JP2001329137A - 電磁波吸収性樹脂組成物 - Google Patents

電磁波吸収性樹脂組成物

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JP2001329137A
JP2001329137A JP2000151348A JP2000151348A JP2001329137A JP 2001329137 A JP2001329137 A JP 2001329137A JP 2000151348 A JP2000151348 A JP 2000151348A JP 2000151348 A JP2000151348 A JP 2000151348A JP 2001329137 A JP2001329137 A JP 2001329137A
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Chiko Fujishima
智晃 藤嶋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸化変質することがなく、駆体に密着性のあ
る薄い層として塗布又は配設でき、且つ広範囲に亘る周
波数帯域に対応できる新規な電磁波吸収性樹脂組成物を
提供すること。 【解決手段】 イソブチルメタアクリレートとブチルア
クリレートの共重合体からなる変性ポリエステル樹脂を
有機溶剤に溶解した液体として用いる電磁波吸収性樹脂
組成物である。そして、この共重合体の100重量部に
対して10000ブレーン以上の粒径をもつ高炉水砕ス
ラグの微粉末を5〜100重量部を加え、更に光酸化防
止剤として5〜100重量部のベンゾフェノン系化合物
および/または水酸化リチウムを配合成分とし、かつこ
の共重合体中のイソブチルメタアクリレートとブチルア
クリレートの組成割合が、重量比で1/1〜3/1であ
ることを特徴とする電磁波吸収性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特殊に変性された
三次元の架橋構造をもつポリエステル樹脂中に、粉末に
した磁気損失材料および/または誘電損失材料を配合
し、広範囲な周波数帯域に対して優れた電波吸収能を有
すると共に、加工性及び電波吸収性能を低下させること
なく、塗布可能で、かつ密着性に優れた電磁波吸収性樹
脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピューターやテレビ等の電子機器の
性能が飛躍的に向上するにつれて、電磁波障害(EMC)
に対する対策が徐々に整備されつつあるのが現状であ
る。その理由は、高層建築の電波反射による受像テレビ
のゴースト現象や、自動車,船舶,列車などの運行に支
障をきたすレーダーの鏡像現象、また、携帯電話から発
信される電波による医療機械の誤動作等が深刻な社会問
題になつてきたからに外ならない。
【0003】上記電磁波障害(EMC)に対する対策とし
て、従来から、これらの電波の反射を防ぎ、電磁波のエ
ネルギーを熱のエネルギーに変える多種多様な電波吸収
材が用いられてきた。(金属板は、厚みの如何に拘らず
一般にその表面で電波を反射してしまい、吸収能力はな
い。)
【0004】かかる働きをする抵抗体の代表的なものが
カーボンである。特にグラファイトカーボンは優れた導
電損失材であつて、所望の材料は、通常、このカーボン
粉末とそれを保持するための保持材からなつている。保
持材には、ゴムやプラスチツク類が多用されている。ま
た、酸化物磁性体であるフェライトも代表的な磁性損失
材であつて、これを焼結して粉末にし、ゴムやプラスチ
ツクに配合して用いられている。両者を比較した場合、
カーボンは、フェライトに比べて電波吸収能が低く、吸
収体の厚みがフェライトの場合の数倍必要になる。しか
し、使用される周波数帯域が異なり、高周波数帯域で
は、カーボンが汎用されている。
【0005】一般的にかかる電波吸収体は、20dB以
上の吸収特性を持つことが必要とされているが、ゴムや
プラスチツク中にカーボンのような導電性材料を添加す
ると、その添加量と共に、電波吸収のパラメーターとな
る誘電損失、即ち誘電率と損失係数の積値は上昇する。
しかしながら、ピーク値が低く、ある濃度以上加える
と、逆に誘電損失は減少する。従つて、導電性材料だけ
で或る波長をカツトする為には一定の厚みが必要にな
り、100MHZ以下の電波を吸収させようとすると、
厚みが増大することとなり、現状では、実用可能な電波
吸収体は得られていない。
【0006】また、前記フェライトは、材料固有の性質
