JP2001334460A - 研磨方法 - Google Patents
研磨方法Info
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- Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
- Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)
Abstract
性でかつ高精度に研磨することができる研磨方法を提供
する。 【解決手段】 軸対称な非球面を有する光学素子等の被
加工面を小径の研磨工具を用いて研磨する際に、被加工
面の前加工(研削)形状を計測して目標形状に対する誤
差形状を求め、該誤差形状を研磨除去して目標形状とす
るために必要な所定のパターンで研磨運動する研磨工具
の滞留時間分布を算出し、滞留時間分布を実現するため
の形状修正研磨加工用プログラムを算出するに際して、
該滞留時間分布をスパイラル走査で実施する部分とラス
ター走査で実施する部分とに分割して、スパイラル走査
とラスター走査をさらにそれぞれ複数のサブプログラム
に分割して算出し、これらのサブプログラムを交互に順
次実施して、スパイラル走査およびラスター走査による
形状修正研磨加工を行う。
Description
の研磨方法に関し、特に、高次の次数をもつ軸対称な非
球面、あるいは放物面、双曲面、回転楕円体面等の複雑
な形状を有する光学素子を研磨加工する研磨方法に関す
るものである。
から、合成石英ガラス、低熱膨張ガラス、CVD−Si
C、Si単結晶、CaF2 単結晶、Si単結晶等の材料
が用いられている。これらの材料は高価であるにもかか
わらず、その物理化学特性が優れているために、短波長
光用のレンズ、ミラー等の光学素子として採用されてい
る。これらの光学素子の形状は、従来、平面や球面等の
単純な形状が使用されてきたが、近年では、高次の次数
をもつ軸対称な非球面レンズの要求が増してきており、
さらに、高い形状精度が要求されている。しかしなが
ら、被加工面とほぼ同等の形状をもつ全面皿研磨工具を
被加工面に対して相対運動させて研削加工により仕上げ
られた形状を平滑な表面に研磨することは、平面や球面
等のような工具形状転写型の単純な形状の光学素子では
可能であるが、高次の次数をもつ軸対称な非球面、ある
いは放物面、双曲面、回転楕円体面等の複雑な形状にお
いては、前記のような工具形状転写によって研磨加工す
ることは困難であり、前加工となる研削の形状精度を維
持することも困難であって、形状精度を向上させること
はできなかった。
研磨工具の形状追随性を高めるために、小径な工具を用
いた部分研磨(ローカル研磨)加工法が知られている。
この種の部分研磨加工法においては、研磨工具を被加工
面上でどのような軌跡で移動させるかが、加工条件の一
つとなる。この軌跡の設定法の従来技術としては、特開
平9−267244号公報に開示された方法があり、こ
の従来技術では、接触領域の小さい研磨工具を被加工面
上でラスター走査させ、ラスター走査の方向を変えて複
数回の研磨工程を行うことにより研磨するようにしてい
る。
光学素子として要求される形状はほとんど軸対称非球面
でありかつ高い形状精度が要求される。このような軸対
称非球面の研磨を、前述した従来技術のように、複数の
ラスター走査の方向を逐次変えて研磨を行う研磨方法で
は、次のような問題点があった。
加工は研削工程であり、この研削工程では、被加工物を
対称軸(光軸)で回転させ、研削砥石を半径上で軌道を
制御して研削を行っている。この形状創成原理により、
被加工物の非球面上には対称軸(光軸)を中心とした同
心円状の誤差形状が残存することがほとんどである。こ
れらの同心円状の形状誤差を除去するには、部分研磨
(ローカル研磨)加工法の工具の走査方式としてはラス
ター走査は適切ではなく、研磨の取り残し(加工の残
差)が発生しやすい。
性、異方性を表すパラメータと表面粗さを評価すること
で、工具の通過軌跡の偏りが表面粗さに影響を与えるこ
とは、精密工学会「1990年度秋季大会学術講演会講
演論文集」(653〜654頁)等で既に報告されてい
