JP2001329971A - スクロール流体機械 - Google Patents

スクロール流体機械

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JP2001329971A
JP2001329971A JP2000154349A JP2000154349A JP2001329971A JP 2001329971 A JP2001329971 A JP 2001329971A JP 2000154349 A JP2000154349 A JP 2000154349A JP 2000154349 A JP2000154349 A JP 2000154349A JP 2001329971 A JP2001329971 A JP 2001329971A
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JP2000154349A
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Takeshi Tsuchiya
豪 土屋
Isao Hayase
功 早瀬
Shin Kurita
慎 栗田
Takao Mizuno
隆夫 水野
Mutsunori Matsunaga
睦憲 松永
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】吐出弁開弁前における最内周圧縮空間とその外
側に形成される圧縮空間の均圧化を図って吐出弁の異常
開弁を抑制することで、適正な吐出弁動作を実現し、高
いエネルギー効率を確保できる吐出弁を具備したスクロ
ール流体機械を提供する。 【解決手段】ラップの側面を介して最内周圧縮空間とそ
の外側に形成される外線側圧縮空間とが連通する以前に
最内周圧縮空間と外線側圧縮空間とを連通させる吐出口
と、吐出口を設けないスクロールに配設した最内周圧縮
空間とその外側に形成される内線側圧縮空間とを連通す
る連通路と、吐出弁とを備え、外線,内線側圧縮空間を
連通させる連通路を旋回スクロールあるいは固定スクロ
ールの少なくとも一方に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷媒,空気、及び
その他の圧縮性ガスを取扱うスクロール流体機械に係
り、特に、吐出弁と、両スクロールラップの側面を介し
て両スクロールの中央に形成される最内周圧縮空間とそ
の外側に形成される外線側圧縮空間とが連通する以前に
前記最内周圧縮空間と前記外線側圧縮空間とを連通する
ように形成した吐出口を具備するスクロール流体機械に
好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来の吐出弁を具備したスクロール流体
機械としては、特開平3−134285 号公報に示されている
ように、固定スクロール鏡板の吐出口の上部に吐出弁
(逆止弁)を取付け、この吐出弁をリテーナと弁部をな
すリード弁タイプの薄いプレートから構成し、これによ
って高い運転圧力比域での運転確保,圧縮機動力の低減
効果を得ようとしたものがある(従来技術1)。
【0003】また、従来の吐出弁を具備しないスクロー
ル流体機械において、作動流体吐出時の流路抵抗を低減
するために次のようなものが案出されている。
【0004】即ち、特開昭60−201092号公報では、吐
出弁を具備しないスクロール流体機械において、吐出時
に流れる狭窄部に形成した吐出圧のオーバーシュートを
改善するための吐出流路を備えたスクロール流体機械の
記載がある(従来技術2)。
【0005】また、特開昭61−226590号公報では、吐出
弁を具備しないスクロール流体機械において、終期圧縮
空間の圧力が所望の圧力比を得る圧力となった時に相手
側翼の先端小半円弧、またはこの小半円弧に連なる半円
弧の外周面と接触する接点を基点として、小半円弧側に
向かう切欠部を設けたスクロール型圧縮機の記載がある
(従来技術3)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、吐出弁を具備したスクロール流体機械にお
いて、吐出動作時における吐出弁の異常開弁動作を抑制
することである。
【0007】吐出弁を具備するスクロール流体機械は、
圧縮空間が吐出口と連通し、かつ、圧縮空間側圧力が吐
出空間側圧力以上になった時点で吐出弁を開弁させ吐出
を開始するため、吐出弁を具備しないスクロール流体機
械に対し圧縮空間が吐出口と連通する配置にあっても圧
