JP2001326203A - 超平坦化加工装置 - Google Patents

超平坦化加工装置

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JP2001326203A
JP2001326203A JP2000141663A JP2000141663A JP2001326203A JP 2001326203 A JP2001326203 A JP 2001326203A JP 2000141663 A JP2000141663 A JP 2000141663A JP 2000141663 A JP2000141663 A JP 2000141663A JP 2001326203 A JP2001326203 A JP 2001326203A
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pressure
fluid
thrust
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JP2000141663A
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Yoshiyuki Tomita
良幸 冨田
Akira Isobe
章 磯部
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワークを平坦かつ平行に加工する超平坦化加
工装置を提供する。 【解決手段】 ワーク7を水平面内において所望の運動
パターンで移動させるXYステージ2,並びに,二対の
ラジアル静圧パッド55,56,及び三対のスラスト静
圧パッド57〜59により回転軸52を案内する主軸部
5等により、超平坦化加工装置を構成した。制御部6
は、各サーボバルブ55V〜59により、各静圧パッド
55(a,b)〜59(a,b)に対して任意の圧力で
流体を供給可能である。そして、制御部6は、回転軸5
2に取り付けられた作用部分53の位置及び姿勢を制御
して、運動転写によりワーク7を加工可能である。ま
た、制御部6は、各スラスト静圧パッド57(a,b)
〜59(a,b)における差圧を一定に保つことによ
り、圧力転写によりワーク7を加工可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコンウエハそ
の他のワークの表面を、高精度に平坦化加工する超平坦
化加工装置に、関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シリコンウエハの加工対象面を平
坦に加工する装置として、図11に示されるCMP(Ch
emical Mechanical Polishing)装置が、利用されてい
る。このCMP装置は、プラテン81,ポリッシングパ
ッド82,及び加圧ヘッド機構83を、備えている。
【0003】プラテン81は、扁平な円柱状の外形を有
し、その中心軸を鉛直に向けてプラテン駆動部81aに
軸支されている。そして、このプラテン81は、プラテ
ン駆動部81aに駆動されてその中心軸を中心として回
転する。ポリッシングパッド82は、円板状に形成さ
れ、プラテン81の上面に装着されており、プラテン8
1とともに回転する。
【0004】加圧ヘッド機構83は、略円柱状のヘッド
84,及び,シリコンウエハ等のワークWを固定するパ
ッキング材85を有する。ヘッド84は、その中心軸を
鉛直に向けるとともに、該中心軸を中心として回転可能
に図示せぬヘッド駆動機構に軸支されている。なお、パ
ッキング部材85は、ヘッド84の下面側に設けられて
おり、加工対象となるワークWを固定する。
【0005】そして、この加圧ヘッド機構83は、その
パッキング部材85により保持されたワークWをポリッ
シングパッド82に対向させた状態で、そのヘッド84
を回転させることにより、該ヘッド84とともにパッキ
ング部材85及びワークWを回転させる。さらに、この
加圧ヘッド機構83は、そのヘッド84を、鉛直方向に
移動させるとともに、当該ヘッド84の中心軸がプラテ
ン81の中心軸に対して近接又は離反するように水平移
動させることができる。
【0006】さらに、このCMP装置は、遊離砥粒を含
んだスラリーを供給するスラリー供給機構86を、有す
る。そして、このスラリー供給機構86は、プラテン8
1とともに回転するポリッシングパッド82上に、スラ
リーを供給する。この状態において、加圧ヘッド機構8
3は、そのパッキング材85により固定したワークWを
回転させるとともに、そのヘッド84を鉛直方向に移動
させて、当該ワークWをポリッシングパッド82に圧接
させる。さらに、加圧ヘッド機構83は、そのヘッド8
4を水平移動させて、ワークWを水平面内における所定
範囲内において往復移動させる。
【0007】なお、加圧ヘッド機構83は、ワークWを
所定の圧力でポリッシングパッド82に圧接させてい
る。このため、このワークWは、圧力転写により研磨さ
れることになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術による加工装置には、以下のような問題点があ
る。まず、この加工装置では、ワークWの位置に応じて
当該ワークWとポリッシングパッド82との相対速度が
異なっている。従って、ワークは、その加工対象面にお
いて、不均一に研削されてしまうことになる。このワー
クWとポリッシングパッド82との相対速度の差を小さ
くするためには、大型のプラテン81が用いられる必要
がある。しかし、プラテン81が大型化すると、装置の
フットプリントが大きくなってしまう。
【0009】そこで、ワークをその加工対象となる面の
全領域において高精度で平坦に加工可能かつコンパクト
構成が可能な超平坦化加工装置を提供することを、本発
明の課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明による超平坦化加
工装置は、上記課題を解決するために、以下のような構
成を採用した。
【0011】即ち、この超平坦化加工装置は、加工対象
のワークと作用部とを互いに接触させながら所定平面内
で相対移動させることによって、前記ワークに前記所定
平面と平行な面を加工する超平坦化加工装置であって、
前記ワークを載置可能であるとともに、このワークを前
記所定平面内において姿勢を変えることなく移動させる
ステージと、前記ステージに載置されたワークに対向し
た状態に前記作用部を保持するとともに、この作用部
を、前記所定平面に直交する方向を向いた中心軸を中心
として回転させる回転機構と、前記ステージと前記回転
機構とを、前記所定平面に直交する方向に相対的に接近
