JP2001322457A - 無段変速機を備えた車両の制御装置 - Google Patents

無段変速機を備えた車両の制御装置

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JP2001322457A
JP2001322457A JP2000208828A JP2000208828A JP2001322457A JP 2001322457 A JP2001322457 A JP 2001322457A JP 2000208828 A JP2000208828 A JP 2000208828A JP 2000208828 A JP2000208828 A JP 2000208828A JP 2001322457 A JP2001322457 A JP 2001322457A
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variable transmission
speed
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Isao Takagi
功 高木
Tadashi Tamura
忠司 田村
Hiroki Kondo
宏紀 近藤
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発進時に無段変速機で設定されている変速比
が小さいことに起因する発進加速性の不足を解消する。 【解決手段】 動力源と、変速比を連続的に変化させる
ことのできる無段変速機とを備え、出力要求量と車速と
に基づいて目標駆動力を算出し、その目標駆動力に基づ
いて動力源の目標出力を算出し、その目標出力を達成す
るように前記無段変速機を制御する一方、前記目標駆動
力に基づいて動力源の目標出力トルクを算出し、その目
標出力トルクに基づいて前記動力源を制御する無段変速
機を備えた車両の制御装置において、前記車両が発進す
る際に前記無段変速機で設定されている変速比に基づい
て前記動力源の出力トルクを補正する補正手段(ブロッ
クB2 )を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、変速比を連続的
に変更することのできる無段変速機を備えた車両の制御
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】無段変速機は、変速比を任意に設定する
ことができるので、車両用エンジンの出力側に配置した
場合には、スロットル開度などの負荷ごとに、エンジン
回転数を燃費が最適となる回転数に設定することができ
る。そのため無段変速機は、車両における排ガスの削減
や燃費の向上を図る有効な装置である。
【0003】車両の変速装置として使用されている一般
的な無段変速機は、入力側の回転部材と出力側の回転部
材との間に、動力を伝達するための伝動部材を、入力側
および出力側の部材に接触させて配置し、その伝動部材
と各回転部材との接触位置を連続的に変化させることに
より、入力側の回転部材と出力側の回転部材との回転数
の比率である変速比を連続的に変化させるように構成さ
れている。その具体的な例が、溝幅を変更可能な入力プ
ーリと出力プーリとにベルトを巻き掛けたベルト式の無
段変速機であり、またトロイダル面を有する一対のディ
スクの間に、傾動可能なパワーローラを挟み込んだトロ
イダル式無段変速機である。
【0004】このような無段変速機をガソリンエンジン
などの内燃機関を動力源とした車両に使用すれば、内燃
機関の回転数を無段変速機によって制御し、また内燃機
関の出力トルクをスロットル開度などの負荷によって制
御することができるから、駆動力に対する要求を満たし
つつ燃費の良好な運転をおこなうことが可能になる。
【0005】そのような制御をおこなう装置を、特願平
11−120081号によって既に提案した。その出願
に係る制御装置は、出力要求量と車速とに基づいて目標
駆動力を求めるとともに、その目標駆動力を達成するた
めの動力源の目標出力を求め、動力源の出力回転数がそ
の目標出力を最小燃費で発生させるための目標回転数と
なるように無段変速機の変速比を制御する一方、前記目
標駆動力から動力源の目標出力トルクを求め、動力源の
出力トルクがその目標出力トルクとなるように動力源の
負荷を制御し、これによって動力源を最小燃費ライン上
で運転するように構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したベルト式無段
