JP2002062433A - 光学装置 - Google Patents

光学装置

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JP2002062433A
JP2002062433A JP2000251212A JP2000251212A JP2002062433A JP 2002062433 A JP2002062433 A JP 2002062433A JP 2000251212 A JP2000251212 A JP 2000251212A JP 2000251212 A JP2000251212 A JP 2000251212A JP 2002062433 A JP2002062433 A JP 2002062433A
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optical fiber
adhesive
diffraction grating
base
optical
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JP2000251212A
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English (en)
Inventor
Daisuke Saito
大輔 斉藤
Akira Urano
章 浦野
Mitsuaki Tamura
充章 田村
Susumu Inoue
享 井上
Maki Ikechi
麻紀 池知
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回折格子に対する温度補償機能を損なうこと
なく、回折格子における光学特性の変化を低減すること
が可能な光学装置を提供すること。 【解決手段】 光学装置10は回折格子部6が形成され
た光ファイバ4を備え、この光ファイバ4は基材部1に
接着固定される。基材部1は、二つの第1基材1aと、
各第1基材1aの間に位置する第2基材1bとを含む。
第1基材1aは、第2基材1bよりも大きな熱膨張係数
を有する材料からなり、第1基材1aの一片が第2基材
1bの端部と第2接着剤2によって接着固定される。光
ファイバ4は、回折格子部6の中心波長をモニタしなが
ら回折格子部6に所定の張力が与えられた状態で、回折
格子部6の両側部において第1接着剤5により第1基材
1aに固定される。第1接着剤5と第2接着剤2は同じ
樹脂系接着剤であり、吸湿(膨潤)による体積変化量が
同等である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくともコア部
の屈折率を光軸に沿って周期的に変化させた回折格子が
形成されている光ファイバを有する光学装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】光ファイバ回折格子では、一般に、クラ
ッド部の周囲に設けられ樹脂からなる被覆層を軸方向の
所定長さにわたって除去し、クラッド部を露出させた状
態で紫外線を照射することにより、露出したクラッド部
の内側に位置するコア部の光軸方向に沿った所定領域に
回折格子を形成している。このように構成した光ファイ
バ回折格子は、使用温度範囲では光ファイバが正の熱膨
張係数を有しているため、周囲温度が変化すると、光フ
ァイバが伸縮し格子間隔が変化する。また、温度により
光ファイバガラス部の屈折率が変化するため、回折格子
での反射中心波長が変化することになる。この回折格子
による反射中心波長の温度依存性を無くすためには、回
折格子が形成された光ファイバに加わる張力を低温時に
は増加させ、高温時には低下させる必要がある。
【0003】このため、温度補償用部材に回折格子が形
成された光ファイバを固定し温度補償することが行われ
ている。例えば、熱膨張係数の小さいアンバーから成る
基材の両端にそれぞれ熱膨張係数の比較的大きいAlブ
ラケットを取り付け、このAlブラケットに回折格子が
形成された光ファイバを所定の張力を付与した状態で固
定した構造のものが提案されている。この構造では、ブ
ラケット上の2つの固定部の間の距離が高温時には収縮
し、低温時には拡大するので、回折格子が形成された光
ファイバに加わる張力を低温時には増加させ、高温時に
は低下させることができる。このようにして、反射中心