によつて複素透磁率が周波数によつて大きく変化し、高
周波になると、この値が小さくなる。即ち、磁気損失の
周波数分散を利用しているため、25dB以上の吸収特
性を持つ周波数域が50〜300MHZと狭い範囲にあ
り、最近問題になつている自動車や電車によつて生ずる
広い周波数にまたがる障害電波、特に低周波の周波数帯
域に対して適切な材料とは言えなかつた。例えば、VH
Fの周波数帯域でdB(反射減衰量)が25dB以上の優
れた吸収特性を示すスピネル型フェライト焼結体であつ
ても、電波暗室の規格である30MHZ〜1GHZの広
帯域で20dB以上の反射減衰量は得られない。
【0007】一方、400MHZ〜1GHZのような高
い周波数帯域では、波長が短くなるため、前述のカーボ
ンを保持材に混入した電波吸収体は、周波数分散が少な
いので、好適な材料と言える。即ち、厚さを変えれば、
吸収できる周波数も変わつてくる為である。従つて、塗
布による薄膜吸収体でも対応できるが、先程の低い周波
数帯域では、吸収体の厚さが増えてきて、樹脂成膜によ
る塗装被覆では困難になつてくる。
【0008】そこで、入射した電波が金属粉に当つて散
乱し、この散乱光が抵抗体である金属粉の中で熱エネル
ギーに変換される割合が、金属粉の持つ固有の抵抗値で
決められている点に着目し、共振効果以外に散乱効果も
併せもつ金属材料を探せば薄い材料でも広周波数帯域に
対応出来るので、その方向での材料選択に関する研究が
行われてきた。それと平行して、磁性体,誘電体,導電
体を夫々に組み合わせて、それらを積層にしたり、複合
させたりする研究も数多くなされてきた。
【0009】そもそも導電性を持たないプラスチツク
は、渦電流(エツジカレント)を生ぜず、このため、電磁
波を吸収したり遮蔽したりすることが出来ないが、この
プラスチツクに如何にして安価に、且つ効果的に導電性
を付与するかという技術を開発するにあたつては、予想
された以上に困難な障害がある。即ち、プラスチツクに
導電性を付与するにあたつて、プラスチツク本来の性能
を損なわずに添加できる金属粉やカーボンの量には限界
があり、また、金属粉の量が少ないと、吸収効果がない
という矛盾が生ずる。更に加えて、添加した金属粉やカ
ーボンは、長年月に亘る使用により、それが酸化して吸
収性能が低下することも懸念される。
【0010】そこで、原点に立ち戻つて、使用するプラ
スチツク自体の選定から検討がなされるようになつた。
かような観点に立つて開発されたプラスチツクとして
は、チーグラーナツタ触媒を使つて合成されたポリアセ
チレンやポリチオフェン,ポリアニリンのような分子が
一次元に配位されて薄膜で得られる高分子ポリマーであ
る。これらを沃素や5弗化砒素でドーピング処理するこ
とにより、導電性を付与することが可能になった。
【0011】本発明者等は、先に、電磁波遮断(シール
ド)用樹脂組成膜についての新規な組成物に関する発明
を提案した。(特開平1ー288438号公報および特
開平10−7867号公報参照)この発明で開示されて
いるように、この種のコーテイング材は、コーテイング
された成形品や構築物,機器類が電磁波の透過をどの程
度減衰できるかというシールド効果と密着性が、最重要
機能であることを指摘した。
【0012】電磁波吸収体の場合も、上記発明の技術思
想と共通するものがあり、この種の材料としては、単に
シールドを目的にした反射材料から、更に入射した電磁
波エネルギーを吸収してこれを熱エネルギーに変えるこ
とにより、同様なシールド効果を目的とした吸収材料ま
で幅広く存在する。
【0013】シールドの場合は、対象になる電磁波の周
波数帯域が10KHZ〜1MHZであり、この帯域の電
磁波を25dB以上、望ましくは、50dB以上減衰さ
せる必要があるのに対して、吸収の場合は、その周波数
帯域が30MHZ〜1GHZと広範囲に亘っていて、し
かも、この帯域の電磁波を少なくとも25dB以上減衰
させなければならない。しかしながら、一つの材料で広
範囲に亘る周波数帯域に対処することは至難であつた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の点に
鑑み成されたもので、その目的は、特殊に変性されたポ
リエステル樹脂をビヒクルにした電磁波シールド材に、
吸収性を併せもたせた塗料タイプの電磁波吸収材であつ
て、酸化変質せず、駆体に密着性のある薄い層として塗
布又は配設でき、且つ広範囲に亘る周波数帯域に対応で
きる新規な電磁波吸収性樹脂組成物を開発することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】従来の技術が、前記の様
