JP2001334904A - エアバッグ用ケース - Google Patents

エアバッグ用ケース

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JP2001334904A
JP2001334904A JP2000160759A JP2000160759A JP2001334904A JP 2001334904 A JP2001334904 A JP 2001334904A JP 2000160759 A JP2000160759 A JP 2000160759A JP 2000160759 A JP2000160759 A JP 2000160759A JP 2001334904 A JP2001334904 A JP 2001334904A
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airbag
case
thick
hinge
inflator
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JP2000160759A
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Takanori Kamitou
孝典 神頭
Satoshi Mabuchi
聡 馬渕
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Toyoda Gosei Co Ltd
Original Assignee
Toyoda Gosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エアバッグの展開膨張時におけるヒンジ部の破
断を防止できるエアバッグ用ケースを提供すること。 【解決手段】エアバッグ用ケース15は、折り畳まれた
エアバッグの周囲を覆ってエアバッグを収納可能な断面
略四角筒形状の合成樹脂製とする。ケース15は、取付
部位に連結固定される基部16と、基部16の一端とヒ
ンジ部33を介して連結されるとともに、基部16と対
向するように延びて、展開膨張時のエアバッグに押され
て開き可能に、基部16の他端側と連結されるリッド2
6と、を備える。ヒンジ部33には、回動軸心BーBに
沿った両端33c・33d側に、厚肉部33e・33f
が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のシート等に
配置されるエアバッグを収納するエアバッグ用ケースに
関し、特に、展開膨張時のエアバッグに押されて開くリ
ッドを備えたエアバッグ用ケースに関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来、シートにおける背もた
れ部の側部に配置される側突用エアバッグ装置では、折
り畳まれたエアバッグが、合成樹脂製のエアバッグ用ケ
ースに収納された状態で配置されるものがあった(特開
平11−268603号公報等参照)。
【0003】このケースは、断面略四角筒形状として、
取付部位に連結固定される基部と、基部の一端とヒンジ
部を介して連結されるとともに、膨張用ガスによって展
開膨張するエアバッグに押されて開くリッドと、を備え
て構成されていた。膨張用ガスは、エアバッグ内に配設
されたインフレーターから供給されていた。
【0004】かかる側突用エアバッグ装置では、エアバ
ッグの展開膨張完了時間を極力短縮化するために、出力
の大きなインフレーターを使用することが望まれる。
【0005】しかし、このように、大出力のインフレー
ターを使用すると、リッドに対して、エアバッグからよ
り大きな押圧力が加わることになるため、ヒンジ部が両
端側から裂け、このヒンジ部に破断を生ずるおそれがあ
る。
【0006】本発明は、上述の課題を解決するものであ
り、エアバッグの展開膨張時におけるヒンジ部の破断を
防止できるエアバッグ用ケースを提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係るエアバッグ
