JP2001329099A - ポリプロピレン系樹脂押出板状発泡体 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂押出板状発泡体

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JP2001329099A
JP2001329099A JP2000150220A JP2000150220A JP2001329099A JP 2001329099 A JP2001329099 A JP 2001329099A JP 2000150220 A JP2000150220 A JP 2000150220A JP 2000150220 A JP2000150220 A JP 2000150220A JP 2001329099 A JP2001329099 A JP 2001329099A
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foam
resin
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polypropylene
extruded
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English (en)
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Takahiro Murata
崇洋 村田
Haruo Tomita
春生 冨田
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 厚みがあり、表面性状が良好で、しかも熱伝
導率が小さなポリプロピレン系樹脂押出板状発泡体を提
供する。 【解決手段】 ポリプロピレン系樹脂組成物を押出機で
溶融し、発泡剤を圧入して混練・溶解した後に押出機先
端に取り付けた矩形状の開口部を有する押出金型から大
気中に押し出して得られる厚み20mm以上の押出板状
発泡体であって、該発泡体両表面から厚みの5〜15%
の領域における平均気泡径が1.0mm以上2.0mm
以下であり、かつ該発泡体両表面から厚みの45〜55
%の領域における平均気泡径が0.3mm以上1.0m
m未満であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂押
出板状発泡体に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリプロピレン系樹
脂押出板状発泡体に関する。さらに詳しくはたとえば建
築物の壁、床間仕切り等の断熱材などに好適に使用しう
るポリプロピレン系樹脂押出板状発泡体に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂からなる発泡体は、一般に
軽量で断熱性や外部からの応力の緩衝性が良好であるこ
とから、構造剤、断熱材、緩衝材、芯材、食品容器など
に幅広く利用されている。
【0003】ポリオレフィン系樹脂を基材樹脂とする発
泡体は、低密度ポリエチレンを中心に利用されている
が、ポリエチレン系樹脂は、耐熱性が不十分であるとい
う欠点を有している。一方、ポリプロピレン系樹脂は、
弾性が高く、耐溶剤性、耐熱性、ヒンジ特性等に優れて
いることから、発泡体を製造した場合、極めて広い利用
範囲が期待できるものの、溶融時の粘度、張力が低く、
そのため発泡時に気泡壁の強度が充分に保持されず、ポ
リエチレン系樹脂の如く肉厚の発泡体を製造することは
きわめて困難である。
【0004】このような困難性を克服する試みとして、
メルトテンションの高いポリプロピレンを用いた発泡方
法が特開昭53−43766や特開昭57−19713
2、特開平4−363227などで開示されている。し
かしこれらの方法を用いても未だ満足な板状発泡体は得