る。部分研磨(ローカル研磨)において運動条件で表面
粗さに影響を与えるのは研磨軌跡の異方性の度合いであ
り、研磨軌跡の等方性を保てば良好な表面粗さを維持す
ることができる。しかし、複数のラスター走査の方向を
逐次変えて研磨加工を進める方式は、原理的に研磨工具
の直進走査の重ね合わせであり、全ての走査が直進であ
るため、直進走査パターン自体が被加工面に新たに残存
し、その方向を変えた重ね合わせのために格子状の新た
なうねり(このうねりの空間周期は表面粗さよりも長い
領域)が発生しやすい。
する未解決の課題に鑑みてなされたものであって、合成
石英ガラス、CaF2 単結晶、低熱膨張ガラス等の高脆
性材料からなる光学素子等の軸対称な非球面形状を高い
信頼性でかつ高精度に研磨することができる研磨方法を
提供することを目的とするものである。
め、本発明の研磨方法は、軸対称な非球面を有する被加
工物の被加工面を比較的小径の研磨工具を用いて研磨す
る研磨方法において、被加工面の前加工形状を目標形状
に対する誤差形状として計測する工程と、誤差形状を研
磨除去して目標形状とするために必要な所定のパターン
で研磨運動する研磨工具の被加工面上での滞留時間分布
を算出する研磨工具の滞留時間分布算出工程と、研磨工
具の滞留時間分布を実現する研磨工具の被加工面上での
形状修正研磨加工用プログラムを算出するに際して、滞
留時間分布をスパイラル走査で実施する部分とラスター
走査で実施する部分とに分割して、スパイラル走査とラ
スター走査のそれぞれのサブプログラムを算出する形状
修正研磨加工用のプログラム算出工程と、算出された形
状修正研磨加工用のサブプログラムに基づいて、スパイ
ラル走査およびラスター走査による研磨加工をそれぞれ
実施して、形状修正研磨加工を行う研磨加工工程とから
なることを特徴とする。
程の後に、研磨加工後の形状の形状計測を行い、該研磨
加工後の形状の目標形状に対する誤差形状を求め、該誤
差形状が設計公差内か否か判定し、該誤差形状が設計公
差内でない場合には、研磨工具の滞留時間分布算出工
程、形状修正研磨加工用のプログラム算出工程および研
磨加工工程を継続して繰り返すことが好ましい。
走査およびラスター走査の各サブプログラムをそれぞれ
複数のサブプログラムにさらに分割することが好まし
く、スパイラル走査およびラスター走査のそれぞれのサ
ブプログラムを交互に実施することが好ましい。
走査およびラスター走査のそれぞれのサブプログラムは
それぞれ加工開始点が異なるように設定されることが好
ましい。
球面を有する自由曲面光学素子、あるいは、光学有効面
および外形が略円形の光学素子を高精度に研磨加工する
ことができる。
を除去するような研磨工具の滞留時間分布を求め、それ
を実行する形状修正研磨加工プログラムの算出に際し
て、滞留時間分布を2分割して、それぞれ異なる方式の
スパイラル走査とラスター走査で実行することにより、
軸対称非球面や自由曲面を有する光学素子等を高精度に
研磨加工することができ、合理的に輪帯状に残る誤差形
状を平滑化し、表面粗さも良好にすることができる。さ
らに、新たに走査パターン自体を残存させる可能性も低
減できる。
ることで同心円状の誤差形状を効率よく除去でき、ラス
ター走査することで同心円状以外の長空間波長の誤差形
状(面全体のゆがみ等)を効率よく研磨除去でき、その
結果、研磨プロセス自体の短縮化が可能となり、さら
に、円弧状のスパイラルパターンと直線状のラスターパ
ターンを組み合わせることで走査パターン自体が被加工
面上に顕在化することを防止でき、中空間波長領域で発
生しやすい格子状の誤差の発生が低減され、また、2分
割したスパイラル走査とラスター走査のそれぞれのサブ
プログラムをそれぞれ交互に実施することにより、走査
パターン自体の被加工面上への顕在化をより一層防止で
きる。したがって、能率の高い形状修正と走査パターン
が残存しない高品質、高精度な修正研磨加工が可能とな
る。
球面を有する光学素子を高精度にかつ合理的に能率よく
加工でき、さらに、本発明の研磨方法は、高次の次数を
もち高次の係数が比較的大きな軸対称非球面、あるいは
放物面、双曲面等にも適用できる汎用性の高い研磨方法