変速機やトロイダル式の無段変速機などの一般的な無段
変速機は、入力側と出力側との各回転部材とベルトやパ
ワーローラなどの伝動部材と間の摩擦力でトルクを伝達
するように構成されているので、その接触圧力がかなり
高圧であり、したがって変速比を変更するために、これ
らの部材同士の接触位置を変更するには、それぞれが回
転している必要がある。そのため、例えばある程度の高
速側(ハイ側)の変速比で走行している際に何らかの事
情で急停止した場合、各回転部材の回転も止まってしま
うので、変速比が低速側(ロー側)に戻らずに、発進の
ための最大変速比より小さい変速比にとどまってしまう
ことがある。
【0007】このような場合、前述したように目標駆動
力に基づいて求められた目標出力トルクに一致するよう
に動力源の出力トルクを制御すると、その時点で設定さ
れている変速比が小さいことにより、駆動トルクが小さ
くなってしまう。その結果、発進時に充分な駆動トルク
が得られずに、発進加速性が不充分になる可能性があ
る。
【0008】この発明は、上記の技術的課題に着目して
なされたものであり、無段変速機を搭載した車両が急停
止してその後に発進する場合であっても、発進加速性を
良好に維持することのできる制御装置を提供することを
目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用】この発明
は、上記の目的を達成するために、発進時に無段変速機
で設定されている変速比に基づいて、駆動トルクを増大
させる補正をおこなうように構成されていることを特徴
とするものである。具体的には、請求項1の発明は、動
力源と、変速比を連続的に変化させることのできる無段
変速機とを備え、出力要求量と車速とに基づいて目標駆
動力を算出し、その目標駆動力に基づいて動力源の目標
出力を算出し、その目標出力を達成するように前記無段
変速機を制御する一方、前記目標駆動力に基づいて動力
源の目標出力トルクを算出し、その目標出力トルクに基
づいて前記動力源を制御する無段変速機を備えた車両の
制御装置において、前記車両が発進する際に前記無段変
速機で設定されている変速比に基づいて前記動力源の出
力トルクを補正する補正手段を備えていることを特徴と
する制御装置である。
【0010】また、請求項2の発明は、請求項1の発明
における前記補正手段が、前記目標駆動力を補正する手
段であることを特徴とする制御装置である。
【0011】さらに、請求項3の発明は、請求項1の発
明における前記補正手段が、前記目標出力トルクを補正
する手段であることを特徴とする制御装置である。
【0012】したがってこの発明においては、発進時に
無段変速機で設定されている変速比が、通常の発進の際
に設定される変速比より小さい場合には、駆動トルクが
増大するように補正される。これは、目標駆動力を補正
することによって目標出力トルクを増大させることによ
りおこなわれ、あるいは目標出力トルク自体を補正して
おこなわれる。そのため、発進時に実際に設定されてい
る変速比が小さいことに伴う駆動トルクの不足を、上記
の補正手段による補正制御で補うことができ、その結
果、発進加速性が良好になる。
【0013】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明を具体例に基づい
て説明する。先ずこの発明が対象とする車両の動力伝達
系統の一例を説明すると、図3において、動力源1が変
速機構2に連結され、その変速機構2の出力軸3がディ
ファレンシャル4を介して左右の駆動輪5に連結されて
いる。ここで、動力源1は、ガソリンエンジンやディー
ゼルエンジンなどの内燃機関あるいはモータなどの電動
機、さらにはこれら内燃機関と電動機とを組み合わせた
装置など、車両に使用可能な種々の動力源を含む。以下
の説明では、動力源1として、燃料をシリンダの内部に
直接噴射し、その噴射量およびタイミングを制御するこ
とにより均質燃焼や成層燃焼の可能ないわゆる直噴ガソ
リンエンジン、あるいはスロットル開度を電気的に自由
に制御できる電子スロットルバルブを備えたガソリンエ
ンジンを採用した例を説明する。
【0014】このエンジン1は電気的に制御できるよう
に構成されており、その制御のためのマイクロコンピュ
ータを主体とする電子制御装置(E−ECU)6が設け
られている。この電子制御装置6は、少なくともエンジ
ン1の出力を制御するように構成されており、その制御
