JP2001323627A - 壁構造、壁材を用いた照明具カバー及び壁材を用いたカンバス - Google Patents

壁構造、壁材を用いた照明具カバー及び壁材を用いたカンバス

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JP2001323627A
JP2001323627A JP2001020578A JP2001020578A JP2001323627A JP 2001323627 A JP2001323627 A JP 2001323627A JP 2001020578 A JP2001020578 A JP 2001020578A JP 2001020578 A JP2001020578 A JP 2001020578A JP 2001323627 A JP2001323627 A JP 2001323627A
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Takao Nishizawa
多嘉夫 西澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の壁は個性や面白みがない。 【解決手段】 本発明の壁構造では、下地材の上にスサ
入りの壁材を盛付けて表面を凸凹のままとしたり、スサ
入りの壁材を吹き付けたり、表面に現れたスサを焼いた
り、表面に装飾材や装飾具を取り付けり、露出させた
り、表面にスサをヒゲ状に立ち上げたり、意図的にひび
割れを形成したり、表面に下地材の模様を浮かび上がら
せたり、サンドブラストによって文字や模様を描いた
り、所望の素材の押し跡を付けたり、和紙の繊維や顔料
を付着させたりして、従来にない個性的で表情豊かな壁
とした。本発明の照明具カバーでは、網の表面に、全て
の網目が閉塞されないように壁材を塗って、未閉塞の網
目から光が漏れ出るようにした。本発明のカンバスで
は、壁材の表面に絵を描けるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明の一つは住宅、工場、
ビル等の様々な建物に使用される壁の構造に関するもの
である。本発明の他の一つは、電球や蛍光灯といった各
種光源の外側に被せられる照明具カバーに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】壁についても、照明具カバーについても
各種素材を用いた各種構造のものが開発され、実用化さ
れている。また、カンバスは麻または木綿の布地に膠ま
たはカゼインなどを塗り、更に亜麻油・亜鉛華・密陀僧
などをまぜて塗ったものが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の壁の多くは表情
や面白みに乏しい。特に、土壁はコンクリート壁等に比
べて環境に優しく、またそれ自体が呼吸することによっ
て空気中の汚れや臭気を吸着除去する洗浄効果があり、
さらには夏は涼しく、冬は暖かいといった各種利点があ
る一方で、下地材の上に塗られた土壁材の表面が鏝によ
って平滑面状に整えられただけで、表情や面白みに乏し
いため、表面材として利用されにくいといった課題があ
った。
【0004】本発明の目的は、表情豊かで面白みがある
壁を実現可能な壁構造を提供することにある。本発明の
他の目的は、従来照明具カバーに使用されることがなか
った壁材を使用し、独自の風合いと表情を持った照明具
カバーを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本件出願の第1の壁構造
は、下地材の上にスサが混入された壁材を盛付け、その
表面を均すことなく凸凹のままとし、且つ同表面に壁材
に混入されているスサを露出させるか、又は同表面から
突出させたものである。
【0006】本件出願の第2の壁構造は、下地材の上に
スサが混入された壁材を盛付け、その表面を平滑になら
ない程度に粗く鏝で均し、且つ同表面に壁材に混入され
ているスサを露出させるか、又は同表面から突出させた
ものである。
【0007】本件出願の第3の壁構造は、下地材の上に
スサが混入された壁材を吹き付けることによって、その
表面を鏝塗りの場合に比べて粗とし、且つ同表面に壁材
に混入されているスサを露出させるか、又は同表面から
突出させたものである。
【0008】本件出願の第4の壁構造は、下地材の上に
スサが混入された壁材を吹き付けることによって、その
表面を鏝塗りの場合に比べて粗とし、且つ同表面に壁材
に混入されているスサを露出させるか、又は同表面から
突出させ、その壁材が半乾きのうちにその上に、同壁材
と同種又は異種の壁材を前記と同様に吹き付けて重ね、
これを所望回数繰り返してなるものである。
【0009】本件出願の第5の壁構造は、前記第1乃至
第5のいずれかに記載の壁構造において、壁材の表面に
露出又は突出しているスサを焼き、焼け焦げたスサを表
面に現わしたものである。
【0010】本件出願の第6の壁構造は、下地材の上に
壁材を鏝塗りし、又は吹付け、その壁材の表面に土、
石、ガラス、陶器、磁器、金属、植物、簾、葦簾、縄、
畳表等の所望の装飾材をそれらが同表面に露出するよう
に埋め込んだものである。
【0011】本件出願の第7の壁構造は、下地材の上に
石、ガラス、陶器、磁器、金属等の所望の装飾材が混入
された壁材を鏝塗りし、又は吹付け、その壁材が半乾き
のうちに表層部分の全部又は一部を除去して前記装飾材
を壁材の表面に露出させたものである。
【0012】本件出願の第8の壁構造は、下地材の上に
壁材を鏝塗りし、又は吹付け、この壁材の乾燥後にその
表面に粘着テープを貼付け、その上に再度壁材を重ね鏝
塗りし、又は吹付け、重ね塗りされた壁材が半乾きのう
ちに前記粘着テープは剥がして、壁材の表面に同壁材に
混入されているスサを立ち上がらせたものである。
【0013】本件出願の第9の壁構造は、下地材の上に
硅砂が混入されていない壁材を鏝塗り、又は吹付けるこ
とによって、同壁材の乾燥に伴ってその表面に天然のひ
び割れを形成したものである。
【0014】本件出願の第10の壁構造は、下地材の上
に壁材を鏝塗りし、又は吹付け、この壁材が生乾きのう
ちにその表面に糸、針金等の線材を貼り付け、壁材が半
乾きになったら前記線材を引き剥がして当該壁材の表面
に人工的なひび割れを形成したものである。
【0015】本件出願の第11の壁構造は、下地材の上
に壁材を鏝塗りし、又は吹付け、この壁材の表面に糸、
針金等の線材を貼り付け、その上から再度壁材を鏝塗り
し、又は吹付け、重ね塗りされた壁材が半乾きになった
ら前記線材を同壁材の下から取り出すことによって、壁
材の表面に人工的なひび割れを形成したものである。
【0016】本件出願の第12の壁構造は、下地材の上
に鏝塗りされた、又は吹付けられた壁材の表面に、下地
材の天然の木目模様又は下地材の表面に松油によって描
かれた所望の文字や模様を浮かび上がらせたものであ
る。
【0017】本件出願の第13の壁構造は、下地材の上
に壁材を鏝塗りし、又は吹付け、同壁材が乾燥した後
に、その表面にサンドブラストによって所望の文字や模
様を描いたものである。
【0018】本件出願の第14の壁構造は、下地材の上
に壁材を鏝塗りし、又は吹付け、この壁材が生乾きのう
ちにその表面に石、ガラス、陶器、磁器、金属、植物、
簾、葦簾、縄、畳表等の所望の素材を押し付けて、壁材
の表面にこれらの押し跡を付けたものである。
【0019】本件出願の第15の壁構造は、下地材の上
に壁材を鏝塗りし、又は吹付け、この壁材の表面に土を
所望の形状に成形してなる装飾具を取り付けたものであ
る。
【0020】本件出願の第16の壁構造は、表面に壁材
が鏝塗りされた、又は吹付けられたボードで水面に浮い
ている和紙の繊維を漉き取って、同繊維を前記壁材の表
面に付着させてなる壁ボードを所望枚数並べてなるもの
