JP2001325245A - ハイブリッドフィルタ - Google Patents

ハイブリッドフィルタ

Info

Publication number
JP2001325245A
JP2001325245A JP2000141180A JP2000141180A JP2001325245A JP 2001325245 A JP2001325245 A JP 2001325245A JP 2000141180 A JP2000141180 A JP 2000141180A JP 2000141180 A JP2000141180 A JP 2000141180A JP 2001325245 A JP2001325245 A JP 2001325245A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
filter
speed
time constant
data
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000141180A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4316772B2 (ja
Inventor
Akira Sato
彰 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Motor Co Ltd filed Critical Yamaha Motor Co Ltd
Priority to JP2000141180A priority Critical patent/JP4316772B2/ja
Publication of JP2001325245A publication Critical patent/JP2001325245A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4316772B2 publication Critical patent/JP4316772B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Position Fixing By Use Of Radio Waves (AREA)
  • Gyroscopes (AREA)
  • Navigation (AREA)
  • Complex Calculations (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造で周波数設定が容易にでき、高速
で高精度の計算処理ができるハイブリッドフィルタを提
供する。 【解決手段】 第1の信号が通る第1のフィルタ4と、
第2の信号が通る第2のフィルタ6と、前記第1のフィ
ルタ4通過後の信号に所定の時定数を掛けるための時定
数回路5と、該時定数回路5通過後の信号と前記第2の
フィルタ6通過後の信号を加え合わせる加算器7とから
なり、前記第1の信号は加速度信号または速度信号であ
り、前記第2の信号は、第1の信号を積分した単位系の
信号であり、前記第1、第2のフィルタ4,6及び前記
時定数回路5の時定数T1は等しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は2つの信号をそれぞ
れフィルタリングしてこれらを組合せるハイブリッドフ
ィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】航空機や船舶等の移動体において、速度
や加速度信号あるいは位置信号をフィルタを通すことに
より特定周波数の信号として位置や姿勢制御に用いられ
ている。このような制御を行う例として、無人ヘリコプ
タの自律飛行システム等において、飛行中の機体の位置
及び速度を検出するためのGPSセンサ及び機体の姿勢
を検出するためのジャイロセンサが備わり、自己の位置
や姿勢を確認するとともに指令した飛行経路に沿って飛
行するようにサーボ機構等を用いて機体が駆動制御され
る。この場合、GPSセンサにより位置が検出されると
ともにこの位置データを微分して速度データが得られ
る。
【0003】しかしながら、このGPSセンサは、電波
状態等の環境に影響され制御の信頼性が低下し、また計
測間隔が短く(通常計測間隔約0.2秒、時間遅れ約
0.4秒)、高速演算ができない。したがって、周波数
の低い帯域では安定して高精度の検出ができるが、高い
周波数では精度が低下する。
【0004】一方、ジャイロセンサは加速度を検出し、
これを積分することにより速度データが得られる。しか