のためのデータとして出力軸回転数(エンジン回転数)
Ne とアクセル開度θなどの要求駆動量とが入力されて
いる。
【0015】この要求駆動量は、要は、エンジン1の出
力の増大・減少のための信号であり、運転者が操作する
アクセルペダルなどの加減速操作装置7の操作量信号や
その操作量を電気的に処理して得た信号を採用すること
ができ、またそれ以外に、車速を設定車速に維持するた
めのクルーズコントロールシステム(図示せず)などか
らの要求駆動量信号を含む。
【0016】また、変速機構2は、流体伝動機構8と、
歯車変速機構9と、無段変速機(CVT)10とから構
成されている。その流体伝動機構8は、要は、オイルな
どの流体を介して入力側の部材と出力側の部材との間で
トルクを伝達するように構成された装置であって、一例
として、一般の車両に採用されているトルクコンバータ
を挙げることができる。また、この流体伝動機構8は、
直結クラッチ11を備えている。すなわち直結クラッチ
11は、入力側の部材と出力側の部材とを摩擦板などの
機械的手段で直接連結するように構成されたクラッチで
あって、緩衝をおこなうためのコイルスプリングなどの
弾性体からなるダンパー12を備えている。なお、車両
が停止している状態であってもエンジン1を駆動させ続
けるために流体伝動機構8を設けている場合には、車両
の状態に基づいて自動的に断続される自動クラッチを、
上記の流体伝動機構8に置換して使用することができ
る。
【0017】その流体伝動機構8の入力部材がエンジン
1の出力部材に連結され、また流体伝動機構8の出力部
材が歯車変速機構9の入力部材に連結されている。この
歯車変速機構9は、複数の歯車を有し、それらの歯車に
よって形成されるトルクの伝達経路を変更することによ
り、入力部材と出力部材との回転数の比率すなわち変速
比を適宜に変更し、また出力部材を入力部材に対して反
対方向に回転させるように構成されている。この歯車変
速機構9として、例えば、シングルピニオン型遊星歯車
機構やダブルピニオン型遊星歯車機構もしくはラビニョ
型遊星歯車機構を用いた機構、あるいは常時噛み合って
いる複数対のギヤ対を同期連結機構(シンクロナイザ
ー)によって選択的に出力部材や入力部材に連結するよ
うに構成された機構などを採用することができる。
【0018】なお、この歯車変速機構9は、次ぎに説明
する無段変速機10で設定できる変速比の幅が小さいこ
と、および無段変速機10ではその出力側の部材を入力
側の部材に対して反対方向に回転させるいわゆる後進機
能がないことを補うために設けられている。したがって
無段変速機10で設定可能な変速比が、車両に対する要
求を満たす場合には、歯車変速機構9として後進機能の
みを備えた機構を採用してもよい。
【0019】図3に示してある無段変速機10は、その
入力側の部材の回転数と出力側の部材の回転数との比率
すなわち変速比を無段階に(連続的に)変化させること
のできる機構であり、前述したベルト式無段変速機やト
ロイダル式無段変速機などを採用することができる。
【0020】上記の変速機構2における直結クラッチ1
1の係合・解放ならびに滑りを伴う半係合の各状態の制
御および歯車変速機構9での変速比の制御ならびに無段
変速機10での変速比の制御は、基本的には、車両の走
行状態に基づいて制御されるようになっている。その制
御のためにマイクロコンピュータを主体として構成され
た電子制御装置(T−ECU)13が設けられている。
【0021】この電子制御装置13は、前述したエンジ
ン用の電子制御装置6とデータ通信可能に連結される一
方、制御のためのデータとして車速Vや変速機構2の出
力回転数No などのデータが入力されている。また、変
速機構2を停止状態(パーキング)、後進状態(リバー
ス)、中立状態(ニュートラル)、車両の走行状態に応
じて変速比を自動的に設定する自動前進状態(ドライ
ブ:D)すなわち自動変速モード、変速状態を手動操作
で設定する手動状態(マニュアル:M)すなわち手動変
速モードの各状態を選択するシフト装置14が設けられ
ており、このシフト装置14が電子制御装置13に電気
的に連結されている。
【0022】上記のこの発明に係る制御装置では、無段
変速機10の変速比を適宜に設定することによりエンジ
ン回転数を制御し、またエンジン1の出力トルクをスロ
ットル開度あるいは燃料噴射量によって制御する。これ
に加えて発進時には、駆動トルクに不足が生じないよう
にエンジン1の出力トルクを補正する。図1は、そのエ