である。
【0021】本件出願の第17の壁構造は、表面に壁材
が鏝塗りされた、又は吹付けられたボードで水面に浮い
ている顔料を掬い取って、同顔料を前記壁材の表面に付
着させてなる壁ボードを所望枚数並べてなるものであ
る。
【0022】本件出願の第18の壁構造は、下地材の上
に、樹脂にスサを混入してなる壁材を吹き付け、壁材の
表面に同壁材に混入されているスサを露出させるか、又
は同表面から突出させたものである。
【0023】本件出願の第19の壁構造は、前記第19
記載の壁構造において、壁材に土、硅砂、水、接着剤、
保水剤の全部又は一部が混入されているものである。
【0024】本件出願の第20の壁構造は、下地材の上
に生石灰粉が混入された壁材を鏝塗りし、又は吹き付け
たものである。
【0025】本件出願の第21の壁構造は、下地材の上
に、接着剤にスサを混入してなる壁材を鏝塗りし、又は
吹き付けたものである。
【0026】本件出願の第22の壁構造は、下地材の上
に植物の種子が混入された壁材を鏝塗りするか吹き付け
るかし、又は下地材の上に鏝塗りするか吹き付けるかし
た壁材に植物の種子を埋め込み、壁材の表面に前記種子
から発芽した植物が現われるようにしたものである。
【0027】本件出願の壁材を用いた照明具カバーは、
所望の形状に成形した網の表面に、全ての網目が閉塞さ
れることがないように壁材を鏝塗りし、又は吹付けて、
閉塞されていない網目から光が漏れ出るようにしたもの
である。
【0028】本件出願の壁材を用いたカンバスは、所望
の形状及び寸法に形成したボードの表面に壁材を鏝塗り
し、又は吹き付け、その壁材の表面に顔料、墨、塗料と
いった画材によって絵を描けるようにしたものである。
【0029】
【発明の実施の形態】(実施形態1)本発明の壁構造の
第1の実施形態を図1〜図3に基づいて詳細に説明す
る。本実施形態に示す壁構造は図1(a)(b)に示す
ように、下地材1の上に木鏝又は金鏝を用いてスサ2が
混入されている壁材3(土壁材3)を盛付け、その表面
4を鏝で整えることなく凸凹のままとし、又は図2に示
すように鏝で平滑にならない程度に粗く均し、何れの場
合もその表面4に土壁材3に混入されている前記スサ2
が露出するか、又は表面4から突出するようにしたもの
である。これによって、表面4の凸凹と、そこに現れた
スサ2との相乗効果によって従来の土壁にはない独自の
風合を持った表情豊かな土壁となる。
【0030】図1、図2に示す下地材1は打放しのコン
クリート壁である。この場合、コンクリート壁1の表面
のレイタンス(表面に浮き出た不純物)や埃を水洗いや
ブラッシング等によって除去してから同コンクリート壁
1の表面に水溶性の吸い込み防止剤(例えば菊水化学工
業株式会社製のシーラー(商品名))を刷毛塗り又は吹
き付け塗布してから土壁材3を塗る。尚、図3に示すよ
うにコンクリート壁1の表面に不陸と呼ばれる凹部20
がある場合には、その凹部20に接着剤(例えば日本プ
ラスター株式会社製のNPシーラック(商品名))を塗
布して凹20を埋め、さらにその上から薄塗補修剤(例
えば日本プラスター株式会社製のNPウスヌリ(商品
名))と水を混練りしたものを塗って不陸整正を行って
から前記吸い込み防止剤を塗布することが望ましい。
【0031】前記土壁材3は、土(20kg)、硅砂(65k
g)、スサ(3.5kg)、接着剤(3kg)、保水剤(90g)、
水(14kg)を混練りしてなるものである。前記土は不純
物の少ない粘土質の天然土である。この場合、天然土の
中にはダマと呼ばれる土の塊が存在し、このまま土壁材
3として使用するとそのダマが土壁の表面に絣となって
現れ美観を損ねる。従って、天然土を強制乾燥させてか
ら篩にかけるか、水を廻して篩にかけるか、水を加えて
混練りして軟らかくしてからペレットマシーン或いはモ
ルタルポンプを使用して直径0.2〜5.0mmの孔から天然土
を押出すかしてダマを除去することが望ましい。尚、モ
ルタルポンプを使用する場合は、その出口に前記直径の
孔が開口された網を設置し、その網目からポンプの圧力
で天然土を押出してダマを除去する。
【0032】前記硅砂とは天然山砂を水洗いしてから乾
燥させたものであり、粒度(粒径)によって表1のよう
に7種類に分類されている。このうち、本実施形態では
4号と5号の硅砂を所定の比率で混合して使用した。
尚、混合比を変えることによって土壁の表面に現れる紋
様を異ならせることができる。また、硅砂の産地には特
に限定はないが、岩手県産、山形県産、福島県産、愛知
県産のものが望ましい。
【0033】
【表1】
【0034】前記スサ2とは土壁の収縮・膨張によるひ
び割れを防止するためのつなぎであり、収穫した後しば
らく寝かせた麦藁や米藁を長さ2.0〜70mmに切断し、
揉みほぐしたものである。このスサ2は長さや太さによ
って表2のように分類され、これら数種類のスサ2を使
い分けることによって土壁の表面に表情の異なる様々な
紋様を形成することができる。
【0035】
【表2】
【0036】前記接着剤は、土壁材3を構成する土、硅
砂、スサ等の各材料同士の結合を強めて土壁の表面剥離
を防止するためのものであり、本実施形態では一例とし
て日本プラスター株式会社製のNPシーラック(商品
名)を使用した。また、前記保水剤は土壁に適度な水分
を保持させてひび割れ防止するためのものであり、本実
施形態では一例として信越化学工業株式会社製のメトロ
ーズ(商品名)を使用した。
【0037】土壁材3を構成する前記各材料の量は任意
に決定することができるが、スサ2として前記表2中の
京微塵スサ(キビスサ)又はヒダシスサ(ウグイスス
サ)を用いた場合は、土(20kg)、硅砂(30〜50kg)、
接着剤(3.0〜3.5kg)、保水剤(90g)に適量の水を加
えることが望ましい。また、スサ2として前記表2中の
揉みヅタ(モズスサ)又はスサ(ツルスサ)を用いた場
合は、前記硅砂を50〜60kgとし、その他は前記と同量と
するのが望ましい。
【0038】(実施形態2)本発明の壁構造の第2の実
施形態を図4(a)(b)に基づいて詳細に説明する。
本実施形態に示す壁構造も前記実施形態1と同様に、壁
材として土壁材を使用した土壁の構造に関するものであ
る。具体的には、従来、下地材1の上に鏝塗りされてい
た土壁材3を下地材1の上に吹き付けることによって、
図4(a)(b)に示すように、土壁材3の表面4に微
細な凹凸を多数均一に形成して鏝塗りの場合に比べて表
面4を粗とし、且つ同表面4に土壁材3に混入されてい
るスサ2を露出させるか、又は同表面4から突出させた
ものである。これにより、鏝塗りの場合は土壁材が鏝で
押えられるのでその表面が平滑で、スサも寝易い(倒れ
て土壁材内部に押し込まれ易い)のに対し、本実施形態
に示す壁構造では、図4(b)に示す通り、微細な凹凸
が均一に形成された表面4にスサ2が浮き立って、鏝塗
りによっては得られない独自の風合いを持つ質感の高い
土壁となる。
【0039】前記土壁材3は土(20kg)、硅砂(50〜60
kg)、キビスサ(1.5kg)、接着剤(2.5〜3.5kg)、保
水剤(90g)、水(17kg)を混練りしたものである。ま
た、吹付け機のノズル口径は6〜15mm、圧搾空気圧は5〜
10MPとした。尚、前記ノズル口径を変えたり、土壁材
3に混入するスサ2の種類を変えたり、数種類のスサ2
を混合したりすることによって土壁の表面に多種・多様
な紋様を形成することができる。
【0040】前記土壁材3として例えば次の(1)又は
(2)の土壁材3を使用することもできる。図5(a)
(b)に下記(1)の土壁材3を使用した場合を、図6
(a)(b)に下記(2)の土壁材3を使用した場合を
示す。尚、何れの土壁材3を吹付ける場合もノズル口径
は6.0〜15mm、圧搾空気圧は5〜6MPが望ましい。
(1)土(20kg)、硅砂(50〜65kg)、ウグイススサ
