JP2001332192A - 防爆補強バンドおよびバンド補強形ブラウン管 - Google Patents

防爆補強バンドおよびバンド補強形ブラウン管

Info

Publication number
JP2001332192A
JP2001332192A JP2000151764A JP2000151764A JP2001332192A JP 2001332192 A JP2001332192 A JP 2001332192A JP 2000151764 A JP2000151764 A JP 2000151764A JP 2000151764 A JP2000151764 A JP 2000151764A JP 2001332192 A JP2001332192 A JP 2001332192A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
band
explosion
face panel
shrink band
shrink
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000151764A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuomi Yatou
鉄臣 矢頭
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2000151764A priority Critical patent/JP2001332192A/ja
Publication of JP2001332192A publication Critical patent/JP2001332192A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の平板形状のシュリンクバンドでは、バ
ンド自体の剛性の欠如やフェイスパネルへの密着不足の
ため、有効に防爆を行えなかった。そこで、板厚を厚く
することなく剛性を確保することが可能で、かつフェイ
スパネルのパネルスカート部への密着性の高いシュリン
クバンドを実現し、そのシュリンクバンドの締め付け力
の最適化を図ったバンド補強形ブラウン管を提供する。 【解決手段】 シュリンクバンドの内壁部に突出形状の
表面成形加工3aを施し、剛性の向上およびフェイスパ
ネルのパネルスカート部への密着性の向上を図る。更
に、ブラウン管内部の真空化で生じたフェイスパネル中
央部の凹みの変位量の、シュリンクバンドを有する場合
と有しない場合とにおける比が、所定の範囲内に存する
ようにすることで、ブラウン管の爆縮現象を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、モニタディスプ
レイの防爆補強技術に関し、特に、防爆補強バンドおよ
びバンド補強形ブラウン管に関する。
【0002】
【従来の技術】図15は、ブラウン管の内部が真空化さ
れた際の、ブラウン管のフェイスパネル1aに生じる応
力の分布を示した図である。図15を見れば分かるよう
に、フェイスパネル1aの画像表示部分には、フェイス
パネル1aをブラウン管の内面に圧縮しようとする圧縮
応力σcが生じている。このため、フェイスパネル1a
の画像表示部分は、内面方向にわずかに変位している。
また、フェイスパネル1aの側面部分(以下、パネルス
カート部と称する)には、フェイスパネル1aをブラウ
ン管の外側へ膨張させようとする引張応力σtが生じて
いる。
【0003】これらの応力が存在するために、ブラウン
管が損壊した場合には、フェイスパネル1aを構成する
硝子材が粉砕し、大気圧の影響で一旦、管の内部に吸い
込まれる。そして、粉砕した硝子片同士の衝突等によ
り、激しい音とともに外部に放出される。一般的には、
このような現象は爆縮現象と呼ばれている。
【0004】このように真空容器体であるブラウン管が
損壊しても、外部への硝子片の放出現象が低減できるよ
うにブラウン管を補強するのが、防爆補強技術である。
【0005】ブラウン管の防爆補強技術の一例として、
シュリンクバンド方式が存在する。シュリンクバンド方
式とは、ブラウン管のパネルスカート部に、締め付け用
の金属製の防爆補強バンドを焼き嵌めして取り付ける方
式のことを指す。この方式によれば、常温における防爆
補強バンドの内周長は、パネルスカート部の外周長より
も小さく設定され、焼き嵌め時には加熱により防爆補強
バンドの内周長を膨張させてパネルスカート部への取り
付けを行う。そして、冷却により防爆補強バンドを常温
に復する。すると、防爆補強バンドが収縮してパネルス
カート部に締め付け力が加わり、引張応力σtおよび圧
縮応力σcが緩和されて、外部への硝子片の放出を低減
することができる。このようなシュリンクバンド方式
は、使用部品の構造や製造工程が簡単であるので、広く
採用されている。
【0006】図16は、シュリンクバンド方式が採用さ
れたバンド補強形ブラウン管を示す斜視図である。この
バンド補強形ブラウン管は、フェイスパネル1aが接合
され、内部が真空化されたファンネル1eと、フェイス
パネル1aのパネルスカート部1bを取り巻く防爆補強
用のバンド(以下、シュリンクバンドと称する)3とを
備えている。なお、シュリンクバンド3は、継ぎ合わせ
部4において点溶接されることにより、環状に形成され
ている。そして、シュリンクバンド3には、筐体の取り
付け枠(図示せず)にブラウン管を固定する為の取り付
け金具5が点溶接等で固着されている。
【0007】また、シュリンクバンド3とパネルスカー
ト部1bとの間には、耐熱性を有し、表面が熱可塑性樹
脂で構成された粘着テープ2が設けられている。粘着テ
ープ2は、シュリンクバンド3のすべり止め機能を果た
すとともに、シュリンクバンド3のパネルスカート部1
bへの密着を確保する機能を有する。なお、図16にお
いては、フェイスパネル1aの四隅部1dの一つにおい
て、シュリンクバンド3および粘着テープ2を一部破断
した状態で示しているが、これは、パネルスカート部1
bの表面を明示するためであり、実際には、シュリンク
バンド3および粘着テープ2はいずれも連続している。
【0008】また、パネルスカート部1bの表面には、
フェイスパネル1aを製造する際、プレス金型のモール
ドの整合線(以下、モールドマッチラインと称する)1