用ケースは、折り畳まれたエアバッグの周囲を覆って前
記エアバッグを収納可能な断面略四角筒形状の合成樹脂
製として、取付部位に連結固定される基部と、該基部の
一端とヒンジ部を介して連結されるとともに、前記基部
と対向するように延びて、展開膨張時の前記エアバッグ
に押されて開き可能に、前記基部の他端側と連結される
リッドと、を備えて構成されるエアバッグ用ケースであ
って、前記ヒンジ部の回動軸心に沿った両端側に、厚肉
部が設けられていることを特徴とする。
【0008】また、前記ヒンジ部における前記両端側の
厚肉部の間の部位には、さらに少なくとも1つの厚肉部
が設けられることが望ましい。
【0009】さらに、前記各厚肉部が、前記エアバッグ
用ケースの内部方向に突出して形成されていることが望
ましい。
【0010】
【発明の効果】本発明に係るエアバッグ用ケースでは、
ヒンジ部の回動軸心に沿った両端側に厚肉部を設けて、
ヒンジ部が補強されている。すなわち、ヒンジ部が破断
しようとしても、その破断の開始部位となる両端側に厚
肉部が設けられ、補強されていることから、ヒンジ部の
破断が防止される。
【0011】従って、本発明に係るエアバッグ用ケース
では、たとえ、大出力のインフレーターを使用しても、
ヒンジ部の破断を防止することができる。
【0012】そして、本発明に係るエアバッグ用ケース
では、ヒンジ部の一部のみを厚肉部とするため、ヒンジ
部全体の曲げ剛性を不必要に大きくすることはない。す
なわち、エアバッグ用ケースを車両に組み付ける際に
は、エアバッグ等の構成部品を内蔵した後に、ヒンジ部
をその回動軸心回りに屈曲させ、エアバッグ用ケースを
閉口させることが必要となるが、ヒンジ部の曲げ抵抗を
不必要に大きくしないため、エアバッグ用ケースの閉口
作業の作業性を低下させることはない。
【0013】さらに、ヒンジ部の回動軸心に沿った両端
側に設けられた厚肉部の間の部位に、少なくとも1つの
厚肉部を設ければ、ヒンジ部が破断して分断されること
を、より確実に防止することができる。すなわち、ヒン
ジ部の両端側から引き裂き力が加わり、この引き裂き力
がヒンジ部の回動軸心に沿った中央部方向へ伝播されよ
うとしても、この裂き力を複数段の厚肉部で受け止め、
段階的に減少させることができる。従って、たとえ、両
端側の厚肉部に裂けを生じ、この裂けがヒンジ部の中央
部方向へ進行しようとしても、両端側の厚肉部の間に設
けられた他の厚肉部によって、この裂けを終息させるこ
とができるからである。
【0014】そして、ヒンジ部の両端側から加わる引き
裂き力を複数段の厚肉部で受け止め、段階的に減少させ
ることができるため、逆に、個々の厚肉部の強度を低く
設定することもできる。すなわち、ヒンジ部の両端側の
みに厚肉部を設ける態様に比べて、各厚肉部のヒンジ部
の回動軸心に沿った幅寸法の総和を小さくしても、十分
な分断防止性能を得られるため、各厚肉部の幅寸法の総
和を小さくして、ヒンジ部全体の曲げ剛性をより小さく
でき、その結果、エアバッグ用ケースの閉口作業の作業
性を、一層、向上させることができる。この場合、冬
季、寒冷地等の低温下に、ヒンジ部の構成する樹脂が硬
化している場合にも、ケースの閉口作業を円滑に行うこ
とが可能となる。
【0015】さらに、厚肉部をエアバッグ用ケースの内
部方向に突出させれば、使用時のエアバッグ用ケースの
外表面に厚肉部が突出しないため、使用者がエアバッグ
用ケースに干渉しても、この厚肉部によって違和感を与
えることがない。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。
【0017】実施形態のエアバッグ用ケース15は、図
1・2に示すように、車両用シート1の背もたれ部2の
側部に配置される側突用エアバッグ装置Mに使用されて
いる。
【0018】背もたれ部2には、略上下方向に配置され
るシートフレーム3が配設され、側突用エアバッグ装置
Mは、取付ブラケット13のボルト13bをナット9止
めさせて、フレーム3に固定されている。なお、4はク
ッション、5・6・7は装飾布等からなる表皮であり、
表皮5〜7は、縫合糸8を利用して、相互に縫合されて
いる。また、シートフレーム3は、ケース15の後述す
る基部16の取付部位となる。
【0019】側突用エアバッグ装置Mは、ケース15の
他、折り畳まれた袋状のエアバッグ11と、エアバッグ
11に膨張用ガスを供給するインフレーター12と、3
つの取付ブラケット13と、を備えて構成されている。
【0020】エアバッグ11は、内部にインフレーター
12を挿入させた袋状として、可撓性を有した布材から
形成されている。エアバッグ11は、膨張時の形状を、
図1の二点鎖線で示すように、車両の前方側に突出する
長方形板状としている。また、インフレーター12は、
エアバッグ11の内部に配置される丸棒状のシリンダタ
イプとされている。
【0021】各取付ブラケット13は、インフレーター
12の外周面に固定されてインフレーター12を保持す
る筒部13aと、筒部13aから延びるボルト13b
と、を備えて構成されている。
【0022】ケース15は、オレフィン系若しくはスチ
レン系等の熱可塑性エラストマー等の合成樹脂から形成
され(実施形態は、オレイフィン系熱可塑性エラストマ
ーである)、図2に示すように、折り畳まれたエアバッ
グ11の周囲を覆ってエアバッグ11を収納可能な断面
略四角筒形状として、基部16、リッド26、及び、ヒ
ンジ部33、を備えて構成されている。
【0023】基部16は、図5〜7に示すように、イン
フレーター12を収納する収納凹部17aを備えた略長
方形板状の背板部17と、背板部17の周縁におけるヒ
ンジ部33を除いた3辺の周縁から、背板部17と略直
交するように、ケース15の内側方向へ延びる周壁部1
8と、を備えて構成されている。背板部17の収納凹部
17aには、各取付ブラケット13のボルト13bを挿
通させる3つの取付孔17bが形成されている。尚、図
5〜7に示す符号17cは、背板部17からヒンジ部3
3側に形成される背板部17の補強用のリブである。
【0024】また、図5の二点鎖線に示すように、背板
部17の収納凹部17aは、ヒンジ部33の回動軸心
(B−B)と略平行な状態にインフレーター12を収納
し、ヒンジ部33に近接する周壁部18の上部側に、膨
張用ガスを吐出するインフレーター12のガス吐出口1
2aを位置させている。
【0025】周壁部18には、図3〜7に示すように、
背板部17から離れた先端19に、ケース15の車両へ
の装着時の状態で、リッド26の先端端面30と当接す
る端面20が形成されている。また、先端19には、リ
ッド26の先端端面30と当接する端面20の外側部位
に、周壁部18と略平行に延びて、端面20への当接時
のリッド先端29を覆い可能な規制リブ21が、周壁部
18の全周に設けられている。さらに、先端19には、
端面20の内側部位に、リッド先端29の厚さ寸法t0
より開口幅寸法wを小さくした凹部22を設けて(図3
参照)、端面20と略同じ高さの支持リブ23が、突設
されている。実施形態の場合、支持リブ23は、ヒンジ
部33から最も離れた周壁部18の縁に、2箇所、設け
られている。
【0026】さらにまた、周壁部18の先端19には、
端面20の所定位置に、背板部17側に凹む複数の凹部
20aが設けられ、規制リブ21の根元部位で周壁部1
8を長方形に開口させるように、係止孔24が形成され
ている。各係止孔24の周縁における規制リブ21側の
縁には、リッド26を閉じるために使用される係止脚3
1の鉤部31aが係止されることとなる。また、各係止
孔24におけるケース15の内側部位には、係止脚31
の係止孔24周縁への係止時に、鉤部31aを案内する
ための案内リブ25が設けられている。
【0027】なお、各係止脚31の鉤部31aにおける
係止孔24の周縁への係止力は、エアバッグ11の展開
膨張時以外には、容易に解除されないように設定されて
いる。
【0028】また、図5に示す符号18aは、インフレ
ーター12から延びる図示しないハーネスを通す凹部で
ある。
【0029】リッド26は、閉じた状態で、基部16の