及び離反させる進退駆動機構と、前記ステージを制御し
て前記ワークを移動させつつ、前記回転機構を制御して
前記作用部を回転させた状態で、前記進退駆動機構を制
御して前記作用部と前記ワークとを互いに当接させるこ
とにより、当該ワークを加工させる制御部とを、備えた
ことを特徴とする。
【0012】このように構成されると、制御部は、ステ
ージを制御して、ワークの姿勢を保った状態で当該ワー
クを所望の運動パターンで移動させつつ、回転機構を制
御して作用部を回転させた状態で、進退駆動機構を制御
してこの作用部とワークとを互いに当接させることがで
きる。このため、ワークの加工対象面における全領域が
均等に加工されるのである。なお、前記進退移動機構
は、前記回転機構を前記ステージに対して移動させても
よく、前記ステージを前記回転機構に対して移動させて
もよい。
【0013】また、ステージは、ワークを固定するワー
クテーブルを有していてもよく、このワークテーブル
は、流体静圧により案内されていてもよい。さらに、こ
のワークテーブルは、高速移動が可能なリニアモータに
より駆動されてもよい。このように構成されると、ワー
クテーブルは、所定の平面内で所望の運動パターンに従
って、滑らかに並進移動することができる。
【0014】さらに、この超平坦化加工装置は、その作
用部をスラスト方向における互いに反対の向きへ流体静
圧により付勢するスラスト静圧パッドの対と、これら各
スラスト静圧パッドに対して所望の圧力で流体を供給す
るスラスト用流体供給部とを、備えていてもよい。この
場合、制御部は、このスラスト用流体供給部を制御し
て、各スラスト静圧パッドに差圧を発生させることによ
り、作用部をスラスト方向へ変位させることができる。
さらに、スラスト静圧パッドの対は、3対以上設けられ
ていてもよい。この場合、制御部は、スラスト用流体供
給部を制御して、これら各スラスト静圧パッドの対に対
して個別に差圧を発生させて、作用部の姿勢を調節する
ことも可能になる。
【0015】また、この超平坦化加工装置は、その作用
部を所定の第1ラジアル方向における互いに反対の向き
へ流体静圧により付勢する第1ラジアル静圧パッドの対
と、この第1ラジアル方向と直交する第2ラジアル方向
における互いに反対の向きへ流体静圧により付勢する第
2ラジアル静圧パッドの対と、これら各ラジアル静圧パ
ッドの対に対して夫々所望の圧力で流体を供給するラジ
アル用流体供給部とを、備えていてもよい。この場合、
制御部は、ラジアル用流体供給部を制御して、各ラジア
ル静圧パッドの対に対して個別に差圧を発生させて、作
用部のラジアル方向への位置を調節することも可能にな
る。
【0016】このように、作用部の位置及び姿勢が高精
度に調節されることにより、ワークは、運動転写により
所望の形状に加工される。また、各ラジアル静圧パッド
における差圧が一定に保たれることにより、ワークは、
圧力転写により加工される。そして、この超平坦化加工
装置は、制御部における制御を切り換えることにより、
運動転写と圧力転写とを切り換えることができる。
【0017】さらに、前記進退駆動機構は、前記回転機
構を案内するガイドを有していてもよい。このガイド
は、一般の転がり軸受やすべり軸受であってもよく、よ
り好ましくは、流体静圧による静圧ガイドであってもよ
い。このように、超平坦化加工装置における各可動部分
が流体静圧により滑らかに案内されると、ワークは、高
精度に平坦化加工されることになる。なお、この超平坦
化加工装置は、ウエハ,水晶基板等の平坦化加工に用い
られてもよく、半導体デバイス多層化の際の平坦化加工
に用いられてもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の一
実施形態を説明する。図1は、本実施形態による超平坦
化加工装置の構成を示す一部断面正面図である。この超
平坦化加工装置は、ベース1,XYステージ2,架台
3,送り部4,及び主軸部5を、備えている。
【0019】ベース1は、その上面が水平面に加工され
ている。例えば、このベース1は、花崗岩により構成さ
れていてもよい。XYステージ2は、このベース1上に
設置されており、後述の如くワーク7を水平面(所定平
面)内において移動させる。架台3は、ベース1上に設
置されており、送り部4を、XYステージ2の上方に配
置している。主軸部5は、後述のように、送り部4によ
ってXYステージ2上のワーク7に対して近接又は離反
する方向に進退駆動されるとともに、当該ワーク7を加
工する。
【0020】図2は、XYステージ2の構成を示す斜視
図である。以下、この図2を併せて参照し、XYステー
ジ2について説明する。このXYステージ2は、一対の
ガイドレール21,21,スライダ22,及びワークテ
ーブル23を、備えている。これら各ガイドレール2
1,21は、長尺状であるとともにその横断面が矩形に
形成され、その長手方向を夫々図2におけるY方向(第
1方向)へ向けてベース1上に対向配置されている。な
お、これら各ガイドレール21,21における相対向す
る面は、スライダ22を案内するスライダ案内面になっ
ている。
【0021】このスライダ22は、互いに平行な一対の
短尺部分221,221,及び,これら両短尺部分22
1,221を一体に連結するXガイド部分222により
なり、その平面視による形状が略「H」字状になってい
る。このスライダ22は、その各短尺部分221,22
1を、夫々、各ガイドレール21,21のスライダ案内
面に対して所定の間隙を開けて対向させている。
【0022】さらに、このスライダ22における各短尺
部分221,221は、各ガイドレール21,21に夫
々対向させて設けられた複数の(Y方向案内)静圧ベア
リングSYを、有する。これら各静圧ベアリングSY
は、水等の流体を当該短尺部分221,221とガイド
レール21,21との間隙へ噴出させる。なお、これら
各静圧ベアリングSYは、第1の案内機構の構成要素で
ある。
【0023】また、スライダ22は、その各短尺部分2
21,221の下面に固定された複数の(Z方向規制)
静圧ベアリングSZを、有する。図2に示される例で
は、各静圧ベアリングSZは、スライダ22における一
方の短尺部分221下面の各端部近傍に1つずつ設けら
れるとともに、他方の短尺部分221下面の中央近傍に
1つ設けられている。これら各静圧ベアリングSZは、
扁平な略円柱状の外形を有し、その下面から水等の流体
をベース1の上面に対して噴出させる。
【0024】そして、スライダ22は、重力及び各静圧
ベアリングSZにより鉛直方向(図2におけるZ方向)
の変位が規制されるとともに、ベース1上においてスラ
イド可能に案内されている。さらに、スライダ22は、
