JP2001322653A - 使いすて衛生用品包装袋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 取扱中の衝撃によってミシン目の裂けが生じ
にくく、かつ開封後の包装袋の持ち運びの際も開口部か
ら収納用品の飛び出しが生じにくい、使いすて衛生用品
を圧縮収納している提げ手付きフィルム包装袋を提供す
る。 【解決手段】 一枚づつ折り畳み、所定枚数積み重ね、
積み重ね方向に圧縮されている使いすて衛生用品の列
を、フィルム包装袋の左右側面に向けて上下方向及び水
平方向に一列以上詰め込み配置して封鎖されており、前
記対向する前後側面の上端部にループ状提げ手を設けた
使いすて衛生用品の包装袋であって、該包装袋上面に
は、衛生用品の圧縮方向と平行に延びる上面中央線から
離れて、該中央線に平行な開封用の断続切り込み線が形
成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、使いすておむつ、
生理用ナプキン、失禁用製品等の使いすて衛生用品を収
納している包装袋に関する。更に詳しくは圧縮状態で詰
め込まれている使いすて衛生用品列を収納しているルー
プ状提げ手を有するフィルム製包装袋に関する。

【０００２】

【従来の技術】最近の使いすて衛生用品は、折り畳まれ
た状態で積層圧縮され、フィルム製包装袋内に収納され
ている。そして、包装袋には、一般に包装袋の一部にミ
シン目のような開封用の断続的な切り込み線が設けられ
ており、包装袋に収納されている衛生用品の取り出しが
容易にできるようになっている。そのようなミシン目
は、包装袋の上面に設けられるか、又は上面から側面の
一部にかけて設けられるか、もしくは側面のみに設けら
れている場合が多く、開封箇所に近い衛生用品列から順
次取り出して使用するようになっている。

【０００３】包装袋の上面から側面にかけてミシン目が
設けられたものとしては、例えば、特開平２−１０９８
５８号公報及び特開平３−６６９号公報に記載されてい
るように、使いすて衛生用品を折り畳んで積層圧縮して
収納した包装袋の側面の両端縁より内側にそれぞれミシ
ン目を有しており、この両側ミシン目の上部は包装袋の
上面にまで延長されていて、このミシン目の先端の互い
に連続した交わり部を開封開始部とする構造のものが提
案されているが、この構造では、開封した場合に、開封
口が大きいために製品に対する包装袋による押さえがな
くなり、積層圧縮された製品が開封口より包装袋の外へ
飛び出す場合がある。

【０００４】また、実開平６−５７８７３号公報に記載
されているように、積層圧縮状態で収納されている衛生
用品列の積層圧縮方向と平行な包装袋前側面又は後側面
に先端部が交わった２本のミシン目が形成されており、
この両ミシン目の交わり部を開封開始部とした構造のも
のが提案されているが、このような包装袋は、包装袋に
残されている製品がはみ出して脱落しないように適当な
大きさに開封する必要があり、開封口が小さいと製品を
取り出し難く、また、開封口を大きくしてしまうと製品
が開封口より包装袋の外へ飛び出す場合がある。

【０００５】また、包装袋の上面にミシン目が設けられ
たものとしては、実開昭６３−１６１１４９号公報に、
製品を積層圧縮して収納した包装袋の提げ手が設けられ
ている上面部の中央線に沿って、衛生用品列の圧縮方向
と平行にミシン目を形成した構造のものが提案されてい
る。このような包装袋は、一枚の長尺の熱可塑性樹脂フ
ィルムもしくはシートの中間部をＭ字状に折込み、折込
み深さの略中間の箇所で対面するシート間を上端縁と平
行線状にヒートシールして２つの提げ手取付け部分と該
提げ手取付け部分間に挟まれた包装袋の上面部分となる
部分を形成している。

【０００６】このように形成されている提げ手付き包装
袋の場合、圧縮されている衛生用品列が膨らもうとする
力が包装袋内面から外方に向かって働き、該上面は前後
左右方向に引き延ばす力が働く。このような引き延ばす
力は上面部の中央に大きく働くため、この中央部にミシ
ン目を設けると、販売店などでの陳列棚等への積み上げ
作業時の衝撃や、陳列棚からの落下等のような衝撃でミ
シン目に裂け目が生じることが多く、商品価値を損なう
トラブルが発生しやすい。

【０００７】さらに、包装袋が前記のように１枚のフィ
ルムを折曲げ加工して製造されている包装袋であると、
その製造過程で一旦Ｍ字状におり畳まれることによって
フィルムに付与されるＭ字の中間部の折り曲げ線が包装
袋上面中央部に線状に残り、該折曲げ線に沿って比較的
に脆弱な部分を形成することとなるので、そのような脆
弱な中央折り曲げ線上にミシン目を設けると、外的衝撃
によってミシン目に裂け目が生じる可能性がさらに大き
くなる。かかる外的衝撃によってミシン目に裂け目の生
じることを避けるためにミシン目の穴の大きさを小さく
し、間隔を広げたものにすると、ミシン目が裂け難くな
り、結果的に包装袋の開封も困難となる。

