JP2001326656A - ネットワークシステム及びネットワーク機器 - Google Patents

ネットワークシステム及びネットワーク機器

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JP2001326656A JP2000144949A JP2000144949A JP2001326656A JP 2001326656 A JP2001326656 A JP 2001326656A JP 2000144949 A JP2000144949 A JP 2000144949A JP 2000144949 A JP2000144949 A JP 2000144949A JP 2001326656 A JP2001326656 A JP 2001326656A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ネットワーク上の各機器の第1論理アドレス
と第2論理アドレスの対応情報を、それら各機器がそれ
ぞれ個別に保持管理するシステムにおいて、機器に割り
当てられる第1論理アドレスが変更された場合でも、正
しく通信ができるようにする。 【解決手段】 DHCPサーバ20からネットワーク機
器10−1にリースされるIPアドレス(第1論理アド
レス)が変更された場合、ネットワーク機器10−1
は、ネットワーク30上の他のすべてのネットワーク機
器(機器10−2など)に対して、変更後のIPアドレ
スと第2論理アドレスとの対応情報をマルチキャストで
通知する。他の各ネットワーク機器は、その通知に応じ
て、自己の保持する論理アドレス対応情報を更新する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ネットワーク上の
個々のネットワーク機器が、それら各機器の論理アドレ
スを管理し、管理している論理アドレスの情報を用いて
相互に通信するネットワークシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】ネットワーク上の機器間の通信には、ト
ランスポート層のプロトコルとして、例えばTCP(Tr
ansmission Control Protocol)やUDP(User Datagr
am Protocol)がよく用いられている。HTTP(Hyper
Text Transfer Protocol)やSMP(Salutation Mana
ger Protocol)などのアプリケーションレベルのプロト
コルは、このようなトランスポート層プロトコルを利用
して通信を行う。なお、SMPは、サリュテーション・
コンソーシアム(Salutation Consortium)が提唱す
る、異機種間を含む機器間での相互の情報の活用のため
のオープンなアーキテクチャを規定したプロトコルであ
る。なお、「Salutation」はサリュテーション・コンソ
ーシアムの商標であり、SMPの仕様については同コン
ソーシアムのホームページ(www.salutation.org)から
容易に入手できる。
【0003】TCPやUDPは、通信用のアドレスとし
てIP(Internet Protocol)アドレスを使用する。近
年、このIPアドレスを各機器に動的に割り当てるDH
CP(Dynamic Host Configuration Protocol)が利用
されるようになってきた。DHCPを利用するネットワ
ークでは、ネットワーク上の各機器がDHCPクライア
ント機能を備え、ネットワーク上に設けられたDHCP
サーバに対してIPアドレスの動的割り当てを要求し、
これに応じてDHCPサーバから割り当てられたIPア
ドレスを自機器に自動設定する。したがって、ネットワ
ークに機器を接続するだけで、その機器に対し人手によ
らず自動的にIPアドレスが設定され、通信できるよう
になっている。なお、DHCPについては、IETF
(InternetEngineering Task Force)のRFC(Reques
t For Comment)2131に規定がある。
【0004】DHCPでは、動的に割り当てられたIP
アドレスは、リース期間と呼ばれる一定期間だけDHC
Pクライアントに貸与されているものであり、そのリー
ス期間の終了後には解放されなければならない。そこで
DHCPクライアントは、IPアドレスのリース期間が
終了すると、DHCPサーバに対して再度IPアドレス
の割り当てを要求する。ところが、この再割り当て要求
に応じてDHCPクライアントに割り当てられるIPア
ドレスが、それまで割り当てられていたIPアドレスと
異なってしまうことがある。
【0005】TCP等の上位層で動作するDNS(Doma
in Name System)やSMPなどのプロトコルでは、それ
より上位のクライアントから指定される論理アドレス
と、これに対応するIPアドレスとを互いに対応づけて
管理しており、この対応関係の情報を用いてクライアン
トからの要求に応答している。ところが、DHCPを採
用したシステムでは、機器に割り当てられるIPアドレ
スが上記のように動的に変更される場合があり、そのよ
うな場合、DNSやSMPが管理しているIPアドレス
と上位層の論理アドレスとの対応関係がもはや正しいも
のではなくなってしまう。この場合、DNS等はクライ
アントからの要求に正しく応えることができない。なお
以降では、IPアドレス等の下位層の論理アドレスを第
1論理アドレス、上位層の論理アドレスを第2論理アド
レスと呼ぶ。
【0006】例えば、第2論理アドレスとしてホスト名
(ドメイン名)を用いるDNSでは、機器稼働中にその
機器のIPアドレスが動的に変更されると、DNSが管
理するその機器のIPアドレスとホスト名との対応情報
が正しくなくなってしまい、ホスト名からそれに対応す
る正しいIPアドレスを求めることができなくなる。
【0007】この問題に対する解決策として、RFC2
136に規定される動的DNSがある。動的DNSで
は、ネットワーク上の機器のIPアドレスが変更された
場合、DNSサーバに対してそのIPアドレスに関する
A(Address)タイプのリソースレコードを要求するこ
とで、DNSサーバが管理しているIPアドレスとホス
ト名の対応関係を更新する。
【0008】このように、動的DNSを利用し、各クラ
イアントがDNSサーバによりアドレス解決を行って通
信するシステムであれば、DHCPによりネットワーク
上の機器のIPアドレスに変更があった場合でも、その
機器と正しく通信することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】SMPでは、第2論理
アドレスとしてSLMID(Salutation Manager ID)
を用いる。SMPを利用するネットワークシステムで
は、各機器のSLMIDとIPアドレスとの対応関係の
情報を、それら各機器がそれぞれ個別に保持し管理す