背板部17と対向するように配置される略長方形板状の
蓋本体部27と、蓋本体部27の周縁から蓋本体部27
と直交するように四角筒形状に延びて、先端の一部をヒ
ンジ部33と連結させる周壁部28と、を備えて構成さ
れている。なお、図5〜7に示す符号27aは、蓋本体
部27からヒンジ部33側に形成されるリッド26の補
強用の格子状リブである。
【0030】周壁部28におけるヒンジ部33側を除い
た先端29には、ヒンジ部33で折り曲げてリッド26
を閉じた際、基部16の周壁部端面20に突き合わせ状
態で当接する端面30が配置されるとともに、基部16
の各係止孔24の周縁に係止可能な鉤部31aを備えた
係止脚31が形成されている。各係止脚31の周囲に
は、係止脚31が容易に撓むように、周囲の周壁部端面
20との間に、切り欠かれたような凹部30aが設けら
れている。
【0031】ヒンジ部33は薄肉のインテグラルヒンジ
として形成され、図5に示すケース15の展開時(開口
時)に、基部16とリッド26との相互に近接する各1
辺の縁部間に掛け渡されるとともに両端面を略半円型に
切り欠かいた略平板形状とされている。また、ケース1
5の車両への装着時(閉口時)には、回動軸心(B−
B)を中心に屈曲され、図1に示すように、基部16の
背板部17の周縁における車両の後方側部位でフレーム
3に沿う略上下方向に配置されることとなる。
【0032】このヒンジ部33は、図5・8(a)に示
すように、回動軸心(B−B)に沿った両端部33c、
33dと、各端部33c、33dに夫々近接する2個所
に、ケース15の内部方向に突出する状態の厚肉部33
e、33f、33g、33hを形成し、残部を薄肉のま
まの一般部33i、33j、33kとしている。
【0033】すなわち、このヒンジ部33は、ガス吐出
口12aに近接する一方の端部(以下、インフレーター
側の端部という。)33cに、肉厚を特に厚くしたイン
フレーター側の厚肉部33e(厚さ寸法t1は約1.3
mm)を形成し、他方の端部(以下、ハーネス側の端部と
いう。)33dに、このインフレーター側の厚肉部33
eよりも肉厚の薄いハーネス側の厚肉部33f(厚さ寸
法t2は約1.1mm)を形成している。そして、インフ
レーター側の端部33cに対してインフレーター側の一
般部33i(厚さ寸法t5は約0.8mm)を介して隔て
た個所には、節状の厚肉部33g(厚さ寸法t3は約
1.1mm)が設けられている。また、ハーネス側の端部
33dに対してハーネス側の一般部33j(厚さ寸法t
5は約0.8mm)を介して隔てた個所にも、節状の厚肉
部33h(厚さ寸法t4は約1.1mm)が設けられてい
る。さらに、両節状の厚肉部33g、33hの間には、
中間側の一般部33k(厚さ寸法t5は約0.8mm)が
設けられている。
【0034】尚、このように、インフレーター側の厚肉
部33eの肉厚を特に厚くしたのは、インフレーター側
の端部33cが、インフレーター12のガス吐出口12
aに近接し、エアバッグ11の膨張時に特に大きな引き
裂き力を受ける可能性があるからである。このように、
各厚肉部33e、33f、33g、33hの厚さは適宜
選択することができる。例えば、このガス吐出口12a
等の周囲のように、特に大きな引き裂き力を受ける可能
性がある部位に設ける厚肉部の肉厚を特に厚くし、この
部位のより確実な補強を図ると共に、その他の部位に設
ける厚肉部の肉厚を薄目に設定し、ケース15の閉口作
業の作業性を高めることができる。
【0035】また、実施形態では、図8(a)に示すよ
うに、インフレーター側及びハーネス側の各厚肉部33
e、33fの回動軸心(B−B)方向に沿った幅寸法a
は約6mmとされ、各節状の厚肉部33g、33hの同方
向に沿った幅寸法bは約3mmとされている。このため、
全厚肉部33e、33f、33g、33hの幅寸法の総
和(2a+2b)は、約18mmとされ、ヒンジ部33の
回動軸心(B−B)方向に沿った全長L(約192mm)
の約9%の幅寸法としている。
【0036】以上のように構成されるケース15は、図
