JP2001329496A - 低密度ボードの製造方法 - Google Patents

低密度ボードの製造方法

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JP2001329496A
JP2001329496A JP2000185441A JP2000185441A JP2001329496A JP 2001329496 A JP2001329496 A JP 2001329496A JP 2000185441 A JP2000185441 A JP 2000185441A JP 2000185441 A JP2000185441 A JP 2000185441A JP 2001329496 A JP2001329496 A JP 2001329496A
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mesh
slurry
board
drying
density board
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Koji Iwasaki
廣司 岩崎
Shunsuke Shioi
俊介 塩井
Masanori Murakami
政徳 村上
Tomoyuki Fukuda
知之 福田
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Oji Packaging Systems Co Ltd
Original Assignee
Oji Packaging Systems Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リサイクル性に優れ、表裏の密度差が少なく
均一性に優れた低密度ボードの製造方法を提供する。 【解決手段】 スラリー組成物のカナダ標準フリーネス
(CSF)が550ml以上であるスラリーを、吸引或
いは流し込み方式で脱水装置のメッシュ上に導き脱水し
て、スラリー中のメッシュ不通過微細成分の堆積層を該
メッシュ上に形成した後に、該堆積層を乾燥処理して得
る低密度ボードの製造方法において、乾燥前或いは後に
堆積層のメッシュと非接触側の面の凹凸を水平方向にス
ライス或いは研磨することによって平滑にし、その後に
厚みが0.9倍以下になるように該面に圧縮処理を施し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リサイクル性に優
れ、表裏の密度差が少なく均一性に優れた低密度ボード
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリスチレンフォーム板(発泡スチレン
ボード)は軽量で、衝撃緩衝性、断熱性、防音性等に優
れているため、建材や畳床用芯材等として大変幅広い分
野に用いられている。しかし、このポリスチレンフォー
ム板は、近年、環境問題への関心が高まるにつれて、他
の所謂プラスチック製品と同様に、使用後の処理を問題
視する声が高まっている。すなわち、使用した後に焼却
処分した場合には、高温の発生による炉の損傷、有毒ガ
スの発生が指摘されている。また、埋め立て処分を行っ
た場合は、分解性がなく、しかも嵩張るため、処分場の
不足を招く一因とも考えられている。一方、回収して再
利用しようとする動きもあるが、その場合樹脂が劣化し
ているために、低級品としてしか利用することができ
ず、回収品のみを原料とした場合には十分な性能のポリ
スチレンフォーム板を得ることができないという問題を
有している。
【0003】このポリスチレンフォーム板がもつ上記問
題点を解決するものとして、以前に本願発明者らは特開
2000−45497において「セルロース系微細物
と、結合強化ファクターが0.15以上の微細繊維を原
料として含有するカナダ標準フリーネス(CSF)が5
50ml以上の組成物からなるスラリーを、メッシュ上
に流し込んでメッシュの小孔から媒体である水を脱水除
去することによって該メッシュ上に湿潤状態の該組成物
からなる層として堆積させ、その後乾燥処理して得ら
れ、且つ密度が0.05〜0.20g/cmであるこ
とを特徴とする畳床用芯板及びその製造方法」を開示