である。
いて説明する。
研磨装置について、図1を参照して説明する。
は、ベッド10に対して相対的にY方向に往復移動可能
なYテーブル11が取付けられ、Yテーブル11の移動
はYモーター12により駆動され、Yモーター12には
エンコーダー13が付設されており、エンコーダー13
によりYテーブル11のY方向移動量が検出される。ま
た、Yテーブル11の上には、Yテーブル11に対して
直交するX方向に相対的に往復移動可能なXテーブル1
4が取付けられ、Xテーブル14の移動はXモーター1
5により駆動され、Xモーター15にはエンコーダー1
6が付設されており、Xテーブル14のX方向移動量は
エンコーダー16により検出される。
れ、この研磨槽17中には、被加工物Wを保持する側断
面視略L字状の保持体20を回動自在に支持する支持体
18が固定されている。支持体18に取付けられたモー
ター22の駆動回転軸は保持体20の垂直部片20aの
軸19に結合され、保持体20はモーター22の駆動に
よりX方向の軸19の回りに回転可能に支持されてい
る。また、保持体20の水平部片20bの上には被加工
物Wを保持する回転テーブル21が設置され、回転テー
ブル21は図示しないモーターおよびエンコーダーによ
りその回転駆動および回転位置の検出がなされる。
ラム23が立設され、コラム23には、上下方向(Z方
向)のガイド24が形成され、ガイド24に沿ってZ方
向に往復移動可能な研磨ヘッド保持体25は、コラム2
3の上端部に取付けられた駆動手段としてのエアーシリ
ンダー31のロッド32の先端に連結されており、研磨
ヘッド保持体25はエアーシリンダー31の駆動により
コラム23のガイド24に沿ってZ方向に移動する。ま
た、研磨ヘッド保持体25には傾斜位置決め機構27を
介して研磨ヘッド26が取付けられ、研磨ヘッド26は
周転円運動可能に設けられた工具軸28を有し、その下
端部に研磨工具Tが取付けられている。研磨ヘッド保持
体25には傾斜位置決め機構27を駆動するモーター3
0が取付けられ、モーター30の駆動により傾斜位置決
め機構27を介して研磨ヘッド26の傾斜位置を決定す
ることができる。
制御するためのものであり、各エンコーダー13、16
等からYテーブル11の移動量やXテーブル14の移動
量および回転テーブル21の移動量が入力され、さらに
モーター12、15、22、30、被加工物Wを回転す
る回転テーブル21の駆動モーター(不図示)、そして
研磨ヘッド26の駆動モーター(不図示)、およびエア
ーシリンダー31、あるいはそれらの動きを代換するモ
ーターに指令を出し、それぞれのモーターを駆動する。
磨液が注入され、特に、研磨液中の酸化セリウム砥粒の
粒径を調整することで研磨プロセスの安定性を向上させ
ることができ、研磨剤砥粒の分散剤を撹拌した研磨液を
用いることが望ましい。
研磨を行う際には、適切な前加工(研削加工)により所
定の表面粗さおよび所定の形状精度に仕上げられている
被加工物Wが、保持体20上の回転テーブル21に積載
され固定される。本実施例においては、被加工物Wは、
直径226mmの合成石英ガラス製の軸対称非球面レン
ズとし、その形状は凸面状であり、光線有効部は中央の
直径180mmである。そして、被加工物Wとしての合
成石英ガラス材は、前加工として、対称軸(光軸)周り
に被加工面を回転させて高精度に非球面研削して、所定
の表面粗さおよび所定の形状精度に仕上げられている。
本実施例の研磨方法に用いる研磨工具Tは小径の研磨工
具であり、特に、直径16mmの研磨工具を用いる。ま
た、被加工物Wの研削面を完全に除去するために4μm
程度の均等な研磨が必要となるので、小径研磨工具Tの
被加工面に対する研磨運動が周転円となる研磨ヘッド
(26)を用いる。すなわち、小径の研磨工具Tを周転
円運動させながら所定の走査パターンに沿って移動させ
て部分研磨(ローカル研磨)を進めることが可能な研磨
ヘッドである。また、研磨工具Tの研磨軌跡は、被加工
面のX方向、Y方向ともに光線有効部から完全に外に出
るようにした。そして、研磨槽(17)に注入する研磨
液は、溶媒としての精製水40リットルに平均粒径0.
