JP2001335316A - Cfi型ゼオライト、その製造方法、それを用いた触媒および有機化合物の転化方法 - Google Patents

Cfi型ゼオライト、その製造方法、それを用いた触媒および有機化合物の転化方法

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JP2001335316A JP2001080084A JP2001080084A JP2001335316A JP 2001335316 A JP2001335316 A JP 2001335316A JP 2001080084 A JP2001080084 A JP 2001080084A JP 2001080084 A JP2001080084 A JP 2001080084A JP 2001335316 A JP2001335316 A JP 2001335316A
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JP2001080084A
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Hajime Kato
元 加藤
Masato Yoshikawa
正人 吉川
Kazuyoshi Iwayama
一由 岩山
Shinichi Sakaguchi
真一 阪口
Naoyuki Uchiyama
直行 内山
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】CFI型ゼオライトのケイ素とヘテロ原子の原
子比を下げ、結晶を小さくすることによって、触媒とし
て有用なゼオライトを提供する。 【解決手段】ケイ素とヘテロ原子の原子比がモル比で4
5以下、かつ結晶の長軸が0.7μm以下であるCFI
型ゼオライト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化合物の転化触媒
として有用な14員環を有するCFI型ゼオライト、そ
の製造方法、それを用いた触媒および有機化合物の転化
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】CFI型ゼオライトは、吉川、デービス
によって発明された新規な14員環を有するゼオライト
であり、CIT−5とも呼ばれる。これの合成法、構造
は既に以下の文献で公知になっている。 (文献1)WO99/08961 (文献2)ケミカル コミュニケーション 2179 ペー
ジ(1997年) (文献3)ジャーナル オブ フィジカル ケミストリ
ー ビー 102巻 7139ページ(1998年) (文献4)ジャーナル オブ キャタリシス 182巻
463ページ(1999年) (文献5)触媒 41巻 380ページ(1999年) 文献2では、SiO2/Al23=50のCIT−5が
記述されているが、その形状については記述されておら
ず、又ここに記述された方法では、SiO2/Al23
=50のCIT−5はできなかった。文献1の実施例5
にあるように、従来公知の組成(LiOH/SiO2
0.1かつメチルスパルテイニウムハイドロオキサイド
/SiO2=0.2)の原料を水熱処理しただけでは、
SiO2/Al23=100の原料組成では、生成物は
非晶質物質との混合物であり、CFI型ゼオライトをき
れいに結晶化できなかった。その他の文献には、SiO
2/Al23が100より小さいCIT−5は記載され
ていない。またケイ素とヘテロ原子の原子比がモル比で
45以下のCIT−5も記載されていない。文献1で
は、Si/Zn=25の原料組成でCIT−5の合成を
行っているが、ゼオライト中に亜鉛が入っているかどう
かは不明である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】CFI型ゼオライト
(CIT−5)は、14員環細孔を有しゼオライトの中
では大きな細孔を有しており、新規な触媒材料として期
待されているが、従来技術では、多くのヘテロ原子をそ
の骨格に導入することができなかった。即ち、触媒活性
点の少ないCIT−5しかできなかった。CIT−5
は、14員環サイズの1次元の細孔を有している。1次
元の細孔は、拡散が多次元細孔に比べ悪いため、結晶が
小さい方が触媒として有用である。しかしながら、従来
技術では、活性点の数が多く、しかも結晶の小さいCI
T−5は得られていなかった。
【0004】したがって、本発明の課題は、従来の技術
の問題点を解決すること、すなわち、活性点の数が多
く、かつ結晶の小さいCIT−5を提供すること、具体
的にはケイ素とヘテロ原子の原子比がモル比で45以
下、且つ結晶の長軸が0.7μm以下であることを特徴
とするCFI型ゼオライトを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に鋭意検討を重ねた結果、ケイ素とヘテロ原子の原子比
がモル比で45以下、かつ結晶の長軸が0.7μm以下
であることを特徴とする触媒として優れた性能を有する
CFI型ゼオライトを合成することに成功し、本発明に
至った。
【0006】本発明は、以下の構成を有する。即ち、ケ
イ素とヘテロ原子の原子比がモル比で45以下、かつ結
晶の長軸が0.7μm以下であることを特徴とするCF
I型ゼオライト。
【0007】下記(1)、(2)の条件をいずれも満た
す原料を水熱処理することを特徴とするCFI型ゼオラ
イトの製造方法。 (1)LiOH/SiO2<0.15(モル比) (2)ROH/SiO2>0.2(モル比、ROHはア
ルキルスパルテイニウムハイドロオキサイドである)。
【0008】上記CFI型ゼオライトを含有する触媒。
【0009】上記触媒と有機化合物を接触させることを
特徴とする有機化合物の転化方法。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に記述する。