し、その中で2枚の網に挟み脱水する両面ワイヤー(メ
ッシュ)タイプの脱水装置、或いは一枚の網で脱水する
片面ワイヤー(メッシュ)タイプの脱水装置が湿潤ボー
ドの製造に用いられることが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記畳床用芯
板のように高濾水性原料を用いて湿式でボードを製造す
る場合、高濾水性原料は一般に分散性が悪くてフロック
状になりやすく堆積が不均一になりやすいために、両面
ワイヤー(メッシュ)タイプの脱水装置を使って製造す
ると、堆積の多い所が高密度化して不均一なものしか得
られない。一方、片面ワイヤー(メッシュ)タイプの脱
水装置を使って製造すると、メッシュと非接触側の表面
の凹凸が激しいものとなり、単純に該面を平滑にするた
めに圧縮処理を施した場合には凸部が高密度化して密度
が不均一となる。また、その対策として、該表面の凹凸
を水流等で水平切断して平滑にして製造した場合、メッ
シュの水平方向には均一な宿度のものが得られるが、メ
ッシュと接触する側が非接触側より密に堆積する傾向が
あるために、表裏で密度差のかなり大きい(メッシュと
接触する側が高密度で、非接触側が低密度)ものしか得
られないという問題を有していた。本発明の目的は、リ
サイクル性に優れ、表裏の密度差が少なく均一性に優れ
た低密度ボードの製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる現
状に鑑み、特開2000−45497に記載のような湿
式方式で表裏の密度差が少なく均一性に優れた低密度ボ
ードを得る方法について鋭意検討した結果、片面ワイヤ
ー(メッシュ)タイプの脱水装置を使って得られた堆積
層に該堆積層のメッシュ非接触面を平滑にする処理を施
した後、その面に更に一定の圧縮処理を施すことによっ
てそれを成しうることを見出し、本発明を完成するに至
った。すなわち、本発明は、スラリー組成物のカナダ標
準フリーネス(CSF)が550ml以上であるスラリ
ーを、吸引或いは流し込み方式で脱水装置のメッシュ上
に導き脱水して、スラリー中のメッシュ不通過微細成分
の堆積層を該メッシュ上に形成した後に、該堆積層を乾
燥処理して得る低密度ボードの製造方法において、乾燥
前或いは後に堆積層のメッシュと非接触側の面の凹凸を
水平方向にスライス或いは研磨することによって平滑に
し、その後に厚みが0.9倍以下になるように該面に圧
縮処理を施したことを特徴とする低密度ボードの製造方
法である。中でも、脱水装置が、一枚のメッシュで脱水
する片面ワイヤー(メッシュ)タイプの装置であること
が好ましい。また、該片面ワイヤー(メッシュ)タイプ
の脱水装置としては、円網抄紙機、長網抄紙機、傾斜ワ
イヤー抄紙機、水平型ベルトフィルターの脱水パートで
あることが好ましい。また、乾燥方法としては熱風通気
乾燥が好ましい。中でも、乾燥初期の風量が0.2リッ
ター/cm・分以上であることが好ましい。
【0006】本発明の成功の原因は、カナダ標準フリー
ネス(CSF)550ml以上の組成物からなる高濾水
性のスラリーを用いて湿式でボードを製造する際に生じ
る堆積層のメッシュ非接触側の表面の凹凸及び表裏の密
度差に起因するボードの密度の不均一さという問題を、
表面のスライス或いは研磨と特定条件の圧縮処理を
組み合わせることによって解決できることを見出した点
にある。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明を具体的に示すために先ず
略図でもって製造装置及び該装置でのボード製造を説明
するが、これは一例であって本発明はこれに限定される
ものではない。図1に示すように製造装置は、製紙業界
公知の円網タイプの脱水装置11を有しており、円網1
2の内部13からバット14中のスラリー15を吸引す
ることによって網表面にパルプが堆積させられる。本発
明では、濾水性の高いカナダ標準フリーネス(CSF)
550ml以上の組成物のスラリーを用いるので、形成
される堆積層16は、汎用のスラリーを用いた時と違っ
て表面(網と非接触面側の面)の凸凹が激しいものにな
りやすく、また表裏の密度差の大きいものになりやす
い。そのために、形成された堆積層16を殆ど圧縮せず
そのまま乾燥した場合は表面が凹凸のボードしか得られ