25μmの酸化セリウム砥粒を重量濃度で0.1%含
み、同様にヘキサメタリン酸ナトリウムの微粉末0.8
gを加えて撹拌した研磨液を用意して使用した。
示す加工手順のフローに沿って説明する。
計測して、この前加工形状の目標形状(設計形状)に対
する誤差形状を求める(ステップS1)。
目標形状とするために必要な所定のパターンで研磨運動
する研磨工具の被加工面上での滞留時間分布を算出し
(ステップS2)、誤差形状に対応する研磨工具の滞留
時間分布をスパイラル走査用とラスター走査用に分割す
る(ステップS3)。このとき、誤差成分に着目して、
同心円状の誤差成分はスパイラル走査で重点的に除去
し、同心円状以外の長空間周期の被加工面全域にわたる
誤差成分(面全体のゆがみ:多項式で近似した場合に低
次の奇数項成分で示されるものに代表される)について
はラスター走査で重点的に除去するようにする。
において、スパイラル走査用とラスター走査用に分割さ
れた滞留時間分布をそれぞれ実現する研磨工具の被加工
面上での運動制御プログラム(形状修正研磨加工用NC
プログラムあるいは研磨加工プログラムともいう)を算
出する。すなわち、滞留時間分布は被加工面でスパイラ
ル走査を実施する部分とラスター走査を実施する部分と
に分割されており、分割された滞留時間分布をそれぞれ
実現するためのスパイラル走査用およびラスター走査用
の研磨工具の研磨加工プログラムを算出する。
いは研磨加工プログラムは、小径研磨工具を一定のオフ
セット位置において回転速度一定で周転円駆動させ、被
加工面上をある走査パターンに従って変速走査すること
で被加工面上での滞留時間を実現するための加工プログ
ラム、あるいは、小径研磨工具を一定のストロークと速
さで一軸揺動させ、その揺動方向と直交する方向に変速
走査することで被加工面上での滞留時間を実現するため
の加工プログラムである。
工プログラムの算出に際して、それぞれ、一本のまたは
複数本のサブプログラムを算出する。ここでは、2本の
サブプログラムとする場合について説明すると、スパイ
ラル走査はそれぞれ等分の滞留時間分布となる2本のサ
ブプログラムとし、1本目は被加工面の外側(外周部)
から内側(中心部)へ向かう走査ライン(図3において
実線で示すスパイラル走査ライン)のスパイラル研磨、
2本目は内側(中心部)から外側(外周部)へ向かう走
査ライン(図3に示すスパイラル走査ラインと逆方向の
走査ライン)のスパイラル研磨とし、それぞれのサブプ
ログラムをS.Sb.P1、S.Sb.P2とする。また、ラスター
走査もそれぞれ等分の滞留時間分布となる2本のサブプ
ログラムとし、1本目は被加工面上のY方向の走査ライ
ン(図3において一点鎖線で示すラスター走査ライン)
によるラスター研磨、2本目は被加工面上のX方向の走
査ラインによるラスター研磨とし、それぞれのサブプロ
グラムをR.Sb.P1、R.Sb.P2とする。なお、これらの4
本のサブプログラムによって実現される被加工面上の各
位置での研磨工具の滞留時間の和は当初の(ステップS
2において算出した)研磨工具の滞留時間分布に一致
し、当初の誤差形状を平滑化することができる。
プログラムの算出で得られたスパイラル走査およびラス
ター走査のそれぞれのサブプログラムを順次交互に形状
修正研磨として実施する(ステップS6〜ステップS1
0)。
Sb.P1の実施(ステップS6)に際しては、被加工物W
を保持する回転テーブル21を一定速度で回転させ、ス
パイラルの送り方向(被加工面半径方向)には滞留時間
制御がかかるようにY方向に移動可能なYテーブル11
を駆動するYモーター12と被加工物Wを傾斜可能に保
持する回転テーブル21を駆動するモーター22で制御
する。このとき、同時に、工具軸28が常に被加工部に
おいて被加工面に垂直となるようにYテーブル11と回
転テーブル21をそれぞれYモーター12とモーター2
2で制御する。また、同心円状の誤差形状を除去するた
めに誤差が高いところで滞留時間が長くなるようにスパ