られていない。
【0005】近年、特表平5−506875号公報の様
な長鎖分岐構造を有するポリプロピレンを使用してシー
ト状の発泡体を製造する方法が報告されている。しかし
ながら、前記方法では厚さが10mmより薄い薄肉の発
泡体しか製造することができず、コルゲートやボイドの
発生を伴って、耐衝撃性や緩衝性の良好な発泡体は得ら
れていない。
【0006】また、特表平8−504471号公報には
発泡性因子F(発泡体密度×平均気泡径×tan
δ0.75)<1.8のプロピレン発泡体が開示されている
が、多孔ダイによる収束発泡体という特殊な方法によ
る、品質的に欠陥のある発泡体でしか厚い発泡体が得ら
れないという欠点がある。
【0007】また、特開平7−252318および再公
表特許WO95/20622には2軸伸長粘度を規定し
たプロピレン重合体樹脂押出発泡体が開示されている。
しかしながら、この樹脂は超高分子量成分を含むMzが
8×106以上、Mz/Mwが10以上という特殊な線
状ポリプロピレン系樹脂であり、開示されている製造法
としては2段階重合という特殊な方法である。加えてこ
の樹脂を押出発泡成形する際には押出機に加えて油圧に
よって作動するアキュムレーターという特殊な装置を使
用している。特に、これらの特許では発泡体の表面性状
に関わるコルゲートの発生状態を平均気泡径によって評
価しており、この平均気泡径が大きい方がコルゲートも
小さく商品価値が大きいものとしているが、平均気泡径
の大小とコルゲートの発生との間には直接的な対応性が
あるとはかならずしもいえない。
【0008】一方、ポリオレフィンとポリスチレンとの
混合樹脂の発泡体としては相溶化剤として水素化された
スチレン−ブタジエンブロック共重合体を使用した混合
物の発泡体が特開昭50−32263号公報に開示され
ている。しかし、この公報ではポリオレフィンとして
は、ポリエチレンのみの記載しかなくポリプロピレンは
記載されていない。
【0009】また、特開昭62−174237号公報に
は、1,2結合型ブタジエン量とスチレン量を規定した
特殊な水素化されたスチレン−ブタジエンブロック共重
合体を使用したポリオレフィンとポリスチレンとの混合
樹脂の発泡体が開示されている。また、この公報の中に
ポリオレフィンとしてポリプロピレンを使用した例も開
示されているが、この方法では厚みの極めて薄い数mm
程度の発泡体しか得られない。
【0010】このようにポリプロピレン系樹脂の発泡性
を改良し、表面性状が良好であり、厚みがあり、独立気
泡率が高く、平均気泡径の小さい低密度な発泡体を、押
出発泡によって製造する方法が未だ見出されていないの
が現状である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、表面
性状が良好であり、断熱特性が優れた低密度なポリプロ
ピレン系樹脂押出発泡体を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意検討を行った結果、特定の気泡径分布
構造を有する気泡で構成された押出板状発泡体とするこ
とによりこれらの課題が解決されることを見出し、従来
得られていなかったレベルの表面平滑性と低い熱伝導率
を併せ持つポリプロピレン系樹脂押出板状発泡体を完成
するに至った。
【0013】すなわち本発明は、ポリプロピレン系樹脂
組成物を押出機で溶融し、発泡剤を圧入して混練・溶解
した後に押出機先端に取り付けた矩形状の開口部を有す
るダイスから大気中に押し出して得られる厚み20mm
以上の押出板状発泡体であって、該発泡体両表面から厚
みの5〜15%の領域における平均気泡径が1.0mm
以上2.0mm以下であり、かつ該発泡体両表面から厚
みの45〜55%の領域における平均気泡径が0.3m
m以上1.0mm未満であることを特徴とするポリプロ