各静圧ベアリングSYにより図2におけるY方向にのみ
スライド可能に案内されている。
【0025】なお、スライダ22のXガイド部分222
は、その横断面が略矩形状であり、その長手方向を図2
におけるY方向及びZ方向に夫々垂直なX方向(第2方
向)へ向けている。また、このXガイド部分222にお
ける図2のX方向に平行な一対の側面は、ワークテーブ
ル23をX方向へ案内するテーブル案内面になってい
る。
【0026】ワークテーブル23は、矩形板状の上板部
分231,及び,この上板部分231の相対向する一対
の縁辺近傍に、当該上板部分に対して夫々垂直かつ一体
に取り付けられた一対の側板部分232,232を、有
する。これら各側板部分232,232における相対向
する一対の内面は、スライダ22におけるXガイド部分
222の各テーブル案内面に対して所定の間隙を開けて
対向している。さらに、各側板部分232,232は、
スライダ22におけるXガイド部分222の各テーブル
案内面に対向させて設けられた複数の(X方向案内)静
圧ベアリングSXを、有する。これら各静圧ベアリング
SXは、水等の流体を当該側板部分232,232とX
ガイド部分222との間隙に噴出させる。なお、これら
各静圧ベアリングSXは、第2の案内機構の構成要素で
ある。
【0027】さらに、ワークテーブル23は、その各側
板232,232の下面に固定された複数の(Z方向規
制)静圧ベアリングSZを、有する。これら各静圧ベア
リングSZは、スライダ22における各静圧ベアリング
SZと同様の構成である。なお、図2に示される例で
は、各静圧ベアリングSZは、一方の側板部分232下
面の各端部近傍に1つずつ設けられるとともに、他方の
側板部分232下面の中央近傍に1つ設けられている。
このワークテーブル23における各静圧ベアリングS
Z,及び,前記スライダ22における各静圧ベアリング
SZは、平面案内静圧ベアリングに相当する。
【0028】そして、ワークテーブル23は、重力及び
各静圧ベアリングSZにより図2におけるZ方向の変位
が規制されるとともに、ベース1上においてスライド可
能に案内されている。さらに、ワークテーブル23は、
各静圧ベアリングSXにより図2におけるX方向にのみ
スライド可能に案内されている。
【0029】さらに、このXYステージ2は、スライダ
22を駆動する一対の(Y方向)リニアモータLY,L
Yと、ワークテーブル23を駆動する(X方向)リニア
モータLXを、備えている。なお、これら各リニアモー
タLY,LYは、第1のスライド駆動機構に相当し、リ
ニアモータLXは、第2のスライド駆動機構に相当す
る。
【0030】これら各リニアモータLY,LYは、各ガ
イドレール21,21上に、長手方向を図2のY方向へ
向けて夫々固定された一対の長尺状の固定子LY1,L
Y1と、スライダ22の各短尺部分221,221に対
して夫々固定された一対の可動子LY2,LY2とによ
り、構成されている。また、リニアモータLXは、スラ
イダ22のXガイド部分222において長手方向を図2
のX方向へ向けて固定された長尺状の固定子と、ワーク
テーブル23の上板部分231の下面に対して取り付け
られた図示せぬ可動子とにより、構成されている。
【0031】そして、スライダ22は、各リニアモータ
LY,LYにより駆動されて図2におけるY方向へ移動
し、ワークテーブル23は、リニアモータLXにより駆
動されて図2におけるX方向へ移動する。なお、ワーク
テーブル23における上板部分231の上面側には、ワ
ーク7をその表面が水平に向くように固定する図示せぬ
ワーク固定部材が設けられている。このため、XYステ
ージ2は、そのワーク固定部材により固定したワーク7
を、水平面内の所定範囲内における任意の位置へ移動さ
せることができる。即ち、XYステージ2は、スライダ
22を移動させることにより、ワーク7を図2における
Y方向へ移動させるとともに、ワークテーブル23を移
動させることにより、ワーク7を図2におけるX方向へ
移動させることができる。
【0032】さらに、XYステージ2は、スライダ22
のY方向における位置を検出する一対の(Y方向)リニ
アエンコーダCY,CYと、ワークテーブル23のX方
向における位置を検出する(X方向)リニアエンコーダ
CXとを、備えている。
【0033】なお、各ガイドレール21,21には、各
リニアモータLY,LYの固定子LY1に沿って夫々配
置された一対のリニアスケールLS,LSが、取り付け
られている。そして、各リニアエンコーダCY,CY
は、夫々、スライダ22における各短尺部分221,2
21に取り付けられており、各リニアスケールCY,C
Yに刻まれた目盛を読み取る。また、スライダ22にお
けるXガイド部分222には、リニアモータLXの固定
子に沿って配置されたリニアスケールが取り付けられて
いる。そして、リニアエンコーダCXは、ワークテーブ
ル23の上板部分231の下部に取り付けられており、
リニアスケールCXに刻まれた目盛を読み取る。
【0034】図3は、超平坦化加工装置の制御系のうち
のXYステージ2の制御に関する部分を示す図である。
この図3に示されるように、超平坦化加工装置は、制御
部6をさらに備えている。この制御部6は、例えば、コ
ンピュータによりなり、各リニアエンコーダCX,C
Y,CY,及び,各リニアモータLX,LY,LYに、
夫々接続されている。
【0035】そして、この制御部6は、各リニアモータ
LY,LYを制御してスライダ22をY方向へ移動させ
るとともに、リニアモータLXを制御してワークテーブ
ル23をX方向へ移動させる。なお、制御部6は、常
に、各リニアエンコーダLY,LYからの出力信号に基
づいてスライダ22のY方向における位置を監視すると
ともに、リニアエンコーダLXからの出力信号に基づい
てワークテーブル23のX方向における位置を監視して
いる。このため、制御部6は、ワークテーブル23上に
ワーク固定部材を介して固定されたワーク7を、水平面
上の所定範囲内における任意の位置へ移動させることが
できるのである。
【0036】次に、図1を参照して送り部4について説
明する。この送り部4は、架台3に対して固定された固
定筒41,この固定筒41に取り付けられた固定板4
2,固定筒41内において移動するサドル43,及び,
このサドル43を駆動するシリンダ機構44を、備えて
いる。固定筒41は、略円筒状に形成されており、その
中心軸を鉛直に向けてXYステージ2上に配置されてい
る。この固定筒41の上側開口は、略円板状に形成され
た固定板42により封止されている。
【0037】サドル43は、固定筒41の内径よりも僅
かに小さい外径の円筒状に形成された遊嵌部分431,
及び,この遊嵌部分431よりも大径かつ扁平な円柱状
