JP2001333770A - 脊椎動物の膵臓のインビトロ形成方法 - Google Patents

脊椎動物の膵臓のインビトロ形成方法

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JP2001333770A JP2000161795A JP2000161795A JP2001333770A JP 2001333770 A JP2001333770 A JP 2001333770A JP 2000161795 A JP2000161795 A JP 2000161795A JP 2000161795 A JP2000161795 A JP 2000161795A JP 2001333770 A JP2001333770 A JP 2001333770A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 膵臓の分化・形成機構に関しての知見を得る
ことができる、発生工学あるいは臓器工学上有用なイン
ビトロ誘導膵臓や、インビトロで誘導した膵臓が実際に
生体内でも機能できるかどうかを評価することができる
移植用膵臓や、より高等な動物の膵疾患の診断・治療へ
の道を拓くインビトロ誘導膵臓を、人工的に膵臓予定域
以外の原腸胚から高率に誘導しうる方法を提供するこ
と。 【解決手段】 インビトロで培養すると不整表皮を形成
し、膵臓を形成しない後期胞胚の未分化細胞の予定外胚
葉域を、アフリカツメガエルの後期胞胚から切り出しア
クチビンで処理し、3〜5時間後にレチノイン酸で処理
した後、BSAを含むスタインバーグ溶液中でこれらの
外植体を静置培養することにより、その発生運命を膵臓
へと変化させ、形態的かつ機能的な膵臓をインビトロで
高率に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、膵臓のインビトロ
形成方法、より詳しくは、脊椎動物の胞胚の予定外胚葉
域をアクチビンとレチノイン酸で時間差をつけて処理
し、その後培養することを特徴とする膵臓のインビトロ
形成方法や、インビトロで誘導した膵臓や、インビトロ
で誘導した膵臓を利用した膵臓に起因する疾病の診断・
治療に有用な物質のスクリーニング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】すべての多細胞動物の発生は受精にはじ
まり、細胞分裂(卵割)と細胞分化を経て、多くの組織
とバランスのとれた体制をもつ個体として完成される
が、このような分化のプロセスはきわめて複雑であり、
誘導現象と呼ばれる重要な細胞間の相互作用が多段階に
わたって行われていると考えられ、そして、もっとも重
要なのは「形作りを支配する分子」の解明といわれてお
り、またこのような研究の材料として、主に両生類胚が
よく用いられるが、体づくりの基本的な法則はすべての
脊椎動物に共通であり、相同な遺伝子は異なった生物種
においてもきわめて類似した機能をもつことが知られて
いる。
【0003】従来より、両生類の胚は実験発生学におい
てきわめて重要な材料とされ、多くの研究がなされてき
ている。その理由は、体外で受精と発生をおこない、卵
が大きいために胚手術が可能で、経時的変化を容易に観
察できることにある。両生類の原腸胚の原口上唇部は特
殊な領域であり、他の胚の腹側にこれを移植すると頭部
もしくは胴尾部を含む二次胚が誘導され、このことか
ら、原口上唇部は胚の体制を決定し形態形成の中心とし
て働く領域として形成体(organizer)と名付けられてお
り、形成体は原腸陥入の間に予定外胚葉へと働きかけて
中枢神経を誘導し、それ自身は背側の中胚葉及び前方内
胚葉に分化することはよく知られている。
【0004】一方、膵臓はほとんどの脊椎動物、すなわ
ち哺乳類、鳥類、は虫類、両生類に共通した組織形態と
発生様式を示す内分泌、および外分泌器官であり、発生
過程においては、内胚葉から背側原基と腹側原基が生
じ、これらが融合して膵臓が形成されることが知られて
いる(Development 121, 1569-1580, 1995)。
【0005】胚発生の過程では内胚葉の近傍には中胚葉
が存在し、膵臓の分化には内胚葉に対する間充織からの
作用が必要であるとされてきた(Dev. Biol. 4, 242-25
5, 1962)。また最近の研究から、ニワトリの膵臓形成
には脊索の関与が必要であり、背索が近傍の内胚葉にお
けるShhの発現を抑制することによって膵臓が分化す
るが、脊索の作用によって膵臓へ分化するのは膵臓予定
域の内胚葉であり、膵臓予定域以外の内胚葉では脊索が
共存しても膵臓には分化しないことが報告されている
(Development 124, 4243-4252, 1997、Proc. Natl. Ac
ad. Sci. USA 95,13036-13041, 1998、Genes and Dev.
