JP2001335605A - プロピレン重合用触媒とそれを用いたポリプロピレンの製造方法 - Google Patents

プロピレン重合用触媒とそれを用いたポリプロピレンの製造方法

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JP2001335605A
JP2001335605A JP2000158453A JP2000158453A JP2001335605A JP 2001335605 A JP2001335605 A JP 2001335605A JP 2000158453 A JP2000158453 A JP 2000158453A JP 2000158453 A JP2000158453 A JP 2000158453A JP 2001335605 A JP2001335605 A JP 2001335605A
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propylene
polypropylene
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transition metal
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Katsuhiko Ono
勝彦 大野
Shunji Kawazoe
俊次 川添
Jun Shinozaki
潤 篠崎
Fuminao Kondo
史尚 近藤
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JNC Corp
JNC Petrochemical Corp
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Chisso Petrochemical Corp
Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ポリマーの粒子性状に優れ且つ、高い重合活性
と高立体規則性を有する、ポリプロピレンの製造方法、
その製造に用いるプロピレン重合用触媒および該プロピ
レン重合用触媒を製造するための予備活性化触媒を提供
することを目的とする。 【解決手段】少なくともチタン化合物を含む遷移金属化
合物触媒成分と、特定の金属の有機金属化合物(AL
1)および電子供与体(E1)の特定量の組み合わせか
らなる遷移金属化合物含有触媒とプロピレンとを用い
て、予備活性化処理により、特定性質を有するポリプロ
ピレン(A)を該遷移金属化合物含有触媒上に生成させ
て予備活性化触媒(B)を調製し、該予備活性化触媒
(B)と、さらに特定量の有機金属化合物(AL2)お
よび電子供与体(E2)とからなるプロピレン重合用触
媒を用いてプロピレンもしくはプロピレンとプロピレン
以外のオレフィンを(共)重合して特定性質を有するポ
リプロピレンを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロピレン重合用
触媒のための予備活性化触媒および該予備活性化触媒を
用いて得られるプロピレン重合用触媒および該プロピレ
ン重合用触媒を用いた特定性能を有するポリプロピレン
(C)の製造方法に関する。
【0002】さらに詳しくは、少なくともチタン化合物
を含む遷移金属化合物触媒成分、該遷移金属化合物触媒
成分中の遷移金属原子1モルに対し、周期表(1991
年版)第1族、第2族、第12族および第13族に属す
る金属よりなる群から選択された金属の有機金属化合物
(AL1)および電子供与体(E1)の各特定量を組み
合わせてなる遷移金属化合物含有触媒と、プロピレンも
しくはプロピレンとプロピレン以外のオレフィンとを用
いて、予備活性化処理により、特定、少量のポリプロピ
レン(A)を該遷移金属化合物含有触媒上にに生成させ
た予備活性化触媒(B)(ただし、該生成ポリプロピレ
ン(A)は、沸騰n−ヘプタンによる6時間抽出でのn
−ヘプタン可溶分率が5重量%以上であり、かつ135
℃のテトラリン中で測定した固有粘度〔ηP1〕が15
dl/g未満の特性を有する。)、
【0003】該予備活性化触媒(B)と、該予備活性化
触媒中の遷移金属原子1モルに対し、予備活性化触媒中
に含まれる金属の有機化合物(AL1)との合計で、特
定量の有機金属化合物(AL2)および予備活性化触媒
中に含まれる電子供与体(E1)との合計で、特定量の
電子供与体(E2)を、さらに、それぞれ組み合わせて
なるプロピレン重合用触媒および該プロピレン重合用触
媒を用いた特定性質を有するポリプロピレンの製造方法
に関する。
【0004】
【従来の技術】従来、オレフィン重合用触媒としては、
四塩化チタンを水素で還元して得られるα型三塩化チタ
ン、四塩化チタンをアルミニウムで還元して得られるγ
型三塩化チタンもしくはこれらをボールミルで粉砕して
得られるδ型三塩化チタン等が知られている。しかしな
がら、これらの触媒を用いて重合を行った場合、重合活
性が低く、得られる重合体中の触媒残さが多く、いわゆ
る脱灰工程が不可欠であった。
【0005】また、近年では、マグネシウム、チタン、
ハロゲンを主成分とする固体触媒成分の製造について数
多くの提案がなされている。しかしながら、それらの多
くは、重合活性や重合体の立体規則性の面でかなり改善
されてきてはいるが、まだ不十分であり十分満足すべき
ものではなく、一層の改良が望まれている。また、得ら
れる粒子性状等においても生産性の観点から不十分であ
り改良が望まれている。粒子性状は、生産性の観点か
ら、きわめて重要な因子であり、粒子性状が悪い場合、
重合槽内での付着や、重合体の重合系内よりの抜き出し
不良、あるいは配管の閉塞などのトラブルを招き、生産
性を大幅に低下させる原因となる。
【0006】これら生産性の低下を解決すべく、例えば
特開昭52−98076号、特開昭53−2580号で
はマグネシウムアルコキシド、チタンハロゲン化物、電
子供与体の三成分の接触反応生成物を触媒成分とする方
法、特開昭56−120711号では上記三成分に加え
てチタンテトラアルコキシドを用いる方法が開示されて
いる。しかしながら、重合活性、立体規則性、生成ポリ
マーの粒子性状共、未だ十分なものではなかった。特開
昭63−3010号においては、ジアルコキシマグネシ
ウム、芳香族ジカルボン酸ジエステル、芳香族炭化水素
及びチタンハロゲン化物を接触して得られた生成物を、
粉末状態で加熱処理することにより調製した固体触媒成
分と有機アルミニウム化合物および有機ケイ素化合物よ
りなるオレフィン類重合用触媒とオレフィンの重合方法
が提案されている。
【0007】また、特開平1−315406号において
はジエトキシマグネシウムとアルキルベンゼンとで形成
された懸濁液に、四塩化チタンを接触させ、次いでフタ
ル酸ジクロライドを加えて反応させることによって固体
生成物を得、該固体生成物を更にアルキルベンゼンの存
在下で四塩化チタンと接触反応させることによって調整
された固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物および
有機ケイ素化合物より成るオレフィン類重合用触媒と該
触媒の存在下でのオレフィンの重合方法が提案されてい
る。
【0008】上記の各従来技術は、その目的が生成重合
体中に残留する塩素やチタン等の触媒残さを除去する脱
灰工程を省略し得る程の高活性を有すると共に、併せて
立体規則性重合体の収率の向上や、重合時の触媒活性の
持続性を高める事に注力したものであり、それぞれ効果
は認められるが、この種の高活性型触媒成分と有機アル
ミニウム化合物と有機ケイ素化合物に代表される電子供
与性化合物とからなる組成の重合用触媒を用いてオレフ
ィン類の重合を行うと、固体触媒成分自体の微粉及び重