波長の温度依存性を実質的に無くすことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らの調査研究の結果、温度補償用部材が吸湿により体
積変化する材料からなる部材を含んでいる場合、以下の
ような問題があることが判明した。上述した光ファイバ
の固定構造において、たとえば、吸湿により体積変化す
る材料からなる部材として、Alブラケットをアンバー
から成る基材に固定するための樹脂系接着剤、光ファイ
バをAlブラケットに固定するための樹脂系接着剤等を
含む場合、これらの樹脂系接着剤は、高湿環境下では接
着剤が水分を吸収して膨潤し、体積変化を生じてしま
う。このように、樹脂系接着剤が体積変化すると、光フ
ァイバに加わる張力が変化してしまい、その結果回折格
子での反射中心波長がずれるなどして所望の光学特性を
得ることができない可能性があることが判明した。
【0005】本発明は上述の点に鑑みてなされたもの
で、回折格子に対する温度補償機能を損なうことなく、
回折格子における光学特性の変化を低減することが可能
な光学装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光学装置
は、光軸方向の所定長さにわたって回折格子が形成され
た光ファイバと、吸湿により体積変化する材料からなる
複数の部材を含んでいて光ファイバを固定するための基
材部と、を備え、基材部は、温度変化に伴う伸縮によっ
て光ファイバの光軸方向に生じる変位を光ファイバに印
加しており、複数の部材は、複数の部材が吸湿により体
積変化したときに回折格子での反射中心波長が変動する
のを抑制するように、複数の部材の体積変化量が光ファ
イバに印加される変位量が相殺されるように調整されて
いることを特徴としている。
【0007】本発明に係る光学装置では、吸湿により体
積変化する材料からなる複数の部材は、吸湿により体積
変化したときに回折格子での反射中心波長が変動するの
を抑制するように、複数の部材の体積変化量が光ファイ
バに印加される変位量が相殺されるように調整されてい
ることから、これらの複数の部材が体積変化したとして
も、回折格子での反射中心波長の変動が抑制されること
になる。この結果、回折格子が形成された光ファイバ部
分にかかる張力の変化を抑制することができ、回折格子
における光学特性の変化を低減することができる。もち
ろん、基材部は、温度変化に伴う伸縮によって光ファイ
バの光軸方向に生じる変位を光ファイバに印加するの
で、基材部による回折格子に対する温度補償機能が損な
われることはない。
【0008】本発明に係る光学装置は、光軸方向の所定
長さにわたって回折格子が形成された光ファイバと、前
記光ファイバの使用温度範囲で所定の熱膨張係数を有
し、前記光ファイバが固定される基材部と、を備え、前
記基材部の温度変化に伴う伸縮によって前記光ファイバ
の光軸方向に生じる変位を前記光ファイバに印加するよ
うにした光学装置であって、前記基材部は、前記回折格
子が形成された光ファイバ部分の両側部のうちの少なく
とも一方に位置して設けられ、前記光ファイバが第1接
着剤により接着固定される第1基材と、第1基材が第2
接着剤により接着固定される第2基材と、を含んでお
り、第1接着剤及び第2接着剤は、吸湿による体積変化
量が同等であってそれらが相殺されることを特徴として
いる。
【0009】本発明に係る光学装置では、光ファイバと
第1基材とを接着固定するための第1接着剤及び第1基
材と第2基材とを接着固定するための第2接着剤は吸湿
による体積変化量が同等であってそれらが相殺されるで
あることから、回折格子が形成された光ファイバ部分に
かかる張力の変化が抑制される。このように、回折格子
が形成された光ファイバ部分にかかる張力の変化が抑制
されるのは、第1接着剤の吸湿による体積変化は回折格
子が形成された光ファイバ部分にかかる張力を緩める方
向に作用し、第2接着剤の吸湿による体積変化は回折格
子が形成された光ファイバ部分を引っ張りこの部分にか
かる張力を高める方向に作用することから、第1接着剤
及び第2接着剤の体積変化による回折格子が形成された
光ファイバ部分にかかる張力への影響が相殺されること
になるためである。この結果、回折格子における光学特
性の変化を低減することができる。もちろん、基材部
は、温度変化に伴う伸縮によって光ファイバの光軸方向
に生じる変位を光ファイバに印加するので、基材部によ
る回折格子に対する温度補償機能が損なわれることはな