の外形を有する主軸取付部分432を、同軸かつ一体に
有している。このサドル43は、その主軸取付部分43
2を下方へ向けるとともに、その遊嵌部分431におい
て固定筒41内に遊嵌されている。なお、この遊嵌部分
431には、上面に開口する中心穴が穿たれている。こ
の中心穴は、その奥側(図1の下側)が小径の円柱状に
くりぬかれた形状であり、その開口側(図1の上側)が
当該奥側よりも大径の円柱状にくりぬかれた形状に、形
成されている。
【0038】また、固定筒41は、その内壁とサドル4
3の遊嵌部分431との間隙へ水等の流体を噴出させる
静圧ガイド411を、有する。サドル43は、この静圧
ガイド411から噴出する流体の静圧により、その中心
軸方向にのみ移動可能に案内されている。なお、主軸取
付部分432には、その下面側に開口するように円柱状
にくりぬかれた形状の取付穴が、穿たれている。後述す
るように、この取付穴に主軸部5が取り付けられてい
る。
【0039】シリンダ機構44は、ロッド441,ピス
トン442,及び,シリンダ443を、有する。なお、
シリンダ機構44及び静圧ガイド411は、進退駆動機
構に相当する。ロッド441は、固定板42の下面にこ
の固定板42と同軸に固定されている。ピストン442
は、このロッド441に対して固定されている。シリン
ダ443は、サドル43の遊嵌部分431内に固定され
ている。即ち、シリンダ443は、この遊嵌部分431
に開けられた中心穴の上側部分に対して嵌合固定されて
いる。そして、このシリンダ443は、その内壁におい
てピストン442の外壁に対して密接するとともに、そ
の上部及び下部において夫々ロッドに対して密接してい
る。即ち、このシリンダ443は、ピストン442によ
って上室と下室に分けられている。
【0040】図4は、超平坦化加工装置の制御系のうち
の送り部4及び主軸部5の制御に関する部分を示す図で
ある。この図4に示されるように、送り部4におけるシ
リンダ機構44は、制御部6に接続された駆動供給部4
44を、有している。この駆動供給部444は、シリン
ダ443の上室及び下室の夫々に対して空気や水等の流
体を供給又は排出させる。そして、制御部6は、この駆
動供給部444を制御して、上室に対して流体を与える
とともに下室内の流体を排出させることにより、サドル
43を上方へ移動させ、下室に対して流体を与えるとと
もに上室内の流体を排出させることにより、サドル43
を下方へ移動させる。
【0041】さらに、シリンダ機構44は、制御部6に
接続されたサドル位置センサ445を、有している。こ
のサドル位置センサ445は、サドル43の鉛直方向に
おける変位を検出する。例えば、このサドル位置センサ
445は、リニアエンコーダ等により構成されていても
よい。
【0042】次に、主軸部5の構成について説明する。
図1に示されるように、この主軸部5は、固定軸51,
回転軸52,作用部分(作用部)53,及び,主軸モー
タ54を、備えている。固定軸51は、円柱状の小径部
分,及び,この小径部分よりも大径かつ扁平な円柱状の
大径部分を、同軸かつ一体に有している。この固定軸5
1は、その小径部分の上部において、サドル43の主軸
取付部分432の取付穴に嵌合固定されている。
【0043】回転軸52は、略円柱状の外形を有し、そ
の上面に開口した嵌合穴が穿たれている。この回転軸5
2の嵌合穴は、その上部側における内径が固定軸51の
小径部分よりも僅かに大径であるとともに、その下部側
における内径が固定軸51の大径部分よりも僅かに大径
に形成されている。そして、この回転軸52は、その嵌
合穴に固定軸51を遊嵌させている。
【0044】作用部分53は、回転対称な形状に形成さ
れるとともに、ワーク7加工用の研削作用面を有する。
この作用部分53は、この回転軸52の下面に該回転軸
52と同軸に取り付けられている。例えば、この作用部
分53は、固定砥粒を有するリング型砥石もしくはカッ
プ型砥石,又は,遊離砥粒とともに使用される円板状の
ポリッシングパッドによりなる。
【0045】主軸モータ54は、サドル43の主軸取付
部分432の下面に固定されたモータステータ541,
及び,回転軸52の外周に固定されるとともにこのモー
タステータ541に対向するモータロータ542を、有
する。図4に示されるように、この主軸モータ54は、
制御部6に接続されている。なお、回転軸52及び主軸
モータ54は、回転機構に相当する。
【0046】なお、後述するように、固定軸51は、流
体静圧により回転軸52を高速回転可能に軸支してい
る。この状態において、制御部6は、主軸モータ54を
制御して、そのモータロータ542をモータステータ5
41に対して回転させることにより、回転軸52を固定
軸51に対して高速回転させる。なお、図1に示される
例では、回転軸52は、ダイレクトドライブ方式により
駆動されているが、その代わりに、ベルト駆動方式によ
り駆動されてもよい。
【0047】図5は、主軸部5の固定軸51周辺を示す
斜視図である。図6は、主軸部5のラジアル方向の制御
を示す説明図であり、図7は、主軸部5のスラスト方向
の制御を示す説明図である。以下、これら図5乃至図7
を併せて参照し、主軸部5についてさらに説明する。図
5に示されるように、この主軸部5は、二対のラジアル
静圧パッド55a,55b,56a,56b,及び,三
対のスラスト静圧パッド57a,57b,58a,58
b,59a,59bを、備えている。
【0048】これら各ラジアル静圧パッド55a,55
b,55a,56bは、夫々、固定軸51における小径
部分の外周に等間隔で、配置されている。なお、両ラジ
アル静圧パッド55a,55bは、固定軸51の中心軸
に関して互いに対称である。同様に、両ラジアル静圧パ
ッド56a,56bは、固定軸51の中心軸に関して互
いに対称である。一方のラジアル静圧パッド55a,5
5bの対は、第1ラジアル静圧パッドの対に相当し、他
方のラジアル静圧パッド56a,56bの対は、第2ラ
ジアル静圧パッドの対に相当する。
【0049】また、各スラスト静圧パッド57a,58
a,59aは、固定軸51における大径部の上面に、設
けられており、各スラスト静圧パッド57b,58b,
59bは、固定軸51における大径部の下面に、設けら
れている。なお、両スラスト静圧パッド57a,57b
は、その平面視における位置を一致させており、両スラ
スト静圧パッド58a,58bは、その平面視における
位置を一致させており、両スラスト静圧パッド59a,
59bは、その平面視における位置を一致させている。
【0050】さらに、図4に示されるように、主軸部5
は、制御部6に夫々接続された2つのラジアル用サーボ
バルブ55V,56V,及び,3つのスラスト用サーボ