ピレン系樹脂押出板状発泡体に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のポリプロピレン系樹脂押
出板状発泡体は、該発泡体の両表面から厚みの5〜15
%の領域(発泡体外部域)における平均気泡径が1.0
mm以上2.0mm以下、より好ましくは1.2mm以
上1.8mm以下であり、かつ該発泡体の両表面から厚
みの45〜55%の領域(発泡体内部域)における平均
気泡径が0.3mm以上1.0mm未満、より好ましく
は0.5mm以上0.9mm以下であることを特徴とし
ている。発泡体外部域の平均気泡径が上記の範囲にない
場合は発泡体の表面性状が悪化し、発泡体内部域の平均
気泡径が上記の範囲にない場合は発泡体の熱伝導率が低
く保てない傾向にある。
【0015】本発明の前記特性の気泡径分布構造を有す
る押出板状発泡体の製造方法については、以下に述べる
樹脂流路構造が形成され矩形の開口部を有する押出金型
を用いることが有効である。すなわち図1あるいは図2
に例示するように押出金型の厚み方向に変化しない平行
流路部分(ランド)内部において、厚み方向に2枚以上
の仕切板を設け、その仕切板相互の間隔(図1,2中の
Bの間隔)よりも仕切板と押出金型本体の流路面の間隔
(図1,2中のAの間隔)を広くとるようにした押出金
型を用いる方法がある。
【0016】本発明の押出板状発泡体を製造する具体的
な方法としては、前記押出金型が取り付けられ撹拌混合
機が併設されたタンデム型押出機を用いることが挙げら
れる。このタンデム型押出機は、樹脂を溶融させた後に
揮発性発泡剤を混合できる単軸の第一段押出機、溶融樹
脂の温度を冷却する同じく単軸の第二段押出機、そして
スクリューのように溶融樹脂に推進力を与えるものでは
なく撹拌翼がシリンダー内で回転して溶融樹脂を撹拌・
混合する撹拌混合機、これら3台の装置が継続管により
順に連結されて構成されている。さらに撹拌混合機先端
には前記押出金型が取り付けられ、さらにこの押出金型
には成形金型と賦形金型が連接されている。
【0017】タンデム型押出機に投入されたポリプロピ
レン系樹脂組成物は溶融し、発泡剤と撹拌・混合される
と同時に温度調整がなされ前記押出金型より押し出され
て、成形金型内で発泡し、さらにこの成形金型に連接し
た上下2枚の平板によって構成される賦形金型を通過す
ることによって押出板状発泡体が得られる。ここで成形
金型とは押出金型より押し出され発泡過程にある溶融樹
脂に上下左右の方向から接触して板状に成型するもので
あり、また賦形金型は発泡体上下面に接触し発泡体に背
圧を誘発させて成型金型に密着させる作用を有するもの
である。
【0018】本発明における前記押出金型は長さ10〜
150mmのランド内部において、上述したように押出
金型の樹脂流路の厚み方向に2枚以上の仕切板を設け、
その仕切板相互の間隔よりも仕切板と押出金型本体の流
路面の間隔を広くとることに加えて、ランドの長さの2
0〜80%、より好ましくは30〜60%を樹脂流路と
平行に2枚以上の仕切板によって分割されたものである
ことが好ましい。また前記仕切板の位置は押出金型の吐
出口からランドの長さの20%以上上流側であることが
好ましい。上記のような仕切板の長さと位置そして間隔
が満たされない場合には前記した気泡分布構造と発泡体
の表面性、そして低い熱伝導率の発泡体が得られない傾
向にある。
【0019】前記押出金型のランド内部に設置する2枚
以上の仕切板は、押出中に相互の間隔を安定に保つた
め、リブ部分を設けて仕切板相互を連結・固定すること
が可能である。
【0020】本発明で用いられる230℃でのメルトテ
ンションが5g以上のポリプロピレン系樹脂としては各
種のものを用いることができるが、たとえば線状のポリ
プロピレン樹脂に照射線を照射するまたは線状のポリプ
ロピレン樹脂、ラジカル重合開始剤および単量体を溶融
混合するなどの方法により得られる分岐構造あるいは高
分子量成分を含有する改質ポリプロピレン樹脂が挙げら