(1.5kg)、接着剤(2.5〜3.5kg)、保水剤(90g)、水
(17kg)を混練りした土壁材3(2)土(20kg)、硅砂
(50〜65kg)、モズスサ又はツルスサ(1kg)、接着剤
(2.5〜3.5kg)、保水剤(90g)、水(14kg)を混練り
した土壁材3
【0041】図4(b)〜図6(b)に示すように、前
記各種の土壁材3を吹付けた場合に同土壁材3の表面4
に形成される凹凸及び同表面4に現れるスサ2の大きさ
は、本実施形態において使用した土壁材3を使用した場
合が最も小さく、以下前記(2)の土壁材3、前記
(1)の土壁材3を使用した場合の順で次第に大きくな
る。
【0042】(実施形態3)本発明の壁構造の第3の実
施形態を図7(a)(b)に基づいて説明する。本実施
形態に示すこの壁構造の基本構成は前記実施形態2に示
すものと同一である。異なるのは、図7(a)(b)に
示すように、下地材1の上に吹き付けた土壁材3が半乾
きのうちにその上に、同種の土壁材3、又は土、硅砂、
スサ等の種類を異ならせたり、これらの配合比率を異な
らせたりした異種の土壁材3を重ねて吹き付け、これを
所望回数(本実施形態では2回)繰り返したものであ
る。この場合、図7(a)(b)に示すように土壁材3
の表面4が玉吹き状態となり、吹き付けが1回のときに
比べてさらに質感の高い土壁となる。この場合も土壁材
3の表面4に形成される凹凸及び同表面4に現れるスサ
2の大きさは、モズスサ又はツルスサが混入された土壁
材3を使用した場合が最も大きく、以下、ウグイススサ
が混入された土壁材3、キビスサが混入された土壁材3
の順で次第に小さくなる。尚、図7(a)(b)に示す
のはウグイススサを使用した場合である。
【0043】(実施形態4)本発明の壁構造の第4の実
施形態を説明する。本実施形態に示す壁構造は前記実施
形態1〜実施形態3の壁構造において、土壁材3の表面
4に露出又は突出しているスサ2をバーナーで焼くこと
によって、焼け焦げたスサ2を土壁の表面に露出させた
ものである。これによって、天然のスサ2とは全く異な
る色合いのスサ2が表面に現れ、独自の表情を持った土
壁となる。尚、スサ2をバーナーで焼いた後に、燃え残
った余分なスサ2の燃えカスは刷毛等で払い落とすこと
が望ましい。
【0044】(実施形態5)本発明の壁構造の第5の実
施形態を図8(a)(b)に基づいて説明する。本実施
形態に示す壁構造は、図8(b)に示すように、下地材
1の上に土壁材3(下塗り材30)を塗り、その表面4
を鏝で平滑面状に整え、これが半乾きのときに、その上
から装飾材5(石5)が混入された土壁材3(上塗り材
31)を重ね塗りし、これが半乾きのときに上塗り材3
1の表層部分を櫛、金ブラシ、釘等で掻き落したり、上
塗り材31の表面4に向けて砂を高圧で吹き付けてその
表層部分を削り取ったりして(サンドブラストして)、
同図(a)(b)に示すように、上塗り材31に混入さ
れている石5をその表面4に露出させたものである。こ
れによって、表面4の土壁材3の質感、そこに現れるス
サ2及び石5が相俟って、従来の土壁にはない独自の表
情の土壁となる。尚、図8(b)に示す下塗り材30は
上塗り材31に比べて薄塗であるが、上塗り材31と同
厚とすることもできる。
【0045】前記下塗り材30は土(20kg)、硅砂(50
kg)、キビスサ(1.5kg)、接着剤(2.5kg)、保水剤
(90g)、水(12kg)を混練りしたものであり、上塗り
材31は土(20kg)、硅砂(50〜65kg)、スサ(1.5k
g)、石(30kg)、接着剤(3〜4kg)、保水剤(90g)、
水(12kg)を混練りしたものである。このようにスサ2
が混入された土壁材3(30、31)を使用すること
で、表面4に露出したスサ2と石5の相乗効果によっ
て、他にはない独自の表情の土壁となる。尚、土壁材3
(30、31)の各材料の詳細については前記実施形態
1に示した通りである。また、土壁材3(30、31)
に混入するスサ2は前記表2に示す他のスサ2に変える
こともでき、これによって土壁の表情を異ならせること
ができる。
【0046】前記石5は、天然石又は天然砕石を篩分け
した直径2.5〜6.0mmの略球形の石である。もっとも、
装飾材5は石以外に、土砂、ガラス、陶器、炭、粉炭、
和紙、銅線、鉄線、ステンレス線、ガラス線、藁、縄、
葦簾、簾、ござ、麦、稲穂、植物の花・葉・茎・幹、木
の皮、竹、ガーゼ、麻布、寒冷沙等の所望のものを選択
することができ、それらの形状も棒状、球状、リング
状、板状、螺旋状等の所望の形状とすることができる。
また、装飾材5は一種類のみでも、多種類のものを任意
に組み合わせて使用してもよい。
【0047】図8(a)(b)では土壁材3(上塗り材
31)の表層部分をほぼ均一に掻き落したが、図9
(a)(b)に示すように部分的にのみ掻き落したり、
削り取ったりすることもできる。この場合、掻き落した
り、削り取ったりする位置やその形状は任意に選択する
ことができる。また、図10(a)(b)に示すよう
に、上塗り材31の表面4に定規を当て、これに沿って
櫛や金ブラシを引いて同上塗り材31の表層部分を直線
的に掻き落すこともできる。さらに、図11に示すよう
に、上塗り材31が十分に乾燥(例えば10日以上乾燥
後)してからその表面4に所望の文字や模様が切り抜か
れたゴム製シート(図示しない)を貼り付け、この上か
らサンドブラストをかけた後に同ゴム製シートを除去す
ることによって、所望の文字や模様の通りに石5を露出
させることもできる。尚、図10(a)(b)では上下
方向に所定間隔で上塗り材31の表層部分を除去した
が、横方向に所定間隔で除去することもでき、また、一
部を横方向に、残りを縦方向に除去してもよく、格子状
に除去してもよい。
【0048】図8〜図10では土壁材3を下塗り材30
と上塗り材31の2層としたが、土壁材3は1層でも、
3層以上でもよい。但し、土壁材3を1層のみとする場
合は当該土壁材3に装飾材5を混入し、3層以上とする
場合は最外層に塗られる土壁材3に装飾材5を混入す
る。何れの場合も、露出した装飾材5の表面に透明塗料
(例えば菊水化学工業株式会社製のクリア(商品名))
を塗布すると長期間に亙って初期の色合いを保持するこ
とができ、特に装飾材5が植物の場合に効果的である。
【0049】本実施形態では装飾材5が混入された土壁
材3を塗り、この土壁材3の一部を後から掻き落して、
又は削り取って、そこに混入されている装飾材5を表面
4に露出させたが、装飾材5が混入されていない土壁材
3を塗り、これが生乾きのうちにその表面4に前記装飾
材5の全部又は一部を埋め込むこともできる。
【0050】(実施形態6)本発明の壁構造の第6の実
施形態を図12(a)(b)に基づいて説明する。本実
施形態に示す壁構造は同図に示すように、下地材1の上
に壁材3(土壁材3)を塗り、その表面4を鏝で整えて
平滑面状にしてから乾燥させ、乾燥後に同表面4に細長
帯状の粘着テープ(図示しない)を貼付け、そのテープ
の上に再度土壁材3を鏝塗りし又は吹付け、その表面4
を木鏝で整え、その後、土壁材3が半乾きになったとこ
ろで前記粘着テープを丁寧にゆっくりと剥がし取ること
によって、同テープの幅方向両外側の土壁材3に混入さ
れているスサ2を上方へ引っ張ってヒゲ状に立ち上がら
せたものである。これによって、従来、土壁材3の内部
に塗り込められていたスサ2が土壁の表面に一定間隔で
ヒゲ状に突出して、平滑面とそこからヒゲ状に立ち上が
ったスサ2とのコントラストが美しい土壁となる。尚、
土壁材3には前記各実施形態に示した土壁材3の何れか
を任意に選択して使用することができる。また、図12
では、縦方向に一定間隔で、且つ帯状にスサ2を立ち上
がらせたが、横方向に一定間隔でスサ2を立ち上がらせ
ることもでき、また、一部は横方向に一定間隔で、残り