しながら、このジャイロセンサによる速度検出データ
は、積分演算を行うため、誤差成分が積分されて累積
し、高周波数帯域では精度がよいが低周波数帯域での精
度が悪くなる。
【0005】そこで、GPSセンサからの速度信号をロ
ーパスフィルタを通して高精度な低周波数領域を取出
し、ジャイロセンサから積分して得た速度信号をハイパ
スフィルタを通して高精度な高周波数領域を取出し、こ
れらを足し合わせることにより検出周波数全域について
高精度なデータを得るようにしたハイブリッドフィルタ
が考えられている。
【0006】一方、特開平5−193574号公報に、
GPSとINSによるハイブリッド慣性航法フィルタに
より速度を計算し、機体のホバリング時の縦方向、横方
向の速度制御を行う自動飛行制御システムが開示されて
いる。この公報記載のハイブリッド慣性航法部は、IN
S、GPS、航法フィルタ、速度補正スムージング回
路、減算器とから構成される。INSから出力されるI
NS位置及び速度信号と、GPSから出力されるGPS
位置および速度信号を航法フィルタに入力し、カルマン
フィルタにより速度誤差推定値を生成する。速度補正ス
ムージング回路は、速度誤差推定値に基づいて速度誤差
補正値を作成し、INSから出力されるINS速度信号
より差し引いて慣性速度信号を生成し、制御器により設
定される設定速度信号とともに速度保持制御則に出力
し、ホバリング時の縦方向および横方向の速度制御を行
う。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ジャイロセンサとGPSセンサを組合せたハイブリッド
フィルタでは、ジャイロセンサの加速度信号から速度信
号を得るための積分演算を伴うため、誤差成分の累積に
よりフィルタが発散し、また積分演算時間も長くなり、
充分な高精度化および高速化が図られない。
【0008】また、上記公報記載の慣性航法フィルタで
は、カルマンフィルタにより速度の推定誤差を計算し、
速度補正スムージング回路によりその誤差量を修正して
いるため、カルマンフィルタでの計算が非常に複雑で面
倒になり、回路全体のプログラム構造が複雑になって計
算時間も長くかかる。また、カルマンフィルタは、周波
数を設定するチューニングのパラメータが多数あって、
実際に使用する際に非常に手間がかかり、使用性の点で
問題がある。また、この公報記載のフィルタ構造では、
速度の推定計算しかできず、速度とともに位置を推定計
算する場合にこれを単純に適用することができない。
【0009】本発明は上記従来技術を考慮したものであ
って、簡単な構造で周波数設定が容易にでき、高速で高
精度の計算処理ができるハイブリッドフィルタの提供を
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明では、第1の信号が通る第1のフィルタと、
第2の信号が通る第2のフィルタと、前記第1のフィル
タ通過後の信号に所定の時定数を掛けるための時定数回
路と、該時定数回路通過後の信号と前記第2のフィルタ
通過後の信号を加え合わせる加算器とからなり、前記第
1の信号は加速度信号または速度信号であり、前記第2
の信号は、第1の信号を積分した単位系の信号であり、
前記第1、第2のフィルタ及び前記時定数回路の時定数
は等しいことを特徴とするハイブリッドフィルタを提供
する。
【0011】この構成によれば、例えば加速度とこれを
積分した速度の信号の組合せや、速度とこれを積分した
位置の信号の組合せ等の場合に、両信号を同じ時定数の
簡単な一次遅れフィルタを通すことにより、非常に簡単
な回路構成によって、1つの時定数を設定するだけで高
速で高精度の計算処理ができ、速度や位置データの信頼
性が向上し、自律飛行等に適用した場合の飛行制御精度
や飛行の安全性が向上する。
【0012】好ましい構成例では、前記加算器からの出
力信号を第1の信号として、別の第1および第2のフィ
ルタ、時定数回路および加算器からなる2段目のハイブ
リッドフィルタを結合したことを特徴としている。
【0013】この構成によれば、2段のハイブリッドフ
ィルタの組合せにより、例えば1段目でセンサからの速
度と加速度の信号から速度データを算出し、この算出速
度データとセンサからの位置信号からさらに精度のよい
位置データを算出することができ、速度および位置とも
に高精度の算出推定データが得られる。
【0014】さらに好ましい構成例では、前記第1の信
号はジャイロセンサからの加速度信号であり、前記第2
の信号はGPSセンサからの位置信号を微分した速度信
号であり、前記第1および第2のフィルタはローパスフ
ィルタであることを特徴としている。