12, 1705-1713, 1998)。
【0006】また、遺伝子レベルでの研究では、マウス
の膵臓原基で発現するipf−1やpdx−1として知
られているホメオボックス遺伝子が膵臓の形成過程に必
須であり、ipf−1のジーンターゲッティング実験か
ら、この遺伝子をもたないマウス胚は膵臓を欠損するこ
とが報告されている(Nature 371, 606-609, 1994)。
しかし、この遺伝子を欠損しても膵臓の原基は形成さ
れ、グルカゴン陽性細胞の存在も確認されている(Deve
lopment 122, 983-995, 1996)。また、アフリカツメガ
エルの胞胚の植物極細胞はPDX−1のホモログで膵臓
特異的転写因子であるXlHbox8と小腸上皮のマー
カーであるIFABPのどちらも発現するが、内胚葉で
のTGF−β系のシグナルを阻害すると,XlHbox
8の発現が阻害されることが知られている(Developmen
t 122, 1007-1015, 1996)。
【0007】他方、レチノイン酸は前後軸に沿った胚の
パターンニングに対する調節因子であること(Nature 3
40, 140-144, 1989、Development 112, 945-958, 199
1、Dev. Biol. 192, 1-16, 1997、Zool. Sci. 15, 879-
886, 1998)や、このレチノイン酸がツメガエル胚にお
ける前方神経組織を後方化させ、中胚葉の発達において
影響を及ぼすこと(Genes Dev. 5, 175-187, 1991、Dev
elop. Growth. Differ.35, 123-128, 1993)が知られて
いる。また、ツメガエルアニマルキャップ細胞(animal
cap cell)にアクチビンの投与量を変化させて処理す
ることにより脊索、筋肉、間充織及び体腔上皮のような
ほとんどの中胚葉組織を誘導することができること(Ro
ux's Arch. Dev. Biol. 198, 330-335, 1990、Nature 3
47, 391-394, 1990、Roux's Arch. Dev. Biol. 200, 23
0-233, 1991)や、アクチビンと共処理するレチノイン
酸の投与量を変化させることにより、アニマルキャップ
細胞から分化する脊索、筋肉及び前腎のような中胚葉組
織を側後方化させること(Develop. Growth. Differ. 3
5, 123-128, 1993)が報告されている。
【0008】内胚葉性器官に対するレチノイン酸の作用
については、発生段階22〜32のツメガエル胚をレチ
ノイン酸で処理すると、腸、肝臓、胃などの消化器官の
形態が異常になることが、Dixonらにより報告され
ているが、レチノイン酸で処理した発生段階22〜32
のツメガエル胚の膵臓は正常に形成され、内胚葉特異的
マーカーであるXlHbox8の発現にも影響がみられ
ないことも報告されている(Dev. Genes Evol. 208, 318
-326, 1998)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来、特定の臓器をイ
ンビトロで特異的に誘導させることは非常に困難とさ
れ、また、膵臓は生体内で重要な役割を果たす内分泌及
び外分泌器官であるが、その複雑な分化・形成機構はい
まだ明らかになっていない。本発明者らは、ツメガエル
初期原腸胚の原口上唇部細胞をレチノイン酸で処理する
ことにより、高率に膵臓を形成できることを報告(Mori
ya, N. et al.; Develop. Growth. Differ.42, 175-18
5, 2000)しているが、この系によると高率で膵臓を形
成させることができるものの、膵臓分化のメカニズムを
解明するには未だ複雑な実験系である本来自律分化能を
有する原口上唇部の細胞を用いている。本発明の課題
は、膵臓の分化・形成機構に関しての知見を得ることが
できる、発生工学あるいは臓器工学上有用なインビトロ
誘導膵臓や、インビトロで誘導した膵臓が実際に生体内
でも機能できるかどうかを評価することができる移植用
膵臓や、より高等な動物の膵疾患の診断・治療への道を
拓くインビトロ誘導膵臓を、人工的に膵臓予定域以外の
原腸胚から高率に誘導しうる方法を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究した結果、本来、インビトロ
で培養すると不整表皮を形成し、膵臓を形成しない後期
胞胚の未分化細胞の予定外胚葉域を、アフリカツメガエ
ルの後期胞胚から切り出しアクチビンで処理し、3〜5
時間後にレチノイン酸で処理した後、BSAを含むスタ
インバーグ溶液中でこれらの外植体を静置培養すること
により、その発生運命を膵臓へと変化させ、形態的かつ
機能的な膵臓をインビトロで高率に形成しうることを見
い出し、本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち本発明は、インビトロにおいて、
脊椎動物の胞胚又は原腸胚の予定外胚葉片をアクチビン
とレチノイン酸とにより処理し、その後培養することを
特徴とする脊椎動物の膵臓のインビトロ形成方法(請求
項1)や、アクチビンで処理し、所定時間後にレチノイ
ン酸で処理することを特徴とする請求項1記載の脊椎動
物の膵臓のインビトロ形成方法(請求項2)や、アクチ
ビンで処理し、3〜15時間後にレチノイン酸で処理す
ることを特徴とする請求項2記載の脊椎動物の膵臓のイ
ンビトロ形成方法(請求項3)や、アクチビンによる処
理が、50〜150ng/mlの濃度のアクチビンでの
0.5〜2時間の静置培養処理であることを特徴とする
請求項1〜3のいずれか記載の脊椎動物の膵臓のインビ
トロ形成方法(請求項4)や、レチノイン酸による処理
が、10-5M以上の濃度のレチノイン酸での0.5〜2
時間の静置培養処理であることことを特徴とする請求項
1〜4のいずれか記載の脊椎動物の膵臓のインビトロ形
成方法(請求項5)や、その後の培養が、生理食塩中で
の静置培養処理であることを特徴とする請求項1〜5の
いずれか記載の脊椎動物の膵臓のインビトロ形成方法
(請求項6)や、脊椎動物が、両生類に属する動物であ
ることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の脊椎
動物の膵臓のインビトロ形成方法(請求項7)や、両生
類に属する動物が、アフリカツメガエルであることを特
徴とする請求項7記載の脊椎動物の膵臓のインビトロ形
成方法(請求項8)に関する。
【0012】また本発明は、請求項1〜8のいずれか記
載の脊椎動物の膵臓のインビトロ形成方法により得られ
ることを特徴とするインビトロで誘導した膵臓(請求項
9)や、請求項9記載のインビトロで誘導した膵臓を用
いることを特徴とする膵臓の機能低下又は機能異常を治
癒しうる物質のスクリーニング方法(請求項10)や、
請求項9記載のインビトロで誘導した膵臓を用いること
を特徴とする膵臓の機能低下又は機能異常を検出しうる
物質のスクリーニング方法(請求項11)に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の脊椎動物の膵臓のインビ
トロ形成方法としては、インビトロにおいて、脊椎動物
の胞胚の未分化細胞である予定外胚葉片をアクチビンと
レチノイン酸とにより処理し、その後培養して、インビ
トロで膵臓を分化・誘導しうる方法であれば特に制限さ
れるものではなく、また、本発明の膵臓のインビトロ形
成方法における膵臓としては、インビトロ誘導膵臓臓器
の他、膵臓特異的な分子マーカー遺伝子、例えばインス
リン遺伝子、IPF1やPDX1等のホメオボックス遺
伝子、PDX1のホモログで膵臓特異的転写因子である
XIHbox8遺伝子等の発現能を有する外植体や、生
体膵臓と類似の細胞形態を有する外植体や、生体膵臓と
類似の分泌腺様構造を有する外植体も便宜上含まれる。
【0014】上記脊椎動物としては、膵臓を有する哺乳
類、鳥類、は虫類、両生類に属する脊椎動物であれば特
に制限されるものではないが、膵臓の分化・形成機構に
関しての発生工学あるいは臓器工学上有用な知見を得る
レベルにおいては、その取り扱いが比較的簡単で、かつ
現在までの発生工学あるいは臓器工学上の知見が豊富な
両生類に属する動物、特にアフリカツメガエルを好まし
い脊椎動物として例示することができる。脊椎動物であ
るツメガエルの未分化細胞を用いてインビトロで膵臓が
誘導できたことは、ヒトも含めた哺乳動物の未分化細胞
であるES細胞を用いると、インビトロで膵臓を誘導で
きることを示している。
【0015】また、上記胚胞としては、中〜後期胚胞を
用いることが好ましく、かかる中〜後期胚胞としては、
アフリカツメガエルにおける発生段階8〜10の中〜後
期胞胚を具体的に挙げることができる。このアフリカツ
メガエルにおける発生段階は、文献(Nieuwkoop, P.
D., Faber, J., 1956. Nomal Table of Xenopus laevi
s. North-Holland Pub. Co. Amsterdam.)記載の定めた
基準によって判断することができる。
【0016】上記アクチビンとレチノイン酸とによる処
理方法としては、インビトロにおいて、脊椎動物の胚胞
の未分化細胞である予定外胚葉をアクチビンとレチノイ
ン酸とを用いて処理し、その後培養することにより膵臓
を分化・誘導しうる処理方法であれば特に制限されるも
のではなく、例えば、アクチビンとレチノイン酸との同
時処理、アクチビン処理後引き続いてのレチノイン酸処
理でもよいが、アクチビンで処理し、所定時間後、好ま
しくは3〜15時間後、特に好ましくは3〜5時間後に
レチノイン酸で処理する方法を挙げることができ、アク
チビン処理後3〜15時間、特に3〜5時間のタイムラ
グ後にレチノイン酸で処理することにより膵臓への誘導
率をより高めることができる。タイムラグ期間中、アク
チビン処理後の予定外胚葉片は生理食塩水、好ましくは
BSA(牛胎児血清)を含む生理食塩水中で静置培養す
ることが望ましい。
【0017】アクチビンによる処理としては、50〜1
50ng/ml、好ましくは80〜120ng/mlの
濃度のアクチビンでの0.5〜2時間の静置培養処理を
具体的に例示することができる。また、レチノイン酸に
よる処理方法としては、10 -5M以上、好ましくは10
-4M〜10-3Mの濃度のレチノイン酸での0.5〜2時
間の静置培養処理を具体的に例示することができる。レ
チノイン酸は水溶性ではないので、エタノールやジメチ
ルスルホキシド(DMSO)等に一旦溶解させた後、生
理食塩水で希釈して用いることが好ましい。そして、本
発明においては、アクチビンとレチノイン酸とによる処
理後に培養することが必要である。かかる処理後の培養
としては、生理食塩水、好ましくはBSA(牛胎児血
清)を含む生理食塩水中での5〜20時間、好ましくは
8〜12時間の静置培養を具体的に挙げることができ
る。
【0018】本発明のインビトロで誘導した膵臓は、上
記の膵臓のインビトロ形成方法により得られるものであ
れば特に制限されるものではなく、前記のように、イン
ビトロ誘導膵臓臓器の他、膵臓特異的な分子マーカー遺
伝子の発現能を有する外植体や、生体膵臓と類似の細胞
形態を有する外植体や、生体膵臓と類似の分泌腺様構造
を有する外植体も含まれる。また、本発明のスクリーニ
ング方法は、かかるインビトロで誘導した膵臓を用いた
診断や治療等に有用な物質、例えば膵臓の機能低下又は
機能異常を治癒しうる物質や膵臓の機能低下又は機能異
常を検出しうる物質等をスクリーニングする方法であれ
ば特に制限されることはなく、例えば、本発明により得
られるインビトロ誘導膵臓の膵細胞に被検物質をインジ
ェクションし、インスリン等のマーカー分子の発現能を
対照と比較することにより、膵臓の機能を亢進又は抑制
する物質をスクリーニングすることができる。
【0019】
【実施例】以下に、実施例を挙げてこの発明を更に具体
的に説明するが、この発明の技術的範囲はこれらの実施
例に限定されるものではない。 実施例1(アフリカツメガエル後期胞胚の予定外胚葉部
分の準備) 成体アフリカツメガエル(Xenopus laevis)のオスとメ
スの背側リンパ嚢に各600IUのhCG(ヒト絨毛性
性腺刺激ホルモン;Gestron;デンカ製薬、日
本)を注射し、これらアフリカツメガエルを交配させて
受精卵を得た。これら後期胞胚[発生段階9]を、4.