イラルの送りピッチ(図3参照)を小さくし、誤差形状
が少ないところでは送りを速くしてスパイラル送りピッ
チを大きくする。また、外周部と中心部付近での除去量
の変化を補正するために、滞留時間分布に半径方向にし
たがって補正値をかけるようにする。なお、この補正値
は研磨工具の周転円速度や被加工物を保持する回転テー
ブルの回転速度から事前に検証加工などをして求めてお
く。
Sb.P1の実施(ステップS7)に際しては、研磨工具を
Y方向に走査し、Y方向の送りが終端に達すると一定量
のX方向の送り(本実施例では、送り量(図3参照)を
1mmとする。なお、この送り量は、工具の有効径の1
/10以下が好ましい)が行われ、そしてY方向に先の
ラインとは反対方向に駆動されることによって先に加工
ラインと平行に次のラインの研磨がなされる。そしてこ
れを繰り返すことで(Y方向走査の)ラスター走査研磨
が遂行されていく。このとき、除去量の多少によりY方
向の送り速度を変速させる。すなわち、誤差量が多く、
除去量の多いところでは走査速度を遅く、少ないところ
では速くする。このように研磨工具の走査速度を変速す
ることにより研磨除去量をコントロールし被加工面を任
意の形状に形状修正研磨することが可能となる。スパイ
ラル走査と同様に、工具軸28が常に被加工部において
被加工面に垂直となるようにYテーブル11をYモータ
ー12で、被加工物を傾斜可能に保持する回転テーブル
21をモーター22でそれぞれ制御する。
ログラムS.Sb.P2を実施する(ステップS9)。なお、
このスパイラル走査においては、1本目の走査方向とは
逆に内側(中心部)から外側(外周部)へ向かうスパイ
ラル研磨とする。その後、ラスター走査の2本目のサブ
プログラムR.Sb.P2を実施し、1本目の走査方向とは異
なったX方向走査のラスター走査とする(ステップS1
0)。以上のように、形状修正研磨加工用のプログラム
の算出で得られたスパイラル走査およびラスター走査の
それぞれのサブプログラムを形状修正研磨として交互に
順次実施し、そして、スパイラル走査およびラスター走
査のそれぞれのサブプログラムが全て実施されるまで繰
り返し実施する(ステップS6〜S10)。本実施例で
は、サブプログラムをS.Sb.P1→R.Sb.P1→S.Sb.P2→
R.Sb.P2の順に研磨加工を実施した。
ラムがすべて実施され、研磨加工が終了する。その後、
研磨加工が終了した被加工物の形状計測を行い(ステッ
プS11)、被加工面の現形状を目標形状(設計形状)
に対する誤差形状を求め、その誤差形状量が設計公差内
であるか判定し(ステップS12)、公差内であれば研
磨加工を終了して被加工物を次の工程に送る(ステップ
S13)。一方、誤差形状が未だ公差内に到達していな
ければ、継続して、ステップS2(工具の滞留時間分布
の算出)以下の工程を繰り返す。
状を除去するような研磨工具の滞留時間分布を求め、そ
れを実行するための形状修正研磨加工プログラムを算出
する際に、滞留時間分布を2分割し、それぞれ異なる方
式の走査で研磨を実行することにより、研磨工具の滞留
時間分布を1パスで加工する方式や複数のラスター走査
に分けそれらを重ねるときに方向を変える方式に比べ、
輪帯状に残る誤差形状を精度よく平滑化することがで
き、表面粗さも良好にすることができる。さらに、スパ
イラル走査とラスター走査による研磨を交互に順次行う
ことにより、新たに走査パターン自体を残存させる可能
性も低減できる。そして、小径な研磨工具をスパイラル
走査することで同心円状の誤差形状を効率よく除去で
き、ラスター走査により同心円状以外の長空間波長の誤
差形状を効率よく研磨除去できることから、研磨プロセ
ス自体の短縮化が可能となり、高精度でかつ平滑な軸対
称非球面形状を得ることができる。
いてさらに説明する。
照曲率半径202mmの合成石英ガラス材製の凹面非球
面レンズを研磨加工した。光線有効部は中央の直径16
0mmである。そして、加工手順は前述した実施例と同
