JP2001323839A - 内燃機関の失火検出装置 - Google Patents

内燃機関の失火検出装置

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JP2001323839A
JP2001323839A JP2000111262A JP2000111262A JP2001323839A JP 2001323839 A JP2001323839 A JP 2001323839A JP 2000111262 A JP2000111262 A JP 2000111262A JP 2000111262 A JP2000111262 A JP 2000111262A JP 2001323839 A JP2001323839 A JP 2001323839A
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fuel ratio
fuel
air
cause
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JP2000111262A
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Kojiro Tsutsumi
康次郎 堤
Hiroyuki Ando
宏幸 安藤
Takashi Isobe
高志 磯部
Manabu Niki
学 仁木
Takashi Iwamoto
崇 岩本
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 失火が発生した気筒を特定するだけでなく、
更に失火発生要因の特定を行う内燃機関の失火検出装置
を提供する。 【解決手段】 1サイクル前に失火が検出された気筒に
おいて、本サイクルで失火が検出されなかった場合に
は、空燃比がリーンか否かを判定する。この結果、空燃
比がリーンであれば燃料系の異常と特定し、また空燃比
がリーンでなければ点火系の異常と特定する。このよう
に失火発生要因が特定されると、ECU5内の記憶手段
5cに、失火が発生した気筒の情報と失火発生要因とを
記憶し、失火要因特定処理を終了する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の失火及
び失火が発生した気筒を検出する内燃機関の失火検出装
置に係り、特に、失火の発生要因を特定する内燃機関の
失火検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関の失火検出装置として、
クランク軸の回転速度を検出し、失火により発生する回
転変動を捉えて失火検出及び失火が発生した気筒を検出
する装置(例えば、特開平3−253770号公報)
や、筒内圧の変動などを捉えて失火を検出する装置が知
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のように従来の失
火検出装置では失火が発生した気筒を特定するだけであ
る。このため、修理の際にはその失火の原因解析を行い
異常箇所を特定しなければならず、大変時間がかかると
いう問題があった。本発明はこのような事情に鑑みてな
されたもので、失火が発生した気筒を特定するだけでな
く、更に失火発生要因の特定を行う内燃機関の失火検出
装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、内燃機関(実施形態では図1のエンジン
1)に燃料を供給する燃料供給手段(実施形態では図1
の燃料噴射弁6)と、該内燃機関の空燃比に関連するパ
ラメータ(実施形態では、O2センサ16によって検出
される空燃比あるいは図2(b)のステップS2におい
て算出される値ΔM)を検出する空燃比検出手段(実施
形態では図1のクランク角センサ11、TDCセンサ1
2、O2センサ16)と、該内燃機関の失火を検出する
失火検出手段(実施形態では図2のステップS1〜ステ
ップS3)と、該失火検出手段により失火が検出された
気筒において、該失火検出時の次の燃焼タイミングにお
ける前記空燃比に関連するパラメータに基づいて失火の
発生要因を特定する失火要因特定手段(実施形態では、
図2のステップS4、即ち図7のステップS41〜ステ
ップS45)とを具備することを特徴とする。本発明で
は、失火検出時の次の燃焼タイミングにおいて、空燃比
