JP2003343456A - スクロール式圧縮機 - Google Patents

スクロール式圧縮機

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JP2003343456A
JP2003343456A JP2002147631A JP2002147631A JP2003343456A JP 2003343456 A JP2003343456 A JP 2003343456A JP 2002147631 A JP2002147631 A JP 2002147631A JP 2002147631 A JP2002147631 A JP 2002147631A JP 2003343456 A JP2003343456 A JP 2003343456A
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orbiting
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JP2002147631A
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Masatsugu Konno
雅嗣 近野
Isamu Tsubono
勇 坪野
Hirokatsu Kosokabe
弘勝 香曽我部
Akihiko Ishiyama
明彦 石山
Yuugo Mukai
有吾 向井
Saho Funakoshi
砂穂 舟越
Masao Imanari
正雄 今成
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Hitachi Ltd
Hitachi Appliances Inc
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Hitachi Ltd
Hitachi Home and Life Solutions Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】スクロール式圧縮機において、小型化と高圧力
比化を両立させつつ、旋回内線側圧縮室及び旋回外線側
圧縮室の流体の連通時における流体損失を低減して圧縮
効率を向上する。 【解決手段】渦巻き状のラップ部7bを有する固定スク
ロール7と、渦巻き状のラップ部8bを有する旋回スク
ロール8と、圧縮室の吐出部に設けた吐出弁とを備え
る。ラップ部7b、8b間に旋回内線側圧縮室13a及
び旋回外線側圧縮室13bからなる対の圧縮室を形成し
て、これらを縮小しさらには連通するように、固定スク
ロール7に旋回スクロール8を旋回可能に噛み合わせる
と共に、ラップ部8bの巻終り側にラップ部8bの巻終
り側を延長して非対称ラップ形状とする。旋回内線側圧
縮室13aの容積縮小量を旋回外線側圧縮室13bの容
積縮小量より大きくした部分を有して両圧縮室13a、
13bを連通させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スクロール式圧縮
機に係り、特に旋回スクロール及び固定スクロールを非
対称ラップ形状としたスクロール圧縮機に好適なもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来のスクロール圧縮機としては、特開
平8−21381号公報に示されているように、固定ス
クロールの渦巻体と可動スクロールの渦巻体とを非対称
とし、可動スクロールの渦巻体の巻始め側に第1及び第
2圧縮室の圧縮比を同じにする圧縮比調節用切欠きを設
け、かつ、固定スクロールの渦巻体の巻始め側に第2圧
縮室の吐出タイミングを早める吐出タイミング修正用切
欠を設け、かつ、吐出ポートを拡大形状としたものがあ
る。
【0003】このスクロール圧縮機は、圧縮比調節用切
欠きを設けて第1及び第2圧縮室の圧縮比を同一圧縮比
に調節すると共に、第2圧縮室の吐出タイミングを修正
する吐出タイミング修正用切欠きを設けたことにより、
小型で吸込容積を増大できる非対称渦巻形式としなが
ら、第2圧縮室の圧縮比を低下させることなく、過圧縮
を防止でき、過圧縮による効率低下をなくすことができ
るようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、係る従来技術
には、高圧力比を得るための吐出弁を設けたスクロール
圧縮機については開示されていない。
【0005】仮に係る従来技術に吐出弁を設けて高圧力
比を得ようとした場合には、第1圧縮室は、吐出弁の機
能によって、圧縮比調整用切欠きに係りなく、第2圧縮
室に連通するまで圧縮が継続されて第2圧縮室より高い