は縦方向に一定間隔でスサ2を立ち上がらせたり、格子
状にスサ2を立ち上がらせたりすることもできる。さら
に、スサ2を立ち上がらせる間隔は一定でなく不規則で
あってもよく、また、帯状でなくてもよい。
【0051】図13(a)(b)に示すように、下地材
1の表面に突設された2本以上の凸条35の表面に粘着
テープを貼り、隣接する凸条35間の凹溝36内に同溝
36を埋めるように前記各実施形態に示す何れかの土壁
材3を塗り込み、さらに前記粘着テープの上にも同土壁
材3を塗ってからその表面を鏝で整え、その後、土壁材
3が半乾きになったところで、前記テープをゆっくりと
丁寧に剥がし取ることによって、凸条35の表面の幅方
向両外側にその長手方向に沿って土壁材3に混入されて
いるスサ2をヒゲ状に立ち上げることもできる。この場
合、粘着テープを剥離することで露出した凸部35の平
滑な表面とヒゲ状に立ち上がったスサ2とのコントラス
ト及び、土壁材3の色と凸部35の表面の色とのコント
ラストが美しい土壁となる。尚、図13では前記凸条3
5及び凹溝36の断面形状が共に矩形であるが、これら
の断面形状は矩形に限られない。例えば断面円弧状の凸
条と凹溝が繰り返されて、全体として波型の断面形状を
有する下地材1を使用することもできる。
【0052】本実施形態に示す壁構造では、粘着テープ
の上に土壁材を重ねる際に、その土壁材を吹き付けるの
ではなく、鏝塗りすることによってスサの立ち上がり具
合を調整することができる。具体的には、土壁材を鏝塗
りする際にその表面に現われたスサを同土壁材の内部に
押し込むようにして表面を整えるが、押し込みの程度を
変えることによって、顕著にスサが立ち上がった土壁か
ら殆どスサが立ちあがっていない土壁まで実現できる。
【0053】(実施形態7)本発明の壁構造の第7の実
施形態を図14(a)(b)に基づいて説明する。本実
施形態に示す壁構造は、下地材1の上に硅砂が混入され
ていない壁材3(土壁材3)を鏝塗りすることによっ
て、同図(a)(b)に示すように、土壁材3の乾燥に
伴ってその表面4を自然にひび割れさせたものである。
具体的には、土(20kg)、スサ(1.5kg)、接着剤(3k
g)、保水剤(90kg)、水(12kg)を混練りしてなる土
壁材3を使用した。尚、土壁材3は鏝塗りせずに吹付け
ることもできる。この場合は土壁材3に加える水の量を
鏝塗りの場合よりも多少増量(例えば2kg程度増量)す
ると、土壁材3が軟らかくなって吹付け易くなる。ま
た、前記土壁材に少量の硅砂を混入した土壁材を使用し
ても、同様のひび割れを形成することができる。この場
合、全く硅砂が混入されていない土壁材を使用した土壁
よりも表面強度が高く、且つ同表面に前記ひび割れが形
成された土壁を実現することができる。
【0054】(実施形態8)本発明の壁構造の第8の実
施形態を図15(a)(b)に基づいて説明する。本実
施形態に示す壁構造は、下地材1の上に鏝塗りした壁材
3(土壁材3)の表面4を平滑面状に整え、同土壁材3
が生乾きのうちにその表面4に線材(図示しない)を貼
り付け、土壁材3が半乾きになったところでその線材を
剥がし取ることによって、図15(a)(b)に示すよ
うに、土壁材3の表面4に人工的なひび割れ6を形成し
たものである。尚、土壁材3には土(20kg)、硅砂(50
kg)、スサ(1.5kg)、接着剤(2.5〜3.0kg)、保水剤
(90g)、水(12kg)を混練りしたものを使用した。前
記線材は、針金等の金属製の線材、釣り糸等のナイロン
製の糸、絹糸・木綿糸・凧糸・麻糸、毛糸等の天然繊維
や合成繊維の糸等の何れであってもよい。線材の配置、
太さ、長さ等を変えることによって様々なひび割れ6を
形成することが可能であることは勿論である。
【0055】(実施形態9)本発明の壁構造の第9の実
施形態を図16(a)(b)に基づいて説明する。本実
施形態に示す壁構造は、下地材1の上に鏝塗りした壁材
3(土壁材3)の表面4を平滑面状に整え、同土壁材3
が生乾きのうちにその表面4に線材を貼り付け、この上
に再度土壁材3を薄く鏝塗りし、この土壁材3が半乾き
になったところで、前記線材を当該土壁材3の下から取
り出すことによって、図16(a)(b)に示すよう
に、重ね塗りされた土壁材3の表面に人工的なひび割れ
6を形成したものである。尚、土壁材3には前記実施形
態8に示すものと同一の土壁材3を使用し、線材にも同
実施形態に示すものの何れをも使用することができる。
本実施形態に示す壁構造では図15に示すひび割れ6に
比べて幅広で、荒々しい印象のひび割れ6が形成され
る。尚、線材の上に重ね塗りされる土壁材3は鏝塗りせ
ずに吹付けることもできる。この場合も前記実施形態7
に示す理由から土壁材3に加える水を多少増量すること
が望ましい。
【0056】(実施形態10)本発明の壁構造の第10
の実施形態を図17に基づいて説明する。本実施形態に
示す壁構造は同図に示すように、下地材1の上に塗られ
た壁材3(土壁材3)が生乾きのうちに、その表面4に
笹の葉及び青竹を押し付けてこれらの押し跡7を付けた
ものである。勿論、笹の葉や青竹以外に石、ガラス、陶
器、磁器、金属、植物(植物の実、葉、茎、幹、枝等を
含む)、簾、葦簾、縄、畳表等の所望の素材(型押し
材)を土壁材3の表面に押し付けてこれらの押し跡7を
付けることもできる。
【0057】(実施形態11)本発明の壁構造の第11
の実施形態を図18に基づいて説明する。本実施形態に
示す壁構造は、同図に示すように、下地材1の上に鏝塗
りされた、又は吹付けられた壁材3(土壁材3)の表面
に、土を円筒形、半円筒形、円錐形、円錐台形、直方体
形、三角錐形、四角錐、台形、球形等の所望の形状に成
形してなる装飾具8を取り付けたものである。尚、図1
8では説明の便宜上、異なる形状の装飾具8を配置して
あるが、同一形状の装飾具8を配置したり、数種類の装
飾具8を任意に組み合わせて配置することもできる。装
飾具8の素材である土は、天然土に珪藻土と硅砂を混合
したものが望ましく、その成形は真空圧縮成形が望まし
い。この場合、土の軟度と強度が増加し、さらに吸放湿
性が向上する。尚、真空圧縮成形ではなく、真空圧縮し
た土を型成形その他の方法で所望の形状に成形した場合
にも同様の効果が得られる。
【0058】(実施形態12)本発明の壁構造の第12
の実施形態を説明する。本実施形態に示す壁構造は、松
脂による天然の木目模様を有する下地材、又は表面に松
脂によって所望の文字や模様を描いた下地材の上に壁材
(土壁材)を鏝塗りすることによって、その乾燥の進行
に伴って松脂成分が土壁材の表面に染み出して前記木目
模様、文字、模様が土壁の表面に浮かび上がるようにし
たものである。土壁材には前記各実施形態に示した土壁
材の何れかを任意に選択して使用することができる。ま
た、土壁材は鏝塗りせずに吹付けてもよい。
【0059】下地材に松脂で文字や模様等を描く場合
は、液状の松脂を用いることもできるが、松脂の固形物
に菜種油を加え、これを熱して溶かしたものを用いる
と、冷えても松脂が固まらないので作業し易い。
【0060】(実施形態13)本発明の壁構造の第13
の実施形態を説明する。本実施形態に示す壁構造は、前
記実施形態1〜実施形態12に示す土壁材が塗られたボ
ードで水面に浮いている和紙の繊維を漉き取って、同繊
維を土壁材の表面に付着させてなる壁ボードを縦横に所
望枚数並べて配置したものである。具体的には、水槽に
張った水で和紙を水溶きし、溶けて水面に浮遊している
和紙の繊維を前記ボードで漉き取って、同繊維を土壁材
の表面に付着させた土壁ボードを軽量鉄骨製の胴縁又は
木製の胴縁上に所望枚数並べて設置した。尚、ボードに
鏝塗り、又は吹き付けられた土壁材3の表面4に前記和
紙の繊維を吹付けることによって前記壁ボードを得るこ
ともできる。また、前記ボードには後述するフレキシブ