5に示すように、リッド26が開いた状態で射出成形に
より形成されて、所定のエアバッグ11・インフレータ
ー12・取付ブラケット13を収納した状態で、各係止
脚31の鉤部31aを係止孔24の周縁に係止させてリ
ッド26を閉じることによって、エアバッグ装置Mを組
み立てるように使用される。
【0037】エアバッグ装置Mの組み立てについて、詳
しく述べると、まず、完全に袋状に縫合する前のエアバ
ッグ11の内部に、取付ブラケット13・13・13を
取り付けたインフレーター12を、挿入して、各ボルト
13bやインフレーター12から延びるハーネスをエア
バッグ11の布材に設けられた所定の孔から突出させ、
エアバッグ11の未縫合部位を縫合する。ついで、エア
バッグ11を折り畳んだ後、各ボルト13bを取付孔1
7bから突出させるように、リッド26を開かせた状態
の基部16側に、インフレーター12とともに折り畳ん
だエアバッグ11を収納する。インフレーター12から
延びる図示しないハーネスは、凹部18aから突出させ
ておく。
【0038】そして、ヒンジ部33を回動軸心(B−
B)回りに屈曲させつつ、リッド26を閉じ、各係止脚
31の鉤部31aを係止孔24の周縁に係止させると、
ケース15の閉口作業を完了し、エアバッグ装置Mを組
み立てることができる。
【0039】エアバッグ装置Mの組み立てた後には、ボ
ルト13b・13b・13bをシートフレーム3にナッ
ト9止めすれば、シート1の背もたれ部2にエアバッグ
装置Mを取り付けることができる。
【0040】なお、シート1は、エアバッグ装置Mを取
り付けた後、表皮5〜7を取り付けて組み立てが完了さ
れ、車両に装着されることとなる。また、シート1を車
両に装着する際には、インフレーター12から延びるハ
ーネスを、車両の所定のエアバッグ作動回路に結線させ
ることとなる。
【0041】さらに、実施形態のケース15では、エア
バッグ11の展開膨張する前の通常状態において、図2
・3に示すように、表皮6を介して、リッド26が基部
16側のF方向に押されて、リッド先端29が、基部側
端面20からケース15の外側方向へ逃げようとして
も、規制リブ21によって、その移動が規制される。ま
た、リッド26が基部16側のF方向に押されて、リッ
ド先端29が基部側端面20からケース15の内側方向
へ逃げようとしても、基部側端面20の内側部位に設け
られた凹部22が、リッド先端29の厚さ寸法t0より
開口幅寸法wを小さくしていることから、図3の2点鎖
線で示すように、リッド先端29の一部を凹部22に入
り込ませた状態で、リッド先端29が支持リブ23に当
接して、リッド26の移動が規制されることとなる。
【0042】そして、所定の信号がインフレーター12
に入力されれば、インフレーター12のガス吐出口12
aから膨張用ガスが吐出され、エアバッグ11が、展開
膨張してリッド26を押し、各係止脚鉤部31aの係止
孔24周縁への係止を解除させて、リッド26を開かせ
るとともに、表皮5・6との縫合部位を破断させて、図
1・2の2点鎖線で示すように、大きく膨張することと
なる。
【0043】このエアバッグ11の展開膨張時には、リ
ッド26が勢い良く開き、ヒンジ部33に引き裂き力が
負荷されることになるが、実施形態のケース15では、
ヒンジ部33に破断を生ずることを確実に防止できる。
すなわち、ヒンジ部33に破断を生ずるとすれば、この
破断の開始部位は両端部33c、33dであり、それら
の両端部33c、33dが、厚肉部33e、33fを設
けて補強されているため、ヒンジ部33の破断が防止さ
れる。
【0044】さらに、実施形態のケース15では、両端
部33c、33d間に2つの厚肉部33g、33hを設
けている。そのため、ヒンジ部33に裂けが生じても、
ヒンジ部33の全体が切断されるようなヒンジ部33の
分断を防止できる。すなわち、両端部33c、33dに
裂けを生じ、この裂けがインフレーター側及びハーネス
側の各一般部33i、33jへ波及する場合、この裂け
の原因となる引き裂き力は、インフレーター側及びハー
