JP2001335608A - ポリビニルラクタム変性物 - Google Patents

ポリビニルラクタム変性物

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JP2001335608A
JP2001335608A JP2000159826A JP2000159826A JP2001335608A JP 2001335608 A JP2001335608 A JP 2001335608A JP 2000159826 A JP2000159826 A JP 2000159826A JP 2000159826 A JP2000159826 A JP 2000159826A JP 2001335608 A JP2001335608 A JP 2001335608A
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Yoshitomo Nakada
善知 中田
Hideyuki Nishibayashi
秀幸 西林
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 工業上有用で新規なポリビニルラクタム変性
物を提供する。 【構成】 N−ビニルラクタム構造(1)で示される繰
り返し単位を有する連鎖と、環状イミノエーテル構造又
はカーボネート構造又はアルコキシシリル構造又は無水
酸構造の中からから選ばれるモノマー由来の構造単位を
必須として有する構造とが結合してなることを特徴とす
る新規なポリビニルラクタム変性物とその製造方法に関
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なポリビニル
ラクタム変性物に、さらに詳しくは反応性を有するポリ
ビニルラクタム変性物に関するものである。本発明のポ
リビニルラクタム変性物はその反応性を利用し、高耐湿
化剤及び防滴剤及び湿度調整剤及び撥水剤原料、発泡調
整剤原料、皮膚平滑化及び皮膚乾燥防止剤原料、化粧品
添加剤、整髪助剤、毛髪調整剤、フォトレジスト、ガス
ハイドレートインヒビター、油添加剤、石油流動化剤及
び凝固防止剤原料、接着添加剤、防汚剤、高分子界面活
性剤原料、ヨウ素及び過酸化水素錯体化用基剤原料、
紙、繊維、織物、金属、樹脂及びシートなどの表面処理
剤、染色助剤、移染防止剤、ポリエチレン及びポリプロ
ピレン等のポリオレフィン染色付与剤、シリカ及びアル
ミナ等の無機微粒子分散剤原料、金属微粒子分散剤原
料、染料分散剤原料、乳化安定剤原料、帯電防止剤、熱
硬化性樹脂用柔軟化剤原料、樹脂相溶化剤原料、防錆剤
原料、パラフィン改質剤原料、ポリカルボン酸等のポリ
酸による架橋体、ハイドロゲル原料、吸水性及び吸液性
樹脂原料等として工業上有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】本発明のポリビニルラクタム変性物は新
規物質であり、これまで報告されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、反応
性基を有しないN−ビニルラクタム構造(1)で示され
る繰り返し単位を有する連鎖からなる重合体に高い反応
性を有する官能基を導入することで、様々な機能を付与
できる工業上有用な、新規なポリビニルラクタム変性物
を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のN−ビニルラク
タム変性物は、下記の一般式(1)
【0005】
【化5】
【0006】(ここでR1は水素又はメチル基を表わ
し、mは1〜3の整数を表わす。)で表されるN−ビニ
ルラクタム構造単位を有する連鎖(A)(以下ラクタム
連鎖と記載、本発明における連鎖とは、繰り返し単位が
直線的につながったものをいう)(ただしN−ビニルラ
クタム構造(1)で示される繰り返し単位を有する連鎖
内に、環状イミノエーテル構造単位、カーボネート構造
単位、アルコキシシリル構造単位、無水酸構造単位は、
いずれも存在しない。)と、環状イミノエーテル構造、
カーボネート構造、アルコキシシリル構造および無水酸
構造からなる群より選ばれるいずれかの構造単位を必須
として有する構造(B)(以下反応性基含有構造と記
載)とが結合した構造を有することを特徴としている。
また本発明は上記のN−ビニルラクタム変性物におい
