JP2001322463A - 幼児用拘束保護シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シートベルトとガス発生器との連結構成がシ
ンプルであり、低価格とすることができる幼児用拘束保
護シートを提供する。 【解決手段】 幼児用拘束保護シート１は、幼児がすわ
るシート本体２と、このシート本体２をリクライニング
可能に支持するベース３とから構成されている。シート
本体２には、幼児を拘束するための２本の幼児用シート
ベルト６が設けられている。この幼児用シートベルト６
はスルータング８に挿通されている。シート本体２の前
部には胸当てパッド７が配置されており、この胸当てパ
ッド７には、該タング８がラッチされる２個のバックル
装置９が設けられている。シート本体２内にはガス発生
器１１が設置され、このガス発生器１１からのガスは二
股継手１２、耐圧ホース１３及び該ガス導入用ノズル１
４を介してシートベルト６内に導入可能とされている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は自動車等の車両シートに
搭載されかつ固定される幼児用拘束保護シートに関し、
特に膨張可能部を有するシートベルトを備えた幼児用拘
束保護シートに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】例えば自動車等の車両においては、運転
中に幼児の着座姿勢を保持させるとともに、加減速時の
衝撃から幼児を保護するために、従来から幼児用拘束保
護シートが使用されている。このような幼児用拘束保護
シートは、幼児がすわるリクライニング可能なシート本
体を備えており、このシート本体には幼児を拘束するた
めの幼児用シートベルトと、胸当てパッドとが設けられ
ている。

【０００３】特開平５−１１２２０２号及び特開平５−
１１２２０３号には、このシートベルトを袋状とし、バ
ックル側にガス発生器を設け、該ガス発生器からのガス
をシートベルトに導く通路をバックル及びタングに設け
た幼児用拘束保護シートが記載されている。自動車の衝
突時等にガス発生器が作動し、シートベルトが膨張して
幼児が保護される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】かかる従来の膨張式シ
ートベルトを備えた幼児用拘束保護シートにあっては、
バックル及びタングにそれぞれガス通路を設けると共
に、該バックルとタングとの連結部に該通路同士を気密
に接続するための部材を設ける必要があり、コスト高と
なる。

【０００５】本発明は、簡易な構成の膨張式シートベル
トを有した幼児用拘束保護シートを提供することを目的
とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、シート本体
と、該シート本体に設けられた幼児用シートベルトと、
該幼児用シートベルトの少なくとも一部に設けられた膨
張可能部と、該膨張可能部を膨張させるガス発生器とを
有する幼児用拘束保護シートに関する。

【０００７】第１発明にあっては、該シートベルトは腰
ベルトであり、該腰ベルトの下部からガスが導入され
る。

【０００８】第２発明にあっては、該シートベルトは肩
ベルトであり、該肩ベルトの後部からガスが導入され
る。

【０００９】かかる幼児用拘束保護シートにあっては、
バックル及びタングを経由せずにガスが直接的にシート
ベルトの膨張可能部に導入されるので、構成がシンプル
で安価なものとなる。

【００１０】本発明では、シートベルトは腰ベルト及び
肩ベルトであり、腰ベルト及び肩ベルトの双方に互いに
連通した膨張可能部が配置されている構成とされてもよ
い。この場合、腰ベルト及び肩ベルトの一方の膨張可能
部にガスを導入することにより腰ベルトから肩ベルトに
かけて連続して膨張するようになる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して実施の形態
について説明する。第１図は実施の形態に係る幼児用拘
束保護シートの斜視図、第２図はシートベルトの幅方向
の断面図、第４図はガス流路を示す系統図である。

【００１２】この幼児用拘束保護シート１は、幼児がす
わるシート本体２と、このシート本体２をリクライニン
グ可能に支持するベース３とから構成されている。

【００１３】シート本体２には、幼児を拘束するための
２本の幼児用シートベルト６が設けられている。この幼
児用シートベルト６はスルータング８に挿通されてい
る。シート本体２の前部には胸当てパッド７が配置され
ており、この胸当てパッド７には、該タング８がラッチ
される２個のバックル装置９が設けられている。

【００１４】このシートベルト６は、第２図の通り、膨
張可能な平たい筒状のものであるが、第３図のように芯
材となるベルト本体６ａの外周に２重袋状の膨張可能な
カバー６ｂを設け、このカバー６ｂ内にガスを導入して
膨張させるようにしたものであってもよい。

