JP2001324824A - 静電記録体 - Google Patents

静電記録体

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JP2001324824A
JP2001324824A JP2001063556A JP2001063556A JP2001324824A JP 2001324824 A JP2001324824 A JP 2001324824A JP 2001063556 A JP2001063556 A JP 2001063556A JP 2001063556 A JP2001063556 A JP 2001063556A JP 2001324824 A JP2001324824 A JP 2001324824A
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alumina
pigment
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JP2001063556A
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Takehiro Sasaki
武弘 佐々木
Kunito Kajitani
邦人 梶谷
Tetsuji Ota
哲司 太田
Koji Matsuyama
弘司 松山
Atsunobu Hirozawa
篤信 広沢
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Kimoto Co Ltd
Original Assignee
Kimoto Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】トナーの定着性に優れ、繰り返し印字を行って
もドット抜けが少なく、鮮明な画像を得ることができる
静電記録体を提供する。 【解決手段】導電性支持体上に、絶縁性樹脂と顔料を含
有する誘電層を設けて成る静電記録体において、顔料と
して、アルミナ、アルミナとシリカの混合酸化物及び表
面をアルミナでドープしたシリカから選択される1種以
上のアルミナ含有微粒子で芯粒子の表面を覆った複合粒
子を用いる。或いは誘電層と多針電極との間に空隙を形
成するための顔料を含む第1の誘電層の上に第2の誘電
層を設け、その顔料としてアルミナ含有微粒子を用い
る。アルミナ含有微粒子はモース硬度が高く多針電極の
クリーニング効果が高く、しかもそれ自体トナー定着性
が良好なため、良好な画像が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電プロッタなど
に使用する静電記録体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータによる設計などが普
及してきたことにより、幅広かつ高速出力可能である静
電プロッタが種々の分野で図面出力用などとして使用さ
れている。この静電プロッタに使用される静電記録体と
しては、支持体上に導電層、誘電層を順次積層したもの
が知られている。
【0003】静電記録方式は、多針電極(マルチスタイ
ラス)に記録電圧を印可し、多針電極と静電記録体の誘
電層との微小空隙に気中放電を起こして誘電体表面に静
電潜像を形成し、次にこの静電記録潜像をトナーにより
現像し、可視像とするものである。こうして鮮明な画像
を得るには、多針電極と誘電層の間に微小空隙を設ける
必要があり、このため誘電層中にスペーサーとして顔料
を混入させる方法が一般的に行われている。
【0004】ところで、かかる静電記録においては、く
り返し印字を行うにつれて次第に「ドット抜け」が発生
するという問題があった。この原因は、多針電極表面に
トナーが付着したり、酸化被膜が生成したりなどし、気
中放電が発生し難くなるためであると考えられており、
良好な画像を保持するために静電記録ヘッドをしばしば
クリーニングする必要があった。
【0005】これに対し、本発明者らは静電記録体自体
にクリーニング効果をもたせた静電記録体を提案した。
その一つは誘電層の顔料として粒径の大きい顔料の表面
を粒径の小さい顔料が覆った複合顔料を用いており、粒
径の大きい顔料の表面に付着した粒径の小さい顔料の微
