JP2001337159A - 乗員検知システム - Google Patents

乗員検知システム

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JP2001337159A
JP2001337159A JP2000157223A JP2000157223A JP2001337159A JP 2001337159 A JP2001337159 A JP 2001337159A JP 2000157223 A JP2000157223 A JP 2000157223A JP 2000157223 A JP2000157223 A JP 2000157223A JP 2001337159 A JP2001337159 A JP 2001337159A
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JP
Japan
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occupant
radio wave
seat
reception signal
ignition switch
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Application number
JP2000157223A
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English (en)
Inventor
Seiya Murase
誠也 村瀬
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Tokai Rika Co Ltd
Original Assignee
Tokai Rika Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動的にキャリブレーション可能で、乗員と
エアバッグ装置との距離を精度良く検知可能な乗員検知
システムを得る。 【解決手段】 乗員検知システム10では、所定の電波
が送信アンテナ12から送信され、受信アンテナ14で
受信される。イグニションスイッチ70がON状態の場
合は、受信された電波に基づく受信信号が信号変換部2
8へ入力され、乗員60と運転席用エアバッグ装置40
との距離が検知される。一方、イグニションスイッチ7
0がOFF状態とされると、受信信号は補正回路部30
へ入力され、イグニションスイッチ70がON状態とさ
れるまでの間の受信信号の平均値が計算される。基準信
号設定部24では、この平均値に基づいて新たな基準信
号が設定される。すなわち、自動的にキャリブレーショ
ンがなされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エアバッグ装置等
に対する乗員の近接状態を検知する乗員検知システムに
関する。
【0002】
【従来の技術】エアバッグ装置としては、運転席に着座
した乗員の前方側で袋体を展開させるタイプのエアバッ
グ装置のみならず、運転席の側方に設けられた助手席の
前方や側方で袋体を展開させる所謂助手席用エアバッグ
装置や側突用エアバッグ装置等が考案されている。
【0003】ところで、例えば、運転席用エアバッグ装
置は、一般的に運転席前方のステアリング(ハンドル)
に設けられているが、運転席に乗員が存在しない場合や
運転席に着座した乗員とステアリングとの距離によって
はエアバッグ装置を作動させない方がよい場合が考えら
れる。
【0004】ここで、エアバッグ装置を作動させてよい
か否かを判定する方法としては、車両の乗員に対して前
方に送受信アンテナと処理手段とを有するセンサ(以
下、電波式センサという)を設け、乗員とエアバッグ装
置との距離を検知し、この検知結果に基づいてエアバッ
グ装置を作動させてもよい状態であるか否かを判定する
方法がある。
【0005】このような従来の電波式センサは、乗員
(誘電体)の近接に伴う送受信アンテナ間の結合係数の
変化を検出し、この結合係数の変化の程度に基づいて乗
員との距離を検知するものである。そして、送受信アン
テナ間の結合係数の変化を検出するために、乗員が存在
しない場合の受信信号を基準信号とし、この基準信号と
受信信号との差分を検出するようになっている。このた
め、従来の電波式センサでは、乗員が存在しない場合の
受信信号が基準信号として処理手段に予め設定されてい
る。
【0006】しかしながら、上記の基準信号は、処理手
段を構成する回路の温度依存性や経年劣化により変化す
る。したがって、例えば、季節毎の外気温変化に伴い基
準信号値が変化するため、この変化した基準信号と受信
信号との差分は送受信アンテナ間の結合係数の変化に対