ない。また、これを圧縮して乾燥した場合、表面は平滑
なものとなるが凸であった所は密度が高くなり密度的に
不均一なものとなる。本発明では該凹凸をスライス或い
は研磨して平滑にする工程を経るのでその凹凸に起因す
る問題は無くなる。ここでは、図に示すようにスライス
装置としてベルトソー17(横から見たものが図2であ
る)が用いられている。次に、スライスされて表面が平
滑になった湿潤ボードは、ウォータージェット18を幅
方向に走らせて一定間隔に切断して(必要に応じて、別
のウォータージェットでエッジを切断して)枚葉19に
した後、次の圧縮・乾燥ゾーン20に導かれる。圧縮・
乾燥ゾーン20において、湿潤ボードはエンドレスの金
網ベルト21に挟み込まれ、金網ベルト21内のロール
22で加圧しながら上から下に熱風を通して乾燥させる
工程の中で0.9倍以下の厚みに圧縮される。この圧縮
処理で低密度側がより強く圧縮されるので、表裏の密度
差は大幅に改善される。図1の矢印23は、熱風の流れ
を示している。
【0008】本発明に用いられるスラリー組成物の主原
料としては、環境に優しい天然有機高分子からなる繊維
・粗砕物・微粒子が通常用いられる。中でも、主原料と
して好ましいものは、性能の良いボードが得られる繊維
であり、環境面でも優れている天然有機高分子繊維が特
に好ましい。また、リサイクル品が好ましいものとして
挙げられる。これらの原料は単独使用或いは併用され
る。
【0009】天然高分子繊維としては、例えば、(1)
針葉樹、広葉樹をクラフトパルプ化、サルファイトパル
プ化、アルカリパルプ化等して得られる未晒又は晒化学
パルプ、或いはGP、TMP(サーモメカニカルパル
プ)等の機械パルプ、或いはコットンパルプ、リンター
パルプ、撥水化、耐水化、硬化の何れかの処理の少なく
とも一つを施したパルプ、同処理を施した古紙パルプ
(特願平10−032920号明細書)、液体アンモニ
ア処理パルプ、マーセル化パルプ、カールドファイバー
(米国ウェアハウザー社製、商品名:HBA−FF:N
HB405、NHB416)、特願平10−37792
3号明細書に記載の麻繊維、椰子殻繊維等のセルロース
系繊維、(2)ウールや絹糸やコラーゲン繊維等の蛋白
系繊維、(3)キチン・キトサン繊維やアルギン酸繊維
等の複合糖鎖系繊維等が挙げられる。中でも、セルロー
ス系繊維は性能的に優れている上に調達が容易であり特
に好ましい。天然高分子の粗砕物・微粒子としては、例
えば、紙類の短冊状カット品、バガス粉砕物、稲藁、籾
殻或いはその粉砕物、鋸屑等が挙げられる。上記天然高
分子素材は単独使用或いは併用される。また、上記素材
は、特に限定されるものではないが、通常組成物に対し
て乾燥重量で10〜95%の範囲で配合される。
【0010】スラリー組成物には、性能向上や機能付与
等のために必要に応じて適宜他の素材が添加される。ボ
ードの層間強度を高めたい場合には、針葉樹、広葉樹を
クラフトパルプ化、サルファイトパルプ化、アルカリパ
ルプ化等して得られる未晒又は晒化学パルプ、或いはG
P、TMP等の機械パルプ、或いはコットンパルプ、リ
ンターパルプ、古紙パルプ等のセルロース系繊維を、媒
体攪拌ミル(特開平4−18186号公報)、振動ミル
(特開平6−10286号公報)、高圧均質化装置、コ
ロイドミル、叩解機等で湿式機械的処理して得られる数
平均繊維長が0.01〜0.80mmの範囲で、繊維幅
が0.1〜30μmの範囲の微細繊維の配合が有効であ
る。また、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポ
リエチレン−ポリプロピレン鞘芯繊維、芳香族ポリエス
テル鞘芯繊維、脂肪族ポリエステル繊維等の熱可塑性を
有する繊維の配合が有効である。中でも、スラリー調製
の際に分散が容易な数平均繊維長が2〜20mmの範囲
の短繊維が特に好ましい。上記層間強度増強材は単独使
用或いは併用され、通常組成物に対して乾燥重量で1〜
30%の範囲で配合される。
【0011】更にスラリーには、必要に応じて適宜、接
着剤、耐水化剤、撥水剤、無機繊維、金属繊維、染料、
顔料、濾水性向上剤、PH調整剤、スライムコントロー
ル剤、増粘剤、防腐剤、防黴剤、抗菌剤、難燃剤、殺鼠