圧力に圧縮されることとなり、第1圧縮室と第2圧縮室
は連通時に圧力差が生じて流体損失が発生すると共に、
連通後の圧力が低下して小型で高圧力比にすることがで
きないという課題が発生する。この場合における圧縮室
内圧力の変化を模式的に表す図8を用いて具体的に説明
する。図8は、縦軸に圧縮室内圧力を示し、横軸に旋回
スクロールの回転角を示したものである。この図8から
明らかなように、非対称ラップ形状のスクロール圧縮機
では、第1圧縮室の圧力25aと第2圧縮室の圧力25
bの上昇曲線に位相ずれが生じ、旋回スクロールの所定
角度における連通点26で両圧縮室が連通した後に、連
通圧縮室の圧力25cの上昇曲線に沿って圧力が上昇
し、吐出圧25dに達する。このとき、両圧縮室の連通
点26において、両圧縮室の圧力25a、25bには圧
力差が生じており、連通時に流体損失が発生する。ま
た、連通圧縮室の圧力25cが第2圧縮室の圧力25b
より低下し、これによって小型化と高圧力比化の両立を
図ることがことができなかった。
【0006】本発明の目的は、小型化と高圧力比化を両
立させつつ、旋回内線側圧縮室及び旋回外線側圧縮室の
流体の連通時における流体損失を低減して圧縮効率を向
上できるスクロール式圧縮機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、渦巻き状のラップ部を有する固定スクロ
ールと、渦巻き状のラップ部を有する旋回スクロール
と、圧縮室の吐出部に設けた吐出弁とを備え、前記固定
スクロールのラップ部と前記旋回スクロールのラップ部
との間に旋回内線側圧縮室及び旋回外線側圧縮室からな
る対の前記圧縮室を形成して、これらを縮小しさらには
連通するように、前記固定スクロールに前記旋回スクロ
ールを旋回可能に噛み合わせ、前記旋回スクロールのラ
ップ部の巻終り側に前記固定スクロールのラップ部の巻
終り側を延長して非対称ラップ形状としたスクロール式
圧縮機において、前記旋回内線側圧縮室の容積縮小量を
前記旋回外線側圧縮室の容積縮小量より大きくした部分
を有して前記旋回内線側圧縮室と前記旋回外線側圧縮室
とを連通させる構成としたものである。
【0008】また、前記目的を達成するために、本発明
は、渦巻き状のラップ部を有する固定スクロールと、渦
巻き状のラップ部を有する旋回スクロールと、圧縮室の
吐出部に設けた吐出弁とを備え、前記固定スクロールの
ラップ部と前記旋回スクロールのラップ部との間に旋回
内線側圧縮室及び旋回外線側圧縮室からなる対の前記圧
縮室を形成して、これらを縮小しさらには連通するよう
に、前記固定スクロールに前記旋回スクロールを旋回可
能に噛み合わせ、前記旋回スクロールのラップ部の巻終
り側に前記固定スクロールのラップ部の巻終り側を延長
して非対称ラップ形状としたスクロール式圧縮機におい
て、前記旋回内線側圧縮室と前記旋回外線側圧縮室との
連通前に前記旋回内線側圧縮室の圧力増大量を前記旋回
外線側圧縮室の圧力増大量より大きくした部分を有して
連通させる構成としたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例のスクロ
ール圧縮機を図1から図7に基づいて説明する。
【0010】まず、本実施例のスクロール圧縮機の全体
に関して図7を参照しながら説明する。本実施例のスク
ロール圧縮機は、電動カーエアコンの冷凍サイクル用の
圧縮機として高圧力比を得るために特に好ましく用いら
れる。なお、本発明はこれ以外の高圧力比を得るための
スクロール圧縮機にも適用可能である。
【0011】固定スクロール7は、円板状に形成された
鏡板7aと、この鏡板7aの上に渦巻き状に立設された
ラップ部7bと、前記鏡板7aの外周側に位置し且つラ
ップ部7bを囲むように筒状に形成された支持部7dと
を備えて構成されている。ラップ部7bが立設された鏡
板7aの表面は歯底7cとなっている。そして、固定ス
クロール7は、支持部7dでボルト等によりフレーム1
7に固定されている。固定スクロール7と一体となった
フレーム17は溶接手段等によりケーシング9に固定さ
れている。従って、固定スクロール7は、フレーム17
を介して、ケーシング9に固定されている。
【0012】旋回スクロール8は、円板状の鏡板8a
と、この鏡板8aの上に渦巻き状に立設されたラップ部
8bと、鏡板8aの背面中央に設けられたボス部8dと
を備えて構成されている。ラップ部8bが立設された鏡
板8aの表面は歯底8cとなっている。そして、旋回ス
クロール8は、固定スクロール7に対向して配置され、
フレーム17内に旋回可能に設けられている。
【0013】ケーシング9は、内部に、固定スクロール
7、旋回スクロール8及びフレーム17等からなるスク