ネス側の各厚肉部33e、33fと、インフレーター側
及びハーネス側の各一般部33i、33jとを引き裂く
ことで低下する。そして、この引き裂き力が各節状の厚
肉部33g、33hで終息し、中間側の一般部33kに
は波及しないため、ヒンジ部33全体の破断は防止され
る。
【0045】また、実施形態のケース15では、各厚肉
部33c、33d、33g、33hを、ケース15の内
部方向に突出させて、ケース15の外表面に突出させな
いため、使用者がケース15に干渉しても、これらの厚
肉部33c、33d、33g、33hによって違和感を
与えることがない。
【0046】なお、節状の厚肉部33g、33hの数
や、これらの厚肉部33g、33hの形成部位は、実施
形態に限定されず、例えば、1つ、あるいは、3つ以上
の節状の厚肉部を設けることができる。
【0047】また、実施形態では、インフレーター側及
びハーネス側の各厚肉部33e、33fの他に、これら
の間の部位にも節状の厚肉部33g、33hを設けた場
合を示したが、図8(b)に示すように、ヒンジ部33
0の回動軸心(B−B)に沿った両端部33c、33d
だけに、厚肉部33e、33fを設けても良い。図例の
場合には、厚肉部33e、33fの厚さ寸法t1は約
1.2mm、一般部33kの厚さ寸法t5は約0.8mmと
している。また、厚肉部33e・33fの幅寸法Aは、
約13mmとしている。
【0048】そして、ヒンジ部330の回動軸心(B−
B)に沿った両端部33c、33dだけに、厚肉部33
e、33fを設ける場合には、エアバッグ装置Mの組立
時におけるケース15の閉口作業時の曲げ易さと、エア
バッグ11の展開膨張時における破断強度と、を確保で
きるように、厚肉部33e、33fの厚さ寸法t1は、
一般部33kの厚さ寸法t5の135〜165%の範囲
で、かつ、厚肉部33e、33fの幅寸法Aは、ヒンジ
部330の全長Lの10〜25%の範囲で設定すること
が望ましい。
【0049】但し、実施形態のヒンジ部33のように、
インフレーター側及びハーネス側の各厚肉部33e、3
3fの他に、これらの間の部位にも節状の厚肉部33
g、33hを設けた場合には、ヒンジ部330の両端だ
けに厚肉部33e、33fを設ける場合に比べて、ヒン
ジ部33全体の曲げ剛性をより小さくでき、ケース15
の閉口作業をより円滑に行うことができる。すなわち、
ヒンジ部33の両端側から加わる引き裂き力を複数段の
厚肉部33g、33hで受け止め、段階的に減少させる
ことができて、両端側だけに厚肉部33e、33fを設
けたヒンジ部330における全厚肉部33e、33fの
幅寸法の総和2Aより、全厚肉部33e、33f、33
g、33hの幅寸法の総和(2a+2b)を、小さくで
き、その小さくできる差分、ヒンジ部33の曲げ剛性を
低下させることができるからである。
【0050】そして、インフレーター側及びハーネス側
の各厚肉部33e、33fの間に設ける節状の厚肉部3
3g、33hの数をnとすれば、2A>2a+nbなる
不等式が成立して、ヒンジ部33の曲げ剛性を小さくさ
せることができる。
【0051】なお、実施形態のように、インフレーター
側及びハーネス側の各厚肉部33e、33fの他に、こ
れらの間の部位に、一つ若しくは複数の節状の厚肉部3
3g、33hを設ける場合には、エアバッグ装置Mの組
立時におけるケース15の閉口作業時の曲げ易さと、エ
アバッグ11の展開膨張時における破断強度と、を確保
できるように、厚肉部33e、33fの厚さ寸法t1・
t2・t3・t4を一般部33kの厚さ寸法t5の13
5〜165%の範囲として、全厚肉部33e、33f、
33g、33hの幅寸法の総和(2a+2b)をヒンジ
部33の全長Lの5〜15%とすることが望ましい。さ
らに、ケース15の閉口作業時の曲げ易さと両端の厚肉
部33e、33fからの裂けを防止するためには、両端
の厚肉部33e、33fの幅寸法aは、全厚肉部33
e、33f、33g、33hの幅寸法の総和(2a+2
b)の30〜40%とすることが望ましい。
【0052】また、実施形態では、シート背もたれ部2