バルブ57V,58V,59Vを、有する。図6に示さ
れるように、第1のラジアル用サーボバルブ55Vは、
一対のポートを有し、一方のポートをラジアル静圧パッ
ド55aに連通させるとともに、他方のポートをラジア
ル静圧パッド55bに連通させている。そして、このサ
ーボバルブ55Vは、その一方のポートに対して水等の
流体を所望の圧力で供給するとともに、その他方のポー
トに対して水等の流体を所望の圧力で供給する。
【0051】第2のラジアル用サーボバルブ56Vは、
一対のポートを有し、一方のポートをラジアル静圧パッ
ド56aに連通させるとともに、他方のポートをラジア
ル静圧パッド56bに連通させている。そして、このサ
ーボバルブ56Vは、その一方のポートに対して水等の
流体を所望の圧力で供給するとともに、その他方のポー
トに対して水等の流体を所望の圧力で供給する。なお、
これら各サーボバルブ55V,56Vは、ラジアル用流
体供給部に相当する。
【0052】そして、制御部6は、サーボバルブ55V
を制御することにより、各静圧パッド55a,55bに
対して供給される流体の圧力を個別に調節する。する
と、回転軸52は、水平面内における所定の第1ラジア
ル方向に変位することになる。同様に、制御部6は、サ
ーボバルブ56Vを制御することにより、各静圧パッド
56a,56bに対して供給される流体の圧力を個別に
調節する。すると、回転軸52は、前記第1ラジアル方
向に対して水平面内で直交する第2ラジアル方向へ変位
することになる。
【0053】即ち、制御部6は、主軸モータ54により
回転軸52を高速回転させた状態で、各サーボバルブ5
5V,56Vを夫々制御して、この回転軸52を、固定
軸51に接触させない範囲内で、ラジアル方向へ任意に
変位させることができる。
【0054】図7に示されるように、第1のスラスト用
サーボバルブ57Vは、一対のポートを有し、一方のポ
ートをスラスト静圧パッド57aに連通させるととも
に、他方のポートをスラスト静圧パッド57bに連通さ
せている。そして、このサーボバルブ57Vは、その一
方のポートに対して水等の流体を所望の圧力で供給し、
その他方のポートに対して水等の流体を所望の圧力で供
給する。
【0055】第2のスラスト用サーボバルブ58Vは、
一対のポートを有し、一方のポートをスラスト静圧パッ
ド58aに連通させるとともに、他方のポートをスラス
ト静圧パッド58bに連通させている。そして、このサ
ーボバルブ58Vは、その一方のポートに対して水等の
流体を所望の圧力で供給し、その他方のポートに対して
水等の流体を所望の圧力で供給する。
【0056】第3のスラスト用サーボバルブ59Vは、
一対のポートを有し、一方のポートをスラスト静圧パッ
ド59aに連通させるとともに、他方のポートをスラス
ト静圧パッド59bに連通させている。そして、このサ
ーボバルブ59Vは、その一方のポートに対して水等の
流体を所望の圧力で供給し、その他方のポートに対して
水等の流体を所望の圧力で供給する。なお、これら各サ
ーボバルブ57V,58V,59Vは、スラスト用流体
供給部に相当する。
【0057】そして、制御部6は、サーボバルブ57V
を制御することにより、各静圧パッド57a,57bに
対して供給される流体の圧力を個別に調節する。同様
に、制御部6は、サーボバルブ58Vを制御することに
より、各静圧パッド58a,58bに対して供給される
流体の圧力を個別に調節する。さらに、制御部6は、サ
ーボバルブ59Vを制御することにより、各静圧パッド
59a,59bに対して供給される流体の圧力を個別に
調節する。
【0058】このように調節されると、回転軸52は、
スラスト方向へ変位することになる。即ち、制御部6
は、主軸モータ54により回転軸52を高速回転させた
状態で、各サーボバルブ57V,58V,59Vを制御
して、この回転軸52を、固定軸51に接触させない範
囲内で、スラスト方向へ任意に変位させることができ
る。さらに、制御部6は、各サーボバルブ57V,58
V,59Vを個別に制御して、回転軸52を、両静圧パ
ッド57a,57bの位置,両静圧パッド58a,58
bの位置,及び,両静圧パッド59a,59bの位置に
おいて個別に変位させることにより、当該回転軸52の
姿勢を変化させることができる。
【0059】このように、制御部6は、各サーボバルブ
55V〜59Vを夫々制御することにより、回転軸52
の位置及び姿勢を調節させる。図8は、いわゆる対向パ
ッド静圧軸受の原理説明図である。この図8には、静圧
パッド55a,55bの対,及び,回転軸52が模式的
に示されている。なお、実際の回転軸52は、固定軸5
1の外側において回転するが、この図8では、図示の都
合上、当該回転軸52が、両静圧パッド55a,55b
間に介在した状態で、示されている。また、その他の静
圧パッド56(a,b)〜59(a,b)の対も、この
静圧パッド55(a,b)の対と同様の原理により制御
される。
【0060】そして、サーボバルブ55Vは、その一方
のポートに対して、粘性係数ηの流体を圧力Psで供給
する。このサーボバルブ55Vの一方のポートに供給さ
れた流体は、管路を通じて一方の静圧パッド55aへ供
給される。なお、この管路における絞り係数をkcとす
る。また、この静圧パッド55aのランドにおける流体
の圧力をPrとする。
【0061】同様に、サーボバルブ55Vは、その他方
のポートに対して、粘性係数ηの流体を圧力Ps’で供
給する。このサーボバルブ55Vの他方のポートに供給
された流体は、管路を通じて他方の静圧パッド55bへ
供給される。なお、この管路における絞り係数をkc
する。また、この静圧パッド55bのランドにおける流
体の圧力をPr’とする。
【0062】このサーボバルブ55Vは、その各ポート
へ供給する流体の圧力Ps,Ps’を個別に変化させる
ことができるが、この図8に示される例では、サーボバ
ルブ55Vは、一方のポートへの圧力Psのみを変化さ
せることとし、他方のポートへの圧力Ps’を一定に保
っている。
【0063】そして、このサーボバルブ55Vが圧力P
sを変化させると、回転軸52は、各静圧パッド55
a,55bに対して隙間を開けた状態で、図8における
左右方向へ変位することになる。なお、この回転軸52
と一方の静圧パッド55aとの隙間,及び,この回転軸
52と他方の静圧パッド55bとの隙間が、互いに等し
くなった場合において、この回転軸52は、中立位置に
あるという。
【0064】この回転軸52が中立位置にある場合にお
ける当該回転軸52と各静圧パッド55a,55bとの
隙間の値を、hmとする。そして、図8の左右方向にお
いて、回転軸52が右向きにΔhだけ変位したとする
