透明な加水分解溶液が
得られた。この液は、室温放置で約2日経過でゲル化す
るが、更に水を80g加えて固形分を5重量%にするこ
とにより、10日間は安定な加水分解溶液を調整した。
【0031】シリカマトリックス溶液の調整 上記5重量%加水分解溶液とJIS規格3号ガラス(キ
シダ化学製、SiO2分30重量%、Na2O分10重量
%)の固形分比率が30:70になるように、上記加水
分解溶液60gとJIS規格3号ガラス17.5g及び
水を22.5g調合することにより、固形分10重量%
の透明なシリカマトリックス溶液を得ることができた。
【0032】塗布液の調合 表1に示すように上記シリカマトリックス溶液と親水性
超微粒子としての水溶性コロイダルシリカ(商品名「ス
ノーテックスC」日産化学製、SiO2分20重量%)
の固形分比率が50:50になるように上記製造したシ
リカマトリックス溶液12.5gにコロイダルシリカ
6.25gを添加し、さらに水81.25gを調合する
ことにより固形分2.5重量%の透明な薬液を得た。
【0033】親水性硬化被膜の形成 この薬液を塗布液とした浸漬槽内に、裏面をマスキング
した厚さ2mmの鏡を浸漬し、成膜速度2mm/sで引
き上げるディップコート法により塗布し、該鏡を175
℃で30分間加熱乾燥させることにより、鏡表面に膜厚
95nmの透明な親水性硬化被膜が形成された防曇鏡を
得た。上記の方法で得られた親水性硬化被膜を有する鏡
は、表1に示すように防曇性及び、耐久性に優れて高膜
硬度であった。
【0034】
【表1】
【0035】実施例2 アルコキシシランの加水分解物の調整 テトラメトキシシラン(キシダ化学製、SiO2分3
9.5重量%)12.66gに水11.84g及び0.
1Nの塩酸0.5gを混合し、室温で5分攪拌すること
により、初期には水と分離していたケイ酸メチルが加水
分解・重縮合されて固形分20重量%の透明な加水分解
液が得られた。この液は、室温放置で約3日経過でゲル
化するが、更に水を75g加えて固形分5重量%にする
ことにより、8日間は安定な加水分解液を調整した。
【0036】シリカマトリックス溶液の調整 実施例1と同じ調合比率により、固形分10重量%の透
明な溶液を得ることができた。
【0037】塗布液の調合 上記製造したシリカマトリックス溶液を使用して実施例
1と同じ調合比率により固形分2.5重量%の透明な薬
液を得た。
【0038】親水性硬化被膜の形成 この薬液を塗布液として実施例1と同じ操作により、膜
厚90nmの透明な親水性鏡を得た。上記の方法で得ら
れた親水性硬化被膜を有する鏡は、表1に示すように防
曇性及び、耐久性に優れて高膜硬度であった。
【0039】実施例3 アルコキシシランの加水分解物の調整 テトラエトキシシラン(キシダ化学製、SiO2分2
8.8重量%)17.36gに水10.98g及び0.
1Nの塩酸5.00gを混合し、室温で10分攪拌する
ことにより、初期には水と分離していたケイ酸エチルが
加水分解・重縮合されて固形分15重量%の透明なシリ
カゾル溶液が得られた。この液は、室温放置で約4日経
過でゲル化するが、更に水を66.67g加えて固形分
5重量%にすることにより、8日間は安定な加水分解液
を調整した。
【0040】シリカマトリックス溶液の調整 実施例1と同じ調合比率により、固形分10重量%の透
明な溶液を得ることができた。
【0041】塗布液の調合 上記製造したシリカマトリックス溶液を使用して実施例
1と同じ調合比率により固形分2.5重量%の透明な薬
液を得た。
【0042】親水性硬化被膜の形成 この薬液を塗布液として実施例1と同じ操作により、膜
厚95nmの透明な親水性鏡を得た。上記の方法で得ら
れた親水性硬化被膜を有する鏡は、表1に示すように防
曇性及び、耐久性に優れて高膜硬度であった。
【0043】実施例4 シリカマトリックス溶液の調整 実施例1で調整した5重量%加水分解溶液とJIS規格
3号水ガラスの固形分比率が20:80になるように、
上記加水分解溶液40gとJIS規格3号水ガラス20
g及び水40gを調合することにより、固形分10重量
%の透明なシリカマトリックス溶液を得ることができ
た。
【0044】塗布液の調合 上記製造したシリカマトリックス溶液を使用して実施例
1と同じ調合比率により固形分2.5重量%の透明な薬
液を得た。
【0045】親水性硬化被膜の形成 この薬液を塗布液として実施例1と同じ操作により、膜
厚85nmの透明な親水性鏡を得た。上記の方法で得ら
れた親水性硬化被膜を有する鏡は、表1に示すように防
曇性及び、耐久性に優れて高膜硬度であった。
【0046】実施例5 シリカマトリックス溶液の調整 実施例1で調整した5重量%加水分解溶液とJIS規格
3号水ガラスの固形分比率が50:50になるように、
上記加水分解溶液88.89gとJIS規格3号水ガラ
ス11.11gを調合することにより、固形分8.9重
量%の透明な溶液を得ることができた。
【0047】塗布液の調合 表1に示すように上記シリカマトリックス溶液と水溶性
コロイダルシリカの固形分比率が50:50になるよう
に上記製造したシリカマトリックス溶液14.04gに
コロイダルシリカ6.25gを添加し、さらに水79.
