JP2001324617A - 光学装置 - Google Patents
光学装置Info
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- JP2001324617A JP2001324617A JP2000143778A JP2000143778A JP2001324617A JP 2001324617 A JP2001324617 A JP 2001324617A JP 2000143778 A JP2000143778 A JP 2000143778A JP 2000143778 A JP2000143778 A JP 2000143778A JP 2001324617 A JP2001324617 A JP 2001324617A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- optical fiber
- adhesive
- base material
- optical
- thermal expansion
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- Pending
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- Mounting And Adjusting Of Optical Elements (AREA)
- Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
- Light Guides In General And Applications Therefor (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 光ファイバと基材とを固定する接着剤の劣化
を防止できる光学装置を提供すること。 【解決手段】 光軸方向に沿って回折格子6が形成され
た光ファイバ4と、光ファイバ4が固定される基材1
と、を備え、基材1の温度変化に伴う伸縮によって光フ
ァイバ4の光軸方向に生じる変位を光ファイバ4に印加
するようにした光学装置10であって、基材1と光ファ
イバ4とは接着剤5によって固定されており、接着剤5
は、透湿率が7.5×10-11(cm2/Pa・s)以下
のシール材12によって覆われていることを特徴とす
る。
を防止できる光学装置を提供すること。 【解決手段】 光軸方向に沿って回折格子6が形成され
た光ファイバ4と、光ファイバ4が固定される基材1
と、を備え、基材1の温度変化に伴う伸縮によって光フ
ァイバ4の光軸方向に生じる変位を光ファイバ4に印加
するようにした光学装置10であって、基材1と光ファ
イバ4とは接着剤5によって固定されており、接着剤5
は、透湿率が7.5×10-11(cm2/Pa・s)以下
のシール材12によって覆われていることを特徴とす
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コア部の屈折率を
光軸に沿って周期的に変化させた回折格子が形成された
光ファイバを有する光学装置に関するものである。
光軸に沿って周期的に変化させた回折格子が形成された
光ファイバを有する光学装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】回折格子が形成された光ファイバを所定
の基板に接着してなる光学装置では、使用温度範囲では
光ファイバが正の熱膨張係数を有しているため、環境温
度が変化すると、光ファイバが伸縮して当該光ファイバ
に応力が印加される。すると、光ファイバ内の屈折率が
変化し、回折格子によるブラッグ波長が変化するという
問題が生じる。そして、このような問題を解消する技術
を開示した文献として、例えば特開平10−96827
号公報がある。
の基板に接着してなる光学装置では、使用温度範囲では
光ファイバが正の熱膨張係数を有しているため、環境温
度が変化すると、光ファイバが伸縮して当該光ファイバ
に応力が印加される。すると、光ファイバ内の屈折率が
変化し、回折格子によるブラッグ波長が変化するという
問題が生じる。そして、このような問題を解消する技術
を開示した文献として、例えば特開平10−96827
号公報がある。
【0003】同公報の技術は、回折格子が形成された光
ファイバを負の熱膨張係数を有する基材に結合材料(接
着剤)にて接着することで、ブラッグ波長の温度依存性
を低下させることを図ったものである。
ファイバを負の熱膨張係数を有する基材に結合材料(接
着剤)にて接着することで、ブラッグ波長の温度依存性