剤、防虫剤、保湿剤、鮮度保持剤、脱酸素剤、発泡剤、
界面活性剤、電磁シールド材、帯電防止剤、防錆剤、芳
香剤、消臭剤、熱可塑性樹脂粒子、発泡性熱可塑性樹脂
粒子、発泡性や芳香性等の各種マイクロカプセル等を選
択し配合することができる。これらは複数種併用するこ
とも出来る。
【0012】本発明のスラリー組成物にはカナダ標準フ
リーネス(CSF)550ml以上の濾水性の良好なも
のが用いられるが、因みに、本発明ではJIS−P−8
121に基づく方法でスラリー組成物のカナダ標準フリ
ーネスを測定した。
【0013】本発明のスラリーは、通常攪拌機を有する
装置でバッチ式或いは連続的に調製される。スラリー形
成に用いられる媒体としては通常水が使用されるが、他
に水とアルコール(メタノール或いはエタノール等)の
混和液等を使用することができる。スラリーの濃度は、
通常乾燥固形分量が0.03〜10重量%の範囲に調製
されるが、分散状態の点で0.03〜5重量%の範囲の
ものが好ましい。
【0014】本発明のボードは、脱水用メッシュのパ
ート(以下、脱水パートと称し、この工程を脱水工程と
称する)、ボードのメッシュ非接触側の面の凹凸を水
平方向にスライス或いは研磨するためのパート(以下、
水平カットパートと称し、この工程を水平カット工程と
称する)、面を圧縮するためのパート(以下、圧縮パ
ートと称し、この工程を圧縮工程と称する)、乾燥す
るためのパート(以下、乾燥パートと称し、この工程を
乾燥工程する)を少なくとも有する製造装置によって生
産される。更に、必要によっては、枚葉にカットための
パート(以下、枚葉カットパートと称し、この工程を枚
葉カット工程と称する)、ボードの表面処理のためのパ
ート(以下、表面処理パートと称し、この工程を表面処
理工程と称する)等を取り付けた装置が生産に使われ
る。装置としては、上記パートを全て有する機械が理想
的であるが、1台の機械で全ての処理ができない場合
は、組み合わせて生産することができる。
【0015】本発明のボードは、通常は脱水工程→水
平カット工程→圧縮工程→乾燥工程、脱水工程→水平
カット工程→乾燥工程→圧縮工程、脱水工程→水平カ
ット工程→圧縮・乾燥工程(同時に行う)の工程順で行
われ、必要に応じて脱水工程、水平カット工程、圧縮工
程、乾燥工程の直後に枚葉カット工程が入る。本発明の
ボードは、他に脱水工程→乾燥工程→水平カット工程→
圧縮工程(必要に応じて脱水工程、乾燥工程、水平カッ
ト工程、圧縮工程の直後に枚葉カット工程が入る)でも
製造することができる。
【0016】本発明の脱水工程に用いられる装置として
は、2枚のメッシュに挟み両面から脱水するタイプの装
置ではなく、1枚のメッシュによって脱水するタイプの
装置が挙げられる。具体的には、円網抄紙機、長網抄紙
機、傾斜ワイヤー抄紙機、水平型ベルトフィルターHF
B型(株式会社石垣製)等の脱水パートが挙げられる。
脱水方法としては通常吸引脱水法が用いられるが、ガス
加圧脱水法、電気浸透脱水法等を用いることができる。
また、これらを組み合わせて用いることができる。
【0017】本発明の水平カットは、脱水によって流動
性が無くなった湿潤堆積層、或いはその乾燥品に対して
行われるが、水平カット工程に用いられる装置としては
水平方向にスライス可能な装置と表面を削り取る研磨の
装置を用いることができる。水平方向にスライス可能な
装置としては、具体的には、ハイブローノズル(竹綱製
作所製)、カーテンコーターヘッド等のウォーターカー
テンタイプの装置、ナイフソー等のベルトソータイプの
装置、チップソー等の円盤ナイフタイプ、チェインソ
ー、等を挙げることができる。一方、表面を削り取る研
磨の装置としては、回転ブラシ、サンダー等を挙げるこ
とができる。尚、この工程は、通常ボードが動かないよ
う吸引固定して行われる。
【0018】本発明での圧縮処理は、水平カット工程後
の湿潤ボード、或いは水平カット工程を経た乾燥工程中
のボード、乾燥工程後のボードに行われるが、湿潤ボー
ドに行う場合には乾燥工程中継続して行うことが好まし
い。また、乾燥ボードの場合、ボードの組成によっては
加熱を行いながら圧縮することが好ましい場合もある。
本発明では、該圧縮工程によって、ボードの厚みを0.
9倍以下になるように処理するが、より好ましくは0.