71gを調合することにより固形分2.5重量%の透明
な薬液を得た。
【0048】親水性硬化被膜の形成 この薬液を塗布液として実施例1と同じ操作により、膜
厚95nmの透明な親水性鏡を得た。上記の方法で得ら
れた親水性硬化被膜を有する鏡は、表1に示すように防
曇性及び、耐久性に優れて高膜硬度であった。
【0049】実施例6 塗布液の調合 実施例1で調整したシリカマトリックス溶液を使用して
表1に示すように、シリカマトリックス溶液とコロイダ
ルシリカの固形分比率が20:80になるように、シリ
カマトリックス溶液5gにコロイダルシリカ10gを添
加し、さらに水85gを調合することにより固形分2.
5重量%の透明な薬液を得た。
【0050】親水性硬化被膜の形成 この薬液を塗布液として実施例1と同じ操作により、膜
厚90nmの透明な親水性鏡を得た。上記の方法で得ら
れた親水性硬化被膜を有する鏡は、表1に示すように防
曇性及び、耐久性に優れて高膜硬度であった。
【0051】実施例7 塗布液の調合 実施例1で調整したシリカマトリックス溶液を使用して
表1に示すように、シリカマトリックス溶液とコロイダ
ルシリカの固形分比率が80:20になるように、シリ
カマトリックス溶液20gにコロイダルシリカ2.5g
を添加し、さらに水77.5gを調合することにより固
形分2.5重量%の透明な薬液を得た。
【0052】親水性硬化被膜の形成 この薬液を塗布液として実施例1と同じ操作により、膜
厚95nmの透明な親水性鏡を得た。上記の方法で得ら
れた親水性硬化被膜を有する鏡は、表1示すように防曇
性及び、耐久性に優れて高膜硬度であった。
【0053】比較例1 塗布液の調合 実施例1で調整したシリカマトリックス溶液を使用して
第2表に示すように、コロイダルシリカを添加せず、シ
リカマトリックス溶液25gに水75gを調合すること
により、固形分2.5重量%の透明な薬液を得た。
【0054】親水性硬化被膜の形成 この薬液を塗布液として実施例1と同じ操作により、膜
厚105nmの透明な親水性鏡を得た。上記の方法で得
られた親水性硬化被膜を有する鏡は、表2に示すよう
に、接触角が高く、水膜も形成されなかった。
【0055】
【表2】
【0056】比較例2 塗布液の調合 アルコキシラン加水分解物を使用せずJIS規格3号水
ガラスのみ第2表に示すように、水ガラスとコロイダル
シリカの固形分比率が50:50になるように、水ガラ
ス3.13gにコロイダルシリカ6.25gを添加し、
さらに水90.62gを調合することにより、固形分
2.5重量%の透明な薬液を得た。
【0057】親水性硬化被膜の形成 この薬液を塗布液として実施例1と同じ操作により、膜
厚110nmの透明な親水性鏡を得た。上記の方法で得
られた親水性硬化被膜を有する鏡は、表2に示すよう
に、接触角は、0.8°と低く水をかけたときの水膜保
持は優れていたが、耐エフロレッセンス性において払拭
すれば除去可能であったが白華してしまった。
【0058】比較例3 塗布液の調合 JIS規格3号水ガラスを使用せず実施例1で調整した
固形分10重量%加水分解溶液のみ第2表に示すよう
に、加水分解溶液とコロイダルシリカの固形分比率が5
0:50になるように、加水分解溶液12.5gにコロ
イダルシリカ6.25gを添加し、さらに、水81.2
5gを調合することにより、固形分2.5重量%の透明
な薬液を得た。
【0059】親水性硬化被膜の形成 この薬液を塗布液として実施例1と同じ操作により、膜
厚110nmの透明な親水性鏡を得た。上記の方法で得
られた親水性硬化被膜を有する鏡は、表2に示すよう
に、耐エフロレッセンス性において払拭すれば除去可能
であったが白華してしまった。さらに、鉛筆硬度が2H
と実用では、傷つきやすい硬度であった。
【0060】
【発明の効果】以上の如く本発明の防曇鏡は、一旦形成
された親水性被膜は高度に親水化した表面を長期に亘っ
て維持できるとともに被膜の厚みを薄くできるので、白
濁や発色などの問題も生じない。さらに、水ガラスを用