合した際の反応熱による重合体粒子の破壊のため、生成
重合体中に微粉が多く含まれ、粒度分布もブロード化す
る傾向があった。微粉重合体が多くなると、均一な反応
の継続を妨げたり、重合体移送時における配管の閉塞を
もたらす等、重合プロセスの障害の原因となる。また、
反応熱による粒子破壊は、異常反応により糸状物及び塊
状物を形成し、生成ポリマーの形状を悪化させ、重合体
の抜き出し不良や、移送時に配管閉塞などを引き起こ
す。
【0009】重合時の反応熱による粒子破壊を防ぐ方法
として、例えば、特公昭57−45244号には、ポリ
プロピレンの製造方法としてチタン複合体と有機金属化
合物からなる触媒の存在下、炭素数3以上のα−オレフ
ィンを予備重合させ、次いで炭素数3以上のα−オレフ
ィンを重合させる、予備活性化触媒を用いる方法が提案
されている。また、特開昭61−64704号には、三
塩化チタン組成物と有機アルミニウム化合物を組み合わ
せてなる触媒にα−オレフィン及び電子供与体を同時に
反応させてなるα−オレフィン重合用予備活性化触媒を
用いる方法、特開昭57−151602号には、固体触
媒成分1gあたり0.01〜1g予備重合を行った後オ
レフィンを重合する方法等が提案されているが、いずれ
の方法も充分でない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記提案されている種
々の触媒組成物やそれらの製造方法においては、該触媒
組成物を用いて重合する際の重合活性、得られるポリマ
−の立体規則性、粒子性状などの面で未だ十分満足でき
るものではなく、尚一層の改良が望まれているのが現状
である。本発明は、ポリマーの粒子性状に優れ且つ、高
い重合活性と高立体規則性を有する、ポリプロピレンの
製造方法、その製造に用いるプロピレン重合用触媒およ
び該プロピレン重合用触媒を製造するための予備活性化
触媒を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記目的
を達成すべく鋭意研究した。その結果、少なくともチタ
ン化合物を含む遷移金属化合物触媒成分と、特定の金属
の有機金属化合物(AL1)および電子供与体(E1)
の特定量の組み合わせからなる遷移金属化合物含有触媒
とプロピレンもしくはプロピレンとプロピレン以外のオ
レフィンとを用いて、予備活性化処理により、特定性質
を有するポリプロピレン(A)の特定量を該遷移金属化
合物含有触媒上に生成させた予備活性化触媒(B)、該
予備活性化触媒(B)と、さらに特定量の有機金属化合
物(AL2)および電子供与体(E2)との組み合わせ
からなるプロピレン重合用触媒を用いてプロピレンもし
くはプロピレンとプロピレン以外のオレフィンとを重合
すると得られるポリプロピレンが特定性質を有するポリ
プロピレンになることを見いだし、この知見に基づいて
本発明を完成した。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は以下から構成さ
れる。 (1)少なくともチタン化合物を含む遷移金属化合物触
媒成分、該遷移金属化合物触媒成分中の遷移金属原子1
モルに対し、周期表(1991年版)第1族、第2族、
第12族および第13族に属する金属よりなる群から選
択された金属の有機金属化合物(AL1)0.01〜
1,000モルおよび電子供与体(E1)0〜1モルの
組み合わせからなる遷移金属化合物含有触媒と、プロピ
レンもしくはプロピレンとプロピレン以外のオレフィン
とを用いて、予備活性化処理により、遷移金属化合物含
有触媒1g当たり0.5〜50gのポリプロピレン
(A)を該遷移金属化合物含有触媒上に生成させた予備
活性化触媒(B)。ただし、該生成ポリプロピレン
(A)は、沸騰n−ヘプタンによる6時間抽出でのn−
ヘプタン可溶分率が5重量%以上であり、かつ135℃
のテトラリン中で測定した固有粘度〔ηP1〕が15d
l/g未満の特性を有する。
【0013】(2)前記第1項記載の予備活性化触媒
(B)と、予備活性化触媒中の遷移金属原子1モルに対
し、予備活性化触媒中に含まれる金属の有機化合物(A
L1)との合計で0.05〜5,000モルの、周期表
(1991年版)第1族、第2族、第12族および第1
3族に属する金属よりなる群から選択された金属の有機
金属化合物(AL2)および予備活性化触媒中の遷移金
属原子1モルに対し、予備活性化触媒中に含まれる電子
供与体(E1)との合計で0〜3,000モルの電子供
与体(E2)からなることを特徴とするプロピレン重合
用触媒。
【0014】(3)前記第2項記載のプロピレン重合用
触媒の存在下に、プロピレンもしくはプロピレンとプロ
ピレン以外のオレフィンとを(共)重合し、135℃の
テトラリン中で測定した固有粘度〔ηP2〕が0.2〜
15dl/gであるポリプロピレンを製造することを特
徴とするポリプロピレン(C)の製造方法。
【0015】
【発明の実施の形態】本明細書中において用いる「ポリ
プロピレン」の用語は、プロピレン単独重合体ないしは
プロピレン重合単位を50重量%以上含んでいるプロピ
レン−オレフィンランダム共重合体およびプロピレン−
オレフィンブロック共重合体を意味する。また、本発明
で用いるオレフィンとしては、通常炭素数2〜12が用
いられる。例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、4−メ
チル−1−ペンテン,3−メチル−1−ペンテン等のα
−オレフィンが挙げられる。
【0016】本明細書中において「予備活性化処理」の
用語は、遷移金属化合物含有触媒の存在下にプロピレン
もしくはプロピレンとプロピレン以外のオレフィンとを
予備(共)重合して少量のポリプロピレンを該遷移金属
含有触媒上に担持させることをいい、予備(共)重合し
て担持された(共)重合体を予備(共)重合体という。
また、(共)重合とは共重合および単独重合を表し、
(共)重合体とは共重合体および単独重合体をいう。
【0017】本発明の予備活性化触媒(B)の成分を構
成するポリプロピレン(A)は、沸騰n−ヘプタンによ
る6時間抽出での、n−ヘプタン可溶分が5重量%以上
であって、135℃のテトラリン中で測定した固有粘度
〔ηP1〕が15dl/g未満であるプロピレン単独重
合体またはプロピレン重合単位を50重量%以上含有す
るプロピレン−オレフィンランダム共重合体であり、好
ましくはプロピレン単独重合体もしくはプロピレン重合
単位を70重量%以上含有するプロピレン−オレフィン
ランダム共重合体、特に好ましくはプロピレン単独重合
体もしくはプロピレン重合単位を90重量%以上含有す
るプロピレン−オレフィンランダム共重合体が適してお
り、これらの重合体は1種のみならず2種以上が混合し
ていてもよい。
【0018】予備活性化触媒(B)の成分を構成するポ
リプロピレン(A)の前記n−ヘプタン可溶分率は、該
予備活性化触媒を用いた重合触媒を用いて(共)重合さ
れた生成重合体(C)の粒子性状が優れるという理由か
ら、5重量%以上であり、好ましくは7重量%以上、よ
り好ましくは10重量%以上である。
【0019】該n−ヘプタン可溶分率が少なすぎると、
反応熱による粒子破壊が発生し、生成ポリマーの形状を
悪化させ異常反応により糸状物及び塊状物を生成する。
【0020】また、該n−ヘプタン可溶分率の上限につ
いては特に限定されないが、好ましくは高立体規則性ポ
リプロピレンが得られる理由から、50重量%以下であ
り、より好ましくは30重量%以下である。
【0021】予備活性化触媒(B)の成分を構成するポ
リプロピレン(A)の生成量は、ポリマーの粒子性状
と、高い重合活性と高立体規則性を有するポリプロピレ
ン(C)の製造の観点から、遷移金属金属化合物触媒成
分1g当たり0.5〜50g、好ましくは3〜30g、
さらに好ましくは5〜10g生成させることでである。