【0011】本発明における第一の発明は、「ケイ素と
ヘテロ原子の原子比がモル比で45以下、かつ結晶の長
軸が0.7μm以下であることを特徴とするCFI型ゼ
オライト」である。
【0012】本発明においてCFI型 ゼオライトと
は、吉川、デービスによって初めて合成され、ワグナー
らによって結晶構造が解明されたCIT−5ゼオライト
と同様の結晶構造を有するゼオライトのことである。国
際ゼオライト学会(International Zeolite Associatio
n)の構造部会(Structure Commission)は、構造が決定
されたゼオライトにアルファベット3文字のコードを与
え、同じトポロジーを有するゼオライトをこの3文字で
総称している。CIT−5の構造にはCFIというコー
ドが与えられている。従って、CIT−5と同様の構造
を有するゼオライトをCFI型ゼオライトと呼ぶことは
一般的なことである。
【0013】ゼオライトがCFI型の構造かどうかを調
べる方法として最も簡便な方法は、粉末X線回折であ
る。粉末X線回折を行ったとき、表1または表2に示し
た位置にピークがあるかどうかで判断できる。表1は、
未焼成のCFI型ゼオライトの粉末X線回折図に一般的
に見られるピーク位置を表している。表2は、焼成して
細孔内の有機物を除去した後のCFI型ゼオライトの粉
末X線回折図に一般的に見られるピーク位置を表してい
る。
【0014】表1 未焼成CIT−5のX線回折ピーク 面間隔d(nm) 1.27 ±0.01 1.21 ±0.01 0.690±0.005 0.636±0.005 0.468±0.005 0.453±0.005 0.444±0.005 0.433±0.005 0.424±0.005 0.405±0.005 0.380±0.005 0.367±0.005 0.361±0.005 0.345±0.005 0.333±0.005 0.329±0.005 0.316±0.005 0.352±0.005 表2 焼成したCIT−5の代表的X線回折ピーク 面間隔d(nm) 1.27 ±0.02 1.21 ±0.02 0.467±0.005 0.444±0.005 0.433±0.005 0.425±0.005 0.362±0.005 0.332±0.005 ここでゼオライトとはシリケート系の結晶性マイクロポ
ーラス物質のことで、CIT−5(CFI)構造を有す
る結晶性アルミノシリケート、結晶性メタロシリケー
ト、結晶性メタロアルミノシリケートのことである。こ
こでいうメタロシリケート、メタロアルミノシリケート
とは、アルミノシリケートのアルミニウムの一部又は全
部がガリウム、鉄、チタン、ボロン、コバルト、クロム
等のアルミニウム以外の金属で置換されたものである。
ここで、ケイ素と酸素以外の構造骨格を構成している元
素、例えばアルミニウム、ガリウム、鉄、チタン、ボロ
ン、コバルト、クロムをヘテロ原子と定義する。
【0015】本発明においては、ケイ素とヘテロ原子の
原子比がモル比で45以下であることが必須である。触
媒として使用する場合は、ケイ素とヘテロ原子の原子比
が低い方が好ましく、40以下の方がより好ましい。ケ
イ素とヘテロ原子の原子比の下限は、ゼオライトの性質
上1である(ローエンスタイン則)。触媒として使用す
る場合は、一般には5以上が好ましく用いられ、酸強
度、酸量、熱安定性の観点から、7以上のものが最も好
ましく用いられる。ケイ素とヘテロ原子の原子比は、原
子吸光法、蛍光X線法、誘導結合高周波プラズマ発光分
光法(ICP法)等によって求めることができる。ま
た、この原子比は、合成に用いた原料中の原子比ではな
く、実際に生成したCFI型ゼオライトの原子組成であ
る。
【0016】ヘテロ原子の種類は、特に限定されること
はないが、好ましくはアルミニウム、ガリウム、鉄、チ
タン、ボロン、コバルト、クロムであり、特に好ましく
は、アルミニウム、ガリウム、ホウ素であり、アルミニ
ウムは触媒としての酸強度が最も強いので特に好まし
い。
【0017】また、本発明CFI型ゼオライトは、結晶
の長軸が0.7μm以下であることが必須である。本発
明ゼオライトの期待される用途として触媒が挙げられる
が、触媒にとっては化合物の細孔内での拡散が良い方が
活性が高いので、結晶は小さい方が好ましい。結晶の大
きさは走査型電子顕微鏡観察によって測定することがで
きる。無作為にCFI型ゼオライトをサンプリングし、
走査型電子顕微鏡で観察したとき、少なくとも50%以
上の結晶の長軸が0.7μm以下であることが好まし
い。結晶サイズを正確に判断するには4万倍の倍率で観
察することが好ましい。本発明において、長軸とは、一
つの結晶の中で最も長いところの長さを言う。結晶の形
状は、特に限定されない。平板状、針状のCIT−5結
晶が一般に知られているがこれに限定されるものではな
い。
【0018】ヘテロ原子が3価又は2価の原子の場合、
骨格は負電荷を有し、それを補償するためにカチオンが
必要である。そのカチオンの種類は、本発明において
は、特に限定されない。プロトン、Li,Na,K,R
b,Csのようなアルカリ金属、Mg,Ca,Sr,B
aのようなアルカリ土類金属、遷移金属、貴金属、希土
類いずれでも構わない。これらのカチオンは、本発明に
おけるヘテロ原子ではない。
【0019】本発明における第2の発明は、「下記
(1)、(2)の条件をいずれも満たす原料を水熱処理
することを特徴とするCFI型ゼオライトの製造方法。 (1)LiOH/SiO2<0.15(モル比) (2)ROH/SiO2>0.2(モル比、ROHはア
ルキルスパルテイニウムハイドロオキサイドである)」
である。
【0020】従来、公知のCFI型ゼオライトの製造方
法では、アルミニウムやボロンなどのヘテロ原子を、ケ
イ素とヘテロ原子の比で50より小さくすることができ
なかった。しかし、本発明の方法で、ケイ素とヘテロ原
子の原子比がモル比で45以下、かつ結晶の長軸が0.