【0015】この構成によれば、高い周波数で精度が高
いジャイロセンサからの加速度信号と、低い周波数で精
度が高いGPSセンサからの速度信号とを組合せて、同
じ構成のローパスフィルタを通すことにより、全周波数
帯域で高い精度の推定速度が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態
に係るハイブリッドフィルタの構成をその原理および作
用とともに示す説明図である。本実施形態は、ジャイロ
センサとGPSセンサからの信号をそれぞれフィルタを
介して組合せるハイブリッドフィルタであり、まずその
原理を説明する。
【0017】ジャイロセンサから入力された加速度信号
から速度データを得るために積分回路1で演算処理す
る。続いて、これをハイパスフィルタ2を通過させて
(a)に示すようにジャイロセンサの高精度成分である
高い周波数帯域を演算処理により取出す。この高周波数
帯域はハイパスフィルタ2の時定数T1により定まる。
この積分回路1(1/s)とハイパスフィルタ2(T1
s/(T1s+1))を結合した回路は、図中の式から
も分かるように等価回路3(T1/(T1s+1))と同
じである。この等価回路3は、ローパスフィルタ4(1
/T1+1)の出力に時定数回路5により時定数T1(ゲ
イン)を掛けた演算回路と同じである。したがって、積
分回路1とハイパスフィルタ2とでそれぞれ演算処理す
る代わりにローパスフィルタ4を用いて演算処理するこ
とにより同じ結果が得られる。これにより、誤差成分が
累積して演算結果が発散する積分回路1を用いることな
く、ハイパスフィルタ2を通過させた演算結果と同じ演
算処理データを得ることができる。
【0018】本実施形態では、このような原理に基づい
て、ジャイロセンサからの加速度信号を第1の信号とし
てこれをローパスフィルタ4および時定数回路5により
演算処理するとともに、GPSセンサの位置検出値を微
分して得た速度信号を第2の信号としてローパスフィル
タ6に入力させる。このローパスフィルタ6は、ジャイ
ロセンサの加速度信号が入力されるローパスフィルタ4
と同じ時定数T1を有する回路である。これにより、こ
の時定数により定まる所定の周波数より低い周波数の速
度信号がローパスフィルタ6を通過するように演算処理
され、(b)に示すようにGPSセンサの高精度成分で
ある低い周波数帯域が取出される。
【0019】このようにして同じ時定数に基づいてそれ
ぞれ高精度の周波数成分が取出されたジャイロセンサか
らの第1の信号とGPSセンサからの第2の信号は、加
算器7で足し合わされて、(c)に示すように全周波数
帯域にわたって高精度で演算された推定速度データが得
られる。
【0020】図2は、本発明の実施の形態に係る2段構
造のハイブリッドフィルタの回路図である。この実施形
態は、前述の図1のフィルタ構造、すなわちジャイロセ
ンサからの加速度信号を演算処理するローパスフィルタ
4および時定数回路5と、GPSセンサからの速度信号
を演算処理するローパスフィルタ6と、演算処理された
信号同士を加算する加算器7からなるハイブリッドフィ
ルタとにより1段目のハイブリッドフィルタ12を形成
し、この1段目のハイブリッドフィルタ12の出力デー
タである推定速度信号を第1の信号とし、GPSセンサ
からの位置検出信号を第2の信号として2段目のハイブ
リッドフィルタ13を形成したものである。この2段目
のハイブリッドフィルタ13は、1段目のハイブリッド
フィルタ12と同様の原理に基づく同様の構成であり、
同様の作用効果を有する。
【0021】すなわち、1段目のハイブリッドフィルタ
12からの推定速度信号を演算処理する時定数T2のロ
ーパスフィルタ55と、このローパスフィルタ55の出
力に時定数T2(ゲイン)を掛けて演算処理する時定数
回路9と、GPSセンサからの位置信号を演算処理する
時定数T2のローパスフィルタ10と、演算処理された
速度信号と位置信号を加え合せる加算器11とにより構
成される。ローパスフィルタ55と時定数回路9を通し
て演算処理することにより、前述のように、積分回路と
ハイパスフィルタを通して演算処理した結果と同じデー
タが得られ、したがって、速度のデータから高精度の位
置のデータが求まる。また、ローパスフィルタ10を通
して位置データを演算処理することにより前述のように
高精度の低周波数帯域の位置データが得られる。これら
を加算器11で加え合せることにより全周波数帯域で高
精度の推定位置データが求められる。
【0022】図3は、上記実施形態のハイブリッドフィ
ルタが適用される無人ヘリコプタの制御系を示すブロッ