い。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
による光学装置の好適な実施形態について詳細に説明す
る。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符
号を付しており、重複する説明は省略する。
【0011】図1を参照して、本発明に係る光学装置の
実施形態を説明する。光学装置10は、回折格子部6が
形成された光ファイバ4を備えており、この光ファイバ
4は、基材部1に接着固定されている。
【0012】光ファイバ4の回折格子部6は、光ファイ
バ4の光軸方向に沿って、且つ、少なくともコア部の屈
折率が変化するように形成されている。また、回折格子
部6は、例えばクラッド部の周囲に設けられた被覆層を
所定の長さだけ除去してクラッド部を露出させ、この露
出部分のコア部に対して紫外線を照射することで形成さ
れる。また、クラッド層の周囲の被膜を除去することな
く回折格子部6を形成することも可能である。なお、紫
外線の照射は、公知のホログラフィック法や位相格子法
等によって行われる。回折格子部6の外側には、この回
折格子部6を保護するためのリコート層7が設けられて
いる。
【0013】基材部1は、いわゆる温度補償用部材とし
ての機能を有しており、二つの第1基材1aと、各第1
基材1aの間に位置する第2基材1bと、によって構成
されている。第1基材1aは、第2基材1bよりも大き
な熱膨張係数を有する材料によって形成されている。第
1基材1aの熱膨張係数は、好ましくは第2基材1bの
熱膨張係数の8倍以上とする。本実施形態では、具体的
には、第1基材1aはアルミニウムによって形成され、
第2基材1bは、石英ガラスによって形成されている。
【0014】第1基材1aは、ほぼ直角に屈曲されたア
ングル形状をなしており、第1基材1aの一片が第2基
材1bの端部と第2接着剤2によって接着固定されてい
る。第1基材1aの他片は、第1基材1aが第2基材1
bに接着された状態において、第2基材1bに対してほ
ぼ平行となるようにされている。また、第1基材1aの
接着面と第2基材1bの接着面とは、光ファイバ4の光
軸方向に対して交差(たとえば、直交)しており、本実
施形態においては、第2接着剤2により形成される接着
層の厚さ方向が、光ファイバ4の光軸方向と平行となっ
ている。
【0015】また、第1基材1aには、光ファイバ4を
収容する切り欠き状の溝13が形成されている。溝13
に光ファイバ4、詳しくは光ファイバ4の被覆部分を収
容することで、光ファイバ4がその延在方向と直交する
方向に動くことを防止できる。また、第1基材1aの端
部(溝13が形成された側)には被覆部分が当接するの
で、端部の角で光ファイバ4の裸ファイバ部が傷付くこ
とも防止することができる。
【0016】上述のように、基材部1においては、石英
ガラス製の第2基材1bよりもAl製の第1基材1aの
方が熱膨張係数が大きいため、温度上昇時に第2基材1
bの膨張量(図1中矢印A参照)よりも第1基材1aの
膨張量(図1中矢印B参照)が大きくなる。この結果、
基材部1は、第1接着剤5が塗布された2点間において
負の熱膨張係数を有することになり、温度変化に伴って
光ファイバに加えられる張力を低下することができる。
【0017】第1基材1aには、光ファイバ4が第1接
着剤5によって接着されている。詳しくは、光ファイバ
4は、回折格子部6の中心波長をモニタしながら回折格
子部6に所定の張力が与えられた状態で、回折格子部6
の両側部において第1接着剤5により第1基材1aに固
定される。光ファイバ4を固定する際は、基材部1及び
光ファイバ4の回折格子部6は所定の温度(たとえば、
90℃程度(接着剤の硬化温度))に加熱している。こ
の加熱温度は、接着剤が熱硬化型樹脂の場合は硬化温度
であり、紫外線硬化型樹脂の場合は樹脂の濡れ性がよく
なるまで樹脂の粘度が低くなる温度である。このように
して光ファイバ4を基材部1に取り付けることにより、
光ファイバ4の使用温度範囲(−45℃〜85℃)にお
いて、光ファイバ4にかかる張力を適切な値に保つこと
になり、回折格子部6での温度変化に対する反射中心波
長の安定性を保つことができる。
【0018】次に、光ファイバ4と第1基材1aとを接
着固定するための第1接着剤5及び第1基材1aと第2
基材1bとを接着固定するための第2接着剤2について
詳説する。本実施形態の第1接着剤5と第2接着剤2と
しては、同じ樹脂系接着剤(たとえばエマーソンカミン