様に非球面研削を行った研削面状態から非球面研磨を開
始した。
た実施例と同様に研磨工具の直径を16mmとし、ま
た、最大除去深さが約4.5μm程度と多いので、前述
した実施例と同様に小径研磨工具の被加工面に対する研
磨運動が周転円駆動となる研磨ヘッドを用いた。また、
被加工面のX方向、Y方向ともに小径工具が光線有効部
から完全に外に出るようにした。
から算出される誤差形状に対応する滞留時間分布をスパ
イラル走査用とラスター走査用に分割する。このとき、
前述した実施例と同様に、誤差成分に着目し、同心円状
の誤差成分はスパイラル走査で重点的に除去し、同心円
状以外の長空間周期の被加工面全域にわたる誤差成分
(面全体のゆがみ等)はラスター走査で重点的に除去す
るようにした。
の滞留時間分布となる4本のサブプログラムとし、1本
目のサブプログラムは外側から内側へ向かうスパイラル
研磨、2本目は内側から外側へ向かうスパイラル研磨、
3本目は外側から内側へ向かうスパイラル研磨、4本目
は内側から外側へ向かうスパイラル研磨とした。それぞ
れのサブプログラムをS.Sb.P1、S.Sb.P2、S.Sb.P3、
S.Sb.P4とした。なお、スパイラル走査の各サブプログ
ラムの工具の走査送りピッチをそれぞれ異なるように設
定することもでき、スパイラルパターンでの研磨に際し
て同一のライン上を複数回小径研磨工具が走査すること
を防ぐことができ、走査パターン自体の被加工面上への
顕在化を防止できる。
時間分布となる4本のサブプログラムとし、1本目のサ
ブプログラムは、被加工面上Y方向に走査するラスター
研磨で開始位置をX方向のプラス側とし、2本目は被加
工面上X方向に走査するラスター研磨で開始位置をY方
向のプラス側とし、3本目は被加工面上Y方向に走査す
るラスター研磨で開始位置をX方向のマイナス側とし、
4本目は被加工面上X方向に走査するラスター研磨で開
始位置をY方向のマイナス側とした。そして、それぞれ
のサブプログラムをR.Sb.P1、R.Sb.P2、R.Sb.P3、R.
Sb.P4とする。これらの合計8本のサブプログラムの合
計の滞留時間により、当初の誤差形状の平滑化を目指
し、これらのサブプログラムをS.Sb.P1→R.Sb.P1→S.
Sb.P2→R.Sb.P2→S.Sb.P3→R.Sb.P3→S.Sb.P4→R.
Sb.P4の順で順次研磨加工を実施した。
様に、高精度でかつ平滑な非球面形状を得ることができ
た。
ル走査とラスター走査のそれぞれのサブプログラムによ
って加工開始点を異なった位置に設定することで、同一
ライン上を複数回小径研磨工具が走査することを防ぎ、
走査パターン自体の被加工面上への顕在化を防止でき、
中空間波長領域で発生しやすい格子状の誤差の発生が一
層低減される。また、スパイラル走査のそれぞれのサブ
プログラムの工具の走査送りピッチをそれぞれ異なるよ
うに設定することができ、スパイラルパターンでの研磨
に際して同一のライン上を複数回小径研磨工具が走査す
ることを防ぐことができ、走査パターン自体の被加工面
上への顕在化を防止できる。
高精度な非球面、自由曲面の研磨加工が可能となる。す
なわち、前工程から残存する誤差形状を除去するような
研磨工具の滞留時間分布を求め、それを実行する形状修
正研磨加工プログラムの算出に際して、この滞留時間分
布を2分割して、それぞれ異なる方式のスパイラル走査
とラスター走査で実行することにより、合理的に輪帯状
に残る誤差形状を平滑化でき、また表面粗さも良好にす
ることができる。さらに、新たに走査パターン自体を残
存させる可能性も低減できる。
ることで同心円状の誤差形状を効率よく除去でき、そし
て、ラスターパターンで走査ラインを送ることで、同心
円状以外の長空間波長の誤差形状(面全体のゆがみ等)
を効率よく研磨除去でき、その結果、研磨プロセス自体
の短縮化が可能となる。
線状のラスターパターンを組み合わせることで走査パタ
ーン自体が被加工面上に顕在化することを防止でき、中