て、構造(B)が、下記一般式(2)
【0007】
【化6】
【0008】(ここでR2は水素又はメチル基を表わ
し、R3及びR4はそれぞれ独立して水素又はメチル基を
表わし、nは2又は3を表わす。)で示される環状イミ
ノエーテル構造単位を必須として有する構造であること
を特徴としている。また本発明は上記のN−ビニルラク
タム変性物において、構造(B)が、ビニルエチレンカ
ーボネートまたはビニレンカーボネート由来のカーボネ
ート構造単位を必須として有する構造であることを特徴
としている。また本発明は上記のN−ビニルラクタム変
性物において、構造(B)が、下記一般式(3)
【0009】
【化7】
【0010】(R5は水素またはメチル基を表し、R6
びR7はそれぞれ脂肪族残基または芳香族残基を表わ
し、pは0〜2の整数を表わす)で示される構造単位を
必須として有する構造であることを特徴としている。
【0011】また本発明は上記のN−ビニルラクタム変
性物において、構造(B)が、無水マレイン酸、無水イ
タコン酸、または、無水シトラコン酸由来の無水酸構造
単位を必須として有する構造であることを特徴としてい
る。また、本発明は、以上に示したN−ビニルラクタム
変性物であるが、好ましくは、下記の(a)〜(e)で
ある。
【0012】(a)N−ビニルラクタム構造(1)
【0013】
【化8】
【0014】(ここでR1は水素又はメチル基を表わ
し、mは1〜3の整数を表わす)で示される繰り返し単
位を有する重合体を、環状イミノエーテル構造、カーボ
ネート構造、アルコキシシリル構造、および無水酸構造
からなる群より選ばれるいずれかの構造を有する不飽和
化合物で変性してなるポリビニルラクタム変性物。
【0015】(b) 環状イミノエーテル構造を有する
不飽和化合物が、下記一般式(4)
【0016】
【化9】
【0017】(ここでR8は水素又はメチル基を表わ
し、R9及びR10はそれぞれ独立して水素又はメチル基
を表わし、qは2又は3を表わす。)で示される環状イ
ミノエーテル構造を有する不飽和化合物である、上記
(a)記載のポリビニルラクタム変性物。
【0018】(c)カーボネート構造を有する不飽和化
合物が、ビニルエチレンカーボネート、ビニレンカーボ
ネートである上記(a)記載のポリビニルラクタム変性
物。
【0019】(d)アルコキシシリル構造を有する不飽
和化合物が、下記一般式(5)
【0020】
【化10】
【0021】(R11は水素またはメチル基を表し、R12
及び13はそれぞれ脂肪族残基または芳香族残基を表わ
し、rは0〜2の整数を表わす)で示されるアルコキシ
シリル構造を有する不飽和化合物である上記(a)記載
のポリビニルラクタム変性物。
【0022】(e)無水酸構造を有する不飽和化合物
が、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン
酸からなる群より選ばれるいずれかの、無水酸構造を有
する不飽和化合物である上記(a)記載のポリビニルラ
クタム変性物。
【0023】また本発明の製造方法はラクタム連鎖から
なる重合体を、ラジカル開始剤存在下、環状イミノエー
テル構造又はカーボネート構造又はアルコキシシリル構
造又は無水酸構造の中からから選ばれる部分構造を有す
るモノマー(以下反応性基含有モノマーと記載)で変性
させることを特徴としている。
【0024】以下に本発明を詳しく説明する。
【0025】本発明において、ラクタム連鎖からなる重
合体は、N−ビニルラクタム構造単位以外の構造単位を
含んでいても構わないが、好ましくはN−ビニルラクタ
ム構造単位を10重量%以上、より好ましくは50重量
%以上含む重合体である。
【0026】本発明において反応性基含有構造は、環状
イミノエーテル構造又はカーボネート構造又はアルコキ
シシリル構造又は無水酸構造の中からから選ばれるモノ
マー由来の構造単位の連鎖が1つ以上必要である。また
環状イミノエーテル構造又はカーボネート構造又はアル
コキシシリル構造又は無水酸構造以外の構造単位を含ん
でいても構わないが、好ましくは該構造単位を10重量
%以上、より好ましくは50重量%以上含む構造体であ
る。
【0027】本発明においてラクタム連鎖からなる重合
体と、反応性基含有構造との結合形態及び位置は、特に
限定されないが、一般的にラクタム連鎖のラクタム環が