細な凹凸によって効果的に電極表面をクリーニングする
ことができる。また別のタイプの静電記録体は、スペー
サーとしての顔料を含む第1の誘電層の上に、クリーニ
ング効果を有する粒径の小さい顔料を含む第2の誘電層
を設けたものであり、この静電記録体も前者と同様に粒
径の小さい顔料の微細な凹凸によって電極表面をクリー
ニングする。
【0006】一方、静電記録体の誘電層の特性として、
トナーの定着がよいことが求められる。一般にトナーの
定着性は、誘電層の樹脂に依存しており、顔料の添加量
は樹脂のトナー定着性を阻害しないように少量にする必
要がある。しかし顔料の含有量が少ないと、十分な顔料
によるクリーニング効果を得ることもできない場合があ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、顔料
自体がトナー定着性を有し、しかも効果的な多針電極の
クリーニング効果を有する静電記録体を提供することを
目的とする。また本発明は、くり返し印字を行ってもド
ット抜けが少なく、鮮明な画像を得ることができる静電
記録体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明者らは、静電記録体の誘電層に含有せしめる顔料につ
いて研究した結果、アルミナ粒子及び粒子中にアルミナ
を含有する微粒子(以下、まとめてアルミナ含有微粒子
という)は優れたクリーニング効果を有し、またトナー
の定着性にも優れることを見出した。
【0009】即ち、本発明の第1の態様による静電記録
体は、導電性支持体上に、絶縁性樹脂と顔料を含有する
誘電層を設けて成る静電記録体において、前記顔料とし
て、芯粒子の表面を、アルミナ含有微粒子が覆った複合
粒子を用いたことを特徴とするものである。アルミナ含
有微粒子としては、具体的には、アルミナ、シリカとア
ルミナの混合酸化物および表面をアルミナでドープした
シリカから選ばれる少なくとも1種を用いる。
【0010】また本発明の静電記録体は、前記誘電層
が、顔料を1〜50重量%含有することを特徴とする。
前記複合粒子は、芯粒子の表面に微粒子を予め付着させ
たものを用いてもよく、また絶縁性樹脂、前記芯粒子及
び前記微粒子を含む塗料を混合して塗膜化し誘電層を形
成する際に形成されたものでもよい。
【0011】本発明の第2の態様による静電記録体は、
導電性支持体上に、絶縁性樹脂と顔料を含有する誘電層
を設けて成る静電記録体において、前記誘電層は、導電
性支持体上に形成された第1の誘電層及び第1の誘電層
の上に形成された第2の誘電層からなり、前記第1の誘
電層は顔料として平均粒径3〜20μmの顔料を用い、
前記第2の誘電層は顔料としてアルミナ含有微粒子を用
いたことを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の態様による
静電記録体について具体的に説明する。
【0013】導電性支持体としては、上質紙、紙白ロー
ル紙、片艶紙、グラシン紙、透明紙などの紙、ポリエス
テル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のプラスチックフ
ィルムまたは合成紙などの基材上に導電層を設けたも
の、導電剤を溶液として紙に合浸させたもの、樹脂に導
電剤を含有させてフィルム化したものなどが挙げられ
る。
【0014】導電層としては、金属化合物の蒸着膜、ま
たは導電剤単独あるいは合成樹脂に導電剤を含有したも
のを塗布・乾燥してなるものなどが挙げられる。導電剤
としては、ポリビニルベンジルトリメチルクロライド、
ポリアリルトリメチルアンモニウムクロライド、スチレ
ンアクリル酸トリエチルアンモニウムクロライドなどの
カチオン性高分子電解質、ポリスチレンスルホン酸塩、
ポリアクリル酸塩、ポリビニルホスフエートなどのアニ
オン性高分子電解質、あるいは酸化亜鉛、酸化スズ、酸
化チタンなどに、酸化アンチモン、酸化アンモニウム、
酸化スズなどをドープした電子伝導性微粉末などが挙げ
られる。
【0015】導電層に使用する合成樹脂としては、通常
の静電記録体の導電層に用いられる各種の樹脂を使用す
ることができる。たとえば、ポリエステル、ポリ塩化ビ
ニル、ポリアクリル酸エステル,ポリメタクリル酸エス
テル、ポリアミドなどが挙げられる。