cが形成されている。なお、一般には、モールドマッチ
ライン1cの前後でパネルスカート部1bの傾斜の度合
いが変化しており、モールドマッチラインよりも画像表
示部分側に位置する部分は、ファンネル側に位置する部
分に比べて傾斜が内向きにきつくなっている。この傾斜
の度合いは特に、フェイスパネル1aの四隅部1d近傍
において大きい。
【0009】なお、図17は、従来のシュリンクバンド
3cの構造を示す斜視図である。また、図18は、図1
7中の切断線X3−X3における断面図である。このよ
うなシュリンクバンド3cは、一枚の帯状の金属板を略
四角形状になるよう折り曲げて、その端部の継ぎ合わせ
を行い、フェイスパネルへの嵌め込みに適した形状にな
るよう整形することで得られる。
【0010】ところで、ブラウン管は、テレビ受像機や
モニタディスプレイとして製品化された後、不特定多数
のユーザーに使用されることになる。そこで、様々な使
用環境下において視聴者の安全を確保する観点から、国
内外で種々の安全規格が制定され、その取得・承認が義
務付けられている。例えば、米国においては、UL(Un
derwriters Laboratories)試験規格の1418等があ
る。
【0011】図19は、ブラウン管の防爆補強効果を確
認する試験方法の一例を示した図である。この試験方法
によれば、フェイスパネル1aが露出するようにブラウ
ン管を支持台20に固定し、フェイスパネル1aから距
離Aの位置に障壁22aを設け、距離Bの位置に障壁2
2bを設ける。距離Aの数値例は900[mm]、距離
Bの数値例は1500[mm]である。
【0012】そして、直径50[mm]の鋼球21を振
り子状に自然落下させて、フェイスパネル1aに7
[J]の運動エネルギー(すなわち衝撃)を加える。こ
こで、フェイスパネル1aが損壊した場合は、硝子片2
3aがブラウン管の前方に飛散することになる。そし
て、障壁22aまたは22bを超えた硝子片23bの飛
散量で安全性の合否が判定される。具体的には例えば、
上述のUL1418試験規格においては障壁22aおよ
び22b間に飛来した硝子片23bの、一粒の重量が
0.025g以下、総合計の重量が0.1g以下という
条件を満たせば、安全性適合との判断が下される。
【0013】なお、衝撃印加後すぐにフェイスパネル1
aが損壊することもあれば、しばらく時間が経過した後
に損壊することもある。衝撃印加からしばらく経って損
壊するのは、衝撃印加時に生じた亀裂がフェイスパネル
1aの内部で広がり、亀裂との相乗効果でスリバー(sl
iver)現象等の二次的な破壊現象が進行するためと考え
られている。よって、衝撃印加時からフェイスパネル1
aが損壊するまでの時間についても、上記の試験におい
ては安全性を測る重要なパラメータとなる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】図17および図18に
示したように、従来のシュリンクバンド3cは平板形状
であった。そのため、シュリンクバンド3cは、フェイ
スパネル1aの四隅に接触する部分以外では、その剛性
が充分に高いものであるとはいえなかった。平板は、凹
凸のある板等に比べてたわみが生じやすく、板表面の法
線方向からの力に対し曲がりやすいからである。よっ
て、冷却時にシュリンクバンド3cを大きく収縮させて
フェイスパネル1aへの締め付け力を増加させても、例
えば四辺の部分等では剛性が低下することがあった。
【0015】またさらに、シュリンクバンド3cの取り
付け位置によってはシュリンクバンド3cのフェイスパ
ネル1aへの接着が場所によって不均一となり、両者が
完全に密着しないこともあった。
【0016】このように、シュリンクバンドの剛性が低
下し、または、シュリンクバンドのフェイスパネルへの
密着が不完全であると、締め付け力がフェイスパネル1
aに対して有効に伝達されずに、スリバー現象等の二次
的な破壊現象の進行を食い止めることが困難となり、衝
撃印加時からフェイスパネル1aが損壊するまでの時間
を長くすることができなかった。そのため、防爆試験に
容易に適合するブラウン管を得ることが難しかった。こ
のことは、ブラウン管のコスト低下を阻む遠因となって
いた。
【0017】また、近年の画像表示部分の平面化に伴
い、ブラウン管内部の真空化で生じるフェイスパネルの
画像表示部分の内面方向への変位量は大きくなってい
る。しかし、従来のシュリンクバンド3cでは、締め付
け力がフェイスパネルに対して有効に伝達されにくかっ
たために、フェイスパネルの画像表示部分の内面方向へ
の変位を緩和することは困難となっていた。
【0018】なお、フェイスパネル1aの四隅に接触す
る部分については、先述のようにモールドマッチライン
1cよりも画像表示部分側に位置する部分の傾斜が特に
きつくなっている。そのために、焼き嵌め後、常温に復
したときにモールドマッチライン1c近傍で内側に折れ
曲がる塑性変形がシュリンクバンド3cに生じ、塑性変
形時のひずみ硬化等により剛性が確保されやすい。
【0019】さて、上記のような剛性の低下への改善策
として、シュリンクバンド3cの締め付け力の低減化が
考えられる。しかし、締め付け力を低減化すれば当然、
引張応力σtや圧縮応力σcを抑制することが困難とな
るため、低減化には限界がある。
【0020】また、他の策として、シュリンクバンドの
板厚の厚肉化による剛性上昇も考えられる。しかし、板
厚を厚くすることは、シュリンクバンドをフェイスパネ
ルと相似形状に整形加工する装置の加重量等を変更する
必要があり、大幅な装置変更を要する。そのため、多大
な費用が必要となる。また、シュリンクバンド自身の材
料費や組立加工費、運搬費等もより多く必要となる。よ
って、大きなコスト上昇が避けられない。
【0021】そこで、この発明の課題は、板厚を厚くす
ることなく剛性を確保することが可能で、かつパネルス
カート部への密着性の高いシュリンクバンドを実現する
こと、並びに、そのシュリンクバンドの締め付け力の最
適化を図ったバンド補強形ブラウン管を提供することに
ある。
【0022】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、ブラウン管のフェイスパネルの側面に当接しつつこ
れを囲繞する防爆補強バンドであって、前記フェイスパ
ネルの側面に当接する部分のうち前記フェイスパネルの
四隅への当接部を除く部分に突出部が設けられた防爆補
強バンドである。
【0023】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の防爆補強バンドであって、前記突出部は複数設けられ
て網目状に配置され、前記フェイスパネルの側面に向か
って突出する防爆補強バンドである。
【0024】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の防爆補強バンドであって、前記突出部はローレット加
工により形成された防爆補強バンドである。
【0025】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載
の防爆補強バンドであって、前記突出部は前記フェイス
パネルの四辺に対する平行線として設けられ、前記防爆
補強バンドの表面が前記フェイスパネル側面から離れる
方向へと湾曲することで前記突出部は形成される防爆補
強バンドである。
【0026】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の防爆補強バンドであって、前記突出部は前記フェイス
パネル側面に接する部分のうち前記ブラウン管のモール
ド整合線よりも前記ブラウン管のファンネル側に位置す
る部分に設けられた防爆補強バンドである。
【0027】請求項6に記載の発明は、請求項1ないし
請求項5のいずれかに記載の防爆補強バンドであって、
耐食性を有する鋼板をその材料とする防爆補強バンドで
ある。
【0028】請求項7に記載の発明は、請求項1ないし
請求項6のいずれかに記載の防爆補強バンドが取り付け
られたバンド補強形ブラウン管である。
【0029】請求項8に記載の発明は、請求項7に記載
のバンド補強形ブラウン管であって、前記バンド補強形
ブラウン管に作用せしむべき前記防爆補強バンドの締め
付け力に応じて、前記防爆補強バンドの材料を選択した
バンド補強形ブラウン管である。
【0030】
【発明の実施の形態】<実施の形態1>本実施の形態
は、板厚の増大を伴わずに剛性が高く、かつ、パネルス
カート部への密着性の高いシュリンクバンドを実現する
ものである。
【0031】図1は、本実施の形態にかかるシュリンク
バンド3aを示す斜視図である。また、図2は、図1中
の切断線X1−X1における断面図である。図1に示す
ように、シュリンクバンド3aは、パネルスカート部に
当接する部分のうちフェイスパネルの四隅への当接部を
除く部分に、ローレット加工部31が設けられている。
このローレット加工部31は、フェイスパネルの側面に
向かって突出する、例えばピラミッド状の突出部が複
数、網目状に配置されたパターンとなっている。
【0032】このように、フェイスパネルの側面に向か
って突出する突出部が複数設けられて網目状に配置され
ておれば、平板に比べて、たわみが生じにくく、バンド
表面の法線方向からの力に対し曲がりの生じにくいシュ
リンクバンドを実現できる。よって、焼き嵌め後の冷却
時にシュリンクバンド3aを大きく収縮させてフェイス
パネルへの締め付け力を増加させても、四辺の部分等で
剛性を確保することができる。また、これにより、板厚
T1を厚くすることなく、例えば従来の平板状のシュリ
ンクバンド3cと同じ程度の板厚のままで剛性を確保す
ることができる。
【0033】すると、シュリンクバンド3aの締め付け
力がフェイスパネルに対して有効に伝達され、防爆試験
においてスリバー現象等の二次的な破壊現象の進行を食
い止めることが可能となり、衝撃印加時からフェイスパ
ネルが損壊するまでの時間を長くすることができる。そ
のため、防爆試験に容易に適合するブラウン管を得るこ
とができ、ブラウン管製造にかかるコストの低下につな
がる。
【0034】また、締め付け力がフェイスパネルに対し
て有効に伝達されるようになったために、画像表示部分
の平面化の進んだフェイスパネルであっても、その画像
表示部分の内面方向への変位を緩和することが可能とな
る。
【0035】またさらに、本実施の形態にかかるシュリ
ンクバンド3aでは、上記のようなパターンのローレッ
ト加工部31が設けられているため、図16に示した粘
着テープ2がローレット加工部31の各突出部の窪みに
入り込み、シュリンクバンド3aのパネルスカート部へ
の密着性を高めることもできる。
【0036】上記構成のシュリンクバンド3aの製造方
法を図3〜図6を用いて説明する。まず、図3に示すよ
うに、シュリンクバンド3aの材料となる帯状の金属板
3dを準備し、これを所望の板厚、板幅にするためにロ
ーラーRa,Rbで整形する。なお、このとき、一つの
ローラーRbの表面にローレット加工のパターンPTを
設けておく。これにより、ローラーRa,Rb通過後の
金属板3aに、ローレット加工部31が設けられる。
【0037】そして、適当な長さで金属板3aを切断
し、図4に示すように金属板3aを折り曲げて四隅の部
分を形成する。
【0038】次に、図5に示すように金属板3aの端部
である継ぎ合わせ部4において点溶接を行い、金属板3
aを環状にしてシュリンクバンドを成形する。
【0039】そして最後に、図6に示すように、シュリ
ンクバンド3aを、フェイスパネルへの嵌め込みに適し
た形状、すなわちフェイスパネルの外形と相似な形状に
なるように、金型Fa〜Fdを加重して押し広げる。
【0040】このように、ローレット加工によりシュリ
ンクバンドを製造すれば、容易に多数の突出部を設ける
ことができる。また、ローラーの一部にパターンを設け
るだけでよく、従来のシュリンクバンドの製造装置の大
幅な変更を要しない。よって、コスト上昇を抑制するこ
とが可能である。
【0041】なお、シュリンクバンドの材料となる金属
板3dには、耐食性を有する鋼板を用いればよい。その
ような鋼板の例として、ステンレス鋼やステンレス鋳鋼
などがある。これらの鋼板は、耐食性を有するので、シ
ュリンクバンドとしての強度を保ちつつ経年変化に強
い、という利点がある。
【0042】さて、本実施の形態にかかるシュリンクバ
ンド3aをブラウン管に適用した場合、図19に示した
防爆試験を行うことでその効果が確認できる。
【0043】本願発明者は、以下の表1に示すパラメー
タを有する17型のブラウン管に、本実施の形態にかか
るシュリンクバンド3aを適用することで実験を行っ
た。
【0044】
【表1】
【0045】なお、表1中の各パラメータは、図7〜図
10の各図中に示されたパラメータのことである。ここ
で、図8は図7中の切断線Y1−Y1における断面図、
図9は図7中の切断線Y2−Y2における断面図、図1
0は図7中の切断線Y3−Y3における断面図、をそれ
ぞれ示している。すなわち、表1中のLdはフェイスパ
ネル1aの画像表示部分の対角線の長さ、T2はフェイ
スパネル1aの中央部の肉厚、Dはフェイスパネル1a
の中央部と四隅部との落差、Ro1はフェイスパネル1
aの長軸上の外面の曲率、Ri1はフェイスパネル1a
の長軸上の内面の曲率、Ro2はフェイスパネル1aの
短軸上の外面の曲率、Ri2はフェイスパネル1aの短
軸上の内面の曲率、をそれぞれ示している。
【0046】この実験の結果は、実施の形態3において
詳述されるが、締め付け力を適性に保つことによって防
爆試験に不適合となるブラウン管を排除することがで
き、その効果が確認できた。
【0047】本実施の形態にかかるシュリンクバンドを
用いれば、フェイスパネルの側面に向かって突出する突
出部が複数設けられて網目状に配置されているので、板
厚を厚くすることなく、剛性を確保することができる。
また、本実施の形態にかかるシュリンクバンド3aで
は、上記のようなパターンのローレット加工部31が設
けられているため、図16に示した粘着テープ2がロー
レット加工部31の各突出部の窪みに入り込み、シュリ
ンクバンド3aのパネルスカート部への密着性を高める
こともできる。
【0048】<実施の形態2>本実施の形態も、板厚の
増大を伴わずに剛性が高く、かつ、パネルスカート部へ
の密着性の高いシュリンクバンドを実現するものであ
る。
【0049】図11は、本実施の形態にかかるシュリン
クバンド3bを示す斜視図である。また、図12は、図
11中の切断線X2−X2における断面図である。図1
1に示すように、シュリンクバンド3bは、パネルスカ
ート部に当接する部分のうちフェイスパネルの四隅への
当接部を除く部分に、膨み形状部32が設けられてい
る。この膨み形状部32は、フェイスパネルの四辺に対
する平行線として設けられ、パネルスカート部から離れ
る方向へとシュリンクバンド3bの材料が湾曲すること
で突出している。
【0050】このように、パネルスカート部から離れる
方向へとシュリンクバンド3bの材料が湾曲することで
突出しておれば、平板に比べて、たわみが生じにくく、
バンド表面の法線方向からの力に対し曲がりの生じにく
いシュリンクバンドを実現できる。よって、焼き嵌め後
の冷却時にシュリンクバンド3bを大きく収縮させてパ
ネルスカート部への締め付け力を増加させても、四辺の
部分等で剛性を確保することができる。また、これによ
り、その板厚を厚くすることなく、例えば従来の平板状
のシュリンクバンド3cと同じ程度の板厚のままで剛性
を確保することができる。
【0051】すると、シュリンクバンド3bの締め付け
力がフェイスパネルに対して有効に伝達され、防爆試験
においてスリバー現象等の二次的な破壊現象の進行を食
い止めることが可能となり、衝撃印加時からフェイスパ
ネルが損壊するまでの時間を長くすることができる。そ
のため、防爆試験に容易に適合するブラウン管を得るこ
とができ、ブラウン管製造にかかるコストの低下につな
がる。
【0052】また、締め付け力がフェイスパネルに対し
て有効に伝達されるようになったために、画像表示部分
の平面化の進んだフェイスパネルであっても、その画像
表示部分の内面方向への変位を緩和することが可能とな
る。
【0053】またさらに、本実施の形態にかかるシュリ
ンクバンド3bでは、上記のようなパターンの膨み形状
部32が設けられているため、図16に示した粘着テー
プ2が膨み形状部32の窪みに入り込み、シュリンクバ
ンド3bのパネルスカート部への密着性を高めることも
できる。
【0054】なお、膨み形状部32の形成位置は、パネ
ルスカート部に接したときに、モールドマッチラインよ
りもブラウン管のファンネル側に位置する部分(すなわ
ち、画像表示部分から見てモールドマッチラインよりも
後ろの部分)とすればよい。
【0055】先述のように、モールドマッチラインより
も画像表示部側に位置する部分では、ファンネル側に位
置する部分に比べて傾斜が内向きにきつくなっている。
焼き嵌め後に冷却したシュリンクバンドは、パネルスカ
ート部の形状を反映するので、モールドマッチライン近
傍ではシュリンクバンドは、若干内向きに塑性変形す
る。
【0056】すなわち、モールドマッチライン近傍では
シュリンクバンドは、若干折れ曲がっており、他の折れ
曲がっていない部分に比べてその部分の剛性は若干高
い。よって、この部分は自然に剛性が高くなるので、膨
み形状部32についてはモールドマッチラインよりも後
ろの剛性の高くない部分に設ける方がより効果的であ
る。これが、膨み形状部32の形成位置をパネルスカー
ト部に接したときに、モールドマッチラインよりもブラ
ウン管のファンネル側に位置する部分とすべき理由であ
る。
【0057】また、膨み形状部32の形成本数は、図1
1および図12に示したように一本であっても、また、
複数であってもよい。その場合も、上記と同様の効果を
有する。
【0058】なお、実施の形態1にかかるシュリンクバ
ンド3aと本実施の形態にかかるシュリンクバンド3b
とを比較した場合、本実施の形態にかかるシュリンクバ
ンド3bの方が剛性の確保の面において優れ、実施の形
態1にかかるシュリンクバンド3aの方が密着性の面に
おいて優れている。
【0059】上記構成のシュリンクバンド3bの製造方
法は、ローレット加工を施さないかわりにプレス加工等
により膨み形状部32の形成を行うこと以外は、実施の
形態1にかかるシュリンクバンド3aの製造方法と共通
している。すなわち、まず、シュリンクバンド3bの材
料となる帯状の金属板を準備し、これを所望の板厚、板
幅にするためにローラー(パターンの施されていないロ
ーラー)で整形する。
【0060】そして、適当な長さで金属板を切断し、例
えばプレス加工により膨み形状部32を金属板に形成す
る。その後、これを折り曲げて四隅の部分を形成する。
【0061】次に、継ぎ合わせ部において点溶接を行
い、金属板を環状にしてシュリンクバンドを成形する。
【0062】そして最後に、シュリンクバンドを、フェ
イスパネルの外形と相似な形状になるように、金型を加
重して押し広げる。
【0063】このように、プレス加工等により膨み形状
部32をシュリンクバンドに形成すれば、プレス加工等
の工程を追加するだけであり、従来のシュリンクバンド
の製造装置の大幅な変更を要しない。よって、コスト上
昇を抑制することが可能である。
【0064】なお、シュリンクバンドの材料となる金属
板には、耐食性を有する鋼板を用いればよい。そのよう
な鋼板の例として、ステンレス鋼やステンレス鋳鋼など
がある。これらの鋼板は、耐食性を有するので、シュリ
ンクバンドとしての強度を保ちつつ経年変化に強い、と
いう利点がある。
【0065】さて、本実施の形態にかかるシュリンクバ
ンド3bをブラウン管に適用した場合についても、図1
9に示した防爆試験を行うことでその効果が確認でき
る。
【0066】本願発明者は、実施の形態1にかかるシュ
リンクバンド3aと同様、本実施の形態にかかるシュリ
ンクバンド3bについても、上記の表1に示したパラメ
ータを有する17型のブラウン管に適用することで実験
を行った。
【0067】この実験の結果は、実施の形態3において
詳述されるが、締め付け力を適性に保つことによって防
爆試験に不適合となるブラウン管を排除することがで
き、その効果が確認できた。
【0068】本実施の形態にかかるシュリンクバンドを
用いれば、フェイスパネル側面から離れる方向へとシュ
リンクバンド3bの材料が湾曲することで、膨み形状部
32がフェイスパネルの四辺に対する平行線として設け
られている。よって、板厚を厚くすることなく、剛性を
確保することができる。また、本実施の形態にかかるシ
ュリンクバンド3bでは、上記のようなパターンの膨み
形状部32が設けられているため、図16に示した粘着
テープ2が膨み形状部32の窪みに入り込み、シュリン
クバンド3bのパネルスカート部への密着性を高めるこ
ともできる。
【0069】<実施の形態3>本実施の形態は、実施の
形態1および2にかかるシュリンクバンドを適用し、そ
のシュリンクバンドの締め付け力の最適化を図ったバン
ド補強形ブラウン管について説明するものである。
【0070】実施の形態1および2で述べたように、実
施の形態1および2にかかるシュリンクバンドをバンド
補強形ブラウン管に適用すると、シュリンクバンドの締
め付け力がフェイスパネルに対して有効に伝達され、防
爆試験においてスリバー現象等の二次的な破壊現象の進
行を食い止めることが可能となり、衝撃印加時からフェ
イスパネルが損壊するまでの時間を長くすることができ
る。そのため、防爆試験に容易に適合するブラウン管を
得ることができ、ブラウン管製造にかかるコストの低下
につながる。
【0071】また、締め付け力がフェイスパネルに対し
て有効に伝達されるようになったために、画像表示部分
の平面化の進んだフェイスパネルであっても、その画像
表示部分の内面方向への変位を緩和することが可能とな
る。
【0072】ただし、シュリンクバンドの締め付け力
は、大きすぎるとブラウン管の損壊時にフェイスパネル
を構成する硝子片を弾き飛ばしやすく、また、小さすぎ
ると充分に防爆できない。よって、いずれであっても、
図19に示したような防爆試験においては不適合となり
やすい。そのため、防爆試験に適合するバンド補強形ブ
ラウン管を得るためには、シュリンクバンドの締め付け
力を最適化することが必要となる。
【0073】さて、本実施の形態においては、シュリン
クバンドの締め付け力を表すパラメータとして、真空化
によるフェイスパネルの画像表示部分中央部の凹みの回
復率を用いる。
【0074】この回復率を図13を用いて説明する。図
13は、中央線CLを境として、右半分にシュリンクバ
ンド3の取り付け前のフェイスパネル1aの状態を示
し、左半分にシュリンクバンド3の取り付け後のフェイ
スパネル1aの状態を示した図である。右半分に示すよ
うに、真空化によって生じるフェイスパネル1aの画像
表示部分中央部の凹みの変位量をhvとする。また、左
半分に示すように、シュリンクバンド3の取り付けによ
り生じた締め付け力Pによって回復した凹みの変位量を
hbとする。このとき、
【0075】
【数1】
【0076】で表される値Rが、回復率と定義される。
すなわち、真空化に伴って生じるフェイスパネル中央部
の凹みの変位量と、シュリンクバンドを取り付けること
により凹みの回復した変位量との比を、百分率で表示し
たものが回復率である。
【0077】さて、本願発明者は、表1に示したパラメ
ータを有する17型のブラウン管に実施の形態1にかか
るシュリンクバンドを適用し、回復率を様々に設定して
図19の防爆試験を行なった。その結果の一例を表2に
示す。
【0078】
【表2】
【0079】すなわち、シュリンクバンドの締め付け力
Pが過少(回復率10%未満)の場合には、ブラウン管
の内部真空化で生じた変位量hvをシュリンクバンドの
締め付け力Pで充分に回復させることができていないの
で、爆縮現象を抑制することができず、防爆試験に不適
合となっていると表2から判断される。
【0080】また、シュリンクバンドの締め付け力Pが
過多(回復率40%以上)の場合には、逆にシュリンク
バンドの締め付け力Pでフェイスパネル1aへの衝撃印
加時に硝子片が弾き飛ばされて、防爆試験に不適合とな
っていると表2から判断される。
【0081】よって、この場合のシュリンクバンドの締
め付け力Pによるフェイスパネル1aの回復率Rの値の
最適範囲は、10%以上〜40%未満であることが判明
した。
【0082】このことから、実施の形態1にかかるシュ
リンクバンドを用いる場合には、シュリンクバンドの締
め付け力Pを制御して回復率Rの値を最適範囲内に収め
ることで、防爆試験に不適合となるバンド補強形ブラウ
ン管を排除することが可能となる。
【0083】ちなみに、上記は実施の形態1にかかるシ
ュリンクバンド3aを適用した場合の説明であるが、本
願発明者は、同じ条件で実施の形態2にかかるシュリン
クバンド3bを適用した場合も同様の防爆試験を行っ
た。その場合も、シュリンクバンドの締め付け力Pによ
るフェイスパネル1aの回復率Rの値の最適範囲は、1
0%以上〜40%未満であった。
【0084】ただし、これらの値はもちろん、上記のよ
うな条件の17型バンド補強ブラウン管にあてはまるも
のであって、全てのブラウン管についてフェイスパネル
1aの回復率Rの値の最適範囲が10%以上〜40%未
満であるというわけではない。回復率Rの値の最適範囲
は、バンド補強ブラウン管およびシュリンクバンドの形
状や大きさ等により異なる。
【0085】上記のように、回復率を様々に設定して防
爆試験を行うことで最適範囲を求め、回復率がその範囲
内となるようシュリンクバンドの締め付け力を制御する
ことにより、実施の形態1および2にかかるシュリンク
バンドの有する効果を最大限引き出すことができる。そ
の結果、防爆試験に不適合となるバンド補強形ブラウン
管を排除することが可能となる。
【0086】<実施の形態4>本実施の形態は、実施の
形態3にかかるバンド補強形ブラウン管において、その
回復率Rの値が最適範囲内に収まるように、防爆補強バ
ンドの締め付け力を制御するバンド補強形ブラウン管に
ついて説明するものである。
【0087】まず、シュリンクバンドの締め付け力P
は、
【0088】
【数2】
【0089】で表される。ここで、σはシュリンクバン
ドに発生した応力を、Aはシュリンクバンドの断面積
を、それぞれ示している。
【0090】なお一般的に、シュリンクバンドは、折り
曲げ工程においてその構成材料の降伏応力(ここでは
0.2%の永久ひずみを生じる耐力値のことを指す)を
超えて塑性加工されている。よって、加工後のシュリン
クバンドに発生する応力σは、シュリンクバンドに生じ
るひずみの値に関わらず、シュリンクバンドの構成材料
の降伏応力とほぼ同程度であり、安定している。
【0091】さて、数2から分かるように、シュリンク
バンドの締め付け力Pの制御を図るには、シュリンクバ
ンドの断面積を変更するか、シュリンクバンドの構成材
料を適切に選択してその降伏応力を限定する必要があ
る。
【0092】しかし、シュリンクバンドの断面積の変更
は、板厚または板幅の変更を伴うものであり、製造装置
の変更を伴うので採用することはできない。そこで、シ
ュリンクバンドの構成材料を適切に選択してその降伏応
力を限定することを考える。
【0093】本願発明者は、前述の表1に示した17型
のブラウン管と実施の形態1にかかるシュリンクバンド
3aとを用いて、各種材料からシュリンクバンドを形成
することでシュリンクバンドの降伏応力を様々に設定
し、各場合について回復率を計測した。なおここでは、
シュリンクバンドの形状を、板幅Wが40.0[m
m]、板厚T1が1.0[mm]となるように形成し
た。よって、ここではシュリンクバンド3aの断面積は
40[mm2]である。
【0094】さて、その計測結果の一例を表3に示す。
【0095】
【表3】
【0096】なお、表3において、締め付け力Pの値
が、シュリンクバンド3aの降伏応力の値と断面積の値
との積よりも若干大きな値となっている。これは、焼き
嵌め工程を経ることで締め付け力が増加するからであ
る。
【0097】すなわち、表3から分かるように、この場
合は、シュリンクバンド3aの構成材料の降伏応力の値
を0.20[GPa]以上〜0.40[GPa]未満の
範囲に限定することで、フェイスパネル1aの回復率R
の値を10%以上〜40%未満の範囲内に収めることが
できる。
【0098】ただし、これらの値はもちろん、上記のよ
うな条件の17型バンド補強ブラウン管にあてはまるも
のであって、全てのシュリンクバンド3aの構成材料の
降伏応力の値を0.20[GPa]以上〜0.40[G
Pa]未満の範囲に限定すればよいというものではな
い。回復率Rの値を最適範囲内に収めるための降伏応力
の最適範囲は、バンド補強ブラウン管およびシュリンク
バンドの形状や大きさ等により異なる。
【0099】本実施の形態にかかるバンド補強形ブラウ
ン管を用いれば、上記のように、バンド補強形ブラウン
管に作用せしむべき防爆補強バンドの締め付け力に応じ
て、防爆補強バンドの材料を選択して、その降伏応力の
値を限定するので、フェイスパネルの回復率の値が最適
範囲内に収まるようにすることができる。
【0100】なお、シュリンクバンドの締め付け力は、
その断面積の値およびバンド材料の降伏応力の値を一定
とした場合には、パネルスカート部に当接するシュリン
クバンドの内壁部の周長(すなわち内周長)と、パネル
スカート部のモールドマッチライン近傍の外壁部の周長
(すなわち外周長)との組み合わせで決定される。な
お、シュリンクバンドの内周長については図5において
Lmとして表し、パネルスカート部の外周長については
図7においてLgとして表している。
【0101】図14は、シュリンクバンドの内周長Lm
の値とパネルスカート部の外周長Lgの値との組み合わ
せを示した図である。図14では、シュリンクバンドの
内周長の許容公差を±β、パネルスカート部の外周長の
許容公差を±αとしている。
【0102】図14において、点P1は、公差の値が−
βのシュリンクバンドと公差の値が+αのパネルスカー
ト部のブラウン管との組み合わせの場合であり、最大の
締め付け力となる場合である。逆に、点P2は、公差の
値が+βのシュリンクバンドと公差の値が−αのパネル
スカート部のブラウン管との組み合わせの場合であり、
最小の締め付け力となる場合である。
【0103】このように、許容公差の範囲内であって
も、締め付け力の値は若干変動するので、シュリンクバ
ンドの構成材料の降伏応力の値を限定することでシュリ
ンクバンドの締め付け力の制御を行う場合には、この変
動を考慮しておき、フェイスパネルの回復率の値が最適
範囲内に余裕を持って収まるようにすることが望まし
い。
【0104】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、フェイ
スパネルの側面に当接する部分のうちフェイスパネルの
四隅への当接部を除く部分に突出部が設けられているの
で、平板に比べて、たわみが生じにくく、バンド表面の
法線方向からの力に対し曲がりが生じにくい。よって、
焼き嵌め後の冷却時に防爆補強バンドを大きく収縮させ
てフェイスパネルへの締め付け力を増加させても、四辺
の部分等で剛性を確保することができる。また、板厚を
厚くすることなく、剛性を確保することもできる。
【0105】請求項2に記載の発明によれば、突出部が
複数設けられて網目状に配置され、フェイスパネルの側
面に向かって突出するので、熱可塑性樹脂で構成された
粘着テープを介してフェイスパネルの側面に取り付けら
れたときに、粘着テープが各突出部の窪みに入り込み、
防爆補強バンドのパネルスカート部への密着性を高める
ことができる。
【0106】請求項3に記載の発明によれば、突出部が
ローレット加工により形成されるので、容易に多数の突
出部を設けることができる。また、ローラーの一部にパ
ターンを設けるだけでよく、従来の防爆補強バンドの製
造装置の大幅な変更を要しない。よって、コスト上昇を
抑制することが可能である。
【0107】請求項4に記載の発明によれば、突出部は
前記フェイスパネルの四辺に対する平行線として設けら
れ、防爆補強バンドの表面がフェイスパネル側面から離
れる方向へと湾曲することで突出部が形成されるので、
熱可塑性樹脂で構成された粘着テープを介してフェイス
パネルの側面に取り付けられたときに、粘着テープが突
出部の窪みに入り込み、防爆補強バンドのパネルスカー
ト部への密着性を高めることができる。また、プレス加
工等により突出部を防爆補強バンドに形成すれば、プレ
ス加工等の工程を追加するだけであり、従来の防爆補強
バンドの製造装置の大幅な変更を要しない。よって、コ
スト上昇を抑制することが可能である。
【0108】請求項5に記載の発明によれば、突出部は
フェイスパネル側面に接する部分のうちブラウン管のモ
ールド整合線よりもブラウン管のファンネル側に位置す
る部分に設けられているので、モールド整合線よりも後
ろの部分の剛性を改善することができる。
【0109】請求項6に記載の発明によれば、耐食性を
有する鋼板を防爆補強バンドの材料とするので、防爆補
強バンドとしての強度を保ちつつ経年変化に強い。
【0110】請求項7に記載の発明によれば、請求項1
ないし請求項6のいずれかに記載の防爆補強バンドが取
り付けられるので、防爆補強バンドの締め付け力がフェ
イスパネルに対して有効に伝達され、防爆試験において
スリバー現象等の二次的な破壊現象の進行を食い止める
ことが可能となり、衝撃印加時からフェイスパネルが損
壊するまでの時間を長くすることができる。そのため、
防爆試験に容易に適合するブラウン管を得ることがで
き、ブラウン管製造にかかるコストの低下につながる。
また、締め付け力がフェイスパネルに対して有効に伝達
されるようになるために、画像表示部分の平面化の進ん
だフェイスパネルであっても、その画像表示部分の内面
方向への変位を緩和することが可能となる。また、真空
化に伴って生じるフェイスパネル中央部の凹みの変位量
と、防爆補強バンドを取り付けることにより凹みの回復
した変位量との比を、様々に設定して防爆試験を行うこ
とで比の最適範囲を求め、その比を最適範囲内に収める
ことにより、防爆補強バンドの有する効果を最大限引き
出すことができる。
【0111】請求項8に記載の発明によれば、バンド補
強形ブラウン管に作用せしむべき防爆補強バンドの締め
付け力に応じて、防爆補強バンドの材料を選択するの
で、フェイスパネル中央部の凹みの変位量と凹みの回復
した変位量との比を所定の範囲内に収めることができ
る。その結果、防爆補強バンドの有する効果を最大限引
き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1にかかるシュリンクバンドを示
す斜視図である。
【図2】 実施の形態1にかかるシュリンクバンドを示
す断面図である。
【図3】 実施の形態1にかかるシュリンクバンドの製
造工程を示す図である。
【図4】 実施の形態1にかかるシュリンクバンドの製
造工程を示す図である。
【図5】 実施の形態1にかかるシュリンクバンドの製
造工程を示す図である。
【図6】 実施の形態1にかかるシュリンクバンドの製
造工程を示す図である。
【図7】 実施の形態1にかかるシュリンクバンドを適
用した17インチ型のブラウン管を示す平面図である。
【図8】 実施の形態1にかかるシュリンクバンドを適
用した17インチ型のブラウン管を示す断面図である。
【図9】 実施の形態1にかかるシュリンクバンドを適
用した17インチ型のブラウン管を示す断面図である。
【図10】 実施の形態1にかかるシュリンクバンドを
適用した17インチ型のブラウン管を示す断面図であ
る。
【図11】 実施の形態2にかかるシュリンクバンドを
示す斜視図である。
【図12】 実施の形態2にかかるシュリンクバンドを
示す断面図である。
【図13】 実施の形態3にかかるバンド補強形ブラウ
ン管の回復率を説明する図である。
【図14】 シュリンクバンドの内周長の値とパネルス
カート部の外周長の値との組み合わせを示す図である。
【図15】 ブラウン管のフェイスパネルにかかる引張
応力および圧縮応力を示す図である。
【図16】 バンド補強形ブラウン管を示す図である。
【図17】 従来のシュリンクバンドを示す斜視図であ
る。
【図18】 従来のシュリンクバンドを示す断面図であ
る。
【図19】 防爆試験を示す図である。
【符号の説明】
1a フェイスパネル、1b パネルスカート部、1c
モールドマッチライン、1d 四隅部、1e ファン
ネル、2 粘着テープ、3,3a〜3c シュリンクバ
ンド、31 ローレット加工部、32 膨み形状部、4
継ぎ合わせ部。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブラウン管のフェイスパネルの側面に当
    接しつつこれを囲繞する防爆補強バンドであって、 前記フェイスパネルの側面に当接する部分のうち前記フ
    ェイスパネルの四隅への当接部を除く部分に突出部が設
    けられた防爆補強バンド。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の防爆補強バンドであっ
    て、 前記突出部は複数設けられて網目状に配置され、前記フ
    ェイスパネルの側面に向かって突出する防爆補強バン
    ド。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の防爆補強バンドであっ
    て、 前記突出部はローレット加工により形成された防爆補強
    バンド。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の防爆補強バンドであっ
    て、 前記突出部は前記フェイスパネルの四辺に対する平行線
    として設けられ、前記防爆補強バンドの表面が前記フェ
    イスパネル側面から離れる方向へと湾曲することで前記
    突出部は形成される防爆補強バンド。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の防爆補強バンドであっ
    て、 前記突出部は前記フェイスパネル側面に接する部分のう
    ち前記ブラウン管のモールド整合線よりも前記ブラウン
    管のファンネル側に位置する部分に設けられた防爆補強
    バンド。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれかに記
    載の防爆補強バンドであって、 耐食性を有する鋼板をその材料とする防爆補強バンド。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のいずれかに記
    載の防爆補強バンドが取り付けられたバンド補強形ブラ
    ウン管。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のバンド補強形ブラウン
    管であって、 前記バンド補強形ブラウン管に作用せしむべき前記防爆
    補強バンドの締め付け力に応じて、前記防爆補強バンド
    の材料を選択したバンド補強形ブラウン管。
JP2000151764A 2000-05-23 2000-05-23 防爆補強バンドおよびバンド補強形ブラウン管 Pending JP2001332192A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000151764A JP2001332192A (ja) 2000-05-23 2000-05-23 防爆補強バンドおよびバンド補強形ブラウン管

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000151764A JP2001332192A (ja) 2000-05-23 2000-05-23 防爆補強バンドおよびバンド補強形ブラウン管

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001332192A true JP2001332192A (ja) 2001-11-30

Family

ID=18657267

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000151764A Pending JP2001332192A (ja) 2000-05-23 2000-05-23 防爆補強バンドおよびバンド補強形ブラウン管

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001332192A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100400783B1 (ko) * 2001-12-28 2003-10-08 엘지.필립스디스플레이(주) 음극선관용 밴드의 체결구조
JP2009168250A (ja) * 2009-03-16 2009-07-30 Kentaro Osada 締結部材

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100400783B1 (ko) * 2001-12-28 2003-10-08 엘지.필립스디스플레이(주) 음극선관용 밴드의 체결구조
JP2009168250A (ja) * 2009-03-16 2009-07-30 Kentaro Osada 締結部材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH05135712A (ja) 陰極線管
JP2001332192A (ja) 防爆補強バンドおよびバンド補強形ブラウン管
EP0360134B1 (en) Cathode ray tube
JP3198007B2 (ja) 開口のある破裂防護手段を有する陰極線管
US5055934A (en) Implosion protection means having mounting lug base-accommodating concavities therein
US20040164663A1 (en) Color cathode ray tube
JP2699125B2 (ja) 耐内破性陰極線管
EP1343193A2 (en) Color cathode ray tube
US5241393A (en) Cathode-ray tube having implosion protection band
US6844668B2 (en) Flat panel for use in a cathode ray tube
JP3478500B2 (ja) 陰極線管用ガラスファンネル及び陰極線管用ガラスバルブ
JP2770663B2 (ja) シャドウマスク構体
JP2003100235A (ja) 陰極線管用ガラスバルブおよび陰極線管
KR100558167B1 (ko) 음극선관용 유리퍼넬 및 음극선관용 유리벌브
US6624855B1 (en) Safety band for cathode ray tube
JP2000149831A (ja) バンド補強型ブラウン管
US4264931A (en) Implosion protection for TV tubes
KR100587892B1 (ko) 음극선관용 유리퍼넬 및 음극선관용 유리벌브
JPH06103927A (ja) 防爆陰極線管
EP0484185A1 (en) Flat display vacuum tube
US7304422B2 (en) Glass structure of cathode ray tube
JP3817731B2 (ja) 陰極線管用ガラスファンネル及び陰極線管用ガラスバルブ
JPH10199452A (ja) バンド補強型ブラウン管
JP2888431B2 (ja) カラー受像管
JPH03187136A (ja) 陰極線管のフェースプレート・パネル用の収縮密着型爆縮防止バンド