と、この回転軸52と一方の静圧パッド55aとの隙間
は、hm+Δhになり、この回転軸52と他方の静圧パ
ッド55bとの隙間は、hm−Δhになる。なお、この
m+Δhを軸受隙間を代表する値として、h=hm+Δ
hとおく。
【0065】さらに、この図8には、当該静圧軸受のモ
デルの等価電気回路が示されている。この等価電気回路
を用いた解析により、当該静圧軸受の特性は、以下のよ
うに表される。まず、tを時間とし、静圧パッド55a
(,55b)における受圧全面積を、Apとし、ΔQi
を一方の静圧パッド55aにおける流体の流入量の変化
分とし、ΔQoを一方の静圧パッド55aにおける流体
の流出量の変化分とすると、
【0066】
【数1】 これらの式により、
【0067】
【数2】 よって、
【0068】
【数3】 従って、回転軸52を支持する力である軸受力fの変化
分Δfは、
【0069】
【数4】 なお、サーボバルブ55Vは、一方のポートへ供給する
流体の圧力のみを変化させるので、
【0070】
【数5】 ここで、
【0071】
【数6】 よって、式(1)は、
【0072】
【数7】 以上により、軸受力fの変化分Δf,供給圧力Ps,隙
間hは、次式により表される。
【0073】
【数8】 但し、伝達関数Gp(s),及び,伝達関数Gh(s)の
記述に用いられている「s」は、ラプラス変換における
像関数の定義域である。これら各伝達関数Gp(s),
h(s)を用いて、静圧軸受のブロック線図は、図9
のように表される。なお、この図9において、Fdは、
ワーク7の加工時に生じる外乱力である。
【0074】このように、サーボバルブ55Vは、その
一方のポートへの供給圧力Psを変化させることによ
り、軸受力f(負荷)を変化させて、回転軸52を変位
させることができる。このため、制御部6は、各サーボ
バルブ55V,56Vを夫々制御して、回転軸52を、
水平面内で互いに直交する所定の二軸方向に変位させる
ことができる。また、制御部6は、各サーボバルブ57
V,58V,59Vを夫々制御して、回転軸52をサド
ル43に対して鉛直方向に変位させるとともに当該回転
軸52の姿勢を変化させることができる。
【0075】さらに、この超平坦化加工装置は、図4に
示されるように、制御部6に夫々接続されたXセンサ5
5S,Yセンサ56S,及び,3つのZセンサ57S,
58S,59Sを、備えている。例えば、これら各セン
サ57S〜59Sは、静電容量型センサにより構成され
ていてもよい。
【0076】Xセンサ55Sは、回転部52の図1にお
けるX方向への変位を検出する。Yセンサ56Sは、回
転部52の図1におけるY方向への変位を検出する。ま
た、各Zセンサ57S,58S,59Sは、夫々、各静
圧軸受の対57(a,b),58(a,b),59
(a,b)に夫々対応させて設けられ、回転軸52のサ
ドル43に対する図1のZ方向への相対変位を、夫々検
出する。
【0077】そして、制御部6は、Xセンサ55Sから
の出力信号により回転部52の図1のX方向における位
置を認識するとともに、Yセンサ56Sからの出力信号
により回転部52の図1のY方向における位置を認識す
る。また、制御部6は、各Zセンサ57S,58S,5
9Sからの出力信号により回転軸52の姿勢を認識す
る。さらに、制御部6は、これら各Zセンサ57S,5
8S,59Sからの出力信号,及び,サドル位置センサ
445からの出力信号により、回転部52の図1のZ方
向における位置を認識する。このように、制御部6は、
回転部52の位置及び姿勢を監視しながら、当該回転軸
を所望の位置及び姿勢に調整することができるのであ
る。
【0078】さらに、この超平坦化加工装置は、図4に
示されるように、制御部6に接続された差圧計測器DP
を備えている。この差圧計測器DPは、上側のスラスト
静圧パッド57a(,58a,59a)における流体圧
力と下側のスラスト静圧パッド57b(,58b,59
b)における流体圧力との差圧を検出する。そして、制
御部6は、この差圧計測器DPからの出力信号に基づ
き、当該回転軸52に対して図1のZ方向上向きにかか
る力を算出することができる。このため、制御部6は、
作用部分53がワーク7に当接した状態において、この
作用部分53のワーク7に対する加圧力を算出すること
ができる。
【0079】上述のように構成された超平坦化加工装置
において、ワーク7に対する研削処理は、以下のように
なされる。まず、送り部4のシリンダ機構44がサドル
43を上昇させた状態において、XYステージ2のワー
クテーブル23上にワーク7が固定される。そして、制
御部6は、予め作業者により指定されたパターンに従っ
て、当該ワーク7を水平面内において移動させる。ま
た、制御部6は、主軸部5の主軸モータ54を制御して
回転部52及び作用部分53を高速回転させる。
【0080】この状態において、制御部6は、送り部4
のシリンダ機構44を制御して、サドル43を下降させ
て、作用部分53をワーク7に対して当接させる。する
と、高速回転している作用部分53は、ワーク7を研削
することになる。このワーク7は、水平面内において運
動しているので、その表面における全領域が研削され
る。
【0081】なお、制御部6は、その作用部53の位置
を予め定められた位置に保つように制御することによ
り、ワーク7を運動転写により研削することができる。
また、制御部6は、その作用部53にかかる圧力を一定
に保つように制御することにより、ワーク7を圧力転写
により研削することができる。
【0082】まず、運動転写による研削について説明す
る。なお、運動転写による研削がなされる場合には、作
用部分53は、固定砥粒を有する砥石であるとよい。運
動転写による研削は、作用部分53の位置が高精度に保
たれるとともに、当該作用部分53が高剛性に保たれた
状態で、この作用部分53における固定砥粒がワーク7
に切り込むことによりなされる。
【0083】この超平坦化加工装置における制御部6
は、主軸モータ54を制御して回転軸52及び作用部分
53を高速回転させた状態で、Xセンサ55S,Yセン
サ56S,Zセンサ57S,58S,59Sの出力信号
により作用部分53の位置及び姿勢を監視しながら、各
サーボバルブ55V〜59Vを制御して、当該作用部分
53を高精度で所定の位置に保つ。即ち、作用部分53
は、高精度に位置制御されることにより、運動転写に必
要な剛性が得られることになる。このとき、制御部6
は、XYステージ2を制御して、ワーク7を水平面内に
おける所定領域内で、任意の運動パターンにより移動さ
せている。このため、ワーク7の表面における全域が運
動転写によって研削される。
【0084】このように、制御部6は、作用部分53を
高精度に位置制御できるので、ワーク7の加工面は、正