応しないものとなる。また、基準信号値が変化しない場
合においても、車両内における座席の前後位置変更等に
よってこの基準信号が基準値となり得ないものとなる場
合もある。
【0007】このため、従来の電波式センサでは、精度
良く乗員との距離を検知するためには、上記の各基準信
号変化要因がある毎に基準信号を設定し直さなければな
らず(キャリブレーションを行わねばならず)、実用性
が低いという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事実を
考慮して、自動的にキャリブレーション可能で、乗員と
エアバッグ装置との距離を精度良く検知可能な乗員検知
システムを得ることが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
る乗員検知システムは、車両内の座席近傍に配置され、
電波を前記座席へ向けて送信する送信アンテナと、前記
座席近傍に配置され、前記電波を受信する受信アンテナ
と、前記送信アンテナへ電気的に接続され、所定の基準
信号に基づいた電波を前記送信アンテナへ供給する電波
供給手段と、前記受信アンテナへ電気的に接続され、前
記受信アンテナで受信された受信電波に基づいた受信信
号を出力する受信信号出力手段と、電波供給手段及び前
記受信信号出力手段へ電気的に接続され、入力された受
信信号と基準信号との振幅の差分を検出し、当該差分の
検出結果に基づいて所定の位置に対する乗員の距離を検
知可能な処理手段と、を備えた乗員検知システムにおい
て、前記電波供給手段は、入力された信号に基づいて前
記所定の基準信号を新たに設定可能であり、かつ、前記
車両内の座席上における乗員の存否を検出可能な検出手
段と、前記電波供給手段及び前記受信信号出力手段並び
に前記検出手段へ電気的に接続され、前記検出手段が前
記車両内の座席上に乗員が存在しないことを検出した際
に前記受信信号出力手段から出力された受信信号を前記
電波供給手段へ入力させる補正手段と、を備えた、こと
を特徴としている。
【0010】なお、請求項1に記載した検出手段とは、
例えば、座席に設けられた荷重センサの如く乗員の存否
を直接検出する検出手段のみならず、車両が有する既存
のセンサやスイッチ等(例えば、ドアローテーションス
イッチ、タイマ、シートベルト警告スイッチ等若しくは
これらの組合せ)またはこれらの検出結果に基づいて乗
員の存否を判断する論理回路やプログラムを含むもので
ある。
【0011】請求項1記載の乗員検知システムでは、車
両内の座席上に乗員が存在しない場合の受信信号に基づ
いて基準信号が電波供給手段に予め設定されている(初
期のキャリブレーションが完了している)。電波供給手
段では、この基準信号に基づいた電波が発生され、送信
アンテナへ供給される。この電波は、送信アンテナによ
り車両内の座席へ向けて送信(放射)される。
【0012】送信された電波は、送受信アンテナ設置位
置に対する乗員の近接状態に応じてその振幅が減衰さ
れ、受信アンテナにより受信される。この受信電波は、
受信信号出力手段へ伝送され受信信号とされる。
【0013】ここで、検出手段が座席上に乗員が存在す
ることを検出している場合、すなわち、例えば乗員の近
接状態に応じてエアバッグ装置の作動可否を判断すべき
場合は、受信信号は処理手段へ出力され、処理手段で
は、基準信号と受信信号との振幅の差分が検出される。
このとき、補正手段は作動されず、受信信号が電波供給
手段に入力されることはない。
【0014】上記の差分値は、乗員が存在しない場合の
送受信アンテナ間の結合係数と測定時の結合係数との変
化分に対応している。これにより、処理手段では、この
差分値に基づいて所定の位置に対する乗員の距離が検知
される。
【0015】したがって、例えば、送受信アンテナをエ
アバッグ装置の近傍に配置し処理手段による検知結果を
エアバッグ装置に出力する構成においては、乗員と送受
信アンテナ(エアバッグ装置)が所定の距離より近接し
た場合は、エアバッグ装置の作動を禁止することができ
る。
【0016】一方、検出手段が座席上に乗員が存在しな
いことを検出している場合は、補正手段が作動される。
補正手段が作動されると、受信信号出力手段から出力さ
れる受信信号が電波供給手段へ入力される。受信信号が
入力された電波供給手段では、この受信信号に基づいた
新たな基準信号が設定される。すなわち、乗員が存在し
ない場合の受信信号に基づいて自動的にキャリブレーシ
ョンが行われる。
【0017】このため、例えば、季節毎の外気温変化に
伴い基準信号が変化した場合や座席が前後に移動されて
初期設定された基準信号が基準値となり得ないものとな
った場合でも、これらの状況に応じた新たな基準信号が
設定されることにより乗員との距離が精度良く検知され
る。
【0018】このように、請求項1記載の乗員検知シス