結合しているα−メチン基水素位へ結合した構造及び/
又は主鎖のメチレン基及び/又はラクタム環上のメチレ
ン基と結合した構造や、互いの構造が末端同士で結合し
た構造をも含むことが考えられる。
【0028】また、本発明のポリビニルラクタム変性物
は、上記のようにラクタム連鎖と、反応性基含有構造と
が結合したものであることが好ましいが、本発明の重合
体の性質が損なわれない程度に、その他の構造が結合し
たものであってもよい。
【0029】本発明においてラクタム連鎖からなる重合
体に対する反応性基含有構造の重量比は0.01重量%
以上でより好ましくは0.1重量%以上である。0.0
1重量%より少ない場合は、反応性基の反応性を十分に
利用することができないので好ましくない。
【0030】本発明において、新規なポリビニルラクタ
ム変性物はラクタム連鎖からなる重合体をラジカル的に
変性することによって製造可能である。具体的には有
機、無機過酸化物やアゾ系ラジカル開始剤を使用する製
造法、UVやEB等の高エネルギーをもった電磁波を使
用する製造法等が利用できる。有機過酸化物としてはラ
ウロイルペルオキシドやベンゾイルペルオキシド等のジ
アシルペルオキシド、t−ブチルペルオキシ−2−エチ
ルヘキサノエート等のペルオキシエステル、2、2−ビ
ス(t−ブチルペルオキシ)ブタン等のパーオキシケタ
ール、ジt−ブチルペルオキシド等のジアルキルペルオ
キシド、t−ブチルヒドロペルオキシド等のヒドロペル
オキシドが使用可能であるが、ラクタム連鎖からなる重
合体をラジカル的に変性する反応条件によって最適なラ
ジカル開始剤を選択する必要がある。また無機過酸化物
としては過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の水
溶性過酸化物が使用可能である。さらにこれら有機及び
無機過酸化物に還元剤を組み合わせて、レドックス系開
始剤として使用することも可能である。
【0031】本発明のラクタム連鎖からなる重合体をラ
ジカル的に変性する方法において、使用されるラジカル
開始剤の量は特に限定されないが、好ましくはラクタム
連鎖からなる重合体と反応性基含有モノマーの総重量に
対して0.1〜20重量%である。0.1重量%より小
さいとラクタム連鎖からなる重合体が十分に変性され
ず、また20重量%より大きいと残留するラジカル開始
剤が多くなり生成物を実用に供する際に不具合が生じる
ことがあるので好ましくない。
【0032】本発明のラクタム連鎖からなる重合体をラ
ジカル的に変性する方法において、使用するラジカル開
始剤の添加方法としては、反応初期に一括して添加して
も良いし、別途使用する溶媒に溶解した後分割添加して
も良いし、連続的に添加しても良い。
【0033】本発明において使用されうる、ラクタム連
鎖からなる重合体の具体例としてはポリ(N−ビニル−
2−ピロリドン)、ポリ(N−ビニル−5−メチル−2
−ピロリドン)、ポリ(N−ビニル−2−ピペリド
ン)、ポリ(N−ビニル−6−メチル−2−ピペリド
ン)、ポリ(N−ビニル−ε−カプロラクタム)、ポリ
(N−ビニル−7−メチル−ε−カプロラクタム)、N
−ビニル−2−ピロリドン/酢酸ビニル共重合体、N−
ビニル−2−ピロリドン/スチレン共重合体、N−ビニ
ル−2−ピロリドン/アクリロニトリル共重合体、N−
ビニル−2−ピロリドン/アクリルアミド共重合体、N
−ビニル−2−ピロリドン/(メタ)アクリルエステル
共重合体、N−ビニル−2−ピロリドン/ビニルイミダ
ゾール共重合体等が挙げられ、特にポリ(N−ビニル−
2−ピロリドン)としてはK値が15〜120のものが
工業上入手可能である。またこれらの分子量は特に限定
されないが、千〜百万が好ましく、千〜十万がより好ま
しい。これらは粉体及び溶液のいずれの状態でも使用可
能であるが、溶剤を使用する場合は、粉体を溶剤に溶解
して反応に供するのが好ましい。
【0034】本発明において、一般式(2)で示される
環状イミノエーテル構造単位を必須として有する構造を
得るためのモノマーとしては2−ビニル−2−オキサゾ
リン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2
−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル
−4、5−ジメチル−2−オキサゾリン、2−イソプロ
ペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−
メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−
メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4、
5−ジメチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−2−オ
キサジン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサジン、
2−ビニル−5−メチル−2−オキサジン、2−ビニル
−6−メチルオキサジン、2−ビニル−4、5−ジメチ
ル−2−オキサジン、2−ビニル−4、6−ジメチル−
2−オキサジン、2−ビニル−5、6−ジメチル−2−
オキサジン、2−ビニル−4、5、6−トリメチル−2
−オキサジン、2−イソプロペニル−2−オキサジン、
2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサジン、2
−イソプロペニル−5−メチル−2−オキサジン、2−
イソプロペニル−6−メチルオキサジン、2−イソプロ
ペニル−4、5−ジメチル−2−オキサジン、2−イソ
プロペニル−4、6−ジメチル−2−オキサジン、2−
イソプロペニル−5、6−ジメチル−2−オキサジン、
2−イソプロペニル−4、5、6−トリメチル−2−オ
キサジン等である。
【0035】本発明においてカーボネート構造を有する
モノマーとしてはビニルエチレンカーボネート、ビニレ
ンカーボネート等が挙げられるが、これらに特に限定さ
れない。
【0036】本発明においてアルコキシシリル構造を有
するモノマーとしては、メトキシジメチルビニルシラ
ン、ジメトキシメチルビニルシラン、トリメトキシビニ
ルシラン、エトキシジエチルビニルシラン、ジエトキシ
エチルビニルシラン、トリエトキシビニルシラン等が挙
げられるが、これらに特に限定されない。
【0037】本発明において無水酸構造を有するモノマ
ーとしては無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シト
ラコン酸等が挙げられるが、これらに特に限定されな
い。
【0038】本発明のラクタム連鎖からなる重合体をラ
ジカル的に変性する方法において、ラクタム連鎖からな
る重合体に対して、反応性基含有モノマーの仕込み量は
特に限定されないが好ましくは0.1〜1000重量%
であり、さらに好ましくは1〜100重量%である。
0.1重量%より小さい場合、架橋剤として使用する際
に架橋強度が得られず、1000より大きい場合反応性
基含有モノマーの単独重合が増加してしまうため、あま
り好ましくない。
【0039】本発明のラクタム連鎖からなる重合体をラ
ジカル的に変性する方法において、溶媒は反応性基含有
モノマーに対して不活性で、ラクタム連鎖からなる重合
体を溶解するものであれば特に限定されないが、水、メ
タノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノー
ル、エチレングリコール、プロピレングリコールモノメ
チルエーテル等のアルコール類、アセトンやメチルエチ
ルケトン等のケトン類、クロロホルム等のハロゲン化ア
ルキル類、ジメチルホルムアミドやジメチルアセトアミ
ドやジメチルイミダゾリジノン等のアミド系溶媒が使用
可能で、好ましくは水、アルコール類、ケトン類が用い
られる。
【0040】本発明のラクタム連鎖からなる重合体をラ
ジカル的に変性する方法において、ラクタム連鎖からな
る重合体の初期濃度は10〜50重量%が好ましい。1
0重量%より小さいと生産性が悪く、50重量%より大
きいと変性時にゲル化してしまう恐れがあるため好まし
くない。
【0041】本発明のラクタム連鎖からなる重合体をラ
ジカル的に変性する方法において、反応温度は特に制限
はないが、40℃〜200℃が好適である。反応温度が
40℃以下の場合、反応速度が低下し、反応が進行する
のに時間がかかるため経済的でなく、また200℃以上
では反応性基含有モノマーの単独重合や分解が、またラ
クタム連鎖からなる重合体のゲル化等が優先的に起こる
可能性があるため好ましくない。
【0042】本発明のラクタム連鎖からなる重合体をラ