グ社製:スタイキャスト2057)を使用している。樹
脂系接着剤を使用した場合には、接着剤中の樹脂成分が
水分を吸収して膨潤し、樹脂系接着剤が体積変化するこ
とになるが、本実施形態の第1接着剤5と第2接着剤2
は、吸湿(膨潤)による体積変化量が同等となるように
塗布量が調整されている。なお、第1接着剤5と第2接
着剤2として、たとえば熱硬化型エポキシ樹脂、紫外線
硬化型エポキシ樹脂、熱硬化性アクリル樹脂等を使用す
ることができる。また、第1接着剤5と第2接着剤2
は、吸湿(膨潤)による体積変化量を同等にすることが
できるのであれば、第1接着剤5と第2接着剤2とでそ
れぞれ異なる種類の接着剤を用いるようにしてもよい。
【0019】なお、第1接着剤5及び第2接着剤2の吸
湿による体積変化量を同等とするためには、たとえば第
1接着剤5及び第2接着剤2の塗布量あるいは厚みを調
整することが求められる。第2接着剤2に関しては、第
2接着剤2(第2接着剤2により形成される接着層)の
厚み、すなわち第1基材1aの接着面と第2基材1bの
接着面との間隙を管理することで体積変化量を適切に設
定することができる。第2接着剤2の厚み(第1基材1
aの接着面と第2基材1bの接着面との間隙)を適正な
値に管理するには、たとえば第2接着剤2を硬化させる
ときに、固定治具等を用いて第1基材1aと第2基材1
bとが位置ずれしないようにすることが好ましい。本実
施形態においては、第2接着剤2の硬化後の厚みは、1
0〜20μmとしている。
【0020】また、第1接着剤5に関しては、第1接着
剤5の塗布量を管理することで体積変化量を適切に設定
することができる。第1接着剤5の塗布量を適切に管理
するには、たとえば図2(a)及び(b)に示されるよ
うに、基材部1の第1基材1aに皿状の固定溝11を形
成し、この固定溝11に第1接着剤5を塗布することが
好ましい。図2(a)は、光学装置の変形例の一部を示
す平面図であり、図2(b)は、図2(a)の側面図で
ある。なお、皿状の固定溝11は、直径を20〜300
μm、深さを20〜200μmとし、中心から周囲に向
かい緩やかな傾斜を持たせることが好ましい。また、固
定溝11は、第1基材1aの上面端部に形成することが
好ましい。これにより、第1接着剤5がクッションとし
て働き、光ファイバ4の裸ファイバ部分が第1部材1a
の角によって傷付けられるのを防止できる。本実施形態
においては、第1接着剤5の塗布量は、(1〜10mg
程度(たとえば、約1mg)としている。
【0021】次に、図3に基づいて、上述した光学装置
10を用いて行った実験の結果について説明する。これ
らの実験において共通の条件は、以下のとおりである。
第1基材1aとしてアルミニウムを使用し、第2基材1
bとして石英ガラスを使用して光学装置を構成した。第
1接着剤5と第2接着剤2としてエマーソンカミング社
製のスタイキャスト2057を使用した。第1接着剤5
と第2接着剤2の硬化条件は、第1基材1aと第2基材
1bとを固定治具で保持した状態として温度90℃で1
時間加熱し、更に固定治具を外した状態として温度90
℃で10時間アニールする。なお、固定治具を外した状
態として温度90℃で10時間アニールするのは、第1
接着剤5と第2接着剤2を完全に硬化させるためであ
る。
【0022】実験は以下のようにして行った。まず、第
1接着剤5と第2接着剤2を完全硬化させた後、図4に
示される、基材部1の光ファイバ4の光軸方向での長さ
L1と、第1接着剤5間の長さL2と、回折格子部6の
反射中心波長を測定する。そして、光学装置10を温度
70℃、湿度95%の恒温槽内に48時間投入する。4
8時間経過後に光学装置10を恒温槽から取り出して温
度25℃、湿度50%の条件で1時間放置し、基材部1
の光ファイバ4の光軸方向での長さL1と、第1接着剤
5間の長さL2と、回折格子部6の反射中心波長を測定
した。基材部1の光ファイバ4の光軸方向での長さL1
と、第1接着剤5間の長さL2とは、顕微鏡写真(たと
えばSEM)に基づいて計測した。また、回折格子部6
の反射中心波長は、スペクトルアナライザー(ADVANTES
T社製スペクトルアナライザーQ8347)を用いて計
測した。
【0023】実施例1〜実施例4は、上述した実施形態
に係る光学装置による実施例であり、比較例1〜比較例
3は、上述した実施形態に係る光学装置による実施例と
の対比のために行った比較例である。
【0024】(実施例1)第1接着剤5の塗布量を1.