に関連するパラメータに基づいて、失火の発生要因を特
定する。このように、新たなセンサを設けること無く失
火発生要因を特定することができるので、低コストで且
つ容易に失火の要因を特定することが可能となる。通
常、燃料が噴射時には、噴射された全ての燃料が気筒に
供給されるわけではなく、その一部が吸気管の壁面に付
着するため、次の燃料噴射タイミングでは、壁面に付着
していた燃料と今回噴射された燃料とが気筒に供給され
る。しかしながら、燃料系の要因により失火が発生した
場合には、燃料が噴射されないため吸気管の壁面に付着
していた燃料のみが気筒に供給される。この壁面に付着
していた燃料は、燃焼できるほどの燃料量ではないため
結果、失火が検出される。そして、失火が発生した該気
筒における次の燃料噴射タイミング時には、壁面に付着
した燃料がないため、今回噴射された燃料のみが気筒に
供給される。この結果、空燃比は理論空燃比に比べリー
ンになる。これに対し、点火系異常による失火発生の場
合は、1回の燃焼にのみ寄与するため、次回の燃料噴射
サイクルにおける空燃比への影響はない。本発明では、
上述したような失火が判定された次の燃料噴射サイクル
における空燃比に関するパラメータに着目することによ
り、失火要因の特定が可能となる。
【0005】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の内燃機関の失火検出装置において、前記失火要
因特定手段は、前記失火検出手段により失火が検出され
た前記気筒において、該失火検出時の次の燃焼タイミン
グにおける前記空燃比に関連するパラメータが理論空燃
比よりリーンであった場合(実施形態では、図1のO2
センサ16によって検出された酸素濃度が理論空燃比よ
り高かった場合)には、前記失火の発生要因は燃焼系
(実施形態では図1の燃料噴射弁6等)の異常であると
特定し、前記空燃比に関連するパラメータがリーンでな
かった場合には、前記失火の発生要因は点火系(実施形
態では、図1の点火プラグ19、点火コイル18等)の
異常であると特定することを特徴とする。このように、
失火が検出された次の燃焼タイミングにおいて検出され
る空燃比に基づいて、失火の発生要因が燃料系かあるい
は点火系かを特定することができる。これにより、従来
では大変手間がかかっていた失火要因の特定を迅速に且
つ容易に行うことができる。
【0006】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
または請求項2に記載の内燃機関の失火検出装置におい
て、前記失火要因特定手段は、前記空燃比に関連するパ
ラメータ(図2(b)のステップS2において算出され
る値ΔM)が失火判定閾値(MSLMT)よりも小さい
燃料系失火判別値を超えた場合に、失火の発生要因は燃
料系の異常であると特定し、前記空燃比に関連するパラ
メータが前記燃料系失火判別値以下であった場合に、前
記失火の発生要因は点火系の異常であると特定すること
を特徴とする。このように、失火が検出された次の燃焼
タイミングにおいて検出される空燃比に関するパラメー
タが失火判定閾値MSLMTよりも小さい燃料系失火判
別値よりも大きいか否かを判定することによっても、空
燃比がリーンであるか否かを判定することができる。こ
れにより、判定された空燃比の状態、即ち空燃比が理論
空燃比よりもリーンであると判定された場合には、失火
の発生要因は燃料系であると特定し、空燃比よりもリー
ンでないと判定された場合には、失火の発生要因は点火
系であると特定することができる。これにより、従来で
は大変手間がかかっていた失火要因の特定を迅速に且つ
容易に行うことができる。上述したように、本発明で
は、空燃比がリーンであるか否かは、O2センサ16に
よって検出される空燃比と理論空燃比とを比較すること
により判定できるとともに、空燃比に関するパラメータ
ΔMの値と、失火判定閾値MSLMTよりも小さい値で
ある燃料系失火判別値とを比較することによっても判定
することができる。また、請求項4に記載の発明は、請
求項1〜3のいずれかの項に記載の内燃機関の失火検出
装置において、前記失火検出手段によって検出された失
火発生気筒及び前記失火要因特定手段によって特定され
た失火発生要因を記憶する記憶手段(実施形態では図1
の記憶手段5c)を具備することを特徴とする。このよ