る。各機器には、この対応情報を管理するサリュテーシ
ョン・マネージャ(以下、SLMと略す)という機能モ
ジュールが設けられる。機器がネットワークに接続され
ると、その機器のSLMが、ネットワーク上に自己のI
PアドレスとSLMIDの対応情報を含んだSLMID
交換要求をブロードキャストする。これを受けたネット
ワーク上の各機器のSLMは、その要求から新たに接続
されたネットワーク機器のSLMIDとIPアドレスを
知るとともに、自己のSLMIDとIPアドレスの対応
情報をその要求の送信元に返信する。これにより、新た
に接続された機器のSLMは、ネットワーク上に接続さ
れている他の機器のSLMIDとIPアドレスを知るこ
とができる。この結果、SLMは、上位のクライアント
からSLMIDを用いて通信先指定を受け付け、このS
LMIDをIPアドレスに変換して、TCPなどの下位
プロトコルを用いて通信を行う。
【0010】このように、SMPを用いたシステムで
は、DNSサーバのように、第1論理アドレス(IPア
ドレスなど)と第2論理アドレス(SLMIDなど)と
の対応関係を集中管理する装置が存在せず、その対応関
係の管理は個々の機器のSLMにより行われる。したが
って、DHCPなどにより割り当てられた機器のIPア
ドレスが変更された場合、ネットワーク上の個々の機器
のSLMが管理するアドレス対応関係の情報を更新しな
ければ、正しい通信ができなくなるおそれがある。SM
Pを用いたネットワークシステムでは、動的DNSの場
合のように、決まったDNSサーバにその変更を通知し
てアドレス対応関係を更新するというアプローチは適用
できない。
【0011】以上、SMPを用いたネットワークシステ
ムを例にとったが、このような問題は、ネットワーク上
の各機器の第1論理アドレスと第2論理アドレスの対応
関係を、それら個々の機器で管理するタイプのプロトコ
ルを用いるシステム一般に起こりうる問題である。
【0012】なお、特開平11−355303号公報に
は、業務サーバが、配下のデバイスのMACアドレスに
一意に対応する擬似物理デバイスIDを生成し、デバイ
スのIPアドレスがDHCPの再割り当てにより変更さ
れた場合でも、擬似物理デバイスIDを用いることでそ
のデバイスへのアクセスへの可能とするコンピュータ識
別システムが開示されている。しかしながら、このシス
テムは、業務サーバが配下の各デバイスの擬似物理デバ
イスIDとIPアドレスとの対応関係を随時更新管理し
ており、動的DNSのシステムに類似している。この業
務サーバのような集中管理を行うサーバを持たないSM
Pのようなシステムには、この公報の技術を適用するこ
とはできない。
【0013】本発明はこのような問題に鑑みなされたも
のであり、第1論理アドレスと第2論理アドレスの対応
関係をネットワーク上の各機器で分散管理するSMPな
どのシステムにおいて、機器に割り当てられた第1論理
アドレスの変更が起こった場合にも、正しく通信を行う
ことができるようにすることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、ネットワーク機器に割り当てられた第
1論理アドレスが変更された場合、そのネットワーク機
器から、ネットワーク上の他の各ネットワーク機器に対
してその変更の内容をしめす変更情報を通知する。この
通知を受けた各機器は、通知された変更情報に従い、自
分が管理しているアドレステーブルの第1論理アドレス
と第2論理アドレスの対応関係の情報を更新する。この
構成によれば、ある機器の第1論理アドレスが変更され
たとき、各機器の管理する論理アドレスの対応情報を人
手によらず有効な内容に修正することができ、第1論理
アドレスの変更により通信が不可能となる事態を防止で
きる。
【0015】なお、他の機器に通知する変更情報は、好
適には、変更後の第1論理アドレスと第2論理アドレス
の対応情報である。
【0016】また、各ネットワーク機器で、割り当てら
れた第1論理アドレスから第2論理アドレスを生成する
システムでは、自機器の第1論理アドレスの変更を検知
したとき、変更後の第1論理アドレスに応じて、自機器
の第2論理アドレスを再生成することも好適である。こ
うすれば、変更前の第1論理アドレスと同じアドレスが
他の機器に割り当てられたとき、その機器と第2論理ア
ドレスが重複する可能性を低減することができる。
【0017】また、変更情報を通知するのに先立ち、変
更前の第1論理アドレスと第2論理アドレスの対応情報
についての削除要求を、ネットワーク上の他のネットワ
ーク機器に送信することも好適である。この構成によれ
ば、もはや無効となった変更前の対応情報を各機器から
削除することができるので、誤ったアドレス変換を防止
することができるとともに、各機器のアドレステーブル
の記憶容量を節約することができる。
【0018】また、好適な態様では、他機器から変更情
報を受け取った際、変更情報に示された第1論理アドレ
スと第2論理アドレスのいずれか一方のみを含む対応情
報がアドレステーブルに記憶されている場合、その対応
情報を変更情報により更新する。この態様によれば、他
機器から無効な論理アドレス対応情報の削除要求が到着
するのが遅れた場合でも、アドレステーブルを有効な内
容に更新することができる。
【0019】本発明に係るシステムは、ネットワーク上
の複数のネットワーク機器とそれらネットワーク機器に
対して第1論理アドレスを割り当てるアドレス管理装置
とを含むネットワークシステムであって、前記各ネット
ワーク機器は、前記ネットワーク上の各ネットワーク機
器について、その機器の第1論理アドレスと第2論理ア
ドレスとの対応情報を記憶するアドレステーブルと、前
記第2論理アドレスを用いて通信先の指定を受け付け、
前記アドレステーブルを参照してその通信先の第1論理
アドレスを求め、この第1論理アドレスを用いて前記通
信先と通信を行う通信モジュールと、前記アドレス管理
装置から自機器に対して割り当てられた第1論理アドレ
スの変更を検知する検知モジュールと、前記検知モジュ
ールで自機器の第1論理アドレスの変更が検知された場
合、その変更の内容を表す変更情報を前記ネットワーク
上の前記各ネットワーク機器に通知する通知モジュール
と、他のネットワーク機器から前記第1論理アドレスに
関する前記変更情報を受信し、その変更情報に応じて前
記アドレステーブルを更新する更新モジュールとを含
む。
【0020】また、本発明に係るネットワーク機器は、
ネットワークに接続され、そのネットワーク上の他のネ
ットワーク機器と通信するネットワーク機器であって、
前記ネットワーク上の各ネットワーク機器について、そ
のネットワーク機器の第1論理アドレスと第2論理アド
レスとの対応情報を記憶するアドレステーブルと、前記
第2論理アドレスの用いて通信先の指定を受け付け、前
記アドレステーブルを用いてその通信先の第1論理アド
レスを求め、その第1論理アドレスを用いてその通信先