を低下させることを図ったものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報の技術には、次のような問題があった。すなわち、光
ファイバを接着剤にて基材に固定させているが、高温多
湿な環境下で上記光学装置を使用すると、この接着剤が
劣化してしまうおそれがあった。接着剤が劣化すると、
光ファイバが位置ズレを起こし、回折格子の精度が低下
してしまう。
報の技術には、次のような問題があった。すなわち、光
ファイバを接着剤にて基材に固定させているが、高温多
湿な環境下で上記光学装置を使用すると、この接着剤が
劣化してしまうおそれがあった。接着剤が劣化すると、
光ファイバが位置ズレを起こし、回折格子の精度が低下
してしまう。
【0005】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、光ファイバと基材とを固定する接着剤の劣化
を防止できる光学装置を提供することを目的とする。
のであり、光ファイバと基材とを固定する接着剤の劣化
を防止できる光学装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、光軸方向に沿って回折格子が形成された
光ファイバと、光ファイバが固定される基材と、を備
え、基材の温度変化に伴う伸縮によって光ファイバの光
軸方向に生じる変位を光ファイバに印加するようにした
光学装置であって、基材と光ファイバとは接着剤によっ
て固定されており、接着剤は、透湿率が7.5×10
-11(cm2/Pa・s)以下のシール材によって覆われ
ていることを特徴とする。
に、本発明は、光軸方向に沿って回折格子が形成された
光ファイバと、光ファイバが固定される基材と、を備
え、基材の温度変化に伴う伸縮によって光ファイバの光
軸方向に生じる変位を光ファイバに印加するようにした
光学装置であって、基材と光ファイバとは接着剤によっ
て固定されており、接着剤は、透湿率が7.5×10
-11(cm2/Pa・s)以下のシール材によって覆われ
ていることを特徴とする。
【0007】本発明に係る光学装置によれば、基材と光
ファイバとを固定する接着剤がシール材によって覆われ
ているため、接着剤の防湿性が高められ、劣化を防止す
ることができる。特に、光学装置が高温高湿下におかれ
た場合でも、接着剤は高温高湿になりにくくなる。ま
た、本発明者の鋭意研究により、シール材の透湿率が
7.5×10-11(cm2/Pa・s)以下であれば、接
着剤の劣化防止に大きく寄与することが見出された。
ファイバとを固定する接着剤がシール材によって覆われ
ているため、接着剤の防湿性が高められ、劣化を防止す
ることができる。特に、光学装置が高温高湿下におかれ
た場合でも、接着剤は高温高湿になりにくくなる。ま
た、本発明者の鋭意研究により、シール材の透湿率が
7.5×10-11(cm2/Pa・s)以下であれば、接
着剤の劣化防止に大きく寄与することが見出された。
【0008】また、本発明の光学装置において、シール
材の熱膨張係数が、接着剤の熱膨張係数よりも大きいこ
とが好ましい。これにより、高温多湿下でシール材と接
着剤が剥離せず、接着剤自身が高温高質化におかれなく
なる。
材の熱膨張係数が、接着剤の熱膨張係数よりも大きいこ
とが好ましい。これにより、高温多湿下でシール材と接
着剤が剥離せず、接着剤自身が高温高質化におかれなく
なる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に係る光学装置の好適な実施形態について詳細に説明
する。尚、同一要素には同一符号を用いるものとし、重
複する説明は省略する。
明に係る光学装置の好適な実施形態について詳細に説明
する。尚、同一要素には同一符号を用いるものとし、重
複する説明は省略する。
【0010】図1を参照して、本実施形態の光学装置を
説明する。光学装置10は、回折格子部6が形成された
光ファイバ4を備えており、この光ファイバ4は、基材
1に接着固定されている。
説明する。光学装置10は、回折格子部6が形成された
光ファイバ4を備えており、この光ファイバ4は、基材
1に接着固定されている。
【0011】光ファイバ4の回折格子部6は、光ファイ
バ4の光軸方向に沿って、且つ、少なくともコア部の屈
折率が変化するように形成されている。また、回折格子
部6は、例えばクラッド部の周囲に設けられた被覆層を
所定の長さだけ除去してクラッド部を露出させ、この露
出部分の例えばコア部に対して紫外線を照射することで
形成される。また、クラッド層の周囲の被膜を除去する
ことなく回折格子部6を形成することも可能である。な