うに、特定された失火発生要因を記憶することにより、
修理時において故障箇所の特定を迅速に行うことができ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照し、本発明の一
実施形態について説明する。図1は本発明の一実施形態
における内燃機関及びその制御装置の全体構成図であ
る。同図において、符号1はDOHC型エンジンであ
り、エンジン1の吸気管2の途中にはスロットル弁3が
配されている。スロットル弁3にはスロットル弁開度
(θTH)センサ4が連結されており、このスロットル弁
開度センサ4は、当該スロットル弁3の開度θTHを検出
して対応する電気信号をECU5に供給する。
【0008】また、ECU5にはスロットル弁3を駆動
するスロットルアクチュエータ23及びアクセル開度A
Pを検出するアクセル開度(AP)センサ25が接続さ
れており、ECU5はアクセル開度センサ25によって
検出されたアクセル開度APに基づいてスロットルアク
チュエータ23を駆動する。更に、このECU5には車
速VPを検出する車速センサ24が電気的に接続されて
いる。
【0009】符号6は燃料噴射弁であり、エンジン1と
スロットル弁3との間且つ吸気管2の吸気弁(図示略)
の少し上流側に各気筒ごとに設けられている。各燃料噴
射弁6は燃料ポンプ(図示略)に接続されているととも
にECU5に電気的に接続されて当該ECU5からの信
号により燃料噴射の開弁時間が制御される。
【0010】一方、スロットル弁3のすぐ下流には管7
を介して吸気管内絶対圧(PBA)センサ8が設けられ
ており、この吸気管内絶対圧センサ8によって検出され
た吸気管内絶対圧PBAは対応する電気信号に変換され
てECU5に供給される。また、吸気管2において、こ
の吸気管内絶対圧センサ8が設けられている更にその下
流には吸気温(TA)センサ9が取り付けられており、
この吸気温センサ9によって検出された吸気温TAは対
応する電気信号に変換されてECU5に供給される。
【0011】エンジン1の本体には、サーミスタなどか
ら成るエンジン水温(TW)センサ10が装着されてお
り、このエンジン水温センサ10によって検出されたエ
ンジン水温(冷却水温)TWは対応する電気信号に変換
されてECU5に供給される。また、エンジン1には、
各気筒毎に一対の吸気バルブ(図示略)と一対の排気バ
ルブ(図示略)とがそれぞれ設けられ、これら吸気バル
ブ及び排気バルブは、吸気カムシャフト(図示略)及び
排気カムシャフト(図示略)の回転により開閉する。
【0012】上記吸気カムシャフト及び排気カムシャフ
ト、またピストンが接続されるクランクシャフト(図示
略)の周囲には、エンジン1の特定の気筒の所定クラン
ク角度位置で信号パルスCYLを出力する気筒判別セン
サ13、各気筒の吸入工程開始時の上死点に関し所定ク
ランク角度前のクランク角度位置で(4気筒エンジンで
はクランク角180°毎に)信号パルスTDCを出力す
るTDCセンサ12、及び信号パルスTDCの周期より
短い一定クランク角(例えば30°)周期で信号パルス
CRKを出力するクランク角センサ11が取り付けられ
ており、これら各種センサから出力された信号パルスは
ECU5に供給される。
【0013】更に、エンジン1の各気筒には点火プラグ
19が設けられ、点火コイル18を介してECU5に接
続されている。三元触媒(触媒コンバータ)15はエン
ジン1の排気管14に配置されており、排気ガス中のH
C、CO、NOxなどの成分の浄化を行う。排気管14
の三元触媒15の上流側には空燃比センサとしてのO2
センサ(酸素濃度センサ)16が装着されており、この
O2センサ16は排気ガス中の酸素濃度を検出し、その
検出値に応じた電気信号をECU5に供給する。
【0014】また、ECU5は、上述した各種センサか
らの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定レベルに
修正し、アナログ信号値をディジタル信号値に変換する
等の機能を有する入力回路5a、中央演算処理回路(以
下、CPUという)5b、CPU5bで実行される各種
演算プログラム及び演算結果などを記憶する記憶手段5
c、前記燃料噴射弁6等に駆動信号を供給する出力回路
5d等から構成される。
【0015】CPU5bは、上述の各種エンジンパラメ
ータ信号に基づいて種々のエンジン運転状態に基づく周