テムでは、自動的にキャリブレーション可能で、乗員と
エアバッグ装置との距離を精度良く検知することができ
る。
【0019】請求項2記載の発明に係る乗員検知システ
ムは、請求項1記載の乗員検知システムにおいて、前記
検出手段は、前記車両に設けられたイグニションスイッ
チであり、前記補正手段は、前記イグニションスイッチ
がOFF状態である際に前記受信信号出力手段から出力
された受信信号を前記電波供給手段へ入力させる、こと
を特徴としている。
【0020】なお、請求項2に記載したイグニションス
イッチのOFF状態とは、ACC状態(アクセサリ作動
可能状態)及びLOCK状態を含み、補正手段を作動さ
せる何れか1つの状態または複数の状態を任意に選択す
ることができるものである。
【0021】請求項2記載の乗員検知システムでは、乗
員の存否を検出する検出手段としてイグニションスイッ
チが用いられ、このイグニションスイッチがON状態の
場合は座席上に乗員が存在する場合に対応するため、所
定の位置に対する乗員の距離が検知される。
【0022】一方、車両のイグニションスイッチがOF
F状態となると、座席上に乗員が存在しない場合に対応
するため、補正手段が作動され、新たな基準信号が設定
される。すなわち、乗員が存在しない場合の受信信号に
基づいて自動的にキャリブレーションが行われる。
【0023】このように、請求項2記載の乗員検知シス
テムでは、自動的にキャリブレーション可能で、乗員と
エアバッグ装置との距離を精度良く検知することができ
る。
【0024】請求項3記載の発明に係る乗員検知システ
ムは、請求項1または請求項2記載の乗員検知システム
において、前記補正手段は、前記検出手段が前記車両内
の座席上に乗員が存在しないことを検出しまたは前記イ
グニションスイッチがOFF状態とされかつ所定時間が
経過した後に、前記受信信号出力手段から出力された受
信信号を前記電波供給手段へ入力させる、ことを特徴と
している。
【0025】請求項3記載の乗員検知システムでは、検
出手段が前記車両内の座席上に乗員が存在しないことを
検出しまたは車両のイグニションスイッチがOFF状態
とされかつ所定時間が経過した後に、すなわち、座席上
に乗員が存在しなくなった直後ではなく所定時間経過後
に、補正手段が作動される。
【0026】このため、例えば、イグニションスイッチ
OFF後のドア開閉や乗員の降車に伴うノイズが電波供
給手段へ入力されることを避けることができ、安定した
新たな基準信号を設定することができる。すなわち、乗
員が確実に存在しない場合の受信信号に基づいて自動的
に安定したキャリブレーションが行われる。
【0027】このように、請求項3記載の乗員検知シス
テムでは、自動的にキャリブレーション可能で、乗員と
エアバッグ装置との距離を一層精度良く検知することが
できる。
【0028】請求項4記載の発明に係る乗員検知システ
ムは、請求項1または請求項2記載の乗員検知システム
において、前記補正手段は、入力端が前記受信信号出力
手段へ電気的に接続されると共に制御端が前記検出手段
または前記イグニションスイッチへ電気的に接続され、
前記検出手段が前記車両内の座席上に乗員が存在しない
ことを検出している場合または前記イグニションスイッ
チがOFF状態である場合に閉状態となり、前記検出手
段が前記車両内の座席上に乗員が存在することを検出し
た場合または前記イグニションスイッチがON状態とさ
れた場合に開状態となる切替スイッチと、前記切替スイ
ッチの出力端へ電気的に接続され、前記切替スイッチが
閉状態である際に前記受信信号出力手段から入力される
受信信号を時間で積分する積分手段と、前記積分手段及
び前記電波供給手段へ電気的に接続され、前記積分手段
での積分結果を前記切替スイッチが閉状態であった時間
で除算し、当該除算結果を前記電波供給手段へ出力する
除算手段と、を備えて構成される、ことを特徴としてい
る。
【0029】請求項4記載の乗員検知システムでは、検
出手段が前記車両内の座席上に乗員が存在しないことを
検出している場合または前記イグニションスイッチがO
FF状態である場合に切替スイッチが閉じられ、受信信
号出力手段と積分手段とが電気的に接続された状態とな
る。
【0030】受信信号出力手段と積分手段とが電気的に
接続されると、受信信号出力手段から出力された受信信
号が積分手段へ入力される。積分手段では、この受信信
号が時間で積分され、この積分結果が除算手段へ適時出
力される。
【0031】ここで、検出手段により座席上に乗員が存
在することが検出されまたはイグニションスイッチがO
N状態とされると、切替スイッチ開かれ、受信信号出力
手段と積分手段との電気的な接続は解除される。
【0032】一方、除算手段では、切替スイッチが開か
れると、積分手段から入力された積分結果が切替スイッ