ロール部30と、回転子16a、固定子16b等からな
るモータ部16と、これらの摺動部に供給される潤滑油
(図示せず)とを収納した密閉構造になっている。ケー
シング9は、スクロール部30から吐出弁18を通して
吐出される圧縮流体(本実施例では冷媒ガス)による高
圧に耐えられるようになっている。
【0014】モータ部16の回転子16aに固着された
駆動軸10は、フレーム17に回転自在に支持され、固
定スクロール7の軸線と同軸となっている。この駆動軸
10の先端には、駆動軸10の軸線に対して偏心された
クランク10aが設けられている。このクランク10a
には、旋回軸受11を介して旋回スクロール8のボス部
8dが回転可能に取り付けられている。このとき、旋回
スクロール8は軸線が固定スクロール7の軸線に対して
所定距離艪セけ偏心した状態となる。これによって、駆
動軸10が回転することにより、旋回スクロール8が旋
回運動する。
【0015】また、旋回スクロール8のラップ部8bは
固定スクロール7のラップ部7bに周方向に所定角度だ
けずらして重ね合わせられている。すなわち、旋回スク
ロール8のラップ部8bの巻終り側に固定スクロール7
のラップ部7bの巻終り側が延長されて非対称ラップ形
状とされている。そして、旋回スクロール8を固定スク
ロール7に対して、自転しないように拘束しながら相対
的に旋回運動させるための機構として、オルダムリング
12が取り付けられている。
【0016】この状態で旋回スクロール8を旋回運動さ
せると、両ラップ部7b、8b間に、中央部に移動する
に従い連続的に容積が縮小される三日月形状の圧縮室1
3が対となって複数形成される。この対の圧縮室13は
縮小されて中央部に至ると、吐出ポート15に連通され
ると共に、相互に連通される。
【0017】吸入ポート14は、圧縮される作動流体の
吸込み部を構成し、固定スクロール7に形成されてい
る。具体的には、この吸入ポート14は、最外周側の圧
縮室13と連通するように、固定スクロール7の鏡板7
aの外周側に穿設して構成されている。
【0018】また、吐出ポート15は、圧縮された作動
流体の吐出部を構成し、固定スクロール7に形成されて
いる。具体的には、この吐出ポート14は、最内周側の
圧縮室13と連通するように、固定スクロール7の鏡板
7aの中心部に穿設して構成されている。吐出弁18
は、圧縮された作動流体をケーシング9内の空間に吐出
するように吐出部を所定圧力で開くように設けられてい
る。具体的には、この吐出弁18は、吐出ポート15の
上部に、ケーシング9内の空間に面して取り付けられて
いる。
【0019】次に、かかるスクロール圧縮機の作動につ
いて説明する。
【0020】モータ部16に通電されることによって駆
動軸10が回転駆動されると、駆動軸10のクランク1
0aが偏心回転され、このクランク軸10aの偏心回転
が旋回軸受11を介して旋回スクロール8に伝えられ
る。この結果、旋回スクロール8は、固定スクロール7
の軸線を中心に、所定距離艪フ旋回半径をもって旋回運
動される。ここで、旋回スクロール8はこの旋回運動時
にオルダムリング12によって自転しないように拘束さ
れている。
【0021】そして、この固定スクロール7の旋回運動
によって、各ラップ部7b、8bの間にできる圧縮室1
3は中央に移動するに従い連続的に縮小し、吸入ポート
14から吸入した作動流体が順次圧縮され、所定圧力に
圧縮された作動流体が吐出ポート15から吐出弁18を
通して吐出される。
【0022】次に、主に固定スクロール7及び旋回スク
ロール8に係る詳細について図1から図6を参照しなが
ら説明する。
【0023】図1に示すように、固定スクロール7のラ
ップ部7bと旋回スクロール8のラップ部8bとの間に
旋回内線側圧縮室13a及び旋回外線側圧縮室13bを
形成して、これらを縮小しさらには連通するように、固
定スクロール7に旋回スクロール8が旋回可能に噛み合
わされている。なお、旋回内線側圧縮室13a及び旋回
外線側圧縮13bは、上述した圧縮室13を構成するも
のである。
【0024】図2に示すように、旋回スクロール8のラ
ップ部8bの内線及び外線は、インボリュート曲線と円
弧とで構成されている。旋回スクロール8のラップ部8
bの内線及び外線を構成するインボリュート曲線は、ラ
ップ巻終りから円弧19、20まで延びている。旋回内
線側圧縮室13aを構成する旋回スクロール8のラップ
巻始め部の一部がインボリュート曲線の半径より小さい
半径の円弧19で形成されている。また、旋回外線側圧
縮室13bを構成する旋回スクロール8のラップ巻始め
部の一部がインボリュート曲線の半径より小さい半径の
円弧20で形成されている。そして、旋回内線側圧縮室
13aを構成するラップ巻始め部の円弧19の長さ及び