24mgとし、第2接着剤2の硬化後の厚さを12.2
0μmとした。恒温槽投入前における基材部1の光ファ
イバ4の光軸方向での長さL1は74256.31μm
であり、恒温槽から取り出した後の基材部1の光ファイ
バ4の光軸方向での長さL1は74256.36μmで
あることから、第2接着剤2の体積変化による変位量は
0.05μmであった。また、恒温槽投入前における第
1接着剤5間の長さL2は50542.82μmであ
り、恒温槽から取り出した後の第1接着剤5間の長さL
2は50542.82μmであることから、第1接着剤
5の体積変化による変位量は0.05μmであった。恒
温槽投入前と恒温槽から取り出した後とにおける回折格
子部6の反射中心波長の変動は0nmであった。なお、
第1接着剤5の体積変化による変位量は、第1接着剤5
間の長さL2と基材部1の光ファイバ4の光軸方向での
長さL1の変化量との差で表すことができる。
【0025】(実施例2)第1接着剤5の塗布量を1.
96mgとし、第2接着剤2の硬化後の厚さを19.8
0μmとした。恒温槽投入前における基材部1の光ファ
イバ4の光軸方向での長さL1は74311.26μm
であり、恒温槽から取り出した後の基材部1の光ファイ
バ4の光軸方向での長さL1は74311.36μmで
あることから、第2接着剤2の体積変化による変位量は
0.10μmであった。また、恒温槽投入前における第
1接着剤5間の長さL2は50538.72μmであ
り、恒温槽から取り出した後の第1接着剤5間の長さL
2は50538.72μmであることから、第1接着剤
5の体積変化による変位量は0.10μmであった。恒
温槽投入前と恒温槽から取り出した後とにおける回折格
子部6の反射中心波長の変動は−0.004nmであっ
た。なお、反射中心波長の変動は、長波長側への変動を
プラス(+)で表しており、短波長側への変動をマイナ
ス(−)で表している。
【0026】(実施例3)第1接着剤5の塗布量を1.
19mgとし、第2接着剤2の硬化後の厚さを19.7
6μmとした。恒温槽投入前における基材部1の光ファ
イバ4の光軸方向での長さL1は74356.52μm
であり、恒温槽から取り出した後の基材部1の光ファイ
バ4の光軸方向での長さL1は74356.61μmで
あることから、第2接着剤2の体積変化による変位量は
0.09μmであった。また、恒温槽投入前における第
1接着剤5間の長さL2は50542.33μmであ
り、恒温槽から取り出した後の第1接着剤5間の長さL
2は50542.37μmであることから、第1接着剤
5の体積変化による変位量は0.05μmであった。恒
温槽投入前と恒温槽から取り出した後とにおける回折格
子部6の反射中心波長の変動は0.041nmであっ
た。
【0027】(実施例4)第1接着剤5の塗布量を1.
89mgとし、第2接着剤2の硬化後の厚さを13.7
5μmとした。恒温槽投入前における基材部1の光ファ
イバ4の光軸方向での長さL1は74271.51μm
であり、恒温槽から取り出した後の基材部1の光ファイ
バ4の光軸方向での長さL1は74271.57μmで
あることから、第2接着剤2の体積変化による変位量は
0.06μmであった。また、恒温槽投入前における第
1接着剤5間の長さL2は50529.46μmであ
り、恒温槽から取り出した後の第1接着剤5間の長さL
2は50529.44μmであることから、第1接着剤
5の体積変化による変位量は0.08μmであった。恒
温槽投入前と恒温槽から取り出した後とにおける回折格
子部6の反射中心波長の変動は−0.019nmであっ
た。
【0028】(比較例1)第1接着剤5の塗布量を6.
24mgとし、第2接着剤2の硬化後の厚さを35.4
6μmとした。恒温槽投入前における基材部1の光ファ
イバ4の光軸方向での長さL1は74352.41μm
であり、恒温槽から取り出した後の基材部1の光ファイ
バ4の光軸方向での長さL1は74352.62μmで
あることから、第2接着剤2の体積変化による変位量は
0.21μmであった。また、恒温槽投入前における第
1接着剤5間の長さL2は50536.24μmであ
り、恒温槽から取り出した後の第1接着剤5間の長さL
2は50536.40μmであることから、第1接着剤
5の体積変化による変位量は0.05μmであった。恒
温槽投入前と恒温槽から取り出した後とにおける回折格
子部6の反射中心波長の変動は0.131nmであっ
た。
【0029】(比較例2)第1接着剤5の塗布量を6.