チの閉止時間で除され、この除算結果が電波供給手段へ
出力される。この除算結果は、座席上に乗員が存在しな
かった時間における受信信号の平均値である。
【0033】このため、例えば、イグニションスイッチ
OFF後のドア開閉や乗員の降車に伴うノイズ、瞬時値
を入力する場合に問題となる受信信号値の振れ、等の影
響が排除され、安定した新たな基準信号を設定すること
ができる。すなわち、乗員が存在しない場合の平均化さ
れた受信信号に基づいて自動的に一層安定したキャリブ
レーションが行われる。
【0034】このように、請求項4記載の乗員検知シス
テムでは、自動的にキャリブレーション可能で、乗員と
エアバッグ装置との距離をより一層精度良く検知するこ
とができる。
【0035】請求項5記載の発明に係る乗員検知システ
ムは、請求項4記載の乗員検知システムにおいて、前記
切替スイッチは、前記検出手段が前記車両内の座席上に
乗員が存在しないことを検出しまたは前記イグニション
スイッチがOFF状態となりかつ所定時間が経過した後
に閉状態となり、閉状態となりかつ別途所定時間が経過
した後または前記検出手段が前記車両内の座席上に乗員
が存在することを検出し若しくは前記イグニションスイ
ッチがON状態とされた場合に開状態となる、ことを特
徴としている。
【0036】請求項5記載の乗員検知システムでは、検
出手段により座席上に乗員が存在しないことが検出され
またはイグニションスイッチがOFF状態とされ、かつ
所定時間経過後に切替スイッチが閉じられる。また、切
替スイッチが閉じられ、かつ別途所定時間経過後または
座席上に乗員が存在していることが検出され若しくはイ
グニションスイッチがON状態とされた際に切替スイッ
チが開かれる。
【0037】一方、積分手段では、切替スイッチが閉じ
られている間の受信信号が時間で積分され、除算手段へ
出力される。除算手段では、切替スイッチが閉じられて
いる間の積分結果が切替スイッチの閉止時間で除され、
この除算結果が電波供給手段へ出力される。この除算結
果は、座席上に乗員が確実に存在しなかった時間におけ
る受信信号の平均値である。
【0038】このため、例えば、イグニションスイッチ
OFF後のドア開閉や乗員の降車に伴うノイズを排除し
て受信信号の平均値を得ることができ、また、瞬時値を
入力する場合に問題となる受信信号値の振れ等の影響が
排除され、一層安定した新たな基準信号を設定すること
ができる。すなわち、乗員が存在しない場合の平均化さ
れた受信信号に基づいて自動的により一層安定したキャ
リブレーションが行われる。
【0039】また、キャリブレーション終了後に乗員検
知システムの作動を終了し、イグニションスイッチのO
Nに伴って乗員検知システムを再度作動させる構成とす
れば、電力消費量が抑えられバッテリの負荷を低減する
こともできる。
【0040】このように、請求項5記載の乗員検知シス
テムでは、自動的にキャリブレーション可能で、乗員と
エアバッグ装置との距離をさらにより一層精度良く検知
することができる。
【0041】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1乃至図
3に基づいて説明する。
【0042】図1には、本発明の実施の形態に係る乗員
検知システム10を適用した車両50の一部が側面断面
図によって示されている。また、図2には、乗員検知シ
ステム10及び運転席用エアバッグ装置40の概略構成
がブロック図によって示されている。さらに、図3に
は、車両50内の一部が斜視図によって、イグニション
スイッチ70が正面図によってそれぞれ示されている。
【0043】図1に示される如く、車両50に適用され
た乗員検知システム10は、車両50のステアリング5
2に設けられた運転席用エアバッグ装置40の近傍に配
置され、運転席54に着座している乗員60の運転席用
エアバッグ装置40に対する近接状態を検知する構成と
なっている。
【0044】ここで、乗員検知システム10は、電波を
送受信する送信アンテナ12及び受信アンテナ14を備
えている。送信アンテナ12及び受信アンテナ14は、
共に平板状に形成され、後に説明する運転席用エアバッ
グ装置40のカバー内面に設置されている。
【0045】図2に示される如く、送信アンテナ12
は、電波供給手段、受信信号出力手段及び処理手段を構
成する制御回路部20内に設けられた電波供給手段とし
ての電波供給部22へ電気的に接続されている。電波供
給部22には、基準信号設定部24が設けられており、
この基準信号設定部24は、入力された信号に基づいて
基準信号を設定できるようになっている。これにより、
電波供給部22では基準信号に基づいた略42KHzの
電波を発振して送信アンテナ12へ供給し、送信アンテ
ナ12ではこの略42KHzの電波を車両50内の乗員
60へ向けて送信(放射)する構成となっている。な