半径が旋回外線側圧縮室13bを構成するラップ巻始め
部の円弧20の長さ及び半径より小さく設定されてい
る。
【0025】図3に示すように、固定スクロール7のラ
ップ部7bの外線はインボリュート曲線で構成されてい
ると共に、その内線はインボリュート曲線と円弧22と
で構成されている。また、固定スクロール7のラップ部
7bの巻始め部が円弧21で構成されている。
【0026】旋回内線側圧縮室13aを構成するラップ
部8b、7bの円弧19、21の長さ及びその半径は、
旋回外線側圧縮室13bを構成するラップ部7b、8b
の円弧22、20の長さ及びその半径よりそれぞれ小さ
く設定されている。
【0027】スクロール式圧縮機は、図1に示すよう
に、シールライン23a、24aによりラップ部7bと
ラップ部8bの半径方向の隙間をシールして旋回内線側
圧縮室13aを構成している。スクロールラップをイン
ボリュート曲線のみで形成している従来例では、このシ
ールラインは旋回スクロールの旋回運動に伴い、インボ
リュート曲線の特性に従ってそれぞれある距離を移動す
るが、このときの旋回内線側圧縮室の容積縮小量はイン
ボリュート曲線の特性により一定である。これに対し
て、スクロールラップ巻始め部の一部を円弧19で形成
した本実施例では、旋回スクロール8の旋回運動に伴う
円弧19に至るまでのインボリュート曲線における旋回
内線側圧縮室13aの容積縮小量は従来例と同様に一定
であるが、円弧19におけるラップ中央側のシールライ
ン23aの移動距離はインボリュート曲線で形成されて
いる場合の移動距離よりも短くなり、そのため旋回内線
側圧縮室13aの容積縮小量はより大きくなって圧縮比
が大きくなる。また、円弧19の長さ及び半径が小さい
ほど、シールライン23aの移動距離は短くなり、旋回
内線側圧縮室13aの容積縮小量はさらに大きくなる。
なお、旋回外線側圧縮室13bに関しても、シールライ
ン23b、24bによりラップ部7bとラップ部8bの
半径方向の隙間をシールして旋回内線側圧縮室13bを
構成している。
【0028】旋回内線側圧縮室13a及び旋回外線側圧
縮室13bの容積縮小量について図4を参照しながら具
体的に説明する。図4において、横軸に旋回スクロール
の回転角を示し、縦軸に圧縮室容積の縮小量を示す。
【0029】旋回内線側圧縮室13aにおいて、図4に
示すように、シールライン23a、24aの両方ともイ
ンボリュート曲線部に位置しているときの圧縮室容積の
縮小量25aは一定である。シールライン23aが円弧
19に位置するときの圧縮室容積の縮小量27aは前記
縮小量25aよりも大きくすることができる。また、旋
回外線側圧縮室13bについても、そのシールライン2
3b、24bの両方ともインボリュート曲線部に位置し
ているときの圧縮室容積の縮小量25bは一定である。
シールライン23bが円弧20に位置しているときの圧
縮室容積の縮小量27bは前記縮小量25bよりも大き
くすることができる。
【0030】ここで、長さ及び半径がより小さい円弧1
9にシールライン23aが位置する場合の旋回内線側圧
縮室13aの容積縮小量27aは、長さ及び半径が大き
い円弧20にシールライン23bが位置する場合の旋回
外線側圧縮室13bの容積縮小量27bより大きくな
る。つまり、長さ及び半径が小さい円弧19における旋
回内線側圧縮室13aの圧縮比は、長さ及び半径が大き
い円弧20における旋回外線側圧縮室13bの圧縮比よ
り大きくすることができる。そして、旋回内線側圧縮室
13aの容積縮小量を旋回外線側圧縮室13bの容積縮
小量と同じ状態から徐々に大きくした部分を有して、旋
回内線側圧縮室13aと旋回外線側圧縮室13bとが連
通されるようになっている。これによって、旋回内線側
圧縮室13aと旋回外線側圧縮室13bとの連通が円滑
に行なわれる。
【0031】係るシールライン23a、23b、24
a、24bの移動状態を図5を参照しながら説明する。
図5(a)はシールライン23aが円弧19の第1の部
分(図示例では円弧19の最初の部分)に位置する状態
であり、図5(b)はシールライン23aが円弧19の
第2の部分(図示例では最終の部分)に位置する状態で
ある。図5から明らかなように、シールライン24aが
第1の部分24a1に位置する状態から第2の部分24
2に位置する状態までの移動距離は、シールライン2
4bが第1の部分24b1に位置する状態から第2の部
分24b2に位置する状態までの移動距離と同じである
(何れもインボリュート曲線であるため)のに対して、
シールライン23aが第1の部分23a1に位置する状
態から第2の部分23a2に位置する状態までの移動距
離は、シールライン23bが第1の部分23b1に位置
