JP2000149831A - バンド補強型ブラウン管 - Google Patents

バンド補強型ブラウン管

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JP2000149831A
JP2000149831A JP10317124A JP31712498A JP2000149831A JP 2000149831 A JP2000149831 A JP 2000149831A JP 10317124 A JP10317124 A JP 10317124A JP 31712498 A JP31712498 A JP 31712498A JP 2000149831 A JP2000149831 A JP 2000149831A
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band
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skirt
face
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Tetsuomi Yatou
鉄臣 矢頭
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パネルフェース外面が平面形状のブラウン管
の爆縮現象の低減化を図る。 【解決手段】 パネルフェース外面が平面形状のブラウ
ン管において、パネルスカート1b外周に、パネルスカ
ート1bを締めつけると共に、ブラウン管外囲器の真空
処理によってパネルフェース1aに生じる内方向の変位
を低減させる力が作用するように、シュリンクバンド3
が取り付けられている。また、シュリンクバンド3は、
そのパネルフェース側縁部の位置31が、パネルフェー
ス表面から測って、パネルフェース中央部の肉厚Tpの
1/2に等しい距離の位置Aを基準位置とし、この基準
位置Aからパネルフェース方向及びファンネル方向の所
定の範囲内に取り付けられている。さらに、所定の範囲
が、零乃至パネルフェース中央部の肉厚Tpの25%に
設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、バンド補強型ブ
ラウン管に関し、さらに詳しくは、パネルフェースの外
面が平面形状に形成されたブラウン管において、パネル
スカートに対する金属バンドの取り付け位置やその締め
付け力の最適化を図るこにより爆縮現象を低減したもの
である。
【0002】
【従来の技術】図6はブラウン管の内部真空化に伴う応
力発生を説明する説明図で、ブラウン管の内部が真空処
理された際にパネルフェース及びパネルスカートに生じ
る応力を示している。図6によるとパネルフェースの中
央部には、圧縮応力σc、パネルスカートには引張り応
力σtが作用しており、ブラウン管が損壊した場合、真
空容器体であるブラウン管の破片は、大気圧の影響で一
旦、管の内部に吸い込まれ、粉砕した硝子片の衝突等で
激しい音とともに外部に放出される。一般的には、この
ような現象は爆縮現象と呼ばれている。なお、図6にお
いて、Cは管軸をしめしている。このように真空容器体
であるブラウン管が損壊しても、外部への硝子片の放出
現象が低減出来るようにブラウン管を補強するのが、防
爆処理技術である。
【0003】周知のブラウン管の防爆処理技術として、
シュリンク方式と呼ばれるものがある。このシュリンク
方式は、ブラウン管の内部真空化でパネルスカートに生
じた引張り応力σtを減少させるために、締め付け用の
環状の金属帯枠をパネルスカート外周に焼き嵌めにて取
り付けるものである。一例として、特開平5ー1982
77号公報に開示されたものがあるが、その外にも多く
の例がある。図7は従来慣用的に用いられているシュリ
ンク方式のバンド補強型ブラウン管の概要を示す斜視図
である。図7において、1はブラウン管、11はパネル
部、1aはパネル画像面(以下、パネルフェースと呼
ぶ)で、内面には、電子銃から発射された電子ビームに
応じて画像が映し出される蛍光体スクリーンが設けられ
ている。1bはパネルスカート、1cはパネルスカート
1bの外周に形成されたモールド整合線(以下、モール
ドマッチラインと呼ぶ)で、パネルを製造する際に、シ
ェル金型とボトム金型とが当接している部位に形成され
る線である。1dはパネルフェース1aのコーナー部、
12はパネルスカート1bに溶着されたファンネル部、
13はファンネル部12の端部を形成しているネック部
で、内部に電子銃が装着されている。なお、パネル部1
1、ファンネル部12及びネック部13によりブラウン
管1の外囲器が構成されている。
【0004】2はパネルスカート1bの外周壁に貼付さ
れた耐熱性の粘着テープ、3は環状の金属帯枠(以下、
シュリンクバンドと呼ぶ)で、粘着テープ2を介してパ
ネルスカート1bの外周壁に焼き嵌めにて取り付けられ
ている。なお、シュリンクバンド3は、継合部4を点溶
接することにより環状に形成されている。5は、L字形
状の取り付け金具で、ブラウン管1を取り付け枠(図示
せず)に固定するための孔が形成されており、点溶接等
でシュリンクバンド3の4隅に取り付けられている。次
に、シュリンクバンド3の取り付け方は、まずパネルス
カート1bのモールドマッチライン1cの外周の長さよ
りもやや短い内周長で形成された均一な厚さの薄いシュ
リンクバンド3を加熱により伸張させて、パネルスカー
ト1bに嵌め込み、シュリンクバンド3が常温に復した
時、パネルスカート1bに締め付け力が加わるようにな
っている。そして、ブラウン管1は、シュリンクバンド
3の締め付け力で、パネルフェース1aの中央部に生じ
た、外囲器の内部真空化に伴う内方向の変形を減少さ
せ、爆縮現象を低減している。なお、図7において、耐
熱性の粘着テープ2及びシュリンクバンド3は一部を破
断して示してある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図8はブラウン管の内
部真空化に伴う内方向の変形とシュリンクバンド締め付
け力による内方向の変形の回復を説明する説明図であ
る。図8に示すように、従来のブラウン管1は、パネル
フェース1aが外方向に曲率Roを有しているので、シ
ュリンクバンド3取り付け後の締め付け力Pで外囲器の
内部真空化で生じたパネルフェース1aの変位量hvを
hbだけ低減させることが出来た。詳しくは、図9に示
すように、シュリンクバンド3の締め付け力Pは、垂直
分力σnと平行分力τに分散されるが、その合成合力σ
rは、パネルフェース1aの外面が曲率Roを有してい
るので、この曲率に沿って作用する。従って、パネルフ
ェース中央部が内方向に変形していたものが、上記合成
合力σrにより外方向に変形される。即ち、変位量hv
がhbだけ回復する。なお、変位量hv,hbは、パネ
ルフェース1aの中心部で測った変位量である。
【0006】これに対して、パネルフェース1aの外面
が平面形状のブラウン管は、パネルフェース1aの外面
が曲率Roを有するブラウン管と同様にシュリンクバン
ドを取り付けても、必ずしも内部真空化で生じた変位量
hvをhbだけ低減させることが出来ないという問題が
あった。即ち、図10に示すように、パネルフェース1
a外面の平面化に伴い、外囲器の内部真空化で生じる内
方向の変位hvは、パネルスカート1bからのシュリン
クバンド3の締め付け力Pで、更に、内方向へHbだけ
助長される。つまり、変位量がhv+Hbとなり、内方
向の変位量hvをシュリンクバンド3の締め付け力P
で、外方向に変形させることが困難であるという問題が
あった。
【0007】詳しくは、図11に示すように、シュリン
クバンド3の締め付け力Pは、垂直分力σn と平行分力
τとに分散されるが、パネルフェース1aの外面は曲率
を有していないので、その合成力σriは内方向に作用
し、パネルフェースの中央部の内方向の変位量が助長さ
れる。これは、パネルフェース1aの中央部と周壁部と
では、板厚に差異があり、周壁部の方が厚いので周壁部
が剛体構造となるため、内方向に変形を生ずると考えら
れる。上記の内方向に変形を生ずるということは、シュ
リンクバンド3の締め付け力Pで、外囲器の内部真空化
で生じたパネルフェース1aの中央部の内方向の変位量
hvを回復させることが出来得ていないことを意味す
る。
【0008】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、パネルフェースの外面が平面形
状のブラウン管において、シュリンクバンドのパネルス
カートに対する取り付け位置やその締め付け力の最適化
を図ることにより、シュリンクバンドの締め付け力によ
ってパネルフェースに外方向の合成力が生ずるように
し、ブラウン管の内部真空化でパネルフェースに生じた
内方向の変形を外方向に回復させことができるようにし
たバンド補強型ブラウン管を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明に係るバンド補
強型ブラウン管は、パネルフェースとパネルスカートと
からなり、パネルフェースの外面は、略平面形状に形成
され、内面は、所定の曲率形状に形成されると共に、電
子銃から発射された電子ビームに応じて画像が映し出さ
れる蛍光体スクリーンが設けられたパネル部と、パネル
スカートに溶着されたファンネル部とにより構成された
外囲器、パネルスカート外周に、パネルスカートを締め
つけると共に、外囲器の真空処理によってパネルフェー
スに内方向に生じる変位を低減させる力が作用するよう
に取り付けられた環状のバンドを備えたものである。
【0010】また、環状のバンドは、そのパネルフェー
ス側縁部の位置が、パネルフェース表面から測って、パ
ネルフェース中央部の肉厚の1/2に等しい距離の位置
を基準位置とし、この基準位置からパネルフェース方向
及びファンネル方向の所定の範囲内に取り付けられてい
るものである。さらに、所定の範囲が、零乃至パネルフ
ェース中央部の肉厚の25%に設定されているものであ
る。また、環状のバンドは、バンドの作用によるパネル
フェース中央部の外方向の変位量をhb、外囲器の内部
真空化で生じるパネルフェース中央部の内方向の変位量
をhvとしたとき、〔(hb/hv)〕×100(%)
で表した回復率が所定の範囲に入るような締めつけ力
で、取り付けられているものである。さらに、所定の範
囲が10%〜40%に設定されているものである。
【0011】さらにまた、環状のバンドは、パネルスカ
ートの外周に形成されたモールド整合線を境界として、
パネルフェース側のパネルスカート外面の傾きをθ1及
びバンドの幅をw1、ファンネル側のパネルスカート外
面の傾きをθ2及びバンドの幅をw2としたとき、w1
/w2=sinθ1/sinθ2を満たすように取り付
けられているものである。また、環状のバンドの材料
に、0.2%耐力値が、所定の範囲内のものを用いたも
のである。さらに、所定の範囲が、20kgf/mm2
〜40kgf/mm2 に設定されているものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に述べるこの発明の実施の形
態は、パネルフェースの外面が平面形状のブラウン管に
おいて、ブラウン管の内部真空化で生じたパネルフェー
スの内方向の変位量hvを、如何にしたら減少させるこ
とができるかを、シュリンクバンドのパネルスカートに
対する取り付け位置やその締め付け力に着目し、その最
適値を見つけることにより、シュリンクバンドの締め付
け力によって外方向の合成力が生ずるようにし、内方向
の変形を外方向に回復させることができるようにしたも
のである。
【0013】実施の形態1.図1はこの発明の実施の形
態1を説明する説明図で、パネルスカートの外周をを囲
繞したシュリンクバンドの取り付け位置を説明する図、
図2は実施の形態1において内部真空化に伴う変形とシ
ュリンクバンド締め付けによる変形の回復とを説明する
説明図である。図1において、図7と同一符号を付した
部分は同一部分を示しその説明を省略する。Tpはパネ
ルフェース1aの中央部の肉厚、Riはパネルフェース
1a内面の曲率、Cは管軸である。実施の形態1は、図
2に示すように、外囲器の内部真空化に伴って生じるパ
ネルフェース1aの内方向の変位量hvを、外方向にh
bだけ回復させる方策として、下記に示す試験結果に基
づいて、シュリンクバンド3の取り付け位置の最適化を
図ったものである。その結果、図1に示すように、シュ
リンクバンド3は、そのパネルフェース側縁部31の位
置が、パネルフェース1a表面から測って、パネルフェ
ース1a中央部の肉厚Tpの1/2に等しい距離の位置
Aを基準位置とし、この基準位置Aからパネルフェース
方向及びファンネル方向の所定の範囲内に取り付けるこ
とが、爆縮現象低減の点で好ましい。
【0014】試験は下記のようなブラウン管を用いて行
った。 対角軸上の長さは41cm(17型)、 パネルフェース外面の曲率(短軸上 R80000m
m,長軸上 R50000mm) パネルフェース中央部とコーナー部との落差(4箇所と
も)0.57mm パネルフェース内面の曲率(短軸上 R35000m
m,長軸上 R2300mm) パネルフェース中央部の肉厚12.0mmである。
【0015】次に、シュリンクバンド3のパネルフェー
ス側縁部31の位置を変化させて行った試験結果を説明
する。シュリンクバンド3の締め付けによるパネルフェ
ース中央部の外方向の変位量hbと、パネルフェース中
央部の外囲器の内部真空化で生じた変位量hvとの比
率、即ち、シュリンクバンド3の締め付け力Pによるパ
ネルフェース1aの内方向変位の回復率(%)〔(hb
/hv)×100〕は、 (1)基準位置Aからパネルフェース側へ6mmの場合 (−10μm/123μm)×100(%)≒−8% (2)基準位置Aからパネルフェース側へ3mmの場合 (30μm/123μm)×100(%)≒ 24% (3)基準位置Aの場合 (32μm/123μm)×100(%)≒ 26% (4)基準位置Aからファンネル側へ3mmの場合 (28μm/123μm)×100(%)≒ 23% (5)基準位置Aからファンネル側へ6mmの場合 (10μm/123μm)×100(%)≒ 8% であった。なお、締め付け力は、いずれも公称1700
kgfである。
【0016】即ち、シュリンクバンド3のパネルフェー
ス側縁部31が、パネルフェース1a側に近接した場
合、パネルフェース1aの外面は平面形状のため、パネ
ルスカート1bが剛体となり、パネルフェースに内方向
の合成力が作用し、逆に、パネルフェースの中央部の変
形は内方向に、更に、助長されている。また、シュリン
クバンド3のパネルフェース側縁部31が、パネルフェ
ース1aから遠ざかると、シュリンクバンド3の締め付
け力Pがパネルスカート1bの側壁のみに作用し、パネ
ルフェース1aの内方向の変位量hvを有効に回復させ
るには至らない。以上の結果から、シュリンクバンド3
のパネルフェース側縁部31の位置は、基準位置Aから
パネルフェース方向及びファンネル方向へ零乃至パネル
フェース中央部の肉厚Tpの25%の範囲に限定する
と、良好な回復率が得られる。
【0017】実施の形態2.実施の形態2の説明に入る
前に、この種のブラウン管の爆縮試験の評価方法につい
て述べる。図3はブラウン管の爆縮試験装置の概要を示
す側面図で、20は被試験ブラウン管1を保持する保持
台、21は直径50mmの鋼球、22a,22bはブラ
ウン管1の前方に所定の間隔で設けられ、管軸と直交す
る方向に長尺の障壁である。なお、障壁22aとブラウ
ン管との間を第1ゾーン、障壁22aと22bとの間を
第2ゾーン、障壁22bより先を第3ゾーンとする。爆
縮試験は、鋼球21を振り子状に自然落下させ、パネル
フェース1aに7ジュールの衝撃値を加え、上記ゾーン
内に飛散した硝子量(単片,総重量)で合否を判定する
ことにより行われる。なお、合否判定の許容量は、第1
ゾーン;不問、第2ゾーン;単片0.025g以下,総
重量0.1g以下、第3ゾーン;飛散不可となってい
る。
【0018】実施の形態2は、シュリンクバンド3の締
め付け力Pによるパネルフェース1aの内方向変位の回
復率を変化させて爆縮試験を行い、締め付け力の最適化
を図ったものである。なお、回復率の定義は実施の形態
1で説明したとおりである。また、ブラウン管は実施の
形態1と同様の41cm(17型)ブラウン管を用い
た。爆縮試験結果は、シュリンクバンド3の締め付け力
Pによるパネルフェース1aの内方向変位の回復率が、 10%未満の場合 不適合品の発生率 5( 不適合数) / 5( 試験数) 10%〜40%の場合 0( 不適合数) /20( 試験数) 40%を越えた場合 5( 不適合数) / 5( 試験数) であった。即ち、シュリンクバンド締め付け力Pが過少
(回復率10%未満)の場合には、外囲器の内部真空化
で生じた変形hvは、シュリンクバンドの締め付け力P
で包含出来ていないので、爆縮現象を呈している。言い
換えると、回復量が少ないと、試験時に生じた硝子・破
壊力とバンド・抑制力との均衡が崩れ、硝子の亀裂本数
が増え、硝子飛散の確率が増し、ひいては、爆縮現象を
呈する。また、シュリンクバンド締め付け力Pが過多の
(回復率が40%を越えた)場合には、逆に、シュリン
クバンドの締め付け力Pで、パネルフェース1aに生じ
た衝撃時の硝子材の微片が、弾き飛ばされ、規格試験に
は不適合となる。
【0019】従って、シュリンクバンド3の締め付け力
Pによるパネルフェース1aの内方向変位の回復率
(%)〔(hb/hv)×100〕は、10%〜40%
に限定することにより、良好な爆縮現象の低減効果が得
られる。なお、シュリンクバンド3は、パネルフェース
側縁部31が図1の基準位置Aに位置するように取り付
けて試験した。
【0020】実施の形態3.図4は、この発明の実施の
形態3を説明する説明図で、シュリンクバンド3がパネ
ルスカート1bを囲繞した状態を示す要部詳細断面図で
ある。図4において、図1と同一符号を付した部分は同
一部分を示し、説明を省略する。θ1は、モールドマッ
チラインを境界として、パネルフェース側のパネルスカ
ート外面の傾き、θ2は、ファンネル側のパネルスカー
ト外面の傾き、w1は、モールドマッチラインを境界と
して、パネルフェース側のシュリンクバンドの幅、w2
は、ファンネル側のシュリンクバンドの幅である。な
お、θ1,θ2は金型の抜け勾配に相当する角度であ
る。また、wはシュリンクバンドの全幅である。ところ
で、シュリンクバンド3の締め付け力は、垂直分力、平
行分力に分散されるが、モールドマッチラインを境界と
して、パネルスカート1bの外面の傾きが異なっている
ので、その面に沿った分力も異なる。そこで、シュリン
クバンド3の締め付け力による適正な回復率を得る手段
として、同じ分力が得られるように構成すると、つまり
バンドの締め付け力が同面圧で作用するように構成する
と一層効果的である。
【0021】次に、その構成の仕方について説明する。
シュリンクバンドの締め付け力Pは、P=σ×A で示
される。(σ;発生した応力,A;断面積)パネルフェ
ース側のバンドの締め付け力P1は、P1 =σ×A1
(A1=w1×t)但し、tはバンドの板厚である。フ
ァンネル側のバンドの締め付け力P2は、 P2 =σ×A2 (A2=w2×t) パネルスカート面に沿ったパネルフェース方向の分力P
1rは、 P1r=P1/sinθ1 パネルスカート面に沿ったファンネル方向の分力P2r
は、 P2r=P2/sinθ2 P1r=P2rを形成するには、上記からw1/w2=
sinθ1/sinθ2を満たすように構成すればよ
い。
【0022】即ち、パネルスカート1bのモールドマッ
チライン1cを境にした抜け勾配を考慮したシュリンク
バンドを構成することで、モールドマッチライン1cを
境界にして締め付け力の分力の均等化が図れる。従っ
て、パネルスカート1cには等分布で力が作用するの
で、パネルスカート1cの剛体化が可能となり、パネル
フェース中央部の内方向の変形を抑制することができ
る。
【0023】実施の形態4.シュリンク方式では、シュ
リンクバンドの断面積、バンドの材料の降伏応力(0.
2%耐力値)を一定にした場合、パネルスカートに当接
するシュリンクバンドの内壁部の周長、即ち、内周長
と、パネルスカートのモールドマッチライン部分の外壁
部の周長、即ち外周長、との組み合わせでその締め付け
力が決定される。図5は、シュリンクバンドの内周長と
パネルスカートの外周長との組み合わせによるシュリン
クバンドの締め付け力を示した説明図で、シュリンクバ
ンドの内周長をLm、その許容公差を±β、パネルスカ
ートの外周長をLg、その許容公差を±αとすると、P
a点、即ち、シュリンクバンド−β品とパネルスカート
+α品との組み合わせ時が最大締め付け力で、逆にPb
点、シュリンクバンド+β品とパネルスカート−α品と
の組み合わせ時が、最小締め付け力となる。
【0024】シュリンクバンド3の締め付け力Pは、前
述のように、P=σ×Aで示されるが、一般的には、シ
ュリンクバンド3は供される材料の降伏応力(0.2%
耐力値)を超えて塑性加工されているので、上記周長の
組み合わせから決定される締め付けの応力は、材料の降
伏応力(0.2%耐力値)となり、シュリンンクバンド
の締め付け力Pの最適化を図るには、構成される材料の
降伏応力(0.2%耐力値)を限定する必要がある。
【0025】上述の41cm(17型)ブラウン管にお
いて、シュリンクバンド3の形状を、幅40.0mm、
折り返し幅(パネルフェース側の縁部を折り返すと共
に、重ね合わせた部位の長さ)12.0mm、板厚1.
0mmで形成した場合、その断面積Aは52mm2 とな
り、 (1)材料の降伏応力(0.2%耐力値)20kgf/
mm2 では、締め付け力Pは、略1040kgで、回復
率は、(12μm/123μm)×100(%)≒10
% (2)材料の降伏応力(0.2%耐力値)30kgf/
mm2 では、締め付け力Pは、略1560kgで、回復
率は、(30μm/123μm)×100(%)≒24
% (3)材料の降伏応力(0.2%耐力値)40kgf/
mm2 では、締め付け力Pは、略2080kgで、回復
率は、(48μm/123μm)×100(%)≒40
% という結果がえられた。
【0026】即ち、供される材料の降伏応力(0.2%
耐力値)を20kgf/mm2 〜40kgf/mm2
限定することでシュリンクバンドの締め付け力を制御す
ることが可能となり、パネルフェースの中央部に生じた
内方向の変形を外方向に回復させるのに有効な締め付け
力を得ることが出来る。なお、実施の形態4では、焼き
嵌め時の熱処理で、材料の降伏点が現れない場合がある
ので、0.2%耐力値を用いている。また、シュリンク
バンド3は、パネルフェース側縁部31が図1の基準位
置Aに位置するように取り付けて試験した。
【0027】なお、実施の形態4は、シュリンクバンド
3の形状が、パネルフェース側の縁部を折り返すと共に
重ね合わせた、いわゆるハゼオリ形状になっているもの
について説明したが、平板形状のものであっても同様の
効果を奏する。また、実施の形態1〜3は、平板形状の
ものについて説明しているが、ハゼオリ形状のものであ
っても同様の効果を奏する。さらに、シュリンクバンド
3の材料は、耐候性を有した表面処理鋼板を用いると一
層効果的である。また、実施の形態1〜4によれば、パ
ネルフェース外面にガラスプレートを取り付けたり、フ
イルム等を貼りつけたりする特殊な処理を行わなくて
も、爆縮現象の低減化が可能となり、部品点数を削減す
ることが出来る。なお、実施の形態1〜4において、シ
ュリンクバンド3は環状の金属バンドで構成し、この金
属バンドをパネルスカートの外周に焼き嵌める場合につ
いて説明したが、その他の材料例えばカーボン繊維等で
形成したバンドをパネルスカートの外周に張力を加えな
がら巻き付けるようにしてもよい。
【0028】
【発明の効果】この発明は以上説明したとおり、パネル
フェースとパネルスカートとからなり、パネルフェース
の外面は、略平面形状に形成され、内面は、所定の曲率
形状に形成されると共に、電子銃から発射された電子ビ
ームに応じて画像が映し出される蛍光体スクリーンが設
けられたパネル部と、パネルスカートに溶着されたファ
ンネル部とにより構成された外囲器と、パネルスカート
外周に、パネルスカートを締めつけると共に、外囲器の
真空処理によってパネルフェースに内方向に生じる変位
を低減させる力が作用するように、取り付けられた環状
のバンドとを備えたものであるから、パネルフェース外
面が平面形状のブラウン管の爆縮現象の低減化が可能と
なる。
【0029】また、環状のバンドは、そのパネルフェー
ス側縁部の位置が、パネルフェース表面から測って、パ
ネルフェース中央部の肉厚の1/2に等しい距離の位置
を基準位置とし、この基準位置からパネルフェース方向
及びファンネル方向の所定の範囲内に取り付けられてい
るから、シュリンクバンドの取り付け位置の最適化によ
り、パネルフェース外面が平面形状のブラウン管の爆縮
現象を低減することができる。
【0030】さらに、環状のバンドは、バンドの作用に
よるパネルフェース中央部の外方向の変位量をhb、外
囲器の内部真空化で生じるパネルフェース中央部の内方
向の変位量をhvとしたとき、〔(hb/hv)〕×1
00(%)で表した回復率が所定の範囲に入るような締
めつけ力で、取り付けられているから、シュリンクバン
ドの締め付け力の最適化により、パネルフェース外面が
平面形状のブラウン管の爆縮現象を低減することができ
る。
【0031】また、環状のバンドは、パネルスカートの
外周に形成されたモールド整合線を境界として、パネル
フェース側のパネルスカート外面の傾きをθ1及びバン
ドの幅をw1、ファンネル側のパネルスカート外面の傾
きをθ2及びバンドの幅をw2としたとき、w1/w2
=sinθ1/sinθ2を満たすように取り付けられ
ているから、パネルスカートに対するバンドの締め付け
力の等分布化が可能となり、パネルフェース外面が平面
形状のブラウン管の爆縮現象を低減することがきる。
【0032】さらにまた、バンドの材料に、0.2%耐
力値が、所定の範囲内のものを用いたから、バンドの材
料の0.2%耐力値が最適となり、パネルフェース外面
が平面形状のブラウン管の爆縮現象を低減することがき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を説明する説明図で
ある。
【図2】 実施の形態1において内部真空化に伴う変形
とシュリンクバンド締め付けによる変形の回復とを説明
する説明図である。
【図3】 ブラウン管の爆縮試験装置の概要を示す側面
図である。
【図4】 この発明の実施の形態3を説明する説明図で
ある。
【図5】 シュリンクバンドの内周長とパネルスカート
の外周長との組み合わせによるシュリンクバンドの締め
付け力を示した説明図である。
【図6】 ブラウン管の内部真空化に伴う応力発生を説
明する説明図である。
【図7】 従来慣用的に用いられているシュリンク方式
のバンド補強型ブラウン管の概要を示す斜視図である。
【図8】 ブラウン管の内部真空化に伴う内方向の変形
とシュリンクバンド締め付け力による内方向の変形の回
復を説明する説明図である。
【図9】 外面に曲率を有したパネル部のシュリンクバ
ンド締め付けによる応力を説明する説明図である。
【図10】 パネルフェース外面が平面形状のブラウン
管の内部真空化に伴う内方向の変形とシュリンクバンド
締め付け力により内方向に助長された変形とを説明する
説明図である。
【図11】 外面が平面形状のパネル部のシュリンクバ
ンド締め付けによる応力を説明する説明図である。
【符号の説明】
11 パネル部、1a パネルフェース、1b パネル
スカート、1c モールドマッチライン、2 粘着テー
プ、3 シュリンクバンド、Tp パネルフェース中央
部の肉厚、Ri パネルフェース内面の曲率、A 基準
位置。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パネルフェースとパネルスカートとから
    なり、パネルフェースの外面は、略平面形状に形成さ
    れ、内面は、所定の曲率形状に形成されると共に、電子
    銃から発射された電子ビームに応じて画像が映し出され
    る蛍光体スクリーンが設けられたパネル部と、上記パネ
    ルスカートに溶着されたファンネル部とにより構成され
    た外囲器、 上記パネルスカート外周に、パネルスカートを締めつけ
    ると共に、上記外囲器の真空処理によってパネルフェー
    スに内方向に生じる変位を低減させる力が作用するよう
    に、取り付けられた環状のバンドを備えたことを特徴と
    するバンド補強型ブラウン管。
  2. 【請求項2】 環状のバンドは、そのパネルフェース側
    縁部の位置が、パネルフェース表面から測って、パネル
    フェース中央部の肉厚の1/2に等しい距離の位置を基
    準位置とし、この基準位置からパネルフェース方向及び
    ファンネル方向の所定の範囲内に取り付けられているこ
    とを特徴とする請求項1記載のバンド補強型ブラウン
    管。
  3. 【請求項3】 所定の範囲が、零乃至パネルフェース中
    央部の肉厚の25%に設定されていることを特徴とする
    請求項2記載のバンド補強型ブラウン管。
  4. 【請求項4】 環状のバンドは、バンドの作用によるパ
    ネルフェース中央部の外方向の変位量をhb、外囲器の
    内部真空化で生じるパネルフェース中央部の内方向の変
    位量をhvとしたとき、〔(hb/hv)〕×100
    (%)で表した回復率が所定の範囲に入るような締めつ
    け力で、取り付けられていることを特徴とする請求項1
    記載のバンド補強型ブラウン管。
  5. 【請求項5】 所定の範囲が10%〜40%に設定され
    ていることを特徴とする請求項4記載のバンド補強型ブ
    ラウン管。
  6. 【請求項6】 環状のバンドは、パネルスカートの外周
    に形成されたモールド整合線を境界として、パネルフェ
    ース側のパネルスカート外面の傾きをθ1及びバンドの
    幅をw1、ファンネル側のパネルスカート外面の傾きを
    θ2及びバンドの幅をw2としたとき、w1/w2=s
    inθ1/sinθ2を満たすように取り付けられてい
    ることを特徴とする請求項1記載のバンド補強型ブラウ
    ン管。
  7. 【請求項7】 環状のバンドの材料に、0.2%耐力値
    が、所定の範囲内のものを用いたことを特徴とする請求
    項1記載のバンド補強型ブラウン管。
  8. 【請求項8】 所定の範囲が、20kgf/mm2 〜4
    0kgf/mm2 に設定されていることを特徴とする請
    求項7記載のバンド補強型ブラウン管。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100370082B1 (ko) * 2000-09-01 2003-01-29 엘지전자 주식회사 평면 브라운관의 패널 구조
KR100400783B1 (ko) * 2001-12-28 2003-10-08 엘지.필립스디스플레이(주) 음극선관용 밴드의 체결구조

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