ンジン回転数およびエンジン出力ならびにその補正の制
御を示すブロック図であり、先ず、第1ブロックB1 に
示すように、要求駆動量の一例であるアクセル開度θと
車速Vとに基づいて目標駆動力Fが求められる。なお、
車速Vは、これと一対一の関係にある他の適宜の回転部
材の回転数、例えば変速機構2の出力軸回転数No で代
用してもよい。
【0023】これらのアクセル開度θと車速Vとに基づ
く目標駆動力Fの決定は、予め用意したマップに基づい
ておこなう。具体的には、アクセル開度θをパラメータ
として車速Vと駆動力Fとの関係をマップとして予め定
めておく。その場合、対象とする車両の特性を反映する
ように駆動力Fを定める。
【0024】つぎに、ブロックB2 に示すように、発進
時の駆動力補正制御が実行される。この補正制御は、発
進時に無段変速機10で設定されている変速比が、通常
の発進時に設定される最大変速比より小さい場合に、変
速比が小さいことに伴う駆動トルクの不足を補うための
制御であり、したがって発進時に無段変速機10で設定
されている変速比に基づいた補正がおこなわれる。その
一例を図2にフローチャートで示してある。先ず、目標
駆動力Fが読み込まれる(ステップS1)。ついで、発
進時か否かが判断される(ステップS2)。これは、例
えば車速Vがゼロの状態でアクセル開度がゼロから増大
したことを検出することにより判断することができる。
【0025】発進操作されたことによりステップS2で
肯定的に判断された場合には、目標駆動力Fの補正がお
こなわれる(ステップS3)。これは、例えば発進が判
断された時点で無段変速機10で実際に設定されている
変速比と通常の発進の際に設定される変速比(例えば最
も低速側の最大変速比)との比率に応じて目標駆動力F
を増大させることによりおこなわれる。すなわち補正後
の目標駆動力Fo がF0 =F×(発進用最大変速比)/
(発進時の実変速比)で算出される。
【0026】なお、車両が既に走行していてステップS
2で否定的に判断された場合には、上記のブロックB1
で求められた目標駆動力Fがそのまま補正後の目標駆動
力F0 (=F)とされる(ステップS4)。
【0027】この補正後の目標駆動力F0 と車速Vとに
基づいてエンジン1の目標出力Pが求められる(ブロッ
クB3 )。その演算は、例えば(P=F0 ×V)として
おこなわれるが、発進時であって未だ実際に車速が生じ
ていないので、その演算のためには、予め定められた算
出用の車速値が使用される。
【0028】こうして求められた目標出力Pは、一方
で、エンジン1の目標回転数Netの決定に使用される
(ブロックB4 )。すなわち所定の出力に対して燃費が
最小となるエンジン回転数は、エンジン1ごとに予め知
ることができ、これをマップ(もしくは目標エンジン回
転数テーブル)として用意することができる。したがっ
てブロックB4 では、目標出力Pとその目標エンジン回
転数テーブルとに基づいて目標エンジン回転数Netが求
められる。なお、エンジン回転数Ne と無段変速機10
の入力側回転部材の回転数(入力回転数)とは等価な関
係にあり、無段変速機10の変速比の制御において、エ
ンジン回転数Ne に代えて入力回転数を用いることもで
きる。そして、この目標エンジン回転数Netとその時点
の実際のエンジン回転数Ne とに基づいて変速制御手段
によって実際のエンジン回転数Ne が目標エンジン回転
数Netとなるように無段変速機10の変速比が制御され
る(ブロックB5 )。
【0029】他方、目標出力Pに基づいて目標エンジン
トルクTo が求められる(ブロックB6 )。具体的に
は、目標出力Pをその時点の実際のエンジン回転数Ne
(入力回転数)あるいは目標エンジン回転数Net(目標
入力回転数)で除算することにより目標エンジントルク
To が求められる(To =30P/π・Ne)。こうし
て求められた目標エンジントルクTo に基づいてエンジ
ントルク制御手段がスロットル開度あるいは燃料噴射量
などの負荷を求め、その結果に基づいてエンジン1を制
御する(ブロックB7 )。
【0030】上記のようにしてエンジントルク制御手段
によって制御されてエンジン1が実際に出力するトルク
は、発進時の駆動力補正制御を実行して補正された目標
駆動力に基づいて求められた目標エンジントルクTo と
なる。したがって車両が急停止して無段変速機10の変
速比が最大変速比より小さい変速比のままとなり、その
状態から発進する場合であっても、無段変速機10での
変速比が小さいことに起因する駆動トルクの不足が是正