8倍以下である。圧縮工程に用いられる装置としては、
二本のロールで挟んで加圧する装置、二枚の板で挟んで
加圧する装置、等の当業界公知の圧縮装置が通常用いら
れる。
【0019】乾燥方法としては、例えば、赤外線乾燥、
マイクロウェーブ乾燥等の方法をとることもできるが、
部分的に焦げるという心配の少ない熱風乾燥方式が好ま
しい。中でも、加熱エアー(ガス)を湿潤状態のボード
に注入する、或いはボードの反対側から加熱エアーを入
れながら吸引する、等の方法で、繊維間空隙に熱風を強
制的に流す熱風通気乾燥は、乾燥が速くて成形体の生産
効率が極めて良く特に好ましい。その際に用いられる装
置としては、例えばハイブローノズル(竹綱製作所
製)、熱風吹き出し可能なメッシュロール或いはメッシ
ュ板、等を組み込んだ装置を挙げることができ、例え
ば、熱風吹き出し可能なメッシュロール或いはメッシ
ュ板に湿潤ボードを密着させて乾燥する方法、メッシ
ュ板上の湿潤ボードをメッシュ板の下から吸引しながら
ボードの上から、熱風吹き出し可能なメッシュロール或
いはメッシュ板を密着(好ましくはやや圧縮気味に密
着)させて、或いはハイブローノズルを使って熱風を加
圧気味に当てる方法、等で乾燥することができる。乾燥
工程と圧縮工程を同時に行う場合には、メッシュ板上の
湿潤ボードをメッシュ板の下から吸引しながらボードの
上から、熱風吹き出し可能なメッシュロール或いはメッ
シュ板を加圧密着させ、加圧を維持しながら乾燥させる
方法が望ましい。熱風乾燥では通常80〜400℃の温
度範囲の熱風が使われる。通気乾燥の通気量としては、
乾燥初期で0.2リッター/cm・分以上が乾燥効率
の点で好ましく、1リッター/cm・分以上が特に好
ましい。この通気乾燥は厚さ10mm以上、取り分け4
0mm以上のボードを乾燥する場合に特に有効である。
ボードの乾燥速度を速めるには、更にボードに或る形状
(円形、四角形、六角形)の貫通或いは非貫通の凹みを
パターン状に設けてエアーが繊維間空隙に入り易くする
工夫も有効である。ボードに凹みを設ける方法としては
脱水に用いるワイヤー(メッシュ)に突起等の凸形状物
を有するものを使う方法、或いは脱水後の湿潤ボードに
ドリル等で後加工する方法が有効である。
【0020】枚葉カットは、通常脱水工程、乾燥工程、
水平カット工程、圧縮工程の直後に行われるが、水平型
ベルトフィルターHFB型(株式会社石垣製)のように
ホッパーを使ってメッシュ上をある大きさに仕切ってス
ラリーを投入し吸引脱水する場合には不要である。枚葉
カットに用いられる装置としては、例えば、ウォーター
ジェット等の水流タイプの装置、ナイフソー等のベルト
ソータイプの装置、チップソー等の円盤ナイフタイプ、
等を挙げることができる。
【0021】更に本発明のボードは表面処理を行うこと
によって性能向上や機能付与が可能である。それによっ
て、例えば接着剤、耐水化剤、撥水剤、染料、顔料、防
腐剤、防黴剤、抗菌剤、難燃剤、殺鼠剤、防虫剤、保湿
剤、鮮度保持剤、脱酸素剤、界面活性剤、電磁シールド
材、帯電防止剤、防錆剤、芳香剤、消臭剤、肥料、等を
含有させることができる。表面処理工程には、通常スプ
レー、含浸、塗工等の手段が採用される。
【0022】得られた低密度ボードは軽量、断熱性、緩
衝性、防音性、吸湿性、通気性等の特徴を生かして、未
加工のまま、或いは貼り合わせや表面塗工や含浸や切断
等の後加工を施してこれまで発泡樹脂が使用されてきた
分野、例えば、建材、包装材、自動車用天井材及び床材
等や、フィルター、植物培地等の分野に使用することが
できる。
【0023】尚、本発明の低密度ボードの主原料には天
然高分子が用いられるが、代わりに合成有機高分子、半
合成有機高分子、無機物質及び有機無機複合材料からな
る繊維・粗砕物・微粒子を用いた場合、環境面では劣る
ものの天然高分子を用いた場合と同様の表裏の密度差が
少ない均一性に優れたボードを得ることができる。以下
に実施例を挙げてより具体的に説明するが、勿論本発明
はこれらに限定されるものではない。尚、実施例及び比
較例において「部」及び「%」とあるのは特に断らない
限り「重量部」及び「重量%」を示す。
【0024】<実施例1>ジュート麻袋を断裁機で20
cm角に切断した後に、粉砕機(ホーライ製、V−36
0)で粉砕し、続いてグラインダーミル(グローエンジ
ニアリング製、GM4−25)で繊維を柔軟にするため
の処理を施して数平均繊維長6mmの麻繊維を得た。こ
の繊維のカナダ標準フリーネスを測定したところ758
mlであった。また、固形分濃度1%の新聞古紙パルプ
の水スラリーを、平均粒径2mmΦのガラスビーズを8
0%充填した1.5リットル用のサンドグラインダー
(シンマル・エンタープライゼス製、ダイノミルKDL
−PILOT)に350ml/分で導入、通過させるこ
とにより数平均繊維長0.26mmの微細繊維を得た。
次に、上記の麻繊維90部(乾燥重量)と微細繊維3部
(乾燥重量)に、更にポリオレフィン繊維(チッソ製、
ESC−055)7部を混合したものに水を加えて固形
分濃度を1.5%に調整し、十分攪拌してスラリーを得
た。尚、このスラリー組成物のカナダ標準フリーネスを
測定したところ695mlであった。続いて、水平型ベ
ルトフィルターHFB型(株式会社石垣製)に上記スラ
リーを投入し、吸引脱水した後に、堆積層の枠からはみ
出した部分をナイフソーを使って水平切断して面を平滑
にした。ベルトフィルターで吸引している状態での水平
切断後の湿潤ボードの厚みは40mmであった。次に、
得られた湿潤ボードを、二枚のメッシュ板で挟んで加圧
して元の厚み40mmの0.85倍である34mmにな
るように圧縮した後に、この圧縮状態を維持したままメ
ッシュ板の一方を吸引し、他方のメッシュ板から180
℃の熱風を注入することによって乾燥を行った。乾燥は
2分で終了した。得られたボードの厚みは34mmで密
度は0.140g/cmであった。また、表裏の密度
差は極めて小さいことが確認できた。
【0025】<比較例1>圧縮処理を行わなかった以外
は実施例1と全く同様にして、厚み40mmで密度0.
119g/cmのボードを得た。しかし、得られたも
のは表裏の密度差が極めて大きいものであった。
【0026】
【発明の効果】本発明は、高濾水性のスラリーをメッシ
ュ上に導き脱水して堆積層を形成した後に、該堆積層を
乾燥して得る低密度ボードの製造方法において、乾燥前
或いは後に堆積層のメッシュと非接触側の面の凹凸を水
平方向にスライス或いは研磨することによって平滑に
し、更に厚みが0.9倍以下になるように該面に圧縮処
理を施すので、表裏の密度差が少なく均一性に優れた低
密度ボードが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられるボード製造装置、及び該装
置でボードを製造している状態を示す略図である。
【図2】図1の円網とスライス装置の部分を横から見た
図である。
【符号の説明】
11:円網タイプの脱水装置、12:円網、13:円網
の内部、14:バット、15:スラリー、16:堆積
層、17:ベルトソー、18:ウォータージェット、1
9:枚葉状態のボード、20:圧縮・乾燥ゾーン、2
1:金網ベルト、22:加圧用ロール、23:熱風の流
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 知之 東京都千代田区外神田三丁目6番4号 王 子製袋株式会社内 Fターム(参考) 4L055 AA07 AA11 AF15 BA05 BA10 BB03 BF02 BF03 BF05 EA05 FA11 GA24

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スラリー組成物のカナダ標準フリーネス
    (CSF)が550ml以上であるスラリーを、吸引或
    いは流し込み方式で脱水装置のメッシュ上に導き脱水し
    て、スラリー中のメッシュ不通過微細成分の堆積層を該
    メッシュ上に形成した後に、該堆積層を乾燥処理して得
    る低密度ボードの製造方法において、乾燥前或いは後に
    堆積層のメッシュと非接触側の面の凹凸を水平方向にス
    ライス或いは研磨することによって平滑にし、その後に
    厚みが0.9倍以下になるように該面に圧縮処理を施し
    たことを特徴とする低密度ボードの製造方法。
  2. 【請求項2】 脱水装置が、一枚のメッシュで脱水する
    片面ワイヤー(メッシュ)タイプの装置である請求項1
    に記載の低密度ボードの製造方法。
  3. 【請求項3】 該片面ワイヤー(メッシュ)タイプの脱
    水装置が、円網抄紙機、長網抄紙機、傾斜ワイヤー抄紙
    機、水平型ベルトフィルターの脱水パートである請求項
    2に記載の低密度ボードの製造方法。
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