と通信する通信モジュールと、自機器に割り当てられた
前記第1論理アドレスの変更を検知する検知モジュール
と、自機器の第1論理アドレスの変更を検知した場合、
その変更の内容を表す変更情報を前記ネットワーク上の
前記各ネットワーク機器に通知する通知モジュールと、
を含む。
【0021】また、本発明に係るネットワーク機器は、
ネットワーク上の各ネットワーク機器について、そのネ
ットワーク機器の第1論理アドレスと第2論理アドレス
との対応情報を記憶するアドレステーブルと、前記第2
論理アドレスの用いて通信先の指定を受け付け、前記ア
ドレステーブルを用いてその通信先の第1論理アドレス
を求め、その第1論理アドレスを用いてその通信先と通
信する通信モジュールと、他のネットワーク機器から前
記第1論理アドレスについての変更情報を受信し、その
変更情報に応じて前記アドレステーブルを更新する更新
モジュールと、を含む。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態(以下
実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
【0023】以下では、下位層で用いる第1論理アドレ
スとしてIPアドレスを用い、その上位層で用いる第2
論理アドレスとしてSLMIDを用いる、SMP(Salu
tation Manager Protocol)を用いたネットワークシス
テムを例にとって説明する。ただし、本発明は、このよ
うな第1論理アドレスと第2論理アドレスの組合せに限
定されるものではない。
【0024】図1は、本発明に係るネットワークシステ
ムの概略構成例を示す図である。図1に示すように、ネ
ットワーク30には、そのネットワーク30上の各ネッ
トワーク機器に一意なIPアドレスを動的に割り当て、
管理するDHCP(DynamicHost Configuration Protoc
ol:RFC2131)サーバ20が接続されている。 またネッ
トワーク30には、複数のネットワーク機器10−1,
10−2・・・(以下、ネットワーク機器10と総称)
が接続されている。
【0025】DHCPサーバ20は、ネットワーク30
上で使用可能な複数のIPアドレスを一元管理し、必要
に応じてネットワーク機器10に対して割り当てる機能
を有する。DHCPサーバ20自体のIPアドレスに
は、ネットワーク管理者が予め固有のアドレスを設定し
ておく。
【0026】ネットワーク機器10は、パーソナルコン
ピュータ、プリンタ、スキャナ、デジタルコピー機、フ
ァクシミリ装置など、ネットワーク30に接続可能な装
置である。図1では、ネットワーク機器10−1とし
て、プリンタやスキャナとしても利用可能なデジタルコ
ピー機を例にとっており、そのハードウエア構成を示し
ている。ネットワーク機器10−1において、CPU
(中央演算装置)100は、ROM(リード・オンリ・
メモリ)104に格納されたプログラムを実行すること
により、本機器10−1の制御を行う。アドレス・デー
タバス102は、CPU100と制御対象の各ハードウ
エアモジュールとを接続し、それらの間でのデータのや
り取りに用いられる。ROM104には、自機器の制御
や他機器との通信のための各種プログラムが格納され
る。RAM(ランダム・アクセス・メモリ)106は、
プログラム実行時のワークエリアや、通信時のデータバ
ッファとして利用される。タイマ108は、DHCPサ
ーバ20から割り当てられたIPアドレスのリース期間
の計時などを行う。プリンタ110は、スキャナ112
で読み取った画像や他のネットワーク機器10から受信
した画像を用紙に印刷する装置である。スキャナ112
は、紙原稿を光学的に読み取る装置であり、読取結果の
画像は、ユーザの指示に応じてプリンタ110から印刷
出力されたり、他のネットワーク機器10に送信された
りする。操作表示部114は、自機器の状態等の情報を
表示したり、ユーザから自機器に対する各種の操作指示
を受け付けたりする機構である。ネットワークIF(イ
ンタフェース)116は、自機器とネットワーク30上
の他のネットワーク機器10やDHCPサーバ20との
間の通信を制御するインタフェース装置である。
【0027】図2に、このネットワーク機器10のプロ
トコルモジュールの概略構成を示す。通信プロトコルの
観点から見た場合、ネットワーク機器10は、IPプロ
トコルの機能を持つIPモジュール40、DHCPサー
バ20からIPアドレスを取得するためのDHCPクラ
イアント42、UDPプロトコルの機能を持つUDPモ
ジュール44、TCPプロトコルの機能を持つTCPモ
ジュール46、SMPプロトコル機能を持つSLM(サ
リュテーションマネージャ)50、及び印刷や画像読取
などのアプリケーション機能を持つアプリケーションモ
ジュール48を含んでいる。これらプロトコルモジュー
ル40〜50に対応するプログラムがROM104に格
納されており、そのプログラム群をCPU100で実行
することにより、それら各モジュールが実現される。
【0028】この構成において、アプリケーションモジ
ュール48は、SLM50を介してのみ通信を行う。し
たがって、アプリケーションモジュール48は、ネット
ワーク30上の他のネットワーク機器10を、IPアド
レス(第1論理アドレス)ではなく、SMPレベルのア
ドレスであるSLMID(第2論理アドレス)を用いて
識別する。すなわち、アプリケーションモジュール48
は、SLMIDを用いて通信先のネットワーク機器10
を指定する。SLM50は、アプリケーションモジュー
ル48から指定された通信先のSLMIDをIPアドレ
スに変換し、UDPモジュール44やTCPモジュール
46を用いて通信を行う。
【0029】図3に、SLM50の詳細構成を示す。S
LM50において、通信モジュール502は、下位のT
CPモジュール46やUDPモジュール44などを用い
て、ネットワーク30を介した通信を行うモジュールで
あり、上位のアプリケーションモジュール48と下位の
TCPモジュール46等との間の橋渡しを行う。通信モ
ジュール502は、アプリケーションモジュール48が
発した通信要求に含まれる通信先のSLMIDを、その
通信先のIPアドレスに変換し、このIPアドレスを用
いて下位のTCPなど介して通信を行う。アドレス変換
処理は、アドレステーブル504を参照して行われる。
アドレステーブル504には、図4に示すように、下位
層で用いる第1論理アドレスと、上位層で用いる第2論
理アドレスの対応情報が登録されている。この例では下
位層がTCPやUDPなので、第1論理アドレスはIP
アドレスとなっている。一方、上位層ではSMPを用い
ているので、第2論理アドレスはSLMIDである。
【0030】アドレステーブル504は、アドレス管理
モジュール506により管理されている。アドレス管理
モジュール506は、他のネットワーク機器からのアド