ルボード、ケイ酸カルシウムボード、石膏ボード、AL
Cボード等を使用することができ、これ以外のボードを
使用することもできる。
【0061】(実施形態14)本発明の壁構造の第14
の実施形態を説明する。本実施形態に示す壁構造は、前
記実施形態1〜実施形態12に示す土壁材が塗られたボ
ードで水面に浮いている顔料を掬い取って、同顔料を土
壁材の表面に付着させてなる土壁ボードを縦横に所望枚
数並べたものである。具体的には、1色又は2色以上の
顔料を水槽に張った水に流し込んで所望の紋様(流し
絵)を形成し、この顔料(水面に浮遊している)を前記
ボードで掬い取って同流し絵をそのまま土壁材の表面に
写し取った土壁ボードを軽量鉄骨製の胴縁又は木製の胴
縁上に所望枚数並べて設置した。また、前記ボードには
後述するフレキシブルボード、ケイ酸カルシウムボー
ド、石膏ボード、ALCボード等を使用することがで
き、これ以外のボードを使用することもできる。
【0062】前記実施形態1〜実施形態14に示す本発
明の壁構造に使用される土壁材は、土、硅砂、スサ等の
前記材料にアクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリカ系樹
脂、無機系樹脂、弾性樹脂といった各種樹脂が混入され
たものであっても良く、土と接着剤と水を混練した土壁
材であっても良く、土と硅砂と接着剤と水を混練した土
壁材であっても良い。これらの土壁材を使用した場合も
前記各実施形態に示す様々な紋様が形成された土壁を実
現することができる。但し、樹脂が混入された土壁材を
使用する場合は、土と樹脂の混合比率に応じて接着剤を
混入して土壁材の強度を高めることが望ましい。一例と
して、土14kgに対して樹脂6kgを混合した場合には2kgの
接着剤を混入する。以下同様に、土16kgに対して樹脂4k
gの場合は接着剤2.5kg、土18kgに対して樹脂2kgの場合
は接着剤3kgを夫々混入する。
【0063】(実施形態15)本発明の壁構造の第15
の実施形態を説明する。本実施形態に示す壁構造は下地
材の上に生石灰粉を含む壁材(土壁材)を鏝塗りし、又
は吹き付けたものである。具体的には下地材の上に次の
(1)〜(4)の土壁材を鏝塗りし、又は吹き付けたも
のである。 (1)生石灰粉、土、水を混合した土壁材 (2)生石灰粉、土、スサ、水を混合した土壁材 (3)生石灰粉、土、スサ、硅砂を混合した土壁材 (4)生石灰粉、土、スサ、硅砂、接着剤、水を混合し
た土壁材
【0064】前記(1)〜(4)に示す土壁材に含まれ
る生石灰粉とは、生石灰に水を混入して焼成乾草させた
ものである。この生石灰粉には吸着効果(特に人体に有
害なホルムアルデヒドの吸着効果が高いことが証明され
ている)、消臭効果、調湿度効があるので、前記(1)
〜(4)に示す壁材を使用した本発明の壁構造を屋内用
の壁の構造として採用すれば、室内の空気が浄化される
と共に室内が快適な湿度に維持される。前記(1)〜
(4)に示す土壁材に含まれるスサには前記表2に示さ
れた何れのスサを使用することができる。前記(1)〜
(4)に示す硅砂には前記表1に示す何れの硅砂を使用
することもできる。
【0065】生石灰粉を含む土壁材を使用する場合は、
ヒビ割れを防止するために1回の塗り厚又は吹き付け厚
を1mm以下とするのが望ましく、1mm以上の厚みを必要
とする場合は、重ね塗りすることが望ましい。但し、前
記(3)、(4)のように硅砂を含む場合は強度が増す
ため、1回の塗り厚又は吹き付け厚を1mm以上とするこ
ともできる。また、前記(4)のように接着剤を含む場
合はさらに強度が増す。
【0066】生石灰粉を含む土壁材を使用した場合、下
地材に塗られた、又は吹き付けられた土壁材の表面を鏝
で均すか、磨きを掛けて平滑面状に整えることが望まし
い。また、含まれる土の色合いが異なる土壁材を重ねて
吹き付けもよい(まぶし吹きしてもよい)。
【0067】(実施形態16)本発明の壁構造の第15
の実施形態を説明する。前記実施形態1〜実施形態15
に示した本発明の壁構造は、壁材に土壁材を使用したも
のであったが、本実施形態に示す壁構造は樹脂又は接着
剤にスサを混入した壁材(土は混入されていない)を使
用したものである。具体的には下地材の上に、次の
(1)〜(5)に示す壁材を鏝塗りし、又は吹き付けた
ものである。 (1)アクリル樹脂に硅砂、スサ、水を混入した壁材 (2)エポキシ樹脂に硅砂、スサ、水、シンナーを混入
した壁材 (3)シリカ系樹脂に硅砂、スサ、水を混入した壁材 (4)弾性樹脂に硅砂、スサ、を混入した壁材 (5)接着剤にスサ、保水剤、水を混入した壁材
【0068】前記(1)〜(5)に示す壁材に含まれる
硅砂には前記表1に示す何れの硅砂を使用することもで
きる。また、前記(1)〜(5)に示す壁材に含まれる
スサには前記表2に示す何れのスサを使用することもで
きる。さらに、前記(1)〜(5)に示す壁材を使用し
た場合も、前記各実施形態に示した土壁と同様の紋様が
形成された壁を実現することができる。
【0069】(実施形態17)本発明の壁構造の第17
の実施形態を説明する。本実施形態に示す壁構造は、前
記各実施形態に示す壁材(土壁材)に植物の種子を混入
した壁材を使用することによって、施行された土壁の表
面に前記種子から発芽した植物が現われるようにしたも
のである。具体的には下地材(例えば90×1800cmや100
×200cmのパネル)の上に種子が混入された土壁材を鏝
塗りするか、吹き付けるかし、又は下地材の上に種子が
混入されていない土壁材を鏝塗りするか、吹き付けるか
した後に同壁材の表層部分に種子を埋め込むかする。そ
の後、土壁材の表面へ散水しつつ、周囲温度を植物の発
芽に適した温度に管理し、前記種子から発芽した植物の
芽が土壁材の表面に現われて花を咲かせたり、実を付け
たりするようにする。通常、花が咲いたり、実を付ける
までに2〜3ヶ月を要するが、この期間は植物の種類や
温度管理の仕方によって早まったり、遅くなったりす
る。
【0070】本実施形態に示す壁構造の場合、下地材の
上に鏝塗りするか、吹き付けるかする壁材の厚みは1cm
〜3cmが適している。本実施形態に示す壁構造を備えた
壁を施行する場合は、壁材の表面において植物が花を咲
かせたり、実を付けたりしてから所望枚数の下地材を所
定の場所に設置して壁を施行するのが望ましいが、植物
が花を咲かせたり、実を付けたりする前にパネルを所定
の場所に設置し、その状態で散水及び温度管理を行って
もよい。何れにしても、植物は然る後に枯れるので、本
実施形態に示す壁構造は短期間で終了するイベント会場
等に使用される壁の構造として適している。
【0071】(実施形態18)本発明の壁構造に使用さ
れる下地材1はモルタル塗り壁、ALC版(軽量気泡コ
ンクリート版)、軽量鉄骨製胴縁又は木製胴縁にフレキ
シブルボード又はケイ酸カルシウムボード又は石膏ボー
ドを貼ったもの等であっても良い。
【0072】下地材1としてのモルタル塗り壁とは、図
19に示すように、コンクリート躯体40の表面のレイ
タンスや埃を水洗いやブラッシングによって除去してか
ら水溶性の接着剤(例えば日本プラスター株式会社製の
NPシーラック(商品名))41を塗布し、その上に粉
状の発泡スチロールとセメントを1対1の割合で混ぜた
もの(株式会社セキスイ化学製のTSサンド(商品
名))に適量の水を加えて混練りしてなる基礎材42を
厚さ3.0〜5.0mmで塗り、これを24時間以上乾燥させ
てからモルタル(砂、TSサンド、セメントに適量の水
を加えて混練りしたもの)43を2〜3層積層し、最外
層の表面を鏝によって平滑面状に整え、モルタル43が
半乾きの状態になったら水を含ませた刷毛で同モルタル
の表面を撫でて引き目を付け、モルタル43が完全に乾
燥した後に水溶性の吸い込み防止剤(菊水化学工業株式
会社製のシーラー(商品名))を刷毛塗り又は吹き付け