縮空間圧力が吐出空間圧力より小さければ吐出しない点
に特徴がある。よって、両スクロール中央に形成する概
略閉塞した最内周圧縮空間と前記最内周圧縮空間の1つ
外側に形成する概略閉塞した2つの圧縮空間のうち、吐
出口を設けないスクロールのスクロールラップ外側に構
成する圧縮空間とに吐出口を連通させる配置が可能とな
ることから、吐出弁を具備しないスクロール流体機械に
比べて大きな吐出流路面積の吐出口を構成して流路抵抗
を低減することが可能となる。
【0008】しかしながら、吐出弁の効果を十分に発揮
させるためには、圧縮動作の一部において、吐出口が圧
力の異なる2つの圧縮空間に連通することより発生する
吐出弁の異常開弁を抑制することが必要となる。なお、
従来技術1において、吐出弁の異常開弁動作抑制に関す
る記載はない。
【0009】一方、従来技術2,3においては、両スク
ロールの中央に形成される最内周圧縮空間とその外側に
形成される外線側圧縮空間とが両ラップの側面を介して
連通された後に、吐出口の流路抵抗低減というより圧縮
空間側の流路抵抗を低減するものに過ぎない。特に、吐
出口が圧力の異なる2つの圧縮空間に連通した時に、前
記2つの圧縮空間を均圧化し吐出弁の異常開弁を抑制す
ることについては記載していない。
【0010】
【課題を解決するための手段】係る課題を解決するため
の本発明の第1の特徴は、渦巻状のラップを立設した旋
回スクロールと、渦巻状のラップを立設した固定スクロ
ールと、前記旋回スクロールの旋回により前記両スクロ
ールの間に概略閉塞して容積が縮小するように形成した
圧縮空間と、圧縮した作動流体を前記圧縮空間から吐出
空間へ吐出するように前記旋回スクロールあるいは固定
スクロールの一方に形成した吐出口であって、かつ両ラ
ップの側面を介して前記両スクロールの中央に形成され
る最内周圧縮空間とその外側に形成される外線側圧縮空
間とが連通する以前に前記最内周圧縮空間と前記外線側
圧縮空間とを連通するように形成した吐出口と、吐出口
を設けないスクロールに配設した前記最内周圧縮空間と
その外側に形成される内線側圧縮空間とを連通する連通
路と、圧縮空間側の圧力が吐出空間側の圧力より大きい
時に前記吐出口を開く吐出弁とを備えたスクロール流体
機械において、前記外線側圧縮空間と前記内線側圧縮空
間を連通する連通路を前記旋回スクロールあるいは前記
固定スクロールの少なくとも一方に設けたことにある。
【0011】本発明の第2の特徴は、渦巻状のラップを
立設した旋回スクロールと、渦巻状のラップを立設した
固定スクロールと、前記旋回スクロールの旋回により前
記両スクロールの間に概略閉塞して容積が縮小するよう
に形成した圧縮空間と、圧縮した作動流体を前記圧縮空
間から吐出空間へ吐出するように前記旋回スクロールあ
るいは固定スクロールの一方に形成した吐出口であっ
て、かつ両ラップの側面を介して前記両スクロールの中
央に形成される最内周圧縮空間とその外側に形成される
外線側圧縮空間とが連通する以前に前記最内周圧縮空間
と前記外線側圧縮空間とを連通するように形成した吐出
口と、吐出口を設けないスクロールに配設した前記最内
周圧縮空間とその外側に形成される内線側圧縮空間とを
連通する連通路と、圧縮空間側の圧力が吐出空間側の圧
力より大きい時に前記吐出口を開く吐出弁とを備えたス
クロール流体機械において、前記外線側圧縮空間と前記
内線側圧縮空間を連通する連通路を前記旋回スクロール
あるいは前記固定スクロールの少なくとも一方に設ける
と共に、前記最内周圧縮空間を形成するスクロールラッ
プ内側の少なくとも一部に切欠き部を形成したことにあ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図を用いて本発明の各実施
の形態を説明する。なお、第2の実施の形態以降におい
ては、第1の実施の形態と共通する構成を一部省略する
と共に重複する説明も省略する。各実施の形態における
同一符号は同一物または相当物を示す。
【0013】本発明の第1の実施の形態を図1〜図4を
用いて説明する。図1は第1の実施の形態におけるスク
ロール流体機械の吐出行程移行時における固定スクロー
ルと旋回スクロールの中央部を示す横断面、図2は第1
の実施の形態におけるスクロール流体機械の全体構成を
示す縦断面図、図3は図2に示すスクロール流体機械の
吐出行程移行時における固定スクロールと旋回スクロー
ル全体を示す横断面図であり図1の拡大図、図4は連通
路80の作用説明図である。