いているので膜硬度が高く傷が付きにくい。また、塗布
液は、親水性超微粒子と、アルコキシシラン加水分解物
及び水ガラスとを水に分散させ混合ゾルよりなるので、
塗布の際には、均一に且つ薄い親水性被膜を形成するこ
とができ、更に、水性組成物であるので、溶剤臭がな
く、環境に与える影響が少なく、取り扱い性にも優れる
等の著効を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H042 DA17 DA18 DB11 DC04 DE08 2K009 AA00 CC01 CC09 CC42 DD02 DD06 EE02 3B111 AA01 AC01 AC02 AC03 CA03 4G059 AA01 AB11 AC21 EA01 EA05 EA18 EB07

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板の裏面に鏡面処理が施された鏡の表面
    に、アルコキシシラン加水分解物及び水ガラスよりなる
    マトリックス形成用金属酸化物中に親水性超微粒子が分
    散された親水性被膜が被覆されてなることを特徴とする
    防曇鏡。
  2. 【請求項2】親水性被膜は、固形物換算で、親水性超微
    粒子の含有量が20〜80重量%、マトリックス形成用
    金属酸化物の含有量が20〜80重量%より構成されて
    なることを特徴とする請求項1記載の防曇鏡。
  3. 【請求項3】アルコキシシランは、一般式がSi(O−
    R)4(Rは炭素数1〜2のアルキル基を示す)で表わ
    されることを特徴とする請求項1または2記載の防曇
    鏡。
  4. 【請求項4】水ガラスは、一般式がM2O・nSiO
    2(n=2.1〜3.5、MはNa,Kのアルカリ金属
    を示す)で表わされることを特徴とする請求項1または
    2記載の防曇鏡。
  5. 【請求項5】親水性超微粒子は、シリカおよび/または
    アルミナからなることを特徴とする請求項1または2記
    載の防曇鏡。
  6. 【請求項6】マトリックス形成用金属酸化物を形成する
    アルコキシシラン加水分解物と水ガラスの割合(固形分
    換算)は、アルコキシシラン加水分解物の含有量が20
    〜50重量%、水ガラスの含有量が50〜80重量%で
    あることを特徴とする請求項1乃至4記載の防曇鏡。
  7. 【請求項7】下記の工程により防曇鏡を製造することを
    特徴とする防曇鏡の製法。 (a)基板の裏面に鏡面処理が施された鏡を準備する工
    程、(b)親水性超微粒子と、マトリックス形成用金属
    酸化物としてのアルコキシシラン加水分解物及び水ガラ
    スとを水に分散させた混合ゾルよりなる塗布液を調製す
    る工程、(c)前記塗布液を鏡の表面に塗布する工程、
    (d)熱処理を行い鏡の表面に親水性被膜を形成する工
    程。
  8. 【請求項8】塗布液は、親水性超微粒子、アルコキシシ
    ラン加水分解物及び水ガラスの割合(固形物換算)が、
    親水性超微粒子の含有量が20〜80重量%、アルコキ
    シシラン加水分解物の含有量が4〜40重量%、水ガラ
    スの含有量が10〜64重量%よりなり、且つこれらが
    水溶性分散液中に合計量で2〜10重量%の濃度で含有
    されていることを特徴とする請求項7記載の防曇鏡の製
    法。
  9. 【請求項9】アルコキシシランの加水分解は、アルコキ
    シシランもしくはアルコキシシランの部分加水分解物を
    水及び酸触媒を加えて加水分解・縮合させ水溶性にした
    ものであることを特徴とする請求項7又は8記載の防曇
    鏡の製法。
  10. 【請求項10】熱処理温度は100℃〜200℃である
    ことを特徴とする請求項7記載の防曇鏡の製法。
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