空間波長領域で発生しやすい格子状の誤差の発生が低減
され、さらに、2分割したスパイラル走査とラスター走
査のそれぞれのサブプログラムをそれぞれ交互に実施す
ることにより、走査パターン自体の被加工面上への顕在
化をより一層防止できる。したがって、能率の高い形状
修正と走査パターンが残存しない高品質、高精度な修正
研磨加工が可能となる。
れぞれのサブプログラムによって加工開始点を異なった
位置に設定することで、同一ライン上を複数回小径研磨
工具が走査することを防ぎ、走査パターン自体の被加工
面上への顕在化を防止でき、中空間波長領域で発生しや
すい格子状の誤差の発生が一層低減される。
ログラムの工具の走査送りピッチをそれぞれ異なるよう
に設定することができ、スパイラルパターンでの研磨に
際して同一のライン上を複数回小径研磨工具が走査する
ことを防ぐことができ、走査パターン自体の被加工面上
への顕在化を防止できる。
有する光学素子を高精度かつ合理的に能率よく加工で
き、さらに、高次の次数をもち高次の係数が比較的大き
な軸対称非球面、あるいは放物面、双曲面等にも適用で
きる汎用性の高い研磨方法である。
一例を示す概略構成図である。
フロー図である。
ター走査の態様を説明するための模式図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 軸対称な非球面を有する被加工物の被加
工面を比較的小径の研磨工具を用いて研磨する研磨方法
において、 被加工面の前加工形状を目標形状に対する誤差形状とし
て計測する工程と、 誤差形状を研磨除去して目標形状とするために必要な所
定のパターンで研磨運動する研磨工具の被加工面上での
滞留時間分布を算出する研磨工具の滞留時間分布算出工
程と、 研磨工具の滞留時間分布を実現する研磨工具の被加工面
上での形状修正研磨加工用プログラムを算出するに際し
て、滞留時間分布をスパイラル走査で実施する部分とラ
スター走査で実施する部分とに分割して、スパイラル走
査とラスター走査のそれぞれのサブプログラムを算出す
る形状修正研磨加工用のプログラム算出工程と、 算出された形状修正研磨加工用のサブプログラムに基づ
いて、スパイラル走査およびラスター走査による研磨加
工をそれぞれ実施して、形状修正研磨加工を行う研磨加
工工程とからなることを特徴とする研磨方法。 - 【請求項2】 研磨加工工程の後に、研磨加工後の形状
の形状計測を行い、該研磨加工後の形状の目標形状に対
する誤差形状を求め、該誤差形状が設計公差内か否か判
定し、該誤差形状が設計公差内でない場合には、研磨工
具の滞留時間分布算出工程、形状修正研磨加工用のプロ
グラム算出工程および研磨加工工程を継続して繰り返す
ことを特徴とする請求項1記載の研磨方法。 - 【請求項3】 スパイラル走査およびラスター走査の各
サブプログラムをそれぞれ複数のサブプログラムにさら
に分割することを特徴とする請求項1または2記載の研
磨方法。 - 【請求項4】 スパイラル走査およびラスター走査のそ
れぞれのサブプログラムを交互に実施することを特徴と
する請求項3記載の研磨方法。 - 【請求項5】 スパイラル走査およびラスター走査のそ
れぞれのサブプログラムは、それぞれ加工開始点が異な
るように設定されることを特徴とする請求項3または4
記載の研磨方法。 - 【請求項6】 軸対称な非球面を有する被加工物が自由
曲面光学素子であることを特徴とする請求項1ないし5
のいずれか1項に記載の研磨方法。 - 【請求項7】 軸対称な非球面を有する被加工物が光学
有効面および外形が略円形の光学素子であることを特徴
とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の研磨方
法。
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---|---|---|---|
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