な種々の問題を抱えており、このため、国の内外を問わ
ず、多数のメーカーがこの分野の開発を急いでおり、提
案された公知の技術も数多くある。ゴム質や樹脂の中に
粉末にした磁気損失材料及び/又は誘電損失材料を均一
に配合する、所謂、充填材分散法の問題点は、上記充填
材の分散不均一性、及び充填量増加に伴う樹脂基体の機
械的強度と密着性の低下、更に塗膜表面に充填材が露出
することによる二次塗装の必要性等である。
【0016】そこで、本発明は、上記充填材を夫々に含
む特に指定された組成の樹脂膜において、入射する電磁
波の周波数帯域の如何によつては、単層の樹脂膜を、及
び/又は、その上に重ねて塗装する複合樹脂膜、即ち、
分散複合二重塗装法を用いることによって、磁気損失と
誘電損失をともに利用し、これ迄の問題点を解決すると
共に、いかなる周波数帯域に対しても優れた電磁波吸収
性能を有する樹脂組成物を提供するに至つたものであ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の電磁波吸収性樹脂組成物
に使用する樹脂は、変性ポリエステル樹脂と呼ばれてい
る高分子ポリマーで、有機溶剤に溶かして使うミネラル
タイプとウルトラタイプ、水に分散させて使うアクアタ
イプの3種類がある。
【0018】このポリマーは特殊な溶液重合法を用いて
合成されたもので、ヘルツ化学株式会社の商品である。
ミネラルタイプとウルトラタイプの違いは溶剤の種類を
異にするだけで、いずれのタイプもベースポリマーの主
成分は、イソブチルメタアクリレートとブチルアクリレ
ート及び第三成分からなつている。またアクアタイプの
主成分はブチルアクリレートとαーメチルスチレン及び
第三成分からなつている。
【0019】本発明でこの樹脂を選んだ理由は、他のA
BS樹脂やポリエチレン樹脂等に比べて、金属粉の添加
に依る伸びの低下が極めて小さく、可撓性に優れてお
り、またコンクリートやセメントモルタル表面への接着
性が抜群によい為に、少量の金属粉や、少量の粉末状グ
ラファイトカーボンの添加でも高い電磁波吸収能を示す
ためである。
【0020】この理由の一つは、この樹脂が分子構造の
内部にカルボキシル基(COOH基)を有しており、コ
ンクリートやセメントモルタルの主成分であるCaとH
が置換して強固な化学結合をするためである。もう一つ
の理由は、これも樹脂の持つ分子構造によるが、該ポリ
マーの分子量がGPC法で測定して30万〜100万と
いう高い重合度を示し、且つ、ゴム鞠のように三次元に
絡んだ状態になつている。
【0021】また、この樹脂の耐電圧は約一万ボルトで
あり、この耐電圧が高いということは、樹脂の表面から
裏側に直流電気が導通しにくいということである。換言
すれば、この樹脂の誘電率が大きいという事である。こ
の値が大きい程、入射電波の吸収体内部での実効波長が
短くなり、電波吸収体の厚さを薄くできる。従つて、同
じ量の金属粉を添加しても、見かけの金属間距離が短く
なる為に大きな渦電流を生じることになる。更にこの高
い耐電圧のために、異種金属間の電蝕が殆ど起らないと
いう事である。尚、金属粉、或いはグラファイトカーボ
ン粉末を含む前記した樹脂は、狭い周波数帯域に対して
は単層で使用し、又広範囲な周波数帯域に対しては単層
の上に更に上層を重ね塗りする事に依り、耐熱性、耐候
性、耐水性等の物性を著しく向上せしめ、公知の技術を
凌駕する優れた電磁波吸収性能を示すことを見いだし
た。
【0022】しかしながら、現在市販されている電磁波
吸収性樹脂(UVA)は本樹脂及び弗素樹脂(特に四弗
化エチレン樹脂)以外は凡て紫外線に晒された場合、短
期間で樹脂自体が劣化する。このためにベンゾフェノン
系化合物やシアノアクリレ−ト系化合物のような酸化防
止剤の併用は不可欠である。添加する割合は樹脂自体の
性能に左右されるが通常は5重量%以上である。
【0023】本発明者による電磁波吸収性樹脂の単層の
樹脂組成膜は、イソブチルメタアクリレートとブチルア
クリレートの共重合体からなる変性ポリエステル樹脂を
イソプロピルアルコール、ケロシン又はアセトン等の溶
剤に溶かした液体に、ベンゾフェノン系化合物及び/ま
たは水酸化リチウムを5〜100重量部、更に加えて高
炉水砕スラグの超微粉を5〜100重量部を添加してな
る組成物である。
【0024】一般的にいつて、光安定剤には有害な紫外
線を吸収して無害な熱エネルギ−に転化するベンゾフェ
ノンのような紫外線吸収剤と、紫外線によつて励起され
るポリマ−中のラジカルの発生を抑制するクエンチャ
−、それとHALSと呼ばれる発生したラジカルを捕捉
する機能を持つヒンダードアミンに大別され、後者は特