確に所望の形状に研削される。例えば、制御部6は、こ
のワーク7の表面がその裏面に対して平行かつ平坦にな
るように当該ワーク7を研削させることができる。仮
に、ワーク7の表面と裏面とが互いに平行になっていな
かったとしても、この運動転写による研削により、当該
ワーク7表面は、その裏面に対して高精度に平行かつ平
坦になるように加工される。なお、作用部分53の位置
制御が高精度になされるので、研削加工中にワーク7が
破損してしまうこともなくなる。
【0085】次に、圧力転写による研削について説明す
る。なお、この圧力転写がなされる場合には、この圧力
転写がなされる場合には、作用部分53は、遊離砥粒と
ともに用いられるポリッシングパッドであっても固定砥
粒とともに用いられるポリッシングパッドであってもよ
い。そして、この圧力転写による研削は、作用部分53
のワーク7に対する加圧力が一定に保たれた状態でなさ
れる。この超平坦化加工装置における制御部6は、主軸
モータ54を制御して回転軸52及び作用部分53を高
速回転させた状態で、差圧計測器DPからの出力信号に
より作用部分53のワークに対する加圧力を監視しなが
ら、各サーボバルブ57V〜59Vを制御して、当該作
用部分53が所定の加圧力でワーク7に当接するように
保つことにより、圧力転写によってワーク7を研削す
る。
【0086】特に、圧力転写の場合には、ワーク7の表
面における全域が均等に作用部分53に研削されること
が望ましい。この超平坦化加工装置における制御部6
は、XYステージ2を制御して、ワーク7を水平面内に
おける所定領域内で、任意の運動パターンにより移動さ
せることができる。このため、制御部6は、XYステー
ジ2を制御して、作用部分53がワーク7表面における
全域を均等に研削するように、ワーク7を移動させるこ
とができる。
【0087】図10は、ワーク7の運動パターンを示す
説明図である。この図10の(A),(B)に例示され
るように、制御部6は、XYステージ2を制御して、ワ
ーク7を所望のパターンに従って移動させることができ
る。このため、作業者は、制御部6に対してワーク7の
運動パターンを設定しておくことにより、ワーク7の種
類,作用部分53の種類,又は,研削方式(運動転写又
は圧力転写)に応じて、最適な運動パターンにより、当
該ワーク7を移動させることができる。
【0088】上述のように、この超平坦化加工装置は、
ワーク7の種類や加工目的に合わせて、当該ワーク7を
運動転写又は圧力転写によって研削することができる。
従って、粗加工から仕上加工を連続して行うこともでき
る。また、この超平坦化加工装置は、その制御部6にお
ける制御を切り換えることにより、運動転写と圧力転写
とを容易に切り換えることができる。さらに、この超平
坦化加工装置は、運動転写による加工,及び圧力転写に
よる加工が可能であるにも拘らず、そのフットプリント
が小さく、コンパクトな装置構成になっている。
【0089】また、XYステージ2は、その各リニアモ
ータLX,LY,LYによりワーク7を移動させるの
で、ワーク7の移動における速度安定性及び位置精度が
高くなっている。そのうえ、XYステージ2の各静圧ベ
アリングSX,SY,SZは、水等の流体を噴出させて
いるので、ワーク7が研削されて生じる微粒子や砥粒等
は、この流体により洗い流されることになる。従って、
このXYステージ2は、これら微粒子や砥粒等による影
響を受けることなく、常に、安定して動作することがで
きる。
【0090】
【発明の効果】以上のように構成された本発明による超
平坦化加工装置によると、ワークは、その加工対象面に
おける全域で高精度に平坦加工される。さらに、ワーク
は、ステージにより任意の方向へ移動可能であるので、
ワークは均一に加工されるとともに、装置の設置に要す
るスペースは小さくて済む。
【0091】また、この超平坦化加工装置は、運動転写
によりワークを加工する場合には、このワークを所望の
形状に高精度で加工することができる。さらに、この超
平坦化加工装置は、運動転写による加工と圧力転写によ
る加工を切換可能とした場合には、加工対象となるワー
クの種類や加工目的に合わせて、最適な加工を行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の超平坦化加工装置の一
部断面正面図
【図2】 XYステージの構成を示す斜視図
【図3】 XYステージの制御を示す図
【図4】 送り部及び主軸部の制御を示す図
【図5】 主軸部の固定軸周辺を示す斜視図
【図6】 主軸部のラジアル方向の制御を示す説明図
【図7】 主軸部のスラスト方向の制御を示す説明図
【図8】 対向パッド静圧軸受の原理説明図
【図9】 静圧軸受のブロック線図
【図10】 ワークの運動パターンを示す説明図
【図11】 従来の加工装置を示す説明図
【符号の説明】
1 ベース 2 XYステージ 22 スライダ 23 ワークテーブル SX,SY,SZ 静圧ベアリング 3 架台 4 送り部 411 静圧ガイド 43 サドル 44 シリンダ機構 445 サドル位置センサ 5 主軸部 52 回転軸 54 主軸モータ 55(a,b),56(a,b) ラジアル静圧パッド 57(a,b)〜59(a,b) スラスト静圧パッド 55V〜59V サーボバルブ 55S Xセンサ 56S Yセンサ 57S〜59S Zセンサ DP 差圧計測器 6 制御部 7 ワーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3C034 BB07 CA16 CB08 DD09 DD10 3C043 BA02 BA09 CC04 CC07 DD01 DD05 3C058 AA04 AA07 AA11 AA14 AA16 AB01 AB06 BA06 BB04 BC02 CB01 DA12 DA17

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加工対象のワークと作用部とを互いに接触
    させながら所定平面内で相対移動させることによって、
    前記ワークに前記所定平面と平行な面を加工する超平坦
    化加工装置であって、 前記ワークを載置可能であるとともに、このワークを前
    記所定平面内において姿勢を変えることなく移動させる
    ステージと、 前記ステージに載置されたワークに対向した状態に前記
    作用部を保持するとともに、この作用部を、前記所定平
    面に直交する方向を向いた中心軸を中心として回転させ
    る回転機構と、 前記ステージと前記回転機構とを、前記所定平面に直交
    する方向に相対的に接近及び離反させる進退駆動機構