れる。メルトテンションが低いポリプロピレン系樹脂で
は適切な発泡倍率を有する発泡体が得られない傾向があ
る。
【0021】これらの中では線状のポリプロピレン樹
脂、ラジカル重合開始剤および単量体を溶融混合して得
られる改質ポリプロピレン樹脂が安価に製造できる点か
ら好ましく、特に線状ポリプロピレン樹脂とイソプレン
とラジカル重合開始剤とを反応させて得られる改質ポリ
プロピレン樹脂が適している。
【0022】線状ポリプロピレン樹脂(たとえばイソプ
レンとラジカル重合開始剤により改質したポリプロピレ
ン樹脂を得るための線状ポリプロピレン樹脂)としては
プロピレンの単独重合体および共重合体、特にブロック
共重合体およびランタ゛ム共重合体であって、結晶性の重合
体が挙げられる。
【0023】単量体としてはスチレン、イソプレンを単
独でも、組み合わせて使用しても良い。通常は、線状ポ
リプロピレン樹脂100重量部に対して0.01〜50
重量部程度の単量体を使用することが好ましい。単量体
の使用量が少ないと線状ポリプロピレンの改質が効果的
に生じないため、発泡体を製造する際、適切な発泡倍率
を有するものが得られない傾向にあり、多いと線状ポリ
プロピレンの改質が過剰に進み、発泡体を製造する際、
押出機の制御が困難になる傾向がある。
【0024】ラジカル重合開始剤としては、過酸化物、
アゾ化合物など一般的に用いられるものが挙げられる。
ラジカル重合開始剤の添加量としては、線状ポリプロピ
レン樹脂100重量部に対して、0.05〜10重量部
の範囲で適宜選択できる。ラジカル重合開始剤の使用量
が少ないと線状ポリプロピレンの改質が不充分なものと
なり好適な発泡倍率の発泡体が得られない傾向があり、
多いと線状ポリプロピレン樹脂に架橋が生じ、溶融時に
延びにくくなるので、やはり好適な発泡倍率の発泡体が
得られない傾向がある。
【0025】線状ポリプロピレン樹脂と単量体とラジカ
ル重合開始剤とを混練する順序、方法に特に制限はな
い。
【0026】線状ポリプロピレン樹脂と単量体とラジカ
ル重合開始剤とを反応させるための装置としては、ロー
ル、コニーダー、バンバリーミキサー、ブラベンダー、
単軸押出機、二軸押出機などの混練機、二軸表面更新
機、二軸多円盤装置などの横型攪拌機またはダブルヘリ
カルリボン攪拌機などの縦型攪拌機など高分子材料を適
宜の温度に加熱することができ、適宜の剪断応力を与え
ながら混練することができる装置が挙げられる。これら
のうち、特に単軸または二軸押出機が生産性の点から好
ましく、特に二軸押出機を使用してこれらを溶融下で混
練する方法が高い生産性を確保できる点で好ましい。
【0027】本発明で用いられるポリスチレン樹脂と
は、公知のポリスチレン樹脂、たとえば、スチレンの単
独重合体;α−メチルスチレン、アクリロニトリル、ブ
タジエン、メチルメタアクリレートなどのスチレンと共
重合できる単量体とのスチレンを主成分とする共重合
体;これらの混合物を使用することができるが、望まし
くはスチレンの単独重合体であり、そのメルトフローレ
ートとしては0.5〜20g/10分(200℃×5K
g)の範囲のものが好ましい。ポリスチレン樹脂のメル
トフローレートが小さいと、押出機を用いて押し出す
際、押出機内部の圧力が高くなりすぎ、運転状態が不安
定となる傾向があり、大きいと発泡剤が押出機に同時に
添加された際、押出機内部の圧力が充分に保てず、好適
な発泡倍率の発泡体が得られない傾向がある。
【0028】また、本発明において相溶化剤を用いる場
合、スチレン−エチレン・プロピレンブロック共重合体
(SEPS)やスチレン−ブタジエンブロック共重合体
(SEBS)などが好適に用いることができる。これら
の共重合体中のスチレン成分の割合は20〜70重量%
が好ましい。また、これらブロック共重合体の二重結合
はその全二重結合部分に対し90%以上水素化されてい
る物が好ましい。水素化の程度が低いと充分な相容化剤
としての効果が得られない傾向がある。