7μm以下であることを特徴とする触媒として優れた性
能を有するCFI型ゼオライトを合成することができ
た。
【0021】本発明のゼオライトの製造方法において
は、原料組成が(1)LiOH/SiO2<0.15
(モル比) (2)ROH/SiO2>0.2(モル
比、ROHはアルキルスパルテイニウムハイドロオキサ
イドである。以下同様)であることが必須である。Li
OHをこの範囲より多く入れると、クリストバライトな
どの不純物を生成しやすくなる。0.02<LiOH/
SiO2≦0.12が好ましい範囲である。
【0022】ROHがこの範囲より少ないと、結晶化が
進みにくい。ヘテロ原子の導入量が多いほど、ROH/
SiO2の値は大きい方が好ましい。好ましくは0.2
5以上であり特に好ましくは0.30以上である。特に
好ましくは、0.35以上である。特に好ましくは、
0.35以上10未満である。
【0023】ROH以外に、アルキルスパルテイニウム
クロライド、アルキルスパルテイニウムヨウ化物が含ま
れていても良い。
【0024】アルキルスパルテイニウムハイドロオキサ
イド、アルキルスパルテイニウムクロライド、アルキル
スパルテイニウムヨウ化物のアルキル基は、特に限定さ
れないがメチル基、エチル基、プロピル基などであり、
メチル基が最も好ましい。
【0025】ここで、アルキルスパルテイニウムハイド
ロオキサイドの中で最も好ましいメチルスパルテイニウ
ムハイドロオキサイドは、以下に示す化合物である。
【0026】
【化1】 CFI型ゼオライトの製造に用いるLiOHは特に限定
されないが、無水の水酸化リチウムが好ましい。
【0027】CFI型ゼオライトの製造に用いるROH
の合成方法は特に限定されないが、たとえば、スパルテ
インをハロゲン化アルキルでアルキル化した後、陰イオ
ン交換樹脂でOH化することにより得られる。後述の参
考例1にその一例を示す。
【0028】CFI型ゼオライトの製造に用いるシリカ
源は、特に限定されるものではないが、例えば、コロイ
ダルシリカ、ヒュームドシリカ、水ガラス、沈降シリ
カ、シリコンアルコキシド等が使われる。
【0029】CFI型ゼオライトの製造に用いるヘテロ
原子源は特に限定されないが、アルミニウム、ガリウ
ム、鉄、コバルト、クロム源としては、それぞれの硝酸
塩、硫酸塩、酢酸塩、塩化物、水酸化物、酸化物、アル
コキシド等が使用できる。チタン源としては、硝酸塩、
硫酸塩、塩化物、酸化物、アルコキシド等が使用でき
る。ボロン源としては、ホウ酸ナトリウム、ほう酸、酸
化物、アルコキシド等が使用できる。例えばヘテロ原子
がアルミニウムの場合、アルミニウム源は、硝酸アルミ
ニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等のアル
ミニウム塩、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、
アルミニウムアルコキシド等が使用できる。アルミニウ
ム源として水酸化アルミニウムを使用するとケイ素とヘ
テロ原子(この場合アルミニウム)比を下げる効果があ
り好ましい。
【0030】また、アルミノシリケート、メタロシリケ
ート、メタロアルミノシリケートをヘテロ原子源やシリ
カ源として用いることができる。アルミノシリケート、
メタロシリケート、メタロアルミノシリケートは結晶質
でも非晶質でも良く、ゼオライトでも良い。特にアルミ
ノシリケートの場合、Y型ゼオライトは最も好ましく用
いられる。その理由は、Y型ゼオライトは、高表面積で
あり、種々のSi/Alのものを作ることができるから
である。Y型ゼオライトは、H型かLi型にして用いる
のが好ましい。
【0031】シリカ源、ヘテロ原子源、LiOH,RO
H,水を本発明の組成で混合し、ゼオライト合成の原料
とする。加える順は特に限定されない。混合物は攪拌し
た方が好ましい。原料混合物は、圧力容器に入れ、加熱
する。加熱は、結晶ができれば温度に制限はないが、充
分な結晶化速度を得るためには、140℃以上が好まし
く、更に好ましくは160℃以上である。攪拌しなが
ら、加熱する方法が好ましい。
【0032】本発明における第3の発明は、「ケイ素と
ヘテロ原子の原子比がモル比で45以下、かつ結晶の長
軸が0.7μm以下であることを特徴とするCFI型ゼ
オライト、または、上記製造方法により得られたゼオラ
イトを含有する触媒」である。
【0033】ケイ素とヘテロ原子の原子比がモル比で4
5以下、かつ結晶の長軸が0.7μm以下であることを
特徴とするCFI型ゼオライトおよび、本発明の製造方
法は、前述の通りである。本発明ゼオライトを触媒とす
る方法は、公知の方法が利用できる。ここでは最も一般
的な方法について説明する。触媒は、ゼオライトを通常
成型して用いる。成形体はゼオライトのみを固めたもの
でも、アルミナ、粘土などのバインダ−と共に造粒した
ものでも良い。造粒の仕方は、例えばアルミナゾルなど
のバインダーと共に混練りした後、押し出し機で押しだ
し、マルメライザーでまるめることによって作ることが
できる。
【0034】CFI型ゼオライトを含む触媒は、通常使
用する前に予めゼオライト中の結晶水及び合成時に使っ
た有機物を除去する。通常は200〜650℃で加熱す
ることにより、結晶水及び合成時に使った有機物をほと
んど除去することができる。
【0035】ゼオライト細孔内の有機物を除去した後、
通常はイオン交換などによって触媒能を向上させる。例
えば、酸触媒として利用する場合、硝酸アンモニウムや