5%のシステイン塩酸塩(pH7.8)を含んだスタイ
ンバーグ溶液(SS:58.00mMのNaCl、0.
67mMのKCl、0.34mMのCa(NO32
0.83mMのMgSO4、3.00mMのHEPES
及び100mg/lのカナマイシン硫酸塩;pH7.
4)で脱ゼリーし、スタインバーグ氏液中で卵膜をピン
セットで除去した。得られたアフリカツメガエル後期胞
胚の予定外胚葉部分をタングステン針により0.4mm
角のサイズに切り出した。
【0020】実施例2(予定外胚葉片のアクチビン/レ
チノイン酸同時1時間処理により分化する組織) ヒトリコンビナントアクチビンA(味の素社製)を10
0ng/mlになるように、0.1%のウシ血清アルブ
ミン(BSA)含有スタインバーグ溶液に溶解し、アク
チビン溶液を調製した。オールトランス(all-trans)
レチノイン酸粉末(CAT#R2625,シグマ社製)
は予め10-2Mになるようにエタノールに溶解し、予定
外胚葉片を処理する際にこのエタノール溶液を、表1に
示される各濃度になるように上記アクチビン溶液に希釈
してアクチビン/レチノイン酸混合液をそれぞれ調製
し、以下の実験に用いた。
【0021】実施例1の切り出した予定外胚葉片を、上
記調製したアクチビン/レチノイン酸混合液中で1時間
静置して処理し、0.1%のBSA含有スタインバーグ
溶液で2回洗浄した後、同液中で20℃で10日間培養
した(図1の一時的処理参照)。これら培養した外植体
をブアン(Bouin)氏液で固定した後、エタノール
−キシレンシリーズにて脱水処理し、これらの外植体を
パラフィン包埋し、6μm厚に薄切りし、これらの小片
をヘマトキシリン−エオシン染色し、分化した組織を光
学顕微鏡にて観察・検定した。また、無処理の予定外胚
葉片についても同様に光学顕微鏡で観察・検定した。結
果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】上記の結果から、無処理の予定外胚葉片は
培養開始4日後の時点で不整形表皮を形成することがわ
かった(図2A:参考写真1参照)。また、予定外胚葉
片をアクチビン(100ng/ml)のみで処理した場
合には、脊索や筋肉、咽頭上皮等の背側中胚葉及び前方
内胚葉組織が分化し、背側中胚葉によって二次的に誘導
されたと推測される神経組織も一部認められた(表1、
図2B:参考写真1参照)。アクチビン/レチノイン酸
混合液による処理では、レチノイン酸濃度の上昇にした
がって、まず脊索形成率が低下し、次いで筋肉形成率が
低下することがわかった(表1)。一方、前腎管の形成
率は上昇し、レチノイン酸濃度10-5〜10-4Mのとき
最大となっていた(60%以上)。また、レチノイン酸
濃度が高くなるにつれて腸上皮の分化が多少促進されて
いた(10-4Mのとき23%)。膵臓形成に関しては、
レチノイン酸が高濃度のときに分化が認められたが、そ
の割合は16%(10-4M)と低かった。このようにア
クチビンにレチノイン酸が添加された場合、レチノイン
酸濃度の影響を受けて中胚葉性組織の分化パターンは大
きく変化するが、内胚葉性組織の分化パターンに関して
はほとんど変化がみられなかった。なお、図2B中のn
otは脊索を、neuは神経組織をそれぞれ意味し、ス
ケールバーは100μmを表す。
【0024】参考例1(予定外胚葉片のアクチビン/レ
チノイン酸同時継続処理により分化する組織) 実施例2の結果から、レチノイン酸処理の影響が中胚葉
組織の分化パターンに現れたことから、レチノイン酸
は、中胚葉が各中胚葉組織(例えば、脊索、筋肉、前腎
管など)へと運命が決定される時期に作用したと考えら
れる。一方、正常発生においては、各内胚葉組織の形成
は各中胚葉組織の形成より遅れておこることが報告され
ている(Nieuwkoop, P. D. and Faber, J.; (1956) Nor
mal tableof Xenopus laevis (Daudin). (Amsterdam: N
orth-Holland Publishing Company)。このため、各内胚
葉組織への分化決定は各中胚葉組織への決定よりも時期
的に遅くおこると推測できる。しかし、インビトロでは
その時期を厳密には特定できない。そこで、処理時間及
びタイミングの影響を除くために、以下のようにアクチ
ビン/レチノイン酸混合液で継続処理をおこなった。実
施例1の切り出した予定外胚葉片を、上記調製したアク
チビン/レチノイン酸混合液中で20℃で10日間培養
した(図1の継続処理参照)。これら培養した外植体を
実施例2の方法と同様に染色し、分化した組織を光学顕
微鏡にて観察・検定した。結果を表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】表2の結果から、継続的にアクチビン/レ
チノイン酸混合液で処理した場合においても、1時間処
理と同様にレチノイン酸濃度が上昇するにつれて脊索、
筋肉の形成率が低下し、前腎管形成率が上昇していた
(表2)。レチノイン酸濃度10-5Mにおいて咽頭上皮
の形成が低率で認められたが(20%)、膵臓が分化す
ることはなかった。また、10-4Mのレチノイン酸が含
まれる処理ではどの外植体も培養期間中に死亡すること
がわかった。一方で、本発明者らにより、初期原腸胚の
原口上唇部を切り出したのち、1〜3時間レチノイン酸
で処理した場合には、細胞の予定運命が変更され、膵臓
が形成されることを報告している(Moriya, N. et al.;