【0016】このように導電性支持体は、支持体自体が
導電性を有するもの、或いは支持体上に導電層を形成し
たものいずれでもよいが、その表面抵抗率は1×104
1×107Ω、好適には1×105〜1×106Ωの範囲とす
る。
【0017】誘電層は、少なくとも絶縁性樹脂と顔料か
ら構成される。絶縁性樹脂としては、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸デシルなどのアクリル酸エステルのホモ
ポリマーまたはコポリマー、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸イソブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル
などのメタクリル酸エステルのホモポリマーまたはコポ
リマー、酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニルコポリマ
ー、ブチラール樹脂、ポリエステル、ニトロセルロー
ス、ポリスチレン、スチレン−アクリルコポリマー、ス
チレン−メタクリル酸コポリマー、フェノール樹脂など
が挙げられる。
【0018】顔料は、図に示すように芯粒子31の表面を
アルミナ含有微粒子32が覆った複合粒子3である。この
明細書中でいう「複合粒子」とは、ファンデルワルス力
や静電気力等の物理的付着力によって、芯粒子の表面に
微粒子が付着したもの(インタラクティブ混合物)を意
味するが、さらに芯粒子の溶融等によって微粒子が表面
に一体化した複合材料をも含む。尚、図1中、1は導電
性支持体、2は誘電層である。
【0019】芯粒子は、多針電極と誘電層の間に気中放
電のための微小空隙を形成するためのものであり、その
平均粒径は3〜20μm、好ましくは5〜10μmとする。平
均粒径を20μm以下とすることにより、記録体表面と多
針電極との空隙の大きさを適度に保ち、気中放電を正常
に起こすためである。一方、平均粒径を3μm以上とす
ることにより、空隙の大きさを一定以上とし、十分な記
録濃度を得ることができる。
【0020】芯粒子の材料は、特に制限されることな
く、無機系あるいは有機系の顔料を使用することができ
る。無機顔料としては、カオリン、無定形シリカ、酸化
チタン、チタン酸バリウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、二酸化ケイ素な
どが、有機顔料としては、ポリスチレン粉末、ポリエチ
レン粉末、アクリル粉末などの合成樹脂粉末を使用する
ことができる。
【0021】芯粒子表面に付着させる微粒子としては、
アルミナ、アルミナとシリカの混合酸化物(以下、アル
ミナシリカ混合酸化物という)または表面をアルミナで
ドープしたシリカ(以下、アルミナドープシリカとい
う)を用いる。芯粒子表面に付着した微粒子は、多針電
極表面に付着または生成した顔料、酸化被膜などを除去
し、多針電極をクリーニングする役割を有するととも
に、誘電層のトナー定着性を向上させる。
【0022】一般に芯粒子に用いた顔料のみの添加によ
っても電極表面に付着した顔料等を多少除去することは
できるが、表面に微粒子が付着した複合粒子を用いるこ
とにより、電極表面を細部に亘ってクリーニングするこ
とができ、これによりドット抜けを防ぐことができる。
特に、アルミナ含有微粒子は、硬度が高いので(モース
硬度で4以上)、優れたクリーニング効果を得ることが
できる。
【0023】またアルミナ含有微粒子は、それ自体トナ
ーの定着性に優れているので、顔料添加による画像濃度
低下を招くことなく誘電層のトナー定着性を向上させる
ことができる。
【0024】微粒子の平均粒径(一次粒子径)は、芯粒
子の粒径にも依存し、上述した芯粒子の粒径範囲の場合
には、一般にコロイド分散系の粒径であることが好まし
い。具体的には微粒子の平均粒径は、芯粒子の平均粒径
の1/5以下、好ましく1/10以下とする。1/5より大きくな
ると、芯粒子表面を覆わせたり、付着させることが困難
になるからである。
【0025】また微粒子の平均粒径(一次粒子径)はク
リーニング効果との関係で、好ましくは1×10-3〜2μ
m、より好ましくは1×10-3〜0.5μmとする。またこ
の範囲でクリーニング効果を発揮し、また記録電極を細