塗布したものである。
【0073】前記ALC(軽量気泡コンクリート)版製
の下地材1とは、図20に示すように、鉄骨製柱45又
は木製柱45に取り付けられた複数枚のALC版46の
表面の粉末や埃をブラッシングによって除去してから、
隣接するALC版46同士の継ぎ目47に充填材(日丸
産業株式会社製のジョイントV(商品名))を充填し、
充填材の硬化後に前記水溶性の吸い込み防止剤を刷毛塗
り又は吹き付け塗布したものである。尚、ALC版46
の厚さは一般的に5・10・12・15cmであり、これらの何
れを使用することもでき、これ以外の厚みのものを使用
することもできる。
【0074】胴縁に各種ボードを貼った下地材1とは、
図21に示すように所定間隔(例えば30〜45cm)に架設
された軽量鉄骨製の胴縁50又は木製の胴縁50上にフ
レキシブルボード51又はケイ酸カルシウムボード51
又は石膏ボード51を縦横に必要枚数配置し、これらを
ビスや釘で胴縁50に固定し、隣接するボード51同士
の継ぎ目52にテープ(例えば吉野石膏株式会社製のフ
ァイバジョイントテープ(商品名))53を貼って隙間
を被覆し、さらにそのテープ53の上にボード51間の
接合を強めるために接合剤(例えば吉野石膏株式会社製
のジョイントセメント(商品名))54を塗布し、これ
を平滑に均し、接合剤の乾燥後にボード51全面に吸い
込み防止剤(フレキシブルボード又は石膏ボードの場合
は、例えば菊水化学工業株式会社製のシーラー(商品
名)、ケイ酸カルシウムボードの場合は同社製のアクリ
ル系シーラー(商品名))を刷毛塗り又は吹き付け塗布
したものである。尚、フレキシブルボードには厚み4.5m
m又は6.0mmのものが一般的に使用され、石膏ボードには
同様に9.5mm又は12.5mmのもの、ケイ酸カルシウムボー
ドには5.6mmのものが使用されるが、これ以外の厚みの
ボードを使用することもできる。さらに、各ボードは2
枚以上積層することもできる。
【0075】さらに、下地材1は石膏ボード、ラスカッ
トボード、コンパネ、新建材等の各種ボードを縦横に所
望枚数並べ、隣接するボード同士の断手部分にパテを充
填し、その上に寒冷沙を貼ってから全面に土壁材をしご
き塗りしたものであってもよい。また、コンクリート、
ラス貼りモルタル、ALC等を下地材1とする場合には、
下地材1のヒビ割れを壁表面に露出させないために、壁
材を塗る前にガラス繊維入り樹脂モルタルを全面に塗っ
たり、各種ヒビ割れ防止ネットを全面に敷設したるする
ことが望ましい。さらに、鉄製、ガラス製、木製の下地
材1を使用する場合は、全面にカチオン系、ボンド系の
接着材を全面に塗布することが望ましい。以上の何れか
の処理を施すことによって、現存する全ての下地材が利
用可能となる。
【0076】(実施形態19)以上の各実施形態に示し
た本発明の壁構造を備えた壁は屋内用、屋外用の双方と
して利用できる。但し、使用されている壁材が土壁材で
ある場合、これを屋外用の壁として利用するには、同土
壁材の表面に撥水剤を刷毛塗り又は吹き付け塗布して耐
久性及び耐候性を向上させることが望ましい。前記撥水
剤としては、例えば住友精化株式会社製のアクアシール
200S(商品名)、タイルメント工業株式会社製のス
ーパークリーンH901(商品名)、ヤブ原産業株式会
社製の浸透プライマー(商品名)、菊水化学工業株式会
社製のクリア(商品名)等を使用することができる。
【0077】本発明の壁構造のうち、樹脂が混入された
壁材が使用されたものは、風雪や風雨に曝されても表面
剥離が起こり難くく、特に屋外用の壁として適してい
る。また、これら樹脂の代わりに接着剤が混された壁材
が使用されたものも同様の効果を有する。さらに、これ
ら樹脂に加えて接着剤が混入された壁材が使用されたも
のは、より一層表面剥離の起こり難い壁となる。
【0078】接着剤が混入された壁材を使用する場合に
は、ホルムアルデヒドの発生原因となるホルマリンを含
有していない接着剤が混入された壁材を使用することが
望ましい。かかる観点からは、例えばエチレン酢酸ビニ
ル共重合体を主成分とする接着材が望ましいく、一例と
して、水分55%、エチレン酢酸ビニル共重合体43.8%、
ポリビニルアルコール1.2%からなる接着剤が挙げられ
る。
【0079】本発明の壁構造のうち、壁材に土壁材が使
用されたものは、下地材の上に鏝塗りされた、又は吹き
付けられた土壁材の表面をげんのうの先に1本又は2本
以上の爪或いは平鏨を付けたもので叩いて所望の紋様を
形成することができる。
【0080】本発明の壁構造には、前記各種壁材に珪藻
土を数%の割合(例えば3%)で混入した壁材を使用す
ることもできる。この場合、珪藻土には吸着効果、消臭
効果等の各種効果があるので、建物の内壁に使用すれば
室内の空気を浄化することができる。
【0081】前記各実施形態に示した壁材の材料比率は
一例であり、材料比率を適宜変更することによって、壁
の表面に現われる紋様を異ならせることができる。ま
た、壁材として土壁材を使用する場合、土壁材の材料で
ある土には、粘土質の強い土と弱い土がある。一般的
に、粘度質の強い土ほど硬化力が強いので、そのような
土を用いる場合には硅砂を多く、接着剤を少なくする。
逆に粘土質の弱い土ほど硬化力が弱いので、そのような
土を用いる場合は硅砂を少なく、接着剤を多くする。一
例として、粘土質の強い土を用いる場合には、土:硅
砂:接着剤の比率を1:2.75:0.2とする。また、粘土質
の弱い土を用いる場合には、土:硅砂:接着剤の比率を
1:1.75:0.3とする。
【0082】(実施形態20)本発明の照明具カバーの
実施形態の一例を説明する。本実施形態に示す照明具カ
バーは、金属、木、竹等によって、円筒形(図22
a)、半円筒形(図22b)、円錐形(図22c)、円
錐台形(図22d)、直方体形(図22e)、三角錐形
(図22f)、四角錐(図22g)、台形(図22
h)、球形(図22i)等の所望の形状の枠60を形成
し、この枠60の全面又は一部の面に、図23(a)〜
(i)の夫々に示すように金属製又は竹製又はプラスチ
ック製といった各種素材の網10を張り、その網10の
表面及び裏面の一方又は双方に、網10自体は外部から
見えないが、網目11は完全に閉塞されないように壁材
を鏝塗りし、又は吹付けて、枠60の内側に設置した光
源(電球、蛍光灯、蝋燭等)の光が閉塞されていない網
目11を通して木漏れ日のように外部に漏れ出すように
したものである。
【0083】前記壁材には前記各実施形態に示す何れか
の壁材を任意に選択して使用することができる。また、
前記各実施形態に示した壁材に含まれているスサの代わ
りにガラス繊維を用いた壁材を使用することもできる。
ガラス繊維が含まれた壁材を使用すると、光を受けたガ
ラス繊維が美しい光を放つ。
【0084】枠60の内側に設置した光源(電球、蛍光
灯、蝋燭等)の光が外部に漏れ出すようにするために
は、前記実施形態6、7、8に示す手法によって、網1
0に塗られた壁材(土壁材)をひび割れさせ、そのひび
割れから光が漏れ出るようにすることもできる。また、
網10に形状保持性がある場合には、前記枠60を省略
することもできる。
【0085】網10に塗られた、又は吹付けられた壁材
の表面には前記実施形態12、13に示す手法によって
和紙の繊維を貼り付けたり、顔料を付着させたりするこ
ともできる。また、前記撥水剤を塗布して耐久性、耐候
性を向上させることもできる。
【0086】(実施形態21)本発明の壁材を用いたカ
ンバスの実施形態の一例を説明する。本実施形態に示す
カンバスは、所望の形状及び寸法に形成されたボードの
表面に壁材(土壁材)を鏝塗りし、又は吹き付け、その
土壁材の表面に水彩絵の具、油絵の具等の顔料、墨、塗
料といった各種画材によって絵を描けるようにしたもの
である。
【0087】このカンバスでは、前記土壁材が乾燥して