にそれ自体はUVAではないが、紫外線吸収剤と少量併
用することによつて著しい相乗効果を有する。上記の光
安定剤は既に公知の物質ではあるが、ベースポリマーと
の組み合わせによつてその効果に著しい相違が生じる。
本発明者が提起した高炉水碎スラグの超微粉末について
言えば、その効果は上記のヒンダードアミンに匹敵する
効果を示す。複層の場合は片方の側にスピネル型フェラ
イト焼結体粉末及び/又は、誘電損失をもつグラファイ
トカーボン粉末を加え、それに酸化防止剤を添加して作
られる。
【0025】その配合割合は、共重合体100重量部に
対して、スピネル型フェライト焼結体粉末が50〜50
0重量部及び/又は、グラファイトカーボンが50〜5
00重量部、酸化防止剤が0.1〜1重量部である。こ
の添加範囲を越えると上層と下層との接着性が劣り、こ
の範囲より少ないと、充分な電磁波吸収性能が得られな
い。
【0026】また上層、即ちトツプコートの樹脂組成物
は、ブチルアクリレートとαーメチルスチレンの共重合
体からなる変性ポリエステル樹脂に、誘電損失を持つカ
ーボン粉末、例えば超微粉のグラファイトカーボン及び
/又は、スピネル型焼結体粉末を加え、界面活性剤を介
して水に分散させる事により作られる。その配合割合
は、該エマルジョン中の(共重合体/水)比が30〜6
0%であり、カーボン粉末及び/又は、スピネル型フェ
ライト焼結体粉末が、共重合体100重量部に対して、
100〜500重量部である。また界面活性剤は0.0
1〜10重量部である。
【0027】また上記の樹脂組成物に用いられる光酸化
防止剤は、特に限定するものではないが、例えば最大吸
収波長が320nm近辺のスアデカスタブLA(旭電化
の商品名)や、同じくアデカスタブ1413、それと一
般的な酸化防止剤であるワノツクス(丸善石油化学株式
会社の商品名)、アイオノール(シェルの商品名)等を
併用してもよい。
【0028】また、本発明において使用する界面活性剤
はカチオン系が最も望ましく、アニオン系やノニオン系
は、本樹脂のエマルジョン化にはあまり効果がない。特
にTNDー102(竹本油脂株式会社のポリビニールベ
ンジル型カチオン)が好適である。
【0029】以上の樹脂組成物を作るにあたつては、バ
ンバリーミキサー、回転翼ミキサー等で充分すぎる程に
混合する事が必要である。カーボン粉末を混ぜる場合
は、分散媒でカーボン粒子の導電ネツトワークを形成さ
せる必要があるが、撹拌条件が適切でないと空気を巻き
込み、酸化を受け劣化し易い。特にアクアタイプは水中
に組成物をエマルジョン化して懸濁させる為、この混合
撹拌は極めて重要な操作である。このようにして得られ
た樹脂組成物をスプレー塗装又はハケ塗りにより対象物
の表面に均一塗装する。
【0030】この塗装膜厚みは、重ね塗りする場合でも
10数μ〜数10μのオーダーである。実施の態様の一
つとして広く用いられているのが被塗装体がコンクリー
トの場合、或いは、アクアタイプの該組成物をセメント
モルタルと練り合わせて構造物に塗装する場合である。
この際の塗装厚みは躯体のセメントモルタルの厚みを考
慮に入れても、たかだか3mm程度である。この種の躯
体は多量のシリカを成分として含んでおり、シリカが電
磁波の遮蔽や吸収に有効であることは公知であるが、シ
リカを含む化合物のなかで特に10000ブレーン以上
の高炉水碎スラグの微粉末と本発明の樹脂組成物との相
乗効果により、予期した以上の効果がある事を本発明者
が見いだしたものである。
【0031】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0032】電波吸収効果を測定する為の供試材を作る
為に、先ず、本発明に基ずく方法でアンダーコート(下
塗り)用樹脂組成物とトツプコート(上塗り)用樹脂組
成物の二種類の液を調製した。即ち、下塗り用の組成物
は、イソブチルメタアクリレートとブチルアクリレート
の共重合体樹脂を溶剤としてイソプロピルアルコール
(IPA)中に固形分換算で30wt%溶かした溶液1
00gに対して、ベンゾフェノン(アデカスタブ141
3、旭電化の商品名)を同じく100g投入混合した組
成液に酸化防止剤アイオノール(シェルの製品名)を
0.5gを加えたものである。
【0033】又、上塗り用の組成物は、ブチルアクリレ
ートとαーメチルスチレンの共重合体樹脂100gを、
150gの水に界面活性剤を介して分散懸濁せしめたエ
マルジョン水溶液100gに対して、銅系のスピネル型
フェライト焼結体微粉末50gを投入混合したものであ
る。供試材の基板には15cm×15cm角の厚い鉄板
を用意し、この板の上に下塗り用組成物を約100ミク