部に亘ってクリーニングすることができる。
【0026】このような芯粒子及び微粒子からなる顔料
は、予め複合粒子としたものを誘電層の樹脂中に混合し
てもよいし、誘電層形成の過程で樹脂、芯粒子及び微粒
子を混合することにより複合粒子を形成することもでき
る。
【0027】複合粒子を製造する方法は、特に限定され
ないが、例えば微粒子と芯粒子とを高速で噴き出し衝撃
によって芯粒子の表面に微粒子を付着させる方法(高速
気流中衝撃法)や、高速で混合しながら接触させて、摩
擦帯電により微粒子を芯粒子の表面に付着させる方法
や、特に両者の接触帯電量(帯電序列)の相違を利用し
て静電気力により付着させる方法や、また分子間相互作
用を利用する物理化学的方法などが採用できる。
【0028】誘電層形成時、即ち誘電層用材料の塗料化
から塗膜化までの間に複合粒子を形成する場合には、塗
料化前に両者を逆極性に帯電しておくなどし、予め適度
な電荷の差を持たせておくことが好ましい。これにより
芯粒子表面を覆わない微粒子の発生をできるだけ少なく
し、均一な凝集体を得ることができる。またクリーニン
グ効果に寄与しないで誘電層に埋没してしまう微粒子を
減らすことができるので、塗膜の透明性、塗膜強度の向
上を図ることができる。
【0029】誘電層中の上記顔料の含有量は、通常誘電
層の1〜50重量%程度、好適には3〜30重量%程度
である。このような範囲で含有せしめることにより、ク
リーニング効果が得られ、またトナー定着性を向上させ
ることができる。
【0030】また誘電層形成時に複合粒子を形成する場
合の芯粒子と微粒子の割合は、重量比で5:95〜9
0:10、好適には10:90〜80:20とする。
尚、導電層および誘電層には、必要により可塑剤、酸化
防止剤、安定化剤などを添加することができる。
【0031】誘電層は、導電性を有する支持体或いは導
電層を形成した支持体上に、上記樹脂、顔料或いは芯粒
子及び微粒子などを溶媒に溶解又は分散させた塗布液
を、たとえばバーコーター、グラビアコーター、カーテ
ンコーター、ロールコーター、ブレードコーターなどの
適当な塗布装置で塗布することにより形成する。誘電層
の厚さは通常3〜10μm程度である。
【0032】このように構成される第1の態様による静
電記録体は、顔料として多針電極と誘電層との間の空隙
を形成する芯粒子の表面を覆うように微細な粒径のアル
ミナ含有微粒子が付着した顔料を用いたことにより、多
針電極の微細な表面を極めて効果的にクリーニングする
作用が得られ、しかも樹脂のトナー定着性を向上するこ
とができる。
【0033】次に本発明の第2の態様による静電記録体
について説明する。この静電記録体は図2に示すよう
に、誘電層が第1の誘電層2と第2の誘電層4とからな
る。導電性支持体1は第1の態様による静電記録体と同
様で、図示するように基材11の上に導電層12を設けたも
のでも、それ自体導電性を有する支持体であってもよ
い。基材、導電層、支持体に採用することができる材料
や、表面抵抗率も第1の態様による静電記録体と同じで
ある。
【0034】また第1及び第2の誘電層に用いられる絶
縁性樹脂も、第1の態様による静電記録体において説明
したものと同様のものを採用することができる。第1及
び第2の誘電層の樹脂は、同一でも異なっていてもよ
い。
【0035】第1の誘電層の顔料33(以下、第2の誘電
層の顔料34と区別して第1の顔料という場合がある)
は、多針電極と誘電層の間に気中放電のための微小空隙
を形成するためのものであり、その平均粒径は3〜20μ
m、好ましくは5〜10μmのものを用いる。この場合に
も3〜20μmの範囲とすることにより、記録体表面と多
針電極との空隙の大きさを適度に保ち、気中放電を正常
に起こすことができ、しかも十分な記録濃度を得ること
ができる。
【0036】このような顔料としては、第1の態様によ
る静電記録体の誘電層に用いた顔料3の芯粒子の材料と
同様のものを用いることができる。第1の誘電層は、顔
料を1〜50重量%、好適には3〜30重量%含有せし
める。これによって適切な空隙を形成することができ
る。
【0037】第2の誘電層は、第1の誘電層の上に形成
され、顔料34としてアルミナ含有微粒子を用いる。この
顔料は、第1の態様による静電記録体の誘電層に用いた