塩化アンモニウム水溶液でアンモニウム交換した後、焼
成することによって酸型にすることができる。また、塩
酸や硝酸などの酸で処理して酸型にすることもできる。
【0036】また、酸触媒以外の機能を持たせるためイ
オン交換サイトに、アルカリ金属、アルカリ土類金属、
遷移金属、貴金属、希土類等を導入しても構わない。イ
オン交換サイトに導入した後焼成などにより、イオン交
換サイトからはずれて違う場所にこれらの金属が存在し
ても構わない。
【0037】また触媒は、ゼオライト以外の所に、例え
ばバインダーの部分などに金属を含んでいてもよく、例
えば、酸触媒として用いる場合に、触媒寿命を延ばすた
めには、貴金属を担持して、水素と共存させて反応させ
ることが好ましい。その理由は、明らかではないが、触
媒へのプロトンの供給が容易になり、コーキングが抑え
られる。担持する貴金属としては特に限定されないが、
レニウムが最も好ましい金属である。その理由は、水素
化分解活性が低いためと考えられる。
【0038】触媒としてCFI型ゼオライトを用いたと
き、バインダーによっては元素分析によってケイ素とヘ
テロ元素の比を確定できないが、29Si−NMRによっ
てケイ素とヘテロ原子の比を確定できる。
【0039】この触媒は、芳香環に水素以外の置換基が
3つ以上付いた芳香族化合物転化反応用好ましくは芳香
族化合物異性化反応用の触媒として有用であり、この芳
香族化合物がジハロゲン化トルエン、トリハロゲン化ベ
ンゼン、トリアルキルベンゼンであることが好ましい。
また、この触媒に含まれるゼオライトは酸型であること
が好ましく、さらにレニウムを含むことが好ましい。
【0040】本発明における第4の発明は、「上記触媒
と有機化合物を接触させることを特徴とする有機化合物
の転化方法」である。
【0041】以下、有機化合物と本触媒の接触方法につ
いて詳細に説明する。本発明において、有機化合物は、
特に限定されないが、炭素を含む化合物の転化に好まし
く用いられる。中でも特に、炭素、酸素、水素、窒素、
硫黄、塩素、臭素、フッ素、リン等で構成された有機化
合物の転化に好ましく用いられる。
【0042】転化反応の種類は、特に限定されないが、
例えば、クラッキング、脱ロウ、芳香族化、分解、二量
化、重合、縮合、異性化、不均化、酸化、転位、水素
化、エステル化、加水分解等の反応に用いられる。具体
的には、重油のクラッキング、潤滑油の脱ロウ、パラフ
ィンの芳香族化、エチルベンゼンの脱エチル化、ベンゼ
ンの2量化、ポリエステルの重合、アルコールの縮合、
置換芳香族化合物の異性化、トルエンの不均化、芳香族
化合物のヒドロキシル化、ベックマン転位、オレフィン
の水素化、酸とアルコールのエステル化、エステルの加
水分解等が例として挙げられる。
【0043】CFI型ゼオライトは、14員環の細孔径
を有しており、ゼオライトの中では、比較的大きい0.
73nm(7.3オングストローム)の細孔径を有して
いるため、大きい化合物が反応原料であったり、生成物
が大きい分子である反応でより好ましく用いられる。例
えば、置換芳香族化合物であれば、芳香環に炭素数2以
上の大きい分子が置換しているもの、ハロゲンが置換し
ているもの、置換数が3以上のものが大きい分子として
挙げられ、本発明触媒ではこのような分子の転化反応に
有効である。3つ以上の置換基を持つ芳香族化合物と
は、ベンゼン環に水素以外の置換基が3つ以上付いたも
のである。置換基の種類は、特に制限なく、例えばハロ
ゲン、炭化水素、水酸基、含酸素炭化水素、含ハロゲン
炭化水素、含窒素置換基等が挙げられる。例えば、トリ
メチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、クロロキシレ
ン、ジクロロキシレン、ジクロロトルエン、トリクロロ
ベンゼン、ジクロロアニリン、キシレノール、トリメチ
ルフェノール、ジメチル安息香酸等があげられる。勿論
この例に制限されることはない。特に少なくともひとつ
の置換基がハロゲンであるこのような化合物に有効であ
る。置換しているハロゲンの数が多くなるほど、本発明
は有効である。置換基の少なくとも一つがハロゲンまた
は炭素数2以上である芳香族化合物の例を挙げると、ク
ロロトルエン、ブロモトルエン、エチルトルエン、プロ
ピルトルエン、ジエチルベンゼン、ブチルトルエン、ク
ロロエチルベンゼン、クロロプロピルベンゼン、ブロモ
エチルベンゼン、ブロモプロピルベンゼン、フェノキシ
ベンズトルエン等である。勿論この例に限定されるもの
ではない。
【0044】特に異性化、不均化、トランスアルキル化
においては本発明触媒の効果は大きい。その理由は、異
性化においては、大きな置換基がゼオライト細孔内で移
動しなければならない、不均化、トランスアルキル化に
おいては、反応中間体として、2分子が結合した状態を
経ることが考えられるので、大きな細孔径のゼオライト
が特に大きな効果を奏すると考えられる。従来の、CF
I型触媒では、酸点の数が少なかったり、結晶が大きく
細孔内拡散が悪かったり、14員環という大きい細孔を
有しているにも関わらずその性能を充分に発揮できなか
った。
【0045】本発明の転化方法は、特に、3つ以上の置
換基を持つ芳香族化合物、例えば、ジハロゲン化トルエ
ン、トリハロゲン化ベンゼン、トリアルキルベンゼンの
異性化を行う際に有効である。具体的には、ジクロロト
ルエンの異性化、トリクロロベンゼンの異性化、トリメ
チルベンゼンの異性化を行う際に特に有効である。
【0046】転化の方法も特に制限はなく、液相、気相