知の燃料噴射制御、点火時期制御と共に、失火検出処理
及び失火要因特定処理を実行する。
【0016】次に上記構成からなる内燃機関において、
失火を検出する失火検出処理及びその失火の発生要因を
特定する失火要因特定処理について、図2〜図7を参照
して説明する。なお、本実施形態において、ECU5は
失火検出手段並びに失火要因特定手段を構成する。
【0017】図2に、エンジン1の失火を検出するプロ
グラム(CPU5bで実行される)のフローチャートを
示す。同図(a)は、上述の信号パルスCRKの発生毎
にこれと同期して実行されるCRK処理であり、本処理
では信号パルスCRKの発生時間間隔(エンジン回転数
の逆数に比例するパラメータ)の平均値(以下「第1の
平均値」という)TAVEの算出を行う(ステップS
1)。同図(b)は、上述の信号パルスTDCの発生毎
にこれと同期して実行されるTDC処理であり、本処理
ではCRK処理で算出される第1の平均値TAVEの平
均値(以下「第2の平均値」という)Mの変化量ΔMが
算出され(ステップS2)、このΔMに基づいてエンジ
ン1における失火の発生の有無が判定され(ステップS
3)、更に失火の発生要因が特定される(ステップS
4)。
【0018】まず、上述した第1の平均値TAVEを算
出する処理であるCRK処理について図3を参照して説
明する。ステップS11では、信号パルスCRKの発生
時間間隔CRMe(n)が計測される。具体的には、図
4に示すようにクランク軸が30度回転する毎に順次C
RMe(n),CRMe(n+1),CRMe(n+
2)…が計測される。続いて、ステップS12では、次
式(1)により11回前の計測値CRMe(n−11)
から最新の計測値CRMe(n)までの12個のCRM
e値の平均値として、第1の平均値TAVE(n)が算
出される。ここで、第1の平均値TAVE(n)は次式
(1)にて与えられる。
【数1】
【0019】本実施形態では、信号パルスCRKはクラ
ンク軸が30度回転する毎に発生するため、第1の平均
値TAVE(n)はクランク軸1回転に対応する平均値
である。このような平均化処理を行うことにより、クラ
ンク軸1回転で1周期のエンジン回転の1次振動成分、
即ち、クランク角センサ11を構成するパルサ又はピッ
クアップの機械的誤差(製造誤差、取付誤差等)による
ノイズ成分を除去することができる。なおTAVE
(n)値に基づいてエンジン回転数NEが算出される。
【0020】次に、図5に図2(b)のステップS2で
実行されるΔMを算出するプログラムのフローチャート
を示す。図5において、ステップS21では、第1の平
均値TAVEの5回前の算出値TAVE(n−5)から
最新の算出値TAVE(n)までの6個のTAVE値の
平均値として第2の平均値M(n)が算出される。第2
の平均値M(n)は次式(2)にて与えられる。
【数2】 なお、本実施形態では、エンジン1は4気筒4サイクル
エンジンであり、クランク軸が180度回転する毎にい
ずれかの気筒で点火が行われる。従って、第2の平均値
(n)は、第1の平均値TAVE(n)の点火周期毎の
平均値である。このような平均化処理を行うことによ
り、燃焼によるエンジン回転のトルク変動分として表わ
される2次振動成分、即ち、クランク軸半回転周期の振
動成分を除去することができる。
【0021】続いてステップS22では、第2の平均値
M(n)のハイパスフィルタ処理が行われる。ハイパス
フィルタ処理後の第2の平均値FM(n)は次式(3)
にて与えられる。なお、ハイパスフィルタ処理後の第2
の平均値をFM(n)とする。 FM(n)=b(1)×M(n)+b(2)×M(n−1)+b(3)×M(n −2)−a(2)×FM(n−1)−a(3)×FM(n−2)…(3) ここで、b(1)〜b(3),a(2),a(3)はフィ
ルタ伝達係数であり、それぞれ例えば0.2096,−
0.4192,0.2096,0.3557,0.1940
に設定される。またFM(0)及びFM(1)はいずれ
も値0として、値2以上のnについて式(3)が適用さ
れる。
【0022】このハイパスフィルタ処理により、M
(n)値に含まれる約10Hz以下の低周波成分が除か
れ、駆動系からエンジンに伝わる振動(例えばクランク
シャフトのねじりに起因する振動、タイヤから伝わる路
面振動等)の影響を除去することができる。
【0023】続くステップS23では、ハイパスフィル