お、初期状態においては、基準信号は、助手席54上に
乗員60が存在しない場合に受信アンテナ14で受信さ
れ後述する受信信号出力部26から出力される受信信号
に基づいて、基準信号設定部24に予め設定されてい
る。
【0046】一方、受信アンテナ14は、制御回路部2
0に設けられた受信信号出力手段としての受信信号出力
部26へ電気的に接続され、送信アンテナ12から送信
された電波を受信し、受信信号出力部26へ伝送する構
成となっている。
【0047】受信信号出力部26は、制御回路部20に
設けられた処理手段としての信号変換部28及び補正手
段としての補正回路部30へ電気的に接続され、受信ア
ンテナ14で受信された電波に基づいた受信信号を信号
変換部28及び補正回路部30へそれぞれ出力可能な構
成となっている。
【0048】信号変換部28は、基準信号設定部24と
も電気的に接続されており、受信信号出力部26から入
力された受信信号の振幅と基準信号設定部24から入力
された基準信号に比例した信号の振幅との差分を検出
し、これをDCアナログ信号に変換するようになってい
る。
【0049】一方、補正回路部30は、切替スイッチ3
2を備えており、この切替スイッチ32において受信信
号出力部26と電気的に接続されている。切替スイッチ
32は、図示しない制御端が乗員60の存否を検出する
検出手段としてのイグニションスイッチ70へ電気的に
接続され、イグニションスイッチ70がON状態(図3
(B)に示すONポジションが選択された状態)の際に
開状態となり、イグニションスイッチ70がOFF状態
(図3(B)に示すOFFポジションが選択された状
態)の際に閉状態となるように構成されている。また、
イグニションスイッチ70は、補正回路部30内に設け
られたタイマ36へ電気的に接続されている。このタイ
マ36は、イグニションスイッチ70がOFF状態とな
ると時間の計測を開始し、イグニションスイッチ70が
ON状態となると時間の計測を終了すると共に計測時間
を後述する除算回路部38へ出力するようになってい
る。
【0050】また、切替スイッチ32は、同じく補正回
路部30に設けられ積分手段を構成する積分回路部34
へ電気的に接続されている。これにより、切替スイッチ
32が閉状態の場合に受信信号出力部26から出力され
た受信信号が積分回路部34へ入力されるようになって
いる。
【0051】積分回路部34は、切替スイッチ32が閉
状態である間に入力された受信信号を時間で積分するよ
うになっている。また、積分回路部34は、同じく補正
回路部30に設けられ除算手段を構成する除算回路部3
8へ電気的に接続され、積分結果を除算回路部38へ適
時出力するようになっている。
【0052】これにより、除算回路部38では、積分回
路部34から入力された最新の積分結果を上記のタイマ
36から入力された計測時間で除算するように構成され
ている。また、補正回路部30は、除算回路部38にお
いて上記の基準信号設定部24へ電気的に接続され、除
算回路部38は除算結果を基準信号設定部24へ出力す
るよう構成されている。
【0053】また、制御回路部20は、信号変換部28
においてエアバッグコンピュータ42へ電気的に接続さ
れ、上記のDCアナログ信号をエアバッグコンピュータ
42に出力する構成となっている。
【0054】エアバッグコンピュータ42は運転席用エ
アバッグ装置40の一部を構成しており、運転席用エア
バッグ装置40に設けられた起動装置46へ電気的に接
続されている。また、エアバッグコンピュータ42は、
運転席用エアバッグ装置40に設けられたセンサ44と
も電気的に接続されている。センサ44は所定値以上の
減速度や荷重等を検出した場合には検出信号をエアバッ
グコンピュータ42へ送信するようになっており、基本
的にはセンサ44からの検出信号を受信したエアバッグ
コンピュータ42は起動装置46を作動させるようにな
っている。
【0055】ここで、図1及び図3(A)に示される如
く、運転席用エアバッグ装置40は運転席54前方のス
テアリング52内に設けられ、エアバッグコンピュータ
42は、運転席用エアバッグ装置40近傍の適宜位置に
配置されている。
【0056】運転席用エアバッグ装置40の起動装置4
6は点火剤を着火する着火装置48を備えており、これ
らは共に図示しないインフレータ内に設けられている。
これにより、着火装置48が着火剤を着火することで同
じくインフレータ内に収容されたガス発生剤が燃焼し、
瞬時に大量のガスが発生するようになっている。運転席
用エアバッグ装置40のインフレータ近傍の所定位置に
は、図示しない袋体が折り畳み状態で配置されており、
各インフレータで発生したガスの圧力により膨張して乗
員の前方の所定位置で展開するようになっている。