ジカル的に変性する方法において、反応時間は特に制限
はないが1時間〜36時間が生産性の面から好適であ
る。
【0043】また本反応は回分式、半回分式及び連続方
式のいずれの反応形式を採用して行なってもよい。回分
方式の場合、反応器に溶媒とラクタム連鎖からなる重合
体とラジカル開始剤と反応性基含有モノマーを充填して
おき、所定の温度に昇温させ反応させることができる。
また半回分方式を採用して行なう場合には、該モノマー
のみを別途供給する方法、該モノマーとラジカル開始剤
を別途供給する方法等が可能である。
【0044】このようにして得られたポリビニルラクタ
ム変性物はカルボキシル基、水酸基、アミノ基、チオー
ル基を有する化合物と反応して、紙及び繊維及び織物及
び金属及び樹脂及びシート等の表面処理剤及び防水剤等
の改質剤、架橋体、ハイドロゲル原料、吸水性及び吸液
性樹脂原料等として大変有用である
【0045】
【実施例】以下、実施例により、本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらにより何等限定されるものでは
ない。
【0046】実施例1 50mlの耐圧密閉容器にポリビニルピロリドンK−3
0(ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーによる
頂点分子量約7.5万)を5.6g(ビニルピロリドン
換算0.05mol)、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテル30g、イソプロペニルオキサゾリン5.5
g(0.05mol)、ジt−ブチルペルオキシド0.
5gを仕込み、130℃、12時間、マグネチックスタ
ーラーで撹拌しながら反応させた。反応終了後、反応液
の一部を採取し、ガスクロマトグラフィーでイソプロペ
ニルオキサゾリンの転化率を分析したところ約90%で
あった。未反応物と溶媒を除去するために、反応液をエ
タノールで希釈しヘキサンにて再沈殿後、得られた固体
を減圧乾燥させた。その固体をゲルパーミュエーション
クロマトグラフィーにて分子量を測定したところ単一の
ピークが観測され、頂点分子量が約11.2万であっ
た。また低分子量領域にピークは確認されなかった。こ
のことからポリビニルピロリドンは転化したイソプロペ
ニルオキサゾリンとほぼ定量的に反応したことが確認さ
れた。得られた化合物について1H NMRスペクトル
(図1)を測定し、構造を特定した。
【0047】実施例2 50mlの耐圧密閉容器にポリビニルピロリドンK−1
5(ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーによる
頂点分子量約2.5万)を5.6g(ビニルピロリドン
換算0.05mol)、エチルアルコール30g、イソ
プロペニルオキサゾリン1.1g(0.01mol)、
ジt−ブチルペルオキシド0.5gを仕込み、130
℃、7時間、マグネチックスターラーで撹拌しながら反
応させた。反応終了後、反応液の一部を採取し、ガスク
ロマトグラフィーでイソプロペニルオキサゾリンの転化
率を分析したところ約98%であった。未反応物と溶媒
を除去するために、反応液をエタノールで希釈しヘキサ
ンにて再沈殿後、得られた固体を減圧乾燥させた。その
固体をゲルパーミュエーションクロマトグラフィーにて
分子量を測定したところ単一のピークが観測され、なお
頂点分子量が約3.8万であった。また低分子量領域に
ピークは確認されなかった。このことからポリビニルピ
ロリドンは転化したイソプロペニルオキサゾリンとほぼ
定量的に反応したことが確認された。得られた化合物に
ついて実施例1と同様に1H NMRスペクトルを測定
し、構造を特定した。
【0048】実施例3 50mlの耐圧密閉容器にポリビニルピロリドンK−3
0(ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーによる
頂点分子量約7.5万)を5.6g(ビニルピロリドン
換算0.05mol)、DMF30g、ビニルエチレン
カーボネート1.3g(0.01mol)、ジt−ブチ
ルペルオキシド0.5gを仕込み、130℃、10時
間、マグネチックスターラーで撹拌しながら反応させ
た。反応終了後、反応液の一部を採取し、ガスクロマト
グラフィーでビニルエチレンカーボネートの転化率を分