タ処理された第2の平均値FM(n)の変化量ΔM
(n)が次式(4)により算出される。 ΔM(n)=FM(n)−FM(n−1)…(4) なお、ハイパスフィルタ処理された後の第2の平均値F
M(n)は、M(n)値と極性が反転する。このため、
エンジン1で失火が発生した場合には、M(n)値は増
加するのでFM(n)値はマイナス方向に増加し、ΔM
(n)値もマイナス方向に増加する傾向を示す。
【0024】続いて図6に、図2(b)のステップS3
で実行される失火判定及び失火気筒判別を行うプログラ
ムのフローチャートを示す。ステップS31では、モニ
タ実施条件、即ち失火判定が実行可能か否かの判定が行
われる。モニタ実施条件は、例えば、エンジン運転状態
が定常的な状態にあり、かつエンジン水温TW、吸気温
TA、エンジン回転数NE等が所定範囲内にあるとき成
立する。
【0025】ステップS31において、モニタ実施条件
が不成立と判定された場合には、直ちに本プログラムを
終了する。一方、モニタ実施条件が成立していると判定
された場合には、ステップS32において、前記変化量
ΔMが負の所定値である失火判定閾値MSLMTより小
さいか否か(|ΔM|が|MSLMT|よい大きいか否
か)が判定される。ここで、失火判定閾値MSLMT
は、エンジン回転数NE及びエンジン負荷(吸気管内絶
対圧PBA)に応じて設定されたマップから読み出され
る。失火判定閾値MSLMTの絶対値は、エンジン回転
数NEが増加するほど小さくなるように設定され、エン
ジン負荷が増加するほど大きくなるように設定されてい
る。
【0026】ステップS32においてΔM≧MSLMT
が成立すると判定された場合には、直ちに本プログラム
を終了する。一方、ステップS32においてΔM<MS
LMTが成立すると判定された場合には、ステップS3
3へ進み、前回点火した気筒で失火が発生したと判定さ
れる。これは、失火が発生した場合にはΔM(n)値が
マイナス方向に増加することからこのように判定され
る。また、前回点火気筒で失火発生と判定するのは、ハ
イパスフィルタ処理によって遅れ分が発生するからであ
る。
【0027】続いて図7に、図2(b)のステップS4
で実行される失火要因判断処理のフローチャートを示
す。まず、ステップS41では、前回点火気筒で1サイ
クル前に失火が検出されたか否かが判定される。この結
果、前回点火気筒で1サイクル前に失火が検出されてい
なかった場合には、直ちにプログラムを終了する。
【0028】一方、前回点火気筒で1サイクル前にも失
火が検出されていた場合には、ステップS42へ進み、
前回点火気筒で本サイクルに失火が検出されたか否かが
判定される。この結果、前回点火気筒で本サイクルにお
いても失火が検出されていた場合には直ちにプログラム
を終了する。一方、ステップS42で、前回点火気筒で
本サイクルにおいて失火が検出されなかった場合には、
ステップS43へ進み、本サイクルでO2センサ16に
よって検出された空燃比がリーンか否かが判定される。
なお、O2センサ16は酸素濃度を検出するセンサであ
り、このO2センサ16によって検出された酸素濃度が
理論空燃比よりも高かった場合に、空燃比がリーンであ
ると判定される。
【0029】ところで、失火が発生する要因は多々ある
が、基本的には燃料系異常と点火系異常とに大別するこ
とができる。燃料系としては燃料を噴射する燃料噴射弁
6等が挙げられる。また、点火系としては点火プラグ1
9や、点火コイル18等が挙げられる。
【0030】本実施形態ではインマニ内噴射であるた
め、燃料を噴射すると噴射した燃料の一部が吸気管2の
壁面に付着してしまう。そして、次のサイクルにおいて
燃料噴射が再び行われた時に、壁面に付着していた燃料
と、今回噴射された燃料とが気筒に供給される。このよ
うに、気筒には壁面に付着していた燃料と今回噴射され
た燃料とが供給される。
【0031】ここで、ある気筒において燃料系に異常が
発生し、今回燃料噴射が行われなかった場合について考
える。この場合、燃料噴射弁6からの燃料供給がなくな
るものの、吸気管2の壁面に付着した燃料は気筒に供給
される。しかしながら、壁面に付着していた燃料は燃焼
できるほどの燃料量ではないため結果的には失火する。
これにより上述の失火検出処理によって、失火が検出さ
れる。そして、次の燃料噴射サイクルで燃料供給が正常