ク構成図である。地上側に設置されたパソコン(本体)
14は演算処理回路を内蔵し、モニタ15および入力手
段としてキーボード16とマウス17を備え、メモリ1
8を有している。機体側には演算処理回路を内蔵しメモ
リ60を有するマイコン20が搭載される。マイコン2
0には、位置検出用のGPSセンサ21と、姿勢検出用
のジャイロセンサ22が接続される。地上側のパソコン
14と機体側のマイコン20は、それぞれの送受信機1
9,23を介して相互にデータ通信する。
【0023】前述の速度指令データあるいは位置指令デ
ータからなる飛行データは、キーボード16からの数値
入力あるいはマウス17によりモニタ15の表示画面を
クリックすることにより入力される。入力された予定飛
行データに基づき予想軌跡が算出され、この予想軌跡が
モニタ15に表示される。
【0024】機体側では、GPSセンサ21およびジャ
イロセンサ22により、飛行中の現在時点の位置と姿勢
が検出され、実際の飛行データが地上側のパソコン14
に送られる。パソコン14は、これらの飛行データから
実際の飛行軌跡の表示データを算出しこれを前述の予想
軌跡とともにモニタ15に表示する。これにより、実際
の飛行軌跡と予想軌跡のずれがモニタ画面上でリアルタ
イムで識別できる。
【0025】このGPSセンサ21により機体の位置を
検出して制御用の位置データおよびこれを微分した速度
データを算出する場合に、本発明に係るハイブリッドフ
ィルタを用いてジャイロセンサ22からの加速度信号を
演算処理してGPSセンサからの信号と組合せることに
より、前述のように高精度の速度データおよび位置デー
タが得られる。このようにして得られた高精度の速度デ
ータおよび位置データに基づいて速度指令あるいは位置
指令によるサーボ機構のフィードバック制御を行うこと
により、信頼性の高い自律飛行制御ができる。
【0026】図4は、上記制御系を備えた自律飛行シス
テム全体の構成図である。無人ヘリコプタ8の機体に
は、駆動源である不図示のエンジン、該エンジンのスロ
ットル系や姿勢制御系を駆動する不図示のサーボモー
タ、GPSセンサ21、GPSアンテナ21a、ジャイ
ロセンサ22、マイコン20(図3)等が搭載され、マ
イコン20(図3)には、I/F回路24を介して通信
装置(送受信機)23が接続されている。
【0027】一方、地上側に設置されたパソコン14に
は、GPS衛星25からの信号を受信するGPSアンテ
ナ26とGPS受信機27及び通信装置(送受信機)1
9がI/F回路28を介して接続されている。また、シ
ステムの安全性を確保するために、通常の送信機からな
るバックアップ用送信機29を備え、指令変更や異常発
生時その他のときに、操縦者がバックアップして操縦す
ることができる。
【0028】このような構成の飛行システムにおいて、
前述のようにパソコン14に入力された前後、左右、上
下および回転の4つの飛行指令データに基づいて微分お
よび積分を含む演算処理を行って、前後方向のエレベー
タサーボ指令、左右方向のエルロンサーボ指令、上下方
向のコレクティブサーボ指令および回転方向のラダーサ
ーボ指令を発する。
【0029】図5は、上記各方向のサーボ指令による駆
動機構の例を示す概略構成説明図である。主ロータ30
のロータ軸31がアクチュエータ板32に連結される。
アクチュエータ板32には、前2ヶ所、後1ヵ所に上下
駆動のシリンダ33a,33b,33cが備わる。エレ
ベータサーボ制御は、前2つのシリンダ33a,33b
を固定し、後のシリンダ33cを駆動することにより
(又はその逆により)、主ロータ30の前後方向の角度
を変化させ、前後進およびその速度を制御して行われ
る。エルロンサーボ制御は、前2つのシリンダ33a,
33bを駆動して主ロータ30の左右方向の傾きを変化
させ、左右の方向およびその速度を制御して行われる。
コレクティブサーボ制御は、3つのシリンダ33a,3
3b,33cを同時に同じ方向に駆動してロータ軸31
内の主ロータ連結部(図示しない)を介して主ロータ3
0の迎え角を矢印Aのように変化させることにより機体
を上昇または下降させて行う。ラダーサーボ制御は、テ
ールロータ(図示しない)の回転を制御することにより
行われる。
【0030】このような4方向についての飛行速度デー
タに基づくサーボ指令値の算出方法を図6〜図9を参照
して以下に説明する。図6はデータ処理の制御信号図、
図7は無人ヘリコプタの斜視図、図8および図9はそれ
ぞれ無人ヘリコプタが前進しながら右旋回している状態
を示す側面図と後面図である。
【0031】この飛行制御系は、上記4種類の速度指令
値を積分して位置指令値を算出し、同速度指令値を微分