Develop. Growth. Differ. 42, 175-185, 2000)。こ
の場合、レチノイン酸処理開始の時点では、原口上唇部
は既に背側中胚葉/前方内胚葉となるように方向付けさ
れた状態にある。しかし、予定外胚葉片を上記の様に処
理した場合、高濃度アクチビンの作用(背側中胚葉/前
方内胚葉への誘導)と、レチノイン酸の作用とを同時に
受けることになる。このときには、予定外胚葉細胞は背
側中胚葉/前方中胚葉になり得ず、側方中胚葉が誘導さ
れてしまうと推測される(Moriya, N. et al.; Develo
p. Growth. Differ. 35, 123-128, 1993)。また、レチ
ノイン酸の膵臓誘導作用は、すでに背側中胚葉/前方内
胚葉へと方向付けされている細胞に対してのみ有効であ
る可能性が考えられる。
【0027】実施例3(予定外胚葉片のアクチビンとレ
チノイン酸の時間差処理により分化する組織) アクチビンの作用により背側中胚葉/前方内胚葉への分
化が決定された後、初めてレチノイン酸の作用を受けら
れるように、アクチビン処理とレチノイン酸処理の間に
タイムラグを設けた。実施例1の切り出した予定外胚葉
片を、100ng/mlのアクチビン溶液中に1時間静
置した後、0.1%のBSA含有スタインバーグ溶液で
2回洗浄し、0.1%のBSA含有スタインバーグ溶液
中に表3に示す各タイムラグ時間だけ静置した。タイム
ラグ経過後、予定外胚葉片を10 -4Mのレチノイン酸溶
液中で1時間静置し、0.1%のBSA含有スタインバ
ーグ溶液で2回洗浄した後、0.1%のBSA含有スタ
インバーグ溶液中で20℃で10日間培養した(図1の
タイムラグ処理参照)。これら培養した外植体を実施例
2の方法と同様に染色し、分化した組織を光学顕微鏡に
て観察・検定した。結果を表3に示す。
【0028】
【表3】
【0029】上記の結果から、アクチビン(100ng
/ml)とレチノイン酸(10-4M)の同時処理あるい
はタイムラグ0時間の処理(アクチビン処理後すぐにレ
チノイン酸処理)の場合には、前腎管が高率に分化して
いた(表3、図2C:参考写真1参照)。タイムラグが
3〜5時間の場合、前腎管形成率は低く、膵臓形成率は
最も高く80%以上であることがわかった(表3、図2
D:参考写真1参照)。タイムラグ15時間以上では脊
索や咽頭上皮が分化することがわかった(表3、図2
E:参考写真1参照)。しかし、タイムラグが3時間未
満あるいは15時間以上の場合の膵臓形成率は低かった
(表3)。光学顕微鏡による観察では、タイムラグが3
〜5時間のときにみられた膵臓は複数の細胞が集合して
分泌腺(腺房)様構造を示し、これらの細胞群の中には
中央に腺腔様の空洞が明確に認められるものがあった。
また、これらの膵臓は、核が腺房の基底側に位置し、腺
房の中央付近がエオシンで強く染まり、ブドウ状の細胞
集合体を形成することから正常胚の膵臓に類似している
ことがわかった(図2D)。
【0030】これらのことから、タイムラグを設けるこ
とにより膵臓に分化するようになったことは、アクチビ
ンにより予定外胚葉細胞が背側中胚葉/前方内胚葉へと
方向付けされてから、レチノイン酸の膵臓誘導作用を有
効に受けられる準備が整うまでに3〜5時間を要するこ
とを示唆する。この期間以前ではレチノイン酸の作用
は、おこりつつある中胚葉性組織の決定に影響し、この
時期間以降では内胚葉性組織の決定も終了してしまうと
推測できる。したがって、タイムラグ1〜3時間の処理
では前腎管が誘導され、3〜5時間では膵臓が誘導さ
れ、5時間以降ではレチノイン酸処理しない場合と同様
に脊索や咽頭上皮が形成されたと考えられる。なお、図
2C、図2D、図2E中のnotは脊索を、neuは神
経組織を、proは前腎管を、panは膵臓を、int
は腸上皮を、phaは咽頭上皮をそれぞれ意味し、スケ
ールバーは100μmを表す。
【0031】また、光学顕微鏡において、上記外植体中
に分化した膵臓は肥厚した腸上皮によって囲まれている
ことがわかった。正常胚において内胚葉性上皮は口から
肛門までつながっており、その形態は連続的に変化す
る。また、咽頭と腸はどちらも内胚葉性上皮であるが、
咽頭上皮は細胞高が低く立方体状の細胞が並んだ形態を
示すのに対し、腸上皮は細胞高が高く、縦長の細胞が並
んで上皮を形成していることが知られている(Chalmer
s, A. D. and Slack, J. M. W.; Dev. Dyn. 212,509-52
1, 1998)。そこで、上皮の肥厚の度合いを基準にし
て、細胞の「縦/横」の比が3以下のものを「咽頭上
皮」とし、3以上のものを「腸上皮」としてカウントし
た。また、アクチビン処理とレチノイン酸処理の間に5
時間のタイムラグを設けた場合、レチノイン酸はアクチ
ビン処理により誘導される咽頭上皮の形成を抑制して、
膵臓や腸を誘導していることがわかった。なお、正常胚
及び成体では、咽頭は胚の前方に位置し、膵臓と十二指
腸はそれより後方に互いに接近して存在し、膵臓は十二
指腸につながって消化酵素を分泌していることが知られ
ている。
【0032】これまでの報告により、ツメガエル初期胚
をレチノイン酸処理すると頭部欠損胚となること(Durs
ton, A. J. et al.; Nature 340, 140-144, 1989)や、
レチノイン酸は前方分子マーカーを抑制し、後方マーカ
ーを誘導すること(Ruizi Altaba, A. and Jessell,