する状態から第2の部分23b2に位置する状態までの
移動距離より短い。
【0032】非対称ラップ形状をもつスクロール式圧縮
機では、旋回外線側圧縮室13bは、吸入を完了する時
期が旋回内線側圧縮室13aより早いので、図6に示す
ように旋回外線側圧縮室13bの圧力28bが旋回内線
側圧縮室13aの圧力28aより高い状態で且つ同じ圧
力増大量で圧縮が進行される。しかし、本実施例では、
円弧19における旋回内線側圧縮室13aの圧縮比を円
弧20における旋回外線側圧縮室13bの圧縮比より大
きくして、旋回内線側圧縮室13aの圧力28aの増大
量を連通前に圧力28a1のように旋回外線側圧縮室1
3bの圧力28bの増大量より大きくしているので、旋
回内線側圧縮室13aの圧力28aを高くして旋回内線
側圧縮室13aと旋回外線側圧縮室13bとを連通する
ことができる。これによって、両圧縮室13a、13b
の圧力差を低減でき、流体損失を低減して圧縮効率を向
上することができる。特に、旋回内線側圧縮室13aの
圧力28a1を旋回外線側圧縮室13bの圧力28bと
同程度まで高めているので、連通による流体損失を各段
に低減することができ、連通後においては図6に示した
圧力29の上昇カーブに沿って圧縮比を高めることがで
きる。そして、旋回内線側圧縮室13aの圧力増大量を
旋回外線側圧縮室13bの圧力増大量と同じ状態から徐
々に大きくした部分を有して、旋回内線側圧縮室13a
と旋回外線側圧縮室13bとが連通されるようになって
いる。これによって、旋回内線側圧縮室13aと旋回外
線側圧縮室13bとの連通が円滑に行なわれる。
【0033】上述したスクロールラップ部8b、7bに
円弧19〜22を設ける形状変更はスクロール加工機械
にて容易に設定できるので、新たな設備を導入する必要
はなく、生産コストの上昇を招かない。
【0034】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、小型化と高圧力比化を両立させつつ、旋回内
線側圧縮室及び旋回外線側圧縮室の流体の連通時におけ
る流体損失を低減して圧縮効率を向上できるスクロール
式圧縮機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すスクロール圧縮機の旋
回スクロールと固定スクロールとの噛み合い状態の説明
図である。
【図2】図1の旋回スクロールの平面図である。
【図3】図1の固定スクロールの平面図である。
【図4】図1のスクロール圧縮機における旋回内線側圧
縮室及び旋回外線側圧縮室の容積縮小量を示す特性図で
ある。
【図5】図1のスクロール圧縮機の旋回スクロールと固
定スクロールとのシールラインの移動状態の説明図であ
る。
【図6】図1のスクロール圧縮機における旋回内線側圧
縮室及び旋回外線側圧縮室の圧力変化を示す特性図であ
る。
【図7】図1のスクロール圧縮機の全体の縦断面図であ
る。
【図8】従来技術によるスクロール式圧縮機における旋
回内線側圧縮室及び旋回外線側圧縮室の圧力変化を示す
特性図である。
【符号の説明】
7…固定スクロール、8…旋回スクロール、13…圧縮
室、13a…旋回内線側圧縮室、13b…旋回外線側圧
縮室、18…吐出弁、19〜22…スクロールラップの
一部を形成する円弧、23、24…旋回内線側圧縮室の
シールライン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坪野 勇 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 香曽我部 弘勝 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 石山 明彦 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 日立ホーム・アンド・ライフ・ソリューシ ョン株式会社栃木事業所内 (72)発明者 向井 有吾 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 日立ホーム・アンド・ライフ・ソリューシ ョン株式会社栃木事業所内 (72)発明者 舟越 砂穂 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 今成 正雄 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 Fターム(参考) 3H039 AA03 AA06 AA12 BB28 CC04 CC07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】渦巻き状のラップ部を有する固定スクロー