して係数を掛けることによって姿勢指令値を算出し、こ
れらの指令値を目標値として、該目標値と無人ヘリコプ
タに搭載されたGPSセンサ21およびジャイロセンサ
22によって検出された機体の位置と速度および姿勢の
各検出値との差分を算出し、この差分を制御指令値(サ
ーボ指令値)として機体に搭載されたサーボモータに送
信し、サーボモータによって前記差分が0になるように
機体の速度と姿勢を制御する。
【0032】さらに詳細な計算方法は以下のとおりであ
る。図7に示すように、前後の速度指令値をvx、左右
の速度指令値をvy、上下の速度指令値をvz、回転の速
度指令値を回転角速度ωとする。
【0033】上述のように4種類の速度指令値vx
y,vz,ωがパソコン14に入力されると、これらの
速度指令値はローパスフィルタ34を通過して目標速度
x *,vy *,vz *,ω*として設定され、これらの目標
速度vx *,vy *,vz *,ω*は地球座標に変換された後
に時間積分される。このように目標速度を時間積分する
ことにより無人ヘリコプタ8の地球座標における前後、
左右,上下(高度)および回転方向(方位角)の目標位
置x*,y*,z*,Ψ*がそれぞれ次式によって求められ
る。なお、方位角Ψ*は無人ヘリコプタ8の機体の姿勢
を示すパラメータである。
【0034】x*=∫vx *dt y*=∫vy *dt z*=∫vz *dt Ψ*=∫ω*dt また、目標速度vx *,vy *,vz *,ω*を時間微分する
ことにより無人ヘリコプタ8の目標姿勢を示すパラメー
タとしてピッチ角θおよびロール角φが求められる。
【0035】ここで目標ピッチ角θ*と目標ロール角φ*
の計算方法を図8および図9に基づいて説明する。
【0036】1)ピッチ角θ:図示のように無人ヘリコ
プタ8の機体に作用する推力をT、機体の質量をm、重
力加速度をgとすると上下方向の力の釣合いから次式が
成立する。なお、ピッチ角θは、無人ヘリコプタの機首
が上がる方向を正とする。
【0037】 mg=Tcos(−θ) …(1) また、機体に作用する慣性力はm・dvx/dtとなる
ため、前後方向の力の釣合いから次式が成立する。
【0038】 m・dvx/dt=Tsin(−θ) …(2) 上記(1)、(2)式より次式が導かれる。 tan(−θ)=(dvx/dt)/g ここで、θが微小であるとするとtan(−θ)=−θ
とみなすことができるため、ピッチ角θは次式によって
求められる。 θ=−(dvx/dt)/g …(3)
【0039】2)ロール角φ:上下方向の力の釣合いか
ら次式が成立する。 mg=Tcosφ …(4) また、機体に作用する遠心力はmvxωとなるため、左
右方向の力の釣合いから次式が成立する。
【0040】 mvxω=Tsinφ …(5) 上記(4)、(5)式より次式が導かれる。 tanφ=vxω/g ここで、φが微小であるとするとtanφ=φとみなす
ことができるため、ロール角φは次式によって求められ
る。 φ=vxω/g …(6)
【0041】また、同様にして無人ヘリコプタ8が右移
動しながら右旋回している場合のピッチ角θとロール角
φはそれぞれ次式によって求められる。 θ=vyω/g …(7) φ=(dvy/dt)/g …(8)
【0042】ここで、ホバリング(停止)状態での釣り
合い姿勢角をθ0,φ0とすると、結局、(3),
(6),(7),(8)式よりピッチ角θとロール角φ
は次式によって求められる。 θ=θ0−(dvx/dt)/g+vyω/g…(9) φ=φ0+(dvy/dt)/g+vxω/g…(10)
【0043】したがって、目標ピッチ角θ*と目標ロー
ル角φ*は目標速度vx *,Vy *ω*を用いて次式によって
求められる。 θ*=θ0 *−(dvx */dt)/g+vy *ω*/g…(9)’ φ*=φ0 *+(dvy */dt)/g+vx *ω*/g…(10)’
【0044】他方、図4に示すGPS衛星25からの信
号は無人ヘリコプタ8に設置された前記GPSアンテナ
21a及びGPSセンサ21と地上に設置されたGPS
アンテナ26及びGPS受信機27によって受信され、
無人ヘリコプタ8の地球座標における位置(緯度と経度
及び高度)と速度(水平速度と左右速度及び鉛直速度)
が検出され、これらは方位変換されて機体座標での値が
求められ、さらにアンテナ補正(GPSアンテナ21a
が無人ヘリコプタ8の機体重心位置に設置されていない
ための補正)されて機体の重心位置(前後方向位置x、
左右方向位置y及び上下方向位置z)と機体重心速度
(前後方向速度vx、左右方向速度vy及び上下方向速度
z)の検出データが得られる。