【０００８】実用新案登録第３０４７９８７号公報に
は、包装袋の上面に衛生用品列の積層圧縮方向に平行な
両側縁に沿ってミシン目を形成するとともに、この上面
の中央部付近に幅方向の中央ミシン目を形成した構造の
ものが提案されているが、このように包装袋の上面幅方
向に設けられたミシン目の場合にも、積層圧縮された製
品の反発力によって常時生じている内部からの押し拡げ
圧があるため、外部からの衝撃が加わった場合、裂けが
生じて収納衛生用品が飛び出すようなトラブルが生じや
すい。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
型の単一フィルムから形成されている提げ手付き包装袋
に使いすて衛生用品を収納している包装袋、特に衛生用
品を積層圧縮した状態で収納している前記の形式の提げ
手付きフィルム包装袋の有する問題点を改善し、販売店
内等における取扱中の衝撃によってもミシン目の裂けが
生じにくく、しかも開封時には簡単にミシン目に沿って
開口を形成することができて製品をを容易に取り出すこ
とができ、かつ開封後の包装袋の持ち運びの際も開口部
から収納用品の飛び出しが生じにくい、使いすて衛生用
品を収納している提げ手付きフィルム製包装袋を提供す
ることを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】(1) 本発明は、折り畳ま
れた使いすて衛生用品同士を所定枚数積層し、積層方向
に圧縮した衛生用品列を縦方向及び／又は横方向に一列
以上配置した状態で収納し、封鎖している使いすて衛生
用品包装袋において、前記包装袋は、前記使いすて衛生
用品列の圧縮方向と平行な両側面を前側面及び後側面と
し、使いすて衛生用品列の圧縮方向と対面する両側面を
左側面及び右側面とし、一対のループ状の提げ手を対向
する前後両側面上端部に取り付けたフィルム製包装袋で
あり、該包装袋上面には、使いすて衛生用品列の圧縮方
向と平行に延びる上面中央線から離れた位置にミシン目
からなる開封用の切り込み線が該中央線に平行に形成さ
れていることを特徴とする、提げ手付き使いすて衛生用
品包装袋に関する。

【００１１】(2) また、本発明は、上記包装袋上面に設
けられている開封用のミシン目が、前記上面中央線から
５〜４０ｍｍ、好ましくは１０〜３０ｍｍ離れて形成さ
れていることを特長とする、前記(1) に記載の提げ手付
き使いすて衛生用品包装袋に関する。

【００１２】(3) また、本発明は、前記包装袋が、一反
の長尺のフィルム体又はシート体から包装袋上部を構成
する一対のループ状提げ手取付け部分とその間に挟まれ
ている上面部分を形成する工程で、包装袋上面中央線位
置に付与されている折曲げ線を有しており、かつ該中央
線から離れた位置に該中央線と平行する開封用ミシン目
が設けられている包装袋であることを特長とする、前記
(1) 又は(2) に記載の提げ手付き使いすて衛生用品包装
袋に関する。

【００１３】

【発明の実施の形態】本発明の包装袋は、その上面の衛
生用品の圧縮方向と平行に延びる中央線から離れた部分
に、ミシン目からなる開封用の切り込み線が該中央線と
平行に形成されている。このような切り込み線を形成し
た本発明の包装袋は、上面中央部にその製造過程で形成
されている折畳み線を有しているために脆弱化している
部分を避けた上面の位置にミシン目が設けてあるため
に、通常使用される大きさの穴でミシン目を形成して
も、外部からの衝撃等によりミシン目に簡単に裂けが生
じるようなことがなく、また、上面にミシン目を設けて
いるために、特別な表示を要することなく使用者がミシ
ン目の位置を確認することができるし、さらに直線構造
であるために容易に開封することが可能である。加え
て、開封口が上面に設けてあるために、開封開口面積を
広くして、容易に包装袋内部に手を入れて収納用品を取
り出せるようにすることが可能であり、開封した状態の
袋を持ち運ぶ場合にも、前面や側面に開封口を形成した
場合のように、開封口から製品が飛び出すことがなく良
好な持ち運び性を有している。