析したところ約75%であった。未反応物と溶媒を除去
するために、反応液をDMFで希釈しヘキサンにて再沈
殿後、得られた固体を減圧乾燥させた。その固体をゲル
パーミュエーションクロマトグラフィーにて分子量を測
定したところ単一のピークが観測され、なお頂点分子量
が約8.2万であった。また低分子量領域にピークは確
認されなかった。このことからポリビニルピロリドンは
転化したビニルエチレンカーボネートとほぼ定量的に反
応したことが確認された。得られた化合物について実施
例1と同様に1H NMRスペクトルを測定し、構造を
特定した。
【0049】実施例4 50mlの耐圧密閉容器にポリビニルピロリドンK−3
0(ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーによる
頂点分子量約7.5万)を11.1g(ビニルピロリド
ン換算0.1mol)、エタノール30g、トリエトキ
シビニルシラン2.8g(0.01mol)、ジt−ブ
チルペルオキシド0.5gを仕込み、130℃、15時
間、マグネチックスターラーで撹拌しながら反応させ
た。反応終了後、反応液の一部を採取し、ガスクロマト
グラフィーでトリエトキシビニルシランの転化率を分析
したところ約84%であった。未反応物と溶媒を除去す
るために、反応液をエタノールで希釈しヘキサンにて再
沈殿後、得られた固体を減圧乾燥させた。その固体をゲ
ルパーミュエーションクロマトグラフィーにて分子量を
測定したところ単一のピークが観測され、なお頂点分子
量が約9.7万であった。また低分子量領域にピークは
確認されなかった。このことからポリビニルピロリドン
は転化したトリエトキシビニルシランとほぼ定量的に反
応したことが確認された。得られた化合物について実施
例1と同様に1H NMRスペクトルを測定し、構造を
特定した。
【0050】実施例5 50mlの耐圧密閉容器にポリビニルピロリドンK−3
0(ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーによる
頂点分子量約7.5万)を11.1g(ビニルピロリド
ン換算0.1mol)、クロロホルム40g、無水マレ
イン酸4.9g(0.05mol)、ジt−ブチルペル
オキシド0.5gを仕込み、130℃、15時間、マグ
ネチックスターラーで撹拌しながら反応させた。反応終
了後、反応液の一部を採取し、ガスクロマトグラフィー
で無水マレイン酸の転化率を分析したところ約80%で
あった。未反応物と溶媒を除去するために、反応液をエ
タノールで希釈しヘキサンにて再沈殿後、得られた固体
を減圧乾燥させた。その固体をゲルパーミュエーション
クロマトグラフィーにて分子量を測定したところ単一の
ピークが観測され、なお頂点分子量が約8.9万であっ
た。また低分子量領域にピークは確認されなかった。こ
のことからポリビニルピロリドンは転化した無水マレイ
ン酸とほぼ定量的に反応したことが確認された。得られ
た化合物について実施例1と同様に1H NMRスペク
トルを測定し、構造を特定した。
【0051】
【発明の効果】本発明は、新規なポリビニルラクタム変
性物に、さらに詳しくは反応性を有するポリビニルラク
タム変性物に関するものである。本発明のポリビニルラ
クタム変性物はその反応性を利用し、高耐湿化剤及び防
滴剤及び湿度調整剤及び撥水剤原料、発泡調整剤原料、
皮膚平滑化及び皮膚乾燥防止剤原料、化粧品添加剤、整
髪助剤、毛髪調整剤、フォトレジスト、ガスハイドレー
トインヒビター、油添加剤、石油流動化剤及び凝固防止
剤原料、接着添加剤、防汚剤、高分子界面活性剤原料、
ヨウ素及び過酸化水素錯体化用基剤原料、紙、繊維、繊
維、織物、金属及びシート等の表面処理剤、染色助剤、
移染防止剤、ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリ
オレフィン染色付与剤、シリカ及びアルミナ等の無機微
粒子分散剤原料、金属微粒子分散剤原料、染料分散剤原
料、乳化安定剤原料、帯電防止剤、熱硬化性樹脂用柔軟
化剤原料、樹脂相溶化剤原料、防錆剤原料、パラフィン
改質剤原料、ポリカルボン酸等のポリ酸による架橋体、
ハイドロゲル原料、吸水性及び吸液性樹脂原料等として
工業上有用な化合物である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1で得られた物質のTMS