【0022】予備活性化触媒(B)成分のポリプロピレ
ン(A)が少なすぎると、ポリマーの粒子性状が悪くな
り、糸状物及び塊状物が発生し、ポリプロピレン(A)
が含有されていないと、ポリプロピレン(C)の製造時
に、凝集したポリマー粒子及び微粉状のポリマー粒子が
生成し、重合体移送時における配管の閉塞や重合体の抜
き出し不良等のプロセス障害の原因となり生産性が損な
われる。一方、ポリプロピレン(A)が多すぎると、ポ
リプロピレン(C)の生産時の重合活性が損なわれ、生
産効率が低下する。
【0023】該ポリプロピレン(A)の固有粘度〔ηP
1〕は、最終製品の光学的性質が優れるポリプロピレン
を得るために、15dl/g未満であり、好ましくは1
0dl/g以下、より好ましくは8dl/g以下であ
る。該固有粘度〔ηP1〕の下限については特に限定さ
れないが、好ましくは、粒子性状の優れたポリプロピレ
ン(C)が得られるという理由から、0.01dl/g
以上であり、より好ましくは0.1dl/g以上であ
る。
【0024】さらに、ポリマー粒子性状及び立体規則性
が優れるポリプロピレンが得られるという理由から、プ
ロピレン重合単位が50重量%以上、好ましくは80重
量%、より好ましくは90重量%である。
【0025】予備活性化触媒(B)の成分を構成するポ
リプロピレン(A)でプロピレンと共重合されるプロピ
レン以外のオレフィンとしては、特に限定されないが、
炭素数2〜12のオレフィンが好ましく用いられる。具
体的には、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−
ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、
4−メチル−1−ペンテン,3−メチル−1−ペンテン
等が挙げられ、これらのオレフィンは1種のみならず2
種以上であってもよい。
【0026】本発明のポリプロピレン(C)は、プロピ
レン単独重合体またはプロピレン重合単位を50重量%
以上含有するプロピレン−オレフィンランダム共重合体
もしくはプロピレン−オレフィンブロック共重合体であ
る。
【0027】該ポリプロピレン(C)の固有粘度〔ηP
2〕は、該ポリプロピレンを用いて成形する時の生産性
の向上という理由から、0.2〜10dl/g、好まし
くは0.5dl/g〜8dl/gである。
【0028】ポリプロピレン(C)を構成するプロピレ
ンと共重合されるプロピレン以外のオレフィンとして
は、特に限定されないが、炭素数2〜12のオレフィン
が好ましく用いられる。具体的には、エチレン、1−ブ
テン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1
−オクテン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン,
3−メチル−1−ペンテン等が挙げられ、これらのオレ
フィンは1種のみならず2種以上であってもよい。
【0029】ポリプロピレン(C)の立体規則性につい
ては、特に制限はないが、具体的には13C−NMR(核
磁気共鳴スペクトル)で測定したアイソタクチックペン
タッド分率(mmmm)で0.80〜0.99、好まし
くは0.85〜0.99、特に好ましくは0.90〜
0.99の結晶性を有するポリプロピレンである。
【0030】アイソタクチックペンタッド分率(mmm
m)とはエー・ザンベリ(A.Zambelli)等によって提案さ
れたマクロモレキュ−ルズ(Macromolecules) 6, 925
(1973)に記載の13C−NMRにより測定される、ポリプ
ロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチッ
ク分率であり、スペクトルの測定におけるピークの帰属
決定法はエー・ザンベリ(A.Zambelli)等によってマクロ
モレキュ−ルズ(Macromolecules) 8, 687 (1975))に
提案された帰属法に従って決定される。具体的には、ポ
リマー濃度20重量%のo−ジクロロベンゼン/重化臭
化ベンゼン=8/2重量比の混合溶液を用い、67.2
0MHz、130℃にて測定することによって求められ
る。測定装置としては、たとえば日本電子(株)社製J
EOL−GX270NMR測定装置が用いられる。
【0031】本明細書中において、「ポリマーの粒子性
状」の用語は、粉体の静的および動的性質を表す力学的
な特性値の一つである、安息角・圧縮度で、アール・エ
ル・カー(R.L.Carr)等によってケミカル エンジニアリ
ング(Chem.Eng.), 72, 〔2〕,163 (1965)に提案され
た方法で測定する。具体的には、ホソカワミクロン
(株)製のパウダーテスターにより測定する。
【0032】本発明のポリプロピレン(C)は、上記し
た範囲に入っていれば、どのような製造方法を採用して
もよいが、以下に詳述するプロピレンもしくはプロピレ
ンとプロピレン以外のオレフィンとにより予備活性化さ
れた触媒の存在下に、プロピレンもしくはプロピレンと
プロピレン以外のオレフィンとを本格(共)重合(以
下、本(共)重合という)させる製造方法を採用する事
により容易に製造することができる。
【0033】前記予備活性化触媒(B)において、遷移
金属化合物触媒成分としては、ポリオレフィン製造用と
して提案されている少なくともチタン化合物を含む遷移
金属化合物触媒成分を主成分とする公知の触媒成分のい
ずれも使用することができ、なかでも工業生産上、チタ
ン含有固体触媒成分が好適に使用される。
【0034】チタン含有個体触媒成分としては、三塩化
チタン組成物を主成分とするチタン含有個体触媒成分
(特公昭56-3356号公報、特公昭59-28573
号公報、特公昭63-66323号公報等)、マグネシ
ウム化合物に四塩化チタンを担持した、チタン、マグネ
シウム、ハロゲンおよび電子供与体を必須成分とするチ
タン含有担持型触媒成分(特開昭62-104810号
公報、特開昭62-104811号公報、特開昭62-1
04812号公報、特開昭57-63310号公報、特
開昭57-63311号公報、特開昭58-83006号
公報、特開昭58-138712号公報等)などが提案
されており、これらのいずれをも使用できる。
【0035】有機金属化合物(AL1)としては、周期
表(1991年版)第1族、第2族、第12族および第
13族に属する金属よりなる群から選択される金属の有
機基を有する化合物、たとえば、有機リチウム化合物、
有機ナトリウム化合物、有機マグネシウム化合物、有機
亜鉛化合物、有機アルミニウム化合物などを、前記遷移
金属化合物触媒成分と組み合わせて使用することができ
る。
【0036】特に、一般式がALR1 pR2 qX3-(p+q)(式
中、R1、R2はアルキル基、シクロアルキル基、アリ−
ル基等の炭化水素基およびアルコキシ基の同種または異
種を、Xはハロゲン原子を表わし、pおよびqは0<p
+q≦3の正数を表わす。)で表わされる有機アルミニ
ウム化合物を好適に使用することができる。
【0037】有機アルミニウム化合物の具体例として
は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリ−n−ブチ
ルアルミニウム、トリ−i−ブチルアルミニウム、トリ
−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−i−ヘキシルアル
ミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム等のトリア
ルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライ
ド、ジ−n-プロピルアルミニウムクロライド、ジ−i
−ブチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウ
ムブロマイド、ジエチルアルミニウムアイオダイド等の
ジアルキルアルミニウムモノハライド、ジエチルアルミ
ニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイド
ライド、エチルアルミニウムセスキクロライド等のアル
キルアルミニウムセスキハライド、エチルアルミニウム
ジクロライド等のモノアルキルアルミニウムジハライド
などの他ジエトキシモノエチルアルミニウム等のアルコ
キシアルキルアルミニウムを挙げることができ、好まし
くは、トリアルキルアルミニウムおよびジアルキルアル
ミニウムモノハライドを使用する。これらの有機アルミ
ニウム化合物は、1種だけでなく2種類以上を混合して
用いることもできる。
【0038】電子供与体(E1)は、ポリオレフィンの
生成速度および/または立体規則性を制御することを目
的として必要に応じて使用される。該電子供与体(E
1)としては、たとえば、エーテル類、アルコール類、
エステル類、アルデヒド類、脂肪酸類、ケトン類、ニト
リル類、アミン類、アミド類、尿素または、チオ尿素
類、イソシアネート類、アゾ化合物、ホスフィン類、ホ
スファイト類、ホスフィナイト類、硫化水素およびチオ
エーテル類、ネオアルコール類などの分子中に酸素、窒
素、硫黄、燐のいずれかの原子を含有する有機化合物お
よびシラノール類および分子中にSi−O−C結合を有
する有機ケイ素化合物などが挙げられる。
【0039】エーテル類としては、ジメチルエーテル、
ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジ−n
−ブチルエーテル、ジ−i−アミルエーテル、ジ−n−
ペンチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテル、ジ−i
−ヘキシルエーテル、ジ−nオクチルエーテル、ジ−i
−オクチルエーテル、ジ−n−ドデシルエーテル、ジフ
ェニルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン等が、アルコール類としては、メタノール、
エタノール、プロパノール、ブタノール、ぺントノー
ル、ヘキサノール、オクタノール、2−エチルヘキサノ
ール、アリルアルコール、ベンジルアルコール、エチレ
ングリコール、グリセリン等が、またフェノール類とし
て、フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフ
ェノール、ナフトール等が挙げられる。
【0040】エステル類としては、メタクリル酸メチ
ル、ギ酸メチル、酢酸メチル、酪酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸ビニル、酢酸−n−プロピル、酢酸−i−プロ
ピル、ギ酸ブチル、酢酸アミル、酢酸−n−ブチル、酢
酸オクチル、酢酸フェニル、プロピオン酸エチル、安息
香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息
香酸ブチル、安息香酸オクチル、安息香酸−2−エチル
ヘキシル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、アニ
ス酸メチル、アニス酸エチル、アニス酸プロピル、アニ
ス酸フェニル、ケイ皮酸エチル、ナフトエ酸メチル、ナ
フトエ酸エチル、ナフトエ酸プロピル、ナフトエ酸ブチ
ル、ナフトエ酸−2−エチルヘキシル、フェニル酢酸エ
チル等のモノカルボン酸エステル類、コハク酸ジエチ
ル、メチルマロン酸ジエチル、ブチルマロン酸ジエチ
ル、マレイン酸ジブチル、ブチルマレイン酸ジエチル等
の脂肪族多価カルボン酸エステル類、フタル酸モノメチ
ル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ
−n−プロピル、フタル酸モノ−n−ブチル、フタル酸
ジ-n−ブチル、フタル酸ジ−i−ブチル、フタル酸ジ
−n−ヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フ
タル酸ジ−n−オクチル、−i−フタル酸ジエチル、−
i−フタル酸ジプロピル、−i−フタル酸ジブチル、−
i−フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、テレフタル酸ジ
エチル、テレフタル酸ジプロピル、テレフタル酸ジブチ
ル、ナフタレンジカルボン酸ジ−i−ブチル等の芳香族
多価カルボン酸エステル類が挙げられる。
【0041】アルデヒド類としては、アセトアルデヒ
ド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド等がカル
ボン酸類として、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、修
酸、コハク酸、アクリル酸、マレイン酸、吉草酸、安息
香酸などのモノカルボン酸類および無水安息香酸、無水
フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸などの酸無水物
が、ケトン類として、アセトン、メチルエチルケトン、
メチル−i−ブチルケトン、ベンゾフェノン等が例示さ
れる。
【0042】窒素含有化合物としては、アセトニトリ
ル、ベンゾニトリル等のニトリル類、メチルアミン、ジ
エチルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミ
ン、β(N,N−ジメチルアミノ)エタノール、ピリジ
ン、キノリン、α−ピコリン、2,4,6−トリメチル
ピリジン、2,2,5,6−テトラメチルピペリジン、
2,2,5,5,テトラメチルピロリジン、N,N,
N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、アニリン、
ジメチルアニリン等のアミン類、ホルムアミド、ヘキサ
メチルリン酸トリアミド、N,N,N’,N’,N”-ペ
ンタメチル−N’-β−ジメチルアミノメチルリン酸ト
リアミド、オクタメチルピロホスホルアミド等のアミド
類、N,N,N’,N’-テトラメチル尿素等の尿素類、
フェニルイソシアネート、トルイルイソシアネート等の
イソシアネート類、アゾベンゼン等のアゾ化合物が例示
される。
【0043】燐含有化合物としては、エチルホスフィ
ン、トリエチルホスフィン、トリ−n−オクチルホスフ
ィン、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィ
ンオキシド等のホスフィン類、ジメチルホスファイト、
ジ−n−オクチルホスフィン、トリフェニルホスフィ
ン、トリフェニルホスフィンオキシド等のホスフィン
類、ジメチルホスファイト、ジ−n−オクチルホスファ
イト、トリエチルホスファイト、トリ−n−ブチルホス
ファイト、トリフェニルホスファイト等のホスファイト
類が例示される。
【0044】硫黄含有化合物としては、ジエチルチオエ
ーテル、ジフェニルチオエーテル、メチルフェニルチオ
エーテル等のチオエーテル類、エチルチオアルコール、
n−プロピルチオアルコール、チオフェノール等のチオ
アルコール類が挙げられ、さらに、有機ケイ素化合物と
して、トリメチルシラノール、トリエチルシラノール、
トリフェニルシラノール等のシラノール類、トリメチル
メトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルフ
ェニルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラ
ン、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシ
ラン、フェニルトリメトキシシラン、トリメチルエトキ
シシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジイソプロピル
ジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、ジ
フェニルジエトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ブチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキ
シシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、ビニルト
リアセトキシシラン、シクロペンチルメチルジメトキシ
シラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、ジシクロ
ペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメ
トキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、ジ
シクロヘキシルジメトキシシラン、2-ノルボルニルメ
チルジメトキシシラン等のSi−O−C結合を有する有
機ケイ素化合物等が挙げられる。これらの電子供与体
は、単独でもしくは2種類以上を混合して使用すること
ができる。
【0045】予備活性化触媒(B)において、ポリプロ
ピレン(A)は、沸騰n−ヘプタンによる6時間抽出で
の、n−ヘプタン可溶分率は、5重量%以上であり、好
ましくは7重量%以上、より好ましくは10重量%以上
で、135℃のテトラリン中で測定した固有粘度〔η
A〕が15dl/g未満、好ましくは10gl/g以
下、より好ましくは8dl/g以下であるプロピレン単
独重合体またはプロピレン重合単位が50重量%以上、
好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは90重量
%以上であるプロピレンと炭素数2〜12のα−オレフ
ィンとの共重合体であり、最終的に本発明のポリプロピ
レンを構成する。従って、ポリプロピレン(A)の固有
粘度〔ηP1〕とポリプロピレン(A)の固有粘度〔η
A〕とは、〔ηP1〕=〔ηA〕の関係にある。
【0046】本発明において、予備活性化触媒(B)
は、前記少なくともチタン化合物を含む遷移金属化合物
触媒成分、有機金属化合物(AL1)および電子供与体
(E1)の組み合わせからなる遷移金属化合物含有触媒
の存在下に、プロピレンもしくはプロピレンとプロピレ
ン以外のオレフィンとを予備活性化処理、即ち、予備
(共)重合させてポリプロピレン(A)を生成させて、
遷移金属化合物含有触媒にポリプロピレン(A)を担持
させる予備活性化処理により製造される。
【0047】この予備活性化処理において、前記チタン
化合物を含む遷移金属化合物触媒成分中の遷移金属1モ
ルに対し0.01〜1,000モル、好ましくは0.0
5〜500モルの有機金属化合物(AL1)および該触
媒成分中の遷移金属1モルに対し、0〜1モル、好まし
くは0.1〜0.5モルの電子供与体(E1)と遷移金
属化合物触媒成分との組み合わせからなる遷移金属化合
物含有触媒を使用する。
【0048】該遷移金属化合物含有触媒を、重合容積1
リットル当たり、遷移金属化合物触媒成分中の遷移金属
原子に換算して0.001〜5,000ミリモル、好ま
しくは0.01〜1,000ミリモルの割合で存在さ
せ、溶媒中において、プロピレンもしくはプロピレンと
プロピレン以外のオレフィンとの混合物0.5〜50g
を供給して予備活性化処理により、予備(共)重合させ
て遷移金属化合物触媒成分1gに対し0.5〜50gの
ポリプロピレンを生成させることにより遷移金属化合物
含有触媒にポリプロピレン(A)が被覆担持される。
【0049】本明細書中において、「重合容積」の用語
は、液相重合の場合には重合器内の液相部分の容積を、
気相重合の場合には重合器内の気相部分の容積を意味す
る。
【0050】遷移金属化合物含有触媒の使用量は、プロ
ピレンの効率的、かつ制御された(共)重合反応速度を
維持する上で、前記範囲であることが好ましい。また、
有機金属化合物(AL1)の使用量が少なすぎると
(共)重合反応速度が遅くなりすぎ、また、大きくして
も(共)重合反応速度のそれに見合う増加が期待できな
いばかりか、最終的に得られるポリプロピレンに有機金
属化合物(AL1)の残渣が多くなる。さらに、電子供
与体(E1)の使用量が大きすぎると、(共)重合反応
速度が低下するとともに、ポリプロピレン(A)成分の
沸騰n−ヘプタンによる6時間抽出での、n−ヘプタン
可溶分率が低下し、生成重合体中の糸状及び塊状のポリ
マー発生量が増加し、生産性が低下する。また、溶媒使
用量が大きすぎると、大きな反応容器を必要とするばか
りでなく、効率的な(共)重合反応速度の制御および維
持が困難となる。
【0051】予備活性化処理に用いる溶媒としては、た
とえば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、i−オクタン、デカン、ドデカン等の脂肪族炭化
水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロ
ヘキサン等の脂環族炭化水素、トルエン、キシレン、エ
チルベンゼン等の芳香族炭化水素、他にガソリン留分や
水素化ジーゼル油留分等の重合不活性溶媒、オレフィン
自身を溶媒とした液相中で行うことができ、また溶媒を
用いずに気相中で行うことも可能である。
【0052】予備活性化処理は、水素の存在下において
も実施してもよい。該予備活性化処理において、プロピ
レンもしくはプロピレンとプロピレン以外のオレフィン
の混合物と該遷移金属化合物含有触媒との予備活性化の
(共)重合条件は、ポリプロピレン(A)が遷移金属化
合物触媒成分1g当たり0.5g〜50g、好ましくは
3〜30g、さらに好ましくは5〜10gの量で生成す
るような条件であれば特に制限なく、通常−40〜40
℃、好ましくは−20〜30℃、さらに好ましくは0〜
20℃程度の比較的低温下、0.1〜5MPa(ゲ−ジ
圧)、好ましくは0.2〜5MPa(ゲ−ジ圧)、さら
に好ましくは0.3〜5MPa(ゲ−ジ圧)の圧力下
で、1分〜24時間、好ましくは5分〜18時間、さら
に好ましくは10分〜12時間である。
【0053】予備活性化処理は、沸騰n−ヘプタンによ
る6時間抽出での、n−ヘプタン可溶分率が5重量%以
上であり、135℃のテトラリン中で測定した固有粘度
〔ηA〕が15dl/g未満であるポリプロピレン
(A)成分を含むものであれば、たとえば、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン等の他のα−オレフィン
を用いてさらに予備活性化処理を行うこともできる。こ
の場合、予備活性化の順序も特に制限は無い。
【0054】予備活性化触媒(B)は、そのまま、また
は追加の有機金属化合物(AL2)および電子供与体
(E2)をさらに含有させてプロピレン重合用触媒とし
て、目的のポリプロピレン(C)を得るために、炭素数
2〜12のオレフィンの本(共)重合に用いることがで
きる。
【0055】前記プロピレン重合用触媒は、前記予備活
性化触媒(B)と、該予備活性化触媒中の遷移金属原子
1モルに対し、有機金属化合物(AL2)を該予備活性
化触媒中の有機金属化合物(AL1)との合計(AL1
+AL2)で0.05〜3000モル、好ましくは0.
1〜1,000モルおよび該予備活性化触媒中の遷移金
属原子1モルに対し、電子供与体(E2)を予備活性化
触媒中の電子供与体(E1)との合計(E1+E2)で
0〜5,000モル、好ましくは0〜3,000モルと
からなる。
【0056】有機金属化合物の含有量(AL1+AL
2)が小さすぎると、プロピレンもしくはプロピレンと
プロピレン以外のオレフィンの本(共)重合における
(共)重合反応速度が遅くなり、一方、過剰に大きくし
ても(共)重合反応速度の期待されるほどの増加が認め
られず非効率的であるばかりでなく、最終的に得られる
ポリプロピレン(C)中に残留する有機金属化合物残渣
が多くなるので好ましくない。さらに、電子供与体の含
有量(E1+E2)が過大になると、(共)重合反応速
度が著しく低下する。
【0057】該プロピレン重合用触媒で追加使用される
有機金属化合物(AL2)および電子供与体(E2)の
種類については既述の有機金属化合物(AL1)および
電子供与体(E1)と同様なものを使用できる。また、
1種の単独使用でもよく2種以上を混合使用してもよ
い。また予備活性化処理の際に使用したものと同種でも
異なっていてもよい。
【0058】該プロピレン重合用触媒は、前記予備活性
化触媒中に存在する溶媒、未反応のオレフィン、有機金
属化合物(AL1)、および電子供与体(E1)等を濾
別またはデカンテーションして除去して得た粉粒体もし
くはこの粉粒体に溶媒を添加した懸濁液と、追加の有機
金属化合物(AL2)および電子供与体(E2)とを組
み合わせてもよく、また、存在する溶媒および未反応の
オレフィンを減圧蒸留または不活性ガス流等により蒸発
させて除去して得た粉粒体または粉粒体に溶媒を添加し
た懸濁液と、有機金属化合物(AL2)および電子供与
体(E2)とを組み合わせてもよい。
【0059】本発明のポリプロピレン(C)の製造方法
において、前記予備活性化触媒(B)またはプロピレン
重合用触媒の使用量は、重合容積1リットルあたり、予
備活性化触媒中の遷移金属原子に換算して、0.001
〜1,000ミリモル、好ましくは0.005〜500
ミリモル使用する。該使用量を上記範囲とすることによ
り、プロピレンもしくはプロピレンとプロピレン以外の
オレフィンとの混合物の効率かつ制御された(共)重合
反応速度を維持することができる。
【0060】本発明のポリプロピレン(C)の製造にお
けるプロピレンもしくはプロピレンとプロピレン以外の
オレフィンとの混合物を用いた本(共)重合は、その重
合プロセスとして公知のオレフィン(共)重合プロセス
が使用可能であり、具体的にはプロパン、ブタン、ペン
タン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、i−オクタン、
デカン、ドデカン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタ
ン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族
炭化水素、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳
香族炭化水素、他にガソリン留分や水素化ジーゼル油留
分等の重合不活性溶媒中で、オレフィンの(共)重合を
実施するスラリー重合法、オレフィン自身を溶媒として
用いるバルク重合法、オレフィンの(共)重合を気相中
で実施する気相重合法、さらに(共)重合して生成する
ポリオレフィンが液状である溶液重合法やこれらのプロ
セスの2以上を組み合わせた重合プロセスを使用するこ
とできる。
【0061】上記のいずれの重合プロセスを使用する場
合も、(共)重合条件として、(共)重合温度は20〜
120℃、好ましくは30〜100℃、特に好ましくは
40〜100℃の範囲、重合圧力は0.1〜5MPa
(ゲ−ジ圧)、好ましくは0.3〜5MPa(ゲ−ジ
圧)の範囲において、連続的、半連続的もしくはバッチ
的に重合時間は5分間〜24時間程度の範囲で実施され
る。上記の(共)重合条件を採用することにより、ポリ
プロピレン(C)を高効率かつ制御された反応速度で生
成させることができる。
【0062】本発明のポリプロピレン(C)の製造方法
でより好ましい態様は、本(共)重合において生成する
ポリプロピレン(C)の固有粘度〔ηP2〕が0.2〜
10dl/g、好ましくは0.5〜8dl/gの範囲と
なり、かつ、得られるポリプロピレン(C)中に、使用
した予備活性化触媒に由来するポリプロピレン(A)が
0.5〜50重量%の範囲になるように重合条件を選定
することである。また、公知のオレフィンの重合方法と
同様に、重合時に水素を用いることにより得られる
(共)重合体の分子量を調整することもできる。
【0063】本(共)重合の終了後、必要に応じて公知
の触媒失活処理工程、触媒残渣除去工程、乾燥工程等の
後処理工程を経て、糸状物及び塊状物が存在しない、ポ
リマー粒子性状が良好で高立体規則性を有するポリプロ
ピレン(C)が得られる。
【0064】
【実施例】次に、本発明を実施例および比較例によりさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例になんら
限定されるものではない。実施例および比較例において
使用する用語の定義および測定方法は以下の通りであ
る。 (1)沸騰n−ヘプタン抽出率:高温ソックスレー抽出
器にて、沸騰n−ヘプタンを用いて、6時間抽出した際
の溶解の重合体率(重量%)。
【0065】(2)固有粘度〔η〕:135℃のテトラ
リン中における極限粘度を、オストヴァルト粘度計(三
井化学(株)製)により測定した値(単位:dl/g)
【0066】(3)(重合評価〉 本発明のプロピレン重合用触媒を用いて重合評価を行
い、固体触媒成分当たりの重合活性(Yield)、高
温ソクッスレー抽出器にて沸騰n−ヘプタンにより6時
間抽出した際の生成重合体の不溶解の重合体量(HI)
を測定した。Yield、HI及び沸騰n−ヘプタン溶
解分率(HS)は下記の(1)、(2)及び(3)式よ
り算出した。更に、生成重合体のメルトフローレイト
(MFR)、嵩密度(BD)を測定した。MFR及びB
Dの測定方法はそれぞれJIS K7210及びJIS
K6721に準拠した。 Yield (g-PP/g-cat.) = a (g) / 固体触媒成分 (g) (1) HI (重量%) = { b (g) / a (g) }× 100 (2) HS (重量%) = 100 HI (重量%) (3) 上記(1)、(2)及び(3)式において、aは重合終
了後、生成した重合体の重量を示し、bは重合反応終了
後に生成した重合体を沸騰n−ヘプタンにより6時間抽
出した、n−ヘプタン不溶解分の重量を示す。
【0067】(4)メルトフロ−レ−ト(MFR):J
IS K7210表1の条件14による樹脂の溶融流れ
性。(単位:g/10分)
【0068】(5)〈ポリマー性状評価〉 本発明のプロピレン重合用触媒を用いて重合評価を行
い、生成した重合体のポリマー性状を、ホソカワミクロ
ン(株)製のパウダーテスターにより安息角、圧縮度を
測定した。また、生成重合体中の糸状及び塊状のポリマ
ーは、生成重合体を20メッシュの篩により分別し、2
0メッシュ上に残った重合体量を測定した。これらをポ
リマー性状の指標とした。
【0069】(6)生産性:ポリマー性状評価(安息
角、圧縮度)の測定項目に加えて、生成重合体を20メ
ッシュの篩により分別し、20メッシュ上に残った重合
体をパウダーの糸状及び塊状物とし、該重合体の発生量
を含め以下の基準で判断したポリプロピレンパウダーの
流動性の良否をランク付けする。 生産性ランク 糸状物/塊状物 圧縮度 安息角 流動性基準 4 <0.001% <5% <35度 ◎ 3 0.001〜0.01% 5〜10% 35〜38度 ○ 2 0.001〜0.1% 10〜15% 38〜43度 △ 1 >0.1% >15% >43度 × 高い生産性を有するランクは3以上、望ましくは4であ
る。
【0070】実施例1 (1)遷移金属化合物触媒成分の調製 撹拌機付きステンレス製反応器中において、デカン0.
3リットル、無水塩化マグネシウム48g、オルトチタ
ン酸−n−ブチル170gおよび2−エチル−1−ヘキ
サノール195gを混合し、撹拌しながら130℃に1
時間加熱して溶解させ均一な溶液とした。この均一溶液
を70℃に加温し、撹拌しながらフタル酸ジ−i−ブチ
ル18gを加え1時間経過後四塩化ケイ素520gを
2.5時間かけて添加し固体を析出させ、さらに70℃
に1時間保持した。固体を溶液から分離し、ヘキサンで
洗浄して固体生成物を得た。
【0071】固体生成物の全量を1,2−ジクロルエタ
ン1.5リットルに溶解した四塩化チタン1.5リット
ルと混合し、次いで、フタル酸ジ−i−ブチル36g加
え、撹拌しながら100℃に2時間反応させた後、同温
度においてデカンテーションにより液相部を除き、再
び、1,2−ジクロルエタン1.5リットルおよび四塩
化チタン1.5リットルを加え、100℃に2時間撹拌
し、ヘキサンで洗浄し乾燥してチタン2.8重量%を含
有するチタン含有担持型触媒成分(遷移金属化合物触媒
成分)を得た。
【0072】(2)予備活性化触媒(B)の調製 内容積5リットルの傾斜羽根付きステンレス製反応器を
窒素ガスで置換した後、n−ヘキサン2.8リットル、
トリエチルアルミニウム(有機金属化合物(AL1))
4ミリモル、ジ−イソプロピル−ジメトキシ−シラン
(電子供与体E1)0.526ミリモルおよび前項で調
製したチタン含有担持型触媒成分9.0g(チタン原子
換算で5.26ミリモル)を加えた後、反応器内の温度
を20℃に保ちつつ、圧反応器内の圧力が0.1MPa
を維持するようにプロピレンを反応器に連続的に2時間
供給し、予備活性化処理を行った。
【0073】別途、同一条件で行った予備重合後に生成
したポリプロピレン(A)を分析した結果、チタン含有
担持型触媒成分1g当たり、5.0gのポリプロピレン
(A)が存在し、かつポリプロピレン(A)の沸騰n−
ヘプタン抽出による6時間抽出での、n−ヘプタン可溶
分率は11重量%で、135℃のテトラリン中で測定し
た固有粘度〔ηP1〕が6dl/gであった。
【0074】予備活性化処理終了後、未反応のプロピレ
ンを反応器外に放出し、反応器の気相部を1回、窒素置
換し、本重合用の予備活性化触媒スラリーとした。
【0075】(3)ポリプロピレン(C)の製造 内容積500リットルの撹拌機付き、ステンレス製重合
器を窒素置換した後、20℃においてn−ヘキサン24
0リットル、トリエチルアルミニウム(有機金属化合物
(AL2))780ミリモル、ジ−i−プロピルジメト
キシシラン(電子供与体(E2))78ミリモル、およ
び前記で得た予備活性化触媒スラリーの1/2量を重合
器内に投入してプロピレン重合用触媒を調製し、引き続
いて、水素を55リットルを重合器内に導入し、70℃
に昇温した後、重合温度70℃の条件下、重合器内の気
相部圧力を0.79MPa(ゲ−ジ圧)に保持しなが
ら、プロピレンを連続的に2時間、重合器内に供給して
プロピレンの本重合を実施した。
【0076】重合時間経過後、メタノール1リットルを
重合器内に導入し、触媒失活反応を70℃にて15分間
実施した。引き続き、未反応ガスを排出後、溶媒分離、
重合体の乾燥を行い、固有粘度〔ηP2〕が1.97d
l/gのポリプロピレン(C)40.1kgを得た。2
0メッシュに残存するポリプロピレンパウダーは0.0
005重量%であった。得られたポリプロピレンパウダ
ーの安息角は33度で、圧縮度は3%であった。
【0077】得られたポリプロピレン(C)は、予備活
性化触媒(B)由来のポリプロピレン(A)を0.02
重量%含有したポリプロピレンであり、ポリプロピレン
(A)の固有粘度〔ηP1〕は1.97dl/gであ
り、ポリプロピレンの生産性はランク”4”であった。
【0078】実施例2 実施例1の(2)において、プロピレンによる予備活性
化処理の重合条件を変化させてポリプロピレン(A)の
生成量を変えたことを除いては実施例1に準拠して、ポ
リプロピレン(C)を製造した。別途、同一条件で行っ
た予備活性化処理後に生成したポリプロピレン(A)を
分析した結果、チタン含有担持型触媒成分1g当たり、
ポリプロピレン(A)が10.0g存在し、かつ、沸騰
n−ヘプタン抽出による6時間抽出での、n−ヘプタン
可溶分率は13重量%で、135℃のテトラリン中で測
定した固有粘度〔ηP2〕が5.4dl/gであった。
得られたポリプロピレン組成物のパウダー性状は、20
メッシュに残存するポリプロピレンパウダーは0.00
01重量%であった。得られたポリプロピレンパウダー
の安息角は33度で、圧縮度は3%であった。
【0079】得られたポリプロピレンパウダーの生産性
はランク”4”であった。
【0080】実施例3 実施例1の(2)において、内容積5リットルの傾斜羽
根付きステンレス製反応器を窒素ガスで置換した後、n
−ヘキサン2.8リットル、トリエチルアルミニウム
(有機金属化合物(AL1))16ミリモル、ジ−イソ
プロピル−ジメトキシ−シラン(電子供与体E1)1.
578ミリモルおよび実施例1の(1)に準拠して調製
したチタン含有担持型触媒成分9.0g(チタン原子換
算で5.26ミリモル)を加えた後、反応器内の温度を
20℃に保ちつつ、圧反応器内の圧力が0.1MPa
(ゲ−ジ圧)を維持するようにプロピレンを反応器に連
続的に2時間供給し、予備活性化処理を行い予備活性化
触媒(B)を調製した以外は、実施例1に準拠してポリ
プロピレン(C)を製造した。別途、同一条件で行った
予備活性化処理により生成したポリプロピレン(A)を
分析した結果、チタン含有担持型触媒成分1g当たり、
ポリプロピレン(A)が10.0g存在し、かつ該ポリ
プロピレン(A)の沸騰n−ヘプタン抽出による6時間
抽出での、n−ヘプタン可溶分率は6重量%で、かつ、
135℃のテトラリン中で測定した固有粘度〔ηP2〕
が5.6dl/gであった。得られたポリプロピレンパ
ウダーの性状は、20メッシュに残存するポリプロピレ
ンパウダーは0.0015重量%であった。 得られた
ポリプロピレンパウダーの安息角は35度で、圧縮度は
6%であった。得られたポリプロピレンパウダーの生産
性ランクは”3”であった。
【0081】比較例1 実施例1の(2)において、内容積5リットルの傾斜羽
根付きステンレス製反応器を窒素ガスで置換した後、n
−ヘキサン2.8リットル、トリエチルアルミニウム
(有機金属化合物(AL1))16ミリモル、ジ−イソ
プロピル−ジメトキシ−シラン(電子供与体E1)2.
63ミリモルおよび実施例1の(1)に準拠して調製し
たチタン含有担持型触媒成分9.0g(チタン原子換算
で5.26ミリモル)を加えた後、反応器内の温度を2
0℃に保ちつつ、圧反応器内の圧力が0.1MPa(ゲ
−ジ圧)を維持するようにプロピレンを反応器に連続的
に2時間供給し、予備活性化処理の重合を行い、予備活
性化触媒(B)を調製した以外は、実施例1に準拠して
ポリプロピレンを製造した。別途、同一条件で行った予
備活性化処理により生成したポリプロピレンを分析した
結果、チタン含有担持型触媒成分1g当たり、ポリプロ
ピレンが5g存在し、かつ、該ポリプロピレンの沸騰n
−ヘプタン抽出による6時間抽出での、n−ヘプタン可
溶分率は3重量%で、かつ、135℃のテトラリン中で
測定した固有粘度〔ηP2〕は1.2dl/gであっ
た。得られたポリプロピレンのパウダー性状は、20メ
ッシュに残存するポリプロピレンパウダーは0.1重量
%であった。かつ得られたポリプロピレンパウダーの安
息角は36度で、圧縮度は11%であった。得られたポ
リプロピレンパウダーの生産性ランクは”2”であっ
た。
【0082】比較例2 実施例1の(2)において、内容積5リットルの傾斜羽
根付きステンレス製反応器を窒素ガスで置換した後、n
−ヘキサン2.8リットル、トリエチルアルミニウム
(有機金属化合物(AL1))16ミリモル、ジ−イソ
プロピル−ジメトキシ−シラン(電子供与体E1)0.
526ミリモルおよび実施例1の(1)に準拠して調製
したチタン含有担持型触媒成分9.0g(チタン原子換
算で5.26ミリモル)を加えた後、反応器内の温度を
20℃に保ちつつ、圧反応器内の圧力が0.1MPa
(ゲ−ジ圧)を維持するようにプロピレンを反応器に連
続的に2時間供給し、予備活性化処理を行い、予備活性
化触媒(B)を調製した以外は、実施例1に準拠してポ
リプロピレンを製造した。別途、同一条件で行った予備
活性化処理により生成したポリプロピレンを分析した結
果、チタン含有担持型触媒成分1g当たり、ポリマーが
0.2g存在し、かつポリマーの沸騰n−ヘプタン抽出
による6時間抽出での、n−ヘプタン可溶分率は9重量
%で、かつポリマーの135℃のテトラリン中で測定し
た固有粘度〔ηP2〕が1.2dl/gであった。得ら
れたポリプロピレン組成物のパウダー性状は、20メッ
シュに残存するポリプロピレンパウダーは0.3重量%
であった。かつ、得られたポリプロピレンパウダーの安
息角は38度で、圧縮度は13%であった。得られたポ
リプロピレンパウダーの生産性ランクは”2”であっ
た。
【0083】実施例4 実施例1の(3)を以下のように変えて重合を行った以
外は実施例1に準拠してポリプロピレン(C)を得た。 (3)ポリプロピレン(C)の製造(プロピレンの本
(共)重合) 内容積500リットルの撹拌機付き、ステンレス製重合
器を窒素置換した後、20℃においてn−ヘキサン24
0リットル、トリエチルアルミニウム(有機金属化合物
(AL2))780ミリモル、ジ−i−プロピルジメト
キシシラン(電子供与体(E2))78ミリモル、およ
び実施例1の(2)に準拠して得た予備活性化触媒スラ
リーの1/2量を重合器内に投入した。引き続いて、水
素を55リットルを重合器内に導入し、65℃に昇温し
た後、重合温度65℃の条件下、重合器内の気相部圧力
が0.79MPa(ゲ−ジ圧)に保持しながら、プロピ
レンを連続的に2時間重合させる代わりに、エチレンを
連続的に1.3kg連続的にフィードしながらプロピレ
ン−エチレンの共重合行った。得られたポリプロピレン
(C)(エチレン含有量2.6重量%)のパウダー性状
は、20メッシュに残存するエチレン−プロピレン共重
合体パウダーは0.009重量%であった。得られたパ
ウダーの安息角は37度で圧縮度は8%であった。得ら
れたエチレン−プロピレン共重合体の生産性ランク
は、”3”であった。
【0084】実施例5 実施例1の(3)を以下のように変更して重合を行った
以外は実施例1に準拠してポリプロピレン(C)の製造
を行った。即ち、内容積500リットルの撹拌機付き、
ステンレス製重合器を窒素置換した後、20℃において
n−ヘキサン240リットル、トリエチルアルミニウム
(有機金属化合物(AL2))780ミリモル、ジ−i
−プロピルジメトキシシラン(電子供与体(E2))7
8ミリモル、および実施例1の(2)に準拠して得た予
備活性化触媒スラリーの1/2量を重合器内に投入し
た。引き続いて、水素を55リットルを重合器内に導入
し、65℃に昇温した後、重合温度65℃の条件下、重
合器内の気相部圧力を0.79MPa(ゲ−ジ圧)に保
持しながらプロピレンを連続的に2時間重合させる代わ
りに、エチレンを連続的に2.6kg、ブテン−1を
5.4kg連続的にフィードしながらプロピレン−エチ
レン−ブテン−1の共重合行った。得られたポリプロピ
レン(C)(エチレン含有量4.5重量%、ブテン−1
含有量4.5重量%)のパウダー性状は、20メッシュ
に残存するエチレン−ブテン−1−プロピレン共重合体
パウダーは0.001重量%であった。得られたパウダ
ーの安息角は38度で圧縮度は7%であった。得られた
エチレン−プロピレン−ブテン共重合体の生産性ランク
は、”3”であった。
【0085】比較例3 比較例2に準拠して調製した予備活性化触媒を用いる以
外は、実施例4に準拠してポリプロピレン(C)の製造
を行った。得られたポリプロピレン(C)(エチレン含
有量2.2重量%)のパウダー性状は、20メッシュに
残存するエチレン−プロピレン共重合体パウダーは1.
2重量%であった。得られたパウダーの安息角は43度
で圧縮度は16%であった。得られたエチレン−プロピ
レン−ブテン共重合体の生産性ランクは、”1”であっ
た。
【0086】
【表1】
【0087】
【発明の効果】本発明のプロピレン重合用触媒を用いる
と、糸状及び塊状物の発生が極めて少なく、ポリマー性
状に優れ、流動性が良好なポリプロピレン(C)を高い
生産性で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の触媒のフロ−チャ−ト図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠崎 潤 千葉県市原市五井海岸5番地の1 チッソ 石油化学株式会社高分子研究所内 (72)発明者 近藤 史尚 千葉県市原市五井海岸5番地の1 チッソ 石油化学株式会社高分子研究所内 Fターム(参考) 4J028 AA01A AB01A AC03A AC13A BA01A BA01B BB00A BB00B BB01A BB01B BC01B BC03B BC08B BC09B BC11B BC18B CB22C CB23C CB24C CB25C CB27C CB28C CB42C CB43C CB44C CB52C CB62C CB63C CB64C CB66C CB68C CB69C CB70C CB74C CB77C CB79C CB81C CB86C CB87C CB88C CB91C CB92C DA01 DA02 DA03 DA04 DA05 EA01 EB02 EB04 EB05 EB07 EB08 EB09 EB10 FA01 FA02 FA04 GA04 GA13

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともチタン化合物を含む遷移金属化
    合物触媒成分、該遷移金属化合物触媒成分中の遷移金属
    原子1モルに対し、周期表(1991年版)第1族、第
    2族、第12族および第13族に属する金属よりなる群
    から選択された金属の有機金属化合物(AL1)0.0
    1〜1,000モルおよび電子供与体(E1)0〜1モ
    ルの組み合わせからなる遷移金属化合物含有触媒とプロ
    ピレンもしくはプロピレンとプロピレン以外のオレフィ
    ンとを用いて、予備活性化処理により、遷移金属化合物
    触媒成分1g当たり0.5〜50gのポリプロピレン
    (A)を該遷移金属化合物含有触媒上に生成させた予備
    活性化触媒(B)。ただし、該生成ポリプロピレン
    (A)は、沸騰n−ヘプタンによる6時間抽出でのn−
    ヘプタン可溶分率が5重量%以上であり、かつ135℃
    のテトラリン中で測定した固有粘度〔ηP1〕が15d
    l/g未満の特性を有する。
  2. 【請求項2】請求項1記載の予備活性化触媒(B)と、
    予備活性化触媒中の遷移金属原子1モルに対し予備活性
    化触媒中に含まれる金属の有機化合物(AL1)との合
    計で0.05〜5,000モルの、周期表(1991年
    版)第1族、第2族、第12族および第13族に属する
    金属よりなる群から選択された金属の有機金属化合物
    (AL2)および予備活性化触媒中の遷移金属原子1モ
    ルに対し予備活性化触媒中に含まれる電子供与体(E
    1)との合計で0〜3,000モルの電子供与体(E
    2)からなることを特徴とするプロピレン重合用触媒。
  3. 【請求項3】請求項2記載のプロピレン重合用触媒の存
    在下に、プロピレンもしくはプロピレンとプロピレン以
    外のオレフィンとを(共)重合し、135℃のテトラリ
    ン中で測定した固有粘度〔ηP2〕が0.2〜15dl
    /gであるポリプロピレンを製造することを特徴とする
    ポリプロピレン(C)の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112745433A (zh) * 2019-10-30 2021-05-04 中国石油化工股份有限公司 一种制备高立构规整度聚丙烯的方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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