【0029】なお、ポリプロピレン系樹脂とポリスチレ
ン樹脂および相容化剤の混合においては、それぞれの成
分樹脂のペレットまたは粉末をブレンダーで均一にブレ
ンドしたもの、これを一度混練押出機に通し溶融ブレン
ドしたもの、またはポリスチレン樹脂と相容化剤の二者
だけを溶融ブレンドし、その後にポリプロピレン系樹脂
をブレンドしたもの、これらいずれのものを用いてもよ
い。
【0030】本発明において発泡剤としては、例えばプ
ロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘ
プタンなどの脂肪族炭化水素類が好ましく、特にイソブ
タンが好ましい。
【0031】発泡剤の添加量は発泡剤の種類および目標
発泡倍率によって選択されるが、一般に樹脂組成物10
0重量部に対して1〜100重量部が好ましい。
【0032】また、気泡径のコントロールのため、必要
に応じて、重曹−クエン酸、マイカ、タルク、一次粒子
径が1ミクロン以下のポリテトラフルオロエチレンなど
の発泡核剤を併用してもよい。
【0033】
【実施例】次に実施例および比較例に基づいて本発明に
関する発泡体について説明するが、本発明はかかる実施
例のみに限定されるものではない。
【0034】得られた押出板状発泡体の厚み、断面にお
ける気泡径、メルトテンション、表面平滑性を表す標準
偏差、熱伝導率はつぎの方法により算出した。 (発泡体の厚み)発泡体の長手方向と垂直な矩形面を発
泡体の断面とし、これの短辺を発泡体の厚みとした。 (平均気泡径)発泡体の両表面から厚みの5〜15%の
領域と45〜55%の領域において、発泡体断面の幅方
向直線上の任意の長さに存在する気泡数を数え、これら
から気泡弦長を算出し、さらにこの気泡弦長に1.62
6を掛けた値を平均気泡径とした。
【0035】気泡弦長=発泡体断面の幅方向直線上の任
意の長さ/その直線上に存在する気泡数 平均気泡径=1.626×気泡弦長 (メルトテンション)先端に口径1mm、長さ10m
m、流入角45度のオリフィスを装着した、口径10m
m、長さ350mmのシリンダーを有するピストン型剪
断粘度計を用い、このシリンダーを230℃に加熱し、
ポリプロピレン系樹脂約15gを充填し、5分間予熱す
る。予熱後ポリプロピレン樹脂をシリンダーと同径のピ
ストンを用いて10mm/minの速度で押出し、該押
出物を張力検出用プーリーを通過させて1m/minの
速度から加速させながら巻き取り、該押出物が切断され
るまでの引取に要する張力を測定する。この破断時の張
力を以て該ポリプロピレン樹脂のメルトテンションとし
た。なお、測定機器としては、東洋精機製キャピログラ
フを用いた。 (表面平滑性を表す標準偏差)図3のように押出板状発
泡体の厚みを、発泡体の長手方向と垂直な面を発泡体の
断面とした際、これを挟むことができる平行な2本の直
線の最小間隔とした。さらに厚みに対する二等分線を、
発泡体の断面内で厚みを垂直に等分する直線とした。こ
のようにして表される厚みに対する二等分線上に5mm
間隔で20個の点を指定し、この点から両方の表面まで
の距離xiを計40箇所測定した。表面平滑性を表す標
準偏差Sは数1によって表した。
【0036】
【数1】 ここでxバーはxiの平均値であり、n=40である。
なお、発泡体の幅を発泡体断面内の厚みに対する二等分
線の長さとするが、厚みに対する二等分線上に指定する
20個の点はこの発泡体の幅の中央から均等に配置する
ものである。 (熱伝導率)表皮部を除いた200×200×20mm
の成形体を切り出し、JIS A1412にしたがって
熱伝導率測定装置(英弘精機製HC−072)を使用
し、測定条件は250Kg/m2荷重下で平均温度20
℃での熱伝導率を測定した。
【0037】(実施例1)エチレンランダムポリプロピ
レン(グランドポリマー(株)製、ハイポールB23
0、エチレン含量3重量%、230℃でのMI=0.