【0014】図2を用いて第1の実施の形態におけるス
クロール流体機械の全体構成を説明する。スクロール流
体機械20は、圧縮部30と駆動部40を密閉容器1に
内蔵して備えている。圧縮部30は、固定スクロール2
と旋回スクロール3とフレーム7を備えている。このフ
レーム7は、密閉容器1に固定されている。固定スクロ
ール2は、渦巻形に形成されたラップ2aを鏡板2bに
立設し、ラップ歯底2cとラップ歯先2dとを有する。
一方、旋回スクロール3は、渦巻形に形成されたラップ
3aを鏡板3bに立設し、ラップ歯底3cとラップ歯先
3dを有している。旋回スクロール3を旋回駆動する駆
動部40は、電動機であるステータ12と、ロータ13
と、クランク軸11と、旋回スクロール3の自転防止機
構の主要部品であるオルダムリング9と、フレーム7と
クランク軸11を回転自在に係合するクランク軸の支持
部材18と、旋回スクロール3とクランク軸11の偏芯
ピン部11aとを回転軸方向であるスラスト方向に移動
可能にかつ回転自在に係合する旋回スクロール3の支持
部材17とを備えている。
【0015】オルダムリング9は、旋回スクロール3と
共にフレーム7と固定スクロール2により構成した空間
8に配設され、オルダムリング9に形成される直交する
2組のキー部分の1組がフレーム7に構成したキー溝7
aを、残りの1組が旋回スクロールラップ3aの反対側
に構成したキー溝7bを滑動する。また、給油系とし
て、密閉容器1下部に溜めた潤滑油10を、クランク軸
11に固定した給油パイプ14とクランク軸11内に設
けた給油穴11bを経由させて、圧縮部30や各支持部
材17,18へと供給する。
【0016】ここで、係るスクロール流体機械の基本的
動作について説明する。ステータ12に通電することに
よりステータ12は回転磁界を発生し、これによりロー
タ13は回転力を与えられ、ロータ13に固定されたク
ランク軸11と共に回転する。旋回スクロール3は、ス
ラスト方向に移動可能かつ回転自在にクランク軸11の
偏芯ピン部11aと係合しており、オルダムリング9な
どの自転防止機構によりクランク軸11の回転運動が旋
回スクロール3の旋回運動へと変換される。固定スクロ
ール2と旋回スクロール3を噛合わせて構成した圧縮空
間4の容積は、旋回スクロール3が旋回運動することに
より減少する。これにより、圧縮空間4内の作動流体は
圧縮される。吐出口50には吐出空間16から圧縮空間
4への作動流体の逆流を防ぐために吐出弁19が配設さ
れている。
【0017】次に、係るスクロール流体機械の基本的な
圧縮動作を図3を用いて説明する。固定スクロール2と
旋回スクロール3とで構成される圧縮空間4は、対にな
った圧縮空間4a,4bが形成されている。この圧縮空
間4aは、外周側から内周側へ複数の圧縮空間4a1,
4a2を有する。同様に、圧縮空間4bは、外周側から
内周側へ複数の圧縮空間4b1,4b2を有する。圧縮
空間4a,4bは、旋回スクロール3が旋回運動するこ
とで容積が減少し、内部の作動流体を圧縮する。この圧
縮動作では、旋回スクロール3の旋回運動に伴って、作
動流体が吸込口5,吸込空間15を経由して圧縮空間4
a,4bへ吸込まれる。吸込まれた作動流体は、圧縮空
間4a1,4a2及び4b1,4b2のように順次容積
を減少させられて、圧縮空間が吐出口50と連通し、か
つ、吐出空間16の圧力より圧縮空間圧力が高くなった
時点で吐出弁19を開弁し、吐出口50,吐出空間1
6,吐出ポート6を経由して吐出される。なお、固定ス
クロール2と旋回スクロール3を噛合わせて旋回運動さ
せる際は、吸込空間15と圧縮空間4a1,4b1の
間、圧縮空間4a1,4a2,4b1,4b2の間、圧
縮空間4a2,4b2と吐出口50の間に作動流体の漏
れが極力生じない十分な気密性の確保が必要となる。
【0018】次に、係る固定スクロール2と旋回スクロ
ール3の中央部の構成を図1を用いて詳細に説明する。
内周側の圧縮空間4a2は、固定スクロール2及び旋回
スクロール3のラップ2a,3a間の側面シール部10
7及び109により形成される。また、内周側の圧縮空
間4b2は、固定スクロール2及び旋回スクロール3の
ラップ2a,3a間の側面シール部106及び108に
より形成される。側面シール部106,107は、図1
の状態がスクロールラップ2a,3aの最内周位置であ
り、これ以上に旋回スクロール3の旋回が進んだ場合に
は、側面シール部106,107は消滅し、2つの圧縮
空間4a2,4b2が最内周の圧縮空間4cに連通す
る。
【0019】スクロールラップ2a,3aの内周側の側
面シール部106,107により両スクロール2,3の
中央に形成される概略閉塞した圧縮空間を最内周圧縮空
間4cと呼ぶこととする。また、最内周圧縮空間4cの
1つ外側に形成する概略閉塞した2つの圧縮空間のうち
で、吐出口50を設けていない方のスクロールラップ3
aの内側に構成される圧縮空間を内線側圧縮空間4a2
と呼ぶこととする。さらには、最内周圧縮空間4cの1
つ外側に形成する概略閉塞した2つの圧縮空間のうち
で、吐出口50を設けていない方のスクロールラップ3
aの外側に構成される圧縮空間を外線側圧縮空間4b2
と呼ぶこととする。
【0020】吐出口50は、最内周圧縮空間4cとその
1つ外側の圧縮空間4a2,4b2との側面シール部1
06,107がスクロールラップ最内周位置に形成され
る駆動位置で、最内周圧縮空間4cとの連通部50aと
外線側圧縮空間4b2との連通部50bとを形成してい
る。この状態から、旋回スクロール3の旋回がさらに進
むと、旋回スクロール3及び固定スクロール2との側面
シール部106,107が消滅し、外線側圧縮空間4b2
及び内線側圧縮空間4a2が最内周圧縮空間4cへ直接
連通することになる。さらに、旋回が進んで最内周圧縮
空間4cの圧力が吐出空間16の圧力より高くなると、
吐出弁19が開弁して、外線側圧縮空間4b2内にあっ
た作動流体が連通部50a,50bを通じて吐出空間1
6に吐出されると共に、内線側圧縮空間4a2内にあっ
た作動流体が連通部50aを通して吐出空間16に吐出
される。
【0021】すなわち、両スクロール2,3の中央に形
成される最内周圧縮空間4cとその外側に形成される外
線側圧縮空間4b2とが、両ラップ2a,3aの側面を
介して連通される以前に連通するように吐出口50の形
状を大きく形成していることから、吐出時の流路抵抗が
大幅に低減していると共に、圧縮空間側の圧力が吐出空
間16側の圧力より大きい時に吐出口50を開く吐出弁
19を備えているので、吐出口50と外線側圧縮空間4
b2を直接連通しても吐出空間16側から外線側圧縮空
間4b2へ逆流することを防止している。
【0022】ここで、吐出弁19の機能を十分に引き出
すためには、吐出時に最内周圧縮空間4cとその外側の
圧縮空間4a2,4b2を均圧化して、吐出弁19の異
常開弁を抑制することが必要になる。特に内線側圧縮空
間4a2は、外線側圧縮空間4b2に比べて最内周圧縮
空間4cへ連通する際の旋回運動に伴う流路面積増大率
が低く、圧縮過剰になる傾向があることから重要であ
る。
【0023】そこで、旋回スクロール3の中央底面に連
通路70を設ける。連通路70は、最内周圧縮空間4c
と内線側圧縮空間4a2を連通させる構成である。連通
させるタイミングは、旋回スクロールラップ3が旋回し
て吐出口50に外線側圧縮空間4b2との連通部50b
の形成を始めた時に、連通路70により最内周圧縮空間
4cと内線側圧縮空間4a2の連通が開始するようにし
てある。したがって、連通路70は、最内周圧縮空間4
cと内線側圧縮空間4a2とを連通し、これらの均圧化
を図っている。
【0024】本実施の形態の特徴は、固定スクロールの
ラップ歯底2cに連通路80を設けることである。連通
路80は、外線側圧縮空間4b2と内線側圧縮空間4a
2を連通させる構成であり、連通路70を補助する機能
を合わせ持つ。
【0025】ここで、図4を用いて連通路80の作用に
ついて詳細に説明する。図4Aは、図1と同じである。
図4B,4Cは、図4Aから順次旋回運動した際のスク
ロールラップ噛合位置を示す概略図である。図4Aの噛
合位置において連通路70は、最内周圧縮空間4cと内
線側圧縮空間4a2の連通を開始する。図4B,4Cで
は、図4Aにおける最内周のラップ側面シール部10
6,107が消滅するので、実際のところ外線側,内線
側圧縮空間4b2,4a2は消滅し、全て最内周圧縮空
間4cとなるが、説明の簡単化のために、図4Aにおけ
る外線側,内線側圧縮空間4b2,4a2に相当する図
4B,4Cにおける最内周圧縮空間4cの部分を、外線
側圧縮空間4b2′,内線側圧縮空間4a2′と表記す
る。
【0026】連通路70は、図4Bの噛合い状態では、
吐出口50と連通路70の連通部70aが極めて小さく
なり、外線側圧縮空間4b2′と内線側圧縮空間4a
2′を含む最内周圧縮空間4cの均圧作用を発揮しなく
なる。また、図4Aの噛合い状態で、両ラップ巻始めが
図4の場合より大きな形状のスクロール流体機械では、
最内周圧縮空間4cがさらに小さくなり、この場合も連
通路70の均圧作用は十分に発揮されない。
【0027】ここで、連通路80は、連通路70の均圧
作用が低下した後にも、外線側圧縮空間4b2′と内線
側圧縮空間4a2′を連通させて、均圧作用を継続させ
る効果を発揮する。したがって、吐出弁19の異常開弁
をさらに的確に抑制できることとなり、吐出弁19の機
能を十分に引き出してスクロール流体機械のエネルギー
効率向上を図ることができる。
【0028】なお、連通路80は、ある旋回角度におい
て旋回スクロールラップ3aにより必ず全面を塞がれる
のであれば、どのような形状でも位置でも良い。また、
連通開始は、図4に示すように連通路70の均圧作用が
低減する旋回角度から始めると良いが、連通路70の連
通作用を補強する意味で連通路70の連通開始時期とほ
ぼ同一時期としても良い。連通終了は図4Cに示す旋回
角度のように外線・内線側圧縮空間4b2′,4a2′
が直接に十分連通するまであれば十分である。
【0029】次に本発明の第2の実施の形態を図5を用
いて説明する。図5は第2の実施の形態におけるスクロ
ール流体機械の吐出行程移行時における固定スクロール
と旋回スクロールの中央部を示す横断面である。この第
2の実施の形態は、第1の実施の形態に比べて、連通路
81を設けた点だけが相違している。
【0030】連通路81は、旋回スクロール3のラップ
歯底3cに設けており、外線側圧縮空間4b2′と内線
側圧縮空間4a2′を連通させる構成である。なお、連
通路81は、ある旋回角度において固定スクロールラッ
プ2aにより必ず全面を塞がれるのであれば、どのよう
な形状でも位置でも良い。また、連通開始は、連通路7
0の均圧作用が低減する旋回角度から始めると良いが、
連通路70の連通作用を補強する意味で連通路70の連
通開始時期とほぼ同一時期としても良い。連通終了は外
線・内線側圧縮空間4b2′,4a2′が直接に十分連
通するまであれば、十分である。連通路80の連通開始
及び終了と概略同時であっても良い。
【0031】よって、連通路81は、連通路80と同様
の作用を発揮し、連通路70の均圧作用が低下した後に
も、外線側圧縮空間4b2′と内線側圧縮空間4a2′
を連通させて、均圧作用を継続させる効果を発揮する。
したがって、吐出弁19の異常開弁をさらに的確に抑制
できることとなり、吐出弁19の機能を十分に引き出し
てエネルギー効率の向上を図ることができる。
【0032】次に本発明の第3の実施の形態を図6を用
いて説明する。図6は第3の実施の形態におけるスクロ
ール流体機械の吐出行程移行時における固定スクロール
と旋回スクロールの中央部を示す横断面である。この第
3の実施の形態は、第2の実施の形態に比べて、固定ス
クロールラップ2aと旋回スクロールラップ3aの巻始
め部内側に切欠部130,131を設けた点が相違して
いる。図6に示す仮想線は切欠く前の形状を示してい
る。
【0033】なお、この切欠部130,131は、スク
ロールラップ歯の高さ方向について、スクロールラップ
2a,3a全体を切欠いた形状としても良いし、スクロ
ールラップ2a,3aの一部を切欠く形状としても良
い。また、切欠部130,131は、ラップ巻始めによ
り側面シール部を構成する際の最内周圧縮空間を構成す
るスクロールラップ2a,3aの内側のどの部分に設け
ても良く、前記側面シール部を基点とする必要はない。
さらに、切欠部130,131は、任意の切欠形状で良
いが、加工性から考えて円弧を用いることが簡単であ
る。図6の切欠部130,131は、2つの円弧をつないだ
形状である。
【0034】よって、切欠部130,131は、外線側
圧縮空間4b2′と内線側圧縮空間4a2′の連通性を
向上させることから、均圧作用を発揮する。したがっ
て、吐出弁19の異常開弁をさらに的確に抑制できるこ
ととなり、吐出弁19の機能を十分に引き出してエネル
ギー効率の向上を図ることができる。
【0035】なお、第1の実施の形態から第3の実施の
形態における連通路80,81は、均圧化の程度に応じ
てこれらの何れか、または複数を取捨選択した構成とし
て良い。
【0036】また、第1の実施の形態から第3の実施の
形態における吐出弁19は、図2に示す吐出口50の吐
出空間16側に設置する他に、吐出口50に内蔵したも
のでも良く、リード弁タイプ以外の吐出弁でも構わな
い。
【0037】以上の各実施の形態においては、吐出口5
0を固定スクロール2に設けたが、旋回スクロール3に
設けても良い。この場合には、固定スクロールラップ2
aを基準とした内線側圧縮空間及び外線側圧縮空間とな
る。
【0038】また、固定スクロールが軸線方向に移動可
能な形式のスクロール流体機械であっても、本発明を具
現化することができる。
【0039】
【発明の効果】本発明により、吐出弁開弁前における最
内周圧縮空間とその外側に形成される圧縮空間の均圧化
を図って,吐出弁の異常開弁を抑制することで、適正な
吐出弁動作を実現し、高いエネルギー効率を確保できる
吐出弁を具備したスクロール流体機械を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態におけるスクロール流体機械
の吐出行程移行時における固定スクロールと旋回スクロ
ールの中央部を示す横断面図。
【図2】第1の実施の形態におけるスクロール流体機械
の全体構成を示す縦断面図。
【図3】図2に示すスクロール流体機械の吐出行程移行
時における固定スクロールと旋回スクロール全体を示す
横断面図。
【図4】連通路80の作用を説明する図。
【図5】第2の実施の形態におけるスクロール流体機械
の吐出行程移行時における固定スクロールと旋回スクロ
ールの中央部を示す横断面図。
【図6】第3の実施の形態におけるスクロール流体機械
の吐出行程移行時における固定スクロールと旋回スクロ
ールの中央部を示す横断面図。
【符号の説明】
2…固定スクロール、3…旋回スクロール、4…圧縮空
間、4c…最内周圧縮空間、4a…内線側圧縮空間、4
b…外線側圧縮空間、7…フレーム、9…オルダムリン
グ、15…吸込空間、16…吐出空間、19…吐出弁、
50…吐出口、70,80,81…連通路、130,1
31…切欠部。
フロントページの続き (72)発明者 栗田 慎 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 水野 隆夫 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 空調システム清水生産本部内 (72)発明者 松永 睦憲 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 空調システム清水生産本部内 Fターム(参考) 3H039 AA03 AA04 AA12 BB25 CC02 CC03 CC05 CC08 CC27 CC29 CC30 CC33

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】渦巻状のラップを立設した旋回スクロール
    と、渦巻状のラップを立設した固定スクロールと、前記
    旋回スクロールの旋回により前記両スクロールの間に概
    略閉塞して容積が縮小するように形成した圧縮空間と、
    圧縮した作動流体を前記圧縮空間から吐出空間へ吐出す
    るように前記旋回スクロールあるいは固定スクロールの
    一方に形成した吐出口であって、かつ両ラップの側面を
    介して前記両スクロールの中央に形成される最内周圧縮
    空間とその外側に形成される外線側圧縮空間とが連通す
    る以前に前記最内周圧縮空間と前記外線側圧縮空間とを
    連通するように形成した吐出口と、吐出口を設けないス
    クロールに配設した前記最内周圧縮空間とその外側に形
    成される内線側圧縮空間とを連通する連通路と、圧縮空
    間側の圧力が吐出空間側の圧力より大きい時に前記吐出
    口を開く吐出弁とを備え、前記外線側圧縮空間と前記内
    線側圧縮空間を連通する連通路を前記旋回スクロールあ
    るいは前記固定スクロールの少なくとも一方に設けたこ
    とを特徴とするスクロール流体機械。
JP2000154349A 2000-05-22 2000-05-22 スクロール流体機械 Pending JP2001329971A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013164039A (ja) * 2012-02-13 2013-08-22 Mitsubishi Heavy Ind Ltd スクロール圧縮機

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013164039A (ja) * 2012-02-13 2013-08-22 Mitsubishi Heavy Ind Ltd スクロール圧縮機

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