39mgとし、第2接着剤2の硬化後の厚さを18.8
8μmとした。恒温槽投入前における基材部1の光ファ
イバ4の光軸方向での長さL1は74349.65μm
であり、恒温槽から取り出した後の基材部1の光ファイ
バ4の光軸方向での長さL1は74349.72μmで
あることから、第2接着剤2の体積変化による変位量は
0.07μmであった。また、恒温槽投入前における第
1接着剤5間の長さL2は50532.24μmであ
り、恒温槽から取り出した後の第1接着剤5間の長さL
2は50532.09μmであることから、第1接着剤
5の体積変化による変位量は0.22μmであった。恒
温槽投入前と恒温槽から取り出した後とにおける回折格
子部6の反射中心波長の変動は−0.134nmであっ
た。
【0030】(比較例3)第1接着剤5の塗布量を6.
62mgとし、第2接着剤2の硬化後の厚さを20.1
0μmとした。恒温槽投入前における基材部1の光ファ
イバ4の光軸方向での長さL1は74359.22μm
であり、恒温槽から取り出した後の基材部1の光ファイ
バ4の光軸方向での長さL1は74359.32μmで
あることから、第2接着剤2の体積変化による変位量は
0.10μmであった。また、恒温槽投入前における第
1接着剤5間の長さL2は50531.86μmであ
り、恒温槽から取り出した後の第1接着剤5間の長さL
2は50531.71μmであることから、第1接着剤
5の体積変化による変位量は0.25μmであった。恒
温槽投入前と恒温槽から取り出した後とにおける回折格
子部6の反射中心波長の変動は−0.143nmであっ
た。
【0031】以上のように、実施例1〜実施例4におい
ては、回折格子部6の反射中心波長の変動が−0.01
9nm〜0.041nmとなり、比較例1〜比較例3に
おける実験結果と比べて回折格子部6の反射中心波長の
変動を低減することができた。これは、第1接着剤5及
び第2接着剤2の吸湿による体積変化量を同等とするこ
とで、第1接着剤5及び第2接着剤2の吸湿して体積変
化した場合でも、回折格子部6が形成された光ファイバ
部分にかかる張力が殆ど変化していないことに起因して
いると考えられる。
【0032】また、比較例1と実施例3との対比、及
び、実施例4と比較例2との対比から、第1接着剤5の
体積変化による変位量と第2接着剤2の体積変化による
変位量との差が大きくなると、回折格子部6の反射中心
波長の変動も大きくなることが分かる。更に、比較例2
と比較例3との対比から、第1接着剤5の体積変化によ
る変位量と第2接着剤2の体積変化による変位量との差
が同じでも、変位量の絶対値が大きい方(比較例3)
が、回折格子部6の反射中心波長の変動が大きいことが
分かる。
【0033】このように、上述した実施結果からも明ら
かなように、本実施形態に係る光学装置10において
は、第1接着剤5及び第2接着剤2の吸湿による体積変
化量を同等としているので、第1接着剤5の吸湿による
体積変化は、回折格子部6が形成された光ファイバ部分
にかかる張力を緩める方向に作用し、第2接着剤2の吸
湿による体積変化は回折格子部6が形成された光ファイ
バ部分を引っ張りこの部分にかかる張力を高める方向に
作用することになり、第1接着剤5及び第2接着剤2の
体積変化による回折格子部6が形成された光ファイバ部
分にかかる張力への影響が相殺されることになる。これ
により、回折格子部6が形成された光ファイバ部分にか
かる張力の変化が抑えられ、回折格子部6での反射中心
波長が変動するのが抑制される。
【0034】この結果、回折格子部6での反射中心波長
のずれ等の回折格子部6における光学特性の変化を低減
することができる。もちろん、基材部1(第1基材1a
及び第2基材1b)は、第1接着剤5が塗布された2点
間において負の熱膨張係数を有することになり、伴う伸
縮によって光ファイバの光軸方向に生じる変位を光ファ
イバに印加するので、基材部1による回折格子部6に対
する温度補償機能が損なわれることはない。
【0035】以上、本発明者によってなされた発明を実
施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施
形態に限定されるものではない。例えば、第1基材1a
と第2基材1bとを構成する材料は上述のものに限られ
ず、基材部1の変位を光ファイバ4に印加して、光ファ
イバ4が伸縮して生じる張力を緩和できるような組合せ
であればよい。
【0036】また、基材部1を、第2基材1bと、この
第2基材1bの両端に固定される第1基材1aとで構成
したものに本発明を適用しているが、基材部1の構成は
これに限られることない。たとえば、一方の第1基材1
aに相当する部分と第2基材1bに相当する部分とを同
じ材料(たとえば石英ガラス)にて一体に形成した基材