顔料の芯粒子を覆う微粒子と同じもので、多針電極表面
に付着または生成した顔料、酸化被膜などを除去し、多
針電極をクリーニングする役割を有するとともに、誘電
層のトナー定着性を向上させる。
【0038】このアルミナ含有微粒子の平均粒径は1×
10-3〜2μm、好ましくは1×10-3〜0.5μmとす
る。
【0039】第2の誘電層における絶縁性樹脂に対する
顔料の混合割合は、絶縁性樹脂の5〜200重量%、好
適には20〜50重量%である。5重量%以上としたの
は、クリーニング効果を発揮する程度にアルミナ含有微
粒子によって第2の誘電層表面を覆わせるためで、20
0重量%以下としたのは塗膜がもろくなるのを防止する
ためである。
【0040】なお、第2の誘電層の表面形状は、その最
大高さRmaxの平均値(以下、「RmaxAve」という)が、
3μm≦RmaxAve≦20μm、好ましくは4μm≦RmaxAve
≦8μmであることが望ましい。RmaxAve≧3μmとし
たのは、第2の誘電層と電極表面との間に十分な空隙を
確保するためであり、RmaxAve≦20μmとしたのは、
第2の誘電層と多針電極との空隙の大きさを適度に保
ち、気中放電を正常に起こすためである。
【0041】ここで、第2の誘電層の「最大高さRmax」
とは、JIS−B0601における「Rmax」を意味する
ものとする。即ち、基準長さにおいて測定した断面曲線
の最高山頂と最深谷底の間隔のことをいう。また、Rmax
の平均値「RmaxAve」とは、第2の誘電層において10
区間のRmaxを測定し、その平均をとった値をいうものと
する。
【0042】また、良好なクリーニング効果を発揮させ
るべく、第2の誘電層の表面形状は、その山頂(第1の
誘電層において第1の顔料33が存在する箇所に対応する
部分)付近において、顔料34が絶縁性樹脂から突出した
ものであることが望ましい(図2参照)。
【0043】第2の態様による静電記録体においても、
導電層および誘電層には、必要により可塑剤、酸化防止
剤、安定化剤などを添加することができる。 また二つ
の誘電層は、導電性を有する支持体或いは導電層を形成
した支持体上に、上記樹脂、顔料などを溶媒に溶解又は
分散させた塗布液を、たとえばバーコーター、グラビア
コーター、カーテンコーター、ロールコーター、ブレー
ドコーターなどの適当な塗布装置で順次塗布することに
より形成する。
【0044】誘電層の厚さ(突出した顔料を含む厚さ)
は、第1の誘電層が通常3〜10μm程度、第2の誘電
層が0.5〜5μm程度である。
【0045】このような構成における本発明の第2の態
様による静電記録体も第1の態様による静電記録体と同
様に、多針電極と誘電層との間の空隙を形成する顔料と
は別にそれを覆うように微細な粒径のアルミナ含有微粒
子の層が形成されているので、多針電極の微細な表面を
効果的にクリーニングする作用が得られ、しかも樹脂の
トナー定着性を向上することができる。
【0046】
【実施例】以下、本発明の静電記録体の実施例を説明す
る。なお、実施例における「%」、「部」は特記しない
限り重量基準で表す。
【0047】[実施例1]厚さ100μmのポリエステルフ
ィルムの片面に、下記の処方からなる導電層用塗布液を
乾燥膜厚1.5μmとなるように塗布、乾燥して導電性支
持体を作製した。
【0048】<導電層用塗布液> ・ポリエステル樹脂 2.5部 (バイロン200:東洋紡績社) ・導電性酸化錫 7.5部 (エレコムTL-30:触媒化成工業社) ・メチルエチルケトン 45.0部 ・トルエン 45.0部
【0049】次に得られた導電性支持体上に下記の処方
からなる誘電層用塗布液を乾燥膜厚5.0μmとなるよう
に塗布、乾燥して誘電層を形成し、静電記録体を得た。
誘電層用塗布液を調製する前に、芯粒子である炭酸カル
シウムを負電荷に、アルミナシリカ混合酸化物を正電荷
に帯電させた。
【0050】<誘電層用塗布液> ・ブチラール樹脂 30部 (デンカブチラール#2000:電気化学工業社) ・炭酸カルシウム(平均粒径5μm) 3部 (CS−3ND:日本石灰工業社) ・アルミナシリカ混合酸化物(一次粒子径30nm) 5部 (MOX80:日本アエロジル社) ・メタ変性アルコール 195部 ・n−ブタノール 75部
【0051】[実施例2]実施例1と同様に導電性支持体