の両方が用いられる。反応圧力や反応温度も転化の種類
によって違うので、特に制限はない。また固定床、移動
床、流動床のいずれの方法も用いられるが、操作の容易
さから工業的には固定床流通式が特に好ましい。コーキ
ングなどを抑制するために、水素などを共存させても構
わない。
【0047】
【実施例】以下に、本発明を実施例をもって説明する。
【0048】参考例1(メチルスパルテイニウムハイド
ロオキサイドの合成) メチルスパルテイニウム(methylsparteinium)ハイド
ロオキサイド(以下ROHと略す)の水溶液は、次のよ
うにして合成した。(-)-スパルテインサルフェートペン
タハイドレート((-)-sparteine sulphate pentahydrate
(Aldrich)127gを10%NaOH水溶液190gに攪拌して溶かし
た200mlのトルエンで3回抽出し、200mlの飽
和食塩水で1回洗浄、炭酸カリウムで脱水後、ロータリ
ーエバポレーターでトルエンを蒸発させた。500ml
のアセトンで乾燥物を回収し、ヨウ化メチル127.7
gを攪拌しながらゆっくり加え、白い結晶を析出させ
た。これをジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させた。イ
ソプロパノールに溶かしてから再結晶し、冷イソプロパ
ノールで洗浄して乾燥した。1H−NMRと13C−NM
RでN(16)-メチルスパルテイニウムヨウ化物であること
を同定した。その後水に溶かして、陰イオン交換樹脂I
RA−410(OH型)を用いて、ヨウ化物を水酸化物に
変えた。その後ロータリーエバポレーターで濃縮した。
生成したROH水溶液の濃度を、フェノールフタレイン
を指示薬として、塩酸水溶液で滴定することによって求
めた。ROH濃度は、2.219 mmol/gであった。
【0049】実施例1(CIT−5の合成) シリカ源としてルドックス(Ludox) HS-30(デュポン社
製)、アルミニウム源として硝酸アルミニウム9水和物
(ナカライテスク)、リチウム源として無水水酸化リチ
ウム(キシダ化学)を用い、次の組成の混合物を調製し
た。
【0050】SiO2:0.1LiOH:0.4ROH:0.02Al(NO3)3:50H2O
(モル比)。
【0051】具体的には、5.71gの蒸留水に0.0
55gの無水水酸化リチウムを溶解させたのち、参考例
1で調製したROH水溶液4.146gを加えて10分
間攪拌した。その後、攪拌しながら10gの蒸留水に硝
酸アルミニウム9水和物0.173g溶解させたものを
加え30分攪拌した。更に、ルドックスHS−30を
4.609g加え、3時間攪拌した。
【0052】23mlテフロン製のオートクレーブ(パ
ール社製)に、上記混合物の一部を入れ、回転式の水熱
合成反応装置((株)ヒロ製)にセットした。60回転
/分で回転しながら、175℃で14日間加熱した。そ
の後、オートクレーブを水冷し、中のスラリーを濾過水
洗し、100℃で乾燥し、X線回折を行ったところ図1
に示すようなX線回折図を示し、CIT-5であることがわ
かった。X線回折の条件は、X線源は、Cu/40kV
/30mAで、スキャンスピード3度/分であった。電
界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)でその形態
を測定したところ、図2に示すような形態をしており、
ほとんどの結晶の長軸は、0.7μm以下であることが
わかった。結晶の元素分析を蛍光X線で測定したとこ
ろ、Si/Al比は42であった。
【0053】実施例2(CIT−5の合成) シリカ源としてルドックス(Ludox) HS-30(デュポン社
製)、アルミニウム源としてH型のUSY(Si/Al
=25,PQコーポレーション)、リチウム源として無
水水酸化リチウム(キシダ化学)を用い、次の組成の混
合物を調製した。
【0054】SiO2:0.1LiOH:0.4ROH:0.01Al2O3:50H2O
(モル比)。
【0055】具体的には、17.30gの蒸留水に0.
055gの無水水酸化リチウムを溶解させたのち、参考
例1で調製したROH水溶液4.146gを加えて10
分間攪拌した。その後、攪拌しながらUSY0.806
gを加え、30分間攪拌した。更に、ルドックスHS−
30を2.303g加え、3時間攪拌した。
【0056】23mlテフロン製のオートクレーブ(パ
ール社製)に、上記混合物の一部を入れ、回転式の水熱
合成反応装置((株)ヒロ製)にセットした。60回転
/分で回転しながら、175℃で8日間加熱した。その
後、オートクレーブを水冷し、中のスラリーを濾過水洗
し、100℃で乾燥し、実施例1と同様の条件でX線回
折を行ったところ図3に示すようなX線回折図を示し、
CIT-5であることがわかった。電界放射型走査型電子顕
微鏡(FE−SEM)でその形態を測定したところ、結
晶の長軸は、0.7μm以下であることがわかった。結
晶の元素分析を蛍光X線で測定したところ、Si/Al
比は40であった。
【0057】実施例3(CIT−5の合成) シリカ源としてH型のUSY(Si/Al=54,東ソ
ー社製)、アルミニウム源として硝酸アルミニウム9水
和物(ナカライテスク)、リチウム源として無水水酸化
リチウム(キシダ化学)を用い、次の組成の混合物を調
製した。
【0058】SiO2:0.1LiOH:0.9ROH:0.02Al2O3:40H2O
(モル比)。
【0059】具体的には、2.968gの蒸留水に0.