【0057】次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0058】本実施の形態に係る乗員検知システム10
では、車両50内の運転席54上に乗員60が存在しな
い場合の受信信号に基づいた基準信号が電波供給部22
の基準信号設定部24に予め設定されている(初期のキ
ャリブレーションが完了している)。電波供給部22で
は、この基準信号に基づいた電波が発生され、送信アン
テナ12へ供給される。この電波は、送信アンテナ12
により車両50内の座席へ向けて送信(放射)され、受
信アンテナ14により受信される。
【0059】このとき、送受信アンテナ12、14間に
は電界が形成され、この電界の所定の範囲が、図1に領
域Aで示される如く、乗員検知システム10の検知範囲
とされる。
【0060】この検知範囲に乗員60が近接すると、送
信アンテナ10から送信された電波は、乗員60の近接
に伴う送受信アンテナ12、14間の結合係数に変化に
応じてその振幅が減衰され、受信アンテナ14により受
信される。この受信電波は、受信信号出力部26へ伝送
され受信信号とされる。
【0061】ここで、イグニションスイッチ70がON
状態である場合(すなわち、例えば、乗員60が車両5
0を運転中に対応しており乗員60の近接状態に応じて
運転席用エアバッグ装置40の作動可否を判断すべき場
合)、受信信号は信号変換部28へ出力される。受信信
号が入力された信号変換部28では、基準信号と受信信
号との振幅の差分が検出され、この差分値がDCアナロ
グ信号へ変換される。このとき、補正回路部30の切替
スイッチ32は開状態であり、受信信号が補正回路部3
0を介して電波供給部22の基準信号設定部24へ入力
されることはない。
【0062】上記のDCアナログ信号(差分値)は、乗
員60が座席54上に存在しない場合の送受信アンテナ
12、14間の結合係数と測定時の結合係数との変化分
に対応している。また、結合係数の変化分は送受信アン
テナ12、14に対する乗員の距離に比例することがわ
かっている。さらに、送受信アンテナ12、14は、運
転席用エアバッグ装置40のカバー内面に配置されてい
るため、信号変換部28により上記のDCアナログ信号
を得ることで運転席用エアバッグ装置40に対する乗員
60の距離が検知される。
【0063】信号変換部28により得られたDCアナロ
グ信号は、エアバッグコンピュータ42へ出力される。
エアバッグコンピュータ42では、このDCアナログ信
号に基づいて運転席用エアバッグ装置40の作動可否が
判断される。すなわち、乗員60が運転席用エアバッグ
装置40に対して所定の距離より近接している場合は、
運転席用エアバッグ装置40が作動禁止状態とされる。
一方、乗員60が運転席用エアバッグ装置40に対して
所定の距離より離反している場合は、運転席用エアバッ
グ装置40の作動可能状態が維持される。
【0064】さらに、イグニションスイッチ70のON
状態では、以上の一連の動作が繰り返し行われ、運転席
用エアバッグ装置40に対する乗員60の距離が常時検
知される。
【0065】一方、イグニションスイッチ70がOFF
状態とされると(すなわち、運転席54上に乗員60が
存在しない場合となると)、補正回路部30の切替スイ
ッチ32が閉状態となる。
【0066】切替スイッチ32が閉状態となると、受信
信号出力部26から出力される受信信号が積分回路部3
4へ入力され、積分回路部34では、受信信号の時間で
の積分及び積分結果の除算回路部38への出力が開始さ
れる。また、同時にタイマ36では、時間(切替スイッ
チ32の閉止時間)の計測が開始される。
【0067】ここで、イグニションスイッチ70がON
状態とされると、切替スイッチ32が開状態とされると
共に、タイマ36による切替スイッチ32の閉止時間の
計測が終了され、計測された切替スイッチ32の閉止時
間が除算回路部38へ出力される。
【0068】切替スイッチ32の閉止時間が入力された
除算回路部38では、積分回路部34から入力された受
信信号の積分値が切替スイッチ32の閉止時間で除さ
れ、この除算結果が制御回路部20の基準信号設定部2
4へ出力される。
【0069】受信信号が入力された基準信号設定部24
では、この受信信号に基づいた新たな基準信号が設定さ
れる。すなわち、乗員が存在しない場合の受信信号に基
づいて自動的にキャリブレーションが行われる。
【0070】このため、例えば、季節毎の外気温変化に
伴い基準信号が変化した場合や運転席54が前後に移動
されて初期設定された基準信号が基準値となり得ないも
のとなった場合でも、これらの状況に応じた新たな基準
信号が設定されることにより運転席用エアバッグ装置4
0と乗員60との距離が精度良く検知される。
【0071】また、上記の除算結果は、運転席54上に
乗員60が存在しなかった時間における受信信号の平均