T.; Development 112, 945-958, 1991、Ruizi Altaba,
A. and Jessell, T.; Genes. Dev. 5, 175-187, 1991、
Lopez, S. L. and Carrasco, A. E.; Mech. Dev. 36, 1
53-164, 1992、Kolm, P. J. et al.; Dev. Biol.192, 1
-6, 1997)や、レチノイン酸及びその受容体が胚の後方
部分に局在すること(Ellinger-Ziegelbauer, H. and D
reyer, C.; Genes. Dev. 5, 94-104, 1991、Chen, Y. e
t al.; Dev. Biol. 161, 70-76, 1994)が知られてい
る。これらのことから、高濃度アクチビンにより誘導さ
れた前方内胚葉(このままでは咽頭に分化する)をレチ
ノイン酸が後方化し、膵臓と腸上皮が形成されたと推測
できる。なお、表中で高濃度レチノイン酸処理の場合に
も咽頭上皮の形成率が高いのは、外植体中に少しの咽頭
上皮がある場合にもカウントしているためであり、実際
の組織観察においては膵臓と共存して分化しているのは
腸上皮が圧倒的に多かった(図2D)。
【0033】また、ツメガエル胚の内胚葉に対するレチ
ノイン酸の影響を調べた報告がある(Zeynali, B. and
Dixon, K. E.; Dev. Genes. Evol. 208, 318-326, 199
8)。ツメガエル胚をレチノイン酸で処理し、その後の
消化管の形成を調査したところ、消化管の形態に異常が
認められたが、膵臓形成は正常であった。ここでレチノ
イン酸が膵臓形成に影響を与えなかった理由は、処理す
る時期が発生段階22〜32と遅かったこと、胚全体に
対する影響をみていることが考えられる。本発明者ら
は、胞胚〜原腸胚の時期に胚全体のレチノイン酸処理を
実施した。これらの胚は頭部欠損胚となったが、内胚葉
性器官に特異的な欠損や肥大はみられず、体内で膵臓が
特異的に誘導されることはなかった。ただし、各内胚葉
性器官の位置関係は異常で、前後軸方向に凝集して形成
されていた。このことからも、レチノイン酸は膵臓を特
異的に誘導する作用を有するのではなく、内胚葉性細胞
に対する後方化作用によって膵臓分化を誘導したと考え
られる。
【0034】次に実施例1の切り出した予定外胚葉片
を、タイムラグを5時間として上記と同様に処理し、2
0℃で10日間培養した外植体を緩衝液I(3%のパラ
ホルムアルデヒド、2.5%のグルタルアルデヒド、
0.1Mのカコジル酸塩;pH7.4)で1日間前固定
した。この固定した外植体を、緩衝液Iで洗浄し、続い
て緩衝液II(1%のOsO4、0.1Mのカコジル酸
塩;pH7.4)で2時間固定し、緩衝液IIで洗浄した
後、エタノール−アセトンシリーズで脱水処理し、エポ
キシ樹脂に包埋した。この包埋した外植体を超薄切片に
切断し、酢酸ウラニルとクエン酸鉛により二重染色し、
透過型電子顕微鏡(JEM−200CX;JOEL社
製)で観察した(図3:参考写真2参照)。この結果、
外植体中にはいくつかの細胞が集合した外分泌腺様構造
が確認できた。これらの細胞群の中央には、腺腔と思わ
れる空洞があり(図3A)、空洞の反対側すなわち、腺
房細胞の基底側に核、空洞側の細胞内部には電子密度の
高い分泌顆粒(直径0.2〜1.0μm)が数多く存在
しており、これらの構造は正常胚の膵臓の外分泌腺及び
外分泌顆粒に酷似していることがわかった(Lozano, M.
T. et al1.; Gen. Comp. Endocrinol. 114, 191-205,
1999)。また、これ以外に2種類の異なる分泌顆粒を含
包する細胞が確認できた。一つは、電子密度の高い分泌
顆粒(直径0.1〜0.3μm)を含む細胞で、これは
膵臓ランゲルハンス島のグルカゴン産生細胞(Leone,
F. et al.; L. Embryol. Exp. Morph. 36, 711-724, 19
76、Lozano, M.T. et al1.; Gen. Comp. Endocrinol. 1
14, 191-205, 1999)に類似するものであり(図3
B)、もう一つは分泌顆粒(直径0.2〜1.0μm)
内に電子密度の高い核を持つものでインスリン産生細胞
(Leone, F. et al.; L. Embryol. Exp. Morph. 36, 71
1-724, 1976、Lozano, M. T. et al1.; Gen. Comp. End
ocrinol. 114, 191-205, 1999)に類似するものである
ことがわかった(図3C)。なお、図3A、図3B、図
3C中のスケールバーはそれぞれ、5、1、1μmを表
し、luは腺腔を意味し、図3A中の矢印は外分泌顆粒
を、図3B中の矢印はグルカゴン産生細胞様の分泌顆粒
を、図3C中の矢印はインスリン産生細胞様の分泌顆粒
をそれぞれ示している。
【0035】実施例5(膵臓特異的遺伝子の発現) 次に実施例1の切り出した予定外胚葉片を、タイムラグ
を5時間として実施例4と同様に処理し、20℃で3日
間培養した後、膵臓特異的遺伝子であるインスリン(He
nry, G. L. et al.; Development 122, 1007-1015, 199
6)とXlHbox8(Lemaire, P. et al.; Developme
nt 125, 2371-2380, 1998)の発現を文献(Yokota, C.