され、その結果、通常時と同様の発進加速性を得ること
ができる。
【0031】ここで、上記の具体例とこの発明との関係
を簡単に説明すると、図1のブロックB2 に示す発進時
駆動力補正制御の機能的手段が、請求項1および請求項
2の補正手段に相当する。
【0032】なお、この発明は、要は、発進時に設定さ
れている変速比が通常の発進の際に設定される変速比よ
り小さいことに起因する駆動トルクの不足を是正するよ
うにトルクの補正をおこなうように構成されていればよ
いのであり、したがって駆動トルクを確保するための補
正制御は、上記の具体例で示したように、目標駆動力F
を補正することに限定されない。例えば、前述した目標
エンジントルクを補正するようにしてもよく、そのよう
な目標エンジントルクを発進時に実際に設定されている
変速比に基づいて補正する機能的手段が、請求項3の発
明における補正手段に相当する。さらに、この発明で
は、目標エンジントルクを達成するようにスロットル開
度などのエンジン負荷を制御する制御値を、発進時に実
際に設定されている変速比に基づいて補正することとし
てもよい。
【0033】この発明についてのこれらの変形例のうち
目標エンジントルクを補正する例を図4に示してある。
ここに示す例では、上記の具体例において、ベルト式無
段変速機10の変速比の制御として、エンジン回転数N
e に代えて入力回転数を用いた例であり、また、目標エ
ンジントルクTo の算出にあたり、エンジン回転数Ne
に代えて目標入力回転数を採用した例である。そして、
目標駆動力Fの補正の代わりに実変速比γの値に基づい
て目標エンジントルクを補正するように構成したもので
ある。すなわち図4において、先ず、車両が停車中か否
かが判断される(ステップS11)。これは、車速Vや
出力軸回転数Ne あるいはサイドブレーキ(パーキング
ブレーキ)の操作状態などに基づいて判断することがで
きる。
【0034】車両が停止していることによりステップS
10で肯定的に判断された場合には、実際に設定されて
いる変速比γが予め定めてある判断基準値γ1 より小さ
いか否かが判断される(ステップS12)。この判断基
準値γ1 は、無段変速機10で設定可能な最大変速比
(最も低速側の変速比)より僅か小さい程度の値であ
る。したがってステップS12では、停車時のいわゆる
ベルト戻りの不良が生じているか否かを判断することに
なる。
【0035】なお、無段変速機で設定されている実際の
変速比は、その入力側回転部材(駆動側もしくは入力側
のプーリー)と出力側回転部材(従動側もしくは出力側
のプーリー)との回転数を検出し、その回転数の比とし
て求められる。したがって無段変速機が停止している場
合には、実際の変速比を求めることができないので、上
記のステップS12の判断で使用する実際の変速比γに
は、車両が停止する直前すなわち無段変速機10が停止
する直前の変速比が採用される。これ以外は、通常と同
様に、上記の各回転数に基づく演算によって求められた
値が採用される。
【0036】上記のステップS12で肯定的に判断され
た場合には、フラグFmodoriが“1”にセットされる
(ステップS13)。そして、実際の変速比γと目標変
速比γT との比率に基づいて目標入力回転数NINT を補
正した値が、目標トルク算出用回転数NINPCT として採
用される(ステップS14)。すなわち、NINPCT =N
INT ×γ/γTの演算式により目標トルク算出用回転数
NINPCT が求められる。そして、この目標トルク算出用
回転数NINPCT が図1に示すブロックB6 で目標エンジ
ントルクTo を算出するための回転数として採用され
る。
【0037】したがって、上述したいわゆるベルト戻り
の不良が生じている場合の変速比γが、アクセル開度な
どの車両の走行状態に基づいて求められる目標変速比γ
T より小さいので、目標トルク算出用回転数NINPCT が
目標入力回転数NINTより小さくなる。その結果、この
目標トルク算出用回転数NINPCTを用いて算出された目
標エンジントルクTo が、補正前の値すなわち目標入力
回転数NINT に基づいて求めたトルクより大きくなる。
【0038】いわゆるベルト戻りの不良が生じている状
態で発進する場合、上記のように目標エンジントルクが
増大するように補正されるので、駆動トルクや発進加速
性に不足が生じることが回避される。こうして発進した
後、図4に示すルーチンではステップS11で否定的に
判断される。その場合には、前述したフラグFmodoriが