お、紫外線の照射は、公知のホログラフィック法や位相
格子法等によって行われる。
バ4の光軸方向に沿って、且つ、少なくともコア部の屈
折率が変化するように形成されている。また、回折格子
部6は、例えばクラッド部の周囲に設けられた被覆層を
所定の長さだけ除去してクラッド部を露出させ、この露
出部分の例えばコア部に対して紫外線を照射することで
形成される。また、クラッド層の周囲の被膜を除去する
ことなく回折格子部6を形成することも可能である。な
お、紫外線の照射は、公知のホログラフィック法や位相
格子法等によって行われる。
【0012】基材1は、いわゆる温度補償デバイスとし
ての機能を有しており、二つの第1基材1aと、各第1
基材1aの間に位置する第2基材1bと、によって構成
されている。第1基材1aは、第2基材1bよりも大き
な熱膨張係数を有する材料によって形成されている。第
1基材1aの熱膨張係数は、好ましくは第2基材1bの
熱膨張係数の8倍以上とする。本実施形態では、具体的
には、第1基材1aはアルミニウムによって形成され、
第2基材1bは、石英ガラスによって形成されている。
また、第1基材1aは、ほぼ直角に屈曲されたアングル
形状をなしており、第1基材1aの一片が第2基材1b
の端部と接着剤2によって接着固定されている。第1基
材1aの他片は、第1基材1aが第2基材1bに接着さ
れた状態において、第2基材1bに対してほぼ平行とな
るようにされている。
ての機能を有しており、二つの第1基材1aと、各第1
基材1aの間に位置する第2基材1bと、によって構成
されている。第1基材1aは、第2基材1bよりも大き
な熱膨張係数を有する材料によって形成されている。第
1基材1aの熱膨張係数は、好ましくは第2基材1bの
熱膨張係数の8倍以上とする。本実施形態では、具体的
には、第1基材1aはアルミニウムによって形成され、
第2基材1bは、石英ガラスによって形成されている。
また、第1基材1aは、ほぼ直角に屈曲されたアングル
形状をなしており、第1基材1aの一片が第2基材1b
の端部と接着剤2によって接着固定されている。第1基
材1aの他片は、第1基材1aが第2基材1bに接着さ
れた状態において、第2基材1bに対してほぼ平行とな
るようにされている。
【0013】また、第1基材1aには、光ファイバ4を
収容する切り欠き状の溝13が形成されている。溝13
に光ファイバ4、詳しくは光ファイバ4の被覆部分を収
容することで、光ファイバ4がその延在方向と直交する
方向に動くことを防止できる。また、第1基材1aの端
部(溝13が形成された側)には被覆部分が当接するの
で、端部の角で光ファイバ4の裸ファイバ部が傷付くこ
とも防止することができる。
収容する切り欠き状の溝13が形成されている。溝13
に光ファイバ4、詳しくは光ファイバ4の被覆部分を収
容することで、光ファイバ4がその延在方向と直交する
方向に動くことを防止できる。また、第1基材1aの端
部(溝13が形成された側)には被覆部分が当接するの
で、端部の角で光ファイバ4の裸ファイバ部が傷付くこ
とも防止することができる。
【0014】上述のように、基材1においては、石英ガ
ラス製の第2基材1bよりもAl製の第1基材1aの方
が熱膨張係数が大きいため、温度上昇時に第2基材1b
の膨張量(図1中矢印A参照)よりも第1基材1aの膨
張量(図1中矢印B参照)が大きくなる。この結果、基
材1は、接着剤5が塗布された2点間において負の熱膨
張係数を有することになり、温度変化に伴って光ファイ
バに加えられる張力を低下することができる。なお、上
記2点間が負の熱膨張係数を有する限り、第2基材1b
を、正の熱膨張係数でなく負の熱膨張係数を有する結晶
化ガラス等にしてよい。
ラス製の第2基材1bよりもAl製の第1基材1aの方
が熱膨張係数が大きいため、温度上昇時に第2基材1b
の膨張量(図1中矢印A参照)よりも第1基材1aの膨
張量(図1中矢印B参照)が大きくなる。この結果、基
材1は、接着剤5が塗布された2点間において負の熱膨
張係数を有することになり、温度変化に伴って光ファイ
バに加えられる張力を低下することができる。なお、上
記2点間が負の熱膨張係数を有する限り、第2基材1b
を、正の熱膨張係数でなく負の熱膨張係数を有する結晶
化ガラス等にしてよい。
【0015】第1基材1aには、光ファイバ4がエポキ
シ樹脂からなる接着剤5によって接着されている。詳し
くは、光ファイバ4は、回折格子部6の中心波長をモニ
タしながら回折格子部6に所定の張力が与えられた状態
で、回折格子部6の両側において接着剤5により第1基
材1aに固定される。光ファイバ4を固定する際は、基
材1及び光ファイバ4の回折格子部6は所定の温度に加