5)100重量部に対して、ラジカル発生剤として1,
1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサン(日本油脂(株)製、パーブチル3
M、1分間半減期温度147℃)0.5重量部を配合
し、リボンブレンダーを用いて10分間混合攪拌した。
この混合物を、(株)日本製鋼所製、2軸押出機(TE
X44、同方向2軸タイプ、シリンダー孔径44mm
φ、最大スクリュー有効長(L/D)38)のホッパー
から50Kg/hの供給速度で供給し、途中に設けた導
入部より、イソプレンモノマー(和光純薬(株)製、特
級)2.5重量部を定量ポンプを用いて1.25Kg/
hの速度(プロピレン単独重合体100重量部に対して
2.5重量部となる割合)で供給した。得られた直径約
4mmのロッド状の改質ポリプロピレン樹脂を水冷し、
3mmの長さに細断することにより改質ポリプロピレン
樹脂のペレットを得た。得られた改質ポリプロピレン樹
脂のメルトテンションは7.6gであった。
【0038】得られた改質ポリプロピレン樹脂100重
量部に対し、マイカ((株)山口雲母工業所製A−21
S)0.3重量部をリボンブレンダーでドライブレンド
した上記混合物をオンレータが併設されたタンデム型押
出機(第一段押出機(シリンダー径65mm)、第二段
押出機(シリンダー径90mm)、オンレータ(シリン
ダー径150mm)が継続管により連結された発泡押出
装置)に50Kg/hで供給し、第一段押出機中にて2
00℃で可塑化した後、発泡剤としてイソブタンを混合
樹脂100重量部に対して12重量部圧入し、第二段押
出機ならびにオンレータの温度を141℃に設定して、
図1で示したようにランド部に2枚の仕切板を挿入した
押出金型より成形金型内に押し出して樹脂を発泡させ、
それと同時にこの成形金型に連接した上下2枚の平板に
よって構成される賦形金型を通過させることにより板状
発泡体を得た。
【0039】この押出金型はスリット幅50mm、スリ
ット厚(H)8.5mm、ランド長(L)25mmであ
り、押出金型出口から10mm上流側の位置に長さ(L
1)10mm、厚み1.5mmの仕切板を2枚挿入し
た。仕切板と押出金型本体の流路面の間隔(A)は2.
0mm、仕切板相互の間隔(B)は1.5mmとした。
【0040】得られた押出板状発泡体の物性を表1にし
めす。
【0041】(実施例2)実施例1と同じ方法で得た改
質ポリプロピレン樹脂100重量部にマイカパウダー
(山口雲母(株)製A21S)0.3重量部、ブレンド
オイル(越谷化成製、スーパーイーズ)0.1重量部を
添加してリボンブレンダーで混合した。ついでこの混合
物を実施例1と同様にタンデム型押出機に供給して押出
発泡を行った。ここで用いた押出金型は図2に示したよ
うに、スリット幅50mm、スリット厚(H)8.5m
m、ランド長(L)25mmであり、押出金型出口から
10mm上流側の位置に長さ(L1)10mm、厚み
1.5mmの仕切板を3枚挿入した。仕切板と押出金型
本体の流路面の間隔(A)は1.2mm、仕切板相互の
間隔(B)は0.8mmとした。
【0042】得られた押出板状発泡体の物性を表1にし
めす。
【0043】(実施例3)実施例1と同じ方法で得た改
質ポリプロピレン樹脂67重量部、ポリスチレン樹脂
(旭化成(株)製、スタイロンG9305、メルトフロ
ーレート1.5)33重量部、スチレン−エチレン・プ
ロピレン共重合体(クラレ(株)製、セプトン210
4、メルトフローレート0.4)5重量部にテフロンパ
ウダー(三井・デュポンフロロケミカル(株)製、ゾニ
ールTLP−10F)0.07重量部、ブレンドオイル
(越谷化成(株)製、スーパーイーズ)0.1重量部を
添加してリボンブレンダーで混合した。ついでこの混合
物を実施例1と同様にタンデム型押出機に供給して押出
発泡を行った。ここで用いた押出金型は図2に示したよ
うに、スリット幅50mm、スリット厚(H)8.5m
m、ランド長(L)25mmであり、押出金型出口から
10mm上流側の位置に長さ(L1)10mm、厚み
1.5mmの仕切板を3枚挿入した。仕切板と押出金型
本体の流路面の間隔(A)は1.2mm、仕切板相互の
間隔(B)は0.8mmとした。
【0044】得られた押出板状発泡体の物性を表1にし
めす。
【0045】(比較例1)スリット幅50mm、スリッ
ト厚(H)8.5mm、ランド長(L)25mmのもの
を使用し、これに仕切板を挿入しなかった以外は実施例
1と同様にして押出板状発泡体を得た。
【0046】得られた押出板状発泡体の物性を表1に示
す。
【0047】(比較例2)押出金型中に仕切板を挿入し
たが、仕切板と押出金型本体の流路面の間隔が仕切板相
互の間隔よりも小さいものを用いた。押出金型はスリッ
ト幅50mm、スリット厚(H)8.5mm、ランド長
(L)25mmであり、押出金型出口から10mm上流
側の位置に長さ(L1)10mm、厚み1.5mmの仕
切板を3枚挿入した。ここで用いた仕切板は図2におい
て、仕切板と押出金型本体の流路面の間隔(A)は0.