値である。このため、例えば、イグニションスイッチ7
0がOFF状態とされた後のドア開閉や乗員60の降車
に伴う受信信号のノイズ、受信信号の瞬時値を入力する
場合に問題となる受信信号値の振れ、等の影響が排除さ
れ、安定した新たな基準信号を設定することができる。
【0072】なお、本実施の形態では、乗員検知システ
ム10を運転席用エアバッグ装置40に適用したが、本
発明はこれに限られず、例えば、助手席用エアバッグ装
置または側突用エアバッグ装置等に適用しても良い。ま
た、乗員検知システムを車両50の運転席、助手席、後
部座席の一部または全部に同時に適用しても良い。
【0073】また、本実施の形態では、送信アンテナ1
2及び受信アンテナ14を運転席用エアバッグ装置40
のカバー内面に配置した構成としたが、本発明はこれに
限られず、例えば、カバーの外面または内部、天井、シ
ートバック内、ドア等に配置しても良い。さらに、複数
対の送受信アンテナを備えた構成としても良く、例え
ば、天井及びドアに各一対の送受信アンテナを設けて運
転席用エアバッグ装置40及び側突用エアバッグ装置の
作動可否を同時に判定可能な構成としても良い。
【0074】さらに、本実施の形態では、乗員60の存
否を検出する検出手段としてイグニションスイッチ70
を用いた構成としたが、本発明はこれに限られず、例え
ば、座席に設けられた荷重センサの如く乗員の存否を直
接検出する検出手段、車両が有する既存のセンサやスイ
ッチ等(例えば、ドアローテーションスイッチ、タイ
マ、シートベルト警告スイッチ等若しくはこれらの組合
せ)またはこれらの検出結果に基づいて乗員の存否を判
断する論理回路やプログラム等を用いた構成としても良
い。また、本実施の形態では、イグニションスイッチ7
0がOFF状態の際にキャリブレーションを行う構成と
したが、本発明はこれに限られず、例えば、イグニショ
ンスイッチ70がACC状態(アクセサリ作動可能状
態)及びLOCK状態の際にキャリブレーションを行う
構成としても良い。
【0075】さらにまた、本実施の形態では、イグニシ
ョンスイッチ70がOFF状態とされてからON状態と
されるまでの間の受信信号の平均値に基づいてキャリブ
レーションを行う構成としたが、本発明はこれに限られ
ず、イグニションスイッチ70がOFF状態とされてか
らON状態とされるまでの間の任意の時期における受信
信号の平均値に基づいてキャリブレーションを行う構成
とすることができる。また、受信信号の瞬時値に基づい
てキャリブレーションを行う構成とすることもできる。
この場合、例えば、補正手段は切替スイッチのみで足
り、簡単な構成とすることができる。
【0076】また、本実施の形態では、タイマ36をイ
グニションスイッチ70側に設け、間接的に切替スイッ
チ32の閉止時間を計測する構成としたが、本発明はこ
れに限られず、例えば、タイマを切替スイッチ側に設け
て切替スイッチ32の閉止時間を直接計測する構成とし
ても良く、また、このタイマを除算回路部に内蔵した構
成としても良い。さらに、イグニションスイッチOFF
後の任意の時期にキャリブレーションを行う構成とする
場合は、タイマを切替スイッチの制御端とイグニション
スイッチとの間に設けた構成としても良い。
【0077】このように、本実施の形態に係る乗員検知
システム10では、自動的にキャリブレーション可能
で、運転席用エアバッグ装置40と乗員60との距離を
精度良く検知することができる。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る乗員
検知システムは、自動的にキャリブレーション可能で、
乗員とエアバッグ装置との距離を精度良く検知すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る乗員検知システムを
適用した車両の一部を示す概略断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る乗員検知システム及
びエアバッグ装置の概略回路構成を示すブロック図であ
る。
【図3】(A)は、本発明の実施の形態に係る乗員検知
システムを適用した車両の室内を示す斜視図、(B)
は、イグニションスイッチを示す正面図である。
【符号の説明】
10 乗員検知システム 12 送信アンテナ 14 受信アンテナ 20 制御回路部(電波供給手段、受信信号出力手
段、処理手段) 22 電波供給部(電波供給手段) 26 受信信号出力部(受信信号出力手段) 28 信号変換部(処理手段) 30 補正回路部(補正手段) 32 切替スイッチ(補正手段) 34 積分回路部(補正手段、積分手段) 38 除算回路部(補正手段、除算手段) 40 運転席用エアバッグ装置 42 エアバッグコンピュータ 50 車両 60 乗員 70 イグニションスイッチ(検出手段)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両内の座席近傍に配置され、電波を前