に行われたとする。しかしながら、気筒には壁面に付着
した燃料分減少した燃料量が供給される。このため、本
サイクルでO2センサ16により検出される空燃比は理
論空燃比に比べリーンになる。
【0032】一方、点火系異常により失火が発生した場
合には、1回の燃焼にのみ寄与する。即ち、今回失火が
発生したとしても、次回の点火には何の影響も及ぼさな
い。上述した理由から、失火が検出された次の点火サイ
クルにおける空燃比に基づいて、前回の失火の発生要因
が、燃料系の異常であったのか、または点火系の異常で
あったのかを特定することが可能となる。
【0033】そこで、図7のステップS42において、
空燃比がリーンであると判定された場合には、ステップ
S43に進み燃料系の異常と特定し、また空燃比がリー
ンでないと判定された場合には、ステップS44に進み
点火系の異常と特定する。このようにステップS43及
びステップS44において失火発生要因が特定される
と、ECU5内の記憶手段5cに、失火が発生した気筒
の情報と、失火発生要因とが記憶され、プログラムを終
了する。
【0034】なお、空燃比がリーンであるか否かは、上
述したO2センサ16によって検出された空燃比が理論
空燃比に比べて高いか否かを比較することにより、判定
できるとともに、この時のΔM(図2(b)のステップ
S2において算出される値であり、空燃比に関連するパ
ラメータ)が失火判定閾値(MSLMT)よりも小さい
燃料系失火判別値を超えたか否かを比較することによっ
ても、同様にリーンの判定は可能である。即ち、ΔMが
燃料系失火判別値よりも大きかった場合は、空燃比がリ
ーンであると判定して、この時の失火要因は燃料系異常
であると特定され、一方、ΔMが燃料系失火判別値より
も小さかった場合は、空燃比がリーンでないと判定さ
れ、失火要因は点火系異常であると特定される。なお、
点火系異常の場合は、ΔMの値は燃料系異常の失火時よ
りも著しく小さくなる。このため、燃料系判別値は、失
火判定閾値MSLMTよりも小さく、また点火系異常の
場合に検出されるΔMよりも大きな値に設定される。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の内燃機関
の失火検出装置によれば、内燃機関に燃料を供給する燃
料供給手段と、内燃機関の空燃比に関連するパラメータ
を検出する空燃比検出手段と、内燃機関の失火を検出す
る失火検出手段と、失火検出手段により失火が検出され
た気筒において、失火検出時の次の燃焼タイミングにお
ける空燃比に関連するパラメータに基づいて失火の発生
要因を特定する失火要因特定手段とを有する。
【0036】このような構成により、簡単に失火の発生
要因を特定することができる。また、新たに失火要因特
定のためのセンサなどを設ける必要がないため、簡単に
且つ低コストで失火の要因特定を実現することができる
という効果が得られる。
【0037】また、請求項2に記載の発明によれば、失
火要因特定手段は、失火検出手段により失火が検出され
た気筒において、失火検出時の次の燃焼タイミングにお
ける空燃比に関連するパラメータが理論空燃比よりリー
ンであった場合に失火の発生要因が燃焼系の異常である
と特定し、空燃比に関連するパラメータが理論空燃比よ
りリーンでなかった場合に、失火の発生要因が点火系の
異常であると特定する。このように、空燃比に関連する
パラメータにより失火の発生要因を特定するので、様々
な解析を行い、失火の発生要因を特定するという手間を
省略することができるため、修理時間を著しく短縮でき
るという効果が得られる。
【0038】また、請求項3に記載の発明によれば、失
火要因特定手段は、空燃比に関連するパラメータが失火
判定閾値よりも小さい燃料系失火判別値を超えた場合
に、失火の発生要因は燃料系の異常であると特定し、空
燃比に関連するパラメータが燃料系失火判別値以下であ
った場合に、失火の発生要因は点火系の異常であると特
定する。このように、空燃比に関連するパラメータによ
り失火の発生要因を特定するので、様々な解析を行い、
失火の発生要因を特定するという手間を省略することが
できるため、修理時間を著しく短縮できるという効果が
得られる。
【0039】また、請求項4に記載の発明によれば、失
火検出手段によって検出された失火発生気筒及び失火要
因特定手段によって特定された失火発生要因を記憶する
記憶手段を有するので、記憶部に格納されている失火発