“1”にセットされているか否かが判断される(ステッ
プS15)。ベルト戻りの不良の状態で発進した直後で
は、このフラグFmodoriが“0”にセットされたままと
なっており、したがってステップS15で否定的に判断
される。
【0039】その場合は、目標変速比γT と実際の変速
比γとの差が、予め定めた値Δγより小さいか否かが判
断される(ステップS16)。このステップS16で否
定的に判断された場合には、実際の変速比γが目標変速
比γT に対してかなり小さいことになり、したがってこ
の場合は、ステップS14に進んで、実際の変速比γと
目標変速比γT とに基づいて目標トルク算出用回転数N
INPCT を演算する。
【0040】これに対して、ステップS16で肯定的に
判断された場合には、実際の変速比γが車両の走行状態
に基づいて定まる目標変速比γT に近似した(もしくは
等しくなった)ことになる。そこでこの場合は、前記の
フラグFmodoriを“1”にセット(ステップS17)す
るとともに、車両の走行状態に基づいて定まる目標入力
回転数NINT が、目標トルク算出用回転数NINPCT とし
て採用される(ステップS18)。すなわち、図1を参
照して説明したブロックB3 以降の通常の制御が実行さ
れる。なお、いわゆるベルト戻りの不良が生じていない
ことによりステップS12で否定的に判断された場合に
も、このステップS18に進んで通常の制御が実行され
る。
【0041】上述したベルト戻りの不良は、車両が急に
停止した場合に発生し、その影響は、その後の発進時に
最も顕著に現れる。そのため、図4に示す例では、車両
が停止していること、および実際の変速比γが判断基準
値γ1 より小さいことを条件に目標エンジントルクを補
正することとした。しかしながら、無段変速機10が動
作すれば、変速比は目標値に是正されるうえに、実際の
変速比γが目標変速比γT に対して大きくずれているこ
とによる影響が停車を含む低車速時に現れるのであるか
ら、目標エンジントルクの補正は、低車速であることに
基づいて実行することとしてもよい。その例を図5にフ
ローチャートで示してある。
【0042】すなわち図5において、先ず、車速Vが予
め定めた基準車速Vo より小さいか否かが判断される
(ステップS21)。車速Vが基準車速Vo より小さい
ことによりステップS21で肯定的に判断された場合に
は、実際の変速比γと目標変速比γT との比率に基づい
て目標入力回転数NINT を補正した目標トルク算出用回
転数NINPCT が求められる(ステップS22)。このス
テップS22での演算は、前述したステップS14にお
ける演算と同様である。
【0043】これに対して車速Vが基準車速Vo 以上で
あることによりステップS21で否定的に判断された場
合には、車両の走行状態に基づいて定まる目標入力回転
数NINTを目標トルク算出用回転数NINPCT として採用
する(ステップS23)。
【0044】したがって図5に示す制御を実行するよう
に構成した場合には、発進時の実際の変速比γが、ベル
ト戻りの不良によって目標変速比γT より小さくなって
いる場合には、目標エンジントルクを算出するための回
転数NINPCT が目標入力回転数NINTより小さい値とな
るので、算出される目標エンジントルクの値が大きくな
り、これをもってエンジントルクが制御されるので、発
進時の駆動トルクが不足する事態が回避される。また、
ベルト戻りの不良が生じていずに、実際の変速比γが目
標変速比γT に一致もしくは近似している場合であって
も、発進時にはステップS22の演算がおこなわれる
が、その場合の実際の変速比γと目標変速比γT との比
率が“1”に近いので、目標トルク算出用回転数NINPC
T の値が、車両の走行状態に基づいて求まる目標入力回
転数NINTに近似した値とな。すなわち通常の制御と同
様の制御が実行されるのみであって、特に支障が生じる
ことはない。
【0045】なお、図4および図5に示す例では、実際
の変速比γが目標変速比γT に対してずれる例としてい
わゆるベルト戻りの不良を挙げたが、この発明はベルト
式無段変速機を対象とした制御装置に限定されないので
あり、したがって前述したトロイダル式(トラクション
式)無段変速機を対象とする制御装置にこの発明を適用
した場合には、パワーローラなどの伝動部材の傾斜角度
もしくは傾斜位置が発進時の角度もしくは位置に戻らな