からその表面に絵を描くこともできるし、乾燥する前の
生乾きの土壁材の表面に絵を描くこともできる。もっと
も、土壁材が乾燥する前に絵を描くと、画材が土壁材に
染み込んで長期間に亙って色あせ、色落ちしないといっ
た利点がある。従って、ボードに鏝塗するか、又は吹き
付けるかした土壁材は絵を書き始める直前まで通気性の
ないフィルム等によって被覆しておくことが望ましく、
さらに、絵を書いている間も可及的に土壁材の乾燥を防
止することが望ましい。さらに、絵を描く前に土壁材を
寄せて表面の一部を盛り上げたり、一部の土壁材を削り
取ったりすることによって立体的な絵を描くこともでき
る。尚、土壁材が乾燥した後に、土壁材の一部を盛り上
げる場合は、土壁材の上に直接別の土壁材を盛り上げる
ことができる。また、乾燥した土壁材の一部を削った
り、彫ったりする場合は、水に浸した筆等で削ったり、
彫ったりしたい部分に水を含ませることによって、容易
に削ったり、彫ったりすることができるようになる。
【0088】前記ボードはベニア板等の木製のボード、
金属製のボード、発泡スチロール製のボードその他のボ
ードの何れであっても良い。
【0089】
【発明の効果】本件出願の壁構造による壁は、従来の壁
の効果を何ら損なうことなく、個性的で表情豊かな壁と
なり、さらに、壁材に混入するスサの種類や量を変更す
ることで壁の表情を様々に異ならせることができる。さ
らに、 (1)下地材の上にスサが混入された壁材を盛付け、そ
の表面を均すことなく凸凹のままとし、且つ同表面に壁
材に混入されているスサを露出させるか、又は同表面か
ら突出させた場合は、表面に形成された凹凸と同表面に
露出又は突出しているスサとの相乗効果によって従来に
ない個性的で表情豊かな壁となる。 (2)下地材に壁材を吹付けた場合は、表面に微細な凹
凸が多数形成されたり、玉吹き状の紋様が形成される
等、鏝塗りの場合に比べて表面が粗となって質感の高い
壁となる。 (3)壁材の表面に露出又は突出しているスサを焼き、
焦げたスサを表面に現わした場合は、黒色や茶褐色に変
色したスサが表面に現れ独特の表情の壁となる。 (4)表面に石、ガラス、陶器、磁器、金属、植物、
簾、葦簾、縄、畳表等の所望の装飾材を露出させた場合
は、各種壁材独自の色合い、質感等とこれら装飾材の
色、形状、質感等が相俟って従来にない斬新な壁とな
る。 (5)壁材の表面に同壁材に混入されているスサを立ち
上がらせた場合は、従来壁材の内部に塗り込められてい
たスサが表面に浮き立ち、従来と同様のスサを使用して
も全く表情の異なる壁となる。 (6)従来、表面のひび割れを可及的に防止することに
大きな努力が払われていた壁にあえてひび割れを形成す
ることによって、斬新な紋様が形成された壁を実現する
ことができる。 (7)下地材の上に塗られた壁材の表面に、下地材の天
然の木目模様又は下地材の表面に松油によって描かれた
所望の文字や模様を浮かび上がらせた場合は、壁材の下
から滲み出た松脂によって、表面に直接模様等を描いた
場合と比べて微妙な感じの紋様が形成される。 (8)表面にサンドブラストによって所望の文字や模様
を描いた場合は、会社名や宣伝文句を表す文字や会社の
マーク等を描くことによって、内壁や外壁をそのまま看
板として利用可能となる。 (9)表面に石、ガラス、金属、植物、簾、葦簾、縄、
畳表等の所望の素材を押し付けて、これらの押し跡を付
ける場合は、素材によって様々な押し跡を付けることが
可能であり、表情豊かで面白みのある壁となる。 (10)表面に土を所望の形状に成形してなる装飾具を
取り付けた場合は、石、ガラス、金属等の全く異質な物
質を取り付けた場合のような斬新さはないが、壁と装飾
具が融合して落ち着いた雰囲気となると共に、装飾具の
形状を変えることによって様々な表情の壁を実現するこ
とができる。 (11)表面に壁材が塗られたボードで水面に浮いてい
る和紙の繊維を漉き取って、同繊維を前記壁材の表面に
付着させてなる壁ボードを所望枚数並べたり、壁材の表
面に顔料を付着させてなる壁ボードを所望枚数並べたり
した場合は、壁材固有の質感や色合いとこれら和紙繊維
や流し絵のような模様が融合して従来にない壁となる。 (12)下地材の上に、樹脂又は接着剤にスサを混入し
てなる壁材を鏝塗りし、又は吹き付け、壁材の表面に同
壁材に混入されているスサを露出させるか、又は同表面
から突出させた場合は、樹脂製又は接着剤製の壁の表面
にスサが現われて独自の表情を持った壁となる。尚、従
来から樹脂を吹き付け塗布した壁は存在するが、本発明
の壁構造では表面にスサが現われるため従来の壁とは全
く異なる美しい表情の壁となる。 (13)下地材の上に生石灰粉が混入された壁材を鏝塗
りし、又は吹き付けた場合は、生石灰粉の吸着効果、消
臭効果等によって周囲の空気が浄化される。特に人体に
悪影響のあるホルムアルデヒドが吸着除去効果が期待で
きる。 (14)下地材の上に植物の種子が混入された壁材を鏝
塗りするか吹き付けるかし、又は下地材の上に鏝塗りす
るか吹き付けるかした壁材に植物の種子を埋め込んだ場
合は、表面において植物が花を咲かせたり、実を付けた
りする壁を実現することができる。
【0090】本発明の照明具カバーは、次のような効果
を有する。 (1)従来、照明具カバーに使用されることがなかった
壁材を使用するため、今までにない独自の風合いや表情
をもった照明具カバーとなる。 (2)壁材の隙間から光が木漏れ日のように漏れ出すの
で、優しく情緒のある照明を実現することができる。
【0091】本発明のカンバスは、次のような効果を有
する。 (1)所望の形状及び寸法に形成したボードの表面に壁
材を鏝塗りし、又は吹き付け、その壁材の表面に画材に
よって絵を描けるようにしたので、壁材が乾燥する前に
絵を描くと、画材が壁材に染み込んで長期間に亙って色
あせ、色落ちしない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の壁構造の第1の実施形態を示
す平面図、(b)は同断面図。
【図2】図1に示す壁構造のバリエーションの1つを示
す断面図。
【図3】下地材の一例を示す説明斜視図。
【図4】(a)は本発明の壁構造の第2の実施形態を示
す平面図、(b)は同断面図。
【図5】(a)は図4に示す壁構造のバリエーションの
1つを示す平面図、(b)は同断面図。
【図6】(a)は図4に示す壁構造のバリエーションの
1つであって、図5に示すものとは異なるバリエーショ
ンを示す平面図、(b)は同断面図。
【図7】(a)は本発明の壁構造の第3の実施形態を示
す平面図、(b)は同断面図。
【図8】(a)は本発明の壁構造の第5の実施形態を示
す平面図、(b)は同断面図。
【図9】(a)は図8に示す壁構造のバリエーションの
1つを示す平面図、(b)は同断面図。
【図10】(a)は図8に示す壁構造のバリエーション
の1つであって、図9に示すものとは異なるバリエーシ
ョンを示す平面図、(b)は同断面図。
【図11】図8に示す壁構造のバリエーションの1つで
あって、図9、図10に示すものとは異なるバリエーシ
ョンを示す平面図。
【図12】(a)は本発明の壁構造の第6の実施形態を
示す平面図、(b)は同断面図。
【図13】(a)は図12に示す壁構造のバリエーショ
ンの1つを示す平面図、(b)は同断面図。
【図14】(a)は本発明の壁構造の第7の実施形態を
示す平面図、(b)は同断面図。
【図15】(a)は本発明の壁構造の第8の実施形態を
示す平面図、(b)は同断面図。
【図16】(a)は本発明の壁構造の第9の実施形態を
示す平面図、(b)は同断面図。
【図17】本発明の壁構造の第10の実施形態を示す平
面図。
【図18】本発明の壁構造の第11の実施形態を示す一
部省略の斜視図。
【図19】モルタル壁の下地材を示す説明斜視図。
【図20】ALC版製の下地材を示す説明斜視図。