    ルと、渦巻き状のラップ部を有する旋回スクロールと、
    圧縮室の吐出部に設けた吐出弁とを備え、 前記固定スクロールのラップ部と前記旋回スクロールの
    ラップ部との間に旋回内線側圧縮室及び旋回外線側圧縮
    室からなる対の前記圧縮室を形成して、これらを縮小し
    さらには連通するように、前記固定スクロールに前記旋
    回スクロールを旋回可能に噛み合わせ、 前記旋回スクロールのラップ部の巻終り側に前記固定ス
    クロールのラップ部の巻終り側を延長して非対称ラップ
    形状としたスクロール式圧縮機において、 前記旋回内線側圧縮室の容積縮小量を前記旋回外線側圧
    縮室の容積縮小量より大きくした部分を有して前記旋回
    内線側圧縮室と前記旋回外線側圧縮室とを連通させるこ
    とを特徴とするスクロール式圧縮機。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記旋回内線側圧縮室
    の容積縮小量を前記旋回外線側圧縮室の容積縮小量と同
    じ状態から徐々に大きくした部分を有して連通させるこ
    とを特徴とするスクロール式圧縮機。
  3. 【請求項3】渦巻き状のラップ部を有する固定スクロー
    ルと、渦巻き状のラップ部を有する旋回スクロールと、
    圧縮室の吐出部に設けた吐出弁とを備え、 前記固定スクロールのラップ部と前記旋回スクロールの
    ラップ部との間に旋回内線側圧縮室及び旋回外線側圧縮
    室からなる対の前記圧縮室を形成して、これらを縮小し
    さらには連通するように、前記固定スクロールに前記旋
    回スクロールを旋回可能に噛み合わせ、 前記旋回スクロールのラップ部の巻終り側に前記固定ス
    クロールのラップ部の巻終り側を延長して非対称ラップ
    形状としたスクロール式圧縮機において、 前記旋回内線側圧縮室と前記旋回外線側圧縮室との連通
    前に前記旋回内線側圧縮室の圧力増大量を前記旋回外線
    側圧縮室の圧力増大量より大きくした部分を有して連通
    させることを特徴とするスクロール式圧縮機。
  4. 【請求項4】請求項3において、前記旋回内線側圧縮室
    の圧力増大量を前記旋回外線側圧縮室の圧力増大量と同
    じ状態から徐々に大きくした部分を有して連通させるこ
    とを特徴とするスクロール式圧縮機。
  5. 【請求項5】インボリュート曲線のラップ部を有する固
    定スクロールと、インボリュート曲線のラップ部を有す
    る旋回スクロールと、圧縮室の吐出部に設けた吐出弁と
    を備え、 前記固定スクロールのラップ部と前記旋回スクロールの
    ラップ部との間に旋回内線側圧縮室及び旋回外線側圧縮
    室からなる対の前記圧縮室を形成して、これらを縮小し
    さらには連通するように、前記固定スクロールに前記旋
    回スクロールを旋回可能に噛み合わせ、 前記旋回スクロールのラップ部の巻終り側に前記固定ス
    クロールのラップ部の巻終り側を延長して非対称ラップ
    形状としたスクロール式圧縮機において、 前記旋回スクロールの前記旋回内線側圧縮室を構成する
    ラップ巻始め部の一部をインボリュート曲線の半径より
    小さい半径の円弧で形成したことを特徴とするスクロー
    ル式圧縮機。
  6. 【請求項6】鏡板にインボリュート曲線のラップ部が立
    設された固定スクロールと、鏡板にインボリュート曲線
    のラップ部が立設された旋回スクロールと、圧縮室の吐
    出部に設けた吐出弁とを備え、 前記固定スクロールのラップ部と前記旋回スクロールの
    ラップ部との間に旋回内線側圧縮室及び旋回外線側圧縮
    室からなる対の前記圧縮室を形成して、これらを縮小し
    さらには連通するように、前記固定スクロールに前記旋
    回スクロールを旋回可能に噛み合わせ、 前記旋回スクロールのラップ部の巻終り側に前記固定ス
    クロールのラップ部の巻終り側を延長して非対称ラップ
    形状としたスクロール式圧縮機において、 前記旋回スクロールの前記旋回内線側圧縮室及び前記旋
    回外線側圧縮室を構成するラップ巻始め部の一部を円弧
    で形成すると共に、 前記旋回内線側圧縮室を構成するラップ巻始め部の円弧
    の長さ及び半径を前記旋回外線側圧縮室を構成するラッ
    プ巻始め部の円弧の長さ及び半径より小さくしたことを
    特徴とするスクロール式圧縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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