【0045】また、無人ヘリコプタ8に設置された前記
ジャイロセンサ22によって機体の姿勢(ピッチ角θ、
ロール角φ、方位角Ψ及び方位角速度ω)が検出され
る。
【0046】上記検出データx,y,z,vx,vy,v
z,θ,φ,Ψ,ωは通信装置19,23による通信に
よってパソコン14に送信され、パソコン14において
は、前記目標値x*,y*,z*,vx *,vy *,vz *
θ*,φ*,Ψ*,ω*と検出データx,y,z,vx
y,vz,θ,φ,Ψ,ωとの差分(誤差)Δx,Δ
y,Δz,Δvx,Δvy,Δvz,Δθ,Δφ,ΔΨ,
Δωが次式によって求められる。
【0047】Δx=x*−x Δy=y*−y Δz=z*−z Δvx=vx *−vx Δvy=vy *−vy Δvz=vz *−vz Δθ=θ*−θ Δφ=φ*−φ ΔΨ=Ψ*−Ψ Δω=ω*−ω
【0048】上式によって差分(誤差)Δx,Δy,Δ
z,Δvx,Δvy,Δvz,Δθ,Δφ,ΔΨ,Δωが
求められると、これらを制御指令(エレベータサーボ指
令(前後方向)、エルロンサーボ指令(左右方向)、コ
レクティブサーボ指令(上下方向)及びラダーサーボ指
令(回転方向))として機体に搭載されたサーボモータ
に送信し、サーボモータによって前記差分Δx,Δy,
Δz,Δvx,Δvy,Δvz,Δθ,Δφ,ΔΨ,Δω
が0になるように機体の速度と姿勢がフィードバック制
御され、これによって無人ヘリコプタ8は所定のコース
に沿って飛行する。なお、上記実施形態は無人ヘリコプ
タについて説明したが、本発明はこれに限定されず、船
舶や航空機等の各種移動体の制御系で用いるフィルタと
して適用可能である。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、例え
ば加速度とこれを積分した速度の信号の組合せや、速度
とこれを積分した位置の信号の組合せ等の場合に、両信
号を同じ時定数の簡単な一次遅れフィルタを通すことに
より、非常に簡単な回路構成によって、1つの時定数を
設定するだけで高速で高精度の計算処理ができ、速度や
位置データの信頼性が向上し、自律飛行等に適用した場
合の飛行制御精度や飛行の安全性が向上する。
【0050】また、時定数は、ジャイロセンサとGPS
の周波数特性により簡単に予測することができ周波数の
チューニング時間が大幅に少なくなる。また、加速度セ
ンサのデータから速度データを推定するにあたり、積分
演算を行っていないので、誤差成分の累積によりフィル
タが発散するおそれがなく、信頼性の高いハイブリッド
フィルタが得られる。また、フィルタ構成が簡単である
ため、加速度センサやGPSセンサに誤差が生じた場合
に、これらの誤差によるフィルタ出力値を簡単に計算す
ることができ、制御系への対処がし易くなる。これによ
り、誤差に対して迅速的確に対応しながら飛行制御を行
い、高精度で信頼性の高い自律飛行システムが実現され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るハイブリッドフィ
ルタの構成および原理説明図。
【図2】 本発明の別の実施形態の回路図。
【図3】 本発明が適用される無人ヘリコプタの飛行制
御系の構成図。
【図4】 本発明に係る自律飛行システム全体の構成
図。
【図5】 サーボ指令による駆動機構の例を示す概略構
成説明図。
【図6】 データ処理の制御信号図。
【図7】 無人ヘリコプタの斜視図。
【図8】 無人ヘリコプタが前進しながら右旋回してい
る状態を示す側面図。
【図9】 無人ヘリコプタが前進しながら右旋回してい
る状態を示す後面図。
【符号の説明】
1:積分回路、2:ハイパスフィルタ、3:等価回路、
4:ローパスフィルタ、5:時定数回路、6:ローパス
フィルタ、7:加算器、8:無人ヘリコプタ、9:時定
数回路、10:ローパスフィルタ、11:加算器、1
2:1段目のハイブリッドフィルタ、13:2段目のハ
イブリッドフィルタ、14:パソコン、15:モニタ、
16:キーボード、17:マウス、18:メモリ、1
9:通信装置、20:マイコン、21:GPSセンサ、
22:ジャイロセンサ、23:通信装置、24:I/F
回路、25:GPS衛星、26:GPSアンテナ、2
7:GPS受信機、28:I/F回路、29:バックア
ップ用送信機、30:主ロータ、31:ロータ軸、3
2:アクチュエータ板、33a,33b,33c:シリ
ンダ、34:ローパスフィルタ、55:ローパスフィル
タ、60:メモリ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01C 21/16 G01C 21/16 N