熱している。このようにして光ファイバ4を基材1に取
り付けることにより、光ファイバ4の使用温度範囲にお
いて、基材1の熱変位が光ファイバ4に適切に伝えられ
ることになり、回折格子部6での温度変化に対するブラ
ッグ波長の安定性を保つことができる。
シ樹脂からなる接着剤5によって接着されている。詳し
くは、光ファイバ4は、回折格子部6の中心波長をモニ
タしながら回折格子部6に所定の張力が与えられた状態
で、回折格子部6の両側において接着剤5により第1基
材1aに固定される。光ファイバ4を固定する際は、基
材1及び光ファイバ4の回折格子部6は所定の温度に加
熱している。このようにして光ファイバ4を基材1に取
り付けることにより、光ファイバ4の使用温度範囲にお
いて、基材1の熱変位が光ファイバ4に適切に伝えられ
ることになり、回折格子部6での温度変化に対するブラ
ッグ波長の安定性を保つことができる。
【0016】また、本実施形態では、基材1と光ファイ
バ4とを接着固定する接着剤5は、シール材12によっ
て覆われている。このシール材12は、エポキシ化合物
の変性エポキシによって形成されており、その透湿率
は、7.5×10-11(cm2/Pa・s)以下とされて
いる。このようなシール材12で接着剤5を覆うことに
より、接着剤5自身は高温高湿下におかれなくなり、劣
化を防止することができる。これにより、光ファイバ4
の位置ズレが防止され、回折格子部6の精度を保持する
ことができる。なお、光ファイバ4が位置ズレを起こす
パターンとしては、接着剤5と基材1との界面で剥離が
生じて光ファイバ4の固定点がずれるケース、接着剤5
と光ファイバ4との界面で剥離が生じて光ファイバ4の
固定点がずれるケース、及び、接着剤5が水分によって
膨潤して光ファイバ4の固定点がずれるケース等がある
が、これらの全てのケースについて光ファイバ4の位置
ズレを防止することができる。また、本発明者の鋭意研
究により、透湿率が7.5×10-11(cm2/Pa・
s)以下のシール材12を使用すれば、接着剤5の劣化
をより確実に防止できることが判明した。
バ4とを接着固定する接着剤5は、シール材12によっ
て覆われている。このシール材12は、エポキシ化合物
の変性エポキシによって形成されており、その透湿率
は、7.5×10-11(cm2/Pa・s)以下とされて
いる。このようなシール材12で接着剤5を覆うことに
より、接着剤5自身は高温高湿下におかれなくなり、劣
化を防止することができる。これにより、光ファイバ4
の位置ズレが防止され、回折格子部6の精度を保持する
ことができる。なお、光ファイバ4が位置ズレを起こす
パターンとしては、接着剤5と基材1との界面で剥離が
生じて光ファイバ4の固定点がずれるケース、接着剤5
と光ファイバ4との界面で剥離が生じて光ファイバ4の
固定点がずれるケース、及び、接着剤5が水分によって
膨潤して光ファイバ4の固定点がずれるケース等がある
が、これらの全てのケースについて光ファイバ4の位置
ズレを防止することができる。また、本発明者の鋭意研
究により、透湿率が7.5×10-11(cm2/Pa・
s)以下のシール材12を使用すれば、接着剤5の劣化
をより確実に防止できることが判明した。
【0017】[実施例]次に、実施例及び比較例に基づ
いて、本発明をより具体的に説明する。
いて、本発明をより具体的に説明する。
【0018】(実施例1)第1基材としてアルミニウム
を使用し、第2基材として石英ガラスを使用した。ま
た、光ファイバを基材に接着させるための接着剤として
は、熱膨張係数α2が5×10-5/℃の熱硬化性エポキ
シ樹脂を使用した。さらに、その接着剤を透湿率が6.
0×10-11(cm2/Pa・s)で、熱膨張係数α1が
8×10-5/℃のシール材によってシールした。そし
て、環境温度を−40〜85℃の範囲で変化させ、回折
格子部から出力された光の波長シフトを測定し、その温
度依存性を測定したところ、0.0004nm/℃とい
う初期特性が得られた。その後、環境温度75℃、湿度
90%という条件下で2500時間放置するいわゆる湿
熱劣化試験を行った後に、再び波長シフトを測定したと
ころ、0.00055nm/℃という初期特性に近い結
果が得られた。これは、接着剤がシール材に覆われてい
るため、湿度を高めても接着剤が劣化しにくくなり、ひ
いては光ファイバの位置ズレが防止されていることに起
因していると考えられる。
を使用し、第2基材として石英ガラスを使用した。ま
た、光ファイバを基材に接着させるための接着剤として
は、熱膨張係数α2が5×10-5/℃の熱硬化性エポキ
シ樹脂を使用した。さらに、その接着剤を透湿率が6.