生気筒及び失火発生要因の情報を読み出すことにより、
容易に故障箇所の特定を行うことができ、修理時間を著
しく短縮することが可能となるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態による内燃機関及びそ
の制御装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】 同実施形態における失火検出処理及び失火要
因特定処理のプログラムの概略を示すフローチャートで
ある。
【図3】 同実施形態における失火検出処理の一部を示
すフローチャートである。
【図4】 エンジン回転数を表わすパラメータの計測と
クランク軸の回転角度との関係を説明するための図であ
る。
【図5】 失火検出処理におけるパラメータの算出処理
を詳細に示すフローチャートである。
【図6】 失火検出処理を詳細に示すフローチャートで
ある。
【図7】 失火要因特定処理を詳細に示すフローチャー
トである。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関) 5 ECU 5c 記憶手段 6 燃料噴射弁(燃料供給手段) 11 クランク角センサ 12 TDCセンサ 16 O2センサ 19 点火プラグ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 磯部 高志 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 仁木 学 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 岩本 崇 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 2G087 AA01 BB14 BB21 BB25 EE16 EE23 FF39 3G084 BA09 BA16 DA27 EA11 EB08 EB22 EB25 FA02 FA11 FA20 FA24 FA26 FA29 FA38 FA39

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関に燃料を供給する燃料供給手段
    と、 該内燃機関の空燃比に関連するパラメータを検出する空
    燃比検出手段と、 該内燃機関の失火を検出する失火検出手段と、 該失火検出手段により失火が検出された気筒において、
    該失火検出時の次の燃焼タイミングにおける前記空燃比
    に関連するパラメータに基づいて失火の発生要因を特定
    する失火要因特定手段と、 を具備することを特徴とする内燃機関の失火検出装置。
  2. 【請求項2】 前記失火要因特定手段は、前記失火検出
    手段により失火が検出された前記気筒において、該失火
    検出時の次の燃焼タイミングにおける前記空燃比に関連
    するパラメータが理論空燃比よりリーンであった場合に
    は、失火の発生要因は燃料系の異常であると特定し、前
    記空燃比に関連するパラメータがリーンでなかった場合
    には、前記失火の発生要因は点火系の異常であると特定
    することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の失火
    検出装置。
  3. 【請求項3】 前記失火要因特定手段は、前記空燃比に
    関連するパラメータが失火判定閾値よりも小さい燃料系
    失火判別値を超えた場合に、失火の発生要因は燃料系の
    異常であると特定し、前記空燃比に関連するパラメータ
    が前記燃料系失火判別値以下であった場合に、前記失火
    の発生要因は点火系の異常であると特定することを特徴
    とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の失火
    検出装置。
  4. 【請求項4】 前記失火検出手段によって検出された失
    火発生気筒及び前記失火要因特定手段によって特定され
    た失火発生要因を記憶する記憶手段を具備することを特
    徴とする請求項1〜請求項3のいずれかの項に記載の内
    燃機関の失火検出装置。
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