【図21】フレキシブルボード又はケイ酸カルシウムボ
ード又は石膏ボード製の下地材を示す説明斜視図。
【図22】(a)〜(i)は本発明の照明具カバーにお
ける枠の異なる例を示す説明図。
【図23】(a)〜(i)は図22の夫々の枠に網を張
った状態を示す説明図。
【符号の説明】
1 下地材 2 スサ 3 壁材 4 表面 5 装飾具 6 ひび割れ 7 押し跡 8 装飾具 10 網 11 網目

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下地材の上にスサが混入された壁材を盛付
    け、その表面を均すことなく凸凹のままとし、且つ同表
    面に壁材に混入されているスサを露出させるか、又は同
    表面から突出させたことを特徴とする壁構造。
  2. 【請求項2】下地材の上にスサが混入された壁材を盛付
    け、その表面を平滑にならない程度に粗く鏝で均し、且
    つ同表面に壁材に混入されているスサを露出させるか、
    又は同表面から突出させたことを特徴とする壁構造。
  3. 【請求項3】下地材の上にスサが混入された壁材を吹き
    付けることによって、その表面を鏝塗りの場合に比べて
    粗とし、且つ同表面に壁材に混入されているスサを露出
    させるか、又は同表面から突出させたことを特徴とする
    壁構造。
  4. 【請求項4】下地材の上にスサが混入された壁材を吹き
    付けることによって、その表面を鏝塗りの場合に比べて
    粗とし、且つ同表面に壁材に混入されているスサを露出
    させるか、又は同表面から突出させ、その壁材が半乾き
    のうちにその上に、同壁材と同種又は異種の壁材を前記
    と同様に吹き付けて重ね、これを所望回数繰り返してな
    ることを特徴とする壁構造。
  5. 【請求項5】請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の
    壁構造において、壁材の表面に露出又は突出しているス
    サを焼き、焼け焦げたスサを表面に現わしたことを特徴
    とする壁構造。
  6. 【請求項6】下地材の上に壁材を鏝塗りし、又は吹付
    け、その壁材の表面に土、石、ガラス、陶器、磁器、金
    属、植物、簾、葦簾、縄、畳表等の所望の装飾材をそれ
    らが同表面に露出するように埋め込んだことを特徴とす
    る壁構造。
  7. 【請求項7】下地材の上に石、ガラス、陶器、磁器、金
    属等の所望の装飾材が混入された壁材を鏝塗りし、又は
    吹付け、その壁材が半乾きのうちに表層部分の全部又は
    一部を除去して前記装飾材を壁材の表面に露出させたこ
    とを特徴とする壁構造。
  8. 【請求項8】下地材の上に壁材を鏝塗りし、又は吹付
    け、この壁材の乾燥後にその表面に粘着テープを貼付
    け、その上に再度壁材を重ね鏝塗りし、又は吹付け、重
    ね塗りされた壁材が半乾きのうちに前記粘着テープは剥
    がして、壁材の表面に同壁材に混入されているスサを立
    ち上がらせたことを特徴とする壁構造。
  9. 【請求項9】下地材の上に硅砂が混入されていない壁材
    を鏝塗り、又は吹付けることによって、同壁材の乾燥に
    伴ってその表面に天然のひび割れを形成したことを特徴
    とする壁構造。
  10. 【請求項10】下地材の上に壁材を鏝塗りし、又は吹付
    け、この壁材が生乾きのうちにその表面に糸、針金等の
    線材を貼り付け、壁材が半乾きになったら前記線材を引
    き剥がして当該壁材の表面に人工的なひび割れを形成し
    たことを特徴とする壁構造。
  11. 【請求項11】下地材の上に壁材を鏝塗りし、又は吹付
    け、この壁材の表面に糸、針金等の線材を貼り付け、そ
    の上から再度壁材を鏝塗りし、又は吹付け、重ね塗りさ
    れた壁材が半乾きになったら前記線材を同壁材の下から
    取り出すことによって、壁材の表面に人工的なひび割れ
    を形成したことを特徴とする壁構造。
  12. 【請求項12】下地材の上に鏝塗りされた、又は吹付け
    られた壁材の表面に、下地材の天然の木目模様又は下地
    材の表面に松油によって描かれた所望の文字や模様を浮
    かび上がらせたことを特徴とする壁構造。
  13. 【請求項13】下地材の上に壁材を鏝塗りし、又は吹付
    け、同壁材が乾燥した後に、その表面にサンドブラスト
    によって所望の文字や模様を描いたことを特徴とする壁
    構造。
  14. 【請求項14】下地材の上に壁材を鏝塗りし、又は吹付
    け、この壁材が生乾きのうちにその表面に石、ガラス、
    陶器、磁器、金属、植物、簾、葦簾、縄、畳表等の所望
    の素材を押し付けて、壁材の表面にこれらの押し跡を付
    けたことを特徴とする壁構造。
  15. 【請求項15】下地材の上に壁材を鏝塗りし、又は吹付
    け、この壁材の表面に土を所望の形状に成形してなる装
    飾具を取り付けたことを特徴とする壁構造。
  16. 【請求項16】表面に壁材が鏝塗りされた、又は吹付け
    られたボードで水面に浮いている和紙の繊維を漉き取っ
    て、同繊維を前記壁材の表面に付着させてなる壁ボード
    を所望枚数並べてなることを特徴とする壁構造。
  17. 【請求項17】表面に壁材が鏝塗りされた、又は吹付け
    られたボードで水面に浮いている顔料を掬い取って、同
    顔料を前記壁材の表面に付着させてなる壁ボードを所望
    枚数並べてなることを特徴とする壁構造。
  18. 【請求項18】下地材の上に、樹脂にスサを混入してな
    る壁材を鏝塗りし、又は吹き付け、壁材の表面に同壁材
    に混入されているスサを露出させるか、又は同表面から
    突出させたことを特徴とする壁構造。
  19. 【請求項19】請求項18記載の壁構造において、壁材
    に土、硅砂、水、接着剤、保水剤の全部又は一部が混入
    されていることを特徴とする壁構造。
  20. 【請求項20】下地材の上に生石灰粉が混入された壁材
    を鏝塗りし、又は吹き付けたことを特徴とする壁構造。
  21. 【請求項21】下地材の上に、接着剤にスサを混入して
    なる壁材を鏝塗りし、又は吹き付けたことを特徴とする
    壁構造。
  22. 【請求項22】下地材の上に植物の種子が混入された壁
    材を鏝塗りするか吹き付けるかし、又は下地材の上に鏝
    塗りするか吹き付けるかした壁材に植物の種子を埋め込
    み、壁材の表面に前記種子から発芽した植物が現われる
    ようにしたことを特徴とする壁構造。
  23. 【請求項23】所望の形状に成形した網の表面に、全て
    の網目が閉塞されることがないように壁材を鏝塗りし、
    又は吹付け、閉塞されていない網目から光が漏れ出るよ
    うにしたことを特徴とする壁材を用いた照明具カバー。
  24. 【請求項24】所望の形状及び寸法に形成したボードの
    表面に壁材を鏝塗りし、又は吹き付け、その壁材の表面
    に顔料、墨、塗料といった画材によって絵を描けるよう
    にしたことを特徴とする壁材を用いたカンバス。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007291837A (ja) * 2006-03-29 2007-11-08 Aica Kogyo Co Ltd 水系塗材組成物及びその施工方法並びにそれによる壁構造
JP2017114102A (ja) * 2015-12-26 2017-06-29 エスケー化研株式会社 積層体

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