0×10-11(cm2/Pa・s)で、熱膨張係数α1が
8×10-5/℃のシール材によってシールした。そし
て、環境温度を−40〜85℃の範囲で変化させ、回折
格子部から出力された光の波長シフトを測定し、その温
度依存性を測定したところ、0.0004nm/℃とい
う初期特性が得られた。その後、環境温度75℃、湿度
90%という条件下で2500時間放置するいわゆる湿
熱劣化試験を行った後に、再び波長シフトを測定したと
ころ、0.00055nm/℃という初期特性に近い結
果が得られた。これは、接着剤がシール材に覆われてい
るため、湿度を高めても接着剤が劣化しにくくなり、ひ
いては光ファイバの位置ズレが防止されていることに起
因していると考えられる。
【0019】(実施例2)本実施例では、実施例1と異
なり、光ファイバを基材に接着させるための接着剤とし
て、熱膨張係数α2が2×10-5/℃のUV硬化性エポ
キシ樹脂を使用した。さらに、その接着剤を透湿率が
2.25×10-11(cm2/Pa・s)で、熱膨張係数
α1が8×10-5/℃のシール材によってシールした。
そして、環境温度を−40〜85℃の範囲で変化させ、
回折格子部から出力された光の波長シフトを測定したと
ころ、0.00025nm/℃という初期特性が得られ
た。その後、環境温度75℃、湿度90%という条件下
で湿熱劣化試験を2500時間行った後に、再び波長シ
フトを測定したところ、0.0003nm/℃という初
期特性に近い結果が得られた。
なり、光ファイバを基材に接着させるための接着剤とし
て、熱膨張係数α2が2×10-5/℃のUV硬化性エポ
キシ樹脂を使用した。さらに、その接着剤を透湿率が
2.25×10-11(cm2/Pa・s)で、熱膨張係数
α1が8×10-5/℃のシール材によってシールした。
そして、環境温度を−40〜85℃の範囲で変化させ、
回折格子部から出力された光の波長シフトを測定したと
ころ、0.00025nm/℃という初期特性が得られ
た。その後、環境温度75℃、湿度90%という条件下
で湿熱劣化試験を2500時間行った後に、再び波長シ
フトを測定したところ、0.0003nm/℃という初
期特性に近い結果が得られた。
【0020】(比較例1)本比較例では、透湿率が8.
0×10-11(cm2/Pa・s)のシール材によって接
着剤をシールした。また、その他の条件は、実施例1と
同様にした。そして、環境温度を−40〜85℃の範囲
で変化させ、回折格子部から出力された光の波長シフト
を測定したところ、0.00042nm/℃という初期
特性が得られた。その後、環境温度75℃、湿度90%
という条件下で湿熱劣化試験を2500時間行った後
に、再び波長シフトを測定したところ、0.002nm
/℃という初期特性と比較して大きな値が得られた。こ
れは、シール材の透湿率が大きく接着剤の劣化防止が不
十分であるため、光ファイバが位置ズレを起こしている
ことに起因していると考えられる。
0×10-11(cm2/Pa・s)のシール材によって接
着剤をシールした。また、その他の条件は、実施例1と
同様にした。そして、環境温度を−40〜85℃の範囲
で変化させ、回折格子部から出力された光の波長シフト
を測定したところ、0.00042nm/℃という初期
特性が得られた。その後、環境温度75℃、湿度90%
という条件下で湿熱劣化試験を2500時間行った後
に、再び波長シフトを測定したところ、0.002nm
/℃という初期特性と比較して大きな値が得られた。こ
れは、シール材の透湿率が大きく接着剤の劣化防止が不
十分であるため、光ファイバが位置ズレを起こしている
ことに起因していると考えられる。
【0021】(比較例2)本比較例では、シール材の熱
膨張係数α1を3×10-5/℃とし、接着剤の熱膨張係
数α2を8×10-5/℃とし、その他の条件は実施例1
と同様にした。そして、環境温度を−40〜85℃の範
囲で変化させ、回折格子部から出力された光の波長シフ
トを測定したところ、0.0006nm/℃という初期
特性が得られた。その後、環境温度75℃、湿度90%
という条件下で湿熱劣化試験を2500時間行った後
に、再び波長シフトを測定したところ、0.0018n
m/℃という初期特性と比較して大きな値が得られた。
また、光ファイバと基材との接着部を観察したところ、
接着剤とシール材との界面の一部が剥離していることが
判明した。この結果より、湿熱劣化試験を行う以前に、
接着剤とシール材との間に剥離が生じて光ファイバが位
置ズレを起こしていることが分かる。これは、シール材
の熱膨張係数が接着剤の熱膨張係数よりも小さいことに
起因していると考えられる。
膨張係数α1を3×10-5/℃とし、接着剤の熱膨張係
数α2を8×10-5/℃とし、その他の条件は実施例1
と同様にした。そして、環境温度を−40〜85℃の範
囲で変化させ、回折格子部から出力された光の波長シフ