022gの無水水酸化リチウムを溶解させたのち、参考
例1で調製したROH水溶液3.650gを加えて10
分間攪拌した。その後、攪拌しながら1.985gの蒸
留水に硝酸アルミニウム9水和物0.072g溶解させ
たものを加え30分攪拌した。更に、USY0.553
gを加え、80℃で5時間攪拌した。
【0060】5mlテフロン製のオートクレーブ
((株)フロンケミカル製)に、上記混合物の一部を入
れ、回転式の水熱合成反応装置((株)ヒロ製)にセッ
トした。60回転/分で回転しながら、182℃で14
日間加熱した。その後、オートクレーブを水冷し、中の
スラリーを濾過水洗し、100℃で乾燥し、実施例1と
同様の条件でX線回折を行ったところ図4に示すような
X線回折図を示し、CIT-5であることがわかった。電界
放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)でその形態を
測定したところ、結晶の長軸は、0.7μm以下である
ことがわかった。結晶の元素分析を蛍光X線で測定した
ところ、Si/Al比は23であった。
【0061】実施例4(CIT−5の合成) シリカ源としてH型のUSY(Si/Al=54,東ソ
ー社製)、アルミニウム源として水酸化アルミニウム
(片山化学)、リチウム源として無水水酸化リチウム
(キシダ化学)を用い、次の組成の混合物を調製した。
【0062】SiO2:0.1LiOH:0.5ROH:0.02Al2O3:50H2O
(モル比)。
【0063】具体的には、7.268gの蒸留水に0.
022gの無水水酸化リチウムを溶解させたのち、参考
例1で調製したROH水溶液2.028gを加えて10
分間攪拌した。その後、攪拌しながら水酸化アルミニウ
ム0.015gを加え30分攪拌した。更に、USY
0.553gを加え、3時間攪拌した。
【0064】5mlテフロン製のオートクレーブ
((株)フロンケミカル製)に、上記混合物の一部を入
れ、回転式の水熱合成反応装置((株)ヒロ製)にセッ
トした。60回転/分で回転しながら、182℃で7日
間加熱した。その後、オートクレーブを水冷し、中のス
ラリーを濾過水洗し、100℃で乾燥し、実施例1と同
様の条件でX線回折を行ったところ図5に示すようなX
線回折図を示し、CIT-5であることがわかった。電界放
射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)でその形態を測
定したところ、結晶の長軸は、0.7μm以下であるこ
とがわかった。結晶の元素分析を蛍光X線で測定したと
ころ、Si/Al比は26であった。
【0065】実施例5(CIT−5の合成) シリカ源としてH型のUSY(Si/Al=54,東ソ
ー社製)、アルミニウム源として水酸化アルミニウム
(片山化学)、リチウム源として無水水酸化リチウム
(キシダ化学)を用い、次の組成の混合物を調製した。
【0066】SiO2:0.12LiOH:0.3ROH:0.02Al2O3:50H2O
(モル比)。
【0067】具体的には、7.599gの蒸留水に0.
026gの無水水酸化リチウムを溶解させたのち、参考
例1で調製したROH水溶液1.217gを加えて10
分間攪拌した。その後、攪拌しながら水酸化アルミニウ
ム0.015gを加え30分攪拌した。更に、USY
0.553gを加え、3時間攪拌した。
【0068】5mlテフロン製のオートクレーブ
((株)フロンケミカル製)に、上記混合物の一部を入
れ、回転式の水熱合成反応装置((株)ヒロ製)にセッ
トした。60回転/分で回転しながら、182℃で10
日間加熱した。その後、オートクレーブを水冷し、中の
スラリーを濾過水洗し、100℃で乾燥し、実施例1と
同様の条件でX線回折を行ったところ図6に示すような
X線回折図を示し、CIT-5であることがわかった。電界
放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)でその形態を
測定したところ、結晶の長軸は、0.7μm以下である
ことがわかった。結晶の元素分析を蛍光X線で測定した
ところ、Si/Al比は24であった。
【0069】実施例6(CIT−5の合成) シリカ源としてH型のUSY(Si/Al=54,東ソ
ー社製)、アルミニウム源として水酸化アルミニウム
(片山化学)、リチウム源として無水水酸化リチウム
(キシダ化学)を用い、次の組成の混合物を調製した。
【0070】SiO2:0.12LiOH:0.5ROH:0.033Al2O3:50H2O
(モル比)。
【0071】具体的には、7.268gの蒸留水に0.