基準に従った重クロロホルム溶媒におけるプロトンの核
磁気共鳴スペクトル図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 271/02 C08F 271/02 Fターム(参考) 4J026 AA61 BA35 BA43 4J100 AB02Q AG04Q AK31Q AK32Q AM02Q AM15Q AP16Q AQ01Q AQ07P AQ08P AQ15Q AQ19Q BA11P BA77H BA77Q BC55H BC60H BC80H CA04 CA05 CA31 HC13 HC30 HC36 HC38 HC64 HC80 JA03 JA20 JA51 JA61

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(1) 【化1】 (ここでR1は水素又はメチル基を表わし、mは1〜3
    の整数を表わす。)で表されるN−ビニルラクタム構造
    単位を有する連鎖(A)(ただしN−ビニルラクタム構
    造(1)で示される繰り返し単位を有する連鎖内に、環
    状イミノエーテル構造単位、カーボネート構造単位、ア
    ルコキシシリル構造単位、無水酸構造単位はいずれも存
    在しない。)と、環状イミノエーテル構造、カーボネー
    ト構造、アルコキシシリル構造および無水酸構造からな
    る群より選ばれるいずれかの構造単位を必須として有す
    る構造(B)とが結合してなることを特徴とする新規な
    ポリビニルラクタム変性物。
  2. 【請求項2】 構造(B)が、下記一般式(2) 【化2】 (ここでR2は水素又はメチル基を表わし、R3及びR4
    はそれぞれ独立して水素又はメチル基を表わし、nは2
    又は3を表わす。)で示される環状イミノエーテル構造
    単位を必須として有する構造である、請求項1記載のポ
    リビニルラクタム変性物。
  3. 【請求項3】 構造(B)が、ビニルエチレンカーボネ
    ートまたはビニレンカーボネート由来のカーボネート構
    造単位を必須として有する構造である、請求項1記載の
    ポリビニルラクタム変性物。
  4. 【請求項4】 構造(B)が、下記一般式(3) 【化3】 (R5は水素又はメチル基を表し、R6及びR7はそれぞ
    れ脂肪族残基または芳香族残基を表わし、pは0〜2の
    整数を表わす)で示される構造単位を必須として有する
    構造である請求項1記載のポリビニルラクタム変性物。
  5. 【請求項5】 構造(B)が、無水マレイン酸、無水イ
    タコン酸、または、無水シトラコン酸モノマー由来の無
    水酸構造単位を必須として有する構造である、請求項1
    記載のポリビニルラクタム変性物。
  6. 【請求項6】 N−ビニルラクタム構造(1) 【化4】 (ここでR1は水素又はメチル基を表わし、mは1〜3
    の整数を表わす。)で示される繰り返し単位を有する連
    鎖からなる重合体を、ラジカル開始剤存在下、環状イミ
    ノエーテル構造又はカーボネート構造又はアルコキシシ
    リル構造又は無水酸構造の中からから選ばれる部分構造
    を有するモノマーで変性させることを特徴とする新規な
    ポリビニルラクタム変性物の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007017285A1 (de) * 2005-08-11 2007-02-15 Merck Patent Gmbh Alkoxysilangruppen tragende lcst-polymere
JP2012246489A (ja) * 2007-03-15 2012-12-13 Dsm Ip Assets Bv 新規なpdms−pvpブロックコポリマー
JP2018024788A (ja) * 2016-08-10 2018-02-15 Kjケミカルズ株式会社 炭素材料用接着性向上剤及びそれを用いた複合材料
WO2023189085A1 (ja) * 2022-03-29 2023-10-05 株式会社日本触媒 N-ビニルラクタム系共重合体及びその製造方法

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