い状態で前述した制御が実行されることになる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の制御装
置によれば、発進時に無段変速機で設定されている変速
比が、通常の発進の際に設定される変速比より小さい場
合には、駆動トルクが増大するように補正されるので、
車両が急停止するなどのことに伴って発進の際の変速比
が小さいとしても、それに起因する駆動トルクの不足を
是正することができ、その結果、発進加速性を良好な状
態に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る制御装置で実行される制御の
過程を示すブロック図である。
【図2】 目標駆動力の補正制御を説明するためのフロ
ーチャートである。
【図3】 この発明の制御装置が対象とする車両の駆動
系統および制御系統を概念的に示すブロック図である。
【図4】 この発明による補正制御の他の例を説明する
ためのフローチャートである。
【図5】 この発明による補正制御の更に他の例を説明
するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1…エンジン、 2…変速機構、 6,13…電子制御
装置、 10…無段変速機(CVT)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 45/00 310 F02D 45/00 310E 330 330 F16H 61/02 F16H 61/02 // F16H 59:70 59:70 63:06 63:06 (72)発明者 近藤 宏紀 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3D041 AA26 AA30 AA32 AB01 AC09 AC15 AC19 AC20 AD02 AD10 AD32 AD33 AD34 AD37 AD39 AD51 AE03 AE04 AE07 AE31 AF01 AF09 3G084 AA01 AA03 BA02 BA03 BA05 BA13 BA32 CA04 CA08 DA15 EB08 EB12 EB16 EC03 FA05 FA06 FA10 FA33 3G093 AA05 AA06 AB00 AB01 BA15 CB05 CB06 CB08 DA01 DA06 DB04 DB05 DB11 DB12 EA02 EA03 EA05 EA09 EB03 EC02 EC04 FA05 FA06 FA07 FA10 FA11 FB01 FB03 3G301 HA01 HA02 HA04 JA03 KA12 KB10 LA01 LB02 LB04 MA11 NA06 NA07 NB11 NC04 ND03 ND12 ND15 NE01 PA11A PA11Z PB03A PE01A PE01Z PE06A PF01Z PF08A PF08Z PF10Z 3J552 MA07 MA09 NA01 NB01 PA32 RB03 RB17 UA08 VA74W

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動力源と、変速比を連続的に変化させる
    ことのできる無段変速機とを備え、出力要求量と車速と
    に基づいて目標駆動力を算出し、その目標駆動力に基づ
    いて動力源の目標出力を算出し、その目標出力を達成す
    るように前記無段変速機を制御する一方、前記目標駆動
    力に基づいて動力源の目標出力トルクを算出し、その目
    標出力トルクに基づいて前記動力源を制御する無段変速
    機を備えた車両の制御装置において、 前記車両が発進する際に前記無段変速機で設定されてい
    る変速比に基づいて前記動力源の出力トルクを補正する
    補正手段を備えていることを特徴とする無段変速機を備
    えた車両の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記補正手段は、前記目標駆動力を補正
    する手段であることを特徴とする請求項1に記載の無段
    変速機を備えた車両の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記補正手段は、前記目標出力トルクを
    補正する手段であることを特徴とする請求項1に記載の
    無段変速機を備えた車両の制御装置。
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