026gの無水水酸化リチウムを溶解させたのち、参考
例1で調製したROH水溶液2.028gを加えて10
分間攪拌した。その後、攪拌しながら水酸化アルミニウ
ム0.034gを加え30分攪拌した。更に、USY
0.553gを加え、3時間攪拌した。
【0072】5mlテフロン製のオートクレーブ
((株)フロンケミカル製)に、上記混合物の一部を入
れ、回転式の水熱合成反応装置((株)ヒロ製)にセッ
トした。60回転/分で回転しながら、182℃で8日
間加熱した。その後、オートクレーブを水冷し、中のス
ラリーを濾過水洗し、100℃で乾燥し、実施例1と同
様の条件でX線回折を行ったところ図7に示すようなX
線回折図を示し、CIT-5であることがわかった。電界放
射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)でその形態を測
定したところ、結晶の長軸は、0.7μm以下であるこ
とがわかった。結晶の元素分析を蛍光X線で測定したと
ころ、Si/Al比は20であった。
【0073】比較例1(既存CIT−5の合成) シリカ源としてルドックス(Ludox) HS-30(デュポン社
製)、アルミニウム源として硝酸アルミニウム9水和物
(ナカライテスク)、リチウム源として無水水酸化リチ
ウム(キシダ化学)を用い、次の組成の混合物を調製し
た。
【0074】SiO2:0.1LiOH:0.2ROH:0.01Al(NO3)3:50H2O
(モル比)。
【0075】具体的には、5.71gの蒸留水に0.0
55gの無水水酸化リチウムを溶解させたのち、参考例
1で調製したROH水溶液2.073gを加えて10分
間攪拌した。その後、攪拌しながら10gの蒸留水に硝
酸アルミニウム9水和物0.087gを溶解させたもの
を加え30分間攪拌した。更にルドックスHS−30を
4.609g加え、3時間攪拌した。
【0076】23mlテフロン製のオートクレーブ(パ
ール社製)に、上記混合物の一部を入れ、回転式の水熱
合成反応装置((株)ヒロ製)にセットした。60回転
/分で回転しながら、175℃で14日間加熱した。そ
の後、オートクレーブを水冷し、中のスラリーを濾過水
洗し、100℃で乾燥し、X線回折を行ったところ図8
に示すようなX線回折図を示し、CIT-5であることがわ
かった。電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)
でその形態を測定したところ、図9に示すような形態を
しており、ほとんど結晶の長軸は、0.7μmより大き
いことがわかった。結晶の元素分析を蛍光X線で測定し
たところ、Si/Al比は95であった。
【0077】比較例2(文献2:ケミカル コミュニケ
ーション 2179 ページ(1997年)の追試) シリカ源としてルドックス(Ludox) HS-30(デュポン社
製)、アルミニウム源として硝酸アルミニウム9水和物
(ナカライテスク)、リチウム源として無水水酸化リチ
ウム(キシダ化学)を用い、次の組成の混合物を調製し
た。
【0078】SiO2:0.1LiOH:0.2ROH:0.02Al2O3:40H2O
(モル比)。
【0079】具体的には、2.880gの蒸留水に0.
055gの無水水酸化リチウムを溶解させたのち、参考
例1で調製したROH水溶液2.073gを加えて10
分間攪拌した。その後、攪拌しながら9.459gの蒸
留水に硝酸アルミニウム9水和物0.345gを溶解さ
せたものを加え30分間攪拌した。更にルドックスHS
−30を4.609g加え、3時間攪拌した。
【0080】23mlテフロン製のオートクレーブ(パ
ール社製)に、上記混合物の一部を入れ、回転式の水熱
合成反応装置((株)ヒロ製)にセットした。60回転
/分で回転しながら、175℃で12日間加熱した。そ
の後、オートクレーブを水冷し、中のスラリーを濾過水
洗し、100℃で乾燥し、X線回折を行ったところ図1
0に示すようなX線回折図を示した。生成物は非晶質物
質であり、文献2に記述された方法では、CIT-5はでき
なかった。
【0081】実施例7(触媒調製) 実施例1で製造したのCIT-5の粉末を、600℃で3時
間焼成した後、冷却した。焼成後のX線回折図は図11
に示した。0.6gの粉末に30gの10重量%の塩化
アンモニウム水溶液を添加し、80℃で1時間加熱した。
デカンテーションで液をきり、30gの水で水洗した。
この操作を4回繰り返した後、80℃の水で十分に水洗し
た。これを120℃で1日乾燥後、打錠成型した。粉砕
し、12〜60メッシュを分取後、540℃で3時間焼
成して、触媒を調製した。
【0082】比較例3(比較触媒の調製) 比較例1のCIT-5の粉末を600℃で3時間焼成した
後、冷却して粉砕した。0.6gの粉砕品に30gの1
0重量%の塩化アンモニウム水溶液を添加し、80℃で1
時間加熱した。デカンテーションで液をきり、30gの
水で水洗した。この操作を4回繰り返した後、80℃の水
で十分に水洗した。これを120℃で1日乾燥後、打錠
成型した。粉砕し、12〜60メッシュを分取後、54
0℃で3時間焼成して、触媒を調製した。
【0083】実施例8(転化反応) 540℃で2時間焼成した実施例7の触媒を、5酸化2
リンを入れたデシケーター中で冷却した。5mlのステ
ンレス製のオートクレーブに2,4−ジクロロトルエン
(2,4−DCT)を2.0gいれ、これに0.5gの
デシケーター中で冷却した触媒を入れ、密封した。これ
を350℃のオーブンにいれ3時間保持した。冷却した
後、ガスクロで生成物を分析した。比較例3の触媒につ
いても同様に反応した。
【0084】(2,4−DCTの転化反応結果)2,4
−DCTの転化率は、実施例7の触媒は40%であり、
比較例3の触媒は10%であった。CIT−5のSi/
Alから予想される活性の変化以上に、活性は高くなっ
た。これは、本触媒中のCIT−5ゼオライトが、従来
公知のCIT−5より低いSi/Al比を有するだけで
なく小さい結晶を有しているためと考えられる。
【0085】