レス交換要求に応じて自機器10−1のIPアドレスと
SLMIDの対応情報を応答したり、ネットワーク30
を介して送られてくる他機器10のIPアドレスとSL
MIDの対応情報をアドレステーブル504に登録した
りする。また、アドレス管理モジュール506は、自機
器10−1がネットワーク30に接続したとき(電源投
入時)や、DHCPサーバ20から自機器10−1に割
り当てられたIPアドレスが変更されたときなどに、通
知モジュール512を介して、その変更の情報をネット
ワーク30上の他のネットワーク機器10に通知する。
ここで、通知モジュール512は、SMPに規定される
SLMID交換要求のメッセージを用いて、自機器10
−1の新たなIPアドレスとそれに対応するSLMID
とを他の各ネットワーク機器10に通知する。SLM5
0は、この交換要求についてはUDPを用いる。なお、
SLM50は、このような交換要求の他に、上位のアプ
リケーションモジュール48から依頼されたデータの送
信を行うが、このデータの送信にはTCPを利用する。
ネットワーク機器10−1はデジタルコピー機なので、
外部に送信されるデータは例えばスキャナ112で読み
取った画像データなどであり、この画像データについて
はTCPを用いて送信が行われる。
【0031】自機器10−1のIPアドレスの変更は、
変更検知モジュール510が検知する。変更検知モジュ
ール510は、DHCPサーバ20から自機器10−1
に新たに割り当てられたIPアドレスの情報をDHCP
クライアント42から受け取る。そして、このIPアド
レスが、それまで割り当てられていたIPアドレスと異
なっている場合、変更があったと判断し、アドレス管理
モジュール506に対して変更があった旨と変更後のI
Pアドレスを通知する。アドレス管理モジュール506
は、この通知に応じて、変更後の新たなIPアドレスに
対応するSLMIDの生成をSLMID生成モジュール
508に依頼する。SLMID生成モジュール508
は、その変更後のIPアドレスを基に、SLMIDを生
成する。本実施形態では、SLMIDとして6バイトの
アドレスを用いる。SLMID生成モジュール508
は、変更後のIPアドレス(4バイト)を、2バイトの
乱数と組み合わせることにより、SLMIDを生成す
る。例えば図4の例に示されるように、IPアドレス"1
29.249.10.10"と乱数0x2311(16進表記)から、SL
MID"0x81F90A0A2311"(16進表記)が生成される。
なお、ここに示したSLMID生成方式はあくまで一例
であり、他の方式を採用してももちろんよい。
【0032】SLMID生成モジュール508が生成し
たSLMIDはアドレス管理モジュール506に渡され
る。アドレス管理モジュール506は、このSLMID
を変更後のIPアドレスと対応づけ、この対応情報を通
知するためのSLMID交換要求のメッセージを発行す
るように通知モジュール512に依頼する。これによ
り、前述のように、ネットワーク30上の他の各ネット
ワーク機器10に対して、当該機器10−1の新たなI
PアドレスとSLMIDの対応情報が報知される。
【0033】なお、自機器10−1が他のネットワーク
機器10からこのようなアドレス交換要求を受けた場
合、その交換要求に含まれるIPアドレス−SLMID
の対応情報を反映するよう、アドレステーブル504を
更新する。例えば、その交換要求に含まれる対応情報を
アドレステーブル504に登録する。
【0034】ここで、好適な態様として、自機器10−
1のIPアドレスの変更を検知した際、新たなIPアド
レスとSLMIDの対応情報をネットワーク30上の各
機器10に通知する前に、変更前のIPアドレスに関す
る対応情報の削除要求を通知することも可能である。こ
れにより、各ネットワーク機器10のアドレステーブル
504から無効な対応情報のエントリを削除することが
できる。このように無駄な情報を減らすことにより、ア
ドレステーブル504の検索が高速化できるとともに、
誤動作を防止できる。
【0035】なお、以上に示したSLM50の内部構成
例はあくまで一例である。上記と同様の機能を実現でき
るものであれば、どのような内部構成のSLMを用いて
もよい。
【0036】次に図5及び図6を参照して、本実施形態
のネットワーク機器10の動作を説明する。
【0037】ネットワーク機器10が(例えば電源が投
入されて)ネットワーク30に参加すると、まずDHC
Pクライアント42が、ネットワーク30上のDHCP
サーバ20にIPアドレスの割り当てを要求するDHC
PREQESTコマンドを送信し、DHCPサーバ20
からDHCPACK応答を受信してIPアドレスを取得
する(ステップS01)。このとき、DHCPACK応
答には、IPアドレスと、そのIPアドレスのリース期
間(使用可能期間)Tとが設定されているので、DHC
Pクライアント42はタイマ108を起動し、取得した
IPアドレスのリース期間Tの計時を開始する。
【0038】DHCPクライアント42が取得したIP
アドレスはSLM50に渡され、SLM50のSLMI
D生成モジュール508が、そのIPアドレスに対応す
るSLMIDを前述の方法で生成する(ステップS0
2)。
【0039】SLMIDが生成されると、SLM50
は、そのSLMIDと先ほど取得したIPアドレスとの
対応情報を含む、SLMID交換要求を作成し、ネット
ワーク30上に、UDPによりブロードキャスト又はマ
ルチキャストで送信する(ステップS03)。これによ
り、ネットワーク30上に存在する他の各ネットワーク
機器10に、自機器の論理アドレスの対応情報を通知す
ることができる。この交換要求を受信した他のネットワ
ーク機器10は、SLM50によりその対応情報をアド
レステーブル504に登録し、自分の論理アドレスの対
応情報(IPアドレスとSLMIDのペア)を応答す
る。これにより、交換要求を発行した機器は、ネットワ
ーク30上の他の各機器の論理アドレスの対応情報を収
集してアドレステーブル504に登録できる。
【0040】次に、ネットワーク機器10は、タイマ1
08が計時しているリース期間Tが切れたかどうかを判
定する(ステップS04)。リース期間Tが切れている
と判定された場合、DHCPクライアント42が、再度
DHCPサーバ20に対してDHCPREQUESTコ
マンドを送信し、IPアドレスの再割り当てを受ける
(ステップS05)。このときも、ステップS01の場
合と同様、タイマ108に、DHCPサーバ20からの
応答に含まれるリース期間Tの計時を行わせる。
【0041】このように再取得されたIPアドレスは、
SLM50に渡される。SLM50では、変更検知モジ
ュール510が、今回取得したIPアドレスと前回取得
したIPアドレスとを比較し、自機器のIPアドレスが
変更されたかどうかを判定する(ステップS06)。
【0042】ステップS06で、自機器のIPアドレス