を作製し、その上に下記の処方からなる誘電層用塗布液
を乾燥膜厚5.0μmとなるように塗布、乾燥して誘電層
を形成し、静電記録体を得た。この場合にも、誘電層用
塗布液を調製する前に、芯粒子である炭酸カルシウムを
負電荷に、アルミナを正電荷に帯電させた。
【0052】<誘電層用塗布液> ・ブチラール樹脂 30.0部 (デンカブチラール#2000:電気化学工業社) ・炭酸カルシウム(平均粒径5μm) 3.0部 (CS−3ND:日本石灰工業社) ・アルミナ(一次粒子径13nm) 5.0部 (アルミニウムオキサイドC:日本アエロジル社) ・メタ変性アルコール 195.0部 ・n−ブタノール 75.0部
【0053】[実施例3]高速気流中衝撃法により、平均
粒径6μmのスチレン樹脂粒子(テクポリマーSBX-6:
積水化成品工業社)表面に、一次粒子径15nmのアルミ
ナシリカ混合酸化物(MOX-170:日本アエロジル社)を
付着させた複合粒子からなる顔料を得た。実施例1の誘
電層用塗布液の炭酸カルシウムおよびアルミナシリカ混
合酸化物の代わりに上記顔料5部を用い、それ以外は実
施例1と同様にして静電記録体を得た。
【0054】[実施例4]実施例1と同様に導電性支持体
を作製し、その上に下記の処方からなる第1の誘電層及
び第2の誘電層用塗布液をそれぞれ乾燥膜厚3.0μm、
1.5μmとなるように塗布、乾燥して誘電層を形成し、
静電記録体を得た。尚、表面形状測定機(ベルトメー
タ:マール社)で測定を行ったところ、第2の誘電層の
RmaxAveは3.5μmであった。
【0055】<第1の誘電層用塗布液> ・ブチラール樹脂 30.0部 (デンカブチラール#2000:電気化学工業社) ・水酸化アルミニウム(平均粒径6μm) 3.0部 (ハイジライトH−31:昭和軽金属社) ・メタ変性アルコール 195.0部 ・n−ブタノール 75.0部
【0056】<第2の誘電層用塗布液> ・アクリル樹脂 18.0部 (アクリルベースMS-20003-1:藤倉化成社) ・アルミナ(一次粒子径13nm) 5.0部 (アルミニウムオキサイドC:日本アエロジル社) ・トルエン 300.0部
【0057】[実施例5]実施例4の第2の誘電層の含有
せしめる顔料としてアルミナの代わりにアルミナシリカ
混合酸化物(MOX-80、一次粒子径30nm:日本アエロジル
社)を用い、それ以外は実施例4と全く同様にして、静
電記録体を得た。尚、表面形状測定機(ベルトメータ:
マール社)で測定を行ったところ、第2の誘電層のRma
xAveは3.5μmであった。
【0058】[実施例6]実施例1と同様に導電性支持体
を作製し、その上に下記の処方からなる誘電層用塗布液
を乾燥膜厚5.0μmとなるように塗布、乾燥して誘電層
を形成し、静電記録体を得た。この場合にも、誘電層用
塗布液を調製する前に、芯粒子である炭酸カルシウムを
負電荷に、アルミナドープシリカを正電荷に帯電させ
た。
【0059】<誘電層用塗布液> ・ブチラール樹脂 30.0部 (デンカブチラール#2000:電気化学工業社) ・炭酸カルシウム(平均粒径5μm) 3部 (CS−3ND:日本石灰工業社) ・アルミナドープシリカ 5部 (VP3375:一次粒子径80nm、デグサ社) ・メタ変性アルコール 195部 ・n−ブタノール 75部
【0060】[実施例7]実施例4の第2の誘電層の含有
せしめる顔料としてアルミナの代わりにアルミナドープ
シリカ(VP3375:一次粒子径80nm、デグサ社)を用い、
それ以外は実施例4と全く同様にして、静電記録体を得
た。尚、表面形状測定機(ベルトメータ:マール社)で
測定を行ったところ、第2の誘電層のRmaxAveは3.5μ
mであった。
【0061】[比較例]実施例1の誘電層用塗布液からア
ルミナシリカ混合酸化物を除き、それ以外は実施例1と
同様にして静電記録体を得た。
【0062】実施例および比較例で得た静電記録体に、
静電プロッタ(DCS-5442:ラスターグラフィック社)を
用いて、セルフテスト(クロスバッチパターン)を3パ
ターン出力し、3パターン目の各画像部分について以下
の項目の評価を行った。結果を表1に示す。
【0063】(1)記録濃度 クロスバッチパターンのベタ画像部分の反射濃度をマク
ベスTR−927にて測定した。