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の信号が通る第1のフィルタと、第2
    の信号が通る第2のフィルタと、前記第1のフィルタ通
    過後の信号に所定の時定数を掛けるための時定数回路
    と、該時定数回路通過後の信号と前記第2のフィルタ通
    過後の信号を加え合わせる加算器とからなり、前記第1
    の信号は加速度信号または速度信号であり、前記第2の
    信号は、第1の信号を積分した単位系の信号であり、前
    記第1、第2のフィルタ及び前記時定数回路の時定数は
    等しいことを特徴とするハイブリッドフィルタ。
  2. 【請求項2】前記加算器からの出力信号を第1の信号と
    して、別の第1および第2のフィルタ、時定数回路およ
    び加算器からなる2段目のハイブリッドフィルタを結合
    したことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッドフ
    ィルタを用いた多段ハイブリッドフィルタ。
  3. 【請求項3】前記第1の信号はジャイロセンサからの加
    速度信号であり、前記第2の信号はGPSセンサからの
    位置信号を微分した速度信号であり、前記第1および第
    2のフィルタはローパスフィルタであることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載のハイブリッドフィルタ。
JP2000141180A 2000-05-15 2000-05-15 移動体 Expired - Fee Related JP4316772B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000141180A JP4316772B2 (ja) 2000-05-15 2000-05-15 移動体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000141180A JP4316772B2 (ja) 2000-05-15 2000-05-15 移動体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001325245A true JP2001325245A (ja) 2001-11-22
JP4316772B2 JP4316772B2 (ja) 2009-08-19