    記座席へ向けて送信する送信アンテナと、 前記座席近傍に配置され、前記電波を受信する受信アン
    テナと、 前記送信アンテナへ電気的に接続され、所定の基準信号
    に基づいた電波を前記送信アンテナへ供給する電波供給
    手段と、 前記受信アンテナへ電気的に接続され、前記受信アンテ
    ナで受信された受信電波に基づいた受信信号を出力する
    受信信号出力手段と、 電波供給手段及び前記受信信号出力手段へ電気的に接続
    され、入力された受信信号と基準信号との振幅の差分を
    検出し、当該差分の検出結果に基づいて所定の位置に対
    する乗員の距離を検知可能な処理手段と、 を備えた乗員検知システムにおいて、 前記電波供給手段は、入力された信号に基づいて前記所
    定の基準信号を新たに設定可能であり、かつ、 前記車両内の座席上における乗員の存否を検出可能な検
    出手段と、 前記電波供給手段及び前記受信信号出力手段並びに前記
    検出手段へ電気的に接続され、前記検出手段が前記車両
    内の座席上に乗員が存在しないことを検出した際に前記
    受信信号出力手段から出力された受信信号を前記電波供
    給手段へ入力させる補正手段と、を備えた、 ことを特徴とする乗員検知システム。
  2. 【請求項2】 前記検出手段は、前記車両に設けられた
    イグニションスイッチであり、 前記補正手段は、前記イグニションスイッチがOFF状
    態である際に前記受信信号出力手段から出力された受信
    信号を前記電波供給手段へ入力させる、 ことを特徴とする請求項1記載の乗員検知システム。
  3. 【請求項3】 前記補正手段は、前記検出手段が前記車
    両内の座席上に乗員が存在しないことを検出しまたは前
    記イグニションスイッチがOFF状態とされかつ所定時
    間が経過した後に、前記受信信号出力手段から出力され
    た受信信号を前記電波供給手段へ入力させる、 ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の乗員検
    知システム。
  4. 【請求項4】 前記補正手段は、 入力端が前記受信信号出力手段へ電気的に接続されると
    共に制御端が前記検出手段または前記イグニションスイ
    ッチへ電気的に接続され、前記検出手段が前記車両内の
    座席上に乗員が存在しないことを検出している場合また
    は前記イグニションスイッチがOFF状態である場合に
    閉状態となり、前記検出手段が前記車両内の座席上に乗
    員が存在することを検出した場合または前記イグニショ
    ンスイッチがON状態とされた場合に開状態となる切替
    スイッチと、 前記切替スイッチの出力端へ電気的に接続され、前記切
    替スイッチが閉状態である際に前記受信信号出力手段か
    ら入力される受信信号を時間で積分する積分手段と、 前記積分手段及び前記電波供給手段へ電気的に接続さ
    れ、前記積分手段での積分結果を前記切替スイッチが閉
    状態であった時間で除算し、当該除算結果を前記電波供
    給手段へ出力する除算手段と、 を備えて構成される、ことを特徴とする請求項1または
    請求項2記載の乗員検知システム。
  5. 【請求項5】 前記切替スイッチは、 前記検出手段が前記車両内の座席上に乗員が存在しない
    ことを検出しまたは前記イグニションスイッチがOFF
    状態となりかつ所定時間が経過した後に閉状態となり、
    閉状態となりかつ別途所定時間が経過した後または前記
    検出手段が前記車両内の座席上に乗員が存在することを
    検出し若しくは前記イグニションスイッチがON状態と
    された場合に開状態となる、 ことを特徴とする請求項4記載の乗員検知システム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007039024A (ja) * 2005-07-07 2007-02-15 Nissan Motor Co Ltd 車両の乗員拘束装置および乗員拘束方法
KR101279813B1 (ko) * 2011-05-09 2013-06-28 순천향대학교 산학협력단 피에조 셀프 센싱을 이용한 불량 노즐 검출 방법 및 그 기록 매체
JP2017181225A (ja) * 2016-03-30 2017-10-05 本田技研工業株式会社 乗員検知装置

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