5mm切板相互の間隔(B)は1.5mmとしたもので
ある。この仕切板を用いた以外は実施例2と同様にして
押出板状発泡体を得た。
【0048】得られた押出板状発泡体の物性を表1に示
す。
【0049】(比較例3)改質ポリプロピレンの代わり
に、メルトテンションが5g以下の改質を行わないエチ
レンランダムポリプロピレン(グランドポリマー(株)
製、ハイポールB230、エチレン含量3重量%、メル
トテンション3.8g)を用いた以外は実施例3と同様
にして押出板状発泡体を得た。
【0050】得られた押出板状発泡体の物性を表1に示
す。
【0051】
【表1】 (R1:発泡体両表面から厚みの5〜15%の領域にお
ける平均気泡径) (R2:該発泡体両表面から厚みの45〜55%の領域
における平均気泡径) 実施例で得られた押出板状発泡体は、発泡体両表面から
厚みの5〜15%の領域の平均気泡径が1.0mm以上
2.0mm以下であり、かつ該発泡体両表面から厚みの
45〜55%の領域における平均気泡径が0.3mm以
上1.0mm未満であり、発泡体に厚みがあり、しかも
表面平滑性を表す標準偏差が小さくて表面性状が良好で
あり、しかも熱伝導率が小さいものが得られた。これに
対して比較例では平均気泡径が上記の条件を満たさず、
表面平滑性を表す標準偏差の値が大きく表面性状が劣
り、しかも熱伝導率が大きなものしか得られなかった。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、厚みがあり、表面性状
が良好であり、しかも熱伝導率が小さく断熱材として好
適に用いることができる押出板状発泡体を容易に提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で用いた2枚の仕切板が挿入された押
出金型、成形金型、賦形金型の側面から見た流路断面の
模式図である。
【図2】 本発明で用いた3枚の仕切板が挿入された押
出金型、成形金型、賦形金型の側面から見た流路断面の
模式図である。
【図3】 本発明の表面平滑性を表す標準偏差の算出に
関する板状発泡体の形状の説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 53:02) C08L 53:02)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン系樹脂組成物を押出機で
    溶融し、発泡剤を圧入して混練・溶解した後に押出機先
    端に取り付けた矩形状の開口部を有する押出金型から大
    気中に押し出して得られる厚み20mm以上の押出板状
    発泡体であって、該発泡体両表面から厚みの5〜15%
    の領域における平均気泡径が1.0mm以上2.0mm
    以下であり、かつ該発泡体両表面から厚みの45〜55
    %の領域における平均気泡径が0.3mm以上1.0m
    m未満であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂押
    出板状発泡体。
  2. 【請求項2】 ポリプロピレン系樹脂組成物が230℃
    におけるメルトテンションが5g以上のポリプロピレン
    系樹脂である請求項1記載のポリプロピレン系樹脂押出
    板状発泡体。
  3. 【請求項3】 ポリプロピレン系樹脂組成物が(a)2
    30℃におけるメルトテンションが5g以上のポリプロ
    ピレン系樹脂を50〜95重量部、(b)ポリスチレン
    樹脂を50〜5重量部および(c)相容化剤を(a)+
    (b)100重量部に対して0〜15重量部混合した樹
    脂である請求項1記載のポリプロピレン系樹脂押出板状
    発泡体。
  4. 【請求項4】 ポリプロピレン系樹脂押出板状発泡体の
    表面平滑性を表す標準偏差が1mm以下であり、かつ該
    発泡体の平均温度20℃における熱伝導率が0.040
    W/m・K(0.034Kcal/m・h・℃)以下で
    ある請求項1、2および3記載のポリプロピレン系樹脂
    押出板状発泡体。
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