が変わったと判定した場合、SLM50の通知モジュー
ル512が、変更前のIPアドレス(前回取得したも
の)とSLMIDとの対応情報の削除を要求する削除要
求メッセージを、UDPを用いて、ネットワーク30上
にブロードキャスト又はマルチキャストで送信する(ス
テップS07)。これにより、ネットワーク30上の他
の各ネットワーク機器に、削除要求が伝わる。この削除
要求を受けたネットワーク30上の他の機器は、自分の
アドレステーブル504から、その要求が指定する対応
情報を削除する。
【0043】次に、SLMID生成モジュール508
が、変更後のIPアドレスに対応するSLMIDを生成
する(ステップS08)。このように、IPアドレスが
変更されると、それに対応してSLMIDを再生成する
ことにより、SLMIDの重複等の不具合を回避でき
る。
【0044】すなわち、IPアドレスからSLMIDを
生成する方式では、あるネットワーク機器(第1の機器
と呼ぶ)のIPアドレスが変更された場合、その機器の
変更前のIPアドレスが別のネットワーク機器に割り当
てられることが起こりうる。その場合、第1の機器のS
LMIDを変更しないと、別のネットワーク機器が生成
するSLMIDが、第1の機器のSLMIDと重複して
しまう可能性がある。SLMIDが重複すると、機器の
識別エラーが起こる可能性がある。これに対し、本実施
形態では、IPアドレスの変更の際、変更後のIPアド
レスに応じてSLMIDを再生成しているので、そのよ
うなSLMID重複の問題は起こらない。
【0045】変更後のIPアドレスに対応したSLMI
Dが生成されると、通知モジュール512が、それら両
者の対応情報を含んだ論理アドレス交換要求を、UDP
を用いて、ネットワーク30上にブロードキャスト又は
マルチキャストで送信する(ステップS09)。これに
より、ネットワーク30上の他の各ネットワーク機器
に、交換要求が伝わる。この交換要求を受けた他のネッ
トワーク機器は、その要求に含まれる対応情報を反映す
るよう、自己のアドレステーブル504を更新する。な
お、この交換要求に対する応答として、他の機器から論
理アドレス対応情報が返信されてくるので、これに応じ
て自機器のアドレステーブル504を更新する。ただ
し、通常の場合、IPアドレス再取得の時点では、既に
他の各機器の論理アドレス対応情報がアドレステーブル
504に登録されているはずなので、この場合アドレス
テーブル504の内容は一般には変化しない。
【0046】ステップS09の後は、ステップS04に
戻る。
【0047】以上、ネットワーク機器のIPアドレスが
変更された場合の処理(ステップS07〜S09)を説
明した。この説明では、ステップS07の削除要求、及
びステップS09の論理アドレス交換要求は、ブロード
キャスト又はマルチキャストでネットワーク30上に送
信するとしたが、これ以外の方式も可能である。例え
ば、自機器のアドレステーブル504を参照して、そこ
に登録されている各IPアドレスについて、1つずつユ
ニキャストでそれら要求を送信していってもよい。SM
Pの論理アドレス交換の仕組みにより、アドレステーブ
ル504には、ネットワーク30に参加している他のす
べてのネットワーク機器の論理アドレスの対応情報が登
録されているはずである。なお、このように交換要求等
の送信にはユニキャストを利用することが可能だが、ブ
ロードキャスト又はマルチキャストを用いた方が自機器
での要求送信のための負荷が小さく、要求送信処理の所
要時間が短くて済む。
【0048】また、別の好適な方法として、ネットワー
ク30が複数のLAN(ローカルエリアネットワーク)
又はサブネットワークを含む場合には、自機器が接続さ
れているLAN又はサブネットワークには交換要求や削
除要求をブロードキャスト又はマルチキャストで送信
し、そのLAN又はサブネットワーク以外に属するネッ
トワーク機器に対してはそれら要求をユニキャストで送
信するようにすることも可能である。こうすることによ
り、自機器の属するLAN又はサブネットワーク内の各
機器には1回の送信で要求を伝達できるとともに、その
LAN又はサブネットワークの外側にある機器について
はユニキャストの宛先の機器しかその要求に応答しなく
てよいので、ネットワークシステム全体の負荷を低減で
きる。
【0049】また、以上の処理において、ステップS0
7とS08とは、いずれを先に実行してもよい。
【0050】ステップS06の判定結果がNo、すなわ
ち再取得したIPアドレスが前回のものと同じであった
場合は、それまで使っていたIPアドレスとSLMID
をそのまま利用することができるので、ステップS07
〜S09のような処理は必要ない。その場合は、ステッ
プS10に進む。
【0051】以上、ステップS04にてリース時間が切
れた(すなわちIPアドレスの使用期限を経過した)と
判定された場合の処理を説明した。一方、ステップS0
4でまだリース時間が切れていないと判定された場合
は、現在のIPアドレス及びSLMIDが有効であると
いうことであり、これらを用いて必要な通信処理を行え
ばよい。すなわち、ステップS10で他のネットワーク
機器からのデータの受信を待つ。ここで、本実施形態で
は、受信されるデータには、論理アドレス対応情報の交
換要求又は削除要求(いずれもUDPを利用)と、他機
器のアプリケーションが送信した、画像データなどのア
プリケーションレベルの処理対象データ(TCPを利
用)との2種類がある。そこで、データを受信した場
合、ネットワーク機器10はまずその受信データが画像
データ等のアプリケーションレベルの処理対象データで
あるか、それとも論理アドレス対応情報の交換要求/削
除要求であるか、を判定する(ステップS11)。受信
データが画像データ等のアプリケーションレベルのデー
タであると判定した場合は、SLM50は、そのデータ
をアプリケーションモジュール48に渡して処理させる
(ステップS18)。例えば受信データが画像データの
場合は、アプリケーションモジュール48の処理により
そのデータがプリンタ110から印刷出力される。この
アプリケーション処理が終わると、ステップS04に戻
る。
【0052】一方、ステップS11で、受信データが画
像データ等のアプリケーションレベルのデータでないと
判定された場合、受信データは論理アドレス対応情報の
交換要求か削除要求のいずれかである。この場合は、図
6に示した手順に移り、SLM50は、その受信データ
が交換要求か否かを判定する(ステップS13)。交換
要求でなければ(ステップS13の判定結果がNoの場
合)、受信データは削除要求と言うことなので、SLM
50は、自己のアドレステーブル504から、その削除
要求に示される論理アドレス対応情報(IPアドレスと
SLMIDのペア)を削除する(ステップS17)。こ
の削除処理では、SLM50のアドレス管理モジュール
506がアドレステーブル504に登録された各対応情