【００１５】シートベルト６のタング８よりも下側が腰
ベルトであり、タング８よりも上側が肩ベルトである。

【００１６】このシートベルト６の下端は第４図の通り
アンカ１０を介してシート本体２に堅固に連結されてい
る。

【００１７】シート本体２内にはガス発生器１１が設置
され、このガス発生器１１からのガスは二股継手１２、
耐圧ホース１３及び該ガス導入用ノズル１４を介してシ
ートベルト６内に導入可能とされている。このガス発生
器１１は、自動車の衝突検知装置からの信号により作動
する。

【００１８】シートベルト６の後部は、シート本体２の
背もたれ部内に引き込まれ、シート本体２内に設けられ
た緊急ロック機構付きシートベルトリトラクタ（図示
略）に巻回されている。

【００１９】なお、この幼児用拘束保護シートは自動車
の座席（図示略）に対し大人用シートベルト１８によっ
て固定される。１９は、このシートベルト１８が挿通さ
れた開口を示す。

【００２０】この幼児用拘束保護シートは、幼児をシー
ト本体２に座らせ、シートベルト６を幼児に装着し、タ
ング８をバックル装置９にラッチさせるようにして使用
される。

【００２１】自動車が衝突した場合、ガス発生器１１が
作動し、ガスを噴出する。このガスがシートベルト６の
腰ベルト及び肩ベルトを膨張させ、幼児を保護する。な
お、衝突時にはリトラクタがロック作動し、シートベル
ト６の引き出しが阻止される。

【００２２】上記実施の形態にあっては、ガス発生器１
１はシート本体２に設置されているが、シート本体とは
別に設置してもよい。

【００２３】上記実施の形態にあっては、ホースを用い
ているが、シートベルトを直接にガス発生器に接続して
もよい。

【００２４】本発明では、シートベルトとしてある程度
の通気性を有するものを用い、ガスを少しずつ流出させ
て衝撃を吸収するようにしてもよい。

【００２５】本発明では、腰ベルトのみを膨張させても
よい。また、ガス発生器をシートベルト６の後部側に接
続してもよく、この場合、肩ベルトのみを膨張させるよ
うにしてもよい。

【００２６】本発明では、シート本体２の背もたれ部の
後側に引き込まれたシートベルト６を大人用シートベル
ト１８の後側に引き回し、衝突時に該シートベルト６が
大人用シートベルトに引張られるよう構成してもよい。
このようにすれば、シートベルト６のたるみを吸収する
ことができる。

【００２７】

【発明の効果】以上の通り、本発明の幼児用拘束保護シ
ートは、シートベルトとガス発生器との連結構成がシン
プルであり、低価格とすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施の形態に係る幼児用拘束保護シートの斜視
図である。

【図２】シートベルトの断面図である。

【図３】別の実施の形態に係るシートベルトの断面図で
ある。

【図４】実施の形態に係る幼児用拘束保護シートのガス
流路系統図である。

【符号の説明】

１ 幼児用拘束保護シート ２ シート本体 ６ シートベルト ７ 胸当てパッド ８ スルータング ９ バックル装置 １０ アンカ １１ ガス発生器 １３ ホース １４ ノズル

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シート本体と、該シート本体に設けられ
   た幼児用シートベルトと、該幼児用シートベルトの少な
   くとも一部に設けられた膨張可能部と、該膨張可能部を
   膨張させるガス発生器とを有する幼児用拘束保護シート
   において、 該幼児用シートベルトは腰ベルトであり、該腰ベルトの
   下部からガスが導入されることを特徴とする幼児用拘束
   保護シート。
2. 【請求項２】 シート本体と、該シート本体に設けられ
   た幼児用シートベルトと、該幼児用シートベルトの少な
   くとも一部に設けられた膨張可能部と、該膨張可能部を
   膨張させるガス発生器とを有する幼児用拘束保護シート
   において、 該幼児用シートベルトは肩ベルトであり、該肩ベルトの
   後部からガスが導入されることを特徴とする幼児用拘束
   保護シート。
3. 【請求項３】 請求項１又は２において、該シートベル
   トは腰ベルト及び肩ベルトであり、腰ベルト及び肩ベル
   トの双方に互いに連通した膨張可能部が配置されている
   ことを特徴とする幼児用拘束保護シート。