    と、 前記ステージを制御して前記ワークを移動させつつ、前
    記回転機構を制御して前記作用部を回転させた状態で、
    前記進退駆動機構を制御して前記作用部と前記ワークと
    を互いに当接させることにより、当該ワークを加工させ
    る制御部とを備えたことを特徴とする超平坦化加工装
    置。
  2. 【請求項2】前記ステージは、ワークを固定するワーク
    テーブルと、 前記ワークテーブルを、前記所定平面内における所定の
    第1方向へ案内する第1の案内機構と、 前記ワークテーブルを、前記所定平面内において前記第
    1方向と直交する第2方向へ案内する第2の案内機構
    と、 前記ワークテーブルを、前記第1方向へ移動させる第1
    のスライド駆動機構と、 前記ワークテーブルを、前記第2方向へ移動させる第2
    のスライド駆動機構とを備えたことを特徴とする請求項
    1記載の超平坦化加工装置。
  3. 【請求項3】前記ステージは、前記第1方向へ向けた状
    態で対向配置された一対のレールと、 これら両レール間において前記第1方向へ移動可能であ
    るとともに、前記ワークテーブルを前記第2方向へ移動
    可能に係合させたスライダとを、さらに備え、 前記第1の案内機構は、前記スライダを前記各レールに
    対して前記第1方向へ流体静圧により移動可能に案内す
    る静圧ベアリングを有し、 前記第2の案内機構は、前記ワークテーブルを前記スラ
    イダに対して前記第2方向へ流体静圧により移動可能に
    案内する静圧ベアリングを有し、 前記第1のスライド駆動機構は、前記レールに対して前
    記スライダを移動させるリニアモータを有し、 前記第2のスライド駆動機構は、前記スライダに対して
    前記ワークテーブルを移動させるリニアモータを有する
    ことを特徴とする請求項2記載の超平坦化加工装置。
  4. 【請求項4】前記ステージは、前記所定平面に対して平
    行な上面が形成されたベースと、 前記スライダ及び前記ワークテーブルを、前記ベースの
    上面に沿って移動可能に流体静圧により案内する平面案
    内静圧ベアリングとをさらに備えたことを特徴とする請
    求項3記載の超平坦化加工装置。
  5. 【請求項5】前記作用部を、そのスラスト方向における
    互いに反対の向きへ流体静圧により付勢するスラスト静
    圧パッドの対と、 前記各スラスト静圧パッドに対して夫々所望の圧力で流
    体を供給するスラスト用流体供給部とを、さらに備え、 前記制御部は、前記進退駆動機構を制御して前記ステー
    ジと前記回転機構とを相対的に移動させるとともに、前
    記スラスト用流体供給部を制御して、各スラスト静圧パ
    ッドに対して供給する流体の圧力を互いに変化させるこ
    とにより、前記作用部をスラスト方向へ変位させること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の超平坦化
    加工装置。
  6. 【請求項6】前記スラスト静圧パッドの対を、3対以上
    備え、 前記制御部は、前記スラスト用流体供給部を制御して、
    前記作用部をスラスト方向へ変位させるとともに当該作
    用部の姿勢を変化させることを特徴とする請求項5記載
    の超平坦化加工装置。
  7. 【請求項7】前記作用部を、所定の第1ラジアル方向に
    おける互いに反対の向きへ流体静圧により付勢する第1
    ラジアル静圧パッドの対と、 前記作用部を、前記第1ラジアル方向と直交する第2ラ
    ジアル方向における互いに反対の向きへ流体静圧により
    付勢する第2ラジアル静圧パッドの対と、 前記各ラジアル静圧パッドに対して夫々所望の圧力で流
    体を供給するラジアル用流体供給部とを、さらに備え、 前記制御部は、前記ラジアル用流体供給部を制御して、
    前記各第1ラジアル静圧パッドに対して供給する流体の
    圧力を互いに変化させることにより、前記作用部を前記
    第1ラジアル方向へ変位させるとともに、前記各第2ラ
    ジアル静圧パッドに対して供給する流体の圧力を互いに
    変化させることにより、前記作用部を前記第2ラジアル
    方向へ変位させることを特徴とする請求項6記載の超平
    坦化加工装置。
  8. 【請求項8】前記作用部の位置及び姿勢を検出するセン
    サを、さらに備え、 前記制御部は、前記センサを監視して、前記作用部を所
    望の位置及び姿勢に調節することにより、前記ワークを
    運動転写により加工させることを特徴とする請求項7記
    載の超平坦化加工装置。
  9. 【請求項9】前記スラスト静圧パッドの対の間に生じる
    流体の差圧を計測する差圧計測器を、さらに備え、 前記制御部は、前記差圧計測器を監視して、前記作用部
    と前記ワークとを互いに所定の圧力で当接させることに
    より、当該ワークを圧力転写により加工させることを特
    徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の超平坦化加工
    装置。
  10. 【請求項10】前記作用部の位置及び姿勢を検出するセ
    ンサと、 前記スラスト静圧パッドの対の間に生じる流体の差圧を
    検出する差圧計測器とを、さらに備え、 前記制御部は、前記センサを監視して、前記作用部を所
    望の位置及び姿勢に調節することにより、前記ワークを
    運動転写により加工可能であるとともに、前記差圧計測
    器を監視して、前記作用部と前記ワークとを互いに所定
    の圧力で当接させることにより、当該ワークを圧力転写
    により加工可能であることを特徴とする請求項7記載の
    超平坦化加工装置。
  11. 【請求項11】前記進退駆動機構は、前記回転機構を流
    体静圧により案内する静圧ガイドを有することを特徴と
    する請求項1〜10のいずれかに記載の超平坦化加工装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107283236A (zh) * 2017-08-21 2017-10-24 梧州学院 基于运动控制器的平面玻璃打磨方法及其设备
JP2018117013A (ja) * 2017-01-17 2018-07-26 株式会社ディスコ 研削装置
CN111390845A (zh) * 2019-11-26 2020-07-10 浙江杭机股份有限公司 一种静压回转工作台

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