報を調べ、その中に削除対象の対応情報と全く同じIP
アドレス、SLMIDのペアを持つものがあれば、それ
を削除する。
【0053】ステップS13の判定の結果がYes、す
なわち受信データが論理アドレス対応情報の交換要求で
あった場合は、SLM50は、その要求に含まれる対応
情報を反映するようにアドレステーブル504を更新す
る。ここで、交換要求を受け取った時点で起こりうるケ
ースには次の2つがある。第1のケースは、その交換要
求に含まれる対応情報のIPアドレス、SLMIDのど
ちらもアドレステーブル504にない場合であり、第2
のケースは、その交換要求に含まれる対応情報のIPア
ドレス、SLMIDのうち一方のみが一致する対応情報
がアドレステーブル504にある場合である。
【0054】第2のケースは、他機器からの削除要求の
受信が遅くなってしまい、削除されているべき無効な論
理アドレス対応情報がアドレステーブル504に残って
いる場合に起こりうる。例えば、図7に示すように、あ
る機器(第1の機器とする)のアドレステーブル504
に、別の機器(第2の機器とする)のIPアドレス
「a」とSLMID「A」の対応情報が登録されていた
とする(状況1)。ここで、その第2の機器のIPアド
レスが再割り当てにより「a’」に変更され、それに応
じてSLMIDが「A’」に変更されたとする。この場
合、第2の機器は、変更前の論理アドレス対応情報
(「a」と「A」のペア)についての削除要求と、変更
後の論理アドレス対応情報(「a’」と「A’」のペ
ア)についての交換要求を発する(ステップS07、S
09)。ここで、第1の機器に対し、削除要求の前に交
換要求が到着すると、第1の機器のアドレステーブル5
04には、図7の状況2に示すように、もはや無効とな
っている「a」と「A」のペアが残っている。UDPで
は、パケット間の順序が考慮されないので、パケットの
受信順序が、パケットの送信順序と異なってくる場合が
あり、このようなことが起こりうる。この状況で、更に
別の機器(第3の機器とする)に対して、第2の機器の
変更前のIPアドレス「a」が割り当てられたとする
と、その第3の機器から第1の機器に対して、IPアド
レス「a」、SLMID「X」の対応情報を含む交換要
求が発せられる。第1の機器が、この第3の機器からの
交換要求を受信した時点で、アドレステーブル504が
状況2に示すようなものであれば、その交換要求につい
て上記第2のケースが発生する。なお、これとは逆に、
第2の機器の削除要求が速やかに第1の機器に伝達され
ていれば、第1の機器が他の機器から論理アドレス対応
情報の交換要求を受け取ったときには、上記第1のケー
スとなる。
【0055】そこで、ステップS13の判定結果がYe
sの場合、SLM50は、受信した交換要求が、前述の
第1のケース、第2のケースのいずれに該当するかを判
定する(ステップS14)。
【0056】第1のケース場合、ステップS14の判定
結果はNoとなる。この場合、SLM50は、アドレス
テーブル504に対してその交換要求に含まれる論理ア
ドレス対応情報を追加し(ステップS16)、交換要求
送信元に対して自機器の論理アドレス対応情報を返信す
る。
【0057】第2のケースの場合、ステップS14の判
定結果はYesとなる。この場合、SLM50は、アド
レステーブル504内の論理アドレス対応情報のうち、
交換要求に含まれる論理アドレス対応情報と一方の論理
アドレス(IPアドレス又はSLMID)のみが一致す
るものに、その交換要求に含まれる対応情報を上書きす
る(ステップS15)。そして、SLM50は、その交
換要求の送信元に対して、自機器の論理アドレス対応情
報を返信する。このケースでは、交換要求に含まれる対
応情報をアドレステーブル504に単に追加するという
方法も考えられるが、この方法ではIPアドレス又はS
LMIDが一致する対応情報がアドレステーブル504
に複数存在する時間ができ、その間はアドレス変換の誤
動作が起こる可能性がある。これに対し、ステップS1
5のように上書きを行うようにすれば、そのような心配
はない。なお、このステップS15により対応情報の上
書きが行われたあと、上書き前の対応情報についての削
除要求を受信した場合、アドレステーブル504には、
その削除要求に含まれる対応情報と同じものは既にない
ので、削除は行われない。
【0058】ステップS15又はS16の処理が終わる
と、ステップS04に戻る。
【0059】以上、本発明の好適な実施の形態の構成と
その処理手順について説明した。以上説明したように、
本実施形態では、各ネットワーク機器10は、自機器の
IPアドレスの変更を検知すると、変更後のIPアドレ
スとSLMIDの対応情報を、ネットワーク30上の他
のすべてのネットワーク機器に対して通知するので、I
Pアドレスの変更の後でそれら機器間で通信ができなく
なることを防止できる。すなわち、本実施形態によれ
ば、下位層で用いられる第1論理アドレス(IPアドレ
ス)と上位層で用いられる第2論理アドレス(SLMI
D)の対応関係を、ネットワーク上の各機器が個別に管
理しているようなシステムにおいて、各機器の第1論理
アドレスの変更の際の不具合を回避できる。
【0060】また本実施形態では、ネットワーク機器の
IPアドレスが変更された場合、SLMIDをそのIP
アドレスに基づき生成し直すので、変更前のIPアドレ
スが割り当てられた他の機器とSLMIDが重複してし
まう事態を回避できる。
【0061】また本実施形態では、ネットワーク機器の
IPアドレスが変更された場合、その機器が、無効とな
ったIPアドレスとSLMIDの対応情報(すなわち変
更前のもの)の削除を他の各機器に要求するので、ネッ
トワーク上の各機器のアドレステーブルから無効な論理
アドレス対応情報をなくし、誤ったアドレス変換を防
ぎ、各機器の記憶容量の無駄を減らすことができる。
【0062】また、本実施形態では、あるネットワーク
機器が他のネットワーク機器から論理アドレス対応情報
の交換要求を受けたとき、その交換要求に示されるIP
アドレスとSLMIDのペアうち、一方のみが一致する
対応情報がアドレステーブル504にあれば、その対応
情報を交換要求に示されるペアで上書きするので、削除
要求の受信が遅れた場合などに、アドレステーブル50
4に有効な対応情報を保持することができる。
【0063】なお、以上の実施形態では、ある機器のI
Pアドレスが変更された場合、他機器とのSLMIDの
重複を避けるために、変更後のIPアドレスを基にその
機器のSLMIDを生成し直した。しかしながら、IP
アドレスからSLMIDを生成する際に用いる乱数の範
囲がネットワーク機器同士で重複しない場合(あるいは
重複の可能性が極めて低い場合)は、IPアドレスが同
じでも機器が異なればSLMIDは異なる。したがっ
て、この場合は、IPアドレス変更時にSLMIDを生
成し直す必要はない。
【0064】また、以上では、ネットワーク機器のSL
MIDをIPアドレスに基づき生成したが、これはあく
まで一例である。この代わりに、例えばSLMIDをネ
ットワーク機器の物理アドレス(MACアドレスなど)
から生成することもできる。この場合、物理アドレスは
IPアドレスと無関係であり、ネットワーク上で一意で
あることが保証されているので、機器のIPアドレスが
変更されてもSLMIDを生成し直す必要はない。な
お、この場合、ネットワーク機器に割り当てられたIP
アドレスが変更されたとき、他の各機器に変更前のIP
アドレスと変更後のIPアドレスのペアを送信すること
により、それら他機器のアドレステーブル504を正し
く更新することができる。なぜなら、このケースでは、
SLMIDは不変であり、IPアドレスのみが変更され
るからである。ただし、上記実施形態のようにIPアド
レスとSLMIDの対応情報を通知する方式の方が、既
存のSMPのスキームを利用できるという点で有利であ
る。
【0065】以上では、上位プロトコルの論理アドレス
(第2論理アドレス)としてSLMIDを、下位プロト
コルの論理アドレス(第1論理アドレス)としてIPア
ドレスを用いるネットワークシステムについての実施例
を説明したが、当業者ならば、第1論理アドレスと第2
論理アドレスの組合せがこれと異なるネットワークシス
テムにも本発明が容易に適用可能であることが理解され
よう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るネットワークシステムの概略構
成を示す図である。
【図2】 ネットワーク機器のプロトコルモジュールの
概略構成を示す図である。
【図3】 SLM(サリュテーションマネージャ)の詳
細構成を示す図である。
【図4】 アドレステーブルのデータ内容の例を示す図
である。
【図5】 ネットワーク機器の動作を示すフローチャー
トである。
【図6】 ネットワーク機器の動作を示すフローチャー
トである。
【図7】 論理アドレス対応情報の削除要求を受信する
前に、交換要求を受信したときのアドレステーブルの内
容を説明するための図である。
【符号の説明】
10−1,10−2 ネットワーク機器、20 DHC
Pサーバ、30 ネットワーク、40 IPモジュー
ル、42 DHCPクライアント、44 UDPモジュ
ール、46 TCPモジュール、48 アプリケーショ
ンモジュール、50 SLM、100 CPU、102
アドレス・データバス、104 ROM、106 R
AM、108 タイマ、110 プリンタ、112 ス
キャナ、114 操作表示部、116 ネットワークI
F、502 通信モジュール、504 アドレステーブ
ル、506 アドレス管理モジュール、508 SLM
ID生成モジュール、510 変更検知モジュール、5
12 通知モジュール。

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ネットワーク上の複数のネットワーク機
    器とそれらネットワーク機器に対して第1論理アドレス
    を割り当てるアドレス管理装置とを含むネットワークシ
    ステムであって、 前記各ネットワーク機器は、 前記ネットワーク上の各ネットワーク機器について、そ
    の機器の第1論理アドレスと第2論理アドレスとの対応
    情報を記憶するアドレステーブルと、 前記第2論理アドレスを用いて通信先の指定を受け付
    け、前記アドレステーブルを参照してその通信先の第1
    論理アドレスを求め、この第1論理アドレスを用いて前
    記通信先と通信を行う通信モジュールと、 前記アドレス管理装置から自機器に対して割り当てられ
    た第1論理アドレスの変更を検知する検知モジュール
    と、 前記検知モジュールで自機器の第1論理アドレスの変更
    が検知された場合、その変更の内容を表す変更情報を前
    記ネットワーク上の前記各ネットワーク機器に通知する
    通知モジュールと、 他のネットワーク機器から前記第1論理アドレスに関す
    る前記変更情報を受信し、その変更情報に応じて前記ア
    ドレステーブルを更新する更新モジュールと、 を含む、ネットワークシステム。
  2. 【請求項2】 前記変更情報は、自機器の変更後の第1
    論理アドレスとこれに対応する第2論理アドレスとの対
    応情報である、請求項1記載のネットワークシステム。
  3. 【請求項3】 前記各ネットワーク機器は、前記検知モ
    ジュールで自機器の前記第1論理アドレスの変更が検知
    された場合に、変更後の第1論理アドレスに対応する新
    たな第2論理アドレスを生成する論理アドレス生成モジ
    ュールを備え、 前記通知モジュールは、変更後の第1論理アドレスと、
    前記論理アドレス生成モジュールで生成された新たな第
    2論理アドレスとの対応情報を前記変更情報として前記
    各ネットワーク機器に通知する、 請求項1記載のネットワークシステム。
  4. 【請求項4】 前記更新モジュールは、他のネットワー
    ク機器から受信した前記変更情報に示された第1論理ア
    ドレスと第2論理アドレスのいずれか一方のみを含む対
    応情報が前記アドレステーブルに記憶されている場合、
    その対応情報を前記変更情報により更新する、請求項2
    記載のネットワークシステム。
  5. 【請求項5】 前記更新モジュールは、他のネットワー
    ク機器から受信した前記変更情報に示された第1論理ア
    ドレスと第2論理アドレスの少なくとも一方を含む対応
    情報が前記アドレステーブルに記憶されていない場合、
    前記変更情報に含まれる前記第1論理アドレスと第2論
    理アドレスの対応情報を前記アドレステーブルに登録す
    る、請求項2記載のネットワークシステム。
  6. 【請求項6】 前記各ネットワーク機器は、前記検知モ
    ジュールで自機器の前記第1論理アドレスの変更が検知
    された場合に、変更前の第1論理アドレスとそれに対応
    する第2論理アドレスとの対応情報についての削除要求
    を、前記ネットワーク上の各ネットワーク機器に送信す
    る削除要求手段と、 他のネットワーク機器から前記削除要求を受信した場
    合、前記アドレステーブルから、その削除要求に示され
    た第1論理アドレスとそれに対応する第2論理アドレス
    との対応情報を削除する削除手段と、 を更に備える請求項1記載のネットワークシステム。
  7. 【請求項7】 前記削除手段は、他のネットワーク機器
    から受け取った削除要求に示された前記対応情報と一致
    する対応情報が前記アドレステーブルに記憶されている
    場合にのみ、その対応情報を前記アドレステーブルから
    削除する、請求項6記載のネットワークシステム。
  8. 【請求項8】 前記各ネットワーク機器は、前記アドレ
    ス管理装置から割り当てられた第1論理アドレスの使用
    期限が経過したことを検知すると、前記アドレス管理装
    置に対して新たな第1論理アドレスの割り当てを要求す
    るアドレス要求モジュールを備え、 前記各ネットワーク機器の前記検知モジュールは、アド
    レス要求モジュールの要求に応じて割り当てられた第1
    論理アドレスが、それまで割り当てられていた第1論理
    アドレスと異なる場合に、自機器の第1論理アドレスに
    変更があったことを検知する、 請求項1記載のネットワークシステム。
  9. 【請求項9】 前記通知モジュールは、前記変更情報の
    通知に当たり、自機器が接続されたローカルエリアネッ
    トワーク又はサブネットワークにはその変更情報をブロ
    ードキャスト又はマルチキャストし、前記アドレステー
    ブルに対応情報を登録したネットワーク機器のうちその
    ローカルエリアネットワーク又はサブネットワーク以外
    に存在するものについては前記変更情報をユニキャスト
    で通知する、請求項1記載のネットワークシステム。
  10. 【請求項10】 ネットワークに接続され、そのネット
    ワーク上の他のネットワーク機器と通信するネットワー
    ク機器であって、 前記ネットワーク上の各ネットワーク機器について、そ
    のネットワーク機器の第1論理アドレスと第2論理アド
    レスとの対応情報を記憶するアドレステーブルと、 前記第2論理アドレスの用いて通信先の指定を受け付
    け、前記アドレステーブルを用いてその通信先の第1論
    理アドレスを求め、その第1論理アドレスを用いてその
    通信先と通信する通信モジュールと、 自機器に割り当てられた前記第1論理アドレスの変更を
    検知する検知モジュールと、 自機器の第1論理アドレスの変更を検知した場合、その
    変更の内容を表す変更情報を前記ネットワーク上の前記
    各ネットワーク機器に通知する通知モジュールと、 を含むネットワーク機器。
  11. 【請求項11】 前記変更情報は、自機器の変更後の第
    1論理アドレスとこれに対応する第2論理アドレスとの
    対応情報である、請求項10記載のネットワーク機器。
  12. 【請求項12】 前記検知モジュールで自機器の前記第
    1論理アドレスの変更が検知された場合に、変更後の第
    1論理アドレスに対応する新たな第2論理アドレスを生
    成する論理アドレス生成モジュールを更に備え、 前記通知モジュールは、変更後の第1論理アドレスと、
    前記論理アドレス生成モジュールで生成された新たな第
    2論理アドレスとの対応情報を前記変更情報として前記
    各ネットワーク機器に通知する、 請求項10記載のネットワーク機器。
  13. 【請求項13】 前記検知モジュールで自機器の前記第
    1論理アドレスの変更が検知された場合に、変更前の第
    1論理アドレスとそれに対応する第2論理アドレスとの
    対応情報についての削除要求を、前記ネットワーク上の
    各ネットワーク機器に送信する削除要求手段と、 他のネットワーク機器から前記削除要求を受信した場
    合、前記アドレステーブルから、その削除要求に示され
    た第1論理アドレスと第2論理アドレスとの対応情報を
    削除する削除手段と、 を更に備える請求項10記載のネットワーク機器。
  14. 【請求項14】 前記ネットワーク上に設けられたアド
    レス管理装置に対して第1論理アドレスの割り当てを要
    求するモジュールであって、割り当てられた第1論理ア
    ドレスの使用期限が経過したことを検知すると、前記ア
    ドレス管理装置に対して新たな第1論理アドレスの割り
    当てを要求するアドレス要求モジュールを備え、 前記検知モジュールは、前記アドレス要求モジュールの
    要求に応じて割り当てられた第1論理アドレスが、それ
    まで割り当てられていた第1論理アドレスと異なる場合
    に、自機器の第1論理アドレスに変更があったことを検
    知する、 請求項10記載のネットワーク機器。
  15. 【請求項15】 前記通知モジュールは、前記変更情報
    の通知に当たり、自機器が接続されたローカルエリアネ
    ットワーク又はサブネットワークにはその変更情報をブ
    ロードキャスト又はマルチキャストし、前記アドレステ
    ーブルに対応情報を登録したネットワーク機器のうちそ
    のローカルエリアネットワーク又はサブネットワーク以
    外に存在するものについては前記変更情報をユニキャス
    トで通知する、請求項10記載のネットワーク機器。
  16. 【請求項16】 ネットワークに接続され、そのネット
    ワーク上の他のネットワーク機器と通信するネットワー
    ク機器であって、 前記ネットワーク上の各ネットワーク機器について、そ
    のネットワーク機器の第1論理アドレスと第2論理アド
    レスとの対応情報を記憶するアドレステーブルと、 前記第2論理アドレスの用いて通信先の指定を受け付
    け、前記アドレステーブルを用いてその通信先の第1論
    理アドレスを求め、その第1論理アドレスを用いてその
    通信先と通信する通信モジュールと、 他のネットワーク機器から前記第1論理アドレスについ
    ての変更情報を受信し、その変更情報に応じて前記アド
    レステーブルを更新する更新モジュールと、 を含むネットワーク機器。
  17. 【請求項17】 前記更新モジュールは、他のネットワ
    ーク機器から受信した前記変更情報に示された第1論理
    アドレスと第2論理アドレスのいずれか一方のみを含む
    対応情報が前記アドレステーブルに記憶されている場
    合、その対応情報を前記変更情報により更新する、請求
    項16記載のネットワーク機器。
  18. 【請求項18】 前記更新モジュールは、他のネットワ
    ーク機器から受信した前記変更情報に示された第1論理
    アドレスと第2論理アドレスの少なくとも一方を含む対
    応情報が前記アドレステーブルに記憶されていない場
    合、前記変更情報に含まれる前記第1論理アドレスと第
    2論理アドレスの対応情報を前記アドレステーブルに登
    録する、請求項16記載のネットワーク機器。
  19. 【請求項19】 自機器に割り当てられる前記第1論理
    アドレスの変更を検知する検知モジュールと、 自機器の第1論理アドレスの変更を検知した場合、その
    変更の内容を表す変更情報を前記ネットワーク上の前記
    各ネットワーク機器に通知する通知モジュールと、 を更に含む請求項16記載のネットワーク機器。
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