部分に、異なる材料(たとえばAl)からなる他方の第
1基材1bに相当する基材部分を固定するようにした構
成のものにも、本発明を適用することができる。
【0037】また、本実施形態においては、吸湿により
体積変化する材料を第1接着剤5及び第2接着剤2とし
たが、これに限られることなく、基材部1(第1基材1
a及びまたは第2基材1b)が吸湿により体積変化する
材料(たとえば、液晶高分子(LCP)結晶等の有機系
材料)からなる場合でも本発明を適用することができ
る。
【0038】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、回折格子が形成された光ファイバ部分にかかる
張力の変化を抑制することができ、回折格子における光
学特性の変化を低減することができる。
【0039】また、基材部は、温度変化に伴う伸縮によ
って光ファイバの光軸方向に生じる変位を光ファイバに
印加するので、基材部による回折格子に対する温度補償
機能が損なわれることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る光学装置を示す斜視図
である。
【図2】本発明の実施形態に係る光学装置の変形例を示
す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態による実施例と比較例とを示
す図表である。
【図4】本発明の実施形態による実施例と比較例に用い
た光学装置を説明するための概略図である。
【符号の説明】
1…基材部、1a…第1基材、1b…第2基材、2…第
2接着剤、4…光ファイバ、5…第1接着剤、6…回折
格子部、10…光学装置。
フロントページの続き (72)発明者 田村 充章 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 井上 享 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 池知 麻紀 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 Fターム(参考) 2H038 BA25 2H050 AC84 AD16

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光軸方向の所定長さにわたって回折格子
    が形成された光ファイバと、 吸湿により体積変化する材料からなる複数の部材を含ん
    でいて前記光ファイバを固定するための基材部と、を備
    え、 前記基材部は、温度変化に伴う伸縮によって前記光ファ
    イバの光軸方向に生じる変位を前記光ファイバに印加し
    ており、 前記複数の部材は、前記複数の部材が吸湿により体積変
    化したときに前記回折格子での反射中心波長が変動する
    のを抑制するように、前記複数の部材の体積変化量が前
    記光ファイバに印加される変位量が相殺されるように調
    整されていることを特徴とする光学装置。
  2. 【請求項2】 光軸方向の所定長さにわたって回折格子
    が形成された光ファイバと、 前記光ファイバの使用温度範囲で所定の熱膨張係数を有
    し、前記光ファイバが固定される基材部と、を備え、 前記基材部の温度変化に伴う伸縮によって前記光ファイ
    バの光軸方向に生じる変位を前記光ファイバに印加する
    ようにした光学装置であって、 前記基材部は、 前記回折格子が形成された光ファイバ部分の両側部のう
    ちの少なくとも一方に位置して設けられ、前記光ファイ
    バが第1接着剤により接着固定される第1基材と、 前記第1基材が第2接着剤により接着固定される第2基
    材と、を含んでおり、 前記第1接着剤及び第2接着剤は、吸湿による体積変化
    量が同等であってそれらが相殺されることを特徴とする
    光学装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6510272B1 (en) * 2000-08-28 2003-01-21 3M Innovative Properties Company Temperature compensated fiber bragg grating

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6510272B1 (en) * 2000-08-28 2003-01-21 3M Innovative Properties Company Temperature compensated fiber bragg grating

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