ロン塗布し、約48時間放置して乾燥させた。
【0034】次に、上層として、上塗り用組成物100
gに対して、セメントモルタルを600g、又、界面活
性剤(竹本油脂株式会社製のTNDー102)を0.1
5gの割合で添加し混練りした泥状組成物を約2mmの
厚さに塗布した。該供試材は約4週間の養生期間を経た
のち、試験に供した。測定方法は、供試材をアルミ枠で
囲い、塗装面の前面に電波発信器と電波受信器を設けて
発信器から1GHZ〜18GHZの電波を発振させ、受
信器でその反射波を受信して、以下に示す式により減衰
量を計算した。 減衰量(dB)=20*Log(H1/H2) 但し H1は反射波の強度 H2は入射波の強度 測定して得られた結果は図1に示した。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による電波
吸収体組成物は、特殊な分子構造に変性されたポリエス
テル樹脂を主成分とするマトリツクス中に、高炉水碎ス
ラグの超微粉とベンゾフェノン及び/または水酸化リチ
ウムを混和してなる組成物であつて実施の態様として
は、該組成物をそのまま構造物や機器、構築物に薄く塗
布又は配設するか、或いはセメントモルタルと混練りし
たものとして構築物に塗布し、幅の狭い周波数帯域に対
しては単層で、又、広い範囲に亘る周波数体域に対して
は複層で用いることに依つて、充分な電波吸収効果を発
揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である電磁波吸収性樹脂組成
物の「塗料の減衰特性」を示した図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イソブチルメタアクリレートとブチルア
    クリレートの共重合体からなる変性ポリエステル樹脂を
    有機溶剤に溶解した液体として用いる電磁波吸収性樹脂
    組成物において、該共重合体の100重量部に対して1
    0000ブレーン以上の粒径をもつ高炉水砕スラグの微
    粉末を5〜100重量部を加え、更に光酸化防止剤とし
    て5〜100重量部のベンゾフェノン系化合物および/
    または水酸化リチウムを配合成分とし、かつ該共重合体
    中のイソブチルメタアクリレートとブチルアクリレート
    の組成割合が、重量比で1/1〜3/1であることを特
    徴とする電磁波吸収性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記有機溶剤が、イソプロピルアルコー
    ル,ケロシンまたはアセトンであることを特徴とする請
    求項1に記載の電磁波吸収性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記樹脂組成物を下層とし、その上に重
    ねて塗装する樹脂組成物として、ブチルアクリレートと
    αーメチルスチレンの共重合体からなる変性ポリエステ
    ル樹脂を用い、この100重量部に対して、誘電損失を
    持つ50〜500重量部のカーボン粉末、および/また
    は、50〜500重量部のスピネル型フェライト焼結体
    粉末を、界面活性剤を介して水に分散配合してなること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の電磁波吸
    収性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記カーボン粉末が、グラファイトカー
    ボンの超微粉であることを特徴とする請求項3に記載の
    電磁波吸収性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 前記スピネル型フェライト焼結体粉末
    が、銅−亜鉛系,ニツケル−亜鉛系,マンガン−亜鉛
    系,ニツケル−鉄(パーマロイ)系のいずれか一種である
    ことを特徴とする請求項3に記載の電磁波吸収性樹脂組
    成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004104063A (ja) * 2002-07-18 2004-04-02 Hokkaido Univ 電磁波吸収体
KR100505856B1 (ko) * 2002-05-29 2005-08-03 학교법인 호서학원 전자파 차폐기능성 복합성형체 조성물 및 그 제조방법

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