トを測定したところ、0.0006nm/℃という初期
特性が得られた。その後、環境温度75℃、湿度90%
という条件下で湿熱劣化試験を2500時間行った後
に、再び波長シフトを測定したところ、0.0018n
m/℃という初期特性と比較して大きな値が得られた。
また、光ファイバと基材との接着部を観察したところ、
接着剤とシール材との界面の一部が剥離していることが
判明した。この結果より、湿熱劣化試験を行う以前に、
接着剤とシール材との間に剥離が生じて光ファイバが位
置ズレを起こしていることが分かる。これは、シール材
の熱膨張係数が接着剤の熱膨張係数よりも小さいことに
起因していると考えられる。
【0022】以上、本発明者によってなされた発明を実
施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施
形態に限定されるものではない。
施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施
形態に限定されるものではない。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る光学
装置によれば、透湿率が7.5×10 -11(cm2/Pa
・s)以下のシール材によって基材と光ファイバとを固
定する接着剤が覆われているため、接着剤の防湿性が高
められ、劣化を防止することができる。
装置によれば、透湿率が7.5×10 -11(cm2/Pa
・s)以下のシール材によって基材と光ファイバとを固
定する接着剤が覆われているため、接着剤の防湿性が高
められ、劣化を防止することができる。
【図1】本発明の光学装置を示す斜視図である。
1…基材、1a…第1基材、1b…第2基材、4…光フ
ァイバ、5…接着剤、6…回折格子部、10…光学装
置、12…シール材。
ァイバ、5…接着剤、6…回折格子部、10…光学装
置、12…シール材。
Claims (2)
- 【請求項1】 光軸方向に沿って回折格子が形成された
光ファイバと、前記光ファイバが固定される基材と、を
備え、前記基材の温度変化に伴う伸縮によって前記光フ
ァイバの光軸方向に生じる変位を前記光ファイバに印加
するようにした光学装置であって、 前記基材と前記光ファイバとは接着剤によって固定され
ており、 前記接着剤は、透湿率が7.5×10-11(cm2/Pa
・s)以下のシール材によって覆われていることを特徴
とする光学装置。 - 【請求項2】 前記シール材の熱膨張係数が、前記接着
剤の熱膨張係数よりも大きいことを特徴とする請求項1
記載の光学装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000143778A JP2001324617A (ja) | 2000-05-16 | 2000-05-16 | 光学装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000143778A JP2001324617A (ja) | 2000-05-16 | 2000-05-16 | 光学装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2001324617A true JP2001324617A (ja) | 2001-11-22 |
Family
ID=18650545
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2001324617A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008293004A (ja) * | 2007-04-24 | 2008-12-04 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 光ファイバグレーティングデバイスおよび光ファイバレーザ |
CN112055824A (zh) * | 2019-01-08 | 2020-12-08 | 住友电气工业株式会社 | 光连接器及其制造方法 |
-
2000
- 2000-05-16 JP JP2000143778A patent/JP2001324617A/ja active Pending
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JP2008293004A (ja) * | 2007-04-24 | 2008-12-04 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 光ファイバグレーティングデバイスおよび光ファイバレーザ |
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