JP2001335367A - 硫化ランタンまたは硫化セリウム焼結体およびその製造方法 - Google Patents

硫化ランタンまたは硫化セリウム焼結体およびその製造方法

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JP2001335367A JP2000152779A JP2000152779A JP2001335367A JP 2001335367 A JP2001335367 A JP 2001335367A JP 2000152779 A JP2000152779 A JP 2000152779A JP 2000152779 A JP2000152779 A JP 2000152779A JP 2001335367 A JP2001335367 A JP 2001335367A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゼーベック係数の大きな熱電変換材料として
優れた新規材料の提供。 【構成】 組成がLa2 3またはCe2 3であり、結
晶構造がβ相とγ相の混合相からなり、ゼーベック係数
がγ単相のものより大きい硫化ランタンまたは硫化セリ
ウム焼結体。酸素濃度を一定範囲とし、炭素不純物濃度
を抑制した高純度のβ相のLa2 3 粉末原料またはα
相のCe2 3粉末原料を、内面にh−BNを塗布した
炭素製型に入れ、真空中でホットプレスすることによっ
てゼーベック係数が大きいβとγの混合相が形成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、熱電変換材
料として有用な、大きな熱起電力を有する硫化ランタン
焼結体または硫化セリウム焼結体およびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】熱電変換材料の応用は、多岐に亘ってい
る。熱エネルギーを電気エネルギーに変換するクリーン
エネルギー源としての利用が最も期待されるところであ
るが、ペルチェ効果を利用するものとして小型冷凍器、
放熱板、高温槽、電熱用等が考えられ、また実現されて
いる。
【0003】熱起電力は、2種の電気伝導体を接合した
とき2接点間の温度差ΔTにより発生する電圧Vで、そ
れらの間にはV=αΔTの関係がある。このαのことを
ゼーベック係数という。この熱起電力を利用して、熱エ
ネルギーを電気エネルギーに変換する際に、熱電材料の
有効性を示す指標として、電気伝導度σ、熱伝導度κを
使って、式、Z=α2 σ/κ、で示される性能指数Zが
用いられている。このZの値の大きい材料ほど優れた熱
電材料となる。
【0004】既に報告され、または利用されている熱電
材料は多く、現在最も大きい性能指数が得られているの
はBi−Te系の物質で、約3×10-3(/K)の値を
示しているが、それらの物質のゼーベック係数の値は、
約200(μV/K)程度である(「実用新素材技術便
覧」通産資料調査会、1996、904)。
【0005】希土類元素の硫化物は、大きなゼーベック
係数を持ち、ランタノイド三二硫化物の中でもLaから
Ndまでの硫化物は、低温安定相である斜方晶のα相か
ら正方晶のβ相、さらに、高温安定相である立方晶Th
3 4 型のγ相へと不可逆変態し、特に、La2
3 は、373Kで+354μv・deg-1、Ce2 3
は、373Kで+574μv・deg-1のゼーべック係
数を有する熱電材料であることが報告されている(ゲ・
ヴェ・サムソノフ他:「硫化物便覧」、日・ソ通信社、
1974、p108)。
【0006】また、硫化ランタンLa3-x 4 およびL
a−A−S系(AはCaまたはBa)において、最大
2.9×10-4(/K)の性能指数が得られたことが報
告されている(勝山 茂他「熱電変換シンポジウム´9
9論文集」、1999、56)。しかし、そこで報告さ
れているゼーベック係数は最大値で約100(μV/
K)である。なお、本発明者らは、Ce2 3 粉末の結
晶構造、化学分析値、粒度分布等に関して先に発表した
(J.Am.Ceram.Soc.,81,1998,
145)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】熱電変換材料の上述の
性能指数Zを求める式において、3種の物理的性質がそ
の値を決定しているが、ゼーベック係数αの値は2乗で
Zの値を大きくすることから、このα値の大きな物質が
より優れた熱電材料となり得る。そこで、本発明は、大
きなゼーベック係数αを持ち、高い性能指数Zを持つ新
規な材料の開発を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、La2
3 粉末を用いたCS2 ガス硫化法によりLa2 3 粉末
を合成し、1023K以上の硫化温度ではβ−La2
3 (=La1014O)単相が得られること確認し、この
β相中の酸素濃度は、硫化時間を28.8ks一定とし
た場合、1023Kでは0.91質量%(炭素不純物濃
度は0.02質量%)、1273Kでは0.18質量%
となり、高温の硫化ほど酸素濃度が低下することを報告
してきた(平井ら;「第124回日本金属学会春期大会
講演概要」、1999、149)。
【0009】同様の方法によりセリウム硫化物粉末も合
成できた。得られたセリウム硫化物粉末は、XRD法に
より構造解析を、また化学分析によりその組成を決定し
た。セリウム硫化物粉末は、αの結晶構造を持つCe2
3 であることを確認した。また、Ce2 3 の酸素濃
度および炭素不純物濃度は、例えば、硫化時間28.8
ks、973Kでは酸素濃度1.30質量%、炭素不純
物濃度0.10質量%であった。
【0010】本発明者らは、上記のCS2 ガス硫化法に
より合成した炭素不純物濃度が小さく、酸素濃度が一定
範囲の高純度のLa2 3 またはCe2 3 粉末を原料
として、それらを適当な圧力、温度条件において真空中
で焼結することにより、γ相にβ相が混合した相とな
り、この混合相は、γ相単相より大きなゼーベック係数
を持ち、原料粉末の酸素濃度と焼結温度の条件を選択す
ることにより非常に大きなゼーベック係数を持つLa2
3 焼結体またはCe2 3 焼結体を作製できることを
見出した。
【0011】すなわち、本発明は、組成がLa2 3
たはCe2 3 で示され、結晶構造がβとγの混合相か
らなり、ゼーベック係数がγ単相のときより大きい値を
有することを特徴とする硫化ランタンまたは硫化セリウ
ム焼結体である。
【0012】また、本発明は、酸素濃度が0.7〜1.
0質量%のβ相のLa2 3 粉末原料または酸素濃度が
0.9〜1.7質量%α相のCe2 3 粉末原料を焼結
して得られたことを特徴とする上記の硫化ランタン焼結
体である。
【0013】また、本発明は、ゼーベック係数が60℃
で1000(μV/K)以上の値を有することを特徴と
する上記の硫化ランタンまたは硫化セリウム焼結体であ
る。
【0014】また、本発明は、上記の焼結体からなるこ
とを特徴とする熱電変換材料である
【0015】さらに、本発明は、酸素濃度が0.7〜
1.0質量%のβ相のLa2 3 粉末原料または酸素濃
度が0.9〜1.7質量%のα相のCe2 3 粉末原料
を、内面に六方晶層状型窒化ホウ素(h−BN)を被覆
した炭素製型に入れ、真空中で1600〜2000Kで
加圧焼結することを特徴とする上記の硫化ランタンまた
は硫化セリウム焼結体の製造方法である。
【0016】本発明の製造方法において、β相のLa2
3 粉末原料中の酸素濃度は0.7〜1.0質量%とす
る。またα相のCe2 3粉末原料中の酸素濃度は0.
9〜1.7質量%とする。このように酸素濃度範囲を規
定するのは、粉末原料中の酸素濃度は、焼結体の単相化
やゼーべック係数に影響を及ぼすからである。例えば、
焼結温度を1973K一定とした場合、酸素濃度が0.
18質量%のβ単相粉末を出発原料に用いるとγ単相の
焼結体が得られ、一方、0.91質量%のβ単相粉末で
はγとβの混合相の焼結体が得られる。
【0017】このような、γ相が安定な高温においてβ
相が生成することは、Nd2 3 やPr2 3 の場合と
同様に酸素に影響され、β相が正方晶の単位格子の中心
にO 2-を配位しているためと推定される。上記の酸素濃
度範囲以外では、大きなゼーベック係数を得るのは困難
である。
【0018】粉末原料中の不純物炭素濃度も焼結体の単
相化やゼーべック係数に影響を及ぼす。炭素不純物濃度
が大きいと、炭素は焼結中に酸素と反応して気化し、酸
素濃度が不足となる。粉末原料中の炭素不純物濃度は、
LECO社製の同時分析装置により測定して検出されな
いことが望ましく、許容濃度は0.1質量%以下、より
好ましくは0.08質量%以下である。
【0019】本発明によれば、ゼーベック係数の最も大
きい値は、La2 3 焼結体で19800(μV/
K)、Ce2 3 焼結体で9700(μV/K)が得ら
れる。ゼーベック係数が60℃で1000(μV/K)
以上であれば、熱電材料として有用性が大きい。なお、
上記の原料粉末を用いて製造したLa2 3 焼結体であ
っても、その結晶構造がγ単相のものでは、333Kに
おけるゼーベック係数は+392μv・deg-1であっ
た。これは、従来の報告値(ゲ・ヴェ・サムソノフ:硫
化物便覧、日・ソ通信社、1974、108)より若干
増加している。また、β単相のものは完全な絶縁体であ
る。
【0020】本発明のLa2 3 焼結体またはCe2
3 焼結体は、高温半導体特性と大きなゼーベック係数を
持ち、熱電変換材料として優れた材料である。また、L
2 3 焼結体は、2368±30Kの高融点、優れた
耐熱衝撃性と熱力学的安定性を持ち、高清浄金属溶解用
耐火物としての用途や鮮やかな黄色であり、粉末はプラ
スチックスや塗料の顔料としての用途がある。また、C
2 3 焼結体は、La2 3 焼結体と同様、高い融点
(2163±50K)を持ち、顔料等の用途の他にLa
2 3 焼結体と同様の用途を有している。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法において、出発
原料のLa2 3 粉末またはCe2 3 粉末は、La2
3 粉末またはCe2 3 粉末をCS2 ガス硫化法によ
って製造したものを用いる。La2 3 粉末またはCe
2 3 粉末の粒径は70μm以下が好ましい。粒径が7
0μmを超える粒子が存在すると焼結性が劣化する。粒
子の小さい方は、焼結性に影響しないので粒径の下限は
特に限定されない。
【0022】粉末原料中の酸素濃度は、硫化時間を一定
とした場合、高温の硫化ほど酸素濃度が低下することが
知られているので、温度の調整により酸素濃度を調整で
きる。酸素濃度が多い場合には焼結温度は低めとする。
【0023】加圧焼結によりβ相およびγ相の混合相の
焼結体を作製するためには、内面にh−BNを塗布して
被覆した炭素製型を用いる。炭素製型の内面に塗布した
h−BNは、炭素製型から炭素が不純物として焼結体に
侵入するのを防ぐとともに、炭素製型から焼結体を取り
外す際の離型剤としての働きがある。
【0024】真空中、好ましくは3×10-4Pa以下の
真空雰囲気中にて黒鉛製型中で1600〜2000Kま
で一定の昇温速度で粉末原料を加熱し、続いて、0〜
2.7ks保持して、所定の圧力、例えば、20MP
a、またはそれ以下の圧力を加えながら焼結(ホットプ
レス)することにより緻密な焼結体を作製する。加圧焼
結の際の温度条件、保持時間は、β相とγ相の混合相が
形成される範囲で選択する。β相が無くならないでγ相
が生成する温度領域は1600〜2000K、より好ま
しくは1800〜2000Kの範囲であるが、高温で長
時間となるとβ相が消滅する。
【0025】
【実施例】実施例1 純度99.99質量%、平均粒径1.77μmのLa2
3 粉末を石英ボートに乗せて電気炉中に挿入し、Ar
雰囲気中で温度1073Kに加熱し、CS2 溶液中から
気化させたCS2 ガスをAr搬送ガスを用いて導入し、
8時間の硫化を行った。反応後の粉末は、MgOを内部
標準としたX線回折法によりβ相単相であることを確認
した。また、組成については、希土類金属をキレート滴
定法、硫黄、炭素、酸素をLECO社製の同時分析装置
により決定した。その結果それらの組成は、La2
2.830.180.02(O2 ;0.76質量%)であった。
【0026】この粉末を内面をh−BNで被覆した黒鉛
製型に入れ、粉末に10MPaの圧力を加えながら19
73Kまで加熱し、保持することなく加熱を終了させ、
焼結体を作成した。得られた焼結体は、X線回折法によ
る構造解析からβ相とγ相の混合相であることを確認し
た。この焼結体を3×3×5(mm3 )に切り出して試
料とし、273〜473Kにおけるゼーべック係数を測
定し、60℃で19800(μV/K)の値を得た。
【0027】実施例2 実施例1と同じ条件で作成した組成La2 2.830.18
0.02(O2;0.76質量%)の粉末をh−BNで内
面を被覆した黒鉛製型に入れ、20MPaの圧力を加え
ながら1823Kまで加熱し、45分間保持して焼結体
を作成した。得られた焼結体を3×3×5(mm3 )に
切り出して試料とし、ゼーベック係数を測定し、60℃
で7000(μV/K)の値を得た。
【0028】実施例3 実施例1と同様のLa2 3 粉末を石英ボートに乗せて
電気炉内に挿入し、Ar雰囲気中で温度1023Kに加
熱し、CS2 溶液中から気化させたCS2 ガスをAr搬
送ガスを用いて導入し、8時間の硫化を行った。反応後
の粉末はX線回折法によりβ相単相であることを確認し
た。また組成については、実施例1と同じ方法で分析を
行い、La2.133 0.230.01(O2 0.91質量
%)の組成を得た。
【0029】この粉末をh−BNで内面を被覆した黒鉛
製型に入れ、20MPaの圧力を加えながら1973K
まで加熱し、45分間保持して焼結体を作成した。得ら
れた焼結体はX線回折法による構造解析からβ相とγ相
の混合相であることを確認した。得られた焼結体を3×
3×5(mm3 )に切り出して試料とし、ゼーベック係
数を測定し、60℃で9300(μV/K)の値を得
た。
【0030】実施例4 純度99.99%、平均粒径2.25μmの酸化セリウ
ムCe2 3 粉末を石英ボートに乗せて電気炉内に挿入
し、Ar雰囲気中で温度973Kに加熱し、CS2 溶液
中から気化させたCS2 ガスをAr搬送ガスを用いて導
入し、8時間の硫化を行った。反応後の粉末はX線回折
法によりα相単相であることを確認した。また、組成に
ついては、実施例1と同じ方法で分析を行い、Ce1.65
3.00 0.180.027(酸素0.9質量%、炭素0.1質
量%)の組成を得た。
【0031】この粉末をh−BNで内面を被覆した黒鉛
製型に入れ、20MPaの圧力を加えながら1673K
まで加熱し、11時間保持した後加熱を終了させ、焼結
体を作成した。得られた焼結体はX線回折法による構造
解析からβ相とγ相の混合相であることを確認した。得
られた焼結体を3×3×5(mm3 )に切り出して試料
とし、ゼーベック係数を測定し、60℃で9700(μ
V/K)の値を得た。
【0032】実施例5 実施例4の粉末をさらに1472K、7.2ksの真空
加熱を行うことによりβ単相化した後、この粉末をBN
で内面を被覆した黒鉛製型に入れ、20MPaの圧力を
加えながら1673Kまで加熱し、11時間保持した後
加熱を終了させ、焼結体を作成した。得られた焼結体は
X線回折法による構造解析からβ相とγ相の混合相であ
ることを確認した。得られた焼結体を3×3×5(mm
3 )に切り出して試料とし、ゼーベック係数を測定し、
60℃で1456(μV/K)の値を得た。
【0033】比較例1 実施例1と同じ条件で作成した組成La2 2.830.18
0.02(O2 ;0.76質量%)のβ単相粉末を出発試
料として、h−BNで内面を被覆した黒鉛製型に入れ、
20MPaの圧力を加えながら1523Kまで加熱し、
45分間保持した後自然冷却し焼結体を作成した。得ら
れた焼結体はX線回折法による構造解析からβ単相であ
ることを確認した。焼結温度が低くγ相が生成しなかっ
たものと推定される。この試料のゼーべック係数を測定
したところ0(μV/K)であった。これは、この試料
が完全な絶縁体であることの結果である。
【0034】比較例2 実施例1と同様のLa2 3 粉末を、Ar雰囲気中で温
度1173Kに加熱し、8時間の硫化を行った。その結
果、それらの組成はLa2.103 0.230.06(O2
0.94質量%)であった。この粉末の炭素不純物濃度
は0.18質量%であった。このβ単相粉末を出発試料
として、h−BNで内面を被覆した黒鉛製型に入れ、2
0MPaの圧力を加えながら1973Kまで加熱し、4
5分間保持した後自然冷却し焼結体を作成した。得られ
た焼結体はX線回折法による構造解析からγ単相である
ことを確認した。粉末原料中の炭素含有量が多いと焼結
処理の際に酸素と反応して気化し、結果としてγ相のみ
になってしまったものと推定される。この試料のゼーべ
ック係数は392(μV/K)であった。
【0035】比較例3 実施例4と同様のCe1.653.000.180.027(酸素
0.9質量%、炭素0.1質量%)の組成の粉末を出発
原料とした。h−BNで内面を被覆した黒鉛製型に入
れ、20MPaの圧力を加えながら1973Kまで加熱
し、11時間保持した後加熱を終了させ、焼結体を作成
した。得られた焼結体はγ相単相であることを確認し
た。β相は高温での長時間保持により消滅したものと推
定される。この試料を3×3×5(mm3 )に切り出し
てゼーベック係数を測定した結果、60℃で234(μ
V/K)の値であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 聡之 茨城県つくば市竹園3−106−205 (72)発明者 平井 伸治 北海道室蘭市寿町1−13−13 (72)発明者 嶋影 和宜 北海道室蘭市水元町31−1−203 Fターム(参考) 4G030 AA55 BA05 CA01 GA09 GA29

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成がLa2 3 またはCe2 3 で示
    され、結晶構造がβとγの混合相からなり、ゼーベック
    係数がγ単相のときより大きい値を有することを特徴と
    する硫化ランタン焼結体または硫化セリウム焼結体。
  2. 【請求項2】 酸素濃度が0.7〜1.0質量%のβ相
    のLa2 3 粉末原料または酸素濃度が0.9〜1.7
    質量%のα相のCe2 3 粉末原料を焼結して得られた
    ことを特徴とする請求項1記載の硫化ランタンまたは硫
    化セリウム焼結体。
  3. 【請求項3】 La2 3 粉末原料またはCe2 3
    末原料の炭素不純物濃度が0.1質量%以下であること
    を特徴とする請求項2記載の硫化ランタンまたは硫化セ
    リウム焼結体。
  4. 【請求項4】 ゼーベック係数が60℃で1000(μ
    V/K)以上の値を有することを特徴とする請求項1乃
    至3のいずれかに記載の硫化ランタンまたは硫化セリウ
    ム焼結体。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の硫化
    ランタンまたは硫化セリウム焼結体からなることを特徴
    とする熱電変換材料。
  6. 【請求項6】 酸素濃度が0.7〜1.0質量%のβ相
    のLa2 3 粉末原料または酸素濃度が0.9〜1.7
    質量%のα相のCe2 3 粉末原料を、内面に六方晶層
    状型窒化ホウ素(h−BN)を被覆した炭素製型に入
    れ、真空中で1600〜2000Kで、β相が消滅しな
    い処理時間内で加圧焼結することを特徴とする請求項1
    乃至4のいずれかに記載の硫化ランタンまたは硫化セリ
    ウム焼結体の製造方法。
  7. 【請求項7】 La2 3 粉末原料またはCe2 3
    末原料の炭素不純物濃度が0.1質量%以下であること
    を特徴とする請求項6記載の硫化ランタンまたは硫化セ
    リウム焼結体の製造方法。
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