【発明の効果】比較的低いSi/ヘテロ原子比を有し、
しかも結晶サイズの小さい新規なCFI型ゼオライトを
提供することによって、大きな分子を効率よく転化する
ことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で合成したCIT−5のX線回折図で
ある。
【図2】実施例1で合成したCIT−5の電界放射型走
査型電子顕微鏡(FE−SEM)像を表す図である。
【図3】実施例2で合成したCIT−5のX線回折図で
ある。
【図4】実施例3で合成したCIT−5のX線回折図で
ある。
【図5】実施例4で合成したCIT−5のX線回折図で
ある。
【図6】実施例5で合成したCIT−5のX線回折図で
ある。
【図7】実施例6で合成したCIT−5のX線回折図で
ある。
【図8】比較例1で合成したCIT−5のX線回折図で
ある。
【図9】比較例1で合成したCIT−5の電界放射型走
査型電子顕微鏡(FE−SEM)像を表す図である。
【図10】比較例2で合成したCIT−5のX線回折図
である。
【図11】実施例7で焼成したCIT−5のX線回折図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 25/02 C07C 25/02 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 阪口 真一 愛知県名古屋市港区大江町9番地の1 東 レ株式会社名古屋事業場内 (72)発明者 内山 直行 愛知県名古屋市港区大江町9番地の1 東 レ株式会社名古屋事業場内 Fターム(参考) 4G069 AA01 AA02 AA08 BA07A BA07B BA45A BC17A BC50A BC58A BC64A BC66A BC67A BD03A BE17A BE17B CB41 CB42 ZA32A ZA32B ZA33A ZA43A ZB01 ZB03 ZB08 ZC04 ZC06 ZF05A 4G073 BA03 BA20 BA28 BA36 BA40 BA56 BA58 CZ41 FB24 FB50 GA03 UA01 4H006 AA02 AC14 BA71 DA15 DA20 4H039 CJ10

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケイ素とヘテロ原子の原子比がモル比で4
    5以下、かつ結晶の長軸が0.7μm以下であることを
    特徴とするCFI型ゼオライト。
  2. 【請求項2】ヘテロ原子がアルミニウム、ガリウム、
    鉄、チタン、ボロン、コバルト、クロムから選ばれた少
    なくとも1つの原子であることを特徴とする請求項1記
    載のCFI型ゼオライト。
  3. 【請求項3】下記(1)、(2)の条件をいずれも満た
    す原料を水熱処理することを特徴とするCFI型ゼオラ
    イトの製造方法。 (1)LiOH/SiO2<0.15(モル比) (2)ROH/SiO2>0.2(モル比、ROHはア
    ルキルスパルテイニウムハイドロオキサイドである)。
  4. 【請求項4】原料が、シリカ源、ヘテロ原子源、LiO
    H、ROH(ROHはアルキルスパルテイニウムハイド
    ロオキサイドである)および水を含むことを特徴とする
    請求項3記載のCFI型ゼオライトの製造方法。
  5. 【請求項5】ゼオライト合成の原料として、シリカ源、
    ヘテロ原子源、LiOH、ROH(ROHはアルキルス
    パルテイニウムハイドロオキサイドである)、水を含
    み、かつ以下の(1)、(2)の条件をいずれも満たす
    原料を水熱処理することを特徴とする請求項1または2
    記載のCFI型ゼオライトの製造方法。 (1)LiOH/SiO2<0.15(モル比) (2)ROH/SiO2>0.2(モル比)。
  6. 【請求項6】ヘテロ原子源として水酸化アルミニウムを
    使用することを特徴とする請求項3〜5いずれかに記載
    のCFI型ゼオライトの製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1記載のゼオライトを含有すること
    を特徴とする触媒。
  8. 【請求項8】請求項1記載のゼオライトを含有すること
    を特徴とする、芳香環に水素以外の置換基が3つ以上付
    いた芳香族化合物転化反応用の触媒。
  9. 【請求項9】請求項1記載のゼオライトを含有すること
    を特徴とする、芳香環に水素以外の置換基が3つ以上付
    いた芳香族化合物異性化反応用の触媒。
  10. 【請求項10】芳香族化合物がジハロゲン化トルエン、
    トリハロゲン化ベンゼン、トリアルキルベンゼンである
    ことを特徴とする請求項8または9記載の触媒。
  11. 【請求項11】ゼオライトが酸型であることを特徴とす
    る請求項7〜9いずれかに記載の触媒。
  12. 【請求項12】レニウムを含むことを特徴とする請求項
    7〜9いずれかに記載の触媒。
  13. 【請求項13】請求項7記載の触媒と有機化合物を接触
    させることを特徴とする有機化合物の転化方法。
  14. 【請求項14】有機化合物が芳香環に水素以外の置換基
    が3つ以上付いた芳香族化合物であることを特徴とする
    請求項13記載の有機化合物の転化方法。
  15. 【請求項15】転化反応が異性化反応であることを特徴
    とする請求項14記載の有機化合物の転化方法。
  16. 【請求項16】芳香族化合物がジハロゲン化トルエン、
    トリハロゲン化ベンゼン、トリアルキルベンゼンである
    ことを特徴とする請求項14または15記載の有機化合
    物の転化方法。
  17. 【請求項17】水素共存下で転化させることを特徴とす
    る請求項13〜15いずれかに記載の有機化合物の転化
    方法。
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