に配置される側突用エアバッグ装置Mに使用されるケー
ス15について説明したが、折り畳まれるエアバッグを
収納するものであれば、側突用エアバッグ装置Mに使用
されるものに限定されず、インストルメントパネルに配
置される助手席用エアバッグ装置、ルーフサイドレール
等に配置される頭部保護エアバッグ装置等のエアバッグ
を収納するケースに、本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のケースが使用されたエア
バッグ装置の使用態様を示すシートの側面図である。
【図2】図1のII−II部位の概略断面図である。
【図3】同実施形態のリッドを閉じた状態のケースの部
分拡大図である。
【図4】同実施形態のリッドを閉じた状態のケースの他
の部位の部分拡大図である。
【図5】同実施形態のリッドを開いた状態のケースの展
開図である。
【図6】図5のVI−VI部位の概略断面図である。
【図7】図5の VII− VII部位の概略断面図である。
【図8】(a)は図5の VIII − VIII 部位の概略断面
図、(b)は節状の厚肉部を備えないヒンジ部の概略断
面図である。
【符号の説明】
3…(取付部位)シートフレーム、 11…エアバッグ、 15…エアバッグ用ケース、 16…基部、 26…リッド、 33…ヒンジ部、 33c…端部(インフレーター側の端部)、 33d…端部(ハーネス側の端部) 33e…厚肉部(インフレーター側の厚肉部)、 33f…厚肉部(ハーネス側の厚肉部)、 33g、33h…厚肉部(節状の厚肉部)、 33i…一般部(インフレーター側の一般部)、 33j…一般部(ハーネス側の一般部)、 33k…一般部(中間側の一般部)、 B−B…回動軸心、 M…エアバッグ装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D054 AA03 AA06 AA07 AA14 AA16 AA20 AA21 BB08 BB10 BB30 DD13 EE20 FF20

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 折り畳まれたエアバッグの周囲を覆って
    前記エアバッグを収納可能な断面略四角筒形状の合成樹
    脂製として、 取付部位に連結固定される基部と、 該基部の一端とヒンジ部を介して連結されるとともに、
    前記基部と対向するように延びて、展開膨張時の前記エ
    アバッグに押されて開き可能に、前記基部の他端側と連
    結されるリッドと、 を備えて構成されるエアバッグ用ケースであって、 前記ヒンジ部の回動軸心に沿った両端側に、厚肉部が設
    けられていることを特徴とするエアバッグ用ケース。
  2. 【請求項2】 前記ヒンジ部における前記両端側の厚肉
    部の間の部位に、さらに少なくとも1つの厚肉部が設け
    られていることを特徴とする請求項1に記載のエアバッ
    グ用ケース。
  3. 【請求項3】 前記各厚肉部が、前記エアバッグ用ケー
    スの内部方向に突出して形成されていることを特徴とす
    る請求項1若しくは請求項2に記載のエアバッグ用ケー
    ス。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008247142A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Nippon Plast Co Ltd サイドエアバッグ装置用のケース及びエアバッグモジュール
JP2010274898A (ja) * 2009-05-27 2010-12-09 Hyundai Motor Co Ltd ルーフエアバッグ装置
JP2013514945A (ja) * 2009-12-22 2013-05-02 オートリブ エーエスピー,インコーポレイティド 一体のカバーを備える膨張式エアバッグアセンブリ

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