【0064】(2)ドット抜け クロスバッチパターンのライン部分(5line×5line)
に発生しているドット抜けの個数を目視にて測定した。
【0065】(3)トナー定着率 画像部分に粘着テープ(ニチバンセロテープ)を荷重2
kgローラーにて1往復させて貼り付けた後、180°剥離
し、剥離後の画像濃度(D2)と剥離前の画像濃度(D
1)から下式により定着率を求めた。定着率(%)=
(D2/D1)×100
【0066】
【表1】
【0067】表1に示す結果からもわかるように、実施
例1〜7で得られた静電記録体は、記録濃度、ドット抜
け、トナー定着率のいずれも良好であった。一方、比較
例で得られた静電記録体は、記録濃度は良好であった
が、実施例と比較してドット抜け、トナー定着率に劣る
ものであった。
【0068】
【発明の効果】本発明の静電記録体は、誘電層の顔料と
して、芯粒子の表面をアルミナ含有微粒子が覆った複合
粒子を用いたことにより、或いは誘電層と多針電極との
間に空隙を形成するための顔料を含む第1の誘電層の上
に第2の誘電層を設け、その顔料としてアルミナ含有微
粒子を用いたことにより、トナーの定着性がよく鮮明な
画像を得ることができる。
【0069】また記録時に多針電極をクリーニングする
効果が優れているため、フルカラー印刷など多針電極の
トナー汚れによるドット抜けが発生しやすい場合にも、
ドット抜けを防止することができる。更に顔料自体のト
ナー定着性が良好であるため、顔料の含有量を比較的多
くすることが可能であり、顔料による放電ギャップ(微
小空隙)の制御が容易で、必要とされる画像濃度を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の態様による静電記録体の一実施
例を示す断面図
【図2】本発明の第2の態様による静電記録体の一実施
例を示す断面図
【符号の説明】
1…導電性支持体 2、4…誘電層 3…顔料 31…芯粒子 32…微粒子 33…第1の顔料 34…顔料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 哲司 埼玉県与野市鈴谷4丁目6番35号 株式会 社きもと技術開発センター内 (72)発明者 松山 弘司 埼玉県与野市鈴谷4丁目6番35号 株式会 社きもと技術開発センター内 (72)発明者 広沢 篤信 埼玉県与野市鈴谷4丁目6番35号 株式会 社きもと技術開発センター内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体上に、絶縁性樹脂と顔料を含
    有する誘電層を設けて成る静電記録体において、前記顔
    料として、芯粒子の表面をアルミナ及び/またはアルミ
    ナを含有する微粒子が覆った複合粒子を用いたことを特
    徴とする静電記録体。
  2. 【請求項2】前記微粒子が、シリカとアルミナの混合酸
    化物および表面をアルミナでドープしたシリカから選ば
    れる少なくとも1種である請求項1記載の静電記録体。
  3. 【請求項3】前記誘電層は、顔料を1〜50重量%含有
    することを特徴とする請求項1または2記載の静電記録
    体。
  4. 【請求項4】前記複合粒子は、前記絶縁性樹脂、前記芯
    粒子及び前記微粒子を含む塗料を混合して塗膜化し誘電
    層を形成する際に形成されたものであることを特徴とす
    る請求項1ないし3のいずれか1項記載の静電記録体。
  5. 【請求項5】導電性支持体上に、絶縁性樹脂と顔料を含
    有する誘電層を設けて成る静電記録体において、前記誘
    電層は、前記導電性支持体上に形成された第1の誘電層
    及び第1の誘電層の上に形成された第2の誘電層からな
    り、前記第1の誘電層は顔料として平均粒径3〜20μ
    mの顔料を用い、前記第2の誘電層は顔料としてアルミ
    ナ及び/またはアルミナを含有する微粒子を用いたこと
    を特徴とする静電記録体。
  6. 【請求項6】前記微粒子が、シリカとアルミナの混合酸
    化物および表面をアルミナでドープしたシリカから選ば
    れる少なくとも1種である請求項5記載の静電記録体。
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