et al.; J. Biochem. 123, 339-346, 1998)記載の方法
により調べてみた。培養した外植体からmRNAを抽出
し、逆転写酵素(GIBCO BRL社製)を用いてcDNAを
合成した。得られたcDNA(2μg/μl)1μlに
対して、PCR反応を行い、膵臓に特異的な遺伝子であ
るインスリンとXlHbox8(PDX1のホモロジ
ー)の発現パターンを調べてみた。なお、ローディング
コントロールとしてEF−1α(延長因子1α)を用い
た。PCR反応における各遺伝子のプライマーの組合せ
としては、インスリン[insulin−F:5′−A
TGGCTCTATGGATGCAGTG−3′(配列
番号1)、insulin−R:5′−AGAGAAC
ATGTGCTGTGGCA−3′(配列番号2)]、
XlHbox8[XlHbox8−F:5′−CCTA
CAGCAACCCCTTGGTA−3′(配列番号
3)、XlHbox8−R:5′−GGGCTCTTG
TGTAGGCTGTC−3′(配列番号4)]、EF
−1α[EF−1α−F:5′−TTGCCACACT
GCTCACATTGCTTGC−3′(配列番号
5)、EF−1α−R:5′−ATCCTGCTGCC
TTCTTTTCCACTGC−3′(配列番号
6)]、をそれぞれ用いた。
【0036】上記cDNA(20ng/μl)5μl
に、DDWを76μl、10×Exbufferを10
μl、2.5mMのdNTPs mixを8μl、5U
/μlのExTaqを0.5μl、100μMの上記各
プライマーを0.5μl加え、全量100μlでPCR
反応を行った。サーマルサイクルのプログラムは、最初
のみ94℃で4分間変性させ、その後94℃で30秒間
熱変性させ、58℃で1分間伸張させ、72℃で1分間
アニーリングするというサイクルを23〜30回繰り返
し、最後に72℃で9分間アニーリングを行った。その
後、PCR増幅産物をアガロースゲル(1.5%)電気
泳動法により分離した後、サザンハイブリダイゼーショ
ンにより検出した(図4)。なお、ネガティブコントロ
ールとしてEF−1αを逆転写因子を除いた条件でRT
−PCRをおこなったものを用いた。
【0037】上記図4の結果から、無処理の外植体とレ
チノイン酸単独処理の外植体にはこれらの遺伝子発現は
みられず(図4のレーン1,3)、アクチビン単独処理
ではこれらの発現は若干誘導されるにすぎなかった(図
4のレーン2)。しかし、アクチビンとレチノイン酸で
同時に処理された外植体はこれらの遺伝子を発現し(図
4のレーン4)、アクチビンとレチノイン酸が時間差5
時間で処理されたものはさらに強く発現していることが
わかった(図4のレーン5)。また、アクチビンとレチ
ノイン酸が時間差25時間で処理されたものは、これら
の発現が時間差5時間の場合より低下していた(図4の
レーン6)。以上のことから、アクチビン単独処理で膵
臓を特異的に分化させる可能性は低く、アクチビンとレ
チノイン酸で処理することにより膵臓は高率で形成され
ることがわかった。
【0038】実施例6(アクチビンとレチノイン酸処理
した外植体の免疫組織化学) 次に実施例1の切り出した予定外胚葉片を、タイムラグ
を5時間として実施例4と同様に処理し、20℃で10
日間培養した後、外植体を緩衝液III[0.1Mの3−
モルホリノプロパンスルホン酸(MOPS:モプス)、
2mMのEGTA、1mMのMgSO4、3.7%のホ
ルムアルデヒド]で固定し、生理食塩水(PBS)で洗
浄した後、2%のスキムミルクを含む1%のBSA含有
PBSでブロッキングした。このブロッキングした外植
体を、抗インスリン(モルモットIgG)抗体(抗体希
釈倍率=1:1000;CAT#A0564;Dako Cor
poration又は抗体希釈倍率=1:1000;CAT#4
010−01;Linco Research Inc.)、あるいは抗グ
ルカゴン(マウスIgG)抗体(抗体希釈倍率=1:2
000;CAT#G−2654;シグマ社製)液中で1
晩静置したのち、PBSで洗浄した。
【0039】上記1次抗体と反応させた外植体及びコン
トロールとしての1次抗体と反応させていない外植体を
それぞれ、アルカリホスファターゼで標識した抗モルモ
ットIgG抗体(抗体希釈倍率=1:500;CAT#
61−4622;Zymed Laboratories Inc.)又はアル
カリホスファターゼで標識した抗マウスIgG抗体(抗
体希釈倍率=1:500;CAT#AQ160A;Chem
icon International Inc.)を用いて反応させ、PBS
で洗浄した。これらの2次抗体で反応させた外植体をそ
れぞれ、ニトロ安息香酸(NIB)と5−ブロモ−4−
クロロ−3−インドリルリン酸(BCIP)とを基質と
したアルカリホスファターゼ緩衝液[100mMのTr
is−HCl、5mMのMgCl2、100mMのNa
Cl、0.1%のTween−20(界面活性剤);p
H9.5]中で青色に発色させ、ブアン氏液で再固定し
た後、エタノール−キシレンシリーズにて脱水処理し、
これらの外植体をパラフィン包埋し、10μm厚に薄切
りし、透過型電子顕微鏡(JEM−200CX;JOE
L社製)で観察した(図5:参考写真3参照)。
【0040】上記図5の結果から、二次抗体(アルカリ
ホスファターゼで標識した抗モルモットIgG抗体又は
アルカリホスファターゼで標識した抗マウスIgG抗
体)のみのコントロールでは、どちらを用いても外植体
中において染色される部分はなかった(図5A、D)。
しかし、1次抗体が抗インスリン抗体の場合では、外植
体中に数カ所染色される部分を確認することができた
(図5B、C)。また、1次抗体が抗グルカゴン抗体の
場合でも同様に染色される部分が認められた(図5E、
F)。これらのことから、タイムラグを5時間としてア
クチビンとレチノイン酸で処理することにより、外植体
においてインスリンやグルカゴンが合成することや外植
体中に内分泌腺が分化することがわかった。これらのこ
とから、試験官内で形成された膵臓は、形態的のみでは
なく機能的にも正常の膵臓に類似の性質を有するもので
あると考えられる。
【0041】
【発明の効果】本発明によると、膵臓の分化・形成機構
に関しての知見を得ることができる、発生工学あるいは
臓器工学上有用なインビトロ誘導膵臓や、インビトロで
誘導した膵臓が実際に生体内でも機能できるかどうかを
評価することができる移植用膵臓や、より高等な動物の
膵疾患の診断・治療への道を拓くインビトロ誘導膵臓
を、人工的に膵臓予定域以外の胚葉域から高率に誘導す
ることができる。この方法を用いて、膵臓形成に関わる
遺伝子の探索も可能であり、得られた膵臓形成のさまざ
まな遺伝子の解析も可能で、これら遺伝子を用いること
で遺伝子治療や遺伝子診断への道が拓かれる。また、イ
ンスリン欠乏症で産まれてくる新生児や遺伝病に対し
て、これらの試験官内で形成された臓器(膵臓)を移植
することにより、治療への道が拓かれる可能性がある。
さらに、成人になって糖尿病などの成人病に対してイン
スリンをはじめとする膵臓の働きは極めて重要であり、
そのような糖尿病やその他膵臓の機能変化によってもた
らされる病気の治療への道が拓かれる可能性がある。
【0042】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> JAPAN SCIENCE AND TECHNOLOGY CORPORATION <120> Process for in vitro vertebrate pancreas formation <130> A021P18 <140> <141> <160> 6 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Primer <400> 1 atggctctat ggatgcagtg 20 <210> 2 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Primer <400> 2 agagaacatg tgctgtggca 20 <210> 3 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Primer <400> 3 cctacagcaa ccccttggta 20 <210> 4 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Primer <400> 4 gggctcttgt gtaggctgtc 20 <210> 5 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Primer <400> 5 ttgccacact gctcacattg cttgc 25 <210> 6 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Primer <400> 6 atcctgctgc cttcttttcc actgc 25
【図面の簡単な説明】
【図1】アフリカツメガエル胚の予定外胚葉片のアクチ
ビンとレチノイン酸による処理方法を示す図である。
【図2】各種処理により外植体中に分化する組織の光学
顕微鏡観察像を示す図である。
【図3】アクチビンとレチノイン酸で処理した外植体の
電子顕微鏡観察像を示す図である。
【図4】膵臓特異的遺伝子の発現パターンを示す図であ
る。
【図5】アクチビンとレチノイン酸で処理した外植体の
免疫組織化学を示す図である。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インビトロにおいて、脊椎動物の胞胚又
    は原腸胚の予定外胚葉片をアクチビンとレチノイン酸と
    により処理し、その後培養することを特徴とする脊椎動
    物の膵臓のインビトロ形成方法。
  2. 【請求項2】 アクチビンで処理し、所定時間後にレチ
    ノイン酸で処理することを特徴とする請求項1記載の脊
    椎動物の膵臓のインビトロ形成方法。
  3. 【請求項3】 アクチビンで処理し、3〜15時間後に
    レチノイン酸で処理することを特徴とする請求項2記載
    の脊椎動物の膵臓のインビトロ形成方法。
  4. 【請求項4】 アクチビンによる処理が、50〜150
    ng/mlの濃度のアクチビンでの0.5〜2時間の静
    置培養処理であることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れか記載の脊椎動物の膵臓のインビトロ形成方法。
  5. 【請求項5】 レチノイン酸による処理が、10-5M以
    上の濃度のレチノイン酸での0.5〜2時間の静置培養
    処理であることことを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    か記載の脊椎動物の膵臓のインビトロ形成方法。
  6. 【請求項6】 その後の培養が、生理食塩中での静置培
    養処理であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    記載の脊椎動物の膵臓のインビトロ形成方法。
  7. 【請求項7】 脊椎動物が、両生類に属する動物である
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の脊椎動
    物の膵臓のインビトロ形成方法。
  8. 【請求項8】 両生類に属する動物が、アフリカツメガ
    エルであることを特徴とする請求項7記載の脊椎動物の
    膵臓のインビトロ形成方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか記載の脊椎動物
    の膵臓のインビトロ形成方法により得られることを特徴
    とするインビトロで誘導した膵臓。
  10. 【請求項10】 請求項9記載のインビトロで誘導した
    膵臓を用いることを特徴とする膵臓の機能低下又は機能
    異常を治癒しうる物質のスクリーニング方法。
  11. 【請求項11】 請求項9記載のインビトロで誘導した
    膵臓を用いることを特徴とする膵臓の機能低下又は機能
    異常を検出しうる物質のスクリーニング方法。
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