【００１４】本発明の包装袋中に収納されている使いす
て衛生用品としては、使いすておむつの他、生理用ナプ
キン、失禁用製品等も含まれる。また、包装袋として
は、通常使用されているポエチレン製のシートもしくは
フィルムから作製されるもの、あるいはポリエチレン製
のチューブから作製されるもの等が使用可能であるが、
本発明はこれらの例に限定されるものではない。本発明
において、袋の上面に形成されるミシン目からなる切り
込み線は、衛生用品の圧縮方向に延びる中央線の位置か
ら少なくとも５〜４０ｍｍ、好ましくは１０〜３０ｍｍ
離れた前面側もしくは後面側の位置に、中央線に平行に
形成することができる。さらに、前記位置の範囲内であ
れば複数のミシン目を形成することもできる。

【００１５】本発明において、ミシン目の穴の大きさ、
間隔等に特に制限はなく、通常使用される大きさ、間隔
のもので良いが、圧縮包装であるが故に、保存中や運搬
中に破れないだけの強度は必要である。

【００１６】

【実施例】以下、図面を参照して本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。図１は、衛生用品を積層圧縮包装した状態を示す、
本発明の包装袋の一部切り欠き斜視図である。図１にお
いて、包装袋１は、折り畳まれた使いすて衛生用品５が
所定枚数重ね合わされて圧縮包装されており、さらに、
衛生用品５の圧縮方向と平行な側面である前（後）側面
４、衛生用品の圧縮方向と対面する側面である左（右）
側面３、ループ状の提げ手２が取り付けられた側の面で
ある上面９、衛生用品を詰め込んで封をした封鎖部を有
する面である下面１０を形成している。このような包装
袋の製造方法は特に限定されず、たとえば、前記実開昭
６３−１６１１４９号公報に記載されているように、１
枚の原反フィルムから製造されている包装袋であっても
よい。包装袋の上面９には、衛生用品５の圧縮方向と平
行に延びる中央線７から離れて、該中央線に平行なミシ
ン目からなる開封用の切り込み線６が形成されている。
このような構成の本発明の包装袋は、製造工程及び搬送
工程において衝撃によってミシン目の裂けが生じるのを
大幅に改善することが可能であり、例えば、従来の包装
袋のように上面の衛生用品の圧縮方向と平行な中央線部
にミシン目を形成した場合には、製造工程あるいは搬送
工程において１０％程度のミシン目の裂けが発生してい
たが、本発明の包装袋ではミシン目の裂けは全く発生し
なかった。

【００１７】図２は、切り込み線を開封した状態を示す
本発明の包装袋の斜視図である。図２において、取り出
し口８は、上面９の衛生用品の圧縮方向全体に形成され
ているため、衛生用品を容易に取り出すことが可能であ
り、また、包装袋を持ち運ぶ場合にも、提げ手を持った
状態では上面開口が閉鎖されるように狭められるので衛
生用品が袋開口部から飛び出すことがなく、持ち運び性
が優れているものである。

【００１８】

【発明の効果】本発明の使いすて衛生用品包装袋は、そ
の上面の衛生用品の圧縮方向と平行に延びる中央線から
離れた部分にミシン目からなる開封用の切り込み線が形
成されており、これにより、衝撃等によるミシン目の裂
けを防止することができ、さらに、ミシン目を簡単に開
封することができるため製品を容易に取り出すことがで
きるし、また、包装袋を持ち運ぶ際にも、開口部が提げ
手によって狭められる状態となるために衛生用品が袋か
ら飛び出すことがなく、持ち運び性に優れているもので
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】衛生用品を圧縮して包装した状態を示す、本発
明の包装袋の一部切り欠き斜視図である。

【図２】切り込み線を開封した状態を示す本発明の包装
袋の斜視図である。

【符号の説明】

１．包装袋 ２．ループ状の提げ手 ３．包装袋の左（右）側面 ４．包装袋の前（後）側面 ５．折り畳まれ、積層圧縮されている使いすて衛生用品 ６．開封用の切り込み線 ７．中央線 ８．使いすて衛生用品の取り出し口 ９．包装袋の上面 １０．包装袋の下面 １１．左（右）側面の接合部分

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 折り畳まれた使いすて衛生用品を所定枚
   数積層し、積層方向に圧縮した使いすて衛生用品列を縦
   方向及び／又は横方向に一列以上配置した状態で収納
   し、封鎖している使いすて衛生用品包装袋において、 前記包装袋は、前記使いすて衛生品列の圧縮方向と平行
   な両側面を前側面及び後側面とし、使いすて衛生用品列
   の圧縮方向と対面する両側面を左側面及び右側面とし、
   一対のループ状の提げ手を対向する前後両側面上端部に
   取り付けた熱融着性フィルム製包装袋であり、該包装袋
   上面には、該使いすて衛生用品列の圧縮方向と平行な上
   面中央線から離れた部分にミシン目からなる開封用の切
   り込み線が該中央線と平行に形成されていることを特徴
   とする、提げ手付き使いすて衛生用品包装袋。