Family

ID=18648333

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000141180A Expired - Fee Related JP4316772B2 (ja) 2000-05-15 2000-05-15 移動体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4316772B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006194822A (ja) * 2005-01-17 2006-07-27 Oyo Corp 加速度センサを用いる地盤等の変位モニタリング方法
JP2007290605A (ja) * 2006-04-26 2007-11-08 Yamaha Motor Co Ltd 無人ヘリコプタ
US8949025B2 (en) 2007-06-08 2015-02-03 Qualcomm Incorporated GNSS positioning using pressure sensors
JP2016125921A (ja) * 2015-01-05 2016-07-11 三菱プレシジョン株式会社 速度計測装置及び移動物体
JP2019068147A (ja) * 2017-09-28 2019-04-25 ヤマハ株式会社 速度検出回路および駆動制御装置
US10303164B2 (en) 2014-08-18 2019-05-28 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Remote control device
JP2022105431A (ja) * 2021-01-04 2022-07-14 本田技研工業株式会社 位置決定装置

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006194822A (ja) * 2005-01-17 2006-07-27 Oyo Corp 加速度センサを用いる地盤等の変位モニタリング方法
JP2007290605A (ja) * 2006-04-26 2007-11-08 Yamaha Motor Co Ltd 無人ヘリコプタ
US8949025B2 (en) 2007-06-08 2015-02-03 Qualcomm Incorporated GNSS positioning using pressure sensors
US9429656B2 (en) 2007-06-08 2016-08-30 Qualcomm Incorporated GNSS positioning using pressure sensors
US10303164B2 (en) 2014-08-18 2019-05-28 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Remote control device
JP2016125921A (ja) * 2015-01-05 2016-07-11 三菱プレシジョン株式会社 速度計測装置及び移動物体
JP2019068147A (ja) * 2017-09-28 2019-04-25 ヤマハ株式会社 速度検出回路および駆動制御装置
JP7159544B2 (ja) 2017-09-28 2022-10-25 ヤマハ株式会社 速度検出回路および駆動制御装置
JP2022105431A (ja) * 2021-01-04 2022-07-14 本田技研工業株式会社 位置決定装置
JP7177862B2 (ja) 2021-01-04 2022-11-24 本田技研工業株式会社 位置決定装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4316772B2 (ja) 2009-08-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN104335128B (zh) 用于用侧风和加速度计偏差估计和补偿来控制多旋翼的旋翼无人机的方法
Kingston et al. Real-time attitude and position estimation for small UAVs using low-cost sensors
Bryson et al. Vehicle model aided inertial navigation for a UAV using low-cost sensors
US20110184593A1 (en) System for facilitating control of an aircraft
JP4109767B2 (ja) 無人ヘリコプタの飛行制御システム
US9309004B2 (en) Centripetal acceleration determination, centripetal acceleration based velocity tracking system and methods
Mahony et al. A non-linear observer for attitude estimation of a fixed-wing unmanned aerial vehicle without GPS measurements
JP2004268730A (ja) 無人ヘリコプタの姿勢制御方法
US20170210466A1 (en) Initial rotor state compensation for a rotorcraft
Cho et al. Fully automatic taxiing, takeoff and landing of a UAV using a single-antenna GPS receiver only
JP2001306144A (ja) 無人ヘリコプタの飛行制御システム
JP2001306143A (ja) 無人ヘリコプタの飛行制御システム
JP4316772B2 (ja) 移動体
Aminzadeh et al. Software in the loop framework for the performance assessment of a navigation and control system of an unmanned aerial vehicle
Barber et al. Vision-based landing of fixed-wing miniature air vehicles
Hetényi et al. Sensor fusion with enhanced Kalman Filter for altitude control of quadrotors
Nguyen et al. Aerodynamic characteristics of quadrotor helicopter
CN111947654A (zh) 一种导航与控制一体化芯片及其控制方法
Yoon et al. Pursuit guidance law and adaptive backstepping controller design for vision-based net-recovery UAV
JP2022520118A (ja) 無人航空機の高度から風向および風速度の測定値を決定するためのシステムおよび方法
JP3189025B2 (ja) 飛行体の姿勢制御装置
Kang et al. Control law modification according to flight test of small scaled tilt rotor uav
JP3189026B2 (ja) 飛行体の姿勢制御装置
JP3185081B2 (ja) 無人ヘリコプタの姿勢制御装置
JPH07234126A (ja) 角速度センサ式姿勢角検出装置の姿勢角検出方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20060419

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20060419

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080605

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080610

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080808

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090120

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090310

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090519

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090521

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4316772

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120529

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130529

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees