JP2001332167A - 電子放出陰極及びその製造方法並びにその電子放出陰極を用いた電界放出型ディスプレイ - Google Patents

電子放出陰極及びその製造方法並びにその電子放出陰極を用いた電界放出型ディスプレイ

Info

Publication number
JP2001332167A
JP2001332167A JP2000147915A JP2000147915A JP2001332167A JP 2001332167 A JP2001332167 A JP 2001332167A JP 2000147915 A JP2000147915 A JP 2000147915A JP 2000147915 A JP2000147915 A JP 2000147915A JP 2001332167 A JP2001332167 A JP 2001332167A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diamond particles
cathode electrode
electron emission
cathode
conductive layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000147915A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuaki Kakinuma
伸明 柿沼
Shigeru Nishikawa
滋 西川
Keiichi Betsui
圭一 別井
Kazunori Inoue
和則 井上
Tadashi Nakatani
忠司 中谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd, Mitsubishi Materials Corp filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2000147915A priority Critical patent/JP2001332167A/ja
Publication of JP2001332167A publication Critical patent/JP2001332167A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイヤモンド粒子とカソード電極との電気的
接触を改善することにより、低電圧かつ高電流の電子を
放出し、またダイヤモンド粒子のカソード電極からの離
脱を防止する。 【解決手段】 カソード電極12上に多数のダイヤモン
ド粒子13が付着され、ダイヤモンド粒子13の頂部を
露出させた状態でITO又はATOからなる電気伝導層
17がカソード電極12上に形成される。これらのダイ
ヤモンド粒子13の表面は水素終端化されることが好ま
しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多数のダイヤモン
ド粒子を有する電子放出陰極及びその製造方法と、上記
電子放出陰極を用いた極薄型のディスプレイ装置である
電界放出型ディスプレイ(FED:Field Emission Dis
play)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、カソード電極(シリコン基板)上
に開口部を有するSiO2膜が形成され、このSiO2
上に引出し電極が形成され、更に開口部内のカソード電
極表面に半導体ダイヤモンドからなるエミッタが形成さ
れた冷陰極エミッタ素子が開示されている(特開平5−
152640号)。このように構成された冷陰極エミッ
タ素子を製造するには、先ずカソード電極上にボロン
(B)をドーピングした半導体ダイヤモンド粒子を選択
的に成長させてエミッタを形成し、フォトリソグラフィ
技術を用いてエミッタ形成領域を除くカソード電極上に
SiO2膜を形成する。次にSiO2膜上に引出し電極と
してタングステン薄膜を形成する。このように製造され
た冷陰極エミッタ素子では、エミッタが半導体ダイヤモ
ンドからなるため、エミッタの耐熱性及び耐電圧が高
く、使用に伴う電子放射特性の劣化が少なく、更に大電
流でも使用できるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の特
開平5−152640号公報に示された冷陰極エミッタ
素子では、カソード電極上で直接ダイヤモンド粒子を成
長させるために、カソード電極とダイヤモンド粒子との
界面でカソード電極の炭化物(例えばSiC)などの不
純物が生成され、この不純物が絶縁層として作用し、ダ
イヤモンド粒子からの電子放出に悪影響を及ぼすおそれ
があった。また、上記従来の冷陰極エミッタでは、ダイ
ヤモンド粒子がカソード電極上に接した状態で接着され
ており、その接触面積が比較的小さいため、高抵抗のダ
イヤモンド粒子内部に電気を流す必要があり、ダイヤモ
ンド粒子から低電圧かつ高電流の電子放出を行うことが
難しい問題点もあった。
【0004】本発明の目的は、ダイヤモンド粒子とカソ
ード電極との電気的接触を改善することにより、低電圧
かつ高電流の電子放出を行うことができ、またダイヤモ
ンド粒子のカソード電極からの脱落を防止できる、電子
放出陰極及びその製造方法並びにその電子放出陰極を用
いた電界放出型ディスプレイを提供することにある。本
発明の別の目的は、保護膜にて電気伝導層を被覆するこ
とにより、電気伝導層の飛散を防止できる、電子放出陰
極及びその製造方法並びにその電子放出陰極を用いた電
界放出型ディスプレイを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1に示すように、カソード電極12上に付着された多
数のダイヤモンド粒子13と、これらのダイヤモンド粒
子13の頂部を露出させた状態でカソード電極12上に
形成されITO又はATOからなる電気伝導層17とを
備えた電子放出陰極である。この請求項1に記載された
電子放出陰極では、カソード電極12上に良導体である
電気伝導層17が積層され、かつダイヤモンド粒子13
の大部分が上記電気伝導層17により被覆されており、
電気伝導層17とダイヤモンド粒子13との接触面積が
大きく電気的接触が良好となる。この結果、ダイヤモン
ド粒子13から低電圧かつ高電流の電子放出が可能とな
る。またダイヤモンド粒子13が電気伝導層17に埋設
されているため、ダイヤモンド粒子13のカソード電極
12への付着力が向上し、ダイヤモンド粒子13が脱落
し難くなる。
【0006】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明であって、更に図1に示すように、ダイヤモンド粒子
13の表面が水素終端化されたことを特徴とする。この
請求項2に記載された電子放出陰極では、ダイヤモンド
粒子13の表面を水素終端化することにより、ダイヤモ
ンド粒子13の表面に低抵抗層を設け、水素終端化した
ダイヤモンド粒子13の表面と電気伝導層17とが直接
接することにより、高抵抗なダイヤモンド粒子13の内
部を通ることなく電流を電子放出部位に到達させること
が可能となる。またダイヤモンド粒子13の表面を水素
終端化することにより仕事関数が低くなるので、効率良
く低電圧かつ高電流の電子放出を行うことができる。
【0007】請求項3に係る発明は、請求項1又は2に
係る発明であって、更に図3に示すように、電気伝導層
17上に絶縁体からなる保護層42が形成されたことを
特徴とする。この請求項3に記載された電子放出陰極で
は、電気伝導層17が保護膜42により被覆されている
ので、粉末状のITO又はATOからなる電気伝導層1
7が飛散するのを防止することができる。
【0008】請求項4に係る発明は、図1に示すよう
に、多数のダイヤモンド粒子13をカソード電極12上
に付着する工程と、ダイヤモンド粒子13の頂部を露出
させた状態でカソード電極12上にスピンコート法によ
りITO又はATOからなる電気伝導層17を形成する
工程とを含む電子放出陰極の製造方法である。この請求
項4に記載された方法で電子放出陰極11を製造する
と、上記請求項1に記載された電子放出陰極11が得ら
れ、ダイヤモンド粒子13から低電圧かつ高電流の電子
放出を行うことができる。
【0009】請求項5に係る発明は、請求項4に係る発
明であって、更に図1に示すように、多数のダイヤモン
ド粒子13をカソード電極12上に付着した後であっ
て、カソード電極12上に電気伝導層17を形成する前
に、多数のダイヤモンド粒子13の表面を水素プラズマ
処理して水素終端化する工程を更に含むことを特徴とす
る。この請求項5に記載された方法で電子放出陰極11
を製造すると、上記請求項2に記載された電子放出陰極
11が得られ、ダイヤモンド粒子13から効率良く低電
圧かつ高電流の電子放出を行うことができる。
【0010】請求項6に係る発明は、請求項4又は5に
係る発明であって、更に図3に示すように、電気伝導層
17上にスピンコート法により絶縁体からなる保護層4
2を形成する工程を更に含むことを特徴とする。この請
求項6に記載された方法により電子放出陰極41を製造
すると、上記請求項3に記載された電子放出陰極41が
得られ、電気伝導層17の飛散を防止できる。
【0011】請求項7に係る発明は、図1及び図3に示
すように、請求項1ないし3いずれか記載の電子放出陰
極11を用いた電界放出型ディスプレイである。この請
求項7に記載された電界放出型ディスプレイでは、低電
圧かつ高電流の電子放出が可能で、ダイヤモンド粒子1
3のカソード電極12からの脱落を防止でき、更に電気
伝導層17の飛散を防止することができる電界放出型デ
ィスプレイ10を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】次に本発明の第1の実施の形態を
図面に基づいて説明する。図1及び図2に示すように、
電界放出型ディスプレイパネル10(以下、FEDとい
う)の電子放出陰極11はシリコンウェーハ等からなる
カソード電極12と、カソード電極12上に付着された
ダイヤモンド粒子13(エミッタ)と、カソード電極1
2上に絶縁層14を介して積層されたゲート電極16と
を備える。ゲート電極16及び絶縁層14にはカソード
電極12を臨む多数の微小孔14a,16aが形成され
る。これらの微小孔14a,16aの内底部に相当する
カソード電極12上には多数のダイヤモンド粒子13が
付着され、これらのダイヤモンド粒子13の表面は水素
終端化される。この水素終端化によりダイヤモンド粒子
13の表面はp型の電気伝導を示す。
【0013】またダイヤモンド粒子13には予めN(窒
素)又はB(ボロン)をドープしておくと、ダイヤモン
ド粒子13の電気抵抗率を低下することができるので好
ましい。更にダイヤモンド粒子13の粒径は100nm
〜5000nm、好ましくは500nm〜2000nm
の範囲に形成される。ダイヤモンド粒子13の粒径を上
記範囲に限定したのは、100nm未満ではダイヤモン
ド粒子13全体が後述する電気伝導層17に埋設される
おそれがあり、5000nmを越えると1画素当りに必
要な数のダイヤモンド粒子を配置できなくなるからであ
る。
【0014】一方、カソード電極12上にはダイヤモン
ド粒子13の頂部を露出させた状態でITO(Indium T
in Oxide:In及びSnの複合酸化物)からなる電気伝
導層17が形成される。電気伝導層17の厚さTは少な
くともダイヤモンド粒子13の頂部が露出するように形
成され、ダイヤモンド粒子13の粒径をDとするとき、
D/5≦T≦4D/5であることが好ましい。電気伝導
層17の厚さを上記範囲に限定したのは、D/5未満で
はダイヤモンド粒子17がカソード電極12から脱落す
るおそれがあり、4D/5を越えると電子がダイヤモン
ド粒子13の頂部から飛び出し難くなるためである。な
お、図1の符号18はSiC等の電気絶縁性を有する不
純物である。
【0015】またカソード電極12から所定の間隔をあ
けた上方にはアノード電極21が設けられ、アノード電
極21の下面(カソード電極12に対向する面)には蛍
光体膜22が形成される。カソード電極12,ダイヤモ
ンド粒子13,絶縁層14,ゲート電極16,アノード
電極21及び蛍光体膜22はダイヤモンド粒子13から
電子が飛び出し易いように超高真空状態に維持される。
そのため上記カソード電極12等は図示しないが厚い特
殊な構造のガラスカバーの中に収容される。
【0016】このように構成された電子放出陰極11の
製造方法を説明する。先ずシリコンやタングステン等か
らなるカソード電極12上に多数の種ダイヤモンドを付
着させる。この種ダイヤモンドはプラズマCVD法や熱
フィラメント法を用いて粒径が100nm〜5000n
m程度になるまで成長させる。このときカソード電極1
2とダイヤモンド粒子13との界面にSiC等の電気絶
縁性を有する不純物18が発生する場合がある。なお、
上記ダイヤモンド粒子13はカソード電極12上で成長
させずに、予め所定の粒径に形成された高圧合成ダイヤ
モンド等の人工ダイヤモンド粒子を、スクリーン印刷
法,粉末散布被膜法,スプレーコート法,スピンコート
法等により、カソード電極上に分布させてもよい。この
場合、上記不純物は上記界面に発生することはない。
【0017】次いで多数のダイヤモンド粒子13の表面
に水素プラズマを照射して各ダイヤモンド粒子13の表
面を水素終端化した後に、カソード電極12の露出面に
ITOの電気伝導層17をスピンコート法により成膜す
る。これによりカソード電極12と水素終端したダイヤ
モンド粒子13の表面伝導層との間の電気抵抗率が低く
保たれる。なお、上記スピンコートに用いられるコート
液は、平均一次粒径が20nm〜30nm以下の粉末を
アルコール系有機溶媒に分散したものを用いることが好
ましい。更に電気伝導層17の成膜後、真空中で50〜
300℃に10分〜1時間保持する熱処理を行うことに
より、上記アルコール等の余分な有機溶媒を除去する。
このとき水素終端したダイヤモンド粒子13の表面は3
00℃程度まで安定であるため、変質することはない。
但し、念のために上記熱処理後に、ダイヤモンド粒子1
3に水素プラズマを照射して、ダイヤモンド粒子13の
表面の水素終端を安定化することが好ましい。
【0018】更にダイヤモンド粒子13を付けたカソー
ド電極12上に絶縁層14とゲート電極16とを順次形
成し、これらゲート電極16及び絶縁層14に微小孔1
6a,14aをカソード電極12を臨むように貫通して
形成する。絶縁層14はSiO2、Si34等を真空蒸
着法、スパッタリング法、化学気相成長(CVD)法等
により形成される。絶縁層14の膜厚Uはダイヤモンド
粒子13の粒径をDとすると、3D/4≦U≦5D/4
の厚さに形成される。ゲート電極16はクロム、タンタ
ル、モリブデン、タングステン、タングステンシリサイ
ド、アルミニウム等を真空蒸着法、スパッタリング法、
CVD法等により厚さ100nm〜500nmに形成さ
れる。微小孔16a,14aは写真製版法及び反応性イ
オンエッチング法により形成される。
【0019】このように製造された電子放出陰極11で
は、カソード電極12上とアノード電極21の間に予め
高い電圧を印加しておき、このカソード電極12とゲー
ト電極16の間の電圧をに徐々に高くしていくと、ダイ
ヤモンド粒子13(エミッタ)から電子が真空中に飛び
出し、蛍光体膜22の表面に衝突する。蛍光体膜22の
表面では発光に伴うエネルギ準位の変動が起きて、発光
現象を生じる。このときカソード電極12上に良導体で
ある電気伝導層17が積層され、かつダイヤモンド粒子
13の大部分が上記電気伝導層17により被覆されてい
る。このため、良導体である電気伝導層17とダイヤモ
ンド粒子13の接触面積は大きく、またカソード電極1
2とダイヤモンド粒子13との界面に電気絶縁性を有す
る不純物18(SiC等)が形成されても、カソード電
極12とダイヤモンド粒子13との電気的接触は良好に
保たれているので、電流は電気抵抗率の高いダイヤモン
ド粒子13の内部を通らずに、ダイヤモンド粒子13の
表面伝導層のみを通って頂部に向って流れる。これらの
結果、ダイヤモンド粒子13から低電圧かつ高電流の電
子放出が可能となる。またダイヤモンド粒子13が電気
伝導層17に埋設されているため、ダイヤモンド粒子1
3のカソード電極12への付着力が向上し、ダイヤモン
ド粒子13が脱落し難くなる。
【0020】図3及び図4は本発明の第2の実施の形態
を示す。図3及び図4において図1及び図2と同一符号
は同一部品を示す。この実施の形態では、電気伝導層1
7上に絶縁体(例えば、SiO2膜等)からなる保護層
42が形成される。この保護層42の厚さは1〜100
nm、好ましくは3〜10nmの範囲に形成される。保
護層42の厚さを上記範囲に限定したのは、1nm未満
では電気伝導層17の飛散を防止できず、100nmを
越えるとダイヤモンド粒子13の頂部が保護層42に埋
設されるおそれがあるからである。上記以外は第1の実
施の形態と同一に構成される。
【0021】このように構成されたされた電子放出陰極
の製造方法を説明する。第1の実施の形態と同様にして
カソード電極12上に電気導電層17を形成した後に、
SiO2ゾル液をアルコール系有機溶媒に薄めたコート
液を用いたスピンコート法により保護層42を形成し、
この保護層42の成膜後、真空中で50〜300℃に1
0分〜1時間保持する熱処理を行うことにより、上記ア
ルコール等の余分な有機溶媒を除去する。上記以外は第
1の実施の形態と同様にして製造される。
【0022】このように構成された電子放出陰極41で
は、電気伝導層17が保護膜42により被覆されている
ので、ITO粉からなる電気伝導層17が飛散するのを
防止することができる。なお、上記第1及び第2の実施
の形態では、カソード電極上にスピンコート法によりI
TOからなる電気伝導層を形成したが、ATO(Antimo
ny Tin Oxide:Sb及びSnの複合酸化物)からなる電
気伝導層を形成してもよい。
【0023】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく
説明する。 <実施例1>図1及び図2に示すように、先ずシリコン
ウェーハからなるカソード電極12上に多数の種ダイヤ
モンドを付着させて、この種ダイヤモンドをプラズマC
VD法にて粒径が1000nm程度になるまで成長させ
た。次いで多数のダイヤモンド粒子13の表面に水素プ
ラズマを照射して各ダイヤモンド粒子13の表面を水素
終端化した後に、ITOの電気伝導層17をスピンコー
ト法により成膜した。このときコート液は平均粒径が2
0nm〜30nmの粉末をアルコール系有機溶媒に分散
したものを用いた。次に電気伝導層17の成膜後、20
0℃に10分間保持する熱処理を行うことにより、上記
アルコール等の余分な有機溶媒を除去した。なお、上記
電気伝導層17の厚さは200nmであった。上記電気
伝導層17上に、SiO2の真空蒸着により厚さ120
0nmの絶縁層14を形成し、絶縁層14上に、クロム
の真空蒸着により厚さ100nmのゲート電極16を形
成した。更に上記ゲート電極16及び絶縁層14上に写
真製版法及び反応性イオンエッチング法により微小孔1
6a,14aを形成した。この電子放出陰極11を実施
例1とした。
【0024】<比較例1>カソード電極上に電気伝導層
を形成しなかったことを除いて、実施例1と同様に電子
放出陰極を製造した。この電子放出陰極を比較例1とし
た。 <比較試験及び評価>実施例1及び比較例1の電子放出
陰極を用いて電子放出を行った結果、比較例1ではアノ
ード電極及びカソード電極間に1kVの電圧を印加した
際の電流密度が1mA/cm2であったのに対し、実施
例1では電流密度が10mA/cm2と高い値を示し
た。
【0025】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、カ
ソード電極上に多数のダイヤモンド粒子を付着させ、ダ
イヤモンド粒子の頂部を露出させた状態でITO又はA
TOからなる電気伝導層をカソード電極上に形成したの
で、カソード電極とダイヤモンド粒子との電気的接触が
良好になり、ダイヤモンド粒子から低電圧かつ高電流の
電子放出が可能となる。またダイヤモンド粒子が電気伝
導層に埋設されているため、ダイヤモンド粒子がカソー
ド電極から脱落し難くなる。またダイヤモンド粒子の表
面を水素終端化すれば、ダイヤモンド表面はp型の電気
伝導性を示すとともに、仕事関数が低くなるので、効率
良く低電圧かつ高電流の電子放出を行うことができる。
また電気伝導層上に絶縁体からなる保護層を形成すれ
ば、粉末状のITO又はATOからなる電気伝導層が飛
散するのを防止することができる。
【0026】また多数のダイヤモンド粒子をカソード電
極上に付着し、ダイヤモンド粒子の頂部を露出させた状
態でカソード電極上にスピンコート法によりITO又は
ATOからなる電気伝導層を形成すれば、上記のダイヤ
モンド粒子から低電圧かつ高電流の電子放出を可能とす
る電子放出陰極が得られる。また多数のダイヤモンド粒
子の表面を水素プラズマ処理して水素終端化すれば、上
記仕事関数の低い電子放出陰極が得られ、効率の良い低
電圧かつ高電流の電子放出が可能な電子放出陰極が得ら
れる。また電気伝導層上にスピンコート法により絶縁体
からなる保護層を形成すれば、上記電気伝導層の飛散を
防止することができる。更に上記電子放出陰極を用いて
電界放出型ディスプレイを作製すれば、低電圧かつ高電
流の電子放出を可能とし、ダイヤモンド粒子のカソード
電極からの脱落を防止でき、電気伝導層の飛散を防止で
きる電界放出型ディスプレイを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施形態の電子放出陰極を示す図2
のA部拡大断面図。
【図2】その電子放出陰極を含むFEDの要部断面図。
【図3】本発明第2実施形態の電子放出陰極を示す図4
のB部拡大断面図。
【図4】その電子放出陰極を含むFEDの要部断面図。
【符号の説明】
10 電界放出型ディスプレイ 11,41 電子放出陰極 12 カソード電極 13 ダイヤモンド粒子 17 電気伝導層 42 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西川 滋 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社総合研究所内 (72)発明者 別井 圭一 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 井上 和則 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 中谷 忠司 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 5C031 DD17 5C036 EF01 EF06 EF09 EG02 EG12

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カソード電極(12)上に付着された多数の
    ダイヤモンド粒子(13)と、 前記ダイヤモンド粒子(13)の頂部を露出させた状態で前
    記カソード電極(12)上に形成されITO又はATOから
    なる電気伝導層(17)とを備えた電子放出陰極。
  2. 【請求項2】 ダイヤモンド粒子(13)の表面が水素終端
    化された請求項1記載の電子放出陰極。
  3. 【請求項3】 電気伝導層(17)上に絶縁体からなる保護
    層(42)が形成された請求項1又は2記載の電子放出陰
    極。
  4. 【請求項4】 多数のダイヤモンド粒子(13)をカソード
    電極(12)上に付着する工程と、 前記ダイヤモンド粒子(13)の頂部を露出させた状態で前
    記カソード電極(12)上にスピンコート法によりITO又
    はATOからなる電気伝導層(17)を形成する工程とを含
    む電子放出陰極の製造方法。
  5. 【請求項5】 多数のダイヤモンド粒子(13)をカソード
    電極(12)上に付着した後であって、前記カソード電極(1
    2)上に電気伝導層(17)を形成する前に、前記多数のダイ
    ヤモンド粒子(13)の表面を水素プラズマ処理して水素終
    端化する工程を更に含む請求項4記載の電子放出陰極の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 電気伝導層(17)上にスピンコート法によ
    り絶縁体からなる保護層(42)を形成する工程を更に含む
    請求項4又は5記載の電子放出陰極の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし3いずれか記載の電子放
    出陰極(11,41)を用いた電界放出型ディスプレイ。
JP2000147915A 2000-05-19 2000-05-19 電子放出陰極及びその製造方法並びにその電子放出陰極を用いた電界放出型ディスプレイ Withdrawn JP2001332167A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000147915A JP2001332167A (ja) 2000-05-19 2000-05-19 電子放出陰極及びその製造方法並びにその電子放出陰極を用いた電界放出型ディスプレイ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000147915A JP2001332167A (ja) 2000-05-19 2000-05-19 電子放出陰極及びその製造方法並びにその電子放出陰極を用いた電界放出型ディスプレイ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001332167A true JP2001332167A (ja) 2001-11-30

Family

ID=18654035

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000147915A Withdrawn JP2001332167A (ja) 2000-05-19 2000-05-19 電子放出陰極及びその製造方法並びにその電子放出陰極を用いた電界放出型ディスプレイ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001332167A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006351410A (ja) * 2005-06-17 2006-12-28 Toppan Printing Co Ltd 電子放出素子
JP2007528495A (ja) * 2004-03-09 2007-10-11 エレメント シックス ベスローテン フェンノートシャップ ダイヤモンド粒子を含有する電気化学的センサー

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007528495A (ja) * 2004-03-09 2007-10-11 エレメント シックス ベスローテン フェンノートシャップ ダイヤモンド粒子を含有する電気化学的センサー
JP4685089B2 (ja) * 2004-03-09 2011-05-18 エレメント シックス ベスローテン フェンノートシャップ ダイヤモンド粒子を含有する電気化学的センサー
JP2006351410A (ja) * 2005-06-17 2006-12-28 Toppan Printing Co Ltd 電子放出素子

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5585301A (en) Method for forming high resistance resistors for limiting cathode current in field emission displays
KR100405886B1 (ko) 전계전자방출물질과그제조방법및그물질을이용한소자
JP2630988B2 (ja) 電子線発生装置
US5663608A (en) Field emission display devices, and field emisssion electron beam source and isolation structure components therefor
EP1038303B1 (en) Patterned resistor suitable for electron-emitting device, and associated fabrication method
US5747918A (en) Display apparatus comprising diamond field emitters
US6630781B2 (en) Insulated electrode structures for a display device
JPH09504640A (ja) 平坦パネル・ディスプレイ・システムと構成部品とを製造する方法
KR20050071480A (ko) 탄소 나노튜브 평판 디스플레이용 장벽 금속층
US5378182A (en) Self-aligned process for gated field emitters
JPH09219144A (ja) 電界放出カソードとその製造方法
US5719406A (en) Field emission device having a charge bleed-off barrier
US5969467A (en) Field emission cathode and cleaning method therefor
JP2007504607A (ja) 電界放出装置
US6013986A (en) Electron-emitting device having multi-layer resistor
JP2001332167A (ja) 電子放出陰極及びその製造方法並びにその電子放出陰極を用いた電界放出型ディスプレイ
JP3546606B2 (ja) 電界放出素子の製造方法
US6144145A (en) High performance field emitter and method of producing the same
RU2210134C2 (ru) Холодноэмиссионный катод и плоский дисплей
JP3086445B2 (ja) 電界放出素子の形成方法
JPH06325690A (ja) マイクロチップ表示装置及びその装置の製造方法
JP2743794B2 (ja) 電界放出カソード及び電界放出カソードの製造方法
JP4312326B2 (ja) 電子放出装置
JP2003331710A (ja) 電界放出型電子源のゲート電極およびその製造方法